JPH11158271A - ポリエチレンイミンおよびその製造方法 - Google Patents

ポリエチレンイミンおよびその製造方法

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JPH11158271A
JPH11158271A JP32478697A JP32478697A JPH11158271A JP H11158271 A JPH11158271 A JP H11158271A JP 32478697 A JP32478697 A JP 32478697A JP 32478697 A JP32478697 A JP 32478697A JP H11158271 A JPH11158271 A JP H11158271A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶性が低く、冷水やアルコールに易溶であ
り、かつ、二級アミンが備えるキレート能等の各種機能
を充分に発揮することができるポリエチレンイミン、つ
まり、分岐の少ないポリエチレンイミン、並びに、その
製造方法を提供する。 【解決手段】 エチレンイミンをポリメタロオキソ酸塩
若しくは2,6−ジピバロイルオキシ安息香酸の存在下
で重合させる。得られるポリエチレンイミンは、分岐度
が0を越え、30%以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエチレンイミ
ンおよびその製造方法に関するものである。さらに詳し
くは、本発明は、エチレンイミンを開環重合させるポリ
エチレンイミンの製造方法、並びに、ポリエチレンイミ
ンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、主鎖に二級アミンを有するポリ
マーであるポリエチレンイミンは、エチレンイミンを塩
酸や硫酸等の酸触媒の存在下で開環重合することにより
製造されている。また、Vysokomol. soyed. A20: No.7,
1505 (1978)には、エチレンイミンを過塩素酸の存在
下、反応温度4℃で数日間、水溶液重合する方法が記載
されている。
【0003】尚、分岐度が0である直鎖状のポリエチレ
ンイミンを製造する方法として、例えば、Macromolecul
es, 5, 108 (1972) には、ポリオキサゾリンを加水分解
する方法が記載されており、Polym. Bull. 19, 13 (198
8)には、エチレンイミンのイミノ基を保護して重合した
後、脱保護する方法が記載されており、Vysokomol. Soe
din., Ser B, 14, 599 (1972) には、N−アミノエチル
エチレンイミンを開環付加重合する方法が記載されてい
る。ところが、これら方法は、工程が複雑であり、ポリ
エチレンイミンを安価に製造することができない。ま
た、分岐度が0である直鎖状のポリエチレンイミンは結
晶性が高く、冷水に不溶であるので、その用途が限定さ
れてしまう。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】エチレンイミンを酸触
媒の存在下で開環重合する上記従来の製造方法は、重合
の反応機構が複雑であり、反応を制御することが困難で
あるので、分岐の多い構造を有するポリエチレンイミ
ン、具体的には、分岐度が30%よりも大きい分岐状の
ポリエチレンイミンしか得ることができない。つまり、
上記従来の製造方法では、分岐の少ないポリエチレンイ
ミンを得ることができない。
【0005】高度に分岐した構造を有するポリエチレン
イミンは、結晶性が低く、冷水やアルコールに易溶であ
るものの、該ポリエチレンイミンが有する複数の二級ア
ミンのうちの一部が分子内部に埋もれてしまう。上記の
ポリエチレンイミンを含む組成物を例えば凝集剤として
用いた場合には、分子内部に埋もれた二級アミンが金属
イオンをキレートして凝集させることができない。この
ため、上記従来の製造方法で得られるポリエチレンイミ
ンは、二級アミンのうちの一部が分子内部に埋もれてい
るので、全ての二級アミンを有効に作用させることが困
難である、即ち、その機能を充分に発揮することが困難
であるという問題点を有している。
【0006】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、結晶性が低く、冷水やアル
コールに易溶であり、かつ、二級アミンが備えるキレー
ト能等の各種機能を充分に発揮することができる分岐状
のポリエチレンイミン、つまり、分岐の少ないポリエチ
レンイミン、並びに、その製造方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記従
来の問題点を解決すべく、ポリエチレンイミンおよびそ
の製造方法について鋭意検討した。その結果、比較的嵩
高い触媒である例えばポリメタロオキソ酸塩若しくは
2,6−ジピバロイルオキシ安息香酸の存在下でエチレ
ンイミンを開環重合させることにより、分岐の少ないポ
リエチレンイミン、具体的には、分岐度が0を越え、3
0%以下である分岐状のポリエチレンイミンを製造する
ことができることを見い出して、本発明を完成させるに
至った。
【0008】即ち、請求項1記載の発明のポリエチレン
イミンの製造方法は、上記の課題を解決するために、エ
チレンイミンをポリメタロオキソ酸塩の存在下で重合さ
せることを特徴としている。
【0009】請求項2記載の発明のポリエチレンイミン
の製造方法は、上記の課題を解決するために、請求項1
記載の発明のポリエチレンイミンの製造方法において、
ポリメタロオキソ酸塩がポリメタロオキソ酸アンモニウ
ムであることを特徴としている。
【0010】請求項3記載の発明のポリエチレンイミン
の製造方法は、上記の課題を解決するために、エチレン
イミンを2,6−ジピバロイルオキシ安息香酸の存在下
で重合させることを特徴としている。
【0011】上記の方法によれば、比較的嵩高い触媒で
ある例えばポリメタロオキソ酸塩若しくは2,6−ジピ
バロイルオキシ安息香酸の存在下でエチレンイミンを開
環重合させるので、これら化合物がポリエチレンイミン
分子の成長末端の対アニオンとして作用する。そして、
該化合物は嵩高いので、成長末端に対するポリエチレン
イミンが有する主鎖の二級アミンの求核攻撃を、その立
体規制によって抑制することができる。
【0012】これにより、分岐の少ないポリエチレンイ
ミン、具体的には、分岐度が0を越え、30%以下であ
る分岐状のポリエチレンイミンを製造することができ
る。上記製造方法によって得られるポリエチレンイミン
は、結晶性が低く、冷水やアルコールに易溶であり、か
つ、二級アミンが備えるキレート能等の各種機能を充分
に発揮することができる。
【0013】また、請求項4記載の発明の分岐状のポリ
エチレンイミンは、上記の課題を解決するために、分岐
度が30%以下であることを特徴としている。
【0014】請求項5記載の発明のポリエチレンイミン
含有組成物は、上記の課題を解決するために、請求項4
記載のポリエチレンイミンを含むことを特徴としてい
る。
【0015】請求項4記載の構成によれば、適度に分岐
した構造を有しているので、結晶性が低く、冷水やアル
コールに易溶であり、かつ、二級アミンが備えるキレー
ト能等の各種機能を充分に発揮することができるポリエ
チレンイミンを提供することができる。また、請求項5
記載の構成によれば、当該ポリエチレンイミン含有組成
物を例えば凝集剤として用いる場合においては、実質的
に全ての二級アミンが金属イオンをキレートして凝集さ
せることができるので、ポリエチレンイミンの使用量を
低減することができる。つまり、ポリエチレンイミンを
各種添加剤として用いる場合においては、その使用量を
低減することができる。また、その効果によってキレー
ト能等の各種機能特性を効果的に発現することができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明にかかるポリエチレンイミ
ンの製造方法は、エチレンイミンをポリメタロオキソ酸
塩若しくは2,6−ジピバロイルオキシ安息香酸の存在
下で重合させる方法である。また、本発明にかかる分岐
状のポリエチレンイミンは、分岐度が0を越え、30%
以下である構成である。
【0017】本発明における分岐度とは、ポリエチレン
イミンが有する三級アミンおよび二級アミンの合計量に
対する三級アミンの割合を示す数値である。上記の分岐
度は、ポリエチレンイミンの13C−NMRを測定して得
られるチャートから、三級アミンに結合している炭素原
子と二級アミンに結合している炭素原子との強度比を求
めることによって、三級アミンの個数aと二級アミンの
個数bとを算出し、これら個数a、個数bを用いて下記
式 分岐度(%)=〔a/(a+b)〕×100 から求められる。従って、直鎖状のポリエチレンイミン
は、三級アミンを有していないので分岐度0%であり、
全ての窒素原子が三級アミンとなっている、即ち、最大
限に分岐しているポリエチレンイミンは、分岐度100
%である。
【0018】本発明にかかる製造方法においては、比較
的嵩高い触媒を用いることが望ましく、具体的には、ポ
リメタロオキソ酸塩若しくは2,6−ジピバロイルオキ
シ安息香酸を用いることが好ましい。
【0019】比較的嵩高い触媒として用いられるポリメ
タロオキソ酸塩は、ポリエチレンイミン分子の成長末端
の対アニオンとして作用する。該ポリメタロオキソ酸塩
は、嵩高い化合物であるので、成長末端に対するポリエ
チレンイミンが有する主鎖の二級アミンの求核攻撃を、
その立体規制によって抑制することができる。尚、本発
明におけるポリメタロオキソ酸塩とは、中心金属イオン
に酸素原子のみが結合することによって形成されている
酸の縮合体の塩を示す。
【0020】比較的嵩高い触媒として用いられる2,6
−ジピバロイルオキシ安息香酸は、ポリエチレンイミン
分子の成長末端の対アニオンとして作用する。該2,6
−ジピバロイルオキシ安息香酸は、カルボキシル基の両
隣である2,6位に嵩高い置換基であるピバロイルオキ
シ基を有しているので、成長末端に対するポリエチレン
イミンが有する主鎖の二級アミンの求核攻撃を、その立
体規制によって抑制することができる。
【0021】上記ポリメタロオキソ酸塩および2,6−
ジピバロイルオキシ安息香酸以外の、比較的嵩高い触媒
としては、成長末端に対するポリエチレンイミンが有す
る主鎖の二級アミンの求核攻撃を、その立体規制によっ
て抑制することができる構造を備えた触媒であればよ
く、特に限定されるものではない。比較的嵩高い触媒に
おける、より好ましい化合物名を以下に具体的に挙げる
こととする。
【0022】本発明にかかる製造方法において用いられ
るポリメタロオキソ酸塩としては、具体的には、例え
ば、モリブデン酸アンモニウム、イソポリモリブデン酸
アンモニウム、ドデカモリブドリン酸、ドデカモリブド
ケイ酸等のモリブデン酸塩;メタバナジン酸アンモニウ
ム、十バナジン酸六ナトリウム、十バナジン酸六アンモ
ニウム、十モリブド二バナドリン酸等のバナジン酸塩;
タングステン酸アンモニウム、ドデカタングストリン酸
等のタングステン酸塩;ホウ酸ナトリウム、ホウ酸アン
モニウム、ホウ酸バリウム、ホウ酸ユウロピウム等のホ
ウ酸塩;クロム酸ナトリウム、クロム酸カリウム、クロ
ム酸アンモニウム等のクロム酸塩;トリメタリン酸ナト
リウム、三リン酸二水素アルミニウム、メタリン酸アル
ミニウム、テトラメタリン酸アルミニウム、ウルトラリ
ン酸ネオジウム等のリン酸塩;ケイ酸ナトリウム、ケイ
酸アンモニウム、ケイ酸アルミニウム等のケイ酸塩;ニ
オブ酸ナトリウム、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸アンモ
ニウム等のニオブ酸塩;タンタル酸ナトリウム、タンタ
ル酸カリウム、タンタル酸アンモニウム等のタンタル酸
塩;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
これらポリメタロオキソ酸塩は、一種類のみを用いても
よく、また、二種類以上を併用してもよい。上記例示の
ポリメタロオキソ酸塩のうち、モリブデン酸アンモニウ
ム、メタバナジン酸アンモニウム、タングステン酸アン
モニウム、ホウ酸アンモニウム等のポリメタロオキソ酸
アンモニウムがより好ましい。また、上記例示のポリメ
タロオキソ酸アンモニウムのうち、モリブデン酸アンモ
ニウムがさらに好ましい。尚、ポリメタロオキソ酸塩と
2,6−ジピバロイルオキシ安息香酸とを併用すること
もできる。
【0023】ポリメタロオキソ酸塩若しくは2,6−ジ
ピバロイルオキシ安息香酸の存在下でエチレンイミンを
開環重合する際の反応温度や反応時間、つまり、開環重
合の反応条件は、特に限定されるものではない。また、
重合形態としては、例えば、塊状重合や溶液重合等が挙
げられるが、特に限定されるものではなく、一般的に用
いられている各種重合形態を採用することができる。
【0024】本発明にかかる製造方法において好適に用
いられる溶媒としては、具体的には、例えば、水;メチ
ルアルコール、エチルアルコール等のアルコール;アセ
トン、メチルエチルケトン等のケトン;ベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、シクロ
ヘキサン等の脂肪族炭化水素;ジクロロメタン、クロロ
ホルム等のハロゲン化炭化水素;等が挙げられるが、特
に限定されるものではない。これら溶媒は、一種類のみ
を用いてもよく、また、二種類以上を併用してもよい。
上記例示の溶媒のうち、水、メチルアルコールがより好
ましい。
【0025】エチレンイミンは、反応装置に一括して仕
込んでもよく、反応液に滴下してもよいが、一括して仕
込む方がより好ましい。また、反応液におけるエチレン
イミンの濃度は、より高い方が好ましい。エチレンイミ
ンに対するポリメタロオキソ酸塩または2,6−ジピバ
ロイルオキシ安息香酸の使用量は、特に限定されるもの
ではない。
【0026】上記の方法により、つまり、比較的嵩高い
触媒である例えばポリメタロオキソ酸塩若しくは2,6
−ジピバロイルオキシ安息香酸の存在下でエチレンイミ
ンを重合させることにより、分岐の少ないポリエチレン
イミン、具体的には、分岐度が0を越え、30%以下で
ある分岐状のポリエチレンイミンが得られる。該ポリエ
チレンイミンの数平均分子量(Mn)は、3000程度
である。本発明にかかるポリエチレンイミンは、適度に
分岐した構造を有しているので、結晶性が低く、冷水や
アルコール、アセトン等に易溶である。そして、該ポリ
エチレンイミンは、二級アミンが分子内部に埋もれるこ
とが無く、全ての二級アミンを有効に作用させることが
できるので、該二級アミンが備えるキレート能等の各種
機能を充分に発揮することができる。
【0027】尚、分岐度が0である直鎖状のポリエチレ
ンイミンは、特に冷水に対する溶解性が無いので、その
利用に当たって問題点を有している。例えば、該ポリエ
チレンイミンを熱水に溶解させて水溶液とした場合にお
いては、貯蔵温度によっては、該水溶液から、溶解して
いるポリエチレンイミンの一部が結晶化して析出すると
いう問題点を有している。
【0028】上記構成のポリエチレンイミンを含むポリ
エチレンイミン含有組成物(以下、単に組成物と記す)
は、凝集剤、紙用サイズ剤、帯電防止剤、キレート化
剤、界面活性剤等の各種用途に好適に用いることができ
る。そして、組成物を例えば凝集剤として用いる場合に
おいては、実質的に全ての二級アミンが効果的に作用し
て金属イオンをキレートして凝集させることができるの
で、ポリエチレンイミンの使用量を低減することができ
る。つまり、ポリエチレンイミンを各種添加剤として用
いる場合においては、その使用量を低減することがで
き、各種添加剤の性能も改良することができる。また、
使用量が同量であっても、その用途において所望される
効果が増大される。
【0029】尚、上記組成物におけるポリエチレンイミ
ンの含有量、或いは、ポリエチレンイミン以外の成分等
は、特に限定されるものではない。また、ポリエチレン
イミンの分岐度は、30%以下の範囲内において、その
用途に応じて設定すればよく、特に限定されるものでは
ない。また、ポリエチレンイミンの分岐度が30%を越
えると、従来のポリエチレンイミンと同程度に、該ポリ
エチレンイミンが有する複数の二級アミンのうちの一部
が分子内部に埋もれてしまい、有効に作用させることが
困難となるので好ましくない。
【0030】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら
限定されるものではない。尚、実施例および比較例に記
載の「部」は、「重量部」を示す。
【0031】〔実施例1〕還流冷却管、温度計および撹
拌装置を備えたフラスコに、エチレンイミン1部と、溶
媒であるメチルアルコール4部と、触媒であるメタバナ
ジン酸アンモニウム0.014部(エチレンイミンに対
して金属換算で0.5モル%)とを仕込み、50℃で7
時間、開環重合させた。反応終了後、反応液からメチル
アルコールと残存エチレンイミンとを留去した。これに
より、本発明にかかるポリエチレンイミンを得た。該ポ
リエチレンイミンの分岐度は、23%であった。
【0032】〔実施例2〕溶媒をメチルアルコール4部
から水4部に代えた以外は、実施例1と同様の反応およ
び操作を行うことにより、本発明にかかるポリエチレン
イミンを得た。該ポリエチレンイミンの分岐度は、24
%であった。
【0033】〔実施例3〕触媒をメタバナジン酸アンモ
ニウム0.014部から五ホウ酸アンモニウム八水和物
0.0063部(エチレンイミンに対して金属換算で
0.5モル%)に代えた以外は、実施例1と同様の反応
および操作を行うことにより、本発明にかかるポリエチ
レンイミンを得た。該ポリエチレンイミンの分岐度は、
24%であった。
【0034】〔実施例4〕触媒をメタバナジン酸アンモ
ニウム0.014部から七モリブデン酸六アンモニウム
4水和物0.020部(エチレンイミンに対して金属換
算で0.5モル%)に代えた以外は、実施例1と同様の
反応および操作を行うことにより、本発明にかかるポリ
エチレンイミンを得た。該ポリエチレンイミンの分岐度
は、23%であった。
【0035】〔比較例1〕還流冷却管、温度計および撹
拌装置を備えたフラスコに、エチレンイミン1部と、溶
媒である1,4−ジオキサン4部と、従来の触媒である
メタンスルホン酸0.011部(エチレンイミンに対し
て0.5モル%)とを仕込み、50℃で7時間、開環重
合させた。反応終了後、反応液から1,4−ジオキサン
と残存エチレンイミンとを留去した。これにより、比較
用のポリエチレンイミンを得た。該比較用ポリエチレン
イミンの分岐度は、31%であった。
【0036】〔実施例5〕還流冷却管、温度計および撹
拌装置を備えたフラスコに、エチレンイミン1部と、
1,4−ジオキサン4部と、触媒である2,6−ジピバ
ロイルオキシ安息香酸0.0374部(エチレンイミン
に対して0.5モル%)とを仕込み、50℃で23時
間、開環重合させた。反応終了後、反応液から1,4−
ジオキサンと残存エチレンイミンとを留去した。これに
より、本発明にかかるポリエチレンイミンを得た。該ポ
リエチレンイミンの分岐度は、26%であった。また、
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を
用いて所定の方法で測定したポリエチレンイミンの数平
均分子量(Mn)は、3000(ポリスチレン換算)で
あった。
【0037】
【発明の効果】本発明の請求項1記載のポリエチレンイ
ミンの製造方法は、以上のように、エチレンイミンをポ
リメタロオキソ酸塩の存在下で重合させる方法である。
【0038】本発明の請求項2記載のポリエチレンイミ
ンの製造方法は、以上のように、ポリメタロオキソ酸塩
がポリメタロオキソ酸アンモニウムである方法である。
【0039】本発明の請求項3記載のポリエチレンイミ
ンの製造方法は、以上のように、エチレンイミンを2,
6−ジピバロイルオキシ安息香酸の存在下で重合させる
方法である。
【0040】これにより、分岐の少ないポリエチレンイ
ミン、具体的には、分岐度が0を越え、30%以下であ
るポリエチレンイミンを製造することができるという効
果を奏する。上記製造方法によって得られるポリエチレ
ンイミンは、結晶性が低く、冷水やアルコールに易溶で
あり、かつ、二級アミンが備えるキレート能等の各種機
能を充分に発揮することができる。
【0041】本発明の請求項4記載の分岐状のポリエチ
レンイミンは、以上のように、分岐度が30%以下であ
る構成である。
【0042】本発明の請求項5記載のポリエチレンイミ
ン含有組成物は、以上のように、請求項4記載のポリエ
チレンイミンを含む構成である。
【0043】これにより、適度に分岐した構造を有して
いるので、結晶性が低く、冷水やアルコールに易溶であ
り、かつ、二級アミンが備えるキレート能等の各種機能
を充分に発揮することができるポリエチレンイミンを提
供することができるという効果を奏する。また、当該ポ
リエチレンイミン含有組成物を例えば凝集剤として用い
る場合においては、実質的に全ての二級アミンが金属イ
オンをキレートして凝集させることができるので、ポリ
エチレンイミンの使用量を低減することができる。つま
り、ポリエチレンイミンを各種添加剤として用いる場合
においては、その使用量を低減することができる。ま
た、その効果によってキレート能等の各種機能特性を効
果的に発現することができるという種々の効果を奏す
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレンイミンをポリメタロオキソ酸塩の
    存在下で重合させることを特徴とするポリエチレンイミ
    ンの製造方法。
  2. 【請求項2】ポリメタロオキソ酸塩がポリメタロオキソ
    酸アンモニウムであることを特徴とする請求項1記載の
    ポリエチレンイミンの製造方法。
  3. 【請求項3】エチレンイミンを2,6−ジピバロイルオ
    キシ安息香酸の存在下で重合させることを特徴とするポ
    リエチレンイミンの製造方法。
  4. 【請求項4】分岐度が30%以下であることを特徴とす
    る分岐状のポリエチレンイミン。
  5. 【請求項5】請求項4記載のポリエチレンイミンを含む
    ことを特徴とするポリエチレンイミン含有組成物。
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