JPH11159676A - 車両用空調装置の冷媒配管と締結方法 - Google Patents

車両用空調装置の冷媒配管と締結方法

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JPH11159676A
JPH11159676A JP9325896A JP32589697A JPH11159676A JP H11159676 A JPH11159676 A JP H11159676A JP 9325896 A JP9325896 A JP 9325896A JP 32589697 A JP32589697 A JP 32589697A JP H11159676 A JPH11159676 A JP H11159676A
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裕 清水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 配管のシール性を十分に確保し、工法が簡易
で製造コストの高騰がない異種金属の「配管構造と締結
方法」を提供すること。 【解決手段】 冷媒配管10の端部11の外周面に、シ
ール用凹溝13及び加締め用凹溝14を形成し、シール
用凹溝13に、シールリング部材12を装着し、冷媒配
管10の端部11を金属製フレキシブルチューブ15の
ストレート状の端部16内に挿入し、この端部16を冷
媒配管10の加締め用凹溝14に対して加締め、金属製
フレキシブルチューブ15の端部16の外周に、リング
状固定金具17を嵌合し、このリング状固定金具17の
両端18を冷媒配管10の加締め用凹溝14に対して金
属製フレキシブルチューブ15の端部16を間に介しな
がら加締ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンに固定さ
れたコンプレッサと、車体に取付けられたコンデンサ又
はクーリングユニットとを接続する冷媒配管の一部に金
属製フレキシブルチューブを用いた車両用空調装置の冷
媒配管と締結方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用空調装置は、図3に示すように、
エンジン(図示略)に固定されたコンプレッサ1と、車
体に取付けられたコンデンサ2やクーリングユニット3
とを接続する冷媒配管4,5にフレキシブルチューブが
用いられている。これは、エンジンやコンプレッサの振
動がコンデンサ2やクーリングユニット3に直接伝達す
るのを防止し、また車体側とエンジン側との相対変位を
吸収するためである。
【0003】従来、このようなフレキシブルチューブと
して、ゴムホースが用いられているが、このゴムホース
は、高温下において内部から外部に冷媒を透過させてし
まう特性があり、微量ではあるが、冷媒が大気に放出さ
れ、オゾン層の破壊する等、地球環境に悪影響を及ぼす
虞れがある。
【0004】また、ゴムホースは、水蒸気分圧によりゴ
ムホースの外部から内部に水分を透過させてしまう特性
もあり、この水分が冷凍サイクル内に存在すれば、各構
成部品の腐食や、性能低下を引き起こす虞れもある。
【0005】このような点から、特開平1−12648
9号公報、特開昭63−113863号公報、及び特開
昭63−57987号公報には、車両用空調装置の冷媒
配管用のゴムホースに代えて、金属製フレキシブルチュ
ーブ、例えば、金属製ベローズチューブを用いることが
提案されている。
【0006】この金属製フレキシブルチューブは、湾曲
したり伸縮することによりコンプレッサ等からの振動伝
達を吸収できることは勿論であるが、このフレキシブル
チューブが金属製であることから、ホース内から外部へ
の冷媒の透過やホース外から内部への水分の浸入が確実
に防止されることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記金属製
フレキシブルチューブは、他の冷媒配管に接合して締結
する際に問題がある。つまり、金属製フレキシブルチュ
ーブの材質は、加工性の点から黄銅又はステンレスが使
用されているが、他の冷媒配管は、一般にアルミニウム
であることから、両者の連結は異種金属を締結すること
になっている。
【0008】従来、同種金属のアルミニウムパイプ同士
の締結は、ロー付けにより行っているが、加熱による材
料の軟化(強度低下)があり、熱処理による改質を行な
う必要があり、工数がかかることから、このロー付けを
単純に異種金属の締結に用いることは難しい。
【0009】また、ゴムホースを配管用フレキシブルチ
ューブとして用いている場合には、ニップルとソケット
の加締めにより、アルミニウム製である冷媒配管にゴム
ホースを締結しているが、この加締め方法を上記の異種
金属の締結に応用しようとしても、金属製フレキシブル
チューブは、ゴムホースのような柔軟性を有しないた
め、配管のシール性を十分に確保できないといったこと
がある。
【0010】本発明の目的は、このような事情に鑑みた
ものであり、異種金属からなる金属製フレキシブルチュ
ーブと冷媒配管とを締結する場合であっても、配管のシ
ール性を十分に確保し、工法が簡易で製造コストの高騰
を招来することがない車両用空調装置の冷媒配管締結方
法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】(1) エンジンに固定
されたコンプレッサと、車体に取付けられたコンデンサ
又はクーリングユニットとを接続する冷媒配管の一部
に、冷媒配管と異なる金属からなる金属製フレキシブル
チューブを締結してなる車両用空調装置の冷媒配管にお
いて、前記冷媒配管の端部の外周面に、シール用凹溝及
び加締め用凹溝を形成し、前記シール用凹溝にはシール
リング部材を装着し、前記加締め用凹溝には前記金属製
フレキシブルチューブの一部と、当該金属製フレキシブ
ルチューブの外周に嵌合したリング状固定金具の両端と
を加締め固定したことを特徴とする車両用空調装置の冷
媒配管。
【0012】このように、本発明では、ロー付け等を用
いていないため、異種金属からなる金属製フレキシブル
チューブと冷媒配管とを締結することができ、また、冷
媒配管の端部と金属製フレキシブルチューブの部との間
にシールリング部材を装着しているため、冷媒配管と金
属製フレキシブルチューブとの間のシール性を十分に確
保でき、さらに、締結に用いる構成部品又は要素として
は、シールリング部材、リング状固定金具、凹溝、加締
め用治具等であり、構成部品が簡易で汎用性が高く、製
造コストの高騰を招来するといったこともない。
【0013】(2) エンジンに固定されたコンプレッ
サと、車体に取付けられたコンデンサ又はクーリングユ
ニットとを接続する冷媒配管の一部に、冷媒配管(10)と
異なる金属からなる金属製フレキシブルチューブを用
い、この金属製フレキシブルチューブを冷媒配管に締結
する車両用空調装置の冷媒配管締結方法において、前記
冷媒配管の端部の外周面に、シール用凹溝及び加締め用
凹溝を形成する工程と、前記シール用凹溝に、シールリ
ング部材を装着する工程と、前記冷媒配管の端部を金属
製フレキシブルチューブのストレート状の端部内に挿入
し、この端部を冷媒配管の加締め用凹溝に対して加締め
る工程と、この加締めた金属製フレキシブルチューブの
端部の外周に、リング状固定金具を嵌合し、このリング
状固定金具の両端を冷媒配管の加締め用凹溝に対して金
属製フレキシブルチューブの端部を間に介しながら加締
める工程と、を具備することを特徴とする車両用空調装
置の冷媒配管締結方法。
【0014】このように、本発明では、冷媒配管の端部
の外周面に、シール用凹溝及び加締め用凹溝を形成し、
次いで、シール用凹溝に、シールリング部材を装着し、
次いで、冷媒配管の端部を金属製フレキシブルチューブ
のストレート状の端部内に挿入し、この端部を冷媒配管
の加締め用凹溝に対して加締め、次いで、この加締めた
金属製フレキシブルチューブの端部の外周に、リング状
固定金具を嵌合し、このリング状固定金具の両端を冷媒
配管の加締め用凹溝に対して金属製フレキシブルチュー
ブの端部を間に介しながら加締めている。
【0015】従って、ロー付け等を用いていないため、
異種金属からなる金属製フレキシブルチューブと冷媒配
管とを締結することができる。また、冷媒配管の端部と
金属製フレキシブルチューブの部との間にシールリング
部材を装着しているため、冷媒配管と金属製フレキシブ
ルチューブとの間のシール性を十分に確保できる。さら
に、締結に用いる構成部品又は要素としては、シールリ
ング部材、リング状固定金具、凹溝、加締め用治具等で
あり、構成部品が簡易で汎用性が高く、工法が簡便であ
り、製造コストの高騰を招来するといったこともない。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
車両用空調装置の冷媒配管と締結方法を図面を参照しつ
つ説明する。図1は本発明の実施の形態に係る車両用空
調装置の冷媒配管と金属製フレキシブルチューブとの締
結部位の断面図であり、図2(a)〜(e)は、夫々、
金属製フレキシブルチューブを冷媒配管に締結する工程
を示す図である。
【0017】図1に示すように、冷媒配管10の端部
(連結部)11の外周面には、シールリング(Oリン
グ)12を係合するための2個のシール用凹溝13と、
後述する金属製フレキシブルチューブ15を加締めるた
めの2個の加締め用溝14が形成してある。冷媒配管1
0は、アルミニウム製であり、シール用凹溝13及び加
締め用凹溝14は、転造加工により成形してある。
【0018】金属製フレキシブルチューブ15は、管の
軸方向に伸縮できると共に、管の径方向に湾曲できるよ
うに構成されており、具体的には、金属製ベローズチュ
ーブであり、又は金属製スパイラルチューブである。こ
れは、黄銅又はステンレスを材質としているが、必ずし
もこれのみに限定されるものではなく、伸縮性がある金
属管であれば、他の形状や材質のものであってもよい。
【0019】この金属製フレキシブルチューブ15の端
部16は、ストレートに形成してあり、この端部16
は、冷媒配管10の端部11に嵌合して、加締め用溝1
4に対して加締められるようになっている。
【0020】ただし、この冷媒配管10においては、前
記端部11の先端11aが、金属製フレキシブルチュー
ブ15内にある程度入り込むようにし、これにより振動
した場合の応力集中を防止している。
【0021】また、金属製フレキシブルチューブ15の
端部の冷媒配管10と接触する部分にニッケルメッキ等
を施すと、異種金属間の電気腐食防止の効果が一層向上
する。
【0022】さらに、金属製フレキシブルチューブ15
の端部16の外周には、リング状固定金具17が嵌合す
るようになっている。このリング状固定金具17の両端
部には、加締め用に凸状部18が形成してあり、この加
締め用の凸状部18は、金属製フレキシブルチューブ1
5の端部16より若干大きい径に形成しておき、後述す
るように、この端部16を挿入した後、ロール成形又は
プレス成形により加締めるようになっている。
【0023】次に、図2を参照して、金属製フレキシブ
ルチューブ15を冷媒配管16に締結する工程について
説明する。
【0024】まず、図2(a)に示すように、冷媒配管
10の端部11に、転造加工によりシール用凹溝13及
び加締め用凹溝14を成形する。
【0025】次に、図2(b)に示すように、冷媒配管
10の端部11に、リング状固定部材17を挿入して、
端部11より奥側に一旦移行すると共に、シールリング
12をシール用凹溝13に装着する。
【0026】そして、図2(c)に示すように、冷媒配
管10の端部11を金属製フレキシブルチューブ15の
端部16内に挿入する。
【0027】また、図2(d)に示すように、加締め治
具19を準備し、この加締め治具19により金属製フレ
キシブルチューブ15の端部16を全周にわたって冷媒
配管10の端部11の加締め用凹溝14に対して加締め
る。
【0028】最後に、図2(e)に示すように、この加
締めた金属製フレキシブルチューブ15の端部16の外
周に、リング状固定金具17を嵌合する。
【0029】次いで、ロール成形又はプレス成形による
加締め治具20を準備し、この加締め治具により、この
リング状固定金具17の凸状部18を全周にわたって冷
媒配管10の端部11の加締め用凹溝14に対して金属
製フレキシブルチューブ15の端部16を間に介しなが
ら加締める。これにより、締結工程が終了する。
【0030】従って、金属製フレキシブルチューブ15
が黄銅又はステンレスから構成され、冷媒配管10がア
ルミニウムから構成された異種金属からなる場合であっ
ても、上記のように両者を締結することができる。
【0031】また、冷媒配管10の端部11と金属製フ
レキシブルチューブ15の端部16との間に、シールリ
ング部材12を装着しているため、冷媒配管10と金属
製フレキシブルチューブ15との間のシール性を十分に
確保できる。
【0032】さらに、締結工程に用いる構成部品又は要
素としては、シールリング部材12、リング状固定金具
17、凹溝13,14、加締め用治具19,20等であ
り、構成部品又は要素が簡易で汎用性が高く、工法が簡
便であり、製造コストの高騰を招来するといったことも
ない。
【0033】なお、本発明は、上述した実施の形態に限
定されないのは勿論であり、種々変形可能である。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
異種金属からなる金属製フレキシブルチューブと冷媒配
管とを締結することができ、冷媒配管の端部と金属製フ
レキシブルチューブの端部との間にシールリング部材を
装着しているため、冷媒配管と金属製フレキシブルチュ
ーブとの間のシール性を十分に確保できる。
【0035】また、金属製フレキシブルチューブの端部
の冷媒配管と接触する部分にニッケルメッキ等を施す
と、異種金属間の電気腐食防止の効果が一層向上する。
【0036】さらに、締結に用いる構成部品又は要素と
しては、シールリング部材、リング状固定金具、凹溝、
加締め用治具等であり、構成部品又は要素が簡易で汎用
性が高く、工法が簡便であり、製造コストの高騰を招来
するといったこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る車両用空調装置の
冷媒配管と金属製フレキシブルチューブとの締結部位の
断面図である。
【図2】 (a)〜(e)は、夫々、金属製フレキシブ
ルチューブを冷媒配管に締結する工程を示す図である。
【図3】 フレキシブルチューブを用いた車両用空調装
置の模式的斜視図である。
【符号の説明】
1…コンプレッサ、 2…コンデンサ、 3…クーリングユニット、 10…冷媒配管、 11…端部、 12…シールリング(Oリング)、 13…シール用凹溝、 14…加締め用凹溝、 15…金属製フレキシブルチューブ、 16…端部、 17…リング状固定部材、 18…両端(凸状部)。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンに固定されたコンプレッサ(1)
    と、車体に取付けられたコンデンサ(2) 又はクーリング
    ユニット(3) とを接続する冷媒配管(10)の一部に、冷媒
    配管(10)と異なる金属からなる金属製フレキシブルチュ
    ーブ(15)を締結してなる車両用空調装置の冷媒配管にお
    いて、 前記冷媒配管(10)の端部(11)の外周面に、シール用凹溝
    (13)及び加締め用凹溝(14)を形成し、前記シール用凹溝
    (13)にはシールリング部材(12)を装着し、前記加締め用
    凹溝(14)には前記金属製フレキシブルチューブ(15)の一
    部と、当該金属製フレキシブルチューブ(15)の外周に嵌
    合したリング状固定金具(17)の両端(18)とを加締め固定
    したことを特徴とする車両用空調装置の冷媒配管。
  2. 【請求項2】 エンジンに固定されたコンプレッサ(1)
    と、車体に取付けられたコンデンサ(2) 又はクーリング
    ユニット(3) とを接続する冷媒配管(10)の一部に、冷媒
    配管(10)と異なる金属からなる金属製フレキシブルチュ
    ーブ(15)を用い、この金属製フレキシブルチューブ(15)
    を冷媒配管(10)に締結する車両用空調装置の冷媒配管締
    結方法において、 前記冷媒配管(10)の端部(11)の外周面に、シール用凹溝
    (13)及び加締め用凹溝(14)を形成する工程と、 前記シール用凹溝(13)に、シールリング部材(12)を装着
    する工程と、 前記冷媒配管(10)の端部(11)を金属製フレキシブルチュ
    ーブ(15)のストレート状の端部(16)内に挿入し、この端
    部(16)を冷媒配管(10)の加締め用凹溝(14)に対して加締
    める工程と、 この加締めた金属製フレキシブルチューブ(15)の端部(1
    6)の外周に、リング状固定金具(17)を嵌合し、このリン
    グ状固定金具(17)の両端(18)を冷媒配管(10)の加締め用
    凹溝(14)に対して金属製フレキシブルチューブ(15)の端
    部(16)を間に介しながら加締める工程と、を具備するこ
    とを特徴とする車両用空調装置の冷媒配管締結方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101469690B1 (ko) * 2013-01-09 2014-12-05 김현 세면대의 배수밸브 개폐유닛
JP2019025512A (ja) * 2017-07-28 2019-02-21 横浜ゴム株式会社 ホース継手金具の加締め装置
CN111379913A (zh) * 2020-04-08 2020-07-07 广东美的制冷设备有限公司 工质管组件、连接管组件和汽车空调
CN112714704A (zh) * 2018-09-21 2021-04-27 韦巴斯托股份公司 包括波纹管卷绕轴的卷帘装置

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