JPH11172190A - 水性塗料 - Google Patents

水性塗料

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JPH11172190A
JPH11172190A JP35412097A JP35412097A JPH11172190A JP H11172190 A JPH11172190 A JP H11172190A JP 35412097 A JP35412097 A JP 35412097A JP 35412097 A JP35412097 A JP 35412097A JP H11172190 A JPH11172190 A JP H11172190A
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JP
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weight
monomer
emulsion
meth
parts
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JP35412097A
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Ichiro Tanii
一郎 谷井
Yuji Gama
祐二 蒲
Ichiro Shimizu
一郎 清水
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Nissin Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nissin Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 (A)下記一般式(1) (式中、Rは水素原子又はメチル基、Xは水素原子又は
フッ素原子を示し、mは1又は2、nは1〜10の整数
である。)で表される単量体20〜50重量% (B)アルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルから選択される単量体
20〜65重量% (C)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸から選択さ
れる単量体15〜30重量% からなる単量体混合物100重量部に対しその他のエチ
レン性不飽和単量体を15重量部以下の割合で添加した
単量体混合物を乳化重合させて得られるエマルジョンを
含む水性塗料。 【効果】 有機溶剤を使用せず、得られた塗膜に優れた
防汚性を付与し得ることから、合成樹脂製床シート材、
天井シート材、壁紙材等の表面塗料として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水性塗料に関し、よ
り詳しくは、合成樹脂製床シート材、合成樹脂製天井シ
ート材、合成樹脂製壁紙材などの表面塗料として塗布し
た際、防汚性に優れた塗膜を与えることができる水性塗
料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
合成樹脂製の床シート材、天井シート材、壁紙材などの
表面仕上げには、有機溶剤を溶媒とした、いわゆる溶剤
型塗料が仕上がり塗装外観に優れるため、広く使用され
ていた。
【0003】しかし、近年、溶剤型塗料は有機溶剤を使
用するために、大気汚染の問題、作業者の安全衛生の問
題、火災の問題、価格の問題等から有機溶剤の使用を極
力抑え、水を分散媒とする水性塗料への移行が急速にな
されている。
【0004】現在、合成樹脂製シート材や壁紙材などの
表面塗装に使用されている水性塗料としては、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合エマルジョン、塩化ビニル−アク
リル酸エステル共重合エマルジョン、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合エマルジョン、アクリル酸エステル系共重合
エマルジョン等があり、いずれも溶剤型塗料と比較して
塗装外観及び塗膜性能(不粘着性、柔軟性、耐寒性、耐
熱性など)において遜色のないものが得られつつある。
【0005】一方、近年、塗膜に付着する汚れ(ほこ
り、醤油、コーヒー、油など)を付きにくくし、かつ汚
れの拭き取りが容易な機能(以下、これらの機能を防汚
性と略す)が求められてきている。
【0006】しかしながら、この目的に前記水性塗料の
エマルジョンを用いても十分な防汚性が得られなかっ
た。また、繊維や絨毯に撥水、撥油機能を付与すること
が知られている市販のシリコーン系エマルジョンやフッ
素系エマルジョンを使用しても十分な防汚性が得られな
かった。更に、特公平4−51572号公報には、溶剤
型組成物ではあるが、フッ素含有単量体とその他の単量
体とを共重合させることにより防汚性の向上を計ること
が記載されているが、未だ良好なものは得られてはいな
い。そのため、特に壁紙材において、防汚性を求める場
合、合成樹脂製フィルムを貼り合わせたものを用いてい
るのが現状である。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、合成樹脂製床シート材、合成樹脂製天井シート材、
合成樹脂製壁紙材などの表面塗料として好適な水性塗料
であって、しかも防汚性に優れた塗膜を得ることができ
る水性塗料を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意検討を重ねた結果、特定の混合割合
の単量体からなる単量体混合物を乳化重合させて得られ
るエマルジョンを含む水性塗料が優れた防汚性を有する
ことを知見した。
【0009】即ち、(A)下記一般式で表される単量
体、(B)アルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルから選択される単量体、及び
(C)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸から選択さ
れる単量体をそれぞれ特定割合で混合した単量体混合物
又はこれを主成分とする単量体混合物を乳化重合させて
得られるエマルジョンを含む水性塗料が、大気汚染の問
題、作業者の安全衛生の問題、火災の問題が生じること
なく、優れた塗装外観及び塗膜性能(不粘着性、柔軟
性、耐寒性、耐熱性など)を有すると共に、塗膜に付着
する汚れ(ほこり、醤油、コーヒー、油など)が付きに
くく、たとえ汚れが付いたとしても汚れの拭き取りが容
易であるという、優れた防汚性を有することを見出し、
本発明を完成したものである。
【0010】従って、本発明の水性塗料は、特に汚れの
付きやすい合成樹脂製床シート材、合成樹脂製天井シー
ト材、合成樹脂製壁紙材などの表面塗料として好適なも
のである。
【0011】
【化2】 (式中、Rは水素原子又はメチル基、Xは水素原子又は
フッ素原子を示し、mは1又は2、nは1〜10の整数
である。)
【0012】 即ち、本発明は、(A)上記一般式で表される単量体 20〜50重量% (B)アルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルか ら選択される単量体 20〜65重量% (C)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸から選択される単量体 15〜30重量% からなる構成で合計量が100重量%の単量体混合物又
はこの単量体混合物100重量部に対しその他のエチレ
ン性不飽和単量体を15重量部以下の割合で添加した単
量体混合物を乳化重合させて得られるエマルジョンを含
むことを特徴とする水性塗料を提供する。
【0013】以下、本発明について更に詳しく説明する
と、本発明の水性塗料は上記(A)〜(C)成分の単量
体を乳化重合させて得られるエマルジョンを含むもので
ある。
【0014】上記(A)成分の単量体は、下記一般式
(1)で示されるものである。
【0015】
【化3】
【0016】ここで、Rは水素原子又はメチル基、Xは
水素原子又はフッ素原子を示し、mは1又は2、nは1
〜10の整数である。
【0017】(A)成分の単量体としては、例えば2,
2−ジフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,
2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,
2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレ
ート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル
(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキ
サフルオロブチル(メタ)アクリレート、2,2,3,
4,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレー
ト、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ
ペンチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,
4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプチル
(メタ)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,
6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−ヘプ
タデカフルオロデカニル(メタ)アクリレート等を挙げ
ることができ、特に2,2,2−トリフルオロエチルメ
タクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオ
ロブチルメタクリレート、3,3,4,4,5,5,
6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−
ヘプタデカフルオロデカニルアクリレートが好ましく、
これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用い
ることができる。
【0018】この(A)成分の単量体の使用量は、コー
ティング塗膜に経済性を考慮しながら適度の防汚性を付
与するために(A)〜(C)成分の単量体全量のうちの
20〜50重量%、好ましくは25〜45重量%であ
る。20重量%未満では防汚性が劣り、50重量%を超
えると高価になりすぎ実用的ではない。
【0019】(B)成分の単量体は、アルキル基の炭素
数が1〜18、好ましくは炭素数1〜4の(メタ)アク
リル酸アルキルエステルから選択されるものである。
【0020】即ち、炭素数1〜18のアルキル基を有す
るアルコールとアクリル酸とのアクリル酸エステルや炭
素数1〜18のアルキル基を有するアルコールとメタク
リル酸とのメタクリル酸エステルから選択されたものが
使用される。
【0021】具体的には、(メタ)アクリル酸アルキル
エステルにおける炭素数1〜18のアルキル基として
は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリ
ル基、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基等が挙げ
られる。特に炭素数1〜4のメチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基が好ましい。
【0022】このような(B)成分の(メタ)アクリル
酸アルキルエステルは1種を単独で又は2種以上を混合
して使用することができる。
【0023】上記(B)成分の単量体の使用量は、コー
ティング塗膜に強靱性、柔軟性等を付与するために
(A)〜(C)単量体全量のうちの20〜65重量%、
好ましくは30〜60重量%である。20重量%未満で
は塗膜の柔軟性が損なわれ、65重量%を超えると防汚
性が不良となる。
【0024】(C)成分のα,β−エチレン性不飽和カ
ルボン酸から選択される単量体は、コーティング塗膜に
防汚性を付与するための必須成分であり、更には共重合
してエマルジョンを得るときの安定性、及びエマルジョ
ンを配合した塗料の安定性を得るために必要な成分であ
る。
【0025】このような(C)成分としては、例えばア
クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マ
レイン酸、フマル酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノ
アルキル等を挙げることができ、これらの中から1種を
単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0026】この(C)成分の単量体の使用量は、
(A)〜(C)単量体全量のうちの15〜30重量%、
好ましくは17〜26重量%である。15重量%未満の
場合、及び30重量%を超える場合には防汚性が劣る。
【0027】本発明の水性塗料は、上記(A)、(B)
及び(C)成分の他に、塗膜強度、被着体との密着性、
強靱性等の物性、塗膜特性を付与するために任意成分
〔(D)成分〕として上記(C)成分以外のその他のエ
チレン性不飽和単量体を使用することが推奨される。か
かるその他のエチレン性不飽和単量体としては、例えば
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル
基含有単量体、(メタ)アクリルアミド、N−メチロー
ル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド等のアミド基含有単量体、ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有単量体、メ
トキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル
(メタ)アクリレート等のアルコキシ基含有単量体、グ
リシジル(メタ)アクリレート、グリシジルアリルエー
テル等のグリシジル基含有単量体、スチレン、アクリロ
ニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどを使用
することができ、これらの1種を単独で又は2種以上を
組み合わせて使用することができる。
【0028】これらその他の単量体は、本発明の目的を
損なわない範囲内で使用することができ、通常(A)〜
(C)成分の合計量100重量部に対して0〜15重量
部であり、好ましくは0重量部を超え15重量部以下、
更に好ましくは1〜10重量部の使用量である。
【0029】本発明の単量体混合物のエマルジョンを製
造するためには、上記(A)〜(C)、更に必要により
上記その他の各単量体を用いて、公知の乳化重合法によ
り行うことができる。
【0030】即ち、上記(A)〜(C)成分の各単量
体、必要に応じてその他のエチレン性不飽和単量体を混
合し、この混合単量体に乳化剤、重合開始剤、連鎖移動
剤等を加えて水系で乳化重合を行う。この場合、乳化重
合は一括して仕込する方法、各成分を連続供給しながら
重合する方法などの各種の方法が適用できる。
【0031】乳化重合用の乳化剤としては、例えばアル
キル又はアルキルアリル硫酸塩、アルキル又はアルキル
アリルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等の
アニオン性乳化剤、アルキルトリメチルアンモニウムク
ロライド、アルキルベンジルアンモニウムクロライド等
のカチオン性乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、
ポリオキシエチレンカルボン酸エステル等のノニオン性
乳化剤、及び分子中にビニル基を持つ各イオン性の反応
性乳化剤などが例示される。この乳化剤の使用量はエマ
ルジョンの機械的、化学的安定性、乾燥皮膜の耐水性な
どを考慮し、(A)〜(D)成分の単量体の合計量10
0重量部に対して、好ましくは1〜10重量部の範囲か
ら決められる。
【0032】エマルジョンを製造するための重合開始剤
としては、ラジカル重合開始剤が好ましく、例えば過硫
酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、過酸化
水素水、t−ブチルハイドロパーオキサイド、アゾビス
アミジノプロパンの塩酸塩等の水溶性タイプ、ベンゾイ
ルパーオキサイド、キュメンハイドロパーオキサイド、
ジブチルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジ
カーボネート、クミルパーオキシネオデカノエート、ク
ミルパーオキシオクトエート、アゾビスイソブチロニト
リル等の油溶性タイプなどが例示される。更に必要に応
じて、N,N−ジメチルアニリン、酸性亜硫酸ナトリウ
ム、ロンガリット、L−アスコルビン酸等の還元剤を併
用したレドックス系の重合開始剤も使用することができ
る。
【0033】これら重合開始剤の使用量は(A)〜
(D)成分の単量体の合計量100重量部に対して、好
ましくは0.01〜5重量部、より好ましくは0.05
〜2重量部である。
【0034】本発明において重合反応は、通常10〜9
0℃の温度で撹拌下行われ、反応時間は通常3〜40時
間程度である。この場合、乳化重合の開始時或いは終了
時に塩基性物質を加えてpHを調整することにより、エ
マルジョンの重合安定性、凍結安定性、機械的安定性、
及び化学的安定性等を向上させることができる。この場
合、得られたエマルジョンのpHが5〜9となるように
調整することが好ましい。塩基性物質としては、アンモ
ニア、エチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミ
ン、エタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチ
ルエタノールアミン、苛性ソーダ、苛性カリ等を使用す
ることができる。
【0035】本発明の水性塗料には、更に必要に応じ
て、水溶性高分子、艶消剤、消泡剤、濡れ剤、防カビ剤
等を添加配合することができる。
【0036】その内、水溶性高分子は水性塗料を塗布す
る際の流動性を改善するために配合するもので、例えば
メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニ
ルピロリドン、ポリビニルエーテル、ポリエチレンイミ
ン、カゼイン、ゼラチンなどが例示される。
【0037】この水溶性高分子の水性塗料への配合量
は、塗料の総固形分のうちの好ましくは5〜50重量%
である。
【0038】艶消剤は塗膜の艶を消すために配合するも
ので、例えば無水珪酸、含水珪酸などの珪酸類、珪酸ア
ルミニウム、珪酸マグネシウムなどの珪酸化合物、炭酸
カルシウム、炭酸バリウム、酸化チタン、石膏、クレ
ー、タルク、アルミホワイト、及びポリ(メタ)アクリ
レート系、ポリスチレン系、ポリアミド系、ポリ塩化ビ
ニル系等のポリマー微粉体などが例示される。
【0039】艶消剤の水性塗料への配合量は、塗料の総
固形分のうちの好ましくは15〜70重量%である。
【0040】上記添加剤を水性塗料を構成するエマルジ
ョンに添加する方法は、特に制限されず、エマルジョン
に添加剤の所定量を羽根型、ディスパー型、ホモミキサ
ー型などの一般的な撹拌機を使用して混合することによ
り容易に得ることができる。この場合、得られた水性塗
料の粘度(B型粘度計 23℃、6rpm)を50〜3
000cps、固形分濃度を10〜20重量%に調整す
ることが好ましい。
【0041】本発明の水性塗料を塗布する際には、被塗
布材表面に膜厚が15〜35μmになるようにバーコー
ター、グラビアロール等で塗布し、100〜150℃で
1〜3分乾燥し、更に180〜250℃で30〜120
秒熱処理を行い、熱処理後において2〜5μmの塗布厚
になればよく、特に限定されない。
【0042】本発明の水性塗料は、塗装外観及び塗膜性
能(不粘着性、柔軟性、耐寒性、耐熱性など)に優れる
と共に、大気汚染の問題、作業者の安全衛生の問題、火
災の問題などが生じることのない水性塗料であり、しか
も塗膜に付着する汚れ(ほこり、醤油、コーヒー、油な
ど)が付きにくく、たとえ汚れが付いたとしてもその拭
き取りが容易であるという、防汚性に優れた塗膜を付与
することができるので、汚れの付きやすい合成樹脂製
(例えば塩化ビニル樹脂、アクリル系樹脂)床シート
材、合成樹脂製天井シート材、合成樹脂製壁紙材などの
表面塗料として好適なものである。
【0043】
【実施例】以下、合成例、実施例及び比較例を示し本発
明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限さ
れるものではない。なお、例中の部は重量部、%は重量
%を示す。
【0044】[合成例1](エマルジョンP1の合成) 撹拌機、コンデンサー、温度計及び窒素ガス導入口を備
えた重合容器に、脱イオン水1130部を仕込み、窒素
置換後、80℃に昇温した。次に脱イオン水1200
部、エマールO(ラウリル硫酸ソーダ、花王社製、商品
名)20部、ノイゲンEA−170(ポリオキシエチレ
ンノニルフェニルエーテル、第一工業製薬社製、商品
名)50部、ライトエステルM−3F(2,2,2−ト
リフルオロエチルメタクリレート、共栄社化学社製、商
品名)450部、アクリル酸ブチル350部、アクリル
酸200部をホモジナイザーで混合乳化させた液と、過
硫酸アンモニウム5部を脱イオン水100部に溶解した
液とを別々に、上記重合容器へ撹拌下80℃で7時間を
要して均一に滴下し、更に80℃で2時間反応させた。
その後、30℃まで冷却して重合を終了した。得られた
エマルジョン(以下、P1と略記する)は固形分濃度3
0.1%、粘度10cps以下(B型粘度計 23℃、
6rpm)、pH2.5であった。
【0045】[合成例2〜8](エマルジョンP2〜P
8の合成) 合成例1と同様にして、表1に示した単量体の種類、量
比(%)で共重合を行ってエマルジョンP2〜P8を得
た。得られた各エマルジョンの固形分濃度、粘度、pH
を表1に示す。
【0046】[実施例1〜4、比較例1〜4]合成例1
〜8で得られたエマルジョンとメトローズ60SH−5
0(ヒドロキシプロピルメチルセルロース増粘剤(Mw
=100万)、信越化学工業社製、商品名)及び脱イオ
ン水を使用してディスパー型撹拌機で混合し、固形分濃
度15%、粘度1,000cps(B型粘度計 23
℃、6rpm)に調整した。更に、表2に示した量に従
ってサイリシア350(艶消剤、富士シリシア化学社
製、無定形シリカ、商品名)を添加し、撹拌機で混合し
て水性塗料を作成した。
【0047】別に、市販水酸化アルミ紙(日本化工製紙
社製)に、下記配合のペーストレジンゾルを膜厚が20
0μmになるようドクターナイフで塗布し、160℃で
5分間加熱乾燥を行ってビニル壁紙を得た。ペーストレジン Geon121(塩化ビニル樹脂、日本ゼオン社製、商品名) 100部 DOP(可塑剤、新日本理化社製) 150部 アデカスタブ FL−21(安定剤(ナトリウムジンク系)、旭電化社製、 商品名) 3部 炭酸カルシウム 50部 酸化チタン 10部 メチルエチルケトン 5部 ユニフォームAZ(発泡剤(アゾジカルボンアミド系)、大塚化学社製、 商品名) 4部
【0048】次に、上記ビニル壁紙の塩化ビニル樹脂層
の上に、先に得た各水性塗料を膜厚が15μmになるよ
うにバーコーターで塗布し、105℃で2分間乾燥し
た。更に220℃で90秒間熱処理を行い、塗布むらの
ない表面塗装された実施例1〜4、比較例1〜4のビニ
ル壁紙を得た。得られた各ビニル壁紙について下記に示
す防汚性テストを行った。結果を表2に示す。防汚性テスト方法 得られた各ビニル壁紙の上に汚れの液(醤油、コーヒ
ー、水性マジック、油性マジック)をそれぞれ1滴ずつ
滴下し、室温で16時間放置する。その後、市販の洗剤
水溶液(マジックリン(花王社製、商品名)の30重量
%水溶液)を浸した脱脂綿で滴下した汚れの液を拭き取
る。拭き取った後のビニル壁紙の状態を肉眼で観察し、
下記判定基準で防汚性を判定した。判定基準 ○:滴下した液がビニル壁紙の上にほとんど残っていな
い。 △:滴下した液がビニル壁紙の上に一部残っている。 ×:滴下した液がビニル壁紙の上にほとんど残ってい
る。
【0049】
【表1】 1)共栄社化学社製、商品名(2,2,2−トリフルオ
ロエチルメタクリレート) 2)共栄社化学社製、商品名(2,2,3,4,4,4
−ヘキサフルオロブチルメタクリレート) 3)共栄社化学社製、商品名(3,3,4,4,5,
5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,1
0−ヘプタデカフルオロデカニルアクリレート) 4)配合量は、部/(A)〜(C)成分とその他の単量
体との合計100部
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明の水性塗料は、大気汚染、安全衛
生、火災等の点で問題とされる有機溶剤を使用せず、得
られた塗膜に優れた防汚性を付与し得ることから、合成
樹脂製床シート材、天井シート材、壁紙材などの表面塗
料として有用なものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記一般式(1) 【化1】 (式中、Rは水素原子又はメチル基、Xは水素原子又はフッ素原子を示し、mは 1又は2、nは1〜10の整数である。)で表される単量体 20〜50重量% (B)アルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルか ら選択される単量体 20〜65重量% (C)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸から選択される単量体 15〜30重量% からなる構成で合計量が100重量%の単量体混合物又
    はこの単量体混合物100重量部に対しその他のエチレ
    ン性不飽和単量体を15重量部以下の割合で添加した単
    量体混合物を乳化重合させて得られるエマルジョンを含
    むことを特徴とする水性塗料。
JP35412097A 1997-12-08 1997-12-08 水性塗料 Pending JPH11172190A (ja)

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JP35412097A JPH11172190A (ja) 1997-12-08 1997-12-08 水性塗料

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009256471A (ja) * 2008-04-17 2009-11-05 Mitsubishi Rayon Co Ltd 塗料組成物及び共重合体
US10442952B2 (en) 2015-04-30 2019-10-15 The Chemours Company Fc, Llc Durable architectural coatings containing crosslinkable polymeric additives

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JP2009256471A (ja) * 2008-04-17 2009-11-05 Mitsubishi Rayon Co Ltd 塗料組成物及び共重合体
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