JPH11171161A - レトルト殺菌処理可能な紙容器 - Google Patents

レトルト殺菌処理可能な紙容器

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JPH11171161A
JPH11171161A JP9345112A JP34511297A JPH11171161A JP H11171161 A JPH11171161 A JP H11171161A JP 9345112 A JP9345112 A JP 9345112A JP 34511297 A JP34511297 A JP 34511297A JP H11171161 A JPH11171161 A JP H11171161A
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Japan
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film
container
paper
laminated
cpp
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JP9345112A
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English (en)
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Eishin Miyake
英信 三宅
Masashi Goto
雅士 後藤
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電子レンジ適性を有するレトルト殺菌可能な紙
容器の提供。 【解決手段】容器本体10の開口部周縁に位置し熱融着
する開口周縁部材31と、容器本体内面の胴部12の積
層シート貼り合わせ個所に沿って位置し熱融着して開口
周縁部材に連設する柱部材32と、容器本体内面の胴部
12と底部13との接合部分に沿って位置し熱融着して
柱部材に連続する底環状部材33と、容器本体の底部イ
ンカール内壁部に沿って位置し熱融着する底部インカー
ル環状部材34とを、容器本体を前もって挿入配置した
金型内に熱溶融したポリプロピレン樹脂を射出するイン
サート成形法により設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レトルト殺菌処理
可能な紙容器に関し、特には、電子レンジによる再加熱
が可能なレトルト殺菌処理可能なカップ状をした紙容器
に関する。
【0002】
【従来の技術】レトルト殺菌処理可能な紙容器として
は、例えば、特開昭57−46734号公報、特開昭5
8−52033号公報、特開昭58−20638号公報
等に開示された発明をはじめとして多数の発明、考案が
開示されている。
【0003】特開昭57−46734号公報に開示され
た発明は、高密度ポリエチレン樹脂を除く熱可塑性樹脂
が主体であって、融点が115°C以上の樹脂を両外層
とした合成樹脂、紙およびアルミ箔からなる積層シート
を丸めて重ね合せた両側端部に防水処理を施すとともに
溶着して筒体を形成し、得られた筒体の上下両開口部
を、前記積層シートにおける合成樹脂と同種の合成樹脂
で内面を被覆したアルミ箔からなる蓋材で閉蓋してなる
容器であって、前記積層シートが紙の両面側にアルミ箔
を配した積層構成とされた包装用容器としたものであ
る。
【0004】また特開昭58−52033号公報に開示
された発明は、両面耐水処理をした紙質原反からなる扇
形又は方形ブランクシートの胴シール部に相当する両端
部をある幅にわたって互いに逆面へと折返し且つブラン
クシート全体を筒体を形成するように折曲げて前記で得
られた一対の折返し片を有する面で両端部を貼合してな
る胴部筒体の上下部を、その上下紙端面が露出しないよ
うに蓋体および底板でシールしてなる完全耐水性紙質容
器としたものである。
【0005】さらに特開昭58−20638号公報に開
示された発明は、内層を形成する樹脂層と板紙等から成
る中間層が一体接着され、外層を形成する樹脂層と中間
層とが一体接着もしくは容器上縁での樹脂同士の接着が
なされ、各層間は脱気され、中間層が両側の樹脂層に挟
まれている多層容器としたものである。
【0006】しかしながらこれらの発明はいずれも、ア
ルミ箔を多用しているため電子レンジ適性が無い、合成
樹脂を多用しているため廃棄性に問題が残る、等の問題
を有していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、レトルト殺
菌処理可能な紙容器に関する以上のような問題点に着目
してなされたもので、電子レンジ適性を有するレトルト
殺菌可能な紙容器を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
紙層を主体とする積層シートからなる開口部と胴部と底
部とを具備したカップ状の容器本体と、容器本体の外側
の胴部の積層シート貼り合わせ端縁部を被覆するための
テープ状積層フィルムと、から構成される紙容器の、容
器本体の開口部周縁に位置し熱融着する開口周縁部材
と、容器本体内面の胴部の積層シート貼り合わせ個所に
沿って位置し熱融着して前記開口周縁部材に連続する柱
部材と、容器本体内面の胴部と底部との接合部分に沿っ
て位置し熱融着して前記柱部材に連続する底環状部材
と、容器本体の底部インカール内壁部に沿って位置し熱
融着する底部インカール環状部材とを、前記容器本体を
前もって挿入配置した金型内に熱溶融したポリプロピレ
ン樹脂を射出するインサート射出成形法により設けたレ
トルト殺菌処理可能な紙容器である。
【0009】第2の発明は、第1の発明において、前記
積層シートは、容器外側よりCPPフィルム、カップ原
紙、バリヤー層、CPPフィルム、の順序で積層される
少なくとも4層構成からなる積層シートであるレトルト
殺菌処理可能な紙容器である。
【0010】第3の発明は、第1および第2の発明にお
いて、前記積層シートを構成するCPPフィルムの、容
器外側に位置するCPPフィルムはブロックタイプまた
はランダムタイプのCPPフィルムであり、内容物と接
触する側に位置するCPPフィルムはブロックタイプの
CPPフィルムであるレトルト殺菌処理可能な紙容器で
ある。
【0011】第4の発明は、第1、第2および第3の発
明において、前記積層シートを構成するバリヤー層が、
無機化合物蒸着薄膜を形成したフィルム、金属化合物蒸
着薄膜を形成したフィルム、またはバリヤー性プラスチ
ックフィルムのいずれかであるレトルト殺菌処理可能な
紙容器である。
【0012】第5の発明は、第1、第2、第3および第
4の発明において、前記積層シートを構成するカップ原
紙が、原紙表面に珪藻土からなるコート層が12〜18
g/m2 塗布されているカップ原紙であるレトルト殺菌
処理可能な紙容器である。
【0013】第6の発明は、第1、第2、第3、第4お
よび第5の発明において、前記テープ状積層フィルム
が、CPPフィルム、バリヤー層、CPPフィルムの順
序で積層される少なくとも3層構成からなる積層フィル
ムであるレトルト殺菌処理可能な紙容器である。
【0014】第7の発明は、第1、第2、第3、第4、
第5および第6の発明において、前記テープ状積層フィ
ルムを構成するバリヤー層が、無機化合物蒸着薄膜を形
成したフィルム、金属化合物蒸着薄膜を形成したフィル
ム、またはバリヤー性プラスチックフィルムのいずれか
であるレトルト殺菌処理可能な紙容器である。
【0015】第8の発明は、第1から第7の発明におい
て、前記インサート射出成形法に用いるポリプロピレン
樹脂であって、開口周縁部材、柱部材および底環状部材
に使用するポリプロピレン樹脂は、MFRが8〜30の
ブロックタイプのポリプロピレン樹脂であるレトルト殺
菌処理可能な紙容器である。
【0016】上記のように本発明によれば、紙容器成形
後に外部に露出する積層シート端面はテープ状積層フィ
ルムで被覆され、開口部周縁、胴部の内側の積層シート
貼り合わせ部、胴部と底部の接合部分および底部インカ
ール部壁面はポリプロピレン樹脂等の合成樹脂で被覆さ
れているので、レトルト殺菌処理が可能である。
【0017】また、積層シートが、CPPフィルム、カ
ップ原紙、無機化合物蒸着薄膜を形成したフィルム、金
属化合物蒸着薄膜を形成したフィルム、またはバリヤー
性プラスチックフィルムのいずれかからなるバリヤー
層、CPPフィルムを順次積層した構成からなり、ま
た、テープ状積層フィルムが、ポリプロピレンフィル
ム、無機化合物蒸着薄膜を形成したフィルム、金属化合
物蒸着薄膜を形成したフィルム、またはバリヤー性プラ
スチックフィルムのいずれかからなるバリヤー層、ポリ
プロピレンフィルムを順次積層した構成からなっている
ので、電子レンジ適性を有する。
【0018】
【発明の実施の形態】以下実施例により本発明を詳細に
説明するが、本発明はその要旨を越えぬ限り下記実施例
には限定されない。本発明のレトルト殺菌可能な紙容器
は、図1に示すように、開口部(11)と胴部(12)
と底部(13)とを具備したカップ状の容器本体(1
0)と、胴部の積層シート(1)端面を被覆するテープ
状積層フィルム(20)と、容器本体(10)の主要部
を被覆する開口周縁部材(31)、柱部材(32)、底
環状部材(33)、底部インカール環状部材(34)か
らなる被覆部材(30)とから構成されている。
【0019】また、積層シートは、図2に示すように、
容器外側から、CPPフィルム(2)、カップ原紙
(3)、バリヤー層(4)、CPPフィルム(5)がそ
れぞれこの順序で積層された少なくとも4層構成からな
る積層シート(1)である。
【0020】カップ原紙(3)は積層シートの基材であ
り、坪量280g/m2 〜320g/m2 程度のものが
好ましく使用できる。また、紙に印刷する場合の絵柄再
現性に優れ、紙の熱による黄変の外観上の防止策となる
ため、表面に珪藻土からなるコート層(3a)が塗布さ
れたカップ原紙を使用することが好ましい。コート層の
塗布量は12〜18g/m2 が好ましい。
【0021】カップ原紙の内側に設けられるバリヤー層
(4)は、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィ
ルム、二軸延伸ナイロン(ONy)フィルム、二軸延伸
ポリプロピレン(OPP)フィルム等のプラスチックフ
ィルムに酸化珪素、酸化アルミニウム等の薄膜を400
Å程度真空蒸着法などの方法により蒸着させた蒸着フィ
ルムが好ましく使用できるが、エチレンビニルアルコー
ル共重合樹脂(EVOH)フィルムであってもよい。
【0022】カップ原紙の外側に使用されるCPPフィ
ルム(2)は、120°C以上の耐熱性(融点が120
°C以上)を有し、かつ、カップの成形時に、従来のカ
ップ成形機での成形条件を大幅に変える必要のないブロ
ックタイプまたはランダムタイプのCPPフィルムが好
ましく使用でき、その厚みは30〜70μmのものが好
適に使用できる。
【0023】積層シート(1)の最内層、内容物と接触
する側に設けられるCPPフィルム(5)は、低分子量
物質の抽出される量が少なく、そのため、内容物がレト
ルト殺菌処理やホット充填するものであっても味覚に及
ぼす影響が極めて少ない、また、流通時の耐衝撃性にも
優れている等の理由から、ブロックタイプのCPPフィ
ルムである必要がある。
【0024】カップ成形時のピンホール発生をより少な
くする目的で、CPPフィルム(2)とカップ原紙
(3)の層間にPETフィルム(6)の層を設けてもよ
い。PETフィルム(6)の厚さは9〜16μm程度が
好ましい。
【0025】積層シート(1)に印刷部を設ける場合
は、カップ原紙(3)のコート層(3a)の上に設ける
ことが一般的であるが、PETフィルム(6)の層を設
けた場合は、このPETフィルムの表裏両面のいずれか
に設けてもよいし、コート層の上に設けてもよい。
【0026】カップ原紙(3)と上記各層との積層は、
一般的に用いられている公知の積層法、例えば、二液型
ポリエステル接着剤を用いたドライラミネーション法な
どにより、適宜の順序で積層することにより、積層シー
ト(1)を作製することができる。
【0027】別に、容器本体の胴部となる胴部材用ブラ
ンクの一方の端面ともう一方の端面とを貼り合わせた
際、外側に出る方の端面を被覆するためのテープ状積層
フィルム(20)として、図3に示すように、CPPフ
ィルム(21)、バリヤー層(22)、CPPフィルム
(23)を順次貼り合わせて構成されているものを用意
する。
【0028】バリヤー層(22)は、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)フィルム、二軸延伸ナイロン(O
Ny)フィルム、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フ
ィルム等のプラスチックフィルムに酸化珪素、酸化アル
ミニウム等を400Å程度蒸着させた蒸着フィルムが好
ましく使用できるが、エチレンビニルアルコール共重合
樹脂(EVOH)フィルムであってもよい。
【0029】バリヤー層(22)の両側に設けられるC
PPフィルム(21、23)は、ホモタイプ、ランダム
タイプ、ブロックタイプのいずれのタイプであっても構
わない。
【0030】CPPフィルム(21)とバリヤー層(2
2)およびバリヤー層(22)とCPPフィルム(2
3)の貼り合わせは、一般的に用いられている公知の積
層法、例えば、二液型ポリエステル接着剤を用いたドラ
イラミネーション法などにより行うことができ、容易に
テープ状積層フィルム(20)を作製することができ
る。
【0031】このテープ状積層フィルム(20)を容器
本体の胴部(12)となる胴部材ブランクに融着させる
方法は、ヒートシール法、インパルスシール法、超音波
シール法のいずれの方法によっても良い。また融着加工
はカップ成形前のブランク状態の時が好ましい。
【0032】紙容器の成形は、例えば、つぎのようにし
て行うことができる。先ず、積層シート(1)より、カ
ップ状の容器本体(10)を成形するため、容器本体の
胴部(12)となる胴部材ブランクと、容器本体の底部
(13)となる、底部材ロールを作製する。そして胴部
材ブランクの、容器本体を胴部に組み立てた際、容器の
外側に出る端面は、あらかじめ上記したテープ状積層フ
ィルム(20)で被覆しておく。
【0033】テープ状積層フィルムを必要個所に被覆し
た胴部材ブランクと底部材ロールを紙カップ成形機にセ
ットする。先ず、胴部材ブランクをCPPフィルム
(5)が内面になるようにして、円筒状に曲げ、胴部材
ブランクの一方の端面と、テープ状積層フィルム(2
0)で被覆されたもう一方の端面を、テープ状積層フィ
ルムで被覆された端面が外側になるように端面部同士を
重ね合わせるように貼り合わせ、貼り合わせ部(14)
を有する円筒状の胴部(12)を作製する。
【0034】つぎに、円筒状に加工された胴部材の下部
内面に、底部材ロールから打ち抜かれ外周縁部が下向き
に起立したほぼ円形状の底部材の外周縁部の外面が加熱
接合し、さらに、外周部を覆うように胴部材の下端縁部
が内方に折り曲げられ、ローレット(図示せず)によ
り、底部材の外周縁部の内面に圧着接合して容器本体
(10)の成形が行われる(図4参照)。
【0035】作製された容器本体(10)の開口部周
縁、貼り合わせ部(14)の容器内面の紙面が露出して
いる端縁、胴部材と底部材の接合部周縁および底部イン
カール内壁部の4箇所を、ポリプロピレン樹脂によりイ
ンサート射出成形法により被覆し、積層シートの端面が
露出しないようにする。
【0036】インサート射出成形法の手順は、例えば、
図5に示すように、先ず、コア金型(61)に容器本体
(10)を開口部(11)より挿入し、キャビティ金型
(62)を容器本体の上に装着し、オープンゲート射出
口(63)より熱溶融したポリプロピレン樹脂を射出さ
せて、容器本体の底部インカール内壁部に底部インカー
ル環状部材(34)を被覆する。この際使用するポリプ
ロピレン樹脂は、ホモタイプ、ランダムタイプ、ブロッ
クタイプのいずれであっても構わない。
【0037】ついで、スライドインジェクション法によ
りコア金型をサイドゲート射出口(65)を有するコア
金型(64)に取り替え、容器本体の開口部より挿入
し、開口部周縁に開口周縁部材(31)を、貼り合わせ
部の容器内面の紙面が露出している端縁に柱部材(3
2)を、胴部材と底部材の接合部周縁に底環状部材(3
3)を、熱溶融したポリプロピレン樹脂をサイドゲート
射出口(65)から射出させることにより被覆して、積
層シートの端面が露出しないようにする。このようにし
て紙容器(50)が作製される。なお、開口周縁部材
(31)と柱部材(32)と底環状部材(33)とは互
いに連続して形成されている。
【0038】また、開口周縁部材(31)、柱部材(3
2)および底環状部材(33)に使用するポリプロピレ
ン樹脂は、耐衝撃性が優れ、溶出してくる低分子量成分
の少ないブロックタイプのポリプロピレン樹脂を使用
し、MFRが8〜30g/m2のものが好ましく使用で
きる。
【0039】
【実施例】以下に本発明の実施例をさらに具体的に説明
する。 〈実施例1〉容器本体を構成する積層シート(1)、積
層シートを成形して得られる容器本体の端面露出個所を
被覆するためのテープ状積層フィルム(20)および容
器本体の開口部を密封する蓋部材をポリエステル樹脂系
二液反応型接着剤を用いたドライラミネーション法によ
り下記する構成で作製した。
【0040】積層シート(1)の層構成、〔容器外側〕
CPPフィルム(50μm厚)(2)/PETフィルム
(9μm厚)(6)/コート層(塗布量;15g/
2 )(3a)/カップ原紙(坪量;295g/m2
(3)/PETフィルム(12μm厚),酸化アルミニ
ウム蒸着薄膜(400Å)(4)/CPPフィルム(5
0μm厚)(5)〔容器内側〕
【0041】テープ状積層フィルム(20)の層構成、
CPPフィルム(30μm厚)(21)/PETフィル
ム(12μm厚),酸化アルミニウム蒸着薄膜(400
Å)(22)/CPPフィルム(30μm厚)(23)
【0042】蓋部材の層構成、〔容器外側〕PETフィ
ルム(12μm厚),酸化珪素蒸着薄膜(400Å)/
ONyフィルム(14μm厚)/CPPフィルム(70
μm厚)〔容器内側〕
【0043】積層シート(1)に用いるCPPフィルム
は下記構成、物性からなるCPPフィルムである。すな
わち、・プロピレン−エチレンブロック共重合体、・融
点;160°C、・密度;0.90g/cm3 、・MF
R;8g/10min.、・エチレン含有率;2.5w
t%、・耐衝撃性付与のため、エチレン−ブテン共重合
体(非晶性樹脂)を添加している。
【0044】また、カップ原紙の水分率は5.0%であ
る。
【0045】積層シートより、カップ状の容器本体(1
0)を成形するため、容器本体の胴部(12)となる胴
部材ブランクと、容器本体の底部(13)となる底部材
ロールを作製した。そして、胴部材ブランクの成形時に
容器外側に位置する紙端面露出部すべてにわたり図4
(b)に示すように幅10mmのテープ状積層フィルム
(20)をインパルスシールし、紙端面露出部を被覆し
た。
【0046】成形時に容器外側に位置する紙端面露出部
をテープ状積層フィルムで被覆した胴部材ブランクと、
底部材ロールとを用いて円筒状のカップ状容器を成形し
た。加熱方式は積層シートのカップ原紙内水分の気化に
伴うブリスターの発生を防止するため、溶着部外層のC
PPフィルムを局所的に加熱圧着する方式を採用した。
(詳細な成形方法は段落番号0033、0034に記し
た)
【0047】このようにして作製した容器本体(10)
の底部のインカール内壁部に熱溶融したポリプロピレン
樹脂を射出し、底部インカール環状部材(34)を被覆
した。つぎに、容器本体の開口部周縁に開口周縁部材
(31)を、貼り合わせ部の容器内面の紙面が露出して
いる端縁に柱部材(32)を、胴部材と底部材の接合部
周縁に底環状部材(33)を熱溶融したポリプロピレン
樹脂を射出させることにより被覆して、紙端面の露出が
全くない紙容器を作製した。
【0048】上述の射出成形の方法は、図5に示すよう
なインサート成形用金型(61、62、64)およびオ
ープンゲート(63)、サイドゲート(65)を用いて
行った。また、射出成形に用いたポリプロピレン樹脂は
下記する構成、物性からなるものであった。すなわち、
・エチレン−プロピレンブロック共重合体、・融点;1
60°C、・密度;0.90g/cm3 、・MFR;1
4g/10min.
【0049】〈比較例1〉胴部(12)を構成する胴部
材の容器の外側に出る端面をテープ状積層フィルム(2
0)で被覆しない以外は、実施例1と同じ材質、成形方
法で作製した紙容器。(詳細な説明は省略する)
【0050】〈比較例2〉積層シートを構成するバリヤ
ー層として厚さ9μmのアルミニウム箔を使用した以外
は実施例1と同じ材質、成形方法で作製した紙容器。
(詳細な説明は省略する)
【0051】〈参考例1〉実施例1と同形状のプラスチ
ック容器(構成はポリプロピレン樹脂(PP)/EVO
H/PP)を作製した。
【0052】以上同じ形状をした3種類の紙容器および
1種類のプラスチック容器についてレトルト適性と電子
レンジ適性を以下に述べる方法に従って実験し評価し
た。
【0053】〈実験1〉レトルト適性(1) 上記4種類の容器に水を充填し蓋部材を熱融着した後、
下記2条件で株式会社日阪製作所製の装置を用い、含気
方式のレトルト殺菌処理を行い、容器の形状変化の状態
を観察した。その結果を表1に示す。 条件1‥‥初期温度;80°C、昇温条件;120°C 到達15分 保持条件;30分間、冷却時間;30分間 条件2‥‥初期温度;80°C、昇温条件;130°C 到達15分 保持条件;30分間、冷却時間;30分間 表1中、○は容器に変形等の形状変化がないことを示
し、×は紙端面からの浸水により胴部の貼り合わせ部が
剥離し容器が破れたことを示す。
【0054】〈実験2〉レトルト適性(2) 実施例1、比較例2、参考例1の3種類の容器について
下記する酸素バリヤー検知材料を内容物として充填し蓋
部材を熱融着した後、上記2条件でレトルト殺菌処理を
行い、酸素バリヤー性の有無を観察した。その結果を表
1に示す。 酸素バリヤー検知材料‥‥ショ糖脂肪酸エステル、寒天
粉末、水酸化ナトリウム、メチレンブルー、Dグルコー
スの混合体を熱水中で溶解したもの バリヤー性の評価方法‥‥メチレンブルーが酸素に触れ
ると青く発色することを利用して酸素透過の程度を色相
にて評価する 表1中、○は内容液が青色に発色せず酸素バリヤー性が
有ることを示し、×は内容液が全体に青色に発色して、
酸素バリヤー性が劣化していることを示し、−は未実験
であることを示す。
【0055】〈実験3〉電子レンジ適性 実施例1、比較例2、参考例1の3種類の容器につい
て、レトルト殺菌処理後に電子レンジによる加熱を下記
条件で実施し、電子レンジ適性を観察、評価した。その
結果を表2に示す。なお、電子レンジは、定格電圧10
0V、定格周波数60Hzの一般的に用いられているも
のを使用した。表2中、○は電子レンジによる再加熱が
問題なく出来た状態を示し、×は電子レンジによる再加
熱が出来なかった状態を示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】表1、2から考察すると、紙端面を完全に
被覆した本発明の紙容器は、レトルト殺菌適性と共にレ
トルト殺菌後の電子レンジ適性をも有することが分かる
(実施例1)。紙端面を被覆しなかった紙容器は、レト
ルト殺菌処理を施すと紙端面から水が浸透し容器の変形
をきたし使用に耐えられないことがわかる(比較例
1)。また、積層シートのバリヤー層にアルミニウム箔
を用いた紙容器は、レトルト殺菌適性は有するものの電
子レンジ適性が無いことがわかる(比較例2)。さら
に、PP/EVOH/PP構成からなるプラスチック容
器は、レトルト殺菌処理による形状の変化はなく、電子
レンジ適性は有するもののレトルト殺菌処理後のガスバ
リヤー性に難点があることがわかる(参考例1)。
【0059】
【発明の効果】上記のように本発明の紙容器は紙を主体
とする容器なので、ディスプレイ性、印刷性に優れてお
り、プラスチック容器のような二次容器を必要とせず、
ごみの発生を抑制することができる。紙容器なので焼却
性に優れている。また、レトルト殺菌処理が可能なの
で、耐水性容器として水まわりのプラスチックボトルに
代わる容器としても使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレトルト殺菌可能な紙容器の一実施例
を示す縦断面を内側から見た説明図である。
【図2】本発明の紙容器に用いる積層シートの一実施例
を示す断面説明図である。
【図3】本発明の紙容器に用いるテープ状積層フィルム
の一実施例を示す断面説明図である。
【図4】本発明に使用する容器本体の説明図であり、
(a)は容器本体の一部を切り欠いた正面説明図で、
(b)はA部の拡大平面説明図である。
【図5】インサート射出成形法の一例を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1‥‥積層シート 2、5、21、23‥‥CPPフィルム 3‥‥カップ原紙 3a‥コート層 4、22‥‥バリヤー層、酸化アルミニウム蒸着PET
フィルム 6‥‥PETフィルム 10‥‥容器本体 11‥‥開口部 12‥‥胴部 13‥‥底部 14‥‥貼り合わせ部 20‥‥テープ状積層フィルム 30‥‥被覆部材 31‥‥開口周縁部材 32‥‥柱部材 33‥‥底環状部材 34‥‥底部インカール環状部材 50‥‥紙容器 61、64‥‥コア金型 62‥‥キャビティ金型 63‥‥オープンゲート射出口 65‥‥サイドゲート射出口

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙層を主体とする積層シートからなる開口
    部と胴部と底部とを具備したカップ状の容器本体と、 容器本体の外側の胴部の積層シート貼り合わせ端縁部を
    被覆するためのテープ状積層フィルムと、から構成され
    る紙容器の、 容器本体の開口部周縁に位置し熱融着する開口周縁部材
    と、容器本体内面の胴部の積層シート貼り合わせ個所に
    沿って位置し熱融着して前記開口周縁部材に連続する柱
    部材と、容器本体内面の胴部と底部との接合部分に沿っ
    て位置し熱融着して前記柱部材に連続する底環状部材
    と、容器本体の底部インカール内壁部に沿って位置し熱
    融着する底部インカール環状部材とを、前記容器本体を
    前もって挿入配置した金型内に熱溶融したポリプロピレ
    ン樹脂を射出するインサート射出成形法により設けたこ
    とを特徴とするレトルト殺菌処理可能な紙容器。
  2. 【請求項2】前記積層シートは、容器外側より未延伸ポ
    リプロピレン(CPP)フィルム、カップ原紙、バリヤ
    ー層、未延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム、の順
    序で積層される少なくとも4層構成からなる積層シート
    であることを特徴とする請求項1記載のレトルト殺菌処
    理可能な紙容器。
  3. 【請求項3】前記積層シートを構成するCPPフィルム
    の、容器外側に位置するCPPフィルムはブロックタイ
    プまたはランダムタイプのCPPフィルムであり、内容
    物と接触する側に位置するCPPフィルムはブロックタ
    イプのCPPフィルムであることを特徴とする請求項1
    または2記載のレトルト殺菌処理可能な紙容器。
  4. 【請求項4】前記積層シートを構成するバリヤー層が、
    無機化合物蒸着薄膜を形成したフィルム、金属化合物蒸
    着薄膜を形成したフィルム、またはバリヤー性プラスチ
    ックフィルムのいずれかであることを特徴とする請求項
    1、2または3記載のレトルト殺菌処理可能な紙容器。
  5. 【請求項5】前記積層シートを構成するカップ原紙が、
    原紙表面に珪藻土からなるコート層が12〜18g/m
    2 塗布されているカップ原紙であることを特徴とする請
    求項1、2、3または4記載のレトルト殺菌処理可能な
    紙容器。
  6. 【請求項6】前記テープ状積層フィルムが、CPPフィ
    ルム、バリヤー層、CPPフィルムの順序で積層される
    少なくとも3層構成からなる積層フィルムであることを
    特徴とする請求項1、2、3、4または5記載のレトル
    ト殺菌処理可能な紙容器。
  7. 【請求項7】前記テープ状積層フィルムを構成するバリ
    ヤー層が、無機化合物蒸着薄膜を形成したフィルム、金
    属化合物蒸着薄膜を形成したフィルム、またはバリヤー
    性プラスチックフィルムのいずれかであることを特徴と
    する請求項1、2、3、4、5または6記載のレトルト
    殺菌処理可能な紙容器。
  8. 【請求項8】前記インサート射出成形法に用いるポリプ
    ロピレン樹脂であって、開口周縁部材、柱部材および底
    環状部材に使用するポリプロピレン樹脂は、MFRが8
    〜30のブロックタイプのポリプロピレン樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7
    記載のレトルト殺菌処理可能な紙容器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102632643A (zh) * 2011-02-12 2012-08-15 林沛缇 纸材容器底材之固定方法
US8414727B2 (en) * 2011-06-28 2013-04-09 Pei-Ti Lin Method for securing bottom piece to paper-made container

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