JPH11169A - 核酸の細胞特異的移行用の多機能性リガンド系 - Google Patents

核酸の細胞特異的移行用の多機能性リガンド系

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JPH11169A
JPH11169A JP9330508A JP33050897A JPH11169A JP H11169 A JPH11169 A JP H11169A JP 9330508 A JP9330508 A JP 9330508A JP 33050897 A JP33050897 A JP 33050897A JP H11169 A JPH11169 A JP H11169A
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JP
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antibody
fragment
ligand system
virus
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JP9330508A
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English (en)
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Hans-Harald Sedlacek
ハンス‐ハラルト、ゼドラセック
Rolf Mueller
ロルフ、ミュラー
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Hoechst AG
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Hoechst AG
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 免疫原性でなく、ヌクレオチド配列の細胞特
異的移行を行える、多機能性リガンド系を提供する。 【解決手段】 少くとも1つの標的細胞特異的リガンド
と、少くとも1つのリンカーと、少くとも1つの遺伝子
構築物特異的リガンドとを含んでなり、遺伝子構築物特
異的リガンドは、有利には、その遺伝子構築物と直接ま
たは間接的に結合する抗体またはその一部からなる多機
能性リガンド系。皮膚、粘膜、神経系、内臓、血液凝
固、造血系、免疫系、筋肉組織、支持組織または関節の
疾患の治療または予防用の医薬品またはワクチンを製造
するためのリガンド系も提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】発明の分野 本発明は、細胞中にポリヌクレオチドを移行するため
の、改善された操作および構築物に関する。
【0002】背景技術 細胞表面への遺伝子構築物(gene construct)の結合
は、遺伝子を細胞中に移す上で、たとえ十分でなくと
も、必要な前提条件である。これが強く結合するほど、
遺伝子構築物が細胞にうまく取込まれて、細胞中で転写
される可能性は大きくなる。この結合が細胞特異的であ
るほど、遺伝子構築物は主にまたは唯一標的細胞と結合
して、この細胞に取込まれるやすくなる。標的細胞への
遺伝子構築物の結合の特異性は、遺伝子構築物および標
的細胞に加えてもう1つのタイプの細胞が存在するとき
特に重要であるが、それにもかかわらず遺伝子構築物は
優先的にまたは排他的に標的細胞に取込まれねばならな
い。
【0003】遺伝子構築物を細胞特異的に結合させるこ
とができる様々な技術が開発されてきた。それらが
(1)細胞膜上で発現されたレセプターへのリガンドの
結合、または(2)細胞膜上に暴露された抗原またはハ
プテンへの抗体の結合を利用していることは、これらす
べての技術に共通である。このような技術の例には、リ
ガンド、例えばヘレグリン(Han et al.,PNAS 92,9747
(1995))、エリトロポエチン(Kasahara et al.,Scienc
e 266,1373 (1994) )、抗体断片、例えば一本鎖Fv
(Marin et al.,J.Virol.70,2957 (1996) )またはレセ
プター、例えばFcレセプターの細胞外部分(Doughert
y et al.,Transfusion Science 17,121 (1996))をレト
ロウイルスベクターのコート糖タンパク質中に組み込ん
で、標的細胞特異的をこうして生じさせる組換え法があ
る。
【0004】化学的方法も、アシアロ糖タンパク質(Wu
et al.,J.Biol.Chem.269,1152 (1994) )またはこのタ
ンパク質の合成誘導体(Marwin et al.,Bioconjugate C
hem.5,612 (1994))のようなリガンドをポリリジンに結
合させて、後者を遺伝子構築物と複合化させるか、また
はそれを化学的にアデノウイルスベクターのコートタン
パク質に結合させるために用いられた。もう1つの方法
は、リガンドをストレプトアビジンと結合させ、その後
でリポソームのリン脂質ヘッドグループと複合化された
ビオチンに結合させることであり、そのときにリポソー
ムは遺伝子構築物と複合化されている(Redelmeir et a
l.,Drug Deliv.J.Deliv.Targeting Therap.Agents 2,98
(1995) )。第一のリガンド系はFominaya et al.,J.Bi
ol.Chem.271,10560,1996により発表された。このリガン
ド系は、腫瘍細胞上のErb B2レセプターに特異的
な抗体断片、Pseudomonas 融合誘導ペプチド外毒素A、
およびトランスジーンを含むプラスミド中に挿入された
対応Gal4結合配列と結合する酵母Gal4タンパク
質のDNA結合ドメインからできている。このリガンド
系は標的細胞特異的トランスフェクションを起こすが、
酵母Gal4タンパク質の免疫原性に欠点をもつ。
【0005】これらの公表されたいずれの方法も、標的
細胞特異的にベクターを結合させる問題について適切に
は解決していなかった。この特異性欠如の主な理由に
は、(1)修飾ウイルスベクターの機能の欠陥;(2)
かなりの複雑度と用いられるリガンド系のサイズ;
(3)用いられる異種もしくは修飾タンパク質、または
ストレプトアビジン‐ビオチンカップリング系の免疫原
性および適合性;および(4)細胞の標的細胞特異的ト
ランスダクションを行う上で結合遺伝子構築物の不適当
な能力がある。
【0006】これらの制限の結果として、ウイルスおよ
び非ウイルスベクターを標的細胞に結合させる上で有用
な、簡単に作製される、機能的に有能なリガンドについ
て、大きな必要性が残されている。
【0007】
【発明の概要】したがって、本発明は、免疫原性ではな
く、既知系よりも簡単に作製および使用しうる、ヌクレ
オチド配列の標的細胞特異的移行用のリガンド系を提供
することを、その目的である。本発明は、また、ベクタ
ーを標的細胞に結合させる特異性を増加させて、それに
より核酸を標的細胞中に移す効力および選択性を改善す
ることをその目的とする。
【0008】これらおよび他の目的を実現する上で、本
発明の1つの面では、少くとも1つの標的細胞特異的リ
ガンドと、抗体または抗体部分を含んだ少くとも1つの
遺伝子構築物特異的リガンドと、2つのリガンドを結合
させるリンカーとを含んでなる、ヌクレオチド配列の標
的細胞特異的移行用の多機能性リガンド系を提供する
が、その系は免疫原性でない。有利な態様において、少
くとも1つのリガンドはヒト化抗体または抗体断片であ
る。もう1つの有利な態様において、少くとも1つの標
的細胞特異的リガンドと、抗体または抗体タンパク質を
含んだ少くとも1つの遺伝子構築物特異性リガンドと、
2つのリガンドを結合させるリンカーとを含んでなる、
ヌクレオチド配列の標的細胞特異的移行用の多機能性リ
ガンド系(その系は免疫原性でない)を含んでなる組成
物が病気を治癒させるために提供され、患者への投与に
適したキャリア中で提供される。
【0009】もう1つの有利な態様において、リガンド
系は2つのリガンドを一緒に連結させるコネクターを含
み、そのコネクターは2つのリンカーからなる。もう1
つの有利な態様では、(a)抗NCAM組換え一本鎖F
v断片からなるTSリガンド(Fv断片の可変重鎖およ
び軽鎖は短ペプチド配列で共有結合されている);
(b)配列GLFEALLELLESLWELLLEA
(配列番号:1)を有する融合誘導ペプチドからなるリ
ンカー;および(c)N‐メチルアデニン用の組換え
抗体からなるGSリガンドを含んでなるリガンド系が提
供される。
【0010】もう1つの有利な態様において、本発明は
皮膚疾患、粘膜疾患、神経系疾患、内臓疾患、血液凝固
疾患、造血系疾患、免疫系疾患、筋肉組織疾患と、支持
組織または関節疾患を予防または治療する医薬品の製造
のための、本発明によるリガンド系の用途に関する。リ
ガンド系は、皮膚、粘膜、神経系、内臓、血液凝固、造
血系、免疫系、筋肉組織、支持組織および関節からなる
群のうち1以上に係わる疾患をワクチンとして予防する
か、または治療するために、患者に、または代わりに患
者から得られた細胞に局所投与または注入される。
【0011】これらの利点は、本発明に従い細胞特異的
リガンドを遺伝子構築物に結合させることにより可能と
なる。
【0012】本発明の他の目的、特徴および利点は、以
下の詳細な記載から明らかになる。しかしながら、詳細
な記載および具体例は、本発明の好ましい態様を示して
いるが、説明だけのために与えられたものであり、本発
明の精神および範囲内で様々な変更および修正がこの詳
細な記載からより明らかとなることは、当業者に理解さ
れるであろう。
【0013】
【発明の具体的説明】本発明者らは、図1で示されたよ
うなリンカーにより、免疫原性複合体を形成することな
く、標的細胞特異的リガンドおよび遺伝子構築物特異的
リガンドが互いに連結させうることを発見した。更に、
図1cと図2および3で示されたような“コネクター
(connector)”を特に用いることにより、リガンド系
は形質導入された細胞の免疫原性、乏しい特異性および
効力といった従来の制限を克服できるように構築するこ
とができた。
【0014】本明細書で用いられる“標的細胞特異的リ
ガンド”(TSリガンド)とは、標的細胞の表面にある
決定基、即ち標的細胞特異的リガンドの結合パートナ
ー、例えばレセプターまたは接着性分子と結合する分子
のことである。
【0015】“リンカー”とは、最も簡単な場合におい
て、標的細胞特異的リガンドを遺伝子構築物特異的リガ
ンドと結合させ、有利には融合誘導性質、即ち新規リガ
ンド系を細胞膜および/またはリソソーム膜から、即ち
リソソームから細胞質中に浸透させる性質を有した分子
のことである。本発明の有利な態様において、リンカー
は融合誘導性質も有している。
【0016】“遺伝子構築物特異的リガンド”(GSリ
ガンド)とは、抗体またはその一部により直接または間
接的に遺伝子構築物と結合する分子のことである。
【0017】本発明の適切な態様において、TSリガン
ドおよびGSリガンドは“コネクター”により結合され
る。加えて、片方または双方のリガンドが別々のリンカ
ーを有している。コネクターを利用する態様には、用い
られる特異的GSリガンドおよびTSリガンドに応じ
て、異なる形を想定することができる(例えば、1×リ
ンカー、2×TSリガンド、1×GSリガンドまたは1
×リンカー、1×TSリガンド、2×GSリガンド)。
【0018】TSリガンド、リンカーおよびGSリガン
ド間のカップリングは、共有結合(Sedlacek et al.Con
trib.to Oncol.32,42-49および81-85,Karger Verlag Mu
nich(1988)を参照)または異なる電荷に基づくような非
共有手段(イオン結合)により行える。しかしながら、
リガンド系は、EP‐A1‐0464533で既に記載
されたように、組換え技術を用いた融合タンパク質とし
て作製することもできる。
【0019】本発明リガンド系により標的細胞中に導入
される核酸配列には、むき出しの状態(naked)のRN
AまたはDNA、非ウイルスキャリアまたはウイルスと
混合されたむき出しの状態のRNAまたはむき出しの状
態のDNAがある。使用中に、本発明のリガンド系は遺
伝子構築物と混合されて、得られた複合体が形質導入す
べき細胞に加えられるか、またはその複合体は患者に投
与される。
【0020】本発明にとり有用な標的細胞特異的リガン
ド、遺伝子構築物特異性リガンド、リンカーおよびコネ
クターの例を、本発明者らにより考えられた可能な組合
せのうち一部を説明するために、以下に示す。
【0021】TSリガンド 本発明において、TSリガンドには、標的細胞上のレセ
プターと結合する活性化合物、活性化合物の一部または
活性化合物のアナログがある。内在物質、内在物質の一
部と、内在物質の1以上のエピトープと似た他の物質
は、体中に導入されたときに、ほとんどの外来物質と比
較して、それらの低い免疫原性のため有利である。
【0022】このような活性化合物の例は:VEGF、
PDGF、EGF、TGFα、TGFβ、KGF、SD
GF、FGF、IGF、HGF、NGF、BDNF、ニ
ュートロフィン、BMF、ボンベシン、M‐CSF、ト
ロンボポエチン、エリトロポエチン、SCF、SDG
F、オンコスタチン、PDEGFおよびエンドセリン1
のような成長因子;IL‐1、IL‐2、IL‐3、I
L‐4、IL‐5、IL‐6、IL‐7、IL‐8、I
L‐9、IL‐10、IL‐11、IL‐12、IL‐
13、IL‐14およびIL‐15のようなサイトカイ
ン;インターフェロンα、βおよびγ;腫瘍壊死因子T
NFαおよびTNFβ;RANTES、MCAF、MI
P‐1α、MIP‐1β、NAPおよびβ‐トロンボグ
ロブリンのようなケモカイン;SRH、SIH、ST
H、MRH、MSH、PRH、PIH、プロラクチン、
LH‐RH、FSH‐RH、LH/ICSH、FSH、
TRH、TSH、CRH、ACTHのようなペプチドホ
ルモン;アンギオテンシン、キニンまたはヒスタミン、
あるいはそれらのホモログまたはアナログ;エストロゲ
ン、ゲスタゲン、アンドロゲン、グルココルチコイドま
たはミネラルコルチコイド、あるいはそれらのホモログ
またはアナログのようなステロイドホルモン;葉酸のよ
うなビタミンである。
【0023】本発明において、TSリガンドには、細胞
膜に存在する対応接着性分子、または接着性分子と特異
的に結合する標的細胞のもう1つの構造と結合する接着
性分子、接着性分子の一部または接着性分子のアナログ
もある。
【0024】TSリガンドとして機能できるこのような
接着性分子の例は、Lewis X(GMP‐140の場
合)、S‐Lewis X(ELAM‐1の場合)、LFA‐
1(ICAM‐1およびICAM‐2の場合)、MAC
‐1(ICAM‐1の場合)、VLA‐4(VCAM‐
1の場合)、PECAM(PECAMの場合)、ビトロ
ネクチン(ビトロネクチンレセプターの場合)、GMP
‐140(Lewis Xの場合)、S‐Lewis X(ELAM
‐1の場合)、ICAM‐1、ICAM‐2(LFA‐
1、MAC‐1の場合)、VCAM‐1(またはVLA
‐4)、フィブロネクチン(VLA‐4の場合)、ラミ
ニン(VLA‐6の場合)、フィブロネクチン、ラミニ
ン(VLA‐1、VLA‐2、VLA‐3の場合)、フ
ィブロネクチン(VLA‐4の場合)、フィブリノーゲ
ン(GPIIb-IIIaの場合)、B7(CD28の場
合)、CD28(B7の場合)、CD40(CD40L
の場合)およびCD40L(CD40の場合)である。
【0025】本発明において、TSリガンドにはFcレ
セプターの細胞外部分(Doughertyet al.,Transfusion
Science 17,121 (1996))もあり、それには標的細胞に
特異的な抗体がFc部分により結合されている。
【0026】本発明において、TSリガンドには、VD
LレセプターまたはLDLレセプター〔例えば、LDL
レセプター、LDL関連レセプタータンパク質、IgG
(例えば、Fcγ RII‐B2、Fcγ RI)のFC
レセプター;88kDa糖タンパク質レセプター、アセ
チル化LDLレセプター、酸化LDLレセプターまたは
メガリン〕用のリガンドもある。この性質のリガンドは
既に文献で詳細に記載されており、例えばアポリポタン
パク質B‐100またはカルボキシ末端部分を含んだそ
の断片、アポリポタンパク質E、プロテアーゼ/インヒ
ビター複合体、例えばtPA/PAI‐1複合体、2‐
マクログロブリン、トロンボスポンジンまたはそのヘパ
リン結合アミノ末端ドメイン(例えば、アミノ酸1‐2
14)、酸化LDL、アセチル化LDLまたはアセトア
セチル化LDL、アセチル化リジン、デシアリル化LD
L、マロンジアルデヒド複合化LDL、ホルムアルデヒ
ド処理またはグルタルアルデヒド処理アルブミン、マレ
イル化アルブミン、39kDaレセプター関連タンパク
質またはその断片、例えばアミノ酸18‐112、11
3‐218および219‐323か、アミノ酸1‐11
4および114‐319を含むもの、ラクトフェリン、
アプロチニン、リポタンパク質リパーゼ、アミロイド前
駆タンパク質(プロテアーゼネキシン2)およびPseudo
monas 外毒素である。
【0027】本発明において、TSリガンドには抗体分
子または抗体分子のエピトープ結合部分もある。
【0028】マウスモノクローナル抗体は、もし用いら
れるならば、その免疫原性を制限するためにヒト化形で
用いられる。ヒト化は Winter et al.(Nature 349,293
(1991) )および Hoogenboom et al.(Rev.Tr.Transfu
s.Hemobiol.36,19 (1993) )に記載された手法で行え
る。抗体断片は、例えばWinter et al.,Nature 349,293
(1991) 、Hoogenboom et al.,Rev.Tr.Transfus.Hemobio
l.36,19 (1993) 、Girol.Mol.Immunol.28,1379 (1991)
またはHuston et al.,Int.Rev.Immunol.10,195 (1993)
に記載された手法で、業界水準に従い生産される。
【0029】組換え抗体断片は現存するハイブリドーマ
から直接作製しても、またはファージディスプレー技術
(Smith,Science 228,1315 (1985) ;Winter et al.,An
nu.Rev.Immunol.12,433 (1994)を用いてマウスまたはヒ
ト抗体断片のライブラリーから単離してもよい。次い
で、これらの抗体断片は更に操作(例えば、他のタンパ
ク質との融合)のために遺伝子レベルで直接用いられ
る。
【0030】ハイブリドーマから組換え抗体断片を作製
するために、抗体の抗原結合ドメイン(VH、VL)を
エンコードする遺伝子情報は、mRNAの単離、cDN
AでRNAの逆転写、その後でポリメラーゼ連鎖反応
(Saiki et al.,Science 230,1350 (1985))と、可変断
片(Orlandi et al.,PNAS-USA 86,3833 (1989))の各々
5′および3′末端に相補的なオリゴヌクレオチドを用
いた増幅により得られる。次いで、VHおよびVL断片
は、例えばFv断片(Skerra & Pluckthun,Science 24
0,1038 (1988))、一本鎖Fv断片(sc‐Fc)(Bir
d et al.,Science242,423 (1988);Huston et al.,PNAS
-USA 85,5879 (1988) )またはFab断片(Better et
al.,Science 240,1041 (1988) )として、細菌発現ベク
ター中にクローニングされる。
【0031】新たな抗体断片は、ファージディスプレー
技術を用いて、マウスまたはヒト源の抗体ライブラリー
(免疫ライブラリー、ナイーブライブラリー)から直接
単離することもできる。抗体断片のファージディスプレ
ーにおいて、抗原結合ドメインは、scFv断片(McCa
fferty et al.Nature 348,552 (1990))またはFab断
片(Hoogenboom et al.,Nucl.Acid Res.19,4133 (199
1);Barbas et al.,PNAS-USA 88,7978 (1991) )の形
で、ファージゲノム(McCafferty et al.Nature 348,55
2 (1990))またはファージミドベクター(Breitling et
al.Gene 104,147 (1991) )中に、繊維状バクテリオフ
ァージのg3pコートタンパク質との融合タンパク質と
してクローニングされる。抗原結合ファージは、抗原担
持プラスチック容器(パンニング)上で(Marks et a
l.,J.Mol.Biol.222,581 (1991))、抗原複合化常磁性ビ
ーズ上で(Hawkins et al.,J.Mol.Biol.226,889 (199
2))、または細胞表面に結合させる(Marks et al.,Bio
/Technol.11,1145 (1993) )ことにより選択される。
【0032】免疫ライブラリーは、免疫動物(Sastry e
t al.,PNAS-USA 86,5728 (1989) ;Ward et al.Nature
341,544 (1989);Clackson et al.Nature 352,624 (199
1))または患者(Mullinax et al.,PNAS-USA 87,8095
(1990) ;Barbas et al.,PNAS-USA 88,7978 (1991) )
のBリンパ球からの可変抗体断片のPCR増幅により作
製することができる。この場合には、マウス(Orlandi
et al.,PNAS-USA 86,3833 (1989);Sastry et al.,PNAS
-USA 86,5728 (1989) )、ヒト免疫グロブリン遺伝子
(Larrick et al.,BBRC 160,1250 (1989) )またはヒト
免疫グロブリン遺伝子ファミリー(Marks et al.,Eur.
J.Immunol.21,985 (1991))に特異的なオリゴヌクレオ
チドの組合せが用いられる。
【0033】天然遺伝子ライブラリーは、免疫グロブリ
ン遺伝子源として非免疫化ドナーを用いることにより作
製することができる(Marks et al.,J.Mol.Biol.222,58
1 (1991))。一方、免疫グロブリン生殖系列遺伝子は半
合成抗体レパートリーを作製するために使用でき、可変
断片の相補性決定領域は縮重プライマーを用いてPCR
により増幅される(Hoogenboom & Winter,J.Mol.Biol.2
27,381 (1992) ;Barbas et al.,PNAS-USA 89,4457 (19
92) ;Nissim et al.,EMBO J.13,692 (1994);Griffith
s et al.,EMBO J.13,3245 (1994))。これらのいわゆる
シングルポット(single-pot)ライブラリーは、免疫ラ
イブラリーと比較して、多数の抗原に対する抗体断片が
1つのシングルライブラリーから単離できるという利点
を有している(Nissim et al.,EMBO J.13,692 (199
4))。
【0034】抗体断片の親和性はファージディスプレー
技術を用いることで更に増加させることができ、新たな
ライブラリーは、ランダム(Hawkins et al.,J.Mol.Bio
l.226,889 (1992);Gram et al.,PNAS-USA 89,3576 (19
92) )、コドンベース(Glaser et al.,J.Immunol,149,
3903 (1992) )または部位特異性変異誘発(Balint &La
rrick,Gene 137,109 (1993))、ナイーブレパートリー
からの断片を用いた個別ドメインの鎖シャフリング(ch
ain-shuffling )(Marks et al.,Bio/Technol.11,779
(1992))によるか、または細菌変異誘発株(Low et a
l.,J.Mol.Biol.260,359 (1996))を用いて、既に現存す
る抗体断片から作製され、改良された性質を有する抗体
断片は厳格な条件下で再選択により単離される(Hawkin
s et al.,J.Mol.Biol.226,889 (1992))。加えて、マウ
ス抗体断片は可変ドメインの1つをヒトレパートリーで
段階的に置き換え、その後オリジナル抗原で選択(ガイ
ド選択)することによりヒト化できる(Jespers et a
l.,Bio/Technol.12,889 (1994))。一方、マウス抗体は
オリジナルマウス抗体の対応領域でのヒト抗体の超可変
領域の特異的置換によりヒト化してもよい(Jones et a
l.,Nature 321,522 (1987))。
【0035】本発明において、TSリガンドは、エンベ
ロープタンパク質により選択細胞と特異的に結合するウ
イルスのエンベロープタンパク質またはエンベロープタ
ンパク質の一部でもよい。TSリガンドの選択は、遺伝
子構築物で形質導入される標的細胞に依存している。
【0036】本発明で有用なリガンドの例には、内皮細
胞、マクロファージおよびリンパ球を活性化する;筋肉
細胞、造血細胞、滑膜細胞および炎症細胞に結合する;
ウイルスに感染した細胞に結合する;肝臓細胞のような
組織細胞に結合する;グリア細胞に結合する;白血病細
胞に結合する物質がある。これらリガンドの一部代表メ
ンバーはここでまとめられている。
【0037】活性化内皮細胞のTSリガンド 本発明の意味内において、これらのリガンドには、例え
ばBurrows et al.(Pharmac.Ther.64,155 (1994))、 H
ughes et al.(Cancer Res.49,6214 (1989) )および M
aruyama et al.(PNAS-USA 87,5744 (1990) )に記載さ
れたように、内皮細胞の膜構造に対する抗体または抗体
断片がある。特に、これらのリガンドにはVEGFレセ
プターに対する抗体がある。
【0038】TSリガンドには、内皮細胞の膜構造また
は膜レセプターと結合するすべての活性化合物も含む。
例えば、これらのリガンドには、末端部位にマンノース
を含む物質、更にはIL‐1または成長因子、あるいは
それらの断片またはその部分物質があり、それらはPD
GF、bFGF、VEGFまたはTGFβのような内皮
細胞により発現されるレセプターと結合する(Pusztain
et al.,J.Pathol.169,191 (1993))。
【0039】TSリガンドには、LDLレセプター、例
えばアセチル化LDLレセプター、酸化LDLレセプタ
ー、LDL関連レセプタータンパク質(LRP)、88
kDa糖タンパク質レセプターおよびIgGのFcレセ
プターに対するリガンドも含む。この性質のリガンド
は、既に文献で詳細に記載されている。
【0040】TSリガンドには、活性化および/または
増殖内皮細胞と結合する接着性分子を更に含む。Sle
x、LFA‐1、MAC‐1、LECAM‐1、VLA
‐4またはビトロネクチンのようなこの性質の接着性分
子は、既に記載されている(Augustin-Voss et al.,J.C
ell Biol.119,483 (1992) ;Pauli et al.Cancer Metas
t.Rev.9,175 (1990);Honn et al.Cancer Metast.Rev.1
1,353 (1992)に概要あり)。本発明に意味内において、
TSリガンドには、内皮細胞に向性を有するウイルスコ
ート糖タンパク質を特に含む。これらウイルスの例は、
フィロウイルス、例えばGP(糖タンパク質)およびs
GP(第二糖タンパク質)コートタンパク質をもつMarb
urg ウイルス、各場合にGPおよびsGPコートタンパ
ク質をもつEbola ウイルス、特にgBタンパク質をもつ
サイトメガロウイルス、単純ヘルペスウイルスI型、H
IV‐1ウイルス、麻疹ウイルス、Hantaan ウイルス、
アルファウイルス、例えばSemliki Forestウイルス、流
行性出血熱ウイルス、ポリオウイルスと腸内ウイルス、
例えばECHO9、ECHO12またはCoxsackieB3
である。
【0041】活性化マクロファージおよび/または活性
化リンパ球向けTSリガンド 本発明の意味内において、リガンドには免疫細胞の表面
と特異的に結合する物質がある。このような物質には、
例えばPowelson et al.,Biotech.Adv.11,725 (1993) に
記載されたように、免疫細胞の膜構造に対する抗体また
は抗体断片がある。
【0042】TSリガンドには、既に前記されたよう
な、LDLレセプターに対するすべてのリガンドも更に
含む。TSリガンドには、更に、免疫細胞上のFc‐
γ、Fc‐εまたはFc‐μレセプターと抗原結合可変
部分によって結合する、モノクローナルまたはポリクロ
ーナル抗体または抗体断片もある(Rojanasakul et a
l.,Pharm.Res.11,1731 (1994) )。
【0043】これらのリガンドには、ヒトモノクローナ
ルまたはポリクローナル免疫グロブリンのFc断片もあ
る。この性質のFc断片は、例えば組換えDNAを用い
た遺伝子操作によるか、またはHaupt et al.,Klin.Wsch
r.47,270 (1969) ;Kranz etal.,Dev.Biol.Standard 4
4,19 (1979) ;Fehr et al.,Adv.Clin.Pharmac.6,64(19
74);Menninger et al.,Immunochem.13,633 (1976) の
方法に従い作られる。
【0044】TSリガンドには、免疫細胞の表面上にあ
る膜レセプターと結合するすべての物質を含む。これら
のリガンドには、免疫細胞により発現されるレセプター
と結合するサイトカイン、例えばIL‐1、IL‐2、
IL‐3、IL‐4、IL‐6、IL‐10、TNF
α、GM‐CSFおよびM‐CSFと、更に成長因子、
例えばEGF、TGF、FGF、IGFまたはPDG
F、あるいはそれらの断片またはその部分配列がある。
【0045】TSリガンドには、脾臓、肝臓、肺臓およ
び他組織のマクロファージ上にある細胞膜構造、例えば
マンノース‐6‐リン酸レセプターと結合する、接着性
分子および他のリガンドが更にある。これらリガンドお
よび膜構造の選択は、Perales et al.,Eur.J.Biochem.2
26,255 (1994) で概説されている。
【0046】本発明に意味内において、TSリガンドに
は、リンパ球および/またはマクロファージに向性を有
するウイルスからのエンベロープ糖タンパク質もある。
マクロファージに感染するこれらウイルスの例は、HI
V‐1、特にマクロファージとの結合性を増加させる変
異をgp120のV3領域に有する株、HIV‐2、Ha
nta ウイルス、例えばPunmala ウイルス、サイトメガロ
ウイルス、呼吸シンシチアルウイルス、単純ヘルペスウ
イルスおよびフィロウイルスである。
【0047】リンパ球に感染するウイルスの例は、水痘
‐帯状疱疹ウイルス(VZV)、ヘルペスウイルス6
(HHV‐6)、狂犬病ウイルス、HIV‐I、HTL
V‐II、HTLV‐I、インフルエンザCウイルス〔イ
ンフルエンザCウイルスは、Bリンパ球上で優先的に生
じて、Tリンパ球上ではそれより少い程度で生じるか、
または全く生じない、N‐アセチル‐β‐アセチルノイ
ラミン酸(Neu5,9Ac)と、ヘマグルチニン‐エ
ステラーゼ融合(HEF)タンパク質によって結合する
ためである;インフルエンザCウイルスはヌクレオチド
872位(HEFアミノ酸配列の284位をエンコード
している)に変異、例えばトレオニンからイソロイシン
への置換を有していて、この変異を有したHEF表面タ
ンパク質は、野生型ウイルスよりも著しく強い親和性を
N‐アセチル‐9‐O‐アセチルノイラミン酸レセプタ
ーに対して有しているためである〕、N‐アセチル‐9
‐β‐アセチルノイラミン酸と結合するための構造を含
んだインフルエンザCウイルスHEF開裂産物(この結
合構造は触媒三位置セリン71、ヒスチジン368また
は369とアスパラギン酸261により定められるため
である)、Epstein-Barrウイルス(EBVはB細胞に感
染するためである)、単純ヘルペスウイルス2型(HS
V‐2はT細胞に感染するためである)および麻疹ウイ
ルスである。
【0048】筋肉細胞向けTSリガンド 筋肉細胞表面に結合するリガンドには、例えば筋肉細
胞、特に平滑筋細胞の膜構造に対する抗体または抗体断
片がある。この性質の抗体の例は、抗体10F3、アク
チンに対する抗体、アンギオテンシンIIレセプターに対
する抗体、成長因子のレセプターに対する抗体、例えば
EGFレセプター、PDGFレセプターまたはFGFレ
セプターに対する抗体、あるいはエンドセリンAレセプ
ターに対する抗体である。
【0049】TSリガンドには、筋肉細胞上の膜構造ま
たは膜レセプターと結合する、すべての活性物質を含
む。これらのリガンドには、平滑筋細胞により発現され
るレセプターと結合する、例えば成長因子あるいはそれ
らの断片またはその部分配列、例えばPDGF、EG
F、TGFβ、TGFα、FGFおよびエンドセリンA
がある。
【0050】本発明の意味内において、TSリガンドに
は、筋肉細胞に向性を有するウイルスからのエンベロー
プ糖タンパク質も含む。これらのウイルスには、例えば
サイトメガロウイルスがある。
【0051】造血細胞向けTSリガンド TSリガンドには、比較的未分化の血液細胞上で発現さ
れるレセプターに対する抗体または抗体断片がある。こ
の性質の抗体は、例えば下記レセプター:幹細胞因子レ
セプター、IL‐1レセプター(I型)、IL‐1レセ
プター(II型)、IL‐3レセプターα、IL‐3レセ
プターβ、IL‐6レセプターおよびGM‐CSFレセ
プターについて記載されている。
【0052】TSリガンドには、更に、免疫細胞上のF
c‐γレセプターと不変ドメインにより結合する、モノ
クローナルまたはポリクローナル抗体または抗体断片も
ある。TSリガンドには、比較的未分化の血液細胞の表
面上にある膜構造または膜レセプターと結合する、すべ
ての活性物質を含む。これらのリガンドには、血液細胞
により発現されるレセプターと結合する、例えばSC
F、IL‐1、IL‐3、IL‐6およびGM‐CSF
のような成長因子、あるいはそれらの断片またはその部
分配列がある。
【0053】滑膜細胞および炎症細胞向けTSリガンド これらのリガンドには、滑膜細胞および炎症細胞の膜構
造と可変ドメインにより結合する、モノクローナルまた
はポリクローナル抗体または抗体断片もある。このよう
な膜構造の例は、ビメンチン、フィブロネクチンおよび
Fcレセプターである。
【0054】これらのリガンドには、Fcレセプターと
不変ドメインにより結合する、モノクローナルまたはポ
リクローナル抗体または抗体断片もある。これらのリガ
ンドには、更に、滑膜細胞上にある膜構造または膜レセ
プターと結合する、すべての活性化合物を含む。これら
には、滑膜細胞により発現されるレセプターと結合す
る、例えばサイトカインまたは成長因子、あるいはそれ
らの断片またはその部分配列、例えばIL‐1‐RA、
TNFα、IL‐4、IL‐6、IL‐10、IGFお
よびTGFβがある。これらのリガンドには、マクロフ
ァージ上にあるマンノース‐6‐リン酸レセプターと結
合する、必須要素が末端マンノースであるTSリガンド
を更に含む。
【0055】ウイルスに感染した細胞向けのTSリガン
TSリガンドは、ウイルス感染細胞の細胞膜上で発現さ
れるウイルス抗原に対する抗体または抗体断片であって
もよい。この性質の抗体は、例えばHBV、HCV、H
SV、HPV、HIV、EBVおよびHTLVウイルス
で感染された細胞について記載されている。
【0056】肝臓細胞および他の組織細胞向けのTSリ
ガンド TSリガンドには、肝臓細胞の表面上にある膜構造また
は膜レセプターと結合する、すべての物質を含む。これ
らのリガンドには、この性質の細胞により発現されるレ
セプターと結合する、例えばサイトカイン、EGF、T
GF、FGFまたはPDGFのような成長因子、あるい
はそれらの断片またはその部分配列がある。これらのリ
ガンドには、特定組織に選択的な細胞膜構造と結合する
TSリガンドが更にある。例は以下である: 表1: 膜構造 TSリガンド 組織細胞 アシアロ糖タンパク質 アシアロオロソムコイド 肝臓細胞 レセプター ネオ糖タンパク質 ガラクトース トランスフェリンレセプター トランスフェリン 肝臓および他組織細胞 インシュリンレセプター インシュリン 肝臓および他組織細胞 マンノース‐6‐リン酸 マンノース 脾臓、肝臓、肺臓および レセプター 他組織のマクロファージ Fc‐γレセプター 免疫グロブリンG 細網内皮系および他組織 これらのリガンドおよび膜構造はPerales et al.,Eur.
J.Biochem.226,255 (1994) で概説されている。
【0057】本発明に意味内において、TSリガンドに
は、特に選択細胞に向性を有するウイルスからのエンベ
ロープ糖タンパク質、例えば気管支上皮細胞に対する呼
吸シンシチアルウイルスからの糖タンパク質、肝臓細胞
に対するC型肝炎ウイルス、フィロウイルス、B型肝炎
ウイルスおよびD型肝炎ウイルスからの糖タンパク質が
ある。例えば、肝臓細胞はアシアロ糖タンパク質レセプ
ターによりMarburg ウイルスと結合するか、または肝臓
細胞は優先的にアシアロ糖タンパク質レセプターにより
HBVのpreS2およびpreS1ドメインと結合す
る。もう1つの例は、肝臓洞様細胞に対するB型肝炎ウ
イルスからの糖タンパク質であり、HBVはフィブロネ
クチンにより結合されるからである。
【0058】グリア細胞向けTSリガンド これらのリガンドには、例えばMirsky et al.,Coakham
et al.およびMcKeeveret al. により報告されたよう
な、グリア細胞の膜構造に対する抗体または抗体断片が
ある。これらの膜構造には、N‐CAMのような神経接
着性分子、特にそのポリペプチドC鎖が更にある。
【0059】これらのリガンドには、グリア細胞上の膜
構造または膜レセプターと結合する、すべての活性化合
物も含む。例えば、これらのリガンドには、末端位置に
マンノースを有してマンノース‐6‐リン酸レセプター
と結合する物質、インシュリン、インシュリン様成長因
子およびPDGFと、関連膜レセプターと結合するこれ
ら成長因子の断片がある本発明の意味内において、TS
リガンドには、特にグリア細胞に向性を有するウイルス
からのエンベロープ糖タンパク質がある。これらウイル
スの例は、HIV‐1サブタイプJRF1および単純ヘ
ルペスウイルスIである。
【0060】白血病細胞向けTSリガンド これらのリガンドには、白血病細胞上の膜構造に対する
抗体または抗体断片がある。この性質の多数のモノクロ
ーナル抗体が、診断および治療法について既に記載され
ている(Kristensen,Danish Medical Bulletin 41,52
(1994) ;Schranz,Therapia Hungarica 38,3 (1990);D
rexler et al.,Leuk,Res.10,279 (1986);Naeim,Dis.Ma
rkers 7,1 (1989);Stickney et al.,Curr.Opin.Oncol,
4,847 (1992);Drexler et al.,Blut 57,327 (1988) ;
Freedman et al.,Cancer Invest.9,69 (1991) に概要あ
り)。下記モノクローナル抗体またはそれらの抗原結合
抗体断片は、白血病のタイプに応じて、(1)AML細
胞、膜抗原CD13、CD14、CD15、CD33、
CAMAL、シアロシル‐Le;(2)B‐CLL膜抗
原CD5、CD1c、CD23、膜免疫グロブリンのイ
ディオタイプおよびイソタイプ;(3)T‐CLL膜抗
原CD33、M38、IL‐2レセプター、T細胞レセ
プター;(4)ALL膜抗原CALLA、CD19非Ho
dgkin's リンパ腫に対するリガンドとしての使用に適し
ている。
【0061】TSリガンドには、白血病細胞の膜構造ま
たは膜レセプターと結合する、すべての活性化合物も更
に含む。これらのリガンドには、白血病細胞により発現
されるレセプターと結合する、例えば成長因子、あるい
はそれらの断片またはその部分配列がある。
【0062】この性質の成長因子は既に記載されている
(Cross et al.,Cell 64,271 (1991) ;Aulitzky et a
l.,Drugs 48,667 (1994) ;Moore,Clin.Cancer Res.1,3
(1995);Van Kooten et al.,Leuk.Lymph.12,27 (1993)
に概要あり)。例は、非Hodgkin's リンパ腫の場合に
IFNα;特にT細胞白血病の場合にIL‐2;T細
胞、単球性、骨髄性、赤芽球性および巨核芽球性白血病
の場合にFGF;白血病の場合にTGFβ;急性前骨髄
球性白血病の場合にレチノイド、例えばレチノイン酸で
ある。
【0063】腫瘍細胞向けTSリガンド これらのリガンドには、腫瘍細胞上の膜構造に対する抗
体およびこれら抗体の断片がある。この性質の抗体は、
例えばSedlacek et al.,Contrib.to Oncol.32,Karger V
erlag,Munich (1988) およびContrib.to Oncol.43,Karg
er Verlag,Munich (1992) により概説されている。
【0064】他の例は、シアリルLewis 、T細胞により
認識される腫瘍上のペプチド、がん遺伝子により発現さ
れるタンパク質、GD3、GD2、GM2、9‐O‐ア
セチルGD3およびフコシルGM1のようなガングリオ
シド、血液型抗原およびそれらの前駆体、多形上皮ムチ
ン上の抗原と、熱ショックタンパク質上の抗原に対する
抗体である。
【0065】リンカー リンカーの選択は、TSリガンドおよびGSリガンドの
化学的性質と、リンカーによりTSリガンドおよびGS
リガンドを互いに連結させるために用いられる方法とに
依存している。リガンドがペプチドまたはタンパク質で
あるならば、ペプチドまたはタンパク質が好ましくはリ
ンカーとして用いられ、リンカーは好ましくはペプチド
結合によりTSリガンドおよびGSリガンドと連結され
る。この性質のTSリガンド‐リンカー‐GSリガンド
またはTSリガンド‐GSリガンド‐リンカー分子は、
組換えDNA技術を用いて、融合タンパク質として作ら
れることが好ましい。通常、有利なリンカーは内在物質
であるか、またはその免疫原性を制限するように内在物
質と類似させる。
【0066】TSリガンドがペプチドまたはタンパク質
でないならば、リンカーは、その最も簡単な形のとき、
TSリガンドおよびGSリガンドを連結させる構造であ
る。この性質の構造は、タンパク質中のアミノ基、ヒド
ロキシル基、SH基、カルボキシル基またはアルデヒド
基に分子を結合させるために用いられる、異なる化学的
接合法に基づく(その方法の概要については、Sedlacek
et al.,Contrib.to Oncol.32,42-49 および81-85,Karg
er Verlag,Munich (1988) 参照)。
【0067】リンカーおよびGSリガンドは、それ自体
が各場合において、ペプチドまたはタンパク質であって
もよい。この場合において、二者間の連結は、化学的接
合法の1つを用いたリンカーへの連結およびペプチド結
合により行われることが好ましい。これは、特に本発明
の態様c)の場合に該当する。
【0068】リンカーの選択は、GSリガンドにより結
合される遺伝子構築物の性質にも依存している。遺伝子
構築物がむき出しの状態のRNAまたはむき出しの状態
のDNA単独であるか、または非ウイルスキャリアとの
複合体であるならば、リンカーは融合誘導性質を有する
分子であることが好ましい。これらの融合誘導性質は、
細胞膜からリソソームを経て細胞質中に至る遺伝子構築
物の通過を促進させる。
【0069】遺伝子構築物がウイルスであるならば、融
合誘導性質を有する分子がリンカーとして選択できる。
本発明の意味内において、融合誘導性質を有するリンカ
ーを用いることが好ましい。リンカーの融合誘導性質
は、GSリガンドがウイルスに結合されるおかげで、ウ
イルスのコートタンパク質の融合誘導性質の欠陥を補う
か、あるいはウイルスのコートタンパク質の融合誘導性
質を補強する。
【0070】本発明の意味内において、ウイルスまたは
細菌ペプチドまたはタンパク質と、合成ペプチド(例え
ば、エンドソームの酸環境下でα‐ヘリックスを形成す
るもの)が、融合誘導性質を有するリンカーとして用い
られる。融合誘導性質を有する分子の例は、Pseudomona
s 外毒素Aのトランスロケーションドメイン(ドメイン
III )を含むペプチド(Wels et al.,Cancer Res.52,63
10 (1992) ;Fominagaet al.,J.Biol.Chem.271,10560
(1996))、ペプチドGLFEALLELLESLWEL
LLEA(配列番号:1)を含むペプチド(Gottschalk
et al.,Gene Ther.3,448 (1996))、ペプチドAALA
EA[LAEA]LAAAAGC(配列番号:2)を
含むペプチド(Wang et al.,Technol. Advances in Vec
tor Syst.For Gene Ther.,May 6-7,1996,Coronado,IBC
Conference)、麻疹ウイルス融合タンパク質のペプチド
FAGVVLAGAALGVAAAAQI(配列番号:
3)を含むペプチド(Yeagle et al.,Biochem.Biophys.
Acta 1065,49 (1991) )、インフルエンザA HA2タ
ンパク質のペプチドGLFGAIAGFIEGGWWG
MIDG(配列番号:4)を含むペプチド(Luneberg e
t al.,J.Biol.Chem.270,27606 (1995))、ペプチドGL
FGAIAGFIENGWEGMIDGGLFGAIA
GFIENGWEGMIDG(配列番号5)(Burger e
t al.,Biochem.30,11173 (1991) またはペプチドGLF
GAIAGFIE(配列番号:6)、ALFGAIAG
FIE(配列番号:7)、LFLGAIAGFIE(配
列番号:8)、LLLGAIAGFIE(配列番号:
9)、LILGAIAGFIE(配列番号:10)、G
FGAIAGFIE(配列番号:11)、GLGA
IAGFIE(配列番号:12)、GLFAIAGF
IE(配列番号:13)、GLFAIAGFIE(配
列番号:14)、GLFGAAGFIE(配列番号:
15)、GLFGAIAGIE(配列番号:16)、
ペプチドGLFGAIAGFI(配列番号:17)
(Steinhauer et al.,J.Virol.69,6643 (1995))、ペプ
チドGLFEAIAEFIEGGWEGLIEG(配列
番号:18)またはペプチドGLLEALAELLEG
GWEGLLEG(配列番号:19)(Ishiguro et a
l.,Biochem.32,9792 (1993)を含むペプチドである。
【0071】本発明では、融合誘導性質を有するウイル
スからのタンパク質が更に利用される。いくつかのウイ
ルスは融合誘導コートタンパク質を有し、その例はパラ
ミクソウイルス、レトロウイルスおよびヘルペスウイル
スである(Gaudin et al.,J.Gen.Virol.76,1541 (199
5))。いくつかのウイルスは、ウイルス接着とその後で
細胞膜融合の双方に関与する糖タンパク質も有している
(Gaudin et al.,J.Gen.Virol.76,1541 (1995))。この
性質のタンパク質は、例えばアルファウイルス、ラブド
ウイルスおよびオルトミクソウイルスにより形成され
る。
【0072】本発明の意味内におけるウイルス融合誘導
タンパク質は、Hughson,Curr.Biol.5,265 (1995);Hoek
stra,J.Bioenergetics Biomembranes 22,675 (1990) ;
White,Ann.Rev.Physiol.52,675 (1990) により概説され
ている。本発明の意味内における融合誘導タンパク質の
例は、インフルエンザAまたはインフルエンザBウイル
スのヘマグルチニン、特に、単独で、あるいは酵素活性
を欠くにもかかわらず赤血球凝集反応を起こすインフル
エンザAノイラミニダーゼの変異体またはインフルエン
ザヘマグルチニンと組み合わせて(Ohuchi et al.,J.Vi
rol.68,920 (1994) )用いられるHA2成分、インフル
エンザAウイルスのM2タンパク質、インフルエンザウ
イルスヘマグルチニンのペプチドアナログ、インフルエ
ンザCウイルスのHEFタンパク質(HEFタンパク質
の融合活性は、HEF0からサブユニットHEF1およ
びHEF2への開裂により活性化される)、フィロウイ
ルス、例えばMarburg ウイルスおよびEbola ウイルスの
膜貫通糖タンパク質、狂犬病ウイルスの膜貫通糖タンパ
ク質、水疱性口内炎ウイルスの膜貫通糖タンパク質
(G)、HIVウイルスの融合タンパク質、特にgp4
1成分およびその融合誘導成分、Sendaiウイルスの融合
タンパク質、特にF1成分の33アミノ末端アミノ酸、
Semliki Forestウイルスの膜貫通糖タンパク質、特にE
1成分、ダニ媒介性脳炎ウイルスの膜貫通糖タンパク
質、ヒト呼吸シンシチアルウイルス(RSV)の融合タ
ンパク質(特に、gp37成分)、B型肝炎ウイルスの
融合タンパク質(Sタンパク質)、麻疹ウイルスの融合
タンパク質、Newcastle 病ウイルスの融合タンパク質、
ビスナウイルスの融合タンパク質、マウス白血病ウイル
スの融合タンパク質(特に、p15E)、HTLウイル
スの融合タンパク質(特に、gp21)およびサル免疫
不全ウイルス(SIV)の融合タンパク質である。
【0073】ウイルス融合誘導タンパク質は、界面活性
剤(例えば、β‐D‐オクチルグルコピラノシド)の補
助でウイルスエンリッチメント(viral enrichment)か
らのコートタンパク質を溶解させ、Mannio et al.,BioT
echniques 6,682 (1988)に概説されたように遠心で、ま
たは熟練者に知られている分子生物学的方法でそれらを
分離することにより得られる。融合誘導タンパク質の作
製例は、例えばインフルエンザヘマグルチニン、インフ
ルエンザヘマグルチニンの融合誘導断片、インフルエン
ザBのM2タンパク質、インフルエンザCのHEFタン
パク質、フィロウイルス、例えばMarburg ウイルスおよ
びEbola ウイルスの貫膜糖タンパク質、狂犬病ウイルス
の貫膜糖タンパク質、水疱性口内炎ウイルスの貫膜糖タ
ンパク質、Semliki Forestウイルスの貫膜糖タンパク
質、ダニ媒介性脳炎ウイルスの貫膜糖タンパク質、およ
びHIV‐1ウイルスの融合タンパク質について記載さ
れている。
【0074】遺伝子構築物特異的リガンド 本発明において、GSリガンドは、遺伝子構築物と直接
または間接的に結合する、全抗体分子または抗体のエピ
トープ結合断片を含んだ構造である。マウスモノクロー
ナル抗体は、それらの免疫原性を制限するために、好ま
しくはヒト化形で用いられる。このヒト化は、 Winter
et al.(Nature 349,293 (1991) )および Hoogenboom
et al.(Rev.Tr.Transfus.Hemobiol.36,19 (1993) )に
記載された手法で、“TSリガンドの説明”と題された
セクションで既に記載されたように行う。抗体断片およ
び組換えFv断片は、当業界水準に従い、“TSリガン
ドの説明”と題されたセクションで既に記載されたよう
に作製する。
【0075】二価または一価断片が用いられるかどうか
は、抗体特異的および遺伝子構築物の選択に依存してい
る。一価抗体断片は、選択される抗体が(例えば、Ubol
etal.,J.Virol.69,1990 (1995)に記載されたように)
ウイルス遺伝子構築物のコートタンパク質の融合活性を
損なうならば好ましい。
【0076】抗体の特異性は、用いられる遺伝子構築物
の性質に依存している。遺伝子構築物がむき出しの状態
のRNAまたはむき出しの状態のDNA単独であるか、
または非ウイルスキャリアとの複合体であるならば、本
発明の新規態様の1つは、抗体の特異性がDNA中に導
入されたエピトープに対するものである場合である。こ
の性質のエピトープは、外来グループ(異種間物質:xe
nogenic substance)の導入でまたはそれなしに、DN
Aの1以上の修飾により作ることができる。この例に
は、シスプラチンでDNAを架橋すること、ナイトロジ
ェンマスタード、メルファランまたはクロラムブシルの
ようなアルキル化剤でグアニンのNをアルキル化する
こと、ドキソルビシンまたはダウノマイシンのようなア
ントラサイクリンをDNAの二重ヘリックス中に挿入す
ることがある。
【0077】修飾DNAエピトープに対する結合特異性
を有したモノクローナル抗体の例には、メチル化DN
A、O‐エチルデオキシグアノシン(エチルニトロソ
尿素でDNAを処理した後)、N‐エチルグアニン、
‐メチル‐N‐ホルミル‐2,5,6‐トリアミ
ノ‐4‐ヒドロキシピリミジン、O‐メチル‐2′‐
デオキシグアノシン、O‐エチル‐2′‐デオキシグ
アノシン、O‐n‐ブチル‐2′‐デオキシグアノシ
ン、O‐イソプロピル‐2′‐デオキシグアノシン、
‐メチル‐2′‐デオキシチミジン、O‐エチル
‐2′‐デオキシチミジンと、メルファランおよびDN
Aおよびアントラサイクリンの付加産物に対する抗体が
ある。この関係で有用な一部のエピトープは、DNA代
謝中にDNAのメチル化によって、DNA中に作成され
るものである。
【0078】E.coli株は、細菌中に導入されたプラスミ
ドDNAをメチル化することが知られている。メチル化
はアデニンのN位で生じる(Winnacker,From Genes t
o Clones,page 18/19,VCH Publisher,Weinheim (1987)
)。細菌は酵素DNAアデニンメチラーゼを有してい
て、複製中にN位でアデニンを特異的にメチル化する
(Hattman et al.,J.Mol.Biol.126,367 (1978))。その
結果として、本発明は、新規リガンド系で、特にメチル
化DNAに対する、更に具体的にはアデニンのメチル化
位に対するモノクローナル抗体の使用に関する。
【0079】遺伝子構築物が非ウイルスキャリアと複合
化されるとすれば、本発明のもう1つの具体的態様は、
抗体の特異性がキャリア上のエピトープに対するもので
ある場合である。これらのキャリアには、カチオン性ポ
リマー、ペプチド、タンパク質、ポリアミンまたはカチ
オン性脂質、例えばカチオン性脂質およびリン脂質があ
る。この性質のキャリアに対する抗体の例は、スペルミ
ジン、スペルミン、プトレッシン、ポリリジン、アルブ
ミンおよびリン脂質に対する抗体である。
【0080】遺伝子構築物がウイルスであるならば、抗
体の特異性はウイルスコートタンパク質の1以上の同一
または異なるエピトープに対するものである。用いられ
るリガンド系中のリンカーが好ましいことに融合誘導ペ
プチドまたはタンパク質であることから、コートタンパ
ク質と結合することでウイルスの細胞付着性および/ま
たは融合誘導活性を損なう抗体も用いることができる。
ベクターとして使用できるウイルスのコートタンパク質
に対する抗体の例は、マウス白血病ウイルス、特にコー
トタンパク質gp70およびp15、HIVウイルス、
アデノウイルス、単純ヘルペスウイルス、特にこのウイ
ルスの糖タンパク質B、糖タンパク質H、糖タンパク質
Lおよび糖タンパク質D、サイトメガロウイルス、特に
糖タンパク質B(gpB)、マウスの微小ウイルス、ア
デノ関連ウイルス、特にcapおよびrepタンパク
質、Sindbis ウイルス、特にエンベロープタンパク質E
2またはEと、ワクシニアウイルスに対する抗体であ
る。
【0081】本発明のもう1つの有利な態様において、
GSリガンドは細胞外にあるFcレセプターの一部であ
る。遺伝子構築物と抗原結合部分によって直接または間
接的に結合する、既に記載された抗体の1つは、このF
cレセプターとそのFc部分によって結合する。
【0082】もう1つの有利な態様において、GSリガ
ンドはカチオン性アミノ酸、カチオン性ペプチドまたは
タンパク質、あるいは生物アミンのようなカチオン性構
造単位であって、遺伝子構築物と複合化することができ
る。これらカチオン性構造単位の例には、リジン、ポリ
リジン、アルギニン、ポリアルギニン、ヒスチジン、ポ
リヒスチジン、少くとも1つのリジン、1つのアルギニ
ンおよび/または1つのヒスチジンを含むペプチドと、
カダベリン、スペルミジン、スペルミン、アグマチンま
たはプトレッシンのようなポリアミンがある。
【0083】もう1つの有利な態様において、GSリガ
ンドはトランスジーンをもつウイルスのコートタンパク
質についてのレセプターである。この性質のレセプター
は、例えば下記ウイルス:CD4分子(可溶性または天
然)とガラクトシルセラミドに関するHIV、IL‐6
レセプターおよびアネキシンまたはアポリポタンパク質
に関するHBV、IL‐2レセプター(βおよびγ鎖)
に関するHTLV、CD46分子に関する麻疹ウイル
ス、エリトロポエチンレセプターに関するFriend白血病
ウイルス、ヒト免疫グロブリンGのFc断片に関する水
痘‐帯状疱疹ウイルス、グリコホリンに関するSendaiウ
イルス、N‐アセチル‐9‐アセトアミド‐9‐デオキ
シノイラミン酸および9‐O‐アセチル‐N‐アセチル
ノイラミン酸に関するインフルエンザCウイルス、イン
テグリンαVβ3に関する口蹄疫ウイルス、補体レセプ
ター2(CD21)に関するEBVと、275kDaマ
ンノース‐6‐リン酸レセプターまたは46kDaマン
ノース‐6‐リン酸レセプターに関する単純ヘルペスウ
イルスについて記載されている。
【0084】少くとも2つの分子の複合体(“コネクタ
ー”)としてのリンカー 本発明の特定態様c)の意味内において、コネクターは
少くとも2つの分子または成分からなる特別な種類のリ
ンカーである。コネクターの分子または成分の1つは少
くとも1つの遺伝子構築物特異的リガンドと結合して、
コネクターのもう1つの分子または成分は少くとも1つ
の標的細胞特異的リガンドと結合する。その複合体は、
少くとも1つの他の“任意リンカー”を更に含むことが
有利である。任意リンカーは融合誘導ペプチドでもよ
い。2以上のリンカーの場合には、任意リンカーは化学
的に同一でもまたは異なっていてもよい。融合誘導ペプ
チドは、標的細胞中への核酸の侵入を促進する。この関
係において、もう1つの任意リンカーは、細胞に入った
複合体の定量を行える放射性同位元素のようなシグナル
発生物質であってもよい。
【0085】コネクターの有利な例は抗体のヒンジ領域
であり、それにより抗体の2つの重鎖が互いに連結され
る(Burbon,TIBS 15,64 (1990);Oi et al.,Nature 30
7,136(1984);Alt et al.,Science 238,1079 (1987);L
orenz,degree dissertation:Konstruktion und Express
ion von rek. Antikorper-Enzym-Hybridmolekulen fur
die Tumortherapie [Construction and expression of
rec.antibody/enzymehybrid molecules for tumor ther
apyl],Faculty of Human Medicine,Marburg University
(1991))。
【0086】ヒンジ領域の新規配置は、例えば図2のc
1)に示されている。ヒンジ領域は、融合タンパク質の
形で、ペプチド結合によりGSおよびTSリガンドとリ
ンカーに連結されることが好ましく、融合タンパク質は
組換えDNA技術を用いて作製される。
【0087】コネクターのもう1つの例は、図3のc
2)に従い、Gal4のGal80結合ドメイン(Leut
her et al.,Science 256,1333 (1992))と組み合わされ
たGal80タンパク質(Leuther et al.,Science 25
6,1333 (1992))である。
【0088】
【実施例】下記実施例は本発明を説明するために記載さ
れたものであり、本発明を制限するものではない。図4
で示されたような多機能系の構築が示される。
【0089】実施例1 TSリガンドの作製 抗NCAMモノクローナル抗体575/100/2のハ
イブリドーマを、TSリガンドのための出発物質として
用いる(Jaques et al.,Cancer 72,418 (1993))。約1
細胞のこのハイブリドーマを遠心により分離し、m
RNAはPharmacia mRNA抽出キットを用いてこれら
の細胞から抽出する。次いで、このmRNAはcDNA
合成キットとランダムヘキサオリゴヌクレオチド(Phar
macia 製)を用いて逆転写によりcDNA中に転写す
る。このcDNAは、特定のプライマー(Clackson et
al.Nature 352,624 (1991))を用いたポリメラーゼ連鎖
反応(Saiki et al.,Science 230,1350 (1985))によ
り、免疫グロブリンの可変重鎖または可変軽鎖を増幅さ
せるための出発物質として働く。同時に、そのプライマ
ーは細菌発現ベクターpHENIS(pHEN1から得
られる;Hoogenboom etal.,Nucl.Acid Res.19,4133 (19
91);図5参照)中に断片をクローニングするための制
限開裂部位も導入する。このベクターは、ペリプラズム
分泌用のpelBシグナル配列、モノクローナル抗体9
E10で検出用のmyc標識、固定金属アフィニティク
ロマトグラフィー(IMAC)による精製用のヒスチジ
ン標識、ならびに、14アミノ酸鎖長グリシン‐セリン
リンカーをエンコードする短鎖配列と重および軽鎖用の
クローニング領域を含んでいる。加えて、g3βタンパ
ク質との融合は、バクテリアファージの表面上で示す目
的のために行う。重および軽鎖は適切な制限酵素で(V
HはSfiIおよびShoIで;VLはApaLIおよ
びNotIで)切断し、ベクター中に続けてクローニン
グする。こうして、短ペプチド配列により共有結合され
た可変重鎖および軽鎖からなる組換え一本鎖Fv断片を
得る。
【0090】実施例2 GSリガンドの作製‐メチルアデニン(Sigma 製)に特異性を有する組
換え抗体は、記載されたように、N‐メチルアデニン
‐BSAまたはN‐メチルアデニン‐チログロブリン
複合体(Beiser et al.,Methods Enzymol.XII,889 (196
8))上でバイオパンニング(biopanning)することによ
り、天然または半合成抗体ライブラリー(Nissim et a
l.,EMBO.J.13,692 (1994))から選択する。陽性抗体断
片は抗原コート微量滴定プレートでELISAにより同
定する(Nissim et al.,EMBO.J.13,692 (1994))。これ
らライブラリーからの抗体は望ましい一本鎖Fvフォー
マットに既にあり、その後のクローニングに直接用いら
れる。
【0091】実施例3 リンカーの作製 アミノ酸配列GLFEALLELLESLWELLLE
A(配列番号:1,Gottschalk et al.,1996)を有する
融合誘導ペプチドをリンカーとして用いる。このペプチ
ドをエンコードするDNAは二本鎖合成オリゴヌクレオ
チドとして作製し、適切な制限開裂部位(AscIおよ
びXbaI)は末端上でカップリングさせる。この場合
に、2つの合成オリゴヌクレオチドO1(5′GGCC
GCAGGCTTATTTGAGGCCCTTCTGG
AATTGCTAGAGAGCCTCTGGGAATT
GCTTCTGGAGGCAT,配列番号:20)およ
びO2(5′CTAGATGCCTCCAGAAGCA
ATTCCCAGAGGCTCTCTAGCAATTC
CAGAAGGGCCTCAAATAAGCCTG,配
列番号:21)は製造業者の説明に従いT4ポリヌクレ
オチドキナーゼ(Gibco 製)を用いてリン酸化し、80
℃で5分間加熱し、その後室温までゆっくり冷却させ
る。この二本鎖DNA断片は、その後のクローニングに
直接用いられる。
【0092】実施例4 多機能性リガンドの作製 完全リガンド系は、3断片クローニングの形で、発現ベ
クターpAB1(pHENISと同様にして構築された
が、g3pとの融合を含まない;図5参照)で作製す
る。制限酵素SfiIおよびNotIで切断された抗N
CAM一本鎖Fv断片(TSリガンド)、クローニング
部位NotIおよびXbaIを含んだリンカーと、抗N
‐メチルアデニン一本鎖Fv断片(GSリガンド)を
出発物質として用いる。クローニングの場合、GS断片
はN末端およびC末端に制限開裂部位XbaIおよびA
scIを各々挿入するプライマーを用いて再増幅させ
る。これらの断片は、制限酵素SfiIおよびAscI
で切断されたpAB1ベクター中にクローニングする。
その構築物は細菌株TG1中に組み込んで形質転換させ
る。リガンド系の発現は細菌lacZプロモーターによ
り調節して、(McCafferty et al.Appl.Biochem.Biotec
h.47,157 (1994) に記載されたように)イソプロピル‐
β‐D‐チオガラクトシド(IPTG)を加えることに
より誘導する。発現タンパク質は、Griffiths et al.,E
MBO.J.13,3245 (1994)の方法に従い、IMACによりペ
リプラズム調製物から精製する。全タンパク質は約5
5,000ドルトンの分子量を有して、モノマーとして
存在している。
【0093】実施例5 多機能性リガンドの作動試験 NCAM発現腫瘍細胞(小細胞気管支がん腫)は、当業
者に知られる細胞培養技術を用いて細胞培養で増殖さ
せ、単離する。アデニンのN位でメチル化されたDN
Aは、E.coliでプラスミド(β‐グルクロニダーゼの構
造遺伝子を含んでいる;特許出願WO96/06940
参照)を増殖させることにより作製する。
【0094】多機能性リガンド系を20:1のモル比で
プラスミドDNAと混合し、その混合物を37℃で30
分間インキュベートする。プラスミドDNAへの結合は
ELISAによりチェックする。多機能性リガンドとプ
ラスミドからなる複合体を10:1の比率で腫瘍細胞と
混合し、全体を37℃で1時間インキュベートする。腫
瘍細胞の一部を洗浄する。これら腫瘍細胞への複合体の
結合は免疫蛍光法によりチェックする。得られた腫瘍細
胞を更に24時間インキュベートする。細胞中への複合
体の取込み、エンドソームからのリンカー媒介放出と、
エフェクター遺伝子の転写および発現がうまくいくかど
うかは、基質として4‐メチルウンベリフェリル‐β‐
グルクロニドを用いて、培地でβ‐グルクロニダーゼの
酵素活性を検出することにより調べる。
【0095】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Gly Leu Phe Glu Ala Leu Leu Glu Leu Leu Glu Ser Leu Trp Glu Leu 1 5 10 15 Leu Leu Glu Ala 20
【0096】配列番号:2 配列の長さ:29 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状配列の種類:ペプチド 配列 Ala Ala Leu Ala Glu Ala Leu Ala Glu Ala Leu Ala Glu Ala Leu Ala 1 5 10 15 Glu Ala Leu Ala Glu Ala Leu Ala Ala Ala Ala Gly Cys 20 25
【0097】配列番号:3 配列の長さ:19 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Phe Ala Gly Val Val Leu Ala Gly Ala Ala Leu Gly Val Ala Ala Ala 1 5 10 15 Ala Gln Ile
【0098】配列番号:4 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Gly Leu Phe Gly Ala Ile Ala Gly Phe Ile Glu Gly Gly Trp Trp Gly 1 5 10 15 Met Ile Asp Gly 20
【0099】配列番号:5 配列の長さ:40 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Gly Leu Phe Gly Ala Ile Ala Gly Phe Ile Glu Asn Gly Trp Glu Gly 1 5 10 15 Met Ile Asp Gly Gly Leu Phe Gly Ala Ile Ala Gly Phe Ile Glu Asn 20 25 30 Gly Trp Glu Gly Met Ile Asp Gly 35 40
【0100】配列番号:6 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Gly Leu Phe Gly Ala Ile Ala Gly Phe Ile Glu 1 5 10
【0101】配列番号:7 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Ala Leu Phe Gly Ala Ile Ala Gly Phe Ile Glu 1 5 10
【0102】配列番号:8 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Leu Phe Leu Gly Ala Ile Ala Gly Phe Ile Glu 1 5 10
【0103】配列番号:9 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Leu Leu Leu Gly Ala Ile Ala Gly Phe Ile Glu 1 5 10
【0104】配列番号:10 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Leu Ile Leu Gly Ala Ile Ala Gly Phe Ile Glu 1 5 10
【0105】配列番号:11 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Gly Ile Phe Gly Ala Ile Ala Gly Phe Ile Glu 1 5 10
【0106】配列番号:12 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Gly Leu Leu Gly Ala Ile Ala Gly Phe Ile Glu 1 5 10
【0107】配列番号:13 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Gly Leu Phe Ala Ala Ile Ala Gly Phe Ile Glu 1 5 10
【0108】配列番号:14 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Gly Leu Phe Glu Ala Ile Ala Gly Phe Ile Glu 1 5 10
【0109】配列番号:15 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Gly Leu Phe Gly Ala Met Ala Gly Phe Ile Glu 1 5 10
【0110】配列番号:16 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Gly Leu Phe Gly Ala Ile Ala Gly Leu Ile Glu 1 5 10
【0111】配列番号:17 配列の長さ:11 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Gly Leu Phe Gly Ala Ile Ala Gly Phe Ile Val 1 5 10
【0112】配列番号:18 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Gly Leu Phe Glu Ala Ile Ala Glu Phe Ile Glu Gly Gly Trp Glu Gly 1 5 10 15 Leu Ile Glu Gly 20
【0113】配列番号:19 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド 配列 Gly Leu Leu Glu Ala Leu Ala Glu Leu Leu Glu Gly Gly Trp Glu Gly 1 5 10 15 Leu Leu Glu Gly 20
【0114】配列番号:20 配列の長さ:68 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 配列の特徴 特徴を表す記号:exon 存在位置:1..68 配列 GGCCGCAGGC TTATTTGAGG CCCTTCTGGA ATTGCTAGAG AGCCTCTGGG AATTGCTTCT 60 GGAGGCAT 68
【0115】配列番号:21 配列の長さ:67 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:Genomic DNA 配列の特徴 特徴を表す記号:exon 存在位置:1..67 配列 CTAGATGCCT CCAGAAGCAA TTCCCAGAGG CTCTCTAGCA ATTCCAGAAG GGCCTCAAAT 50 AAGCCTG 67
【図面の簡単な説明】
【図1】リガンドがリンカー(図1aおよび1b)また
は“コネクター”(図1c)により結合される、標的細
胞特異的リガンドおよび遺伝子構築物特異性リガンドか
ら構成された3つの代替リガンド系を示す。
【図2】“コネクター”が抗体のヒンジ領域からなる、
図1cのリガンド系の態様を示す。
【図3】“コネクター”がGal80タンパク質とGa
l4のGal80結合ドメインからなる、図1cのリガ
ンド系のもう1つの態様を示す。
【図4】融合誘導ペプチドを用いて2つの抗体断片を結
合させる態様を示す。
【図5】発現ベクターpHENISおよびpAB1を概
略的に示した図である。

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少くとも1つの標的細胞特異的リガンド
    と、抗体または抗体部分を含む少くとも1つの遺伝子構
    築物特異的リガンドと、2つのリガンドを結合させるリ
    ンカーとを含んでなる、ヌクレオチド配列の標的細胞特
    異的移行用多機能性リガンド系であって、免疫原性では
    ない多機能性リガンド系。
  2. 【請求項2】2つのリガンドを一緒に連結させるコネク
    ターを更に含んでいて、そのコネクターが2つのリンカ
    ーからなる、請求項1に記載のリガンド系。
  3. 【請求項3】標的細胞特異的リガンドが標的細胞の表面
    と結合する、請求項1または2に記載のリガンド系。
  4. 【請求項4】標的細胞特異的リガンドが、成長因子、サ
    イトカイン、インターフェロン、腫瘍壊死因子、ケモカ
    イン、ペプチドホルモン、アンギオテンシン、キニン、
    ヒスタミン、ステロイドホルモン、接着性分子、VDL
    レセプターリガンド、LDLレセプターリガンド、酸化
    LDLレセプターリガンド、LDL関連レセプタータン
    パク質リガンド、IgG Fcレセプターリガンド、8
    8kDa糖タンパク質レセプターリガンド、アセチル化
    LDLレセプターリガンド、メガリンリガンドおよびビ
    タミンからなる群より選択される、請求項1〜3のいず
    れか一項に記載のリガンド系。
  5. 【請求項5】標的細胞特異的リガンドが標的細胞と結合
    する抗体または抗体断片である、請求項1〜3のいずれ
    か一項に記載のリガンド系。
  6. 【請求項6】抗体断片がF(ab)断片、Fab断
    片、二本鎖Fv断片、一本鎖Fv断片およびFc断片か
    らなる群より選択される、請求項5に記載のリガンド
    系。
  7. 【請求項7】標的細胞特異的リガンドが、抗体Fc断片
    により認識されるFcレセプターの細胞外領域である、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のリガンド系。
  8. 【請求項8】抗体または抗体断片が少くとも部分的にヒ
    ト起源である、請求項5〜7のいずれか一項に記載のリ
    ガンド系。
  9. 【請求項9】遺伝子構築物特異的リガンドが、抗体、抗
    体断片、カチオン性構造単位、およびウイルスのコート
    タンパク質のレセプターからなる群より選択される、請
    求項1〜8のいずれか一項に記載のリガンド系。
  10. 【請求項10】抗体断片がF(ab)断片、Fab断
    片、二本鎖Fv断片および一本鎖Fv断片からなる群よ
    り選択される、請求項9に記載のリガンド系。
  11. 【請求項11】遺伝子構築物特異的リガンドが、抗体F
    c断片により認識されるFcレセプターの細胞外領域で
    ある、請求項1〜8のいずれか一項に記載のリガンド
    系。
  12. 【請求項12】抗体または抗体断片が少くとも部分的に
    ヒト起源である、請求項1〜11のいずれか一項に記載
    のリガンド系。
  13. 【請求項13】抗体または抗体断片が、異種間(xenoge
    nic)物質を核酸に結合させるか、核酸をメチル化する
    か、または核酸をアルキル化させることにより導入され
    た、核酸のエピトープと特異的に結合する、請求項1〜
    12のいずれか一項に記載のリガンド系。
  14. 【請求項14】抗体または抗体断片が非ウイルスキャリ
    ア上のエピトープと結合する、請求項1〜13のいずれ
    か一項に記載のリガンド系。
  15. 【請求項15】非ウイルスキャリアがカチオン性ポリマ
    ー、ペプチド、タンパク質、生物アミン、ポリアミン、
    脂質およびリン脂質からなる群より選択される、請求項
    14に記載のリガンド系。
  16. 【請求項16】抗体または抗体断片がウイルスコートタ
    ンパク質のエピトープと結合する、請求項1〜15のい
    ずれか一項に記載のリガンド系。
  17. 【請求項17】ウイルスがマウス白血病ウイルス、HI
    V、アデノウイルス、単純ヘルペスウイルス、サイトメ
    ガロウイルス、マウスの微小ウイルス、アデノ関連ウイ
    ルス、Sindbis ウイルスおよびワクシニアウイルスから
    なる群より選択される、請求項16に記載のリガンド
    系。
  18. 【請求項18】カチオン性構造単位が、少くとも1つの
    リジン残基、少くとも1つのアルギニン残基、少くとも
    1つのヒスチジン残基および少くとも1つのポリアミン
    を単独でまたは組合せて含む、請求項9に記載のリガン
    ド系。
  19. 【請求項19】コネクターが官能基との共有結合による
    部分からなり、官能基がアミノ残基、ヒドロキシル残
    基、SH残基、カルボキシル残基およびアルデヒド残基
    からなる群より選択される、請求項2〜18のいずれか
    一項に記載のリガンド系。
  20. 【請求項20】少くとも1つのリンカーが融合誘導物質
    である、請求項2〜19のいずれか一項に記載のリガン
    ド系。
  21. 【請求項21】融合誘導物質が合成融合誘導ペプチド、
    細菌融合誘導ペプチドまたはタンパク質、およびペプチ
    ドまたはタンパク質とウイルスとの間の融合産物からな
    る群より選択される、請求項20に記載のリガンド系。
  22. 【請求項22】コネクターが、抗体のヒンジ領域、また
    はGal4タンパク質と組み合わされたGal80タン
    パク質からなる、請求項2〜21のいずれか一項に記載
    のリガンド系。
  23. 【請求項23】(a)抗NCAM組換え一本鎖Fv断片
    からなる標的細胞特異的リガンド(Fv断片の可変重鎖
    および軽鎖は短ペプチド配列で共有結合されている); (b)配列GLFEALLELLESLWELLLEA
    (配列番号:1)を有する融合誘導ペプチドからなるリ
    ンカー;および (c)N‐メチルアデニンに対する組換え抗体からな
    る遺伝子構築物特異的リガンドを含んでなる、請求項1
    に記載のリガンド系。
  24. 【請求項24】遺伝子構築物を更に含んでいる、請求項
    23に記載のリガンド系。
  25. 【請求項25】遺伝子構築物が、そのままのRNA、プ
    ラスミド、そのままの核酸、またはカチオン性ポリマ
    ー、ペプチド、タンパク質または脂質と組み合わされた
    プラスミド、およびウイルスからなる群より選択され
    る、請求項24に記載のリガンド系。
  26. 【請求項26】皮膚疾患、粘膜疾患、神経系疾患、内臓
    疾患、血液凝固疾患、造血系疾患、免疫系疾患、筋肉組
    織疾患と、支持組織または関節疾患を予防または治療す
    る医薬品の製造に関する、請求項1〜25のいずれか一
    項に記載されたリガンド系の使用。
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