JPH111716A - 転炉に於ける溶銑の脱燐精錬の方法 - Google Patents
転炉に於ける溶銑の脱燐精錬の方法Info
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- JPH111716A JPH111716A JP16356697A JP16356697A JPH111716A JP H111716 A JPH111716 A JP H111716A JP 16356697 A JP16356697 A JP 16356697A JP 16356697 A JP16356697 A JP 16356697A JP H111716 A JPH111716 A JP H111716A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 転炉における溶銑の脱燐精錬において、吹錬
中における円滑にスラグを生成させ、生産性の高い溶銑
の脱燐精錬を行う方法を目的とする。 【解決手段】 (a)転炉に溶銑を装入し、(b)前記
溶銑の酸素吹錬中に、所定の粒径以下に調整したCaO
を含有する造滓材を転炉に投入する。前記CaOを含有
する造滓材の粒径を、約30mm以下に調整することが
望ましい。
中における円滑にスラグを生成させ、生産性の高い溶銑
の脱燐精錬を行う方法を目的とする。 【解決手段】 (a)転炉に溶銑を装入し、(b)前記
溶銑の酸素吹錬中に、所定の粒径以下に調整したCaO
を含有する造滓材を転炉に投入する。前記CaOを含有
する造滓材の粒径を、約30mm以下に調整することが
望ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転炉における溶銑
の脱燐精錬に関し、特に吹錬中に生石灰などのCaOを
含有する造滓材を、所定の粒径以下となるように調整し
て、転炉に装入することにより、効率良く溶銑の脱燐精
錬を行う方法に関する。
の脱燐精錬に関し、特に吹錬中に生石灰などのCaOを
含有する造滓材を、所定の粒径以下となるように調整し
て、転炉に装入することにより、効率良く溶銑の脱燐精
錬を行う方法に関する。
【0002】
【従来の技術】伝統的転炉製鋼法においては、同一の転
炉において溶銑の脱燐精錬と脱炭精錬とを行なって製鋼
作業を終了していた。しかし、近年の鋼材の品質に対す
る要求が高くなる一方で、連続鋳造の拡大や、真空脱ガ
ス、取鍋精錬等の溶鋼の二次精錬が普及するに伴い、転
炉における出鋼温度が上昇し、転炉に於ける脱燐能力が
低下してきた。この理由は、脱燐反応は高温ほど不利に
進行するからである。
炉において溶銑の脱燐精錬と脱炭精錬とを行なって製鋼
作業を終了していた。しかし、近年の鋼材の品質に対す
る要求が高くなる一方で、連続鋳造の拡大や、真空脱ガ
ス、取鍋精錬等の溶鋼の二次精錬が普及するに伴い、転
炉における出鋼温度が上昇し、転炉に於ける脱燐能力が
低下してきた。この理由は、脱燐反応は高温ほど不利に
進行するからである。
【0003】そこで、転炉に装入する溶銑を予め処理し
て、特に燐成分をある程度除去してから転炉に装入する
溶銑予備処理法が発達してきた。この方法の一つとし
て、転炉型の精錬容器(以下、転炉という)において、
同一の転炉において溶銑の脱燐精錬と脱炭精錬とを行な
う精錬を中止し、一の転炉において溶銑の脱燐を行な
い、この脱燐された溶銑を他の一の転炉に移して脱炭精
錬を行なう製鋼法が提案されている。
て、特に燐成分をある程度除去してから転炉に装入する
溶銑予備処理法が発達してきた。この方法の一つとし
て、転炉型の精錬容器(以下、転炉という)において、
同一の転炉において溶銑の脱燐精錬と脱炭精錬とを行な
う精錬を中止し、一の転炉において溶銑の脱燐を行な
い、この脱燐された溶銑を他の一の転炉に移して脱炭精
錬を行なう製鋼法が提案されている。
【0004】かかる技術として、特開平2−20071
5号公報、特公平2−14404号公報、特公昭61−
23243号公報の提案がある。また、本願の発明者も
既に従来の製鋼工場を改造し、複数の転炉のそれぞれの
炉前作業床に作業床開口部を設け、一の転炉で溶銑の脱
燐精錬をした溶湯を受湯鍋に受け、この受湯鍋を前記作
業床開口部を通して他の一の転炉に運搬し、この転炉に
装入し、ここで脱炭精錬を行なう精錬方法を開発してい
る(特開平6−41624号公報)。
5号公報、特公平2−14404号公報、特公昭61−
23243号公報の提案がある。また、本願の発明者も
既に従来の製鋼工場を改造し、複数の転炉のそれぞれの
炉前作業床に作業床開口部を設け、一の転炉で溶銑の脱
燐精錬をした溶湯を受湯鍋に受け、この受湯鍋を前記作
業床開口部を通して他の一の転炉に運搬し、この転炉に
装入し、ここで脱炭精錬を行なう精錬方法を開発してい
る(特開平6−41624号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一の転炉で溶銑の脱燐
精錬を行なう、従来の溶銑脱燐方法においては、溶銑温
度が低温(1250〜1400℃)であるため、一般に
スラグの滓化が困難であり、脱燐反応のために投入され
たCaOを含有する造滓材もこの例に洩れない。特に、
粒径が種々異なるCaOを含有する造滓材を転炉に装入
すると、粒径の大きなものは溶銑中のSiの酸化により
生成するSiO2 でCaOを含有する造滓材の表面が被
覆され、CaOを含有する造滓材の円滑な滓化が妨げら
れる。
精錬を行なう、従来の溶銑脱燐方法においては、溶銑温
度が低温(1250〜1400℃)であるため、一般に
スラグの滓化が困難であり、脱燐反応のために投入され
たCaOを含有する造滓材もこの例に洩れない。特に、
粒径が種々異なるCaOを含有する造滓材を転炉に装入
すると、粒径の大きなものは溶銑中のSiの酸化により
生成するSiO2 でCaOを含有する造滓材の表面が被
覆され、CaOを含有する造滓材の円滑な滓化が妨げら
れる。
【0006】溶銑の脱燐精錬の概要を図4において説明
する。図4は溶銑340tonの転炉2における溶銑4
の脱燐精錬の状況を概念的に示す。溶銑装入後、ランス
12から酸素ガスを吹錬し、所定量の生石灰等を装入
し、CaO、SiO2 、FeO等を主成分とするスラグ
6を生成させ、溶銑から燐を除去する。溶銑の脱燐精錬
が終了すると、炉を倒炉して出鋼口8を介して取鍋に出
湯を行う。
する。図4は溶銑340tonの転炉2における溶銑4
の脱燐精錬の状況を概念的に示す。溶銑装入後、ランス
12から酸素ガスを吹錬し、所定量の生石灰等を装入
し、CaO、SiO2 、FeO等を主成分とするスラグ
6を生成させ、溶銑から燐を除去する。溶銑の脱燐精錬
が終了すると、炉を倒炉して出鋼口8を介して取鍋に出
湯を行う。
【0007】上記溶銑の脱燐精錬の概要を図1に示す。
溶銑340tonを装入後、生石灰(15kg/to
n)、ホタル石(4kg/ton)を装入し、酸素吹錬
を約12分間行う。通常、脱燐精錬においては溶銑中の
燐がスラグ中のFeOと反応し、次いでCaOを含むス
ラグに吸収される。そこで、脱燐精錬を促進するために
スラグ中のFeO含有量を高くし、CaOを含む造滓材
等を装入する。
溶銑340tonを装入後、生石灰(15kg/to
n)、ホタル石(4kg/ton)を装入し、酸素吹錬
を約12分間行う。通常、脱燐精錬においては溶銑中の
燐がスラグ中のFeOと反応し、次いでCaOを含むス
ラグに吸収される。そこで、脱燐精錬を促進するために
スラグ中のFeO含有量を高くし、CaOを含む造滓材
等を装入する。
【0008】その後、溶銑とスラグの分離を行うためリ
ンスを2分間程度行う(リンス終了までを脱燐精錬とい
う)。その後、スラグフォーミングの鎮静化の時間(平
均4分間)を待って出湯する。出湯時間(倒炉開始から
出湯終了まで)は通常5分間程度かかる。
ンスを2分間程度行う(リンス終了までを脱燐精錬とい
う)。その後、スラグフォーミングの鎮静化の時間(平
均4分間)を待って出湯する。出湯時間(倒炉開始から
出湯終了まで)は通常5分間程度かかる。
【0009】ここではCaOを含有する造滓材として生
石灰を用いており、吹錬開始と同時に15kg/ton
(=5.1ton)が投入されている。この脱燐精錬に
おいては溶銑温度が比較的低温であるため、一般にスラ
グの滓化が困難である。特に、生石灰は転炉の炉内から
上昇して来るガス流に抗して炉内に投入することを要す
るため、従来は石灰焼成炉から得られた粒径150mm
以下の粒径の塊を調整せず、そのまま用いていた。
石灰を用いており、吹錬開始と同時に15kg/ton
(=5.1ton)が投入されている。この脱燐精錬に
おいては溶銑温度が比較的低温であるため、一般にスラ
グの滓化が困難である。特に、生石灰は転炉の炉内から
上昇して来るガス流に抗して炉内に投入することを要す
るため、従来は石灰焼成炉から得られた粒径150mm
以下の粒径の塊を調整せず、そのまま用いていた。
【0010】しかし、粒径30mm以上の生石灰を転炉
に装入すると、溶銑中のSiの酸化により生成するSi
O2 で生石灰粒子の表面が被覆され、生石灰の円滑な滓
化が妨げられる。従って、脱燐反応は円滑には進行せ
ず、精錬後の燐含有量も高く、また、滓化を促進するた
めにホタル石等の滓化促進剤を大量に添加する必要があ
り、製造コスト上も問題があった。そこで、本発明では
上記溶銑の脱燐精錬にあたり、脱燐効率が高く、かつ安
価な溶銑の脱燐精錬方法を課題とする。
に装入すると、溶銑中のSiの酸化により生成するSi
O2 で生石灰粒子の表面が被覆され、生石灰の円滑な滓
化が妨げられる。従って、脱燐反応は円滑には進行せ
ず、精錬後の燐含有量も高く、また、滓化を促進するた
めにホタル石等の滓化促進剤を大量に添加する必要があ
り、製造コスト上も問題があった。そこで、本発明では
上記溶銑の脱燐精錬にあたり、脱燐効率が高く、かつ安
価な溶銑の脱燐精錬方法を課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】発明者らは上記課題につ
いて研究を重ねた結果、CaOを含有する造滓材の粒径
を小さくすることにより、CaOを含有する造滓材の比
表面積を大きくし、その表面がSiO2 により被覆され
ることによる滓化の妨害の影響を少なくすることによ
り、脱燐精錬をより円滑に促進させることができること
を知見し、下記の発明に至った。
いて研究を重ねた結果、CaOを含有する造滓材の粒径
を小さくすることにより、CaOを含有する造滓材の比
表面積を大きくし、その表面がSiO2 により被覆され
ることによる滓化の妨害の影響を少なくすることによ
り、脱燐精錬をより円滑に促進させることができること
を知見し、下記の発明に至った。
【0012】第1の発明は、下記の工程を備えたことを
特徴とする転炉に於ける溶銑の脱燐精錬方法である。 (a)転炉に溶銑を装入し、(b)前記溶銑の酸素吹錬
中に、所定の粒径以下に調整したCaOを含有する造滓
材を転炉に投入する。
特徴とする転炉に於ける溶銑の脱燐精錬方法である。 (a)転炉に溶銑を装入し、(b)前記溶銑の酸素吹錬
中に、所定の粒径以下に調整したCaOを含有する造滓
材を転炉に投入する。
【0013】CaOを含有する造滓材を所定の粒径以下
に調整することにより、CaOを含有する造滓材の比表
面積を大きくし、その表面がSiO2 で被覆されること
による滓化妨害の影響を少なくできる。これにより、精
錬中において、従来、スラグに溶解できずに残留してい
た粒子の中心近傍に存在するCaOが溶解し、均一なス
ラグ生成が行われ、脱燐精錬も円滑に進行する。
に調整することにより、CaOを含有する造滓材の比表
面積を大きくし、その表面がSiO2 で被覆されること
による滓化妨害の影響を少なくできる。これにより、精
錬中において、従来、スラグに溶解できずに残留してい
た粒子の中心近傍に存在するCaOが溶解し、均一なス
ラグ生成が行われ、脱燐精錬も円滑に進行する。
【0014】第2の発明は、前記CaOを含有する造滓
材の粒径を、30mm以下とすることを特徴とする転炉
に於ける溶銑の脱燐精錬方法である。CaOを含有する
造滓材の粒径を30mm以下とすると、第1の発明にお
いて、CaOを含有する造滓材の表面がSiO2 で被覆
されることによる滓化妨害を更に少なくできる。このた
め、精錬中において、CaOを含有する造滓材粒子の
内、従来、スラグに溶解しないで残留していた粒子の中
心近傍に存在するCaOが完全に溶解し、均一なスラグ
生成が行われ、より円滑な脱燐精錬が進行する。
材の粒径を、30mm以下とすることを特徴とする転炉
に於ける溶銑の脱燐精錬方法である。CaOを含有する
造滓材の粒径を30mm以下とすると、第1の発明にお
いて、CaOを含有する造滓材の表面がSiO2 で被覆
されることによる滓化妨害を更に少なくできる。このた
め、精錬中において、CaOを含有する造滓材粒子の
内、従来、スラグに溶解しないで残留していた粒子の中
心近傍に存在するCaOが完全に溶解し、均一なスラグ
生成が行われ、より円滑な脱燐精錬が進行する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の転炉における実施例を述
べる。ここで転炉とは上吹き酸素転炉、底吹き酸素転
炉、上底吹き酸素転炉を含む概念である。
べる。ここで転炉とは上吹き酸素転炉、底吹き酸素転
炉、上底吹き酸素転炉を含む概念である。
【0016】発明の実施の形態に係る溶銑の脱燐精錬の
概要は、CaOを含有する造滓材として実質的に使用す
る生石灰の粒径を除いて、既に図1に示したものと同一
である。溶銑340tonを装入後、ホタル石(4kg
/ton)、生石灰(15kg/ton)を装入し、酸
素吹錬を約12分間行う。その後、溶銑とスラグの分離
を行うためリンスを2分間程度行い(リンス終了までを
脱燐精錬という)、その後、出湯する。
概要は、CaOを含有する造滓材として実質的に使用す
る生石灰の粒径を除いて、既に図1に示したものと同一
である。溶銑340tonを装入後、ホタル石(4kg
/ton)、生石灰(15kg/ton)を装入し、酸
素吹錬を約12分間行う。その後、溶銑とスラグの分離
を行うためリンスを2分間程度行い(リンス終了までを
脱燐精錬という)、その後、出湯する。
【0017】脱燐精錬における溶銑温度は比較的低温で
あるため、スラグの滓化が困難であり、CaOを含有す
る造滓材を転炉に装入すると、粒子表面がSiO2 で被
覆され、円滑な滓化が妨げられる。
あるため、スラグの滓化が困難であり、CaOを含有す
る造滓材を転炉に装入すると、粒子表面がSiO2 で被
覆され、円滑な滓化が妨げられる。
【0018】そこで、本発明ではCaOを含有する造滓
材の粒径を30mm以下に調整することにより、単位重
量当たりの表面積を示す、所謂、比表面積を大きくし、
粒子表面がSiO2 で被覆されても、粒子の中心付近に
残留するCaOの量を少なくすることができる。
材の粒径を30mm以下に調整することにより、単位重
量当たりの表面積を示す、所謂、比表面積を大きくし、
粒子表面がSiO2 で被覆されても、粒子の中心付近に
残留するCaOの量を少なくすることができる。
【0019】具体的な調整方法は、例えば、石灰焼成炉
から得られた最大150mm以下の生石灰を破砕機に通
し粉砕した後に、30mmの篩にかけて、粒径を30m
m以下に調整する。この結果として、生石灰が完全に溶
解し、均一なスラグ生成が行われ、滓化が円滑に進行す
るため、溶銑の脱燐が効率的に行われる。
から得られた最大150mm以下の生石灰を破砕機に通
し粉砕した後に、30mmの篩にかけて、粒径を30m
m以下に調整する。この結果として、生石灰が完全に溶
解し、均一なスラグ生成が行われ、滓化が円滑に進行す
るため、溶銑の脱燐が効率的に行われる。
【0020】この理由を化学式を用いて説明する。溶鋼
中の脱燐反応は以下の式で記述される。 2[P]+5(FeO)=(P2 O5 )+5Fe この反応の平衡定数は以下に示すようにCaOの含有量
に依存することが知られている。 logKP =(%P2 O5 )/([%P]2 ・(%FeO)5 ) =11.8・log(%CaO)+C ここで、Cは温度の関数として決まる定数である。
中の脱燐反応は以下の式で記述される。 2[P]+5(FeO)=(P2 O5 )+5Fe この反応の平衡定数は以下に示すようにCaOの含有量
に依存することが知られている。 logKP =(%P2 O5 )/([%P]2 ・(%FeO)5 ) =11.8・log(%CaO)+C ここで、Cは温度の関数として決まる定数である。
【0021】従って、脱燐反応を進行させるにはCaO
の含有量を高く維持することが必要であるが、これを生
石灰の供給によって行う場合、粒径の大きな生石灰を転
炉へ投入すると、生石灰の表面にSiO2 が凝集し、生
石灰粒子の中心付近のスラグへの溶解が妨げられ、Ca
O含有量が十分でなく、この溶解が全体の反応を律して
しまうので、脱燐反応が十分に進行しないという問題が
ある。
の含有量を高く維持することが必要であるが、これを生
石灰の供給によって行う場合、粒径の大きな生石灰を転
炉へ投入すると、生石灰の表面にSiO2 が凝集し、生
石灰粒子の中心付近のスラグへの溶解が妨げられ、Ca
O含有量が十分でなく、この溶解が全体の反応を律して
しまうので、脱燐反応が十分に進行しないという問題が
ある。
【0022】そこで、本発明においては生石灰をある程
度小さな粒子にして転炉へ投入することにより、生石灰
粒子の比表面積が大きくなり、その表面がSiO2 で被
覆されても、粒子の中心付近に残留する生石灰の量が少
なくなる。このため、結果としてSiO2 による滓化妨
害の影響が少なくなることにより、生石灰のスラグへの
溶解が十分に行なわれ、スラグのCaO含有量を高く維
持することができるのである。
度小さな粒子にして転炉へ投入することにより、生石灰
粒子の比表面積が大きくなり、その表面がSiO2 で被
覆されても、粒子の中心付近に残留する生石灰の量が少
なくなる。このため、結果としてSiO2 による滓化妨
害の影響が少なくなることにより、生石灰のスラグへの
溶解が十分に行なわれ、スラグのCaO含有量を高く維
持することができるのである。
【0023】本発明における溶銑の脱燐精錬前のSi含
有量と脱燐精錬後の燐含有量との関係を図2に示す。こ
れより、粒径が30mm以上の生石灰を使用した場合は
精錬後の燐含有量は精錬前のSi含有量に大きく依存し
ているが、粒径が30mm以下の生石灰を使用した場合
には殆んど依存していないことが明瞭である。
有量と脱燐精錬後の燐含有量との関係を図2に示す。こ
れより、粒径が30mm以上の生石灰を使用した場合は
精錬後の燐含有量は精錬前のSi含有量に大きく依存し
ているが、粒径が30mm以下の生石灰を使用した場合
には殆んど依存していないことが明瞭である。
【0024】現在の製銑技術では、高炉が定常状態で操
業されているときは、高炉で製造される溶銑中のSi含
有量を0.2%程度に低く抑えることは可能であるが、
休風後の立ち上げ操業時などの非定常状態では、Si含
有量は0.3%以上に高くなることがある。本発明によ
れば、このようなSi含有量の高い状態においても脱燐
精錬を効率良く行うことができ、この脱燐精錬の効率向
上は、脱燐精錬後の溶鋼から製造される鋼材の品質を、
極めて大きく向上させる。
業されているときは、高炉で製造される溶銑中のSi含
有量を0.2%程度に低く抑えることは可能であるが、
休風後の立ち上げ操業時などの非定常状態では、Si含
有量は0.3%以上に高くなることがある。本発明によ
れば、このようなSi含有量の高い状態においても脱燐
精錬を効率良く行うことができ、この脱燐精錬の効率向
上は、脱燐精錬後の溶鋼から製造される鋼材の品質を、
極めて大きく向上させる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を示す。本発明に係る
脱燐精錬法の効果を確認するため3か月間にわたって操
業試験を実施した。各月において、1日25〜35チャ
ージ(ch)の操業試験を、最小22日間実施した。成
分組成等について、これら月間の平均値を算出した結果
を図3に示す。なお、本操業試験における操業条件(送
酸量、ランス高さ、底吹き窒素量、生石灰、螢石等の造
滓材の装入量、及びその時期等)は、図1に示した通り
である。
脱燐精錬法の効果を確認するため3か月間にわたって操
業試験を実施した。各月において、1日25〜35チャ
ージ(ch)の操業試験を、最小22日間実施した。成
分組成等について、これら月間の平均値を算出した結果
を図3に示す。なお、本操業試験における操業条件(送
酸量、ランス高さ、底吹き窒素量、生石灰、螢石等の造
滓材の装入量、及びその時期等)は、図1に示した通り
である。
【0026】図3に示す通り、脱燐精錬前における溶銑
の燐含有量は、何れの場合も約0.11wt%である。
粒径が30mmを超える生石灰を使用して脱燐精錬を行
った場合の脱燐精錬後の燐含有量は約0.023wt%
であるが、粒径が30mm以下の生石灰を使用して脱燐
精錬を行った場合においては、約0.019wt%にま
で脱燐されており、脱燐精錬の効率が向上している。
の燐含有量は、何れの場合も約0.11wt%である。
粒径が30mmを超える生石灰を使用して脱燐精錬を行
った場合の脱燐精錬後の燐含有量は約0.023wt%
であるが、粒径が30mm以下の生石灰を使用して脱燐
精錬を行った場合においては、約0.019wt%にま
で脱燐されており、脱燐精錬の効率が向上している。
【0027】
【発明の効果】本発明に係る溶銑の脱燐精錬を実施する
ことにより、溶銑の脱燐精錬後の燐含有量は大きく改善
され、脱燐精錬の効率が向上した。この脱燐精錬の効率
向上は、これにより製造される鋼材の品質を極めて大き
く向上させ、その効果は甚大であり、産業上の利用性は
著しい高い。
ことにより、溶銑の脱燐精錬後の燐含有量は大きく改善
され、脱燐精錬の効率が向上した。この脱燐精錬の効率
向上は、これにより製造される鋼材の品質を極めて大き
く向上させ、その効果は甚大であり、産業上の利用性は
著しい高い。
【図1】転炉における溶銑の脱燐精錬の概要を示す図で
ある。
ある。
【図2】本発明における溶銑の脱燐精錬前のSi含有量
と脱燐精錬後の燐含有量との関係を示す図である。
と脱燐精錬後の燐含有量との関係を示す図である。
【図3】本発明における溶銑の脱燐精錬の結果を従来例
と比較して示す図である。
と比較して示す図である。
【図4】転炉における溶銑の脱燐精錬の状況を示す図で
ある。
ある。
2 転炉 4 溶銑 6 スラグ 8 出鋼口 10 炉口 12 ランス 14 サブランス
フロントページの続き (72)発明者 小平 悟史 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 井澤 智生 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 下記の工程を備えたことを特徴とする転
炉に於ける溶銑の脱燐精錬の方法。 (a)転炉に溶銑を装入し、(b)前記溶銑の酸素吹錬
中に、所定の粒径以下に調整したCaOを含有する造滓
材を転炉に投入する。 - 【請求項2】 前記CaOを含有する造滓材の粒径を、
約30mm以下に調整することを特徴とする請求項1記
載の転炉に於ける溶銑の脱燐精錬の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16356697A JPH111716A (ja) | 1997-06-06 | 1997-06-06 | 転炉に於ける溶銑の脱燐精錬の方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16356697A JPH111716A (ja) | 1997-06-06 | 1997-06-06 | 転炉に於ける溶銑の脱燐精錬の方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH111716A true JPH111716A (ja) | 1999-01-06 |
Family
ID=15776350
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16356697A Pending JPH111716A (ja) | 1997-06-06 | 1997-06-06 | 転炉に於ける溶銑の脱燐精錬の方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH111716A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003105419A (ja) * | 2001-09-27 | 2003-04-09 | Nippon Steel Corp | 溶銑の予備処理方法 |
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1997
- 1997-06-06 JP JP16356697A patent/JPH111716A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2003105419A (ja) * | 2001-09-27 | 2003-04-09 | Nippon Steel Corp | 溶銑の予備処理方法 |
JP4695312B2 (ja) * | 2001-09-27 | 2011-06-08 | 新日本製鐵株式会社 | 溶銑の予備処理方法 |
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