JPH11160575A - 光コネクタ及びこれを用いた光コネクタの形成方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 現場で組立が容易な光コネクタを提供し、か
つその組立方法を提供する。 【解決手段】 左右に存する一対の位置決め用ピン穴
と、その中間の光ファイバ穴、及び後端側の光ファイバ
挿入口と、該光ファイバをガイドし、各心線の露出端を
挿入する挿入穴と、該挿入光ファイバを固定する樹脂注
入用開口とを備えたコネクタ本体からなるコネクタにお
いて、前記光ファイバ穴には、該コネクタの先端側に内
蔵ファイバが途中まで挿入された光コネクタ、及びこれ
を用いた光コネクタの形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、光コネクタ特に現
場で組立が容易な光コネクタ及びこれを用いた光コネク
タの形成方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来多心接続用光コネクタとしてＭＴコ
ネクタ（Ｆ１２形多心光ファイバコネクタ：ＪＩＳＣ５
９８１）が実用化されている。この光コネクタは、図５
に示すように全体が角型であり、フィラー入りのエポキ
シ樹脂等のプラスチックのモールド成型品からなる本体
１１で構成され、例えば同形のコネクタに装着した光フ
ァイバ端面同士を突き合わせ光結合して接続するように
なっている。その構造を図４及び図５によりさらに説明
すれば、本体１１の左右両側には位置決め用の嵌合ピン
穴１２が設けられ、嵌合ピン（図示せず）を挿入して位
置決めできるようになっている。左右両側の嵌合ピン穴
１２の中間には、光ファイバ穴１３が形成され、一方、
後端側には光ファイバテープの挿入口１５を有し、該光
ファイバテープの各心は先端を露出して導入するガイド
溝１４とその先端は僅かにテーパを付した光ファイバ穴
１３に挿通するようになっており、光ファイバの露出部
の周辺には接着剤、例えば常温硬化性接着剤や熱硬化性
接着剤などが塗布され、且つ接続面の位置まで光ファイ
バの露出部を挿入した後、ガイド溝１４の上部の窓１６
より上記接着剤１９が充填され、光ファイバが光コネク
タ本体と接着される。このようにした後コネクタに挿入
された光ファイバの先端は僅かにコネクタより突出した
状態となっているので、光ファイバと光ファイバ穴１３
からはみ出した接着剤を研削あるいは研磨により除去
し、更にコネクタの接合面を精密に研削あるいは研磨処
理して構成していた。なお、光ファイバ穴１３は光ファ
イバの露出部より僅かに太く構成されている。

【０００３】この研削研磨工程は重要であり、特にＭＰ
Ｏ光コネクタのようなブッシュオン形の光コネクタで
は、屈折率整合剤を接続面に塗布しないで使用するか
ら、接続面の傾き度や平滑度、あるいは光ファイバ先端
の形等が光接続特性に大きな影響を与える。そこで、通
常は、特殊な精密研磨工程は工場内に設置された研磨機
で行い、現場での研磨、すなわちコネクタの現場接続は
行なわれていなかった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】光ファイバケーブルの
敷設では、現場にて光ファイバの先端に光コネクタを取
付ける作業が必要な場合もあるが、接続現場に工場内で
使用するような大掛かりな研磨機を持ち込むことはかな
り困難であり、また、多心の光ケーブルの先端に光コネ
クタを取付けると長時間の研磨時間が必要であるため、
接続作業性を悪くする。また、このような未完成品を用
いるのではなく、予め先端研磨された完成品のピグティ
ル光ファイバ付の光コネクタを準備しておき、現場にお
いてピグティル部分と光ファイバケーブル側を融着接続
することもできるが、接続余長が必要となり全体の接続
長が長くなり取扱難いという問題がある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の問題点を
解決することを目的とするものであり、その概要は下記
のとおりである。左右に存する一対の位置決め用ピン穴
と、その中間の光ファイバ穴、及び後端側の光ファイバ
の挿入口と、該光ファイバをガイドし、各心線の露出端
を挿入する挿入穴と、該挿入光ファイバを固定する樹脂
注入用開口（窓）とを備えたコネクタ本体からなるコネ
クタにおいて、前記光ファイバ穴には、該コネクタの先
端側に内蔵ファイバが途中まで挿入された光コネクタ。
と、前記光コネクタを用い、光ファイバの端部を露出し
て光ファイバ挿入用穴に挿入し、先端が屈折率整合剤に
接するように構成し、樹脂注入用開口から樹脂を注入固
化して光ファイバを固定する光コネクタの形成方法。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明を図面を参照しながら説明
すれば、基本構造は図４、図５と同様に全体が角型のプ
ラスチックのモールド成型品からなる本体１１で構成さ
れ、例えば同形のコネクタに装着した光ファイバ端面同
士を突き合わせ光結合して接続するようになっている。
その構造を図１及び図３によりさらに説明すれば、本体
１１の左右両側には位置決め用の嵌合ピン穴１２が設け
られ、嵌合ピンを挿入して位置決めできるようになって
いることは図４、図５と同様である。しかしながら、本
発明では具体的には光ファイバの挿入状態及びこれに付
随する構造が相違する。光コネクタの光ファイバ穴の途
中まで反対側（接続側）より内蔵ファイバを挿入し、固
定した半完成の光コネクタを準備する。

【０００７】その構成を詳細に説明するため、図１〜図
４の縦断面図で説明する。図１は本発明で用いられるコ
ネクタで、本体１１の後端側には光ファイバの挿入口１
５、中間の窓１６、窓の先方のテーパ部を挿入口として
有する光ファイバ心線被覆部２２の先端の心線露出部
（裸光ファイバ部）２３の挿入穴１３、挿入穴１３の先
端内に予め該露出心線と同種（同径、同ＭＦＤ）の内蔵
ファイバ１７、その内側で心線２３との接続面の間に介
入できるようにした屈折率整合剤１８を設けたものであ
り、工場内で光ファイバ穴の途中まで内蔵ファイバ１７
を挿入固定し、その内側で心線２３との接続面の間に介
入できるようにした屈折率整合剤１８を充填しておき、
さらに内蔵ファイバは露出端面を本体の接続面ともに研
磨しておき、これを保護するキャップ２０（点線）を設
けて接続現場に運搬する。なお、１５ａは光ファイバの
挿入口１５に嵌め込まれたゴム製のブーツである。

【０００８】接続現場においては、従来より挿入光テー
プファイバの先端の露出をやや短い長さとして、裸光フ
ァイバの先端が、内蔵ファイバ１７と略突き当たるまで
挿入し、突き当たりを確認後、窓１６より例えば熱硬化
性樹脂充填剤１９を充填して熱硬化することにより、極
めて簡単に精度のよい接続用コネクタを現場作業で、容
易に形成することができる。なお、接着面は、斜め研磨
で、光ファイバ先端が突出して接続時に光ファイバの先
端のみが突き当たる周知のＰＣ研磨を行なうか、あるい
は、単純な平面研磨、若しくは研削研磨とする。

【０００９】

【発明の効果】本発明は、上記の説明で容易に理解でき
るように、予め光ファイバが挿入され固定され、先端が
精密に研磨、あるいは単純な平面研磨、若しくは研削研
磨された光コネクタを用いるから、接続現場において、
大掛かりな研磨機等を持ち込む必要がなく、研磨作業等
も必要なくなるから、作業性が大幅に向上する。すなわ
ち、現場組立が可能となる。また、接続が光コネクタ内
であるから、全体としての接続長を短縮することがで
き、標準的に用いられる光コネクタハウジングに収納で
きるという利点がある。

【図面の簡単な説明】

図１ 本発明のコネクタの縦断面図。 図２ 本発明のコネクタを用いて光ファイバテープを挿入する
直前の縦断面図。 図３ 本発明のコネクタを用いて完成した光ファイバテープ付
コネクタの縦断面図。 図４ コネクタ本体の斜視図。 図５ 従来のコネクタの縦断面図。

【符号の説明】

１１ コネクタ本体 １２ ガイドピン穴 １３ 挿入穴 １４ ガイド溝 １５ 挿入口 １５ａ ブーツ １６ 窓 １７ 内蔵ファイバ １８ 屈折率整合剤 １９ 樹脂充填剤 ２０ キャップ ２２ 光ファイバ（心線被覆部） ２３ 光ファイバ心線露出部（裸光ファイバ部）

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 左右に存する一対の位置決め用ピン穴
   と、その中間の光ファイバ穴、及び後端側の光ファイバ
   挿入口と、該光ファイバをガイドし、各心線の露出端を
   挿入する挿入穴と、該挿入光ファイバを固定する樹脂注
   入用開口とを備えたコネクタ本体からなるコネクタにお
   いて、前記光ファイバ穴には、該コネクタの先端側に内
   蔵ファイバが途中まで挿入された光コネクタ。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の光コネクタを用い、
   光ファイバの端部を露出して光ファイバ挿入用穴に挿入
   し、先端が屈折率整合剤に接するように構成し、樹脂注
   入用開口から樹脂を注入固化して光ファイバを固定する
   光コネクタの形成方法。