JP3697774B2 - レーザダイオード励起固体レーザ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ加工あるいは光分析等に利用されるレーザダイオード励起固体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザダイオード励起固体レーザは、光共振器内に置かれた固体媒質(Nd:YAG結晶等)に、レーザダイオードから出力されたレーザ光を集光して照射し、その固体媒質を励起することによって光共振器内でレーザ発振を引き起こさせる方式の固体レーザである。
【0003】
また、このようなレーザダイオード励起の固体レーザにおいては、目的とする出力パワー(最大パワー)の固体レーザ光が得られるように、装置の製作時において、レーザダイオード光の波長を固体媒質の吸収スペクトルに合わせ込むといった調整が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、レーザダイオードは、駆動時間の長さに伴って劣化が徐々に進行し出力光の波長が、製作時の初期設定の状態 図1(A) からシフトしてゆく 図1(B) 。このため、レーザダイオード励起固体レーザでは、レーザダイオード光によって励起される固体媒質の吸収スペクトル幅が狭い場合(例えばNd:YAG結晶は 808.5nmに狭い吸収スペクトルを持つ)、その吸収スペクトルにレーザダイオード光の波長が合わなくなり、ある時点で吸収される光量が大幅に減少し、固体レーザの出力が急激に小さくなることがある。
【0005】
本発明はそのような実情に鑑みてなされたもので、固体媒質に吸収されるレーザダイオード光の光量を一定に保つことができ、もって長期間にわたって安定した固体レーザ出力を得ることのできるレーザダイオード励起固体レーザを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のレーザダイオード励起固体レーザは、光共振器内に置かれた固体媒質の端面にレーザダイオードからの光を入射して当該固体媒質を励起する方式の固体レーザにおいて、前記固体媒質に入射したレーザダイオード光のうち、固体媒質に吸収されずに透過する光の光量を検出する検出手段と、その検出値に基づいてレーザダイオード光の波長を固体媒質の吸収スペクトルに合わせるべく、前記レーザダイオードをフィードバック制御する制御手段を備えているとともに、前記検出手段が、前記固体媒質のレーザダイオード光進行方向における前方側で前記光共振器の中心から側方に外れた場所に配置されており、前記固体媒質を透過した光を当該検出手段にて直接検出するように構成されていることを特徴としており、このような構成を採ることで、レーザダイオード光の波長を常に固体媒質の吸収スペクトルに合わせることができる。
【0007】
すなわち、レーザダイオード光の波長が固体媒質の吸収スペクトルからずれると、固体媒質に吸収されずに透過するレーザダイオード光の光量が多くなることから、レーザダイオード光の透過光を検出して、その透過光量が最小となるようにレーザダイオードをフィードバック制御すれば、レーザダイオードに経時的な劣化が生じても、レーザダイオード光の波長が自動的に固体媒質の吸収スペクトルに合うようになり、固体媒質に吸収されるレーザダイオード光の光量を常に一定とすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図2は本発明の実施の形態の構成図である。
レーザダイオード1は一般に使用されているもので、出力光モニタ用のフォトダイオード1aと、温調用のペルチェ素子1bが内蔵されており、温度調節を行いつつAPC(Automatic Power Control) 駆動を行うことができる。
【0009】
このレーザダイオード1からの出力光はレンズ系2によって集光され、Nd:YAG結晶3に照射される。Nd:YAG結晶3の端面3aには、レーザダイオード光の波長に対しては高い透過率で、レーザ基本波の波長に対しては高い反射率を持つHRコート膜が形成されている。また、Nd:YAG結晶3に対向してミラー4が配設されており、このミラー4とNd:YAG結晶3の端面3aとの間で光共振器5が構成される。
【0010】
そして、以上の構成において、レーザダイオード1を波長808nm〜809nmで発振させ、その光でNd:YAG結晶3(吸収スペクトル;808.5nm)を励起することで、光共振器5内で波長946nmのレーザ発振が起こり、その一部がミラー4から外部へと出てゆき、これが固体レーザの出力光となる。
【0011】
さて、この実施の形態では、Nd:YAG結晶3の前方で光共振器5の中心から側方に外れた場所にフォトダイオード6を配置している。このフォトダイオード6は、Nd:YAG結晶3に入射したレーザダイオード光のうち、この結晶に吸収されずに透過する光の光量を検出するためのもので、その検出出力はLD駆動回路7に導かれる。
【0012】
LD駆動回路7は、フォトダイオード6の検出出力及びレーザダイオード1に内蔵のフォトダイオード1aの検出出力に基づいて、レーザダイオード1の温度をフィードバック制御する。
【0013】
そのフィードバック制御は、レーザダイオード1に内蔵のフォトダイオード1aで検出されるレーザダイオード光の全体光量 (Ptot)と、Nd:YAG結晶3の前方に配置したフォトダイオード6によって検出される透過光量 (Ptrans)の比 (Ptrans /Ptot)が最小になるように、レーザダイオード1に内蔵のペルチェ素子1bを駆動してレーザダイオード1の温度を調節するといった動作で行われる。
【0014】
そして、LD駆動回路7は、以上の温度調節すなわちレーザダイオード光の波長を制御しつつ、レーザダイオード1をAPC駆動するように構成されており、このような駆動制御によって、レーザダイオード1に経時的な劣化が生じても、レーザダイオード光の波長が自動的にNd:YAG結晶3の吸収スペクトルに合うようになり、Nd:YAG結晶3には常に一定量の光が吸収される。その結果、固体レーザの出力パワーが安定する。
【0015】
ここで、フォトダイオード6を置く場所は、図2に示した位置に限られることなく、Nd:YAG結晶3に吸収されずに透過するレーザダイオード光を検出し得る位置であれば任意で、例えば光共振器5のミラー4がレーザダイオード光をある程度透過することができる場合、図3に示すように、フォトダイオード6はミラー4の前方で固体レーザの出力光に影響を与えない場所に配置してもよい。
【0016】
図4は本発明の他の実施の形態の構成図である。
この実施の形態では、図1に示した実施の形態の構成に加えて、光共振器5内に非線形光学結晶〔例えばKN(K3NbO4)結晶〕8を置き、946nmの光を波長変換して473nmの固体レーザ光を出力する、いわゆる波長変換レーザに本発明を適用している。
【0017】
そして、この実施の形態においても、Nd:YAG結晶3の前方で光共振器5の中心から側方に外れた位置に透過光検出用のフォトダイオード6を配置して、その検出出力に基づいてレーザダイオード1の温度をフィードバック制御することで、レーザダイオード光の波長をNd:YAG結晶3の吸収スペクトルに合わせるようにしている。
【0018】
なお、この実施の形態においても、先の図3と同様にフォトダイオード6をミラー4の前方に配置するといった構成を採ってもよい。
ここで、本発明の実施の形態において、レーザダイオード1のAPC駆動等により、レーザダイオード光の全体光量を一定 (Ptot =const)に維持できる場合には、レーザダイオード光の全体光量と透過光量との差 (Ptrans −Ptot)をフィードバック制御に用いるようにしてもよい。
【0019】
また、レーザダイオード1を定電流制御しつつ温度調節を行うといった駆動方式を採用する場合、レーザダイオード光の透過光量 (Ptrans)の検出値のみをフィードバック制御に用いるようにしても、本発明は実施可能である。
【0020】
なお、以上の実施の形態において、固体媒質としてNd:YAG結晶に代えて他の結晶を用いてもよいし、レーザダイオードについても808nm〜809nm以外の発振波長のレーザダイオードを用いてもよい。
【0021】
また、以上の実施の形態に構成に加えて、透過光検出用のフォトダイオード6の前面側に、レーザダイオード光のみを通す光学フィルタを配置しておいてもよい。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のレーザダイオード励起固体レーザによれば、固体媒質に入射したレーザダイオード光のうち、固体媒質には吸収されずに透過する光の光量を検出し、その検出値に基づいてレーザダイオードをフィードバック制御することで、レーザダイオードに経時的な劣化が生じても、レーザダイオード光の波長が常に固体媒質の吸収スペクトルに合うように構成したから、固体媒質に吸収されるレーザダイオード光の量を一定にすることができる。これによりレーザダイオードが故障せずに波長可変な状態が続く限りは、固体レーザの出力パワーがある時点で急激に低下することがなくなる。その結果、固体レーザの寿命が延びる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザダイオードの劣化による影響を説明するための図
【図2】本発明の実施の形態の構成図
【図3】その実施の形態の変形例の構成を示す図
【図4】本発明の他の実施の形態の構成図
【符号の説明】
1 レーザダイオード
1a フォトダイオード
1b ペルチェ素子
2 レンズ系
3 Nd:YAG結晶
3a 端面
4 ミラー
5 光共振器
6 フォトダイオード
7 LD駆動回路
Claims (1)
- 光共振器内に置かれた固体媒質の端面にレーザダイオードからの光を入射して当該固体媒質を励起する方式の固体レーザにおいて、前記固体媒質に入射したレーザダイオード光のうち、固体媒質に吸収されずに透過する光の光量を検出する検出手段と、その検出値に基づいてレーザダイオード光の波長を固体媒質の吸収スペクトルに合わせるべく、前記レーザダイオードをフィードバック制御する制御手段を備えているとともに、
前記検出手段が、前記固体媒質のレーザダイオード光進行方向における前方側で前記光共振器の中心から側方に外れた場所に配置されており、前記固体媒質を透過した光を当該検出手段にて直接検出するように構成されていることを特徴とするレーザダイオード励起固体レーザ。
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JP8913396A JP3697774B2 (ja) | 1996-04-11 | 1996-04-11 | レーザダイオード励起固体レーザ |
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JPH09283828A JPH09283828A (ja) | 1997-10-31 |
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Family Applications (1)
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1996
- 1996-04-11 JP JP8913396A patent/JP3697774B2/ja not_active Expired - Fee Related
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