JPH11159692A - 真空断熱材 - Google Patents

真空断熱材

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JPH11159692A
JPH11159692A JP9325637A JP32563797A JPH11159692A JP H11159692 A JPH11159692 A JP H11159692A JP 9325637 A JP9325637 A JP 9325637A JP 32563797 A JP32563797 A JP 32563797A JP H11159692 A JPH11159692 A JP H11159692A
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JP
Japan
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heat insulating
insulating material
resin
heat
vacuum heat
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JP9325637A
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English (en)
Inventor
Motoyuki Miyoshi
元之 三好
Hiromichi Hotta
浩通 堀田
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒートブリッジが低減された真空断熱材を提
供すること。 【解決手段】断熱芯材をガスバリアー性を有する包装容
器内に減圧状態で封入してなる真空断熱材において、包
装容器の熱伝導方向に垂直方向の面は、金属層または金
属酸化物層を有する樹脂シートからなり、熱伝導方向に
平行な面は、熱伝導方向に垂直方向の面を構成する包装
材料より熱伝導度が小さい包装材料を使用することを特
徴とする真空断熱材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は冷蔵庫等の断熱壁に使用
する真空断熱材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】微粉末シリカ、ケイ酸カルシウム、ガラ
ス繊維、ポリウレタン発泡体等の断熱芯材をガスバリア
ー性を有する容器内に減圧状態で封入してなる真空断熱
材は、冷蔵庫、保冷庫等の内壁と外壁の間に設置され、
断熱材として広く用いられている。このような真空断熱
材においては、真空断熱材の内部へ気体が侵入し、圧力
が上昇すると、真空断熱材の気体による熱伝導度が上昇
し、真空断熱材のもつ断熱性能が低下する。一方、真空
断熱材の使用期間は、数年から10年であり、僅かな熱
伝導度の上昇といえども、その経済的損失は大きいの
で、内部の気圧が低圧に保たれた状態を長期間維持する
必要がある。そこで、包装容器としてガスバリアー性能
に優れた、アルミニウム箔層、アルミニウム蒸着層など
の金属層を有する積層シートを袋状にしたものが用いら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな金属層を有する積層シートからなる包装容器を用い
た真空断熱材で冷蔵庫、保冷庫等の断熱壁を構成する
と、真空断熱材の熱伝導方向に垂直な面と熱伝導方向に
平行な面とが連続した金属層を有する結果、熱伝導方向
に平行な金属層の部分を介して、高温側から低温側に直
接熱が流れる、いわゆる、ヒートブリッジが発生し、断
熱壁の性能を低下させるという問題がある。特に、真空
断熱材の熱伝導方向に垂直方向の面の表面積が小さい場
合は、断熱壁全体の熱伝導中で占める真空断熱材周縁、
すなわち熱流方向に平行な包装材周辺、におけるヒート
ブリッジの影響は甚大となる。本発明の目的は、ヒート
ブリッジが低減された真空断熱材を提供することにあ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする手段】本発明者らは上記問題
点について鋭意検討した結果、熱伝導方向に垂直方向の
面を構成する包装材料は気体透過防止効果を重視し、熱
伝導方向に平行な面は熱伝導率を重視した包装材料を選
定することによりヒートブリッジが防げることを見出し
本発明に到達した。
【0005】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。 <断熱芯材>本発明で使用する断熱芯材1は、微粉末シ
リカ、ケイ酸カルシウム、ガラス繊維、発泡ポリウレタ
ンなどが挙げられる。これらのうち、ケイ酸カルシウ
ム、連続気泡を有する発泡ポリウレタンが、その優れた
賦形性、断熱性の点で好ましく用いられる。これらの断
熱芯材は、単独であるいは組み合わせて用いられる。ケ
イ酸カルシウムとしては、ケイ酸カルシウムの針状結晶
が三次元的に絡合して微細セルを形成した成形体が好ま
しく用いられ、見掛け密度は通常0.02〜0.09g
/cm3 、圧縮強度は通常1kg/cm2 以上のものが
好ましく用いられる。このようなケイ酸カルシウムは、
通常、珪酸質原料と石灰質原料とを水中に分散した後、
加熱下に水熱反応してケイ酸カルシウム水和物を含有す
る水性スラリーとし、得られた水性スラリーを脱水成形
した後、乾燥または水蒸気養生後に乾燥を行う方法によ
って製造される。
【0006】断熱芯材は、包装容器内に減圧状態で封入
するに先立ち、吸着水分等を除くため、常圧下あるいは
減圧下に乾燥を行ってもよい。また、形状を整えるため
予備成形を行ってもよい。断熱芯材には、包装容器に発
生するピンホールから漏れ込む空気、発泡ポリウレタン
などに含まれる発泡剤から発生するガスなどを除去する
物質を併用してもよい。かかる物質としては、物理的に
吸着する活性炭、ゼオライト、モレキュラーシーブ等の
素材、化学的に酸素と結合するアスコルビン酸/鉄等の
還元剤、鉄、亜鉛等の金属粉素材(ゲッター)等が挙げ
られる。
【0007】<包装容器>包装容器は、熱伝導方向4に
垂直方向の面2は、金属層または金属酸化物層を有する
樹脂シート、熱伝導方向に平行な面3は、熱伝導方向に
垂直方向の面を構成するシートより熱伝導率が小さい材
料からなることを特徴とする。金属層または金属酸化物
層を有する樹脂シートは、通常、基材シート上に金属層
または金属酸化物層が積層されている。
【0008】基材シートとしては、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート等の芳香族ポリ
エステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレ
フィン、オレフィン共重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビ
ニル共重合体、ナイロン6、ナイロン66、メタキシリ
レンジアミン・アジピン酸縮合体等のポリアミド、ポリ
ビニルアルコール、アクリロニトリル・ブタジエン・ス
チレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合
体、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸エステルと
メチルメタクリル酸エステル共重合体等から製造される
シートがあげられる。これらの樹脂は単独で用いても、
2種以上を混合して用いてもよく、有機質、無機質フイ
ラーを添加して構成されていてもよい。基材シートの厚
さは通常0.01〜0.5mmである。
【0009】気体透過を阻止する金属層としては、断熱
壁外装を構成する金属層、真空断熱材包装材に含まれる
圧延金属箔層、あるいは金属蒸着層が挙げられる。金属
箔層としては、通常アルミニウム、銅、鉄が使われる。
金属蒸着層は、蒸着法、スパッタ法により、アルミニウ
ム等の金属を蒸着させて形成するが、SiOx等の金属
酸化物層をシート上に形成してもよい。
【0010】金属層、金属酸化物層の厚みは、通常0.
001〜20μm、好ましくは0.01〜15μmであ
る。厚さが薄いとピンホールが増加し、気体透過防止効
果が低減する。一方、厚すぎると積層シートがごわつい
てハンドリングに問題がある。金属層、金属酸化物層を
有する樹脂シートには、塩化ビニリデン、アクリロニト
リル、ビニルアルコール等のビニルモノマーを重合、共
重合させて得られる樹脂を塗布したり、これらの樹脂か
らなるシートを積層することにより得られる気体透過防
止層によって、真空断熱材の真空度の低下を防ぐことも
できる。
【0011】また、気体透過防止層を形成するにあた
り、基材と気体透過防止層の密着性をよくするため、基
材表面に、コロナ処理法、プラズマ照射法、火炎処理
法、薬品処理法、プライマー塗布法などの表面処理を行
うことが望ましい。金属層、金属酸化物層は摩擦、擦傷
に弱いため、これらの層の上にはそれらの層を保護する
保護層を設けることができる。
【0012】金属層または金属酸化物層を有するシート
は、少なくとも真空断熱材の伝熱方向に垂直な2つの面
の少なくともその一面に使用され、残る一面は例えば冷
蔵庫外壁を構成する鋼板等の気体不透過材であってもよ
い。包装容器の熱伝導方向に平行な面3を構成する包装
材料は、熱伝導方向に垂直な方向の面を構成する金属層
または金属酸化物層を有する樹脂シートより熱伝導率が
小さい材料を使用する。かかる材料としては、樹脂、セ
ラミック、ガラス等が挙げられるが、成形加工性、金属
層または金属酸化物層を有する樹脂シートとの接着性か
ら、樹脂が好ましく用いられる。これらの材料は、従来
の金属層または金属酸化物層を有する樹脂シートに比べ
て熱伝導率が小さくヒートブリッジを効果的に防ぐこと
ができる。
【0013】樹脂としては、ポリプロピレン等のオレフ
イン系樹脂、ポリ塩化ビニル等の塩化ビニル系樹脂、ア
クリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体などの
スチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリ
ル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステ
ル、ポリカーボネイト、6ナイロン等のポリアミド、ポ
リアセタール等の熱可塑性樹脂、フエノール樹脂、ユリ
ア樹脂等の熱硬化性樹脂があげられるが、成形加工が容
易な点から熱可塑性樹脂が好適で、さらに気体透過度の
点から結晶性樹脂が好ましい。樹脂の種類は、成形しや
すさのほか、剛性、耐衝撃性、耐熱性、耐薬品性、気体
透過性等も考慮して決定される。これらの樹脂は単独で
用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
【0014】これらの樹脂のうち、成形条件を選択する
ことにより結晶化率を大きくすることができる樹脂は、
結晶化率を大きくすることにより気体透過度を小さくす
ることができるので、結晶性樹脂を主成分とする樹脂が
好ましく用いられる。樹脂の気体透過率をさらに小さく
するために、樹脂には塩化ビニリデン、アクリロニトリ
ル、ビニルアルコール等のビニルモノマーを重合、共重
合させて得られる気体不透過性樹脂の粒子、およびある
いは鱗片状雲母など気体不透過性粒子を樹脂中に混合分
散させて、含ませることが好ましい。
【0015】熱伝導方向に平行な面を構成する成形体に
は、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、ビニルアルコ
ール等のビニルモノマーを重合、共重合させて得られる
樹脂を表面に塗布することにより、気体透過防止層を積
層してもよい。塗布方法としては、ラテックス状分散
液、あるいは溶液として包装材上に塗布する方法等が挙
げられる。気体透過防止層を設けることにより真空断熱
材の真空度の低下を防ぐことができる。
【0016】また、気体透過防止層を形成するにあた
り、基材と気体透過防止層の密着性を上げるため、予
め、コロナ処理法、プラズマ照射法、火炎処理法、薬品
処理法、プライマー塗布法などの表面処理を行ってもよ
い。熱伝導方向に平行な面を構成する壁材の熱伝導度
は、通常150〜0.0010kcal/m・hr・℃、好まし
くは50〜0.0015kcal/m・hr・℃である。熱伝導
度が150kcal/m・hr・℃より大きいと厚さを薄くして
もヒートブリッジを十分に防ぐことができない。また、
空気組成を酸素20%窒素80%とし0℃における酸素
透過量、窒素透過量から求めた空気透過係数は、通常
1.0×10-14〜1.50×10-10cm3・cm/cm2・sec
・cmHg、好ましくは1.0×10-14 〜1.0×10
-11cm3・cm/cm2・sec ・cmHgである。気体透過係数が大
きいと真空断熱材の内部を長期間十分な減圧を保つため
にその厚みを大きくする必要が生じ、その結果熱伝導が
大きくなって、不都合である。
【0017】熱伝導方向に平行な面を構成する、樹脂を
主体とする成形体の厚さは、通常0.01〜10mm、
好ましくは0.05〜8mmである。樹脂は、熱伝導度
が小さいとはいえ、気体透過率がゼロではないため、気
体透過率を十分小さくするためには厚さが必要である。
通常、9μmのアルミニウム箔は圧延工程で発生するピ
ンホールが、真空断熱材の包装容器として求められる気
体透過性を満足する最低限度の厚みのアルミニウム箔と
して使用されている。真空断熱材の熱伝導方向に平行な
面を構成する包装材として例えば樹脂を用いる場合に
は、気体透過性を小さく抑えられる厚みにおいて、樹脂
の熱伝導度が、例えば9μmのアルミニウム箔を含む包
装材の面方向の熱伝導度、すなわち高熱伝導性材料であ
るアルミ箔の単位時間当たりの伝熱量より小さくなけれ
ばヒートブリッジを効果的に防ぐことができない。具体
的には、アルミニウムの熱伝導率は150kcal/m・hr・
℃、6ナイロンのそれは0.297kcal/m・hr・℃であ
るから9μmのアルミニウム箔と熱伝導率の等しい6ナ
イロンシートの厚みは4.5mmであり、この厚み以下
でなければ、真空断熱材周縁部のヒートブリッジを効果
的に防止することができない。
【0018】熱伝導方向に平行な面を構成する樹脂は、
板材加工法、プレス成形法、射出成形法、圧空成形法、
真空成形法などで成形される。射出成形法で成形する
と、接着部分が少なくなるので好ましい。熱伝導方向に
平行な面を構成する成形体は、熱伝導度を損なわずに気
密性を確保するために、成形体の上下端面にフランジを
設けることが好ましい。フランジは通常成形体の外側に
設けられるが、芯材の装填の邪魔とならない限り枠材の
内側に設けると、真空断熱材を断熱壁内へ組み付ける
際、突起が少なく好都合である。
【0019】芯材を包装後内部を減圧にする工程で、真
空断熱材は大気圧により圧縮され、芯材が収縮するた
め、成形体が変形し、熱伝導方向に垂直方向の面を構成
する金属層または金属酸化物層を有する樹脂シートのコ
ーナー部にしわが入りやすい。こうした箇所はピンホー
ルを生じやすく、気体が漏れ込む場所となる。このよう
な不都合を回避するため、成形体のコーナー部に変形防
止構造を設ける、あるいは内側に熱伝導度の小さい補強
材を設置し、コーナー部の変形量を小さくすることが望
ましい。
【0020】本発明で用いられる包装容器は、熱伝導方
向に垂直方面の面を構成する金属層または金属酸化物層
を有する樹脂シートと熱伝導方向に平行な面を構成する
成形体とを接着剤、熱融着層を介する接着、溶着などの
方法により一体化することにより得られる。熱溶着層
は、加熱により溶着可能な樹脂、具体的には100〜3
00℃程度の加熱により溶着可能な樹脂からなり、通
常、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン
樹脂、ナイロン6、ナイロン66、メタキシリレンジア
ミン・アジピン酸縮合体等のポリアミド樹脂、ポリエス
テル樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共
重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体等のアク
リロニトリル共重合体、ポリメチルメタクリレート、ア
クリル酸エステルとメチルメタクリル酸エステル共重合
体等があげられる。これらの樹脂は、単独で用いても、
また、混合して使用しても良い。
【0021】溶着方法としては、加熱した治具を圧接す
る方法、超音波振動を印加した治具を圧接する方法、導
体が存在せず誘電発熱が可能であれば高周波電場を印加
した治具を圧接する方法等が挙げられる。本発明の真空
断熱材を製造方法としては、包装容器内に断熱芯材を配
置し、包装容器の内部を所定の圧力まで排気した後、包
装容器の開放部を密封する方法、包装容器に排気用開口
部を設け、これを介して内部を排気し、所定の圧力に達
した時点で排気用開口部を密封し、排気ポンプ側から切
り離す方法も挙げられる。後者は、個々の真空断熱材に
ついて内部圧力を確認出来る点で、好都合である。
【0022】排気用開口部の形状は、孔状、チューブ
状、平たいダクト状等から選択され、密封方法として
は、排気終了後プラグをはめる、接着する、溶封する、
かしめる等の方法が挙げられる。また、排気用開口部の
材質は、加工の観点から、樹脂、金属などが用いられ
る。本発明の真空断熱材は、冷蔵庫や保冷庫の断熱壁と
して使用されるが、断熱壁と真空断熱材の隙間や、真空
断熱材同士の継ぎ目や隙間には、発泡ポリプロピレン、
発泡ポリスチレン、ウレタン発泡体が充填される。断熱
性能、隙間への充填性、使用実績などを考慮するとシク
ロペンタンを発泡剤とするポリウレタン発泡体が好適に
使用される。
【0023】
【実施例】本発明を実施例により説明する。 <参考例1>6ナイロン樹脂(三菱エンジニアリングプ
ラスチック社製)を250℃に保たれたTダイから80
度に保たれたキャステイングロール上へ導き急冷して得
られた、厚み0.026mmの透明な未延伸フイルムの
気体透過係数を日本分光社製ガスパーム100型により
測定したところ、酸素透過係数は、1.32×10-1 2c
m3・cm/cm2・sec ・cmHg、窒素透過係数は、0.422
×10-12cm3・cm/cm2・sec ・cmHgであった。空気組成
を酸素20%、窒素80%として空気透過係数を求める
と、0.602×10-12cm3・cm/cm2・sec ・cmHgであ
った。
【0024】また、厚さ2mmの白濁した6ナイロン樹
脂シート(コクゴ社製)の一片をプレス成型法により徐
々に冷却して成形した厚み0.0752mmの白濁(結
晶化)したフイルムでは、酸素透過係数は、1.06×
10-12cm3・cm/cm2・sec ・cmHg、窒素透過係数は、
0.278×10-12cm3・cm/cm2・sec ・cmHgであっ
た。空気組成を酸素20%、窒素80%として空気透過
係数を求めると、0.434×10-12cm3・cm/cm2・se
c ・cmHgであった。このように、樹脂は結晶化すること
により、気体透過係数が著しく低下することが分かる。
真空断熱材の包装容器を設計する際には、結晶化の有無
によりその厚さなどを考慮する必要があることが分か
る。
【0025】<参考例2>2軸延伸ナイロンフイルム
(厚さ0.025mm、商品名ボニール、三菱化学興人
パックス社)上にポリ塩化ビニリデンラテックス(三菱
化学BASF社製「DIOFAN 207DCH」)を
0.010mmの厚さに塗布し、参考例1と同様に気体
透過係数を測定した。酸素透過係数は、0.0289×
10-12cm3・cm/cm2・sec ・cmHg、窒素透過係数は、
0.0114×10-12cm3・cm/cm2・sec ・cmHgであっ
た。空気組成を酸素20%、窒素80%として空気透過
係数を求めると、0.0149×10-12cm3・cm/cm2
sec ・cmHgであった。このようにポリ塩化ビニリデンラ
テックスのような空気透防止層を設けることにより、気
体透過係数を低下させることができることが分かる。
【0026】<参考例3>50cm×50cm×2cm
の軽量珪酸カルシウム成型品を芯材とし、熱伝導方向に
垂直方向の面は、9ミクロン厚のアルミニウム箔を含む
6ナイロン・ポリエステル積層フイルム、熱伝導方向に
平行な面は、厚さ2mmの樹脂成形品を用いた真空断熱
材において、10年後においても断熱性能を維持できる
真空断熱材を製造するのに要求される、熱伝導方向に平
行な面の気体透過係数を算出すると次の通りとなる。な
お、一般に、真空断熱材は内部圧力が1mmHg以下で
あれば、その性能が維持されるといわれている。
【0027】熱伝導方向に垂直な面の気体透過係数:0
cm3 ・cm/cm2・sec ・cmHg 真空断熱材内部の初期圧力:10-3mmHg 真空断熱材内部の10年後圧力:1mmHg もれこみ気体体積:5.8cm3 (0℃、1atm 、10年
間) と仮定すると、 真空断熱材内部の容積:50×50×2×0.97cm3
(ただし芯材密度は、80kg/m3 とする) 熱伝導方向に平行な面の気体透過面積:50×2×4cm
2なので、 熱伝導方向に平行な面の気体透過度:0.040cm3/m2
・day ・atm (0℃) 熱伝導方向に平行な面の気体透過係数:1.523×1
-12 ×0.040×2=0.122×10-12cm3・cm
/cm2・sec ・cmHg となる。すなわち、この大きさの真空断熱材において、
10年間真空断熱材の性能を維持しうる真空断熱材を製
造するには、熱伝導方向に平行な面の材料としては、気
体透過係数が0.122×10-12cm3・cm/cm2・sec ・
cmHgより小さいものを用いる必要があることが分かる。
また、熱伝導方向に平行な面の材料に要求される気体透
過係数は、真空断熱材の容積によって異なることが分か
る。
【0028】<実施例1>ケイ酸カルシウム結晶からな
る平板状成形体を300℃で3時間乾燥した後、縦23
0mm、横230mm、厚さ20mmに切断し、断熱芯
材とした。真空包装用材料のうち、熱伝導方向に垂直な
面を構成する包装材料として、6ナイロン(30μm)
/ポリエステル(16μm)/Al(9μm)/ポリエ
ステル(16μm)の構成をもつ積層フイルムを用意し
た。熱伝導方向に平行な面を構成する包装材料として、
厚さ2.0mmの、白濁した(結晶化した)6ナイロン
シート((株)コクゴ社製)を、高さ20mm、長さ2
30mmの枠材を切り出し、この枠材4本を2液混合型
エポキシ樹脂(商品名「エポマウント8013」、リフ
アインテック(株)製)で接着して、断熱芯材の端面を
かこむ形状の樹脂枠に組み立てた。
【0029】樹脂枠のコーナー部内側には高さ20mm
の6ナイロン製チューブを接着し、コーナー部の変形を
防ぐ補強機構とした。樹脂枠の一辺には排気用として、
外径8mm、内径6mmの6ナイロン製チューブを取り
付けた。予め、ラテックスとの接着性を増すため、ガス
炎にさらした樹脂枠の内面及び外面並びに排気用チュー
ブの外面に、ポリ塩化ビニリデンラテックス(「DIO
FAN207DCH」、三菱化学BASF社製)を0.
20mm厚に塗布し、気体透過防止層とした。この樹脂
枠の片面に、金属層を有する樹脂シートを接着し、断熱
芯材を納め、残る樹脂枠の一面に上記積層フイルムを接
着し、包装された断熱材を作成した。
【0030】包装された断熱材の排気用チューブを真空
ポンプに接続し、2時間排気した後熱伝導度測定機(英
弘精機社、オートラムダHC−072型、高温側設定3
7度C、低温側設定10℃)内に、測定用検出部(5c
m×5cm)が真空断熱材の中央に位置するようセット
した。このときの検出部へりから真空断熱材のへりまで
の距離は7.5cmで、熱伝導度は0.0145(Kcal
/m・hr・℃)であった。続いて検出部へりから真空断熱
材のへりまでの距離を5、3、2、1、0.5cmに変
えて熱伝導度を測定したところ、それぞれ0.014
6、0.0150,0.0159,0.0191,0.
0222Kcal/m・hr・℃であった。
【0031】<実施例2>排気用チューブの外径4m
m、内径2mmの6ナイロン製チューブを使用した他は
実施例1と同じ真空断熱材を使用し、3時間排気後実施
例1と同様、熱伝導度を測定した。検出部へりから真空
断熱材のへりまでの距離が7.5、5、3、2、1、
0.5cmのとき、熱伝導度はそれぞれ、0.019
4、0.0194、0.0196、0.0202、0.
0226、0.0240Kcal/m・hr・℃であった。
【0032】<比較例>実施例で使用した積層フイルム
を30×35cm角に2枚切断し、6ナイロン層を内側
として3方をヒートシールし、袋状成形体を作成した。
実施例で使用した真空断熱材から珪酸カルシウム結晶か
らなる平板状芯材を取り出し、前記袋に挿入し、真空包
装機(常陸包装社製、V7型)内にセットした。真空包
装機に付属するリークバルブにより内圧を3mmHgに
調整し、1時間維持後袋の口をヒートシールした。
【0033】熱伝導度測定機内に真空断熱材をセット
し、実施例1と同様に熱伝導度を測定した。検出部へり
から真空断熱材のへりまでの距離が7.5、5、3、
2、1、0.5cmのとき、熱伝導度はそれぞれ、0.
0162、0.0163、0.0168、0.018
3、0.0251、0.0325Kcal/m・hr・℃であっ
た。比較例の真空断熱材は、本発明の真空断熱材に比べ
て、断熱材のヘリから0.5cmの熱伝導度と断熱材の
中心部(ヘリから7.5cm)の熱伝導度の差が大き
く、ヒートブリッジが大きいことが分かる。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、ヒートブリッジが防止
された真空断熱材が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の真空断熱材の一例の断面図。
【符号の説明】
1 断熱芯材 2 熱伝導方向に垂直方向の面 3 熱伝導方向に平行な面 4 熱伝導方向

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断熱芯材をガスバリアー性を有する包装
    容器内に減圧状態で封入してなる真空断熱材において、
    包装容器の熱伝導方向に垂直方向の面は、金属層または
    金属酸化物層を有する樹脂シートからなり、熱伝導方向
    に平行な面は、熱伝導方向に垂直方向の面を構成する包
    装材料より熱伝導度が小さい包装材料を使用することを
    特徴とする真空断熱材。
  2. 【請求項2】 熱伝導方向に平行な面は、結晶性樹脂を
    主成分とする樹脂からなる成形体からなることを特徴と
    する請求項1に記載の真空断熱材。
  3. 【請求項3】 結晶性樹脂主成分とする樹脂からなる
    成形体の表面に気体不透過層を形成してなることを特徴
    とする請求項2に記載の真空断熱材。
  4. 【請求項4】 結晶性樹脂を主成分とする樹脂が気体不
    透過性粒子を含む組成物からなることを特徴とする請求
    項2に記載の真空断熱材。
  5. 【請求項5】 断熱芯材が微粉末シリカ、ケイ酸カルシ
    ウム、発泡ポリウレタンまたはガラス繊維であることを
    特徴とする、請求項1〜3いずれか1項に記載の真空断
    熱材。
JP9325637A 1997-11-27 1997-11-27 真空断熱材 Pending JPH11159692A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101407487B1 (ko) * 2012-05-31 2014-06-20 (주)동성화인텍 진공단열재 및 그 제조방법

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