JPH11169659A - 酸性ガス吸着分解剤及びその製造方法並びに酸性ガス吸着分解方法 - Google Patents

酸性ガス吸着分解剤及びその製造方法並びに酸性ガス吸着分解方法

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JPH11169659A
JPH11169659A JP9363110A JP36311097A JPH11169659A JP H11169659 A JPH11169659 A JP H11169659A JP 9363110 A JP9363110 A JP 9363110A JP 36311097 A JP36311097 A JP 36311097A JP H11169659 A JPH11169659 A JP H11169659A
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copper
alkoxide
acidic gas
decomposer
porous polymer
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JP9363110A
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Toru Yamamoto
亨 山本
Shigeo Yoshida
重夫 吉田
Masao Morimoto
政雄 森本
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    • Y02C20/00Capture or disposal of greenhouse gases
    • Y02C20/10Capture or disposal of greenhouse gases of nitrous oxide (N2O)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 NOx 、SOx 等の酸性ガスを吸着・分解す
る酸性ガス吸着分解剤を提供する。 【解決手段】 銅単体、銅アルコキシド及び/又はその
他の銅化合物と、無機アルコキシド(銅アルコキシドを
除く)又はその加水分解生成物とを均一に混合し、ゾル
−ゲル法により重縮合又は加水分解・重縮合することに
より、酸性ガスの吸着・分解性能に優れた多孔質ポリマ
ーからなる酸性ガス吸着分解剤を生成する。多孔質ポリ
マーを焼成することにより、銅(II)が銅(I) に還元さ
れ、高い酸性ガス吸着分解性能が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒素酸化物、硫黄
酸化物等の酸性ガス等を吸着・分解する酸性ガス吸着分
解剤に関し、特に無機アルコキシドを銅アルコキシド及
び/又はその他の銅化合物とともにゾル−ゲル法により
加水分解・重縮合して得られる多孔質ポリマーからなる
酸性ガス吸着分解剤、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】生活水
準の上昇に伴って化石燃料の消費量が増大し、窒素酸化
物(以下NOXと略す)のみならず硫黄酸化物(以下S
X と略す)や一酸化炭素、さらに二次的空気汚染とし
てオキシダント、ダイオキシン等による公害の問題が深
刻な問題になってきた。これらの公害物質の発生は先進
工業国では厳しく規制されているもののまだ不十分であ
り、さらに開発途上国の工業化に伴い、益々深刻化して
いる。
【0003】なかでもNOX やSOX 等の酸性ガスを抑
制する方法としては、 1.重油の場合には、水素添加脱硫工程でS分を減らす
方法、 2.燃焼排ガスの一部を循環して、燃焼用空気に混入す
ることによりNOX の発生を防ぐ方法、 3.燃焼用空気を分割して、不完全燃焼分を完全燃焼さ
せる2段階燃焼法によりNOX を減少させる方法、及び 4.排煙脱硫法として、苛性ソーダ、亜硫酸ナトリウ
ム、石灰乳、アンモニア水、硫酸等による吸収法、活性
酸化マンガン法、活性炭吸着法、バナジウム触媒法等に
より、SOX を除去する方法 等が実用化されている。
【0004】残念ながら上記のようなNOX 、SOX
の酸性ガスの抑制方法にもかかわらず、モータリゼーシ
ョンや工業化のスピード及びNOX 、SOX 等の酸性ガ
スの発生量の増加のスピードは酸性ガスの低減化のスピ
ードを大きく上回り、世界的規模で大気汚染の進行は抑
制されていない。またモータリゼーションに関して、電
気自動車の採用等による大気汚染防止の努力はされてい
るものの、特にディーゼルエンジン等の排ガス中に含ま
れるSOX 、NOx 等の酸性ガスの除去、吸収及び分解
に関する対策はいまだ充分とは言い難い。
【0005】現在NOX 、SOX 等の酸性ガスの除去方
法や触媒については広範に研究開発されており、実用化
もされている。例えば特公平6-24630 号は、少なくとも
1種の無機アルコキシドをゾル−ゲル法により加水分解
・重縮合して得られる多孔質ポリマーであって、実質的
に均一なサイズの微粒子又はその集合体の形状を有する
消臭性多孔質ポリマーを開示している。この消臭性多孔
質ポリマーは5大悪臭(アンモニア、メルカプタン、イ
ソ吉草酸、トリメチルアミン、硫化水素)を吸着し、優
れた消臭効果を有するが、NOX 、SOX 等の酸性ガス
に対する吸着・分解性能については未だ充分ではない。
【0006】また、元来ゼオライト中で過剰に銅イオン
交換した試料が、400 ℃以上で処理した場合、窒素分子
を強く吸着する現象が知られており、CuO−SiO2 等も
触媒としての活性が認められている。しかしながら従来
のCuO−SiO2 はイオン交換法により得られたものであ
り、CuOと結合するSiO2 の比表面積が300 m2/g程度と
小さいため、実際の酸性ガスの分解率は低い。このよう
に酸性ガス全般に対して良好な除去作用を有する物質は
現在まで全く提案されていない。
【0007】従って本発明の目的は、自動車等の排気ガ
ス中に含まれるNOX 、SOX 等の酸性ガスを吸着・分
解する酸性ガス吸着分解剤、及びそれを容易に製造し得
る方法、並びに酸性ガス吸着分解方法を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、無機アルコキシド又はそのゾル−
ゲル法による加水分解生成物に銅単体、銅アルコキシド
及び/又はその他の銅化合物を配合し、ゾル−ゲル法に
より加水分解・重縮合すると、三次元網目構造中に酸性
ガス分解触媒が分布する多孔質ポリマーが得られること
を発見し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明の酸性ガス吸着分解剤
は、銅単体、銅アルコキシド及びその他の銅化合物から
なる群から選ばれた少なくとも1種と、無機アルコキシ
ド(銅アルコキシドを除く)又はその加水分解生成物の
混合物から重縮合又は加水分解・重縮合により生成した
多孔質ポリマーからなることを特徴とする。
【0010】第一の態様では、上記多孔質ポリマーは、
銅アルコキシド及び無機アルコキシド(銅アルコキシド
を除く)を含有する実質的に均一な混合物をゾル−ゲル
法により加水分解し、重縮合して得られる。
【0011】第二の態様では、上記多孔質ポリマーは、
無機アルコキシド(銅アルコキシドを除く)をゾル−ゲ
ル法により加水分解した後、銅アルコキシドを実質的に
均一に混合し、重縮合又は加水分解・重縮合して得られ
る。
【0012】第三の態様では、上記多孔質ポリマーは、
(a) (i) 銅単体及び/又は銅アルコキシド以外の銅化合
物、又は(ii)銅単体及び/又は銅アルコキシド以外の銅
化合物+銅アルコキシドと、(b) 無機アルコキシド(銅
アルコキシドを除く)とを含有する実質的に均一な混合
物をゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合して得られ
る。
【0013】第四の態様では、上記多孔質ポリマーは、
無機アルコキシド(銅アルコキシドを除く)をゾル−ゲ
ル法により加水分解した後、(i) 銅単体及び/又は銅ア
ルコキシド以外の銅化合物、又は(ii)銅単体及び/又は
銅アルコキシド以外の銅化合物+銅アルコキシドとを実
質的に均一に混合し、重縮合又は加水分解・重縮合して
得られる。
【0014】本発明の酸性ガス吸着分解剤は、上記成分
のほかにAg、Mg、Ni、V等の遷移金属又はこれらの化合
物(例えば酸化物)を含有してもよい。これらの成分は
無機アルコキシドの加水分解前又は後に添加する。
【0015】本発明の酸性ガス吸着分解方法は、上記酸
性ガス吸着分解剤を酸性ガスに接触させることを特徴と
する。
【0016】多孔質ポリマーからなる酸性ガス吸着分解
剤を製造する本発明の方法は、銅単体、銅アルコキシド
及び/又はその他の銅化合物と無機アルコキシド(銅ア
ルコキシドを除く)又はそのゾル−ゲル法による加水分
解生成物とを実質的に均一に混合し、ゾル−ゲル法によ
り加水分解・重縮合し、もって前記多孔質ポリマーを製
造することを特徴とする。
【0017】第一の態様では、銅アルコキシドと無機ア
ルコキシド(銅アルコキシドを除く)とを実質的に均一
に混合し、ゾル−ゲル法により加水分解し、重縮合させ
ることにより多孔質ポリマーを製造する。
【0018】第二の態様では、無機アルコキシド(銅ア
ルコキシドを除く)をゾル−ゲル法により加水分解した
後、銅アルコキシドを実質的に均一に混合し、ゾル−ゲ
ル法により重縮合又は加水分解・重縮合させることによ
り多孔質ポリマーを製造する。
【0019】第三の態様では、(a) (i) 銅単体及び/又
は銅アルコキシド以外の銅化合物、又は(ii)銅単体及び
/又は銅アルコキシド以外の銅化合物+銅アルコキシド
と、(b) 銅アルコキシド以外の無機アルコキシドとを実
質的に均一に混合し、ゾル−ゲル法により加水分解し、
重縮合させることにより多孔質ポリマーを製造する。
【0020】第四の態様では、銅アルコキシド以外の無
機アルコキシドをゾル−ゲル法により加水分解し、それ
に(i) 銅単体及び/又は銅アルコキシド以外の銅化合
物、又は(ii)銅単体及び/又は銅アルコキシド以外の銅
化合物+銅アルコキシドを実質的に均一に混合し、ゾル
−ゲル法により重縮合又は加水分解・重縮合させること
により多孔質ポリマーを製造する。
【0021】本発明の酸性ガス吸着分解剤の製造方法に
おいて、無機アルコキシドの加水分解前又は後にAg、M
g、Ni、V等の遷移金属又はこれらの化合物(例えば酸
化物)を添加してもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の酸性ガス吸着分解剤、そ
の製造方法及び酸性ガスの吸着分解方法について、以下
詳細に説明する。
【0023】[1] 多孔質ポリマーの出発物質 [A] 銅化合物 (1) 銅アルコキシド 銅アルコキシドは、Cu(OR)2 (ただしRはアルキル基で
あり、炭素数は1〜8が好ましい。)により表される。
このような銅アルコキシドとしては、Cu(OCH3)2 、Cu(O
C2H5)2等が挙げられる。なかでもCu(OC2H5)2が好まし
い。
【0024】(2) 銅単体 銅単体は硫黄酸化物の除去に特に有効である。銅単体と
しては銅粉を使用することができる。銅粉の粒径は数百
μm以下であれば良く、例えば200 μm以下とするのが
好ましい。
【0025】(3) 銅アルコキシド以外の銅化合物 銅アルコキシド以外の銅化合物としては、銅の水酸化
物、炭酸塩、酸化物、無機酸塩、有機酸塩又はハロゲン
化物が好ましく、例えば水酸化銅(II)、炭酸銅、炭酸二
水化二銅、酸化銅(I) 、酸化銅(II)、塩化銅(I) 、塩化
銅(II)、塩化アンモニウム銅(II)、硫酸銅(I) 、硫酸銅
(II)、クエン酸銅(II)、ギ酸銅(II)、グルコン酸(II)銅
等が挙げられる。
【0026】[B] 銅アルコキシド以外の無機アルコキシ
ド 銅アルコキシド以外の無機アルコキシドは、銅以外の金
属又は非金属のアルコキシドであり、好ましくは一般
式:M(OR)m (ただしMはLi、Na、Mg、Ca、Sr、Ba、Z
n、B、Al、Ga、Y、Si、Ge、Pb、P、Sb、Ta、W、L
a、Nd、Ni、Zr及びTiからなる群から選ばれた少なくと
も1種の元素であり、Rはアルキル基であり、mはMの
原子価に相当する整数である。)で表される。Rの炭素
数は1〜8が好ましい。銅アルコキシド以外の無機アル
コキシドの具体例を以下に列挙する。
【0027】(1) アルコキシシラン MがSi(原子価:4)の場合にはSi(OR)4 により表され
る。このようなアルコキシシランとしては、Si(OC
H3)4 、Si(OC2H5)4等が挙げられる。なかでもSi(OC
2H5 )4が好ましい。
【0028】(2) アルミニウムアルコキシド MがAl(原子価:3)の場合にはAl(OR)3 により表され
る。このようなアルミニウムアルコキシドとしては、Al
(OCH3)3 、Al(OC2H5)3、Al(O-n-C3H7)3 、Al(O-i-C3H7)
3 、Al(OC4H9)3等が挙げられる。
【0029】(3) チタニウムアルコキシド MがTi(原子価:4)の場合にはTi(OR)4 により表され
る。このようなチタニウムアルコキシドとしては、Ti(O
CH3)4 、Ti(OC2H5)4、Ti(OC3H7)4、Ti(OC4H9)4、Ti(O-i
-C3H7)4 等が挙げられる。
【0030】(4) ジルコニウムアルコキシド MがZr(原子価:4)の場合にはZr(OR)4 により表され
る。このようなジルコニウムアルコキシドとしては、Zr
(OCH3)4 、Zr(OC2H5)4、Zr(O-i-C3H7)4 、Zr(O-t-C4H9)
4 、Zr(O-n-C4H9)4 等が挙げられる。なかでもZr(OC
3H7)4、Zr(O-t-C4H9)4 が好ましい。
【0031】(5) マグネシウムアルコキシド MがMg(原子価:2)の場合にはMg(OR)2 により表され
る。Mg(OCH3)2 、Mg(OC2H5)2、さらに二金属アルコキシ
ドであるMg[Al(O-i-C3H7)3]2等が挙げられる。
【0032】(6) その他の無機アルコキシド その他の無機アルコキシドとしては、Ca(OC2H5)2、Fe(O
C2H5)3、V(O-i-C3H7)4、V(O-i-C4H9)4、Sn(OC2H5)4、Sn
(O-i-C4H9)4 、Sn(O-t-C4H9)4 、Li(OC2H5) 、Be(OC
2H5)2、B(OC2H5)3 、Y(OCH3)3、Y(OC2H5)3 、P(OC
H3)3、P(OC2H5)3 、及び二金属アルコキシドNi[Al(i-OC
3H7)4]2 等が挙げられる。
【0033】[C] 組合せ 上記成分の組合せは、具体的には以下の通りである。 第一の態様:銅アルコキシド+無機アルコキシド(銅ア
ルコキシドを除く)。 第二の態様:銅アルコキシド+無機アルコキシド(銅ア
ルコキシドを除く)のゾル−ゲル法による加水分解生成
物。 第三の態様:[(i) 銅アルコキシド以外の銅化合物又は
(ii)銅アルコキシド以外の銅化合物+銅アルコキシド]
+無機アルコキシド。 第四の態様:[(i) 銅アルコキシド以外の銅化合物又は
(ii)銅アルコキシド以外の銅化合物+銅アルコキシド]
+無機アルコキシドのゾル−ゲル法による加水分解生成
物。
【0034】[D] 配合比 第一〜第四のいずれの態様の場合も、銅化合物(銅アル
コキシド及び/又はその他の銅化合物)の添加量は、無
機アルコキシド(銅アルコキシドを除く)1モルに対し
て、0.01〜3モルが好ましく、0.05〜2モルが特に好ま
しい。0.01モル未満であると窒素酸化物に対する吸着分
解性能が低下し、また3モルを超えると比表面積が減少
し、吸着分解作用が不足する。
【0035】[E] 硫黄酸化物分解触媒 本発明の多孔質ポリマーには硫黄酸化物分解触媒を配合
しても良い。硫黄酸化物分解触媒としては、Ag、Mg、N
i、V等の遷移金属又はこれらの化合物(例えば酸化
物)が好ましい。これらの金属単体又は化合物は粉末状
で使用するのが好ましく、その平均粒径は500 μm以
下、特に200 μm以下が好ましい。
【0036】硫黄酸化物分解触媒の添加量(併用の場合
は合計量)は、無機アルコキシド1モルに対して0.1 〜
0.5 モルが好ましく、0.2 〜0.4 モルがより好ましい。
0.1モル未満であると硫黄酸化物の分解作用が不十分で
あり、また0.5 モルを超えると比表面積が減少し、酸性
ガスの吸着分解作用に悪影響を与える。
【0037】[2] 酸性ガス吸着分解剤の製造方法 (A) 第一の態様 (1) 溶解 銅アルコキシドと無機アルコキシド(銅アルコキシドを
除く)とを溶媒に混合する。溶媒としては、加水分解用
の水及び水溶性有機溶媒の混合溶媒を用いるのが好まし
い。アルコキシドの合計濃度を100 〜600 g/リットル
とするのが好ましく、300 〜500 g/リットルとするの
がより好ましい。
【0038】(a) 水溶性有機溶媒 水溶性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、ブ
タノール、プロパノール、ペンタノール、ヘキサノー
ル、アセトン、メチルエチルケトン、ホルムアミドが挙
げられる。
【0039】(b) 水 水の使用量は、無機アルコキシド1モルに対し10モル以
下、好ましくは1〜10モル、より好ましくは2〜8モ
ル、特に好ましくは3〜7モルである。水の使用量が少
なすぎるとアルコキシドの加水分解が遅く、縮合反応が
進行しにくい。但し空気中の水分によっても加水分解が
徐々に進行するため、溶媒中に必ずしも水を添加する必
要はない。特にジルコニウム等を含む吸湿性の高いアル
コキシドを使用する場合には水を加える必要はない。水
の量が10モルを超えると、得られる多孔質ポリマーの酸
性ガス吸着・分解特性が低下する。
【0040】(2) 加水分解 上記溶液にゾル−ゲル法触媒を加え、0.5 〜2時間撹拌
すると、実質的に加水分解が完了し、反応液はゾル化
し、乳濁状になるか沈殿物が生成する。ゾル−ゲル法触
媒としては酸触媒又は塩基触媒を使用することができる
が、酸触媒が好ましい。但し加水分解の際に反応液を激
しく撹拌する場合には、空気中の二酸化炭素が取り込ま
れて炭酸が生じ、酸触媒として作用するので、酸触媒を
添加しなくても良い。また塩基触媒としてアンモニアを
用いても良い。
【0041】酸触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸等の
鉱酸、塩化水素ガス等の鉱酸の無水物、酒石酸、フ
タル酸、マレイン酸、ドデシルコハク酸、ヘキサヒドロ
フタル酸、メチルナジック酸、ピロメリット酸、ベンゾ
フェノンテトラカルボン酸、ジクロルコハク酸、クロレ
ンディック酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水ド
デシルコハク酸、無水へキサヒドロフタル酸、無水メチ
ルナジック酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノ
ンテトラカルボン酸、無水ジクロルコハク酸、無水クロ
レンディック酸等の有機酸及びその無水物が挙げられ
る。
【0042】触媒の使用量は、無機アルコキシド1モル
に対して0.001 〜0.5 モルが好ましく、0.005 〜0.3 モ
ルがより好ましい。0.001 モル未満の場合には加水分解
が不充分となるおそれがあり、また0.5 モルを超えると
重縮合反応が過剰に進行し、粘度が増大しすぎるおそれ
がある。
【0043】(3) 重縮合 加水分解生成物のゾル(沈殿物又は乳濁液)に塩基触媒
を加え、重縮合反応を進行させてゲル化することによ
り、各種形態の多孔質ポリマーを製造することができ
る。ゲル化時間は塩基触媒の量により数秒〜数時間の範
囲で調整することが可能である。特にゾルのpHを6〜8
程度に調整し、塩基触媒を少量にすることによりゲル化
時間を10分〜2時間とするのが好ましい。重縮合温度は
20〜85℃が好ましく、20〜30℃がより好ましい。塩基触
媒は、無機アルコキシドの加水分解生成物の重縮合反応
用触媒として、またその急速な架橋反応及び三次元網目
構造形成用の触媒として作用する。
【0044】塩基触媒としては、無機塩基及び有機塩基
のいずれでも良い。無機塩基として、水酸化カルシウ
ム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウ
ム、水酸化ルビジウム、水酸化マグネシウム、アンモニ
ア等が挙げられる。また有機塩基としては、第一アミ
ン、第二アミン、第三アミン、ポリアミン、アミン錯体
等が挙げられる。有機塩基の具体例として、エチレンジ
アミン、ジエチレントリアミン、エタノールアミン、ブ
チルアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノ
プロピルアミン、N-アミノエチルピペラジン、N,N-ジメ
チルベンジルアミン、トリプロピルアミン、トリブチル
アミン、トリペンチルアミン、トリス(ジメチルアミノ
メチル)フェノール、メタフェニレンジアミン、ジアミ
ノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ポ
リアミド樹脂、ジシアンジアミド、三フッ化ホウ素・モ
ノエチルアミン、メンタンジアミン、キシリレンジアミ
ン、エチルメチルイミダゾール等が挙げられる。
【0045】塩基触媒のうち、水に実質的に不溶で有機
溶媒に可溶な第三アミン(例えばN,N-ジメチルベンジル
アミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリ
ペンチルアミン等)、及びアンモニアが好ましく、N,N-
ジメチルベンジルアミンがより好ましい。特にアンモニ
アガスを用いると、微細粒子状の多孔質ポリマーを得る
ことができ、N,N-ジメチルベンジルアミンを用いると、
比表面積の大きい多孔質ポリマーを得ることができる。
【0046】塩基触媒の使用量は、無機アルコキシド1
モルに対して0.002 〜1.5 モルであるのが好ましい。0.
002 モル未満では重縮合反応の進行が遅く、1.5 モルを
超えると重縮合反応が急速に進行するため、得られる多
孔質ポリマーが不均一となるおそれがある。なお塩基触
媒として水に不溶で有機溶媒に可溶な第三アミンを使用
する場合、その使用量は0.004 〜0.008 モルであるのが
好ましい。第三アミン以外の場合には0.1 〜1.5 モルで
あるのが好ましい。
【0047】上述の銅アルコキシド、無機アルコキシ
ド、ゾル−ゲル法触媒、及び溶媒を一度に混合して加水
分解反応及び重縮合反応を進行させ、多孔質ポリマーを
得ることもできる。
【0048】(4) 乾燥 ゲル状物を粉砕して200 ℃以下、好ましくは100 〜180
℃、より好ましくは120 〜150 ℃で1〜8時間加熱脱水
することにより、微粒子状の多孔質ポリマーを得ること
ができる。またゾルをキャスティングし、溶媒を乾燥・
除去することにより、多孔質フィルムとすることもでき
る。
【0049】多孔質ポリマーを微粒子状とする他に、各
種の繊維材料、金属材料、プラスチック材料、木材等の
基材に付着させることもできる。その場合にはゾルを基
材に塗布又は含浸させ、200 ℃以下の温度で乾燥する。
なお多孔質ポリマーを繊維材料、プラスチック材料等に
付着させる場合には、反応液にシランカップリング剤を
添加するのが好ましい。
【0050】(5) 焼成 多孔質ポリマーを乾燥後焼成するのが好ましい。焼成は
不活性雰囲気中、還元性雰囲気中又は真空中で行うのが
好ましい。特に約100 mmHg以下に減圧し、400〜800
℃、より好ましくは500 〜700 ℃で1〜3時間焼成する
のが好ましい。焼成により銅アルコキシド中の銅(II)が
銅(I) に還元されて、高い酸性ガス吸着分解性能が得ら
れる。
【0051】(B) 第二の態様 第二の態様は、無機アルコキシド(銅アルコキシドを除
く)を加水分解した後に銅アルコキシドを添加すること
以外、実質的に第一の態様と同じである。
【0052】(C) 第三の態様 第三の態様は、銅アルコキシド以外の銅化合物を添加す
ること以外、第一の態様と同じである。焼成により、銅
(II)化合物が銅(I) に還元されて、高い酸性ガス吸着分
解性能が得られる。
【0053】(D) 第四の態様 第四の態様は、無機アルコキシド(銅アルコキシドを除
く)を加水分解した後に銅アルコキシド以外の銅化合物
を添加すること以外、第二の態様と同じである。焼成に
より、銅(II)化合物が銅(I) に還元されて、高い酸性ガ
ス吸着分解性能が得られる。
【0054】[3] 多孔質ポリマーの物性 本発明の多孔質ポリマーは実質的に均一な粒径の微粒子
状、塊状又はフィルム状に形成することができる。微粒
子状の場合、本発明では少量の触媒により均一溶液中で
重縮合反応が進行するため、多孔質ポリマー粒子(一次
微粒子)は10〜15nmと平均粒径が小さく、かつ粒径が均
一である。この一次粒子は0.1 〜1nmの微細孔を有す
る。さらに重縮合反応が進行すると、一次微粒子同士が
結合し、隙間の多い三次元網目構造の多孔質ポリマー粒
子(二次微粒子)が形成される。また多孔質フィルム状
の場合、ゾル−ゲル法により得た乳濁液を基材に塗布す
れば良い。
【0055】本発明の多孔質ポリマーの気孔率は約60%
程度であり、吸着表面積が活性炭の数倍以上と大きいた
め、効果的な吸着作用を発揮する。また本発明の多孔質
ポリマーは1500〜2000m2/gの比表面積を有する。
【0056】多孔質ポリマーは実質的に無機ポリマーで
あり、焼成により三次元網目構造が変化することは実質
的にない。銅アルコキシド及び/又は銅化合物由来の銅
(I)が多孔質ポリマーの三次元網目構造に内在する。ア
ルコキシシランSi(OR)4 及び水酸化銅(II)Cu(OH)2 から
なる多孔質ポリマーを例にとって、以下詳細に説明す
る。
【0057】アルコキシシランと水酸化銅(II)とからな
る多孔質ポリマー中のシロキサン鎖は、重縮合の過程で
塩基触媒(特にN,N-ジメチルベンジルアミン)の作用に
より三次元的に発達するとともに、水酸化銅(II)のOH基
からHが奪取され、下記のような形に架橋する。
【化1】
【0058】これを200 ℃以下の温度で乾燥し、さらに
真空中で400 〜800 ℃で焼成することにより、下記式:
【化2】 に示すように、Cu(II)はCu(I) に還元され、酸素原子は
酸素ガスとして放出され、三次元網目構造が多孔質化す
る。Cu(I) は、三次元網目構造中で直線状又は平面状構
造を有し、強い窒素酸化物及び窒素の吸着性及び分解性
を発揮する。
【0059】[4] 酸性ガス吸着分解方法 上記酸性ガス吸着分解剤を酸性ガスに接触させると、酸
性ガスは多孔質ポリマーの三次元網目構造に内在する銅
(I) に吸着され、分解される。酸性ガスとして、窒素酸
化物、硫黄酸化物、酢酸ガス、フッ化水素ガス等が挙げ
られる。酸性ガス吸着分解方法を実施する温度は0〜30
0 ℃が好ましくい。
【0060】 酸性ガス吸着分解剤は粉末の状態で用いる
ことが可能である。この場合、粉末状の酸性ガス吸着分
解剤を反応管内に充填し、酸性ガスを含有する気体を通
過させる。実用的には、酸性ガス吸着分解剤を板状、ハ
ニカム状等の三次元構造体に成形し、又は前述した方法
で各種繊維材料、金属材料、プラスチック材料、木材等
の基材の表面に付着させて、反応装置内に配置するのが
好ましい。
【0061】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0062】実施例1 テトラエトキシシラン[Si(OC2H5)4]の4量体(商品
名:エチルシリケート40、コルコート社製)とエタノー
ルとを混合し、25℃で3分間撹拌した後、2Nの塩酸及び
水を添加し、25℃で1時間撹拌した。この溶液に銅(II)
メトキシド[Cu(OCH3)2 ]、及びN,N-ジメチルベンジル
アミンを添加し、さらに1時間撹拌し、緑色の固体を得
た。この固体を25℃で乾燥し粉砕して得た粉末を150 ℃
で6時間加熱乾燥後、真空下500 ℃で2時間焼成し、粉
末状の酸性ガス吸着分解剤を得た。使用した成分の添加
量を表1に示す。
【0063】 注:(1) エチルシリケート40を1としたときの各成分の
モル比。 (2) テトラエトキシシランの4量体(コルコート社
製)。
【0064】得られた酸性ガス吸着分解剤の粉末1gを
100 mlのガラス容器に入れて、ガラス容器を密閉した
後、一酸化窒素及び二酸化窒素の等モル混合物(濃度:
500ppm)をガラス容器に注入し、ガラス容器内の空気中
の窒素酸化物(一酸化窒素+二酸化窒素)の濃度を250p
pmとした。25℃に10分間放置後、ガラス容器内の窒素酸
化物濃度をガス検知管(ガステック(株)製)で測定し
たところ、窒素酸化物の90.0%が吸着分解されたことが
分かった。
【0065】実施例2 テトラエトキシシランの4量体(商品名:エチルシリケ
ート40、コルコート社製)とエタノールとを混合した溶
液に2Nの塩酸及び水を添加し、25℃で1時間撹拌した。
さらにこの溶液にエタノール及び塩化銅(I) (CuCl2
を添加して1分間撹拌し、緑色の固体を得た。この固体
を25℃で乾燥し粉砕して得た粉末を150℃で6時間加熱
乾燥後、真空下500 ℃で2時間焼成し、粉末状の酸性ガ
ス吸着分解剤を得た。使用した成分の添加量を表2に示
す。
【0066】 注:(1) 、(2) 同上。
【0067】得られた酸性ガス吸着分解剤の粉末1gを
100 mlのガラス容器に入れて、実施例1と同じ方法で窒
素酸化物の除去率を求めたところ、25℃に10分間放置後
に窒素酸化物の86.0%が吸着分解されたことが分かっ
た。
【0068】比較例1 塩化銅(I) CuCl2 を添加しない以外は実施例2と同じ方
法により、粉末状の酸性ガス吸着分解剤を調製した。得
られた酸性ガス吸着分解剤を用いて、実施例2と同じ方
法で窒素酸化物の除去率を求めた結果、25℃に10分間放
置後の除去率は12.0%と低かった。
【0069】実施例3 テトラエトキシシランの4量体(商品名:エチルシリケ
ート40、コルコート社製)とエタノールとを混合し、2N
の塩酸及び水を添加し、25℃で1時間撹拌した。さらに
この溶液にエタノール及び塩基性炭酸銅を添加し25℃で
1分間撹拌し、緑色の固体を得た。この固体を25℃で乾
燥し粉砕して得た粉末を150 ℃で6時間加熱乾燥後、真
空下500 ℃で2時間焼成し、粉末状の酸性ガス吸着分解
剤を得た。使用した成分の添加量を表3に示す。
【0070】 注:(1) 、(2) 同上。
【0071】得られた酸性ガス吸着分解剤の粉末1gを
100 mlのガラス容器に入れて、ガラス容器を密閉した
後、酢酸ガスをガラス容器に注入し、内部の酢酸濃度を
250ppmとした。25℃に10分間放置後、ガラス容器内の酢
酸ガスの濃度をガス検知管(ガステック(株)製)で測
定したところ、酢酸ガスの90.4%が吸着されたことが分
かった。
【0072】実施例4 テトラエトキシシランの4量体(商品名:エチルシリケ
ート40、コルコート社製)とエタノールとを混合し、25
℃で3分間撹拌した後、2Nの塩酸及び水を添加し、25℃
で1時間を撹拌した。この溶液に銅粉末(平均粒径100
μm)及びN,N-ジメチルベンジルアミンを添加し、さら
に1時間撹拌して緑色の固体を得た。この固体を25℃で
乾燥し粉砕して得た粉末を150 ℃で6時間加熱乾燥後、
真空下500 ℃で2時間焼成し、黒色粉末状の酸性ガス吸
着分解剤を得た。使用した成分の添加量を表4に示す。
【0073】 注:(1) 、(2) 同上。
【0074】得られた酸性ガス吸着分解剤の粉末1gを
100 mlのガラス容器に入れて、ガラス容器を密閉した
後、二酸化硫黄(SO2 )ガスを濃度が250ppmになるよう
にガラス容器に注入した。25℃に10分間放置後、ガラス
容器内の二酸化硫黄ガス濃度をガス検知管(ガステック
(株)製)で測定したところ、二酸化硫黄ガスの90.4%
が吸着分解されたことが分かった。
【0075】実施例5 テトラエトキシシランの4量体(商品名:エチルシリケ
ート40、コルコート社製)とエタノールとを混合し、25
℃で3分間撹拌した後、2Nの塩酸及び水を添加し、25℃
で1時間を撹拌した。さらにこの溶液に酸化銅(II)CuO
粉末、及び塩基触媒としてN,N-ジメチルベンジルアミン
を添加し、1時間撹拌して黒色の固体を得た。この固体
を25℃で乾燥し粉砕して得た粉末を150 ℃で6時間加熱
乾燥後、真空下500 ℃で2時間焼成し、粉末状の酸性ガ
ス吸着分解剤を得た。使用した成分の添加量を表5に示
す。
【0076】 注:(1) 、(2) 同上。
【0077】得られた酸性ガス吸着分解剤の粉末1gを
100 mlのガラス容器に入れて、ガラス容器を密閉した
後、混合窒素酸化物ガス(一酸化窒素+二酸化窒素)を
濃度が250ppmになるようにガラス容器に注入した。25℃
に10分間放置後、ガラス容器内空気中の窒素酸化物ガス
濃度をガス検知管(ガステック(株)製)で測定したと
ころ、窒素酸化物ガスの90.0%が吸着分解されたことが
分かった。
【0078】
【発明の効果】本発明の酸性ガス吸着分解剤は、無機ア
ルコキシドの加水分解及び重縮合により形成された多孔
質ポリマーが三次元網目構造状であり、活性炭よりも広
い表面積を有するので、内在する銅(I) が酸性ガスを効
率良く吸着・分解することができる。
【0079】また本発明の酸性ガス吸着分解剤の製造方
法はゾル−ゲル法により酸性ガス吸着分解剤を製造する
ため、実質的に均一で微細な微粒子又はその集合体(塊
状物、フィルム等)を形成することができる。また製造
工程数が少なく、焼成温度が低いため、酸性ガス吸着分
解剤を安価に大量生産することができる。
【0080】本発明の酸性ガス吸着分解剤、酸性ガス吸
着分解剤の製造方法、及び酸性ガス吸着分解方法は、大
気中や自動車、工業燃焼機器等の排ガス中の酸性ガスの
除去に広く応用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01J 23/72 B01D 53/34 123C 31/06 (72)発明者 吉田 重夫 滋賀県野洲郡野洲町大字大篠原6番地 株 式会社中戸研究所内 (72)発明者 森本 政雄 滋賀県野洲郡野洲町大字大篠原6番地 株 式会社中戸研究所内

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅単体、銅アルコキシド及びその他の銅
    化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種と、無機
    アルコキシド(銅アルコキシドを除く)又はその加水分
    解生成物との混合物から重縮合又は加水分解・重縮合に
    より生成した多孔質ポリマーからなることを特徴とする
    酸性ガス吸着分解剤。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の酸性ガス吸着分解剤に
    おいて、銅アルコキシドと銅アルコキシド以外の無機ア
    ルコキシドとの混合物から形成した多孔質ポリマーから
    なることを特徴とする酸性ガス吸着分解剤。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の酸性ガス吸着分解剤に
    おいて、銅アルコキシドと、銅アルコキシド以外の無機
    アルコキシドのゾル−ゲル法による加水分解生成物との
    混合物から形成した多孔質ポリマーからなることを特徴
    とする酸性ガス吸着分解剤。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の酸性ガス吸着分解剤に
    おいて、(a) (i) 銅単体及び/又は銅アルコキシド以外
    の銅化合物、又は(ii)銅単体及び/又は銅アルコキシド
    以外の銅化合物+銅アルコキシドと、(b) 銅アルコキシ
    ド以外の無機アルコキシドとの混合物から形成した多孔
    質ポリマーからなることを特徴とする酸性ガス吸着分解
    剤。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の酸性ガス吸着分解剤に
    おいて、(a) (i) 銅単体及び/又は銅アルコキシド以外
    の銅化合物、又は(ii)銅単体及び/又は銅アルコキシド
    以外の銅化合物+銅アルコキシドと、(b) 銅アルコキシ
    ド以外の無機アルコキシドのゾル−ゲル法による加水分
    解生成物との混合物から形成した多孔質ポリマーからな
    ることを特徴とする酸性ガス吸着分解剤。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の酸性ガ
    ス吸着分解剤において、前記銅アルコキシド以外の銅化
    合物が銅の水酸化物、炭酸塩、酸化物、無機酸塩、有機
    酸塩及びハロゲン化物からなる群から選ばれた少なくと
    も1種の化合物であることを特徴とする酸性ガス吸着分
    解剤。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の酸性ガ
    ス吸着分解剤において、さらにAg、Mg、Ni、V及びこれ
    らの化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種を含
    有することを特徴とする酸性ガス吸着分解剤。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の酸性ガ
    ス吸着分解剤において、前記多孔質ポリマーが焼成され
    ていることを特徴とする酸性ガス吸着分解剤。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の酸性ガス吸着分解剤に
    おいて、前記多孔質ポリマーが三次元網目構造状であ
    り、前記多孔質ポリマー中の銅が実質的にCu(I)の状態
    にあることを特徴とする酸性ガス吸着分解剤。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の酸性ガ
    ス吸着分解剤において、前記多孔質ポリマーが実質的に
    均一な粒径の微粒子状、塊状又は膜状であることを特徴
    とする酸性ガス吸着分解剤。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載の酸性ガ
    ス吸着分解剤を酸性ガスに接触させることを特徴とする
    酸性ガスの吸着・分解方法。
  12. 【請求項12】 多孔質ポリマーからなる酸性ガス吸着分
    解剤の製造方法であって、(1) (a) 銅単体、銅アルコキ
    シド及びその他の銅化合物からなる群から選ばれた少な
    くとも1種と、(b) 無機アルコキシド(銅アルコキシド
    を除く)又はそのゾル−ゲル法による加水分解生成物と
    を実質的に均一に混合し、(2) ゾル−ゲル法により加水
    分解・重縮合し、もって前記多孔質ポリマーを製造する
    ことを特徴とする方法。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の酸性ガス吸着分解剤の
    製造方法において、銅アルコキシドと銅アルコキシド以
    外の無機アルコキシドとを混合することを特徴とする方
    法。
  14. 【請求項14】 請求項12に記載の酸性ガス吸着分解剤の
    製造方法において、銅アルコキシド以外の無機アルコキ
    シドをゾル−ゲル法により加水分解し、それに銅アルコ
    キシドを混合することを特徴とする方法。
  15. 【請求項15】 請求項12に記載の酸性ガス吸着分解剤の
    製造方法において、(a) (i) 銅単体及び/又は銅アルコ
    キシド以外の銅化合物、又は(ii)銅アルコキシド以外の
    銅化合物+銅アルコキシドと、(b) 銅アルコキシド以外
    の無機アルコキシドとを混合することを特徴とする方
    法。
  16. 【請求項16】 請求項12に記載の酸性ガス吸着分解剤の
    製造方法において、銅アルコキシド以外の無機アルコキ
    シドをゾル−ゲル法により加水分解し、それに(i) 銅単
    体及び/又は銅アルコキシド以外の銅化合物、又は(ii)
    銅単体及び/又は銅アルコキシド以外の銅化合物+銅ア
    ルコキシドを混合することを特徴とする方法。
  17. 【請求項17】 請求項12〜16のいずれかに記載の酸性ガ
    ス吸着分解剤の製造方法において、前記銅アルコキシド
    以外の銅化合物が銅の水酸化物、炭酸塩、酸化物、無機
    酸塩、有機酸塩及びハロゲン化物からなる群から選ばれ
    た少なくとも1種の化合物であることを特徴とする方
    法。
  18. 【請求項18】 請求項12〜17のいずれかに記載の酸性ガ
    ス吸着分解剤の製造方法において、前記無機アルコキシ
    ドの加水分解前又は後に、Ag、Mg、Ni、V及びこれらの
    化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種を添加す
    ることを特徴とする方法。
  19. 【請求項19】 請求項12〜18のいずれかに記載の酸性ガ
    ス吸着分解剤の製造方法において、前記多孔質ポリマー
    を真空中、不活性雰囲気中又は還元性雰囲気中で400 〜
    800 ℃の温度で焼成することを特徴とする方法。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載の酸性ガス吸着分解剤の
    製造方法において、前記多孔質ポリマーを焼成前に200
    ℃以下の温度で加熱乾燥することを特徴とする方法。
  21. 【請求項21】 請求項12〜20のいずれかに記載の酸性ガ
    ス吸着分解剤の製造方法において、前記ゾル−ゲル法を
    酸触媒及び/又は塩基触媒の存在下で行うことを特徴と
    する酸性ガス吸着分解剤の製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載の方法において、前記塩
    基触媒が水に実質的に不溶で有機溶媒に可溶な第三アミ
    ンであることを特徴とする酸性ガス吸着分解剤の製造方
    法。
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