JPH1098222A - 波長変換固体レーザー - Google Patents

波長変換固体レーザー

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JPH1098222A
JPH1098222A JP24997596A JP24997596A JPH1098222A JP H1098222 A JPH1098222 A JP H1098222A JP 24997596 A JP24997596 A JP 24997596A JP 24997596 A JP24997596 A JP 24997596A JP H1098222 A JPH1098222 A JP H1098222A
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JP
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crystal
light
laser
resonator
wavelength
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JP24997596A
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Chiaki Goto
千秋 後藤
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固体レーザー結晶を励起光によってポンピン
グし、それにより発せられた固体レーザービームを、共
振器内に配した光波長変換素子により波長変換するとと
もに、APCにより波長変換波出力を安定化させる波長
変換固体レーザーにおいて、経時変化や環境温度変化に
よって波長変換波出力が変動することを防止する。 【解決手段】 固体レーザーの共振器の部分をカバー部
材40により覆って、固体レーザー結晶13を透過した後に
反射、散乱した励起光(レーザービーム)10が該共振器
外に漏れ出ないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長変換機能を備
えた固体レーザーに関し、特に詳細には、出力安定化制
御の精度向上を図った波長変換固体レーザーに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】例えば特開昭62-189783 号に示されるよ
うに、ネオジウム(Nd)が添加されたレーザー結晶を
半導体レーザーから発せられた光によって励起する固体
レーザーが公知となっている。またこの種の固体レーザ
ーにおいては、より短波長のレーザービームを得るため
に、その共振器内に非線形光学材料からなる光波長変換
素子を配置して、固体レーザービームを第2高調波等に
波長変換することも広く行なわれている。
【0003】上述の波長変換固体レーザーに対しては、
多くの場合、波長変換波の出力を一定に保ちたいという
要求がある。そこで従来より、例えば特開平7-154014号
に示されるように、光波長変換素子から出射した波長変
換波の一部を分岐させる部分反射ミラー等の光分岐手段
と、分岐された波長変換波の光量を検出する光検出器
と、この光検出器の出力を受けて該出力を一定化するよ
うに半導体レーザーの駆動電流を制御するAPC(Auto
matic Power Control )回路とを設けて、波長変換波の
出力を安定化するようにした波長変換固体レーザーが提
案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来の波
長変換固体レーザーにおいては、出力安定化制御をかけ
ていても、経時変化や環境温度変化があると、波長変換
波の出力が変動しやすいという問題が認められている。
【0005】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、経時変化や環境温度変化があっても、波長変換
波の出力を精度良く安定化することができる波長変換固
体レーザーを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による波長変換固
体レーザーは、レーザー結晶と、このレーザー結晶を励
起する励起光を発する半導体レーザーと、この励起によ
りレーザー結晶から発せられた光を共振させる共振器
と、この共振器内に配され、得られた固体レーザービー
ムを波長変換する光波長変換素子とからなる基本構成に
加えて、前述した光分岐手段と、波長変換波の光量を検
出する光検出器と、APC回路とを設けて波長変換波の
出力を安定化する波長変換固体レーザーにおいて、上記
共振器の部分を覆って光の漏出を防止するカバー部材が
設けられたことを特徴とするものである。
【0007】なお本発明の好ましい態様においては、半
導体レーザーを保持している保持部材および/または光
検出器を保持している保持部材に、上記カバー部材と嵌
合する段差部が設けられる。
【0008】また本発明の別の好ましい態様において
は、半導体レーザーを保持している保持部材および/ま
たは光検出器を保持している保持部材と、上記カバー部
材との間の隙間が、別のカバー部材によって覆われる。
【0009】
【発明の効果】本発明者の研究によると、先に述べた従
来装置における問題は、レーザー結晶に吸収されなかっ
た励起光によって引き起こされていることが分かった。
以下、この点について詳しく説明する。
【0010】レーザー結晶に吸収されず、そこを透過し
て直進する励起光は、波長変換波と混合しないように、
通常はフィルターによってカットされる。しかし、一般
にレーザー結晶内で収束するように集光されるこの励起
光は、収束後に大きく発散するので、レーザー結晶を透
過した後に各光学部材のホルダ等で反射、散乱しやす
い。こうして反射、散乱した励起光は、前述の光分岐手
段を経てAPC用の光検出器に入射してしまうことがあ
る。
【0011】具体的に、360 mWの励起光の45%がレー
ザー結晶に吸収されて約1mWの第2高調波が発生し、
この第2高調波の15%つまり約0.15mWが分岐されてA
PC用光検出器に入射する場合を考えてみる。このと
き、レーザー結晶に吸収されないでそこを透過する励起
光は、360 mWの55%つまり約200 mWとなるが、その
うちの0.01%(0.02mW)が上記光検出器に入射すると
しても、該光検出器の検出光量のうち10%以上が励起光
量であることになる。
【0012】一方、経時変化や環境温度変化により固体
レーザーの共振器の状態が変化すると、励起光と第2高
調波の光量比が変化することがある。また、半導体レー
ザーの経時変化によりその発振波長つまり励起光波長が
変化し、レーザー結晶における励起光の吸収率が変化す
ることもある。このようなことがあると、第2高調波の
出力に変化が無くてもAPC用光検出器の検出光量が変
化し、その結果、APC回路が第2高調波の出力を変化
させてしまうことになる。
【0013】図4はこのことを分かりやすく示すもので
ある。この場合、APC用光検出器の検出光量がL0
一定化するように半導体レーザーの駆動電流が制御され
るものとする。上記の反射、散乱した励起光がAPC用
光検出器に入射するようになっていると、例えば時間T
1 においては、第2高調波光量L1 と励起光量L2 を合
わせた光量がL0 で一定化する。つまりその場合、第2
高調波光量はL1 で一定化する。
【0014】その後励起光と第2高調波の光量比が変化
する等して、時間T2 におけるように、第2高調波光量
1 ’と励起光量L2 ’を合わせた光量がL0 で一定化
されると、この場合は第2高調波光量が上記L1 とは異
なるL1 ’で一定化されてしまう。
【0015】それに対して本発明の波長変換固体レーザ
ーにおいては、共振器の部分を覆って光の漏出を防止す
るカバー部材が設けられたことにより、光学部材のホル
ダ等で反射、散乱した励起光が共振器外に漏れ出なくな
る。そこで、この反射、散乱した励起光がAPC用光検
出器に入射してしまうことがなくなる。
【0016】したがって、経時変化や環境温度変化によ
り固体レーザーの共振器の状態が変化して励起光と第2
高調波の光量比が変化したり、半導体レーザーの経時変
化により励起光波長が変化してレーザー結晶における励
起光の吸収率が変化しても、APC用光検出器の検出光
量が変化することがなく、その結果、長期に亘り安定な
波長変換波出力を得ることができる。
【0017】そして、半導体レーザーを保持している保
持部材および/または光検出器を保持している保持部材
に、上記カバー部材と嵌合する段差部が設けられている
と、上記反射、散乱した励起光が共振器外に漏れ出るこ
とがより確実に防止され、波長変換波出力を安定させる
効果がより高くなる。
【0018】また、半導体レーザーを保持している保持
部材および/または光検出器を保持している保持部材
と、上記カバー部材との間の隙間が、別のカバー部材に
よって覆われている場合も、上記反射、散乱した励起光
が共振器外に漏れ出ることがより確実に防止され、波長
変換波出力を安定させる効果がより高くなる。なおこの
別のカバー部材は、上記の段差部と併せて設けられても
よい。
【0019】また、本発明の波長変換固体レーザーにお
いては、上記のカバー部材が設けられたことにより、共
振器部分における空気の流通が妨げられて温度均一性が
増すので、共振器部の温度調節がなされる際には、その
精度が高くなるという効果も奏する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実
施形態であるレーザーダイオード励起固体レーザーの側
面形状を示すものである。
【0021】このレーザーダイオードポンピング固体レ
ーザーは、励起光としてのレーザービーム10を発する半
導体レーザー11と、発散光であるレーザービーム10を集
光する集光レンズ12と、ネオジウム(Nd)がドープさ
れた固体レーザー媒質であるYAG結晶(Nd:YAG
結晶)13と、このNd:YAG結晶13の前方側つまり半
導体レーザー11と反対側に配された共振器ミラー14とを
有している。
【0022】またNd:YAG結晶13と共振器ミラー14
との間には、Nd:YAG結晶13側から順に、周期ドメ
イン反転構造を有する非線形光学材料であるMgO:L
iNbO3 結晶(以下、反転ドメインLN結晶と称す
る)15、カルサイト結晶17、エタロン16が配設されてい
る。
【0023】半導体レーザー11は、活性層幅が約50μm
のブロードエリアレーザーであり、中心波長809 nmの
レーザービーム10を発するものが用いられている。また
レーザービーム10の直線偏光方向は図中のβ方向に設定
されている。
【0024】集光レンズ12は、一例として屈折率分布形
レンズ(商品名:セルフォックレンズ)からなり、球面
加工が施された片面側をNd:YAG結晶13に向けて保
持部材20に固定されている。Nd:YAG結晶13は厚さ
1mmに形成されたものであり、集光レンズ12は該結晶
13の入射端面から厚さ方向0.6 ±0.1 mmの位置に、拡
大率0.8 〜1.0 倍でレーザービーム10を収束させるよう
に位置調整されている。
【0025】この集光レンズ12と半導体レーザー11は、
共通の保持部材20に固定される。この保持部材20は、図
中のα、β方向の所定位置に集光点が位置するように調
整された上で、ベースプレート30に固定される。なお、
半導体レーザー11および集光レンズ12が取り付けられた
保持部材20の部分を以下、励起部と称する。
【0026】Nd:YAG結晶13は、入射したレーザー
ビーム10によってネオジウムイオンが励起されることに
より、波長 946nmの光を発する。Nd:YAG結晶13
の入射端面13aには、波長 946nmの光は良好に反射さ
せる(反射率99.9%以上)一方、波長809 nmの励起用
レーザービーム10は良好に透過させる(透過率93%以
上)コーティングが施されている。一方共振器ミラー14
のミラー面14aには、波長 946nmの光は良好に反射さ
せ(反射率99.9%以上)、下記の波長473 nmの光は透
過させる(透過率90%以上)コーティングが施されてい
る。
【0027】したがって、上記波長 946nmの光はそれ
に対する高反射面となっているNd:YAG結晶端面13
aとミラー面14aとの間に閉じ込められてレーザー発振
を引き起こし、波長 946nmのレーザービーム18が発生
する。基本波としてのこのレーザービーム18は反転ドメ
インLN結晶15により、波長が1/2すなわち473 nm
の第2高調波19に変換され、共振器ミラー14からは主に
この第2高調波19が出射する。
【0028】なお本例において、Nd:YAG結晶13の
厚さは1mmである。また反転ドメインLN結晶15の長
さは2mm、共振器ミラー14の曲率半径は20mm、共振
器を構成するNd:YAG結晶端面13aとミラー面14a
との間の距離は約10mmである。一方Nd:YAG結晶
端面13aには、波長473 nmの第2高調波19を良好に反
射させる(反射率95%以上)コーティングも施されてお
り、それにより、反転ドメインLN結晶15で発生してN
d:YAG結晶13側に進行した第2高調波19を共振器ミ
ラー14側に反射させて、高い第2高調波出力が得られる
ようになっている。
【0029】また反転ドメインLN結晶15の結晶軸は、
図2に示すように、c軸がβ方向となるように配されて
いる。そして反転ドメインLN結晶15のドメイン反転部
15aの周期は約4.7 μmであり、半導体レーザー11が発
するレーザービーム10の中心波長が809 nmとなる温度
で位相整合するように構成されている。
【0030】カルサイト結晶17は厚さ約0.8 mmの平行
平板で、c軸からa軸方向に46.7°の方向にカットされ
ている。そこで、平行平面を形成する光入出射面にはa
軸と、cとaを含む軸が出ている。このカルサイト結晶
17の複屈折性のため、該結晶17中では波長 946nmのレ
ーザービーム18の偏光によって光路が異なるので、共振
器ミラー14の位置調整によって所望の偏光のみを発振さ
せることができる。本例では、カルサイト結晶17のa軸
をほぼβ方向に揃え、このβ方向に偏光した波長 946n
mの光を発振させている。
【0031】一方、上述した通り反転ドメインLN結晶
15はc軸がβ方向となるように配されているので、非線
形光学定数d33を用いて、β方向に偏光した波長473 n
mの第2高調波19が発生する。カルサイト結晶17の光入
出射面には、波長 946nmおよび473 nmの光に対する
反射率を0.5 %以下とするARコーティングが施されて
いる。
【0032】またエタロン16は厚さ0.37mmの石英板か
らなり、その光入出射面には、波長946nmの光に対し
て反射率14%、波長473 nmの光に対して反射率0.5 %
以下となるARコーティングが施されている。
【0033】以上説明したNd:YAG結晶13、共振器
ミラー14、反転ドメインLN結晶15、エタロン16および
カルサイト結晶17は、保持部材21に取り付けられてい
る。なお以下では、この保持部材21の部分を共振器部と
称する。
【0034】この共振器部から出射した第2高調波19
は、保持部材22に取り付けられた部品からなるAPC部
に入射する。保持部材22は図3に平断面形状を示すよう
に、互いに直交する端面22aおよび22bと、これらの端
面22a、22bに対して45°の角度をなす端面22cとを有
し、その内部には直角に折れて3つの端面22a、22bお
よび22cに開口する光通過孔22dが穿設されている。
【0035】共振器部の方を向く上記端面22aには、励
起用レーザービーム10および固体レーザービーム18を吸
収する一方、第2高調波19は通過させるフィルター23が
取り付けられている。また斜めの端面22cには、第2高
調波19の一部を通過させ、残余を端面22b側に反射させ
る部分反射ミラー24が取り付けられている。そして端面
22bには、上記の反射した第2高調波19を検出するフォ
トダイオード等のAPC用光検出器25が取り付けられて
いる。
【0036】上記フィルター23としては、光量の大きな
励起用レーザービーム10に対する透過率が0.01〜 0.001
%のものが用いられている。またその光入出射面には、
波長473 nmの光に対する反射率が0.5 %以下となるA
Rコーティングが施されている。
【0037】一方、光分岐手段としての部分反射ミラー
24は、光入出射面がほぼ平行な合成石英の平板からな
り、上記端面22cに固定されたことにより、光軸(γ
軸)に対して45°傾いた状態となっている。そこで、β
方向に偏光した波長473 nmの第2高調波19は、この部
分反射ミラー24にs偏光として入射する。この部分反射
ミラー24の保持部材22に取り付けられる側の面(A
面)、およびそれと反対側の面(B面)には、s偏光で
ある第2高調波19に対してそれぞれ反射率が15%、0.5
%以下となるコーティングが施されている。
【0038】上記A面で反射した第2高調波19は光検出
器25の光電面に入射し、その光量が該光検出器25によっ
て検出される。なおこの光検出器25としては、励起用レ
ーザービーム10に対する感度を低く抑えるために、低抵
抗率のN+ 半導体層を厚くして、N−N+ の境界を表面
近くまで持って来た光電面を有するSiフォトダイオー
ドを好適に用いることができる。光検出器25の光検出信
号Sは、先に述べたAPCつまり第2高調波19の出力を
安定化させる制御に用いられるが、その点については後
述する。
【0039】部分反射ミラー24を透過した第2高調波19
は、図1に示される通り、開口板33の開口33aを通過し
た後、パッケージキャップ34の出射窓34aからパッケー
ジ外に出射する。なお上記開口33aの径は、第2高調波
19のビーム径(1/e2 径)の例えば1.5 〜2.5 倍程度
とされ、ここに第2高調波19を通すことにより、前記共
振器部やAPC部で発生した迷光がカットされる。
【0040】またパッケージキャップ34の出射窓34aに
取り付けられた窓ガラス35は、表裏の多重反射による干
渉で第2高調波出力が低下するのを防ぐため、表裏面の
平行度を5〜30′程度としてある。そしてこれら表裏面
には、第2高調波19に対する反射率が0.5 %以下となる
コーティングが施されている。
【0041】以上説明した励起部、共振器部およびAP
C部を保持した各保持部材20、21および22は、板状のベ
ースプレート30上に接着され、該ベースプレート30およ
びペルチェ素子31を介してパッケージベース32に接着固
定されている。
【0042】そして、共振器部に取り付けられたサーミ
スタ36により共振器内の温度が検出され、図示しない温
度制御回路によりこの検出温度が所定の温度となるよう
にペルチェ素子31の電流が調節されて、共振器内の温度
が所定温度に維持される。
【0043】ここで、ベースプレート30上の各要素の温
度は均一であるのが望ましく、そこで保持部材20、21、
22およびベースプレート30はアルミニウム、銅またはこ
れらの合金のように熱伝導率の高い材料から形成される
のが望ましい。また、各部の接着固定も熱伝導率性接着
剤、半田等熱伝導率の高いものによってなされるのが望
ましいが、エポキシ接着剤等の一般的な接着剤でも、接
着層を10μm以下程度に薄くすれば、熱抵抗が小さくな
るので使用可能である。
【0044】また本実施形態においては、全ての部品の
取り付けが終了した後、電気部品の配線を済ませたパッ
ケージベース32とパッケージキャップ34とが、乾燥窒素
雰囲気中でシーム溶接される。
【0045】次に、前述したAPCについて詳しく説明
する。図3に示されるように光検出器25の光検出信号S
は、APC回路26に入力される。APC回路26は例えば
この光検出信号Sと所定の基準信号とを比較し、前者が
後者を上回るときは半導体レーザ11の駆動電流Iを低下
させ、その反対のときは駆動電流Iを増大させる。それ
により、第2高調波19の出力が所定の一定値に保たれ
る。
【0046】ここで、集光レンズ12によりNd:YAG
結晶13内で収束するように集光されたレーザービーム10
は、収束後に大きく発散するので、Nd:YAG結晶13
を透過した後に、保持部材21に各光学部材を取り付けて
いるホルダ等で反射、散乱しやすい。こうして反射、散
乱したレーザービーム10は、そのままでは、前述の部分
反射ミラー24を通ってAPC用光検出器25に入射するこ
ともある。そうであると、第2高調波19の出力を精度良
く一定化することが難しくなる。その理由は、先に詳し
く説明した通りである。
【0047】この不具合を無くすため本装置において
は、下側が開いた断面コ字型に形成され、共振器部を覆
って光の漏出を防止するカバー部材40が設けられてい
る。このカバー部材40が設けられたことにより、上記の
ように反射、散乱したレーザービーム10が共振器外に漏
れ出なくなる。そこで、この反射、散乱したレーザービ
ーム10がAPC用光検出器25に入射してしまうことがな
くなる。
【0048】したがって、経時変化や環境温度変化によ
り固体レーザーの共振器の状態が変化してレーザービー
ム10と第2高調波19の光量比が変化したり、半導体レー
ザー11の経時変化によりレーザービーム10の波長が変化
してNd:YAG結晶13におけるレーザービーム10の吸
収率が変化しても、APC用光検出器25の検出光量が変
化することがなく、その結果、長期に亘り安定な第2高
調波出力を得ることができる。
【0049】なお本実施形態においては、図5に詳しく
示す通り、半導体レーザー11を保持する保持部材20およ
び光検出器25を保持する保持部材22にそれぞれ、上記カ
バー部材40と嵌合する段差部20a、22fが設けられてい
る。そこで、上記反射、散乱したレーザービーム10が、
保持部材20および22とカバー部材40との隙間から共振器
外に漏れ出ることもなくなり、第2高調波出力を安定さ
せる効果がより高くなる。
【0050】次に図6を参照して、本発明の第2の実施
形態であるレーザーダイオード励起固体レーザーについ
て説明する。なおこの図6において、図1中の要素と同
等の要素には同番号を付してあり、それらについての重
複した説明は省略する(以下、同様)。
【0051】この図6のレーザーダイオード励起固体レ
ーザーにおいて、半導体レーザー11と集光レンズ12はそ
れぞれ専用の保持部材20A、20Bに保持される。そして
これらの保持部材20A、20Bの相対位置を変えることに
より、半導体レーザー11と集光レンズ12のα、β方向の
相対位置関係が調整可能となっている。また本実施形態
では、第1の実施形態における段差部20aに相当する段
差部は設けられていないが、保持部材20Bとカバー部材
40との隙間を小さくすることにより、反射、散乱したレ
ーザービーム10がこの隙間から共振器外に多く漏れ出る
ことを防止できる。
【0052】また、レーザービーム10が上記隙間から共
振器外に漏れ出ることを防止するには、図7に示す第3
の実施形態におけるように、保持部材20とカバー部材40
との隙間を覆う別のカバー部材41や、保持部材22とカバ
ー部材40との隙間を覆うさらに別のカバー部材42を設け
てもよい。なおこのような別のカバー部材41、42は、前
述の段差部20a、22fと併せて設けられてもよい。
【0053】また非線形光学結晶としては、周期ドメイ
ン反転構造を有するLN結晶15に限らず、その他、周期
ドメイン反転構造を持たないMgO:LiNbO3 や、
さらにはLiTaO3 、β−BBO、LBO、Ba2
aNb5 15等の結晶も使用可能である。
【0054】さらに、非線形光学結晶として周期ドメイ
ン反転構造を有するものを用いる場合は、上述したMg
O:LiNbO3 結晶の他に、例えばLiNbO3 結晶
や、LiTaO3 結晶や、KTP結晶に周期ドメイン反
転構造を形成したもの等も使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である波長変換固体レー
ザーを示す一部破断側面図
【図2】上記波長変換固体レーザーの一部を示す斜視図
【図3】上記波長変換固体レーザーの別の部分を示す一
部破断平面図
【図4】従来装置における問題点を説明する概略図
【図5】上記波長変換固体レーザーにおけるカバー部材
の部分を示す分解斜視図
【図6】本発明の第2の実施形態である波長変換固体レ
ーザーを示す一部破断側面図
【図7】本発明の第3の実施形態である波長変換固体レ
ーザーを示す一部破断側面図
【符号の説明】 10 レーザービーム(ポンピング光) 11 半導体レーザー 12 集光レンズ 13 Nd:YAG結晶 14 共振器ミラー 15 反転ドメインLN結晶 16 エタロン 17 カルサイト結晶 18 固体レーザービーム(基本波) 19 第2高調波 20、20A、20B、21、22 保持部材 20a、22f 保持部材の段差部 23 フィルター 24 部分反射ミラー 25 APC用光検出器 26 APC回路 30 ベースプレート 31 ペルチェ素子 32 パッケージベース 33 開口板 34 パッケージキャップ 36 サーミスタ 40 カバー部材 41、42 別のカバー部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザー結晶と、 このレーザー結晶を励起する励起光を発する半導体レー
    ザーと、 この励起により前記レーザー結晶から発せられた光を共
    振させる共振器と、 この共振器内に配され、得られた固体レーザービームを
    波長変換する光波長変換素子と、 この光波長変換素子から出射した波長変換波の一部を分
    岐させる光分岐手段と、 分岐された波長変換波の光量
    を検出する光検出器と、 この光検出器の出力を受け、該出力を一定化するように
    前記半導体レーザーの駆動電流を制御するAPC回路
    と、 前記共振器の部分を覆って光の漏出を防止するカバー部
    材とを備えてなる波長変換固体レーザー。
  2. 【請求項2】 前記半導体レーザーを保持している保持
    部材および/または前記光検出器を保持している保持部
    材に、前記カバー部材と嵌合する段差部が設けられてい
    ることを特徴とする請求項1記載の波長変換固体レーザ
    ー。
  3. 【請求項3】 前記半導体レーザーを保持している保持
    部材および/または前記光検出器を保持している保持部
    材と、前記カバー部材との間の隙間を覆う別のカバー部
    材が設けられていることを特徴とする請求項1または2
    記載の波長変換固体レーザー。
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