JPH11170524A - インクジェットプリンタ、ならびにインクジェットプリンタ用記録ヘッドの駆動装置および方法 - Google Patents

インクジェットプリンタ、ならびにインクジェットプリンタ用記録ヘッドの駆動装置および方法

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JPH11170524A
JPH11170524A JP34834897A JP34834897A JPH11170524A JP H11170524 A JPH11170524 A JP H11170524A JP 34834897 A JP34834897 A JP 34834897A JP 34834897 A JP34834897 A JP 34834897A JP H11170524 A JPH11170524 A JP H11170524A
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雄次 矢倉
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2002/14338Multiple pressure elements per ink chamber

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  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク滴吐出後のメニスカスの残留振動を抑
制して吐出周期を短縮化できるインクジェットプリン
タ、ならびにインクジェットプリンタ用記録ヘッドの駆
動装置および方法を提供する。 【解決手段】 ノズル118のインク室114に圧電素
子116を設け、この圧電素子116をインク室収縮方
向に変位させてインク滴を吐出する。インク滴の吐出
後、圧電素子116が固有の振動を起こすが、この振動
が収束した後においても、メニスカス(インク先端部)
は長周期のうねり状の振動を起こす。そこで、所定のタ
イミングでメニスカスの長周期振動を抑制可能な方向に
圧電素子116を変位させる。これにより、メニスカス
の長周期の残留振動が抑制される。インク滴の吐出間隔
を短くしても、前回の吐出動作によって次回の吐出動作
が影響を受けることが少なくなる。すなわち、印字品質
を損なうことなく吐出周期を短縮できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はノズル部からインク
滴を吐出して記録用紙に記録を行うインクジェットプリ
ンタ、ならびにインクジェットプリンタ用記録ヘッドの
駆動装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インク室に連通したノズル部から
インク滴を吐出して記録用紙に記録を行うインクジェッ
トプリンタが普及している。この種のインクジェットプ
リンタの1つとして、ノズルにインクを供給するインク
室の外壁をなす振動板に圧電素子を固設すると共に、駆
動信号の印加により圧電素子を変位させて(撓ませて)
インク室の容積を変化させることで吐出圧力を生じさ
せ、この吐出圧力によってノズルからインク滴を吐出さ
せるようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のようなインクジ
ェットプリンタでは、圧電素子を変位させてインク室内
に吐出圧力を生じさせるようになっているため、インク
滴の吐出後においても圧電素子に固有の振動が残り、こ
の固有振動がその後のインク滴吐出制御に影響を及ぼす
こととなる。したがって、印字速度の高速化のために吐
出周期を縮めようとするには、この残留振動をできるだ
け早く止めて次回の吐出動作に悪影響を及ぼさないよう
にする必要がある。
【0004】ところが、本出願人は、吐出動作後の圧電
素子の残留振動が収束したのちにおいてもインク室内に
インクの圧力変動が残存することを確認している。本出
願人はまた、このようなインク室内の残留圧力変動が圧
電素子の固有振動周期に比べて相当長い周期のうねり状
の振動であって長期間継続するものであることも確認し
ている。このような残留圧力変動が長期間続くと、次回
のインク滴吐出動作に悪影響を与える原因となることか
ら、印字品質を損なわずに吐出周期を短縮することは不
可能である。すなわち、上記した圧電素子の固有振動を
抑制しただけでは、不十分と考えられる。
【0005】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、インク滴吐出後の残留振動を抑制し
て吐出周期を短縮化することができるインクジェットプ
リンタ、ならびにインクジェットプリンタ用記録ヘッド
の駆動装置および方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るインクジェ
ットプリンタは、インク滴を吐出するためのノズル部
と、ノズル部にインクを供給するインク室と、変位する
ことによりインク室の容積を変化させてノズル部からイ
ンク滴を吐出させるための圧力を発生する圧力発生手段
と、圧力発生手段をインク室収縮方向に変位させてノズ
ル部からインク滴を吐出させると共に、インク滴の吐出
によりノズル部に生ずるインク先端部の振動を抑制可能
な方向に圧力発生手段を変位させる吐出制御手段とを備
えている。
【0007】本発明に係る他のインクジェットプリンタ
は、インク滴を吐出するためのノズル部と、ノズル部に
インクを供給するインク室と、それぞれ変位することに
よりインク室の容積を変化させて圧力を発生する第1の
圧力発生手段および第2の圧力発生手段と、第1の圧力
発生手段をインク室収縮方向に変位させてノズル部から
インク滴を吐出させると共に、インク滴の吐出によりノ
ズル部に生ずるインク先端部の振動を抑制可能な方向に
第2の圧力発生手段を変位させる吐出制御手段とを備え
ている。ここで、吐出制御手段は、第1の圧力発生手段
をインク室収縮方向に変位させてインク滴を吐出させた
のちこの第1の圧力発生手段をインク室膨張方向に変位
させると共に、この第1の圧力発生手段のインク室膨張
方向への変位動作とほぼ並行して第2の圧力発生手段を
インク室収縮方向へ変位させたのち、第1の圧力発生手
段によるインク滴の吐出によりノズル部に生ずるインク
先端部の振動を抑制可能なタイミングで第2の圧力発生
手段をインク室膨張方向に変位させるように制御するこ
とが好適である。さらに、吐出制御手段は、第1の圧力
発生手段がインク室収縮方向に最も大きく変位した時点
またはその近傍において、この第1の圧力発生手段のイ
ンク室膨張方向への変位動作を開始させるように制御す
ることが好適である。
【0008】本発明に係るインクジェットプリンタ用記
録ヘッドの駆動装置は、インク滴を吐出するためのノズ
ル部と、ノズル部にインクを供給するインク室と、変位
することによりインク室の容積を変化させてノズル部か
らインク滴を吐出させるための圧力を発生する圧力発生
手段とを備えたインクジェットプリンタ用記録ヘッドを
駆動する装置であって、圧力発生手段をインク室収縮方
向に変位させてノズル部からインク滴を吐出させると共
に、インク滴の吐出によりノズル部に生ずるインク先端
部の振動を抑制可能な方向に圧力発生手段を変位させる
吐出制御手段を備えたものである。
【0009】本発明に係るインクジェットプリンタ用記
録ヘッドの駆動方法は、インク滴を吐出するためのノズ
ル部と、ノズル部にインクを供給するインク室と、変位
することによりインク室の容積を変化させてノズル部か
らインク滴を吐出させるための圧力を発生する圧力発生
手段とを備えたインクジェットプリンタ用記録ヘッドを
駆動する方法であって、圧力発生手段をインク室収縮方
向に変位させてノズル部からインク滴を吐出させる行程
と、インク滴の吐出によりノズル部に生ずるインク先端
部の振動を抑制可能な方向に圧力発生手段を変位させる
行程とを含むものである。
【0010】本発明に係るインクジェットプリンタ、ま
たはインクジェットプリンタ用記録ヘッドの駆動装置も
しくは方法では、圧力発生手段のインク室収縮方向への
変位が行われることでノズル部からインク滴が吐出され
る。そして、さらに、インク滴の吐出によりノズル部に
生ずるインク先端部の振動を抑制可能な方向に圧力発生
手段の変位が行われる。
【0011】本発明に係る他のインクジェットプリン
タ、またはインクジェットプリンタ用記録ヘッドの駆動
装置もしくは方法では、第1の圧力発生手段のインク室
収縮方向への変位が行われることでノズル部からインク
滴が吐出される。そして、さらに、インク滴の吐出によ
りノズル部に生ずるインク先端部の振動を抑制可能な方
向に第2の圧力発生手段の変位が行われる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0013】〔第1の実施の形態〕図1は本発明の一実
施の形態に係るインクジェットプリンタの要部の概略構
成を表すものである。本実施の形態では、複数のノズル
を有するマルチノズルヘッドを備えたインクジェットプ
リンタについて説明するが、本発明は単一のノズルを有
するシングルノズルヘッドを備えたインクジェットプリ
ンタについても適用可能である。なお、本発明の実施の
形態に係るインクジェットプリンタ用記録ヘッドの駆動
装置および方法は本実施の形態に係るインクジェットプ
リンタによって具現化されるので、以下併せて説明す
る。
【0014】このインクジェットプリンタ1は、記録用
紙2に対してインク滴を吐出して記録を行う記録ヘッド
11と、この記録ヘッド11にインクを供給するインク
カートリッジ12と、記録ヘッド11の位置と記録用紙
2の紙送りとを制御するヘッド位置・紙送りコントロー
ラ13と、駆動信号21により記録ヘッド11のインク
滴吐出動作を制御するヘッドコントローラ14と、入力
される画像データに所定の画像処理を行い、印画データ
22としてヘッドコントローラ14に供給する画像処理
部15と、制御信号23,24,25によってそれぞれ
ヘッド位置・紙送りコントローラ13、ヘッドコントロ
ーラ14および画像処理部15を制御するシステムコン
トローラ16とを備えている。ここで、ヘッドコントロ
ーラ14が本発明における「吐出制御手段」に対応す
る。
【0015】図2は図1における記録ヘッド11の斜視
断面構造を表し、図3は図2における記録ヘッド11を
矢印Zの方向から見た断面構造を表すものである。これ
らの図に示したように、記録ヘッド11は、薄いノズル
プレート板111と、ノズルプレート111上に積層さ
れた流路プレート112と、流路プレート112上に積
層された振動プレート113とを備えて構成されてい
る。これらの各プレートは、例えば、図示しない接着剤
により相互に貼り合わされている。
【0016】流路プレート112の上面側には選択的に
凹部が形成されており、これらの凹部と振動プレート1
13とによって、複数のインク室114とこれらのイン
ク室に連通する共同流路115とを構成している。共同
流路115と各インク室114との連通部分は挟路とな
っており、ここから各インク室114の方向に向かうに
従って流路幅が拡がるような構造となっている。各イン
ク室114の真上部分の振動プレート113上には、そ
れぞれ、例えばピエゾ素子等からなる圧電素子116が
固着されている。各圧電素子116の上下面には、図示
しない電極がそれぞれ積層配置されており、これらの電
極にヘッドコントローラ14(図1)からの駆動信号を
印加して各圧電素子116、ひいては振動プレート11
3をたわませることで、インク室114の容積を増大
(膨張)させたり減少(収縮)させることができるよう
になっている。ここで、インク室114が本発明におけ
る「インク室」に対応し、圧電素子116が本発明にお
ける「圧力発生手段」に対応する。
【0017】各インク室114における共同流路115
に連通した側と反対側の部分は、流路幅が次第に狭まっ
ていく構造になっており、その終端部の流路プレート1
12には、厚み方向に穿たれた流路孔117が設けられ
ている。そして、この流路孔117は、最下層のノズル
プレート111に形成された微小なノズル118へと連
通しており、このノズル118からインク滴が吐出され
るようになっている。本実施の形態では、記録ヘッド1
1には、記録用紙2(図1)の紙送り方向(図2の矢印
X)に沿って、複数のノズル118が1列に等間隔で形
成されている。但し、その他の配列(例えば千鳥状の二
列配列)としてもよい。ここで、ノズル118が本発明
における「ノズル部」に対応する。
【0018】共同流路115は、図1に示したインクカ
ートリッジ12(図2および図3では図示せず)に連通
している。そして、このインクカートリッジ12から共
同流路115を経て各インク室114に常時一定速度で
インクが供給されるようになっている。このインクの供
給は、例えば毛細管現象を利用して行うことができる
が、そのほか、インクカートリッジ12に所定の加圧機
構を設けて加圧することで行うようにしてもよい。
【0019】このような構成の記録ヘッド11は、図示
しないキャリッジ駆動モータおよびこれに付随するキャ
リッジ機構によって記録用紙2の紙送り方向Xと直交す
る方向Y(図2)に往復移動しながらインク滴を吐出す
ることにより、記録用紙2に画像を記録するようになっ
ている。
【0020】図1に示したヘッドコントローラ14は、
例えば、いずれも図示しないが、マイクロプロセッサ
と、このマイクロプロセッサが実行するプログラムが格
納されたROM(Read Only Memory)と、マイクロプロ
セッサによる所定の演算や一時的なデータ記憶等に用い
られるワークメモリとしてのRAM(Random Access Me
mory)と、不揮発性メモリからなる駆動波形記憶部と、
駆動波形記憶部から読み出されたディジタルデータをア
ナログに変換するためのディジタルアナログ(D/A)
コンバータと、D/Aコンバータの出力を増幅するアン
プとを備えて構成される。ここで、駆動波形記憶部は、
記録ヘッド11の各ノズルの圧電素子116(図2)を
それぞれ駆動するための駆動信号21の各電圧波形を示
す波形データを複数記憶している。これらの波形データ
は、吐出すべきインク滴のサイズに応じて、図4に示し
た各種のパラメータ(時間パラメータおよび電圧パラメ
ータ)を様々な値に設定して作成されたものである。こ
れらの波形データはマイクロプロセッサによってそれぞ
れ読み出され、D/Aコンバータでアナログ信号に変換
されたのちアンプで増幅される。そして、ノズル数nと
同数の駆動信号21として出力され、それぞれ、対応す
るノズルに供給される。なお、ヘッドコントローラ14
は、上記のような構成に限られることはなく、これと異
なる構成とすることも可能である。
【0021】図4は駆動信号21の一周期分(T)の波
形の一例を表すものである。ここで、縦軸は電圧、横軸
は時間を表し、時間は図の左から右方向へと進むものと
する。この図に示したように、駆動信号21は、基準電
圧0Vのほかに、後述する引込電圧Vpおよび吐出電圧
Vaを取り得るようになっている。
【0022】ここで、図5を参照して、駆動信号21の
波形の意義について説明する。この図5は、駆動信号の
波形と、この駆動信号が印加される圧電素子116の挙
動と、ノズル118内におけるインクの先端部(以下、
メニスカスという。)の位置変化との関係を表すもので
ある。この図の(a)は、駆動信号21のほぼ1周期分
の波形を表し、同図(b)は(a)のような波形の駆動
信号が圧電素子116に印加されたときのインク室11
4の状態の変化を表し、同図(c)はそのときのノズル
118内におけるメニスカス位置の変化を表す。
【0023】図5(a)において、まず、駆動電圧を基
準電圧0Vから引込電圧Vpに変化させる行程(Aから
Bまで)を第1の前行程とし、引込電圧Vpを一定時間
保持する行程(BからCまで)を第2の前行程とする。
また、駆動電圧を引込電圧Vpから基準電圧0Vに変化
させる行程(CからDまで)を第1行程とし、これに要
する時間をt1とする。また、基準電圧0Vを保持して
待機する行程(DからEまで)を第2行程とし、これに
要する時間をt2とする。さらに、基準電圧0Vから吐
出電圧Vaに変化させる行程(EからFまで)を第3行
程とし、これに要する時間をt3とする。
【0024】本実施の形態において、第3行程の開始時
点である時点Eは、吐出が開始されるタイミングであ
り、このタイミングに先立って第1の前行程、第2の前
行程、第1行程、および第2行程が行われるようになっ
ている。
【0025】まず、時点Aおよびそれ以前においては、
圧電素子116への印加電圧は0Vであるので、図5
(b)の状態PA のように、振動プレート113にたわ
みはなく、インク室114の容積は最大となっている。
時点Aにおいて、ノズル118内におけるメニスカス位
置は、図5(c)の状態MA に示したように、ノズル開
口端から所定距離だけ後退した所に位置しているものと
する。
【0026】次に、時点Aの電圧0Vから時点Bの引込
電圧Vpへと駆動電圧をゆっくりと増加させる第1の前
行程を行うと、振動プレート113が内側にたわみ、イ
ンク室114は収縮する(図5(b)の状態PB )。こ
のときのインク室114の収縮速度はゆっくりとしたも
のなので、インク室114の容積の減少分は、ノズル1
18内のメニスカス位置を前進させると同時に、図2に
示した共同流路115へのインクの逆流をも引き起こ
す。このときのインクの前進量と逆流量との比は、主と
して、ノズル118内の流路抵抗と、インク室114と
共同流路115とをつなぐ狭路における流路抵抗との比
によって決まるが、これを最適化することにより、図5
(c)の状態MB で示したように、時点Bでのメニスカ
ス位置がノズル開口端から突出することなく、ノズル開
口端とほぼ同じ位置にくるように設定することができ
る。
【0027】次に、時点Bから時点Cまでの間、駆動電
圧を引込電圧Vpに保持することでインク室114の容
積を一定に保つ第2の前行程を行う。ところが、この間
もインクカートリッジ12からのインク供給は連続的に
行われているので、ノズル118内におけるメニスカス
位置はノズル開口端に向かって変位し、時点Cでは、例
えば図5(c)の状態MC で示したように、ノズル開口
端よりもやや突出した位置まで前進する。
【0028】次に、時点Cの引込電圧Vpから時点Bの
基準電圧0Vへと駆動電圧を減少させる第1行程を行う
と、圧電素子116への印加電圧が0になるので振動プ
レート113のたわみがなくなり、インク室114は膨
張する(図5(b)の状態PD )。このため、ノズル1
18内のメニスカスはインク室114の方向に引き込ま
れ、時点Dでは、例えば図5(c)の状態MD に示した
ように後退する(すなわち、ノズル開口端から遠ざか
る)。なお、時点Cと時点Dとの電位差である引込電圧
Vpの大きさを変更することにより第1行程におけるメ
ニスカスの引き込み量が変化するので、これによりイン
ク滴のサイズを制御することが可能である。インク滴の
サイズは、吐出開始時点のメニスカス位置に依存し、メ
ニスカス位置が深いほど、インク滴サイズが小さくなる
からである。
【0029】次に、時点Dから時点Eまでの時間t2の
間、駆動電圧を基準電圧0Vに固定して振動プレート1
13cをたわみがない状態に維持することでインク室1
14の容積を一定に保つ第2行程を行う(図5(c)の
状態PD 〜PE )。ところが、この間もインクカートリ
ッジ12からのインク供給は連続的に行われているの
で、ノズル118内のメニスカス位置はノズル開口端に
向かって変位し、時点Eでは、例えば図5(c)の状態
E に示した位置まで前進する。なお、第2行程の所要
時間t2を変更することによりメニスカス位置の前進量
が変化し、第3行程の開始時点におけるメニスカス位置
を調整することができるので、これにより、吐出される
インク滴のサイズを制御することが可能である。
【0030】次に、時点Eの電圧0Vから時点Fの吐出
電圧Vaへと駆動電圧を急激に増大させる第3行程を行
う。ここで、時点Eは、上記したように、吐出開始タイ
ミングである。このとき、時点Fにおいて振動プレート
113は、図5(b)の状態PF に示したように内側に
大きくたわみ、インク室114は急激に収縮するので、
図5(c)の状態MF に示したように、ノズル118内
のメニスカスはノズル開口端に向かって一気に押され、
ここからインク滴として吐出される。吐出されたインク
滴は空気中を飛翔し、記録用紙2(図2)上に着弾す
る。
【0031】その後、駆動電圧を吐出電圧Vaに保った
まま所定時間経過した時点Gで、再び基準電圧0Vまで
減少させる。これにより時点Hでは、図5(b)の状態
Hに示したように、振動プレート113はたわみのな
い状態に戻る。この状態を次の吐出動作における第1前
行程の開始時点Iまで維持する。駆動電圧を再び0Vに
減少させた直後の時点Hにおいては、図5(c)の状態
H に示したように、吐出されたインク滴の体積とイン
ク室114の容積の増加分とを加えた体積に相当する分
だけメニスカス位置が後退した状態となるが、その後も
行われるインクの充填(リフィル)により、次回の吐出
動作における第1の前行程の開始時点Iにおけるメニス
カス位置は、図5(c)の状態MI に示したように、当
初の時点Aにおける状態MA と同じになる。
【0032】このようにして1回の吐出動作が終了す
る。以下、このようなサイクル動作を各ノズル118ご
とに並行してそれぞれ繰り返し行うことで、記録用紙2
(図2)への画像記録が連続的に行われる。
【0033】なお、本実施の形態において、第2行程の
所要時間t2は第1行程で引き込まれたメニスカスがノ
ズル開口端に到達するまでの所要時間以下であるとし、
第3行程の吐出電圧Vaはインク滴を吐出させるに足る
範囲に入っているものとしている。
【0034】次に、再び図4に戻って、駆動信号21の
波形について説明する。なお、図4において、上記(図
5)の第1行程CD,第2行程DE,第3行程EF以外
の行程の所要時間については、それぞれ、AB=τ1,
BC=τ2,FG=t4,GH=t5と表記する。本実
施の形態では、吐出開始タイミングte(時点E)を起
算点として、吐出電圧Vaから基準電圧0Vへの立ち下
がり開始時点Gまでの時間(t3+t4)を所定の値に
設定するようにしている。ここで、吐出電圧Vaから基
準電圧0Vへの立ち下がり開始時点Gは、インク滴の吐
出後に生ずるメニスカスの長周期振動(うねり状の振
動)によってメニスカス位置が吐出方向に最初に大きく
変位する前の所定の時点とする。この時点は予め実験に
よって求めることが可能であり、そのような最適化され
た時点Gに対して時間(t3+t4)が定まる。この点
が本発明の1つの特徴をなしているが、これについては
後述する。
【0035】次に、図1のインクジェットプリンタ1の
全体動作を簡単に説明する。
【0036】図1において、図示しないパーソナルコン
ピュータ等の情報処理装置から印刷データがインクジェ
ットプリンタ1に入力されると、画像処理部15は、こ
の入力データに対して所定の画像処理(例えば圧縮され
たデータの伸長等)を行ったのち、これを印画データ2
2としてヘッドコントローラ14に送出する。
【0037】ヘッドコントローラ14は、記録ヘッド1
1のノズル数に対応したnドット分の印画データ22を
取得すると、これらの印画データ22を基に、n個のノ
ズルのそれぞれについて、ドットを形成するためのイン
ク滴サイズを判定し、この判定結果から、各ノズルに供
給すべき駆動信号21を選択する。例えば、高濃度を表
現する場合にはインク滴サイズを大きくし得るような駆
動波形(t2,Vaが大きく、Vpが小さい波形)を選
択し、低濃度を表現する場合や高解像度表現を行う場合
にはインク滴サイズを小さくし得るような駆動波形(t
2,Vaが小さく、Vpが大きい波形)を選択する。ま
た、例えば微妙な中間階調を表現する場合には、隣接す
るドット間でインク滴サイズを少しずつ異ならせるよう
にし、例えば、各ノズル間でインク吐出特性がばらつい
ている場合には、これを補正し得るような駆動波形を選
択する。
【0038】さて、ヘッドコントローラ14は、nドッ
ト分の駆動信号(すなわち、n個のノズル118に供給
する駆動信号)を選択したのち、吐出周期の切替タイミ
ングにおいて、記録ヘッド11における各ノズル118
の圧電素子116に対し、選択した駆動信号21を供給
する。各ノズルにおける圧電素子116は、供給された
駆動信号21の電圧波形に従って図5で説明したような
各行程をそれぞれ行い、これにより、各ノズルごとに指
定された通りのサイズのインク滴を吐出する。
【0039】次に、図4および図6を参照して、本実施
の形態に係るインクジェットプリンタの特徴的な作用を
説明する。
【0040】既に述べたように、圧電素子を変位させて
インク室内に吐出圧力を生じさせる方式のインクジェッ
トプリンタでは、吐出動作後に圧電素子の残留振動が収
束したのちにおいても、インク室内にはインクの圧力変
動が残存する。この残留圧力変動は圧電素子の固有振動
周期に比べて相当長い周期のうねり状の振動であって長
期間継続するものである。このため、この残留圧力変動
に伴ってインク室118内のメニスカス位置が長周期で
変動し、次回のインク滴吐出に悪影響を及ぼす。以下、
このような長周期のメニスカス変動をメニスカスの残留
振動という。
【0041】本実施の形態では、このようなメニスカス
の残留振動を防止するため、図4に示したように、駆動
信号21を時点E(吐出開始タイミングte)で基準電
圧0Vから吐出電圧Vaへと立ち上げて圧電素子116
をインク室収縮方向に変位させたのち、時点Eから所定
の時間(t3+t4)が経過した時点Gにおいて圧電素
子116を復帰方向(インク室膨張方向)に変位させる
動作を開始させるようにしている。この点をさらに図6
を参照して説明する。
【0042】図6は、本実施の形態に係るインクジェッ
トプリンタにおいて1回のインク滴吐出を行った場合に
おける駆動信号21の電圧波形の変化とメニスカス位置
の変化との関係を、本実施の形態に対する比較例と対比
して表すものである。この図の(a)は駆動信号21の
要部波形を表し、(b)はメニスカス位置の変化を表
す。なお、横軸は時間を示し、(a)における縦軸は電
圧、(b)における縦軸はメニスカス位置を示す。
【0043】図6(a)における破線は比較例として
の駆動信号21の電圧波形を表すもので、図4の各時間
パラメータおよび電圧パラメータを例えば次のように設
定したものである。なお、時間パラメータの単位はいず
れもμsecであり、電圧パラメータの単位はいずれも
ボルトである。
【0044】τ1=30,τ2=10, t1=9,t2=2,t3=2,t4=28,t5=9 Vp=35,Va=20 この場合、EG′=t3+t4=30である。
【0045】一方、図6(a)における実線は本発明
の好適な実施の形態に係る駆動信号21の電圧波形を表
すもので、図4の各時間パラメータおよび電圧パラメー
タを例えば次のように設定したものである。なお、単位
はいずれも上記と同様である。
【0046】τ1=30,τ2=10, t1=9,t2=2,t3=2,t4=14,t5=9 Vp=35,Va=20 この場合、EG=t3+t4=16である。
【0047】すなわち、比較例に係る波形と本実施の形
態に係る波形とでは時間t4の長さのみが異なり、他の
部分はすべて同一としている。
【0048】また、図6(b)において、破線は同図
(a)に示した比較例の波形(破線)に対応したメニ
スカス位置の変化を表し、実線は同図(a)に示した
本実施の形態の波形(実線)に対応したメニスカス位
置の変化を表す。
【0049】まず、比較例について説明する。図6
(a)に示したように、時点Cにおいて駆動信号21が
引込電圧Vpから基準電圧0Vへと立ち下がり始める
と、圧電素子116は、駆動信号21の電圧減少と共に
インク室膨張方向に変位する。これにより、同図(b)
に示したように、メニスカス位置は変位0の位置(ノズ
ル開口端位置)から引込方向に変化する。そして、時点
Eで駆動信号21が吐出電圧Vaへと立ち上がり始める
と、メニスカス位置はノズル開口端位置を越えて吐出方
向に大きく変化する。これにより、インク滴が吐出され
る。こののち、メニスカスは一旦インク室118の深い
位置まで戻るが、その後、再びノズル開口端位置を越え
て吐出方向に大きく突出する。この時点G′において駆
動信号21が吐出電圧Vaから基準電圧0Vへと戻り始
めると、圧電素子116はインク室膨張方向に変位し、
メニスカスはインク室114の方向に引き戻される。
【0050】ところが、この場合のメニスカスの引き戻
しは、メニスカスが既にノズル開口端位置から大きく吐
出方向に突出してしまってから行われているので、この
メニスカスの引き戻しによってその後のメニスカスの振
動を効果的に抑制することはできず、図6(b)の破線
で示したような長周期・大振幅の残留振動が長期にわ
たって継続することとなる。なお、図示のように、この
残留振動には圧電素子116の固有振動に基づく短周期
の振動が重畳している。
【0051】これに対して本実施の形態では、図6
(a)の実線で示したように、インク滴が吐出された
のちメニスカスが一旦インク室118の深い位置まで戻
るところまでは比較例と同じであるが、この後に生ずる
メニスカスの長周期振動を考慮して、この長周期振動の
位相と逆の位相となるようなタイミングでこの長周期振
動を抑える方向に圧電素子116を駆動している点が上
記比較例と異なる。すなわち、本実施の形態では、メニ
スカスが再びノズル開口端位置を越えて吐出方向に大き
く突出しようとする手前の時点Gにおいて駆動信号21
を吐出電圧Vaから基準電圧0Vへと戻し、圧電素子1
16をインク室膨張方向に変位させてメニスカスをイン
ク室114の方向に引き戻すようにしている。このた
め、同図(b)の実線に示したようにメニスカスの突
出量が小さくなり、上記の比較例の場合に比べてメニス
カスの長周期の残留振動が効果的に抑制される。ここ
で、時点Gは、上記したように、EG=t3+t4で定
まる時点である。
【0052】このように、本実施の形態によれば、イン
ク滴吐出後に生ずるメニスカスの長周期振動を抑制可能
な方向に圧電素子116を変位させるようにしたので、
メニスカスの長周期の残留振動を効果的に抑制すること
ができる。このため、インク滴の吐出間隔を短くして
も、前回の吐出動作によって次回の吐出動作が影響を受
けることが少なくなる。すなわち、印字品質を低下させ
ることなく吐出周期を短縮することが可能である。
【0053】なお、本実施の形態では、吐出開始タイミ
ングte(時点E)からメニスカスの引き戻しタイミン
グ(時点G)までの時間を16〔μsec〕としたが、
この値に限定されるものではなく、使用する圧電素子1
16の厚さ等の形状や大きさ、インク室114やノズル
118の形状やサイズ、さらには駆動信号21の波形等
に応じて、最適値を設定することが可能である。
【0054】〔第2の実施の形態〕次に、本発明の他の
実施の形態を説明する。なお、本実施の形態において、
上記実施の形態に係るインクジェットプリンタの構成要
素に対応する構成要素には同一の符号を付し、適宜説明
を省略するものとする。
【0055】本実施の形態に係るインクジェットプリン
タは、記録ヘッド11の各インク室114ごとに2つの
圧電素子を設け、これらのうちの一方の圧電素子によっ
てインク滴を吐出すると共に、他方の圧電素子によって
メニスカスの残留振動を抑制するようにしたものであ
る。以下、詳細に説明する。
【0056】図7は本発明の他の実施の形態に係るイン
クジェットプリンタにおける記録ヘッド11の斜視断面
構造を表すものである。図7に示したように、本実施の
形態に係る記録ヘッド11の各インク室114は、それ
ぞれ独立して駆動可能な2つの圧電素子116a,11
6bを備えている。これらの圧電素子116a,116
bは互いに一定距離を隔てて振動プレート113上に固
着されている。各圧電素子116a,116bの上下面
には、図示しない電極がそれぞれ積層配置されており、
これらの電極にそれぞれ異なる波形の駆動信号を印加す
ることによりインク室114内の圧力を個別に変化させ
ることができるようになっている。本実施の形態におい
て、圧電素子116a,116bは、材質、厚さおよび
面積を等しく形成され、これにより、同じ印加電圧に対
する変位量(以下、変位能力という。)が等しくなるよ
うに構成されている。但し、2つの圧電素子116a,
116bの面積や厚さ等を変えて、両者の変位能力を異
ならせるように構成してもよい。ここで、圧電素子11
6aが本発明における「第1の圧力発生手段」に対応
し、圧電素子116bが本発明における「第2の圧力発
生手段」に対応する。
【0057】なお、本実施の形態に係るインクジェット
プリンタの全体構成は上記実施の形態における図1と同
様であり、この図を準用するものとする。また、上記実
施の形態における図3に対応する断面図については図示
を省略する。
【0058】本実施の形態において、ヘッドコントロー
ラ14(図1)の駆動波形記憶部は、記録ヘッド11の
各ノズルの圧電素子116a,116b(図7)をそれ
ぞれ駆動するための駆動信号21a,21b(図8で後
述)の各電圧波形を示す波形データの組を複数組記憶し
ている。これらの波形データは、例えば図8に示した各
種のパラメータ(時間パラメータおよび電圧パラメー
タ)を様々な値に設定して作成されたものである。但
し、各組の駆動信号21aと駆動信号21bとの間に
は、後述するような一定の関係が保たれている。これら
の波形データはマイクロプロセッサによってそれぞれ読
み出され、D/Aコンバータでアナログ信号に変換され
たのちアンプで増幅され、ノズル数nと同数の駆動信号
21a,21bの組として出力される。なお、ヘッドコ
ントローラ14は、上記のような構成に限られることは
なく、これと異なる構成とすることも可能である。
【0059】これらの駆動信号の組のうち、各駆動信号
21aは対応するノズルの圧電素子116aに印加さ
れ、各駆動信号21bは対応するノズルの圧電素子11
6bに印加されるようになっている。なお、本実施の形
態において準用する図1では、n組の駆動信号21a,
21bをまとめて駆動信号21として描いている。
【0060】図8は駆動信号21a,21bの各一周期
分(T)の波形の一例を表すものである。この図の
(a)は駆動信号21a、(b)は駆動信号21bを表
す。ここで、縦軸は電圧、横軸は時間を表し、時間は図
の左から右方向へと進むものとする。これらのうち、駆
動信号21aは、インク滴を吐出する圧力を発生させる
ための吐出用駆動信号であり、基準電圧0Vのほかに引
込電圧Vpおよび吐出電圧Vaを取り得るようになって
いる。駆動信号21bは、インク滴吐出時のサテライト
滴の発生を抑制する圧力を発生させると共にメニスカス
の残留振動を抑制するための補助駆動信号であり、基準
電圧0Vのほかに引込電圧Vpおよび補助電圧Vbを取
り得る。駆動信号21a,21bの組は、ヘッドコント
ローラ14によって各吐出周期ごとに適宜切り替えられ
て、対応するノズルに供給されるようになっている。
【0061】その他の構成は上記実施の形態と同様であ
る。
【0062】次に、本実施の形態に係るインクジェット
プリンタの動作および作用について説明する。なお、本
実施の形態に係るインクジェットプリンタの全体動作
は、ヘッドコントローラ14が各ノズル118について
1組の駆動信号21a,21bを出力する点を除いて上
記の実施の形態と同様であり、説明を省略する。また、
駆動信号21aの波形の意義は、上記実施の形態におけ
る図5の内容と同様であり、その説明も省略する。ここ
では、図8ないし図10を参照して、本実施の形態に係
るインクジェットプリンタの特徴的な作用を説明する。
【0063】まず、図8および図9を参照して、第1の
特徴的作用について説明する。
【0064】本実施の形態では、メニスカスの残留振動
を防止するため、図8(a)に示したように、一方の駆
動信号21aを時点E(吐出開始タイミングte)で基
準電圧0Vから吐出電圧Vaへと立ち上げて圧電素子1
16aをインク室収縮方向に変位させると共に、この駆
動信号21aが時点Gにおいて吐出電圧Vaから基準電
圧0Vへと立ち下がって圧電素子116aがインク室膨
張方向に変位するのとほぼ並行して、他方の駆動信号2
1bを基準電圧0Vから補助電圧Vbへと立ち上げて圧
電素子116bをインク室収縮方向に変位させ、その
後、時点Eから所定の時間(t3+t4+t7+t8)
が経過した時点G″において駆動信号21bを基準電圧
0Vに立ち下げて、圧電素子116bを復帰方向(イン
ク室膨張方向)に変位させるようにしている。この点を
さらに図9を参照して説明する。
【0065】図9は、本実施の形態に係るインクジェッ
トプリンタにおいて1回のインク滴吐出を行った場合に
おける駆動信号21a,21bの電圧波形の変化とメニ
スカス位置の変化との関係を、本実施の形態に対する比
較例と対比して表すもので、上記第1の実施の形態にお
ける図6に対応する。ここで、図9(a)は駆動信号2
1a,21bの要部波形を表し、同図(b)はメニスカ
ス位置の変化を表す。なお、これらの図で、横軸、縦軸
の意義は図6の場合と同様である。
【0066】図9(a)における実線は駆動信号21
aの電圧波形を表し、一点鎖線は駆動信号21bの電
圧波形を表すものである。これらの波形は、図8の各時
間パラメータおよび電圧パラメータを例えば次のように
設定したものである。なお、時間パラメータの単位はい
ずれもμsecであり、電圧パラメータの単位はいずれ
もボルトである。
【0067】τ1=30,τ2=10, t1=9,t2=2,t3=2,t4=3,t5=11 t6=7,t7=2,t8=9,t9=11 Vp=35,Va=20,Vb=23 この場合、EG″=t3+t4+t7+t8=16であ
る。
【0068】また、図9(b)において、破線は、本
実施の形態に対する比較例として、圧電素子116aに
駆動信号21a(同図(a)の実線)を印加し圧電素
子116bには駆動信号21bを印加しない場合のメニ
スカス位置の変化を表す。また、実線は、本実施の形
態の一具体例として、圧電素子116aに駆動信号21
aを印加すると共に圧電素子116bに駆動信号21b
(同図(a)の一点鎖線)を印加した場合のメニスカ
ス位置の変化を表す。
【0069】まず、比較例について説明する。時点Eで
駆動信号21aが吐出電圧Vaに立ち上がると共に時点
Gで駆動信号21aが元の基準電圧0Vへと立ち下がる
と、メニスカス位置はノズル開口端位置を越えて吐出方
向に大きく変化し、インク滴が吐出される。こののち、
メニスカスは一旦インク室118の深い位置まで戻る
が、その後、再びノズル開口端位置を越えて吐出方向に
大きく突出する。したがって、この場合には、図9
(b)の破線で示したような長周期・大振幅の残留振
動が長期にわたって継続することとなる。なお、図示の
ように、この残留振動には圧電素子116aの固有振動
に基づく短周期の振動が重畳している。
【0070】これに対して本実施の形態では、図9
(a)に示したように、時点Gにおける駆動信号21a
の立ち下がりと並行して他方の駆動信号21bを補助電
圧Vbに立ち上げると共に、インク滴吐出後に生ずるメ
ニスカスの長周期振動の位相と逆の位相となるようなタ
イミングでこの長周期振動を抑える方向に圧電素子11
6aを駆動するようにしている。すなわち、吐出後に一
旦深い位置まで戻ったメニスカスが再びノズル開口端位
置を越えて吐出方向に大きく突出しようとする手前の時
点G″において駆動信号21bを補助電圧Vbから基準
電圧0Vへと戻し、圧電素子116bをインク室膨張方
向に変位させてメニスカスをインク室114の方向に引
き戻すようにしている。このため、図9(b)の実線
に示したようにメニスカスの突出量が小さくなり、上記
比較例の場合に比べてメニスカスの長周期の残留振動が
効果的に抑制される。ここで、時点G″は、上記したよ
うに、EG″=t3+t4+t7+t8で定まる時点で
ある。
【0071】なお、本実施の形態では、圧電素子116
aによる吐出開始タイミングte(時点E)から圧電素
子116bによるメニスカスの引き戻しタイミング(時
点G″)までの時間を16〔μsec〕としたが、この
値に限定されるものではなく、使用する圧電素子116
a,116bの厚さ等の形状や大きさ、インク室114
やノズル118の形状やサイズ、さらには駆動信号21
a,21bの波形等に応じて、最適値を設定することが
可能である。
【0072】次に、図8および図10を参照して、第2
の特徴的作用について説明する。
【0073】本発明におけるインクジェットプリンタの
ように、圧電素子の変位により吐出圧力を発生させてイ
ンク滴吐出を行う方式のインクジェットプリンタにおい
ては、インク滴の吐出の際に付随的なインク小滴(以
下、サテライト滴という。)が発生する場合が多い。こ
れは、柱状になって飛翔するインクの先頭部分と後尾部
分との間に生ずる時間差や速度差に起因して先頭部分か
ら後尾部分が分離し、この後尾部分が微小なインク小滴
となったものと考えられる。
【0074】本実施の形態では、このようなサテライト
滴の発生を防止するため、図8に示したように、一方の
駆動信号21aを時点E(吐出開始タイミングte)で
基準電圧0Vから吐出電圧Vaへと立ち上げて圧電素子
116aをインク室収縮方向に変位させたのち、時点G
でこの駆動信号21aを立ち下げてインク室膨張方向に
圧電素子116aを変位させると共に、この圧電素子1
16aのインク室膨張方向への変位動作とほぼ並行し
て、他方の駆動信号21bを補助電圧Vbへと立ち上げ
て圧電素子116bをインク室収縮方向へ変位させるよ
うにしている。この点をさらに図10を参照して説明す
る。
【0075】図10は駆動信号21a,21bの電圧波
形の変化と圧電素子116a,116bの変位との関係
を表すものである。具体的には、この図の(a)は駆動
信号21aの要部波形を表し、(b)は圧電素子116
aの変位を表し、(c)は駆動信号21bの要部波形を
表し、(d)は圧電素子116bの変位を表す。ここ
で、横軸は時間を示し、また、(a),(c)における
縦軸は電圧を示し、(b),(d)における縦軸は変位
量を示す。
【0076】図10(a),(b)に示したように、圧
電素子116aは、時点Eから始まる駆動信号21aの
電圧増加と共にインク室収縮方向に変位し、慣性力によ
り、電圧が吐出電圧Vaに達した時点Fをオーバーラン
した時点Pで最大変位状態となり、ここでインク室11
4は最収縮状態となる。そして、この時点P(同図
(a)では時点G)で駆動信号21aの立ち下げを開始
し、時点Hにおいて基準電圧0Vまで変化させる。これ
により、圧電素子116aはインク室膨張方向に変位し
て、時点Hで元の状態に復帰する。一方、図10
(c),(d)に示したように、駆動信号21bは、駆
動信号21aの立ち下がり開始時点Gと同じ時点E″に
おいて、基準電圧0Vから補助電圧Vbへの立ち上げを
開始し、これにより、圧電素子116bはインク室11
4を収縮させる方向に変位する。そして、圧電素子11
6bは、上記と同様の慣性力により、電圧が補助電圧V
bに達した時点F″をオーバーランした時点P′で最大
変位状態となる。
【0077】このように、本実施の形態では、圧電素子
116aがインク室膨張方向に変位するのと並行して圧
電素子116bをインク室収縮方向に変位させるように
している。すなわち、圧電素子116a,116bは、
並行して互いに相反する方向への変位動作を行うことと
なる。これにより、次のような作用が現出する。
【0078】時点Eで駆動信号21aの吐出電圧Vaの
印加が開始された圧電素子116aは、インク室収縮方
向に変位することによりインク室114内に圧力を発生
させ、この圧力によりノズル118からインクを押し出
す。この時点では、ノズル118から押し出されたイン
クはまだ尾を引いており、インク柱の状態をなしてい
る。次に、時点P(時点G)で圧電素子116aがイン
ク室膨張方向に変位を開始すると、インク柱の後尾部分
は後ろに引き戻されて細くなる。そして、この時点P
(時点E″)で、今度は圧電素子116bがインク室収
縮方向に変位を開始してインク室114内に新たな圧力
を発生させるので、この新たな圧力により、今度はイン
ク柱が押し出されることとなり、インクの流れに不連続
性が発生する。これにより、インク柱がより早く断ち切
られて、インク柱の尾が長く伸びることが抑制されるの
で、サテライト滴の発生が抑制される。特に、圧電素子
116aの復帰開始時点(インク室膨張方向への変位開
始時点)を、この圧電素子116aのインク室収縮方向
の変位量がほぼ最大になる時点としたときには、インク
柱の後尾部分が早期に引き戻されることとなるため、イ
ンク滴のサイズが小さくなると共に、サテライト滴の発
生がより効果的に抑制される。
【0079】なお、圧電素子116aは、時点Hで変位
が0に戻り、さらに、次第に減衰する固有振動を行う。
同様に、圧電素子116bは、時点H″で変位が0に戻
り、さらに、次第に減衰する固有振動を行う。
【0080】このように、本実施の形態によれば、一方
の圧電素子116aによってインク滴の吐出を行うと共
に、このインク滴吐出後に生ずるメニスカスの長周期振
動を抑制可能な方向に他方の圧電素子116bを変位さ
せるようにしたので、メニスカスの長周期の残留振動を
効果的に抑制することができる。このため、インク滴の
吐出間隔を短くしても、前回の吐出動作によって次回の
吐出動作が影響を受けることが少なくなる。すなわち、
印字品質を低下させることなく吐出周期を短縮すること
が可能である。また、本実施の形態のように、吐出用の
圧電素子116aとは別個にメニスカス残留振動抑制用
の圧電素子116bを設けるようにしたので、単一の圧
電素子のみを用いた場合には圧電素子の固有振動特性の
制約によってなし得ないような高速かつ自由度の高いタ
イミング制御が可能となる。
【0081】また、本実施の形態によれば、各ノズルに
対応した各インク室114ごとに2つの圧電素子116
a,116bを設けると共に、一方の圧電素子116a
をインク室収縮方向に変位させてインク滴吐出動作を開
始させ、その後、この圧電素子116aをインク室膨張
方向に戻すように変位させるのと並行して、他方の圧電
素子116bを変位0からインク室収縮方向に変位させ
るようにしたので、インク滴の尾を早期に断ち切ること
ができ、サテライト滴の発生を抑制することが可能とな
る。特に、圧電素子116aのインク室収縮方向の変位
量が最大になった時点またはその近傍からこの圧電素子
116aの復帰を開始することにより、インク滴の小滴
化と、より効果的なサテライト滴発生抑制とが可能とな
る。
【0082】以上、いくつかの実施の形態を挙げて本発
明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定さ
れず、種々変更可能である。
【0083】例えば第2の実施の形態(図8)に示した
例では、圧電素子116aのインク室膨張方向への変位
開始時点Gと、圧電素子116bのインク室収縮方向へ
の変位開始時点E″とを一致させるようにしたが、本発
明はこれに限定されるものではなく、より広く、圧電素
子116がをインク室膨張方向に変位するのとほぼ並行
して圧電素子116bがインク室収縮方向に変位するこ
ととなるのであれば、それ以外のタイミングで圧電素子
116bの変位を開始させるようにしてもよい。具体的
には、図4における時間パラメータが次の条件(1)お
よび(2)を共に満たすように設定すればよい。
【0084】t2+t3+t4<t6+t7 …(1) t2+t3+t4+t5>t6 …(2)
【0085】また、図8に示した例では、吐出開始後に
圧電素子116aが最も大きく変位した時点でこの圧電
素子116aを元の変位状態に戻し始めるようにした
が、本発明はこれに限定されるものではなく、それ以外
のタイミングで圧電素子116aの変位復帰を開始させ
るようにしてもよい。但し、上記したように、圧電素子
116aの変位復帰開始時点をその最大変位時点または
その近傍に設定したときの方がインク滴の尾をより早期
に細くすることができるので、インク滴の小滴化とサテ
ライト滴の発生の抑制とを図る上で有利である。
【0086】また、図4および図8における各時間パラ
メータおよび電圧パラメータの設定値は、例示した値に
限定されるものではなく、適宜変更可能である。例え
ば、図8の例では、駆動信号21a,21bの双方にお
ける引込電圧を同じVpとしたが、両者を異ならせても
よい。
【0087】また、上記第2の実施の形態では、吐出圧
力を発生させるためにインク供給側の圧電素子116a
を用いると共に、サテライト滴の発生の抑制およびメニ
スカスの残留振動の抑制のためにノズル側の圧電素子1
16bを用いることとしたが、これとは逆にしてもよ
い。
【0088】また、上記第2の実施の形態では、1つの
ノズルについて2つの圧電素子を設ける場合について説
明したが、1つのノズルについて3つ以上の圧電素子を
設け、これらの圧電素子を吐出用、メニスカス振動抑制
用およびサテライト滴抑制用に分け、それぞれの圧電素
子に各用途用の駆動信号を与えるようにしてもよい。こ
の場合、3つ以上の圧電素子の変位能力は、互いに等し
くしてもよいし、あるいは異ならせてもよい。
【0089】また、上記第2の実施の形態では、1つの
ノズル118に対して1つのインク室114を設けると
共に、この1つのインク室114に対応して2つの圧電
素子116a,116bを設けるようにしたが、例え
ば、図11に示したように、1つのノズル118に対し
て2つのインク室114a,114bを設けると共に、
これらの各インク室114a,114bに対応させて圧
電素子116a,116bを設けるようにしてもよい。
なお、図11は、記録ヘッド11の一部を真上から見た
状態を表すものであり、図7に示した要素と同一要素に
は同一の符号を付し、また、振動プレート113の図示
を省略している。この図に示した構成によれば、上記し
た作用に加えて、さらに、一方のインク室114aにお
ける圧電素子116aの挙動が他方のインク室114b
の状態に与える影響が少ないので、圧電素子116a,
116bの相互間のクロストークを低減することがで
き、より高精度の印字品質を得ることができる。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載のイン
クジェットプリンタ、請求項5記載のインクジェットプ
リンタ用記録ヘッドの駆動装置、または請求項9記載の
インクジェットプリンタ用記録ヘッドの駆動方法によれ
ば、圧力発生手段をインク室収縮方向に変位させること
でノズル部からインク滴を吐出させ、さらに、インク滴
の吐出によりノズル部に生ずるインク先端部の振動を抑
制可能な方向に圧力発生手段を変位させるようにしたの
で、インク先端部の残留振動を効果的に抑制することが
できる。このため、インク滴の吐出間隔を短くしても、
各吐出動作の相互間の影響を少なくできる。したがっ
て、印字品質を損なわずに吐出周期の短縮化、すなわ
ち、印字動作の高速化が可能になるという効果がある。
【0091】請求項2ないし請求項4のいずれかに記載
のインクジェットプリンタ、請求項6ないし請求項8の
いずれかに記載のインクジェットプリンタ用記録ヘッド
の駆動装置、または請求項10ないし請求項12のいず
れかに記載のインクジェットプリンタ用記録ヘッドの駆
動方法によれば、第1の圧力発生手段とは別個に第2の
圧力発生手段を設け、第1の圧力発生手段をインク室収
縮方向に変位させることでノズル部からインク滴を吐出
させると共に、インク滴の吐出によりノズル部に生ずる
インク先端部の振動を抑制可能な方向に第2の圧力発生
手段を変位させるようにしたので、単一の圧力発生手段
だけではその固有振動特性の制約によってなし得ないよ
うな高速かつ自由度の高いタイミング制御が可能になる
という効果がある。
【0092】特に、請求項3記載のインクジェットプリ
ンタ、請求項7記載のインクジェットプリンタ用記録ヘ
ッドの駆動装置、または請求項11記載のインクジェッ
トプリンタ用記録ヘッドの駆動方法によれば、第1の圧
力発生手段をインク室収縮方向に変位させてインク滴を
吐出させたのちこの第1の圧力発生手段をインク室膨張
方向に変位させると共に、この第1の圧力発生手段のイ
ンク室膨張方向への変位動作とほぼ並行して第2の圧力
発生手段をインク室収縮方向へ変位させたのち、第1の
圧力発生手段によるインク滴の吐出によりノズル部に生
ずるインク先端部の振動を抑制可能なタイミングで第2
の圧力発生手段をインク室膨張方向に変位させるように
したので、第1の圧力発生手段の変位によってノズル部
から押し出されたインクの後尾部分が第2の圧力発生手
段の変位によって後押しされると共にインクの流れに不
連続性が発生することとなり、インク滴が長く尾を引く
前に早期に断ち切ることができる。このため、さらに、
付随的なインク小滴の発生を抑制することができるとい
う効果がある。
【0093】特に、請求項4記載のインクジェットプリ
ンタ、請求項8記載のインクジェットプリンタ用記録ヘ
ッドの駆動装置、または請求項12記載のインクジェッ
トプリンタ用記録ヘッドの駆動方法によれば、第1の圧
力発生手段がインク室収縮方向に最も大きく変位した時
点またはその近傍において、この第1の圧力発生手段の
インク室膨張方向への変位動作を開始させるようにした
ので、さらに、記録に用いるインク滴のサイズをより小
さくすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るインクジェットプ
リンタの概略構成を表すブロック図である。
【図2】このインクジェットプリンタの記録ヘッドの構
造を表す斜視断面図である。
【図3】このインクジェットプリンタの記録ヘッドの構
造を表す断面図である。
【図4】図1におけるヘッドコントローラから出力され
る駆動信号の波形の一例を表す図である。
【図5】図4に示した駆動信号波形と、インク室の状態
およびノズル内のメニスカス位置の変化との関係を説明
するための図である。
【図6】図4に示した駆動信号の波形とメニスカス位置
の変化との関係の一例を表す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るインクジェッ
トプリンタの記録ヘッドの構造を表す斜視断面図であ
る。
【図8】図7に示した記録ヘッドに供給される駆動信号
の波形の一例を表す図である。
【図9】図8に示した駆動信号の波形とメニスカス位置
の変化との関係の一例を表す図である。
【図10】図8に示した駆動信号の波形と圧電素子の変
位との関係の一例を表す図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係るインクジェ
ットプリンタの記録ヘッドの変形例を示す平面図であ
る。
【符号の説明】
1…インクジェットプリンタ、11…記録ヘッド、14
…ヘッドコントローラ、21,21a,21b…駆動信
号、22…印画データ、113…振動プレート、114
…インク室、115…共同流路、116,116a,1
16b…圧電素子、118…ノズル、Vp…引込電圧、
Va…吐出電圧、Vb…補助電圧、te…吐出開始タイ
ミング

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク滴を吐出するためのノズル部と、 前記ノズル部にインクを供給するインク室と、 変位することにより前記インク室の容積を変化させて前
    記ノズル部からインク滴を吐出させるための圧力を発生
    する圧力発生手段と、 前記圧力発生手段をインク室収縮方向に変位させて前記
    ノズル部からインク滴を吐出させると共に、インク滴の
    吐出により前記ノズル部に生ずるインク先端部の振動を
    抑制可能な方向に前記圧力発生手段を変位させる吐出制
    御手段とを備えたことを特徴とするインクジェットプリ
    ンタ。
  2. 【請求項2】 インク滴を吐出するためのノズル部と、 前記ノズル部にインクを供給するインク室と、 それぞれ変位することにより前記インク室の容積を変化
    させて圧力を発生する第1の圧力発生手段および第2の
    圧力発生手段と、 前記第1の圧力発生手段をインク室収縮方向に変位させ
    て前記ノズル部からインク滴を吐出させると共に、イン
    ク滴の吐出により前記ノズル部に生ずるインク先端部の
    振動を抑制可能な方向に前記第2の圧力発生手段を変位
    させる吐出制御手段とを備えたことを特徴とするインク
    ジェットプリンタ。
  3. 【請求項3】 前記吐出制御手段は、前記第1の圧力発
    生手段をインク室収縮方向に変位させてインク滴を吐出
    させたのちこの第1の圧力発生手段をインク室膨張方向
    に変位させると共に、この第1の圧力発生手段のインク
    室膨張方向への変位動作とほぼ並行して前記第2の圧力
    発生手段をインク室収縮方向へ変位させたのち、前記第
    1の圧力発生手段によるインク滴の吐出により前記ノズ
    ル部に生ずるインク先端部の振動を抑制可能なタイミン
    グで前記第2の圧力発生手段をインク室膨張方向に変位
    させることを特徴とする請求項2記載のインクジェット
    プリンタ。
  4. 【請求項4】 前記吐出制御手段は、前記第1の圧力発
    生手段がインク室収縮方向に最も大きく変位した時点ま
    たはその近傍において、この第1の圧力発生手段のイン
    ク室膨張方向への変位動作を開始させることを特徴とす
    る請求項3記載のインクジェットプリンタ。
  5. 【請求項5】 インク滴を吐出するためのノズル部と、
    前記ノズル部にインクを供給するインク室と、変位する
    ことにより前記インク室の容積を変化させて前記ノズル
    部からインク滴を吐出させるための圧力を発生する圧力
    発生手段とを備えたインクジェットプリンタ用記録ヘッ
    ドを駆動する装置であって、 前記圧力発生手段をインク室収縮方向に変位させて前記
    ノズル部からインク滴を吐出させると共に、インク滴の
    吐出により前記ノズル部に生ずるインク先端部の振動を
    抑制可能な方向に前記圧力発生手段を変位させる吐出制
    御手段を備えたことを特徴とするインクジェットプリン
    タ用記録ヘッドの駆動装置。
  6. 【請求項6】 インク滴を吐出するためのノズル部と、
    前記ノズル部にインクを供給するインク室と、それぞれ
    変位することにより前記インク室の容積を変化させて圧
    力を発生する第1の圧力発生手段および第2の圧力発生
    手段とを備えたインクジェットプリンタ用記録ヘッドを
    駆動する装置であって、 前記第1の圧力発生手段をインク室収縮方向に変位させ
    て前記ノズル部からインク滴を吐出させると共に、イン
    ク滴の吐出により前記ノズル部に生ずるインク先端部の
    振動を抑制可能な方向に前記第2の圧力発生手段を変位
    させる吐出制御手段を備えたことを特徴とするインクジ
    ェットプリンタ用記録ヘッドの駆動装置。
  7. 【請求項7】 前記吐出制御手段は、前記第1の圧力発
    生手段をインク室収縮方向に変位させてインク滴を吐出
    させたのちこの第1の圧力発生手段をインク室膨張方向
    に変位させると共に、この第1の圧力発生手段のインク
    室膨張方向への変位動作とほぼ並行して前記第2の圧力
    発生手段をインク室収縮方向へ変位させたのち、前記第
    1の圧力発生手段によるインク滴の吐出により前記ノズ
    ル部に生ずるインク先端部の振動を抑制可能なタイミン
    グで前記第2の圧力発生手段をインク室膨張方向に変位
    させることを特徴とする請求項6記載のインクジェット
    プリンタ用記録ヘッドの駆動装置。
  8. 【請求項8】 前記吐出制御手段は、前記第1の圧力発
    生手段がインク室収縮方向に最も大きく変位した時点ま
    たはその近傍において、この第1の圧力発生手段のイン
    ク室膨張方向への変位動作を開始させることを特徴とす
    る請求項7記載のインクジェットプリンタ用記録ヘッド
    の駆動装置。
  9. 【請求項9】 インク滴を吐出するためのノズル部と、
    前記ノズル部にインクを供給するインク室と、変位する
    ことにより前記インク室の容積を変化させて前記ノズル
    部からインク滴を吐出させるための圧力を発生する圧力
    発生手段とを備えたインクジェットプリンタ用記録ヘッ
    ドを駆動する方法であって、 前記圧力発生手段をインク室収縮方向に変位させて前記
    ノズル部からインク滴を吐出させる行程と、 インク滴の吐出により前記ノズル部に生ずるインク先端
    部の振動を抑制可能な方向に前記圧力発生手段を変位さ
    せる行程とを含むことを特徴とするインクジェットプリ
    ンタ用記録ヘッドの駆動方法。
  10. 【請求項10】 インク滴を吐出するためのノズル部
    と、前記ノズル部にインクを供給するインク室と、それ
    ぞれ変位することにより前記インク室の容積を変化させ
    て圧力を発生する第1の圧力発生手段および第2の圧力
    発生手段とを備えたインクジェットプリンタ用記録ヘッ
    ドを駆動する方法であって、 前記第1の圧力発生手段をインク室収縮方向に変位させ
    て前記ノズル部からインク滴を吐出させる行程と、 インク滴の吐出により前記ノズル部に生ずるインク先端
    部の振動を抑制可能な方向に前記第2の圧力発生手段を
    変位させる行程とを含むことを特徴とするインクジェッ
    トプリンタ用記録ヘッドの駆動方法。
  11. 【請求項11】 前記第1の圧力発生手段をインク室収
    縮方向に変位させてインク滴を吐出させる行程ののち、
    前記第1の圧力発生手段をインク室膨張方向に変位させ
    る行程と、 前記第1の圧力発生手段のインク室膨張方向への変位動
    作とほぼ並行して、前記第2の圧力発生手段をインク室
    収縮方向へ変位させる行程と、 前記第1の圧力発生手段によるインク滴の吐出により前
    記ノズル部に生ずるインク先端部の振動を抑制可能なタ
    イミングで前記第2の圧力発生手段をインク室膨張方向
    に変位させる行程と含むことを特徴とする請求項10記
    載のインクジェットプリンタ用記録ヘッドの駆動方法。
  12. 【請求項12】 前記第1の圧力発生手段がインク室収
    縮方向に最も大きく変位した時点またはその近傍におい
    て、この第1の圧力発生手段のインク室膨張方向への変
    位動作を開始させることを特徴とする請求項11記載の
    インクジェットプリンタ用記録ヘッドの駆動方法。
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WO2012175593A1 (en) * 2011-06-24 2012-12-27 Oce-Technologies B.V. Inkjet print head
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