JPH11166012A - オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

オレフィン重合用触媒およびオレフィン重合体の製造方法

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JPH11166012A
JPH11166012A JP33278597A JP33278597A JPH11166012A JP H11166012 A JPH11166012 A JP H11166012A JP 33278597 A JP33278597 A JP 33278597A JP 33278597 A JP33278597 A JP 33278597A JP H11166012 A JPH11166012 A JP H11166012A
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JP
Japan
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group
containing substituent
cyclopentadienyl
component
ion
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JP33278597A
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Hajime Takahashi
肇 高橋
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微粉の発生が少なく、かつ、嵩密度の高いポ
リマー性状に優れたオレフィン重合用触媒およびオレフ
ィン重合体の製造方法を提供。 【解決手段】 下記成分(A)と成分(B)からなるオ
レフィン重合用触媒。 成分(A):次の式で表わされるメタロセン系遷移金属
化合物 【化1】(CpR1 a 5-a p (CpR2 b 5-b
q MR3 r 4 s 成分(B):イオン交換性層状珪酸塩

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン重合用
の新しい触媒およびそれを用いたオレフィンの重合方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】メタロセンおよびアルミノキサンからな
る触媒の存在下にオレフィンを重合することは知られて
いる(特公平4−12283号公報、特開昭60−35
007号公報等)。しかしながら、この触媒系は使用す
るアルモキサンが高価であり、かつこれを多量に使用す
るという問題点を有する。また、反応系に可溶性である
ことが多く、このため、スラリー重合あるいは気相重合
で得られる重合体は、粒子性状が不定形で嵩密度が小さ
く、微粉が多い等、工業化にあたって問題を有してい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、微粉の発生
が少なく、かつ、嵩密度の高いポリマー性状に優れたオ
レフィン重合用触媒およびオレフィン重合体の製造方法
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】これらの問題を解決すべ
く鋭意検討した結果、活性化剤としての有機アルミニウ
ムを使用しない、反応系に不溶性の、スラリー重合ある
いは気相重合に適した触媒系を発見し、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、下記成分(A)と成分(B)
からなるオレフィン重合用触媒を提供するものである。 成分(A):次の式で表わされるメタロセン系遷移金属
化合物
【0005】
【化2】(CpR1 a 5-a p (CpR2 b 5-b
q MR3 r 4 s
【0006】(ここで、Cpはシクロペンテタジエニル
基、R1 、R2 は炭素数1から20の置換されていても
よい炭化水素基、ケイ素含有置換基、ゲルマニウム含有
置換基、リン含有置換基、窒素含有置換基または酸素含
有置換基、R1 とR2 は互いに結合して架橋基を形成し
てもよく、隣接するR1どうしもしくはR2どうしが互い
に結合して環を形成してもよい。また、各々同一でも異
なっていてもよい、R3は炭素数1から20の置換され
ていてもよい炭化水素基、水素、ハロゲン、ケイ素含有
置換基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミド基ま
たはチオアルコキシ基、R3 はR1 もしくはR2 もしく
はCpと結合していてもよい、R4 は炭素数1から20
の置換されてもよい炭化水素基、水素またはケイ素含有
置換基、Mは周期律表第4、5、6族の原子、a、bは
0〜5の整数、sは2、p、q、rはMの価数をvとし
たときに、p+q+r+2=vを満たす0および正の整
数、p、qは0〜2、p+q≦3、rは0または1を示
す)
【0007】成分(B):イオン交換性層状珪酸塩 また、成分(A)メタロセン系遷移金属化合物と成分
(B)イオン交換性層状珪酸塩からなるオレフィン重合
用触媒の共存下にオレフィンを単独重合または共重合す
るオレフィン重合体の製造方法を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において成分(A)として
用いられるメタロセン系遷移金属化合物は、下記一般式
で表される、置換されていてもよい1個もしくは2個の
シクロペンタジエニル基含有配位子と長周期表の4、
5、6族の遷移金属からなる有機遷移金属化合物であ
る。
【0009】
【化3】(CpR1 a 5-a p (CpR2 b 5-b
q MR3 r 4 s
【0010】ここで、CpR1 a 5-a およびCpR2
b 5-b は、シクロペンタジエニル(Cp)基またはそ
の誘導体を示す。R1 、R2 は炭素数1から20の置換
されていてもよい炭化水素基、ケイ素含有置換基、ゲル
マニウム含有置換基、リン含有置換基、窒素含有置換基
または酸素含有置換基であり、各々同一でも異なってい
てもよい。
【0011】具体的にはメチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブ
チル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘ
プチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、等のアル
キル基、フェニル基、p−トリル基、o−トリル基、m
−トリル基等のアリール基、フルオロメチル基、フルオ
ロエチル基、フルオロフェニル基、クロロメチル基、ク
ロロエチル基、クロロフェニル基、ブロモメチル基、ブ
ロモエチル基、ブロモフェニル基、ヨードメチル基、ヨ
ードエチル基、ヨードフェニル基等のハロ置換炭化水素
基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフ
ェニルシリル基等のケイ素含有置換基、メトキシ基、エ
トキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ
基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基等のアルコキシ
基、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ペンタメチル
フェノキシ基、p−トリルオキシ基、m−トリルオキシ
基、o−トリルオキシ基等のアリールオキシ基等があげ
られる。
【0012】これらのうち好ましくはメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、t−ブチル基、トリメチルシリル基、メトキシ
基、フェノキシ基等である。また、R1 とR2 は互いに
結合して架橋基を形成してもよい。具体的には、メチレ
ン基、エチレン基、のようなアルキレン基、エチリデン
基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、フェニルメ
チリデン基、ジフェニルメチリデン基のようなアルキリ
デン基、ジメチルシリレン基、ジエチルシリレン基、ジ
プロピルシリン基、ジイソプロピルシリレン基、ジフェ
ニルシリレン基、メチルエチルシリレン基、メチルフェ
ニルシリレン基、メチルイソプロピルシリレン基、メチ
ル−t−ブチルシリレン基のようなケイ素含有架橋基、
ジメチルゲルミレン基、ジエチルゲルミレン基、ジプロ
ピルゲルミレン基、ジイソプロピルゲルミレン基、ジフ
ェニルゲルミレン基、メチルエチルゲルミレン基、メチ
ルフェニルゲルミレン基、メチルイソプロピルゲルミレ
ン基、メチル−t−ブチルゲルミレン基のようなゲルマ
ニウム含有架橋基、アミノ基等、ホスフィニル基等があ
げられる。
【0013】さらに、隣接するR1 どうし、または、R
2 どうしで互いに結合して環を形成してもよい。具体的
にはインデニル基、テトラヒドロインデニル基、フルオ
レニル基、オクタヒドロフルオレニル基等が好ましくあ
げられ、これらは置換されてもよい。 R3 は炭素数1
から20の置換されてもよい炭化水素基、水素、ハロゲ
ン、ケイ素含有置換基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アミド基、またはチオアルコキシ基である。具体的
にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル
基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチ
ル基、ノニル基、デシル基、等のアルキル基、フェニル
基、p−トリル基、o−トリル基、m−トリル基等のア
リール基、フルオロメチル基、フルオロエチル基、フル
オロフェニル基、クロロメチル基、クロロエチル基、ク
ロロフェニル基、ブロモメチル基、ブロモエチル基、ブ
ロモフェニル基、ヨードメチル基、ヨードエチル基、ヨ
ードフェニル基等のハロ置換炭化水素基、トリメチルシ
リル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基等
のケイ素含有置換基、メトキシ基、エトキシ基、プロポ
キシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ
基、t−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、
メチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基、p−
トリルオキシ基、m−トリルオキシ基、o−トリルオキ
シ基等のアリールオキシ基、ジメチルアミド基、ジエチ
ルアミド基、ジプロピルアミド基、ジイソプロピルアミ
ド基、エチル−t−ブチルアミド基、ビス(トリメチル
シリル)アミド基等のアミド基、メチルチオアルコキシ
基、エチルチオアルコキシ基、プロピルチオアルコキシ
基、ブチルチオアルコキシ基、t−ブチルチオアルコキ
シ基、フェニルチオアルコキシ基等のチオアルコキシ基
があげられる。
【0014】これらのうち、好ましくは、水素、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、フェニル基があげられ、水素、メチル基が特に好ま
しい。また、R3 は、R1 もしくはR2 もしくはCpと
結合していてもよく、このような配位子の具体例とし
て、CpH4 (CH2 n O−(1≦n≦5)、CpM
4 (CH2 n O−(1≦n≦5)、CpH4 (Me
2 Si)(t−Bu)N−、CpMe4 (Me2 Si)
(t−Bu)N−等(Cpはシクロペンタジエニル基、
Meはメチル基、Buはブチル基を示す)があげられ
る。
【0015】R4 は炭素数1から20の置換されてもよ
い炭化水素基、水素またはケイ素含有置換基、である。
具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペン
チル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オ
クチル基、ノニル基、デシル基、等のアルキル基、フェ
ニル基、p−トリル基、o−トリル基、m−トリル基等
のアリール基、等の炭素数1から20の炭化水素基、フ
ルオロメチル基、フルオロエチル基、フルオロフェニル
基、クロロメチル基、クロロエチル基、クロロフェニル
基、ブロモメチル基、ブロモエチル基、ブロモフェニル
基、ヨードメチル基、ヨードエチル基、ヨードフェニル
基等のハロ置換炭化水素基、トリメチルシリル基、トリ
エチルシリル基、トリフェニルシリル基等のケイ素含有
置換基、好ましくは、ケイ素含有炭化水素基である。
【0016】これらのうち、好ましくは、水素、メチル
基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、フェニル基があげられ、メチル基が特に好ましい。
Mは周期律表第4、5、6族の原子であり、具体的に
は、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、
Wがあげられる。これらのうち、4族のTi、Zr、H
fが好ましく用いられる。また、これらは混合して用い
てもよい。a、bは0〜5の整数である。また、sは
2、p、q、rはMの価数をvとしたときに、p+q+
r+2=vを満たす0および正の整数である。p、qは
0〜2、p+q≦3、rは0または1である。
【0017】本発明の触媒は、アイソタチック重合体、
シンジオクタチック重合体、アタクチック重合体のいず
れをも製造することができる。上述のメタロセン系遷移
金属化合物は、具体的には、ジルコニウムを例にとれ
ば、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジメチル、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジメチル、ビス(メチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジヒドリド、ビス(ジメチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(トリメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(テ
トラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチ
ル、ビス(エチルテトラメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジメチル、ビスインデニルジルコニウムジ
メチル、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジヒドリド、ビス(トリメチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジヒドリド、ビス(エチルテトラメ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジヒドリド、
ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジメチル、ビス(トリメチルシリルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジヒドリド、ビス(トリフルオ
ロメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチ
ル、ビス(トリフルオロメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジメチル、イソプロピリデンビスインデニ
ルジルコニウムジメチル、イソプロピリデンビスインデ
ニルジルコニウムジヒドリド、ペンタメチルシクロペン
タジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメ
チル、ペンタメチルシクロペンタジエニル(シクロペン
タジエニル)ジルコニウムジヒドリド、エチルテトラメ
チルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジメチル、エチルテトラメチルシクロペンタ
ジエニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジヒド
リド、イソプロピリデンシクロペンタジエニルフルオレ
ニルジルコニウムジメチル、イソプロピリデンシクロペ
ンタジエニルフルオレニルジルコニウムジヒドリド、ビ
ス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、ビ
ス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジエチル、ビ
ス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジプロピル、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジフェニ
ル、メチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジメチル、メチルシクロペンタジエニ
ル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジヒドリド、
エチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)
ジルコニウムジメチル、エチルシクロペンタジエニル
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジヒドリド、ジ
メチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)
ジルコニウムジメチル、トリメチルシクロペンタジエニ
ル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、テ
トラメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジメチル、ビス(ペンタメチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、エチルテトラ
メチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)
ジルコニウムジメチル、インデニル(シクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジメチル、ジメチルシクロペンタジ
エニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジヒドリ
ド、トリメチルシクロペンタジエニル(シクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジヒドリド、ビス(ペンタメチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジヒドリド、イン
デニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジヒドリ
ド、トリメチルシリルシクロペンタジエニル(シクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジヒドリド、トリフロロメ
チルシクロペンタジエニル(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジメチル、トリフロロメチルシクロペンタジ
エニル(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジヒドリ
ド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムトリメ
チルシリルメチル、ビス(シクロペンタジエニル)ジル
コニウムトリフェニルシリルメチル、ビス(シクロペン
タジエニル)ジルコニウムトリス(トリメチルシリル)
シリルメチル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムビス(メチルシリル)シリルメチル、ビス(シクロ
ベンタジエニル)ジルコニウムトリメチルシリルトリメ
チルシリルメチル、ビス(シクロペンタジエニル)ジル
コニウムトリメチルシリルベンジル、メチレンビス(シ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、エチレン
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
イソプロピリデンビス(シクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジメチル、メチレンビス(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジヒドリド、エチレンビス(シクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジヒドリド、イソプロピリ
デンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジヒド
リド、ジメチルシリルビス(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジヒドリド、ジメチルシリル(テトラメチル
シクロペンタジエニル)(t−ブチルアミド)ジルコニ
ウムジベンジル、(t−ブチルアミド)(テトラメチル
シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコ
ニウムジベンジル等である。
【0018】また、Ti、Hf化合物等の他の第4、
5、6族金属化合物についても上記と同様の化合物が挙
げられる。更に、これらの化合物の混合物を用いてもよ
い。本発明で成分(B)として用いられるイオン交換性
層状珪酸塩とは、イオン結合等によって構成される面が
互いに弱い力で平行に積み重なった結晶構造をとる珪酸
塩化合物であり、含有するイオンが交換可能なものを言
う。大部分のイオン交換性層状珪酸塩は、天然には主に
粘土鉱物の主成分として産出するが、これら、イオン交
換性層状珪酸塩は特に天然産のものに限らず、人工合成
物であってもよい。
【0019】イオン交換性層状珪酸塩の具体例として
は、例えば、白水晴雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(19
95年)、等に記載される公知の層状珪酸塩であって、
ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサ
イト、メタハロイサイト、ハロイサイト等のカオリン
族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の
蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデラ
イト、ノントロナイト、サポナイト、テトオライト、ヘ
クトライト、スチーブンサイト等のスメクタイト族、バ
ーミキュライト等のバーミキュライト族、雲母、イライ
ト、セリサイト、海緑石等の雲母族、アタパルジャイ
ト、セピオライト、パリゴルスカイト、ベントナイト、
パイロフィライト、タルク、緑泥石群が挙げられる。こ
れらは混合層を形成していてもよい。これらの中では、
モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノン
トロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサ
イト、ベントナイト、テニオライト等のスメクタイト
族、バーミキュライト族、雲母族が好ましい。これら珪
酸塩化合物は、通常、Si−O四面体からなる四面体シ
ートと、Mg−O八面体等からなる八面体シートが1:
1型あるいは2:1型に積み重なった複合層からなるも
のに分類されるが、八面体シートの中心金属に結合した
水酸基を有するものが多い。本発明で特に好ましい層状
珪酸塩は、前記水酸基をフッ素原子で置換された形を有
するフッ素雲母である。該フッ素雲母としては、例え
ば、日本粘土学会編「粘土ハンドブック」(技報堂出版
株式会社1994年2版2刷発行)236〜239ペー
ジおよび248〜256ページに記載のいわゆる合成雲
母等を挙げることが出来るが、水酸基が全てフッ素に置
換されている必要はなく、また、単独で用いても、上記
固体の2種以上を混合して用いてもよい。更には水酸基
含有層状珪酸塩として混合して用いてもよい。
【0020】なお、これらの珪酸塩として、水銀圧入法
を測定した半径が20オングストローム以上の細孔容積
が0.1cc/g未満の化合物を用いた場合には、高い
重合活性が得られ難い傾向があるので、0.1cc/g
以上、特には0.3〜5cc/gのものが好ましい。ま
た、成分(B)は化学処理を施すことも好ましい。ここ
で化学処理とは、表面に付着している不純物を除去する
表面処理と粘土の結晶構造に影響を与える処理のいずれ
をも用いることができる。具体的には、酸処理、アルカ
リ処理、塩類処理、有機物処理等が挙げられる。酸処理
は表面の不純物を取り除く他、結晶構造中のAl、F
e、Mg等の陽イオンを溶出させることによって表面積
を増大させる。アルカリ処理では粘土の結晶構造が破壊
され、粘土の構造の変化をもたらす。また塩類処理、有
機物処理では、イオン複合体、分子複合体、有機誘導体
等を形成し、表面積や層間距離を変えることができる。
イオン交換性を利用し、層間の交換性イオンを別の大き
な嵩高いイオンと置換することにより、層間が拡大した
状態の層状物質を得ることもできる。すなわち、嵩高い
イオン層状構造を支える支柱的な役割を担っており、ピ
ラーと呼ばれる。また層状物質層間に別の物質を導入す
るインターカレーションを行なうこともできる。インタ
ーカレーションするゲスト化合物としては、TiC
4 、ZrCl4 等の陽イオン性無機化合物、Ti(O
R)4 、Zr(OR)4 、PO(OR)3 、B(OR)
3 [Rはアルキル、アリール等]等の金属アルコラー
ト、[Al134 (OH)247+、[Zr4 (O
H)142+、[Fe3 O(OCOCH3 6 + 等の金
属水酸化物イオン等が挙げられる。これらの化合物は、
単一で用いても、また2種類以上共存させて用いてもよ
い。また、これらの化合物をインターカレーションする
際に、Si(OR)4 、Al(OR)3 、Ge(OR)
4 等の金属アルコラート等を加水分解して得た重合物、
SiO2 等のコロイド状無機化合物等を共存させること
もできる。また、ピラーの例としては上記水酸化物イオ
ンを層間にインターカレーションした後に加熱脱水する
ことにより生成する酸化物等が挙げられる。成分(B)
はそのまま用いてもよいし、新たに水を添加吸着させ、
あるいは加熱脱水処理した後用いてもよい。
【0021】本発明において、成分(B)として、好ま
しいものは、塩類処理および/または酸処理を行って得
られた、水分含有率が3重量%以下の、イオン交換性層
状珪酸塩からなる群より選ばれた少なくとも一種の化合
物である。これら、イオン交換性層状珪酸塩からなる群
より選ばれた少なくとも一種の化合物を塩類処理および
/または酸処理することによって成分(B)を得る。塩
類処理および/または酸処理によって、固体の酸強度を
変えることが出来る。また、塩類処理は、イオン複合
体、分子複合体、有機誘導体等を形成し、表面積や層間
距離を変えることが出来る。本発明においては、塩類で
処理される前の、イオン交換性層状珪酸塩からなる群よ
り選ばれた少なくとも一種の化合物の含有する交換可能
な1族金属の陽イオンの40%以上、好ましくは60%
以上を、下記に示す塩類より解離した陽イオンと、イオ
ン交換することが望ましい。このようなイオン交換を目
的とした本発明の塩類処理で用いられる塩類は、2〜1
4族原子から成る群より選ばれた少なくとも一種の原子
を含む陽イオンを含有する化合物である。具体的にはC
aCl2 、CaSO4 、CaC2 4 、Ca(NO3
2 、Ca3 (C6 57 2 、MgCl2 、MgBr
2 、MgSO4 、Mg(PO4 2 、Mg(ClO4
2 、MgC2 4 、Mg(NO3 2 、Mg(OOCC
3 2 、MgC4 4 4 、Sc(OOCC
3 2 、Sc2 (CO3 3 、Sc2 (C
2 4 3 、Sc(NO3 3 、Sc2 (SO4 3
ScF3 、ScCl3 、ScBr3 、Scl3 、Y(O
OCCH3 3 、Y(CH3 COCHCOCH3 3
2 (CO3 3 、Y2 (C2 4 3 、Y(NO3
3 、Y(ClO4 3、YPO4 、Y2 (SO4 3
YF3 、YCl3 、La(OOCCH3 3 、La(C
3 COCHCOCH3 3 、La2 (CO3 3 、L
a(NO3 3、La(ClO4 3 、La2 (C2
4 3 、LaPO4 、La2 (SO4 3 、LaF3
LaCl3 、LaBr3 、Lal3 、Sm(OCOCH
3 3 、Sm(CH3 COCHCOCH3 3 、Sm2
(CO3 3 、Sm(NO3 3、Sm(Cl
4 3 、Sm2 (C2 4 3 、Sm2 (S
4 3 、SmF3、SmCl3 、Sml3 、Yb(O
OCCH3 3 、Yb(NO3 3 、Yb(ClO4
3 、Yb2 (C2 4 3 、Yb2 (SO4 3 、Yb
3 、YbCl3 、Ti(OOCCH3 4 、Ti(C
3 2 、Ti(NO3 4 、Ti(SO4 2 、Ti
4 、TiCl4 、TiBr4 、Til4 、Zr(OO
CCH 3 4 、Zr(CO3 2 、Zr(NO3 4
Zr(SO4 2 、ZrF4 、ZrCl4 、ZrB
4 、Zrl4 、ZrOCl2 、ZrO(NO3 2
ZrO(ClO4 2 、ZrO(SO4 )、Hf(OO
CCH3 4 、Hf(CO32 、Hf(NO3 4
Hf(SO4 2 、HfOCl2 、HfF4 、HfCl
4 、HfBr4 、Hfl4 、V(CH3 COCHCOC
3 3 、VOSO4、VOCl3 、VCl3 、VCl
4 、VBr3 、Nb(CH3 COCHCOCH 3 5
Nb(CO3 5 、Nb(NO3 5 、Nb2 (S
4 5 、NbF5、NbCl5 、NbBr5 、Nbl
5 、Ta(OOCCH3 5 、Ta2 (CO 3 5 、T
a(NO3 5 、Ta2 (SO4 5 、TaF5 、Ta
Cl5 、TaBr5 、Tal5 、Cr(CH3 COCH
COCH3 3 、Cr(OOCH)2OH、Cr(NO
3 3 、Cr(ClO4 3 、CrPO4 、Cr2 (S
4 3 、CrO2 Cl2 、CrF3 、CrCl3 、C
rBr3 、Crl3 、MoOCl4 、MoCl3 、Mo
Cl4 、MoCl5 、MoF6 、Mol2 、WCl4
WCl6 、WF6 、WBr5 、Mn(OOCH3 2
Mn(CH3 COCHCOCH3 2 、MnCO3 、M
n(NO3 2 、MnO、Mn(ClO4 2 、MnF
2 、MnCl2 、MnBr2 、Mnl2 、Fe(OOC
CH3 2 、Fe(CH3 COCHCOCH3 3 、F
eCO3 、Fe(NO3 3 、Fe(ClO4 3 、F
ePO4 、FeSO4 、Fe2 (SO4 3 、Fe
3 、FeCl 3 、FeBr3 、Fel2 、FeC6
5 7 、Co(OOCCH3 2 、Co(CH3 COC
HCOCH3 3 、CoCO3 、Co(NO3 2 、C
oC2 4 、Co(ClO4 2 、Co3 (P
4 2 、CoSO4 、CoF2 、CoCl2 、CoB
2 、Col2 、NiCO3 、Ni(NO3 2 、Ni
2 4 、Ni(ClO4 2 、NiSO4 、NiCl
2 、NiBr2 、Pb(OOCCH 3 2 、Fe(NO
3 2 、PbSO4 、PbCl2 、PbBr2 、Cul
2 、CuBr2 、Cu(NO3 2 、CuC2 4 、C
u(ClO4 2 、CuSO 4 、Cu(OOCCH3
2 、Zn(OOCCH3 2 、Zn(CH3 COCHC
OCH3 2 、Zn(OOCH3 2 、ZnCO3 、Z
n(NO3 2 、Zn(ClO4 2 、Zn3 (P
4 2 、ZnSO4 、ZnF2 、ZnCl2 、ZnB
2 、Znl2 、Cd(OOCCH3 2 、Cd(CH
3 COCHCOCH 3 2 、Cd(OCOCH2
3 2 、Cd(NO3 2 、Cd(ClO4 2 、C
dSO4 、CdF2 、CdCl2 、CdBr2 、Cdl
2 、AlF3 、AlCl3 、AlBr3 、All3 Al
2 (SO4 3 、Al2 (C2 4 3 、Al(CH3
COCHCOCH3 3 、Al(NO3 3 、AlPO
4 、GeCl4 、GeBr4 、Gel4 、Sn(OOC
CH3 4 、Sn(SO4 2 、SnF4 、SnC
4 、SnBr4 、Snl4 Pb(OOCCH3 4
PbCO 3 、PbCO3 、Pb(NO3 2 、PbHP
4 、Pb(ClO4 2 、PbSO4 、PbF2 、P
bCl2 PbBr2 、Pbl2 等が挙げられる。
【0022】好ましくは周期律表4、5、6族遷移金属
の陽イオン、すなわち、Ti2+、Ti3+、Ti4+、Zr
2+、Zr3+、Zr4+、Hf2+、Hf3+、Hf4+、V2+
3+、V4+、V+5、Nb2+、Nb3+、Nb4+、Nb5+
Ta2+、Ta3+、Ta4+、Ta5+、Cr2+、Cr3+、C
4+、Cr5+、Cr6+、Mo2+、Mo3+、Mo4+、Mo
5+、Mo6+、W2+、W3+、W4+、W5+、W6+を含有する
塩類であり、具体的にはTi4+を例に取れば、Ti
4 、TiCl4 、TiBr4 、Til4 、TiOCl
2 、Ti(SO4 2 、Ti(NO3 4 、TiO(N
3 2 、Ti3 (PO4 4 、Ti(ClO4 4
Ti(CO3 2 、Ti(OCOH)2 、Ti(OCO
CH3 4 、Ti(OCOC2 5 4 、Ti(OCO
3 7 4、Ti((COO)2 2 、Ti(CH2
(COO)2 2 、TiBrCl3 等が挙げられる。
【0023】Ti2+、Ti3+、Zr4+、Hf2+、H
3+、Hf4+、V2+、V3+、V4+、V+5、Cr2+、Cr
3+、Cr4+、Cr5+、Cr6+、Nb2+、Nb3+、N
4+、Nb5+、Ta2+、Ta3+、Ta4+、Ta5+、Mo
2+、Mo3+、Mo4+、Mo5+、Mo6+、W2+、W3+、W
4+、W5+、W6+の各陽イオンについても上記と同様の各
陰イオンとの組み合わせによる化合物を挙げることが出
来る。特にCr原子のイオンが好ましい。これらの塩類
は単独で用いても、二種類以上を同時に、および/また
は、連続して用いてもよい。
【0024】酸処理は表面の不純物を取り除くほか、結
晶構造のAl、Fe、Mg、等の陽イオンの一部または
全部を溶出させる。酸処理で用いられる酸は、好ましく
は塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸から選択される。
処理に用いる塩類および酸は、2種以上であってもよ
い。塩類処理と酸処理を組み合わせる場合においては、
塩類処理を行った後、酸処理を行う方法、酸処理を行っ
た後、塩類処理を行う方法、および塩類処理と酸処理を
同時に行う方法がある。塩類および酸による処理条件
は、特には制限されないが、通常、塩類および酸濃度
は、0.1〜30重量%、処理温度は室温〜沸点、処理
時間は、5分〜24時間の条件を選択して、イオン交換
性層状珪酸塩から成る群より選ばれた少なくとも一種の
化合物を構成している物質の少なくとも一部を溶出する
条件で行うことが好ましい。また、塩類および酸は、一
般的には水溶液で用いられる。
【0025】本発明では、上記塩類処理および/または
酸処理を行うが、処理前、処理間、処理後に粉砕や造粒
等で形状制御を行ってもよい。また、アルカリ処理や有
機物処理などの化学処理を併用してもよい。このように
して得られる成分(B)としては、水銀圧入法で測定し
た半径20Å以上の細孔容積が0.1cc/g以上、特
には、0.3〜5cc/gのものが好ましい。これらイ
オン交換性層状珪酸塩から成る群より選ばれた少なくと
も一種の化合物には、通常吸着水および層間水が含まれ
る。本発明においては、これらの吸着水および層間水を
除去して成分(B)を得る。
【0026】ここで吸着水とは、イオン交換性層状珪酸
塩の表面あるいは結晶破面に吸着された水で、層間水は
結晶の層間に存在する水である。本発明では、加熱処理
によりこれらの吸着水および/または層間水を除去した
ものを用いることが望ましい。イオン交換性層状珪酸塩
の吸着水および層間水の除去のための加熱処理方法は特
に制限されないが、加熱脱水、気体流通下の加熱脱水、
減圧下の加熱脱水および有機溶媒との共沸脱水等の方法
が用いられる。加熱の際の温度は、層間水が残存しない
ように、100℃以上、好ましくは150℃以上である
が、構造破壊を生じるような高温条件(例えば800℃
以上)は好ましくない。また、空気流通下での加熱等の
架橋構造を形成させるような加熱脱水方法は、触媒の重
合活性が低下し、好ましくない。加熱時間は0.5時間
以上、好ましくは1時間以上である。その際、除去した
後の成分(B)の水分含有率が、温度200℃、圧力1
mmHgの条件下で2時間脱水した場合の水分含有率を
0重量%とした時、3重量%以下、好ましくは1重量%
以下であることが好ましい。
【0027】また成分(B)は、平均粒径が5μm以上
の球状粒子を用いるのが好ましい。更に好ましくは、平
均粒径が10μm以上の球状粒子を用いる。ここでいう
平均粒径は粒子の光学顕微鏡写真(倍率100倍)を画
像処理して算出した数平均の粒径で表す。また成分
(B)は、天然物あるいは市販品をそのまま使用しても
よいし、造粒、分粒、分別等により粒子の形状および粒
径を制御したものを用いてもよい。ここで用いられる造
粒法は例えば攪拌造粒法、噴霧造粒法、転動造粒法、ブ
リケッティング、コンパクティング、押出造粒法、流動
層造粒法、乳化造粒法、液中造粒法、圧縮成型造粒法等
が挙げられるが成分(B)を造粒する事が可能な方法で
あれば特に限定されない。造粒法として好ましくは、攪
拌造粒法、噴霧造粒法、転動造粒法、流動造粒法が挙げ
られ、特に好ましくは攪拌造粒法、噴霧造粒法が挙げら
れ、噴霧造粒を行う場合、原料スラリーの分散媒として
水あるいはメタノール、エタノール、クロロホルム、塩
化メチレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエ
ン、キシレン等の有機溶媒を用いる。好ましくは水を分
散媒として用いる。球状粒子が得られる噴霧造粒の原料
スラリー液の成分(B)の濃度は0.1〜70%、好ま
しくは1〜50%、特に好ましくは5〜30%である。
球状粒子が得られる噴霧造粒の熱風の入り口温度は分散
媒により異なるが水を例にとると80〜260℃、好ま
しくは100〜220℃で行う。また造粒の際に有機
物、無機溶媒、無機塩、各種バインダーを用いてもよ
い。用いられるバインダーとしては例えば砂糖、デキス
トローズ、コーンシロップ、ゼラチン、グルー、カルボ
キシメチルセルロース類、ポリビニルアルコール、水ガ
ラス、塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化アル
ミニウム、硫酸マグネシウム、アルコール類、グリコー
ル、澱粉、カゼイン、ラテックス、ポリエチレングリコ
ール、ポリエチレンオキサイド、タール、ピッチ、アル
ミナゾル、シリカゲル、アラビアゴム、アルギン酸ソー
ダ等が挙げられる。
【0028】成分(A)、成分(B)は、有機アルミニ
ウム化合物等の有機金属化合物成分を共存させることな
く、一般には、炭素数3〜30の不活性炭化水素溶媒に
溶解または懸濁させて使用するが、重合槽に別々に供給
しても、あらかじめ接触処理をして供給してもよい。あ
らかじめ接触処理する場合の各成分の使用量は成分
(B)1gあたり成分(A)が0.001〜10mmo
l、好ましくは0.01〜5mmolであり、成分
(B)0.001〜100g/l、好ましくは、0.0
1〜50g/l、成分(A)0.0001〜10mmo
l/l、好ましくは0.001〜5mmol/lであ
る。接触時の温度は−50〜100℃であり、接触時間
は0.01秒〜100時間、好ましくは0.1秒〜30
時間である。接触後、洗浄してもしなくてもよく、ま
た、乾燥してもしなくてもよい。また、接触時にエチレ
ン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテ
ン、スチレン、ジビニルベンゼン等の炭素数2〜12の
α−オレフィンを共存させてもよい。
【0029】重合に用いられるオレフィンとしては、エ
チレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−
ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−
ペンテン、スチレンあるいは、これらの誘導体等があげ
られる。また、重合は単独重合のほか、ランダム共重合
やブロック共重合にも好適に使用できる。重合反応は、
プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ト
ルエン、シクロヘキサン等の不活性炭化水素や液化α−
オレフィン等の溶媒存在下、あるいは不存在下で行われ
る。各成分の使用量は、成分(A)0.0001〜10
mmol/l、好ましくは0.01〜5mmol/l、
成分(B)0.001〜100g/l、好ましくは、
0.01〜50g/lである。温度は−50〜250
℃、好ましくは50〜250℃、時間は30秒〜20時
間、好ましくは1分から10時間、圧力は常圧〜300
0kg/cm2 、好ましくは10〜20000kg/c
2 である。分子量調節剤として重合系に水素を存在さ
せてもよい。
【0030】次に実施例によって本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限りこれ
ら実施例により制約を受けるものではない。なお、以下
の、遷移金属化合物を使用する工程および重合工程はす
べて精製窒素雰囲気下で行った。また、溶媒は精製窒素
でバブリングして脱気したのち、MS13Xで脱水した
ものを使用した。
【0031】
【実施例】(A)硫酸処理雲母の合成 1%硫酸水260ccに、市販の合成雲母(コープケミ
カル社製)20gを懸濁させ、室温で10分攪拌したの
ち濾過を行って固体部を採取した。この操作を更に2回
繰り返した後、純水3リットルで充分洗浄し、70℃で
2時間、減圧乾燥した。次に、乳鉢で粉砕し、さらに、
200℃で2時間、減圧乾燥した。得られた硫酸処理雲
母を雲母(A)とする。
【0032】(B)硫酸亜鉛処理雲母の合成 ZnSO4 ・7H2 O、20gを純水70ccに溶か
し、(A)で使用したと同じ合成雲母20gを懸濁さ
せ、室温で2時間攪拌したのち濾過を行って固体部を採
取した。120ccの純水でこの洗浄操作を2回繰り返
したのち、70℃で2時間減圧乾燥した。次に、乳鉢で
粉砕し、さらに、200℃で2時間減圧乾燥した。得ら
れた硫酸亜鉛処理雲母を雲母(B)とする。
【0033】(C)硝酸クロム処理雲母の合成 Cr(NO3 3 ・9H2 O、5gを純水210ccに
溶かし、(A)で使用したと同じ合成雲母20gを懸濁
させ、室温で2時間攪拌したのち濾過を行って固体部を
採取した。120ccの純水でこの洗浄操作を2回繰り
返したのち、70℃で2時間減圧乾燥した。次に、乳鉢
で粉砕し、さらに、200℃で2時間減圧乾燥した。得
られた硝酸クロム処理雲母を雲母(C)と呼ぶ。
【0034】実施例−1 85℃に昇温した、1.5リットルオートクレーブにヘ
プタン500ccを入れ、攪拌下、ビス(メチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジメチル(ウイトコ社
製)をZr金属で0.49μmol、市販の合成雲母
(コープケミカル社製。200℃で2時間減圧乾燥し
た)160mgを導入し、全圧7kg/cm2Gで、6
5分、エチレンを補充しながら重合した。重量平均分子
量11.8万、Q値2.8のポリマー87.7gを得
た。処理雲母固体当たりの収量は548g/g固体であ
った。
【0035】実施例−2〜4 雲母類、重合時間を表−1に記載のように変更して使用
した以外は全く実施例−1と同様にエチレンの重合を行
った。 比較例−1 遷移金属化合物をビス(ブチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド(ウイトコ社製)に変えて2時
間重合する以外は実施例−1と全く同様にして、エチレ
ンの重合を行った。ポリマーの生成は認められなかっ
た。 比較例−2 成分(B)である合成雲母を一般的な無機酸化物である
シリカ(デビソン社製#952、800℃で4時間脱水
乾燥したもの)に変える以外は実施例−1と全く同様に
して、エチレンの重合を行った。ポリマーの生成は認め
られなかった。
【0036】
【表1】 MCZ:ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニ
ウムジメチル
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の理解を助けるためのフローチャート図

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記成分(A)と成分(B)からなるオ
    レフィン重合用触媒。 成分(A):次の式で表わされるメタロセン系遷移金属
    化合物 【化1】(CpR1 a 5-a p (CpR2 b 5-b
    q MR3 r 4 s (ここで、Cpはシクロペンテタジエニル基、R1 、R
    2 は炭素数1から20の置換されていてもよい炭化水素
    基、ケイ素含有置換基、ゲルマニウム含有置換基、リン
    含有置換基、窒素含有置換基または酸素含有置換基、R
    1 とR2 は互いに結合して架橋基を形成してもよく、隣
    接するR1どうしもしくはR2どうしが互いに結合して環
    を形成してもよい。また、各々同一でも異なっていても
    よい、R3は炭素数1から20の置換されていてもよい
    炭化水素基、水素、ハロゲン、ケイ素含有置換基、アル
    コキシ基、アリールオキシ基、アミド基またはチオアル
    コキシ基、R3 はR1 もしくはR2 もしくはCpと結合
    していてもよい、R4 は炭素数1から20の置換されて
    もよい炭化水素基、水素またはケイ素含有置換基、Mは
    周期律表第4、5、6族の原子、a、bは0〜5の整
    数、sは2、p、q、rはMの価数をvとしたときに、
    p+q+r+2=vを満たす0および正の整数、p、q
    は0〜2、p+q≦3、rは0または1を示す) 成分(B):イオン交換性層状珪酸塩
  2. 【請求項2】 成分(B)が、塩類処理および/または
    酸処理を行なって得られるイオン交換性層状珪酸塩であ
    る請求項1記載のオレフィン重合用触媒。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の触媒の存在下
    にオレフィンを単独重合または共重合することを特徴と
    するオレフィン重合体の製造方法。
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