JP2001019768A - 高分子量チオ尿素重合体及びその製造方法 - Google Patents

高分子量チオ尿素重合体及びその製造方法

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JP2001019768A
JP2001019768A JP11194600A JP19460099A JP2001019768A JP 2001019768 A JP2001019768 A JP 2001019768A JP 11194600 A JP11194600 A JP 11194600A JP 19460099 A JP19460099 A JP 19460099A JP 2001019768 A JP2001019768 A JP 2001019768A
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Kaku Ri
革 李
Takashi Ootani
丘士 大谷
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Rengo Co Ltd
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Rengo Co Ltd
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応の制御が可能で、かつ、再賦形可能な重
量平均分子量の大きい高分子量チオ尿素重合体及びその
製造法を提供することを目的とする。 【解決手段】 下記化学式(1) 【化25】 (式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、又はこれ
らの置換体を表す。nは、整数を示す。また、分子中の
n個のRは、同一であっても、異なってもよい。)で示
され、重量平均分子量を2万〜10万とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高分子量チオ尿
素重合体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】直線状ポリチオ尿素は、ジアミンとジイ
ソチオシアナートとの反応で得られることがよく知られ
ている。また、ジアミンと二硫化炭素の反応(J.Po
lym.Sci.Polym.Lett.Ed,12,
517(1994))や、チオ尿素誘導体とホルムアル
デヒドとの酸性条件下での反応(Makromol.C
hem.,15,75(1955))により、直線状ポ
リチオ尿素が得られることが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ジアミンとジイソチオシアナートの反応は極めて迅速で
あり、おびただしく発熱する。そのため、ジアミンとジ
イソチオシアナートからポリチオ尿素を合成する際に
は、反応を制御するために有機溶媒を使用しなければな
らず、製造コストの上昇と環境汚染につながるおそれが
ある。また、上記ジアミンとジイソチオシアナートから
得られるポリチオ尿素は、一般的に熱に対して不安定で
ある。
【0004】また、ジアミンと二硫化炭素を直接反応さ
せるポリチオ尿素合成法においても、反応時に有機溶媒
が必要である。さらに、この合成法は芳香族ジアミンに
のみ有効であり、脂肪族ジアミンには適用できない。
【0005】さらにまた、チオ尿素誘導体とホルムアル
デヒドを強酸性条件下で反応させる方法は、生成するポ
リマーの分子量が低いという欠点がある。これは、強酸
性条件下では、重合途中、末端には反応性のメチロール
基が少ないため、下記化学反応式(7)及び(8)で示
される鎖延長反応がおこりにくく、更なる分子量増大が
起こりにくくなるからである。
【0006】
【化8】
【0007】
【化9】
【0008】また、チオ尿素誘導体から直鎖状ポリチオ
尿素を合成するには、二官能性すなわちN,N’−二置
換チオ尿素類を用いる必要があるが、これを用いたポリ
チオ尿素合成法はほとんど知られていない。
【0009】また、上記のN,N’−二置換チオ尿素の
一種であるエチレンチオ尿素とホルムアルデヒドの反応
で得られるポリマーは、一般的に結晶性が高く、有機溶
媒にほとんど溶解しない。さらに、溶融時には熱分解が
著しい。このため、溶媒キャスト法や加熱成形などの再
賦形が困難であり、工業的な利用価値が十分でない。
【0010】そこで、この発明は、反応の制御が可能
で、かつ、再賦形可能な高分子量のチオ尿素重合体及び
その製造法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明は、下記の方法を採用したのである。すな
わち、下記化学式(3)
【0012】
【化10】
【0013】(式中、Rはアルキル基、シクロアルキル
基、又はこれらの置換体を表す。)で示される環状チオ
尿素化合物にホルムアルデヒドを加えてpH5〜10で
処理した後、pH1〜4で処理することにより、下記化
学式(4)
【0014】
【化11】
【0015】(式中のRは、化学式(3)中のRと同様
である。mは整数を示す。また、分子中のm個のRは、
同一であっても、異なってもよい。)で示され、重量平
均分子量が2000〜6000である低分子量チオ尿素
重合体を得る。
【0016】また、上記化学式(3)及び下記化学式
(5)
【0017】
【化12】
【0018】(式(3)及び(5)中、R、R1 はアル
キル基、シクロアルキル基、又はこれらの置換体を表
す。)で示される環状チオ尿素化合物及び環状尿素化合
物にホルムアルデヒドを加えてpH5〜10で処理した
後、pH1〜4で処理することにより、下記化学式
(6)
【0019】
【化13】
【0020】(式中のR、R1 は、化学式(5)中の
R、R1 と同様である。r及びsは整数を示す。また、
分子中のr個のR及びs個のR1 は、同一であっても、
それぞれ異なってもよい。)で示され、重量平均分子量
が2000〜6000である低分子量チオ尿素重合体を
得る。
【0021】そして、これらの低分子量チオ尿素重合体
を180〜250℃で熱処理することにより、重量平均
分子量2万〜10万の高分子量チオ尿素重合体を得るの
である。
【0022】環状チオ尿素化合物とホルムアルデヒドと
の反応を、pH5〜10の条件下で行い、次いで、pH
1〜4の条件下で行う。これにより、重量平均分子量2
000〜6000の低分子量チオ尿素重合体が得られ
る。初期の反応を弱酸性から弱アルカリ性の液性条件下
で行い、その後、液性を強酸性とすることにより得られ
る低分子量チオ尿素重合体の末端は、メチロール基とな
っているものが多い。そのため、低分子量チオ尿素重合
体を加熱すると鎖延長反応が生じやすく、重合平均分子
量が2万〜10万の高分子量チオ尿素重合体を得ること
が可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を説明
する。この発明にかかる高分子量チオ尿素重合体、すな
わち、重量平均分子量の大きなチオ尿素重合体は、下記
化学式(1)
【0024】
【化14】
【0025】、又は、下記化学式(2)
【0026】
【化15】
【0027】で示される重合体である。上記の化学式
(1)及び(2)において、R、R1 はアルキル基、シ
クロアルキル基、又はこれらの置換体を表す。n、p及
びqは整数を示す。また、上記化学式(1)において、
分子中のn個のRは、同一であっても、異なってもよ
い。さらに、上記化学式(2)において、分子中のp個
のR及びq個のR1 は、同一であっても、それぞれ異な
ってもよい。
【0028】上記の化学式(1)は、下記の方法で製造
することができる。すなわち、下記化学式(3)
【0029】
【化16】
【0030】(式中、Rは、上記と同様である。)で示
される環状チオ尿素化合物にホルムアルデヒドを加え
て、弱酸性から弱アルカリ性の液性条件下で処理する。
次いで、強酸性の液性にして処理をする。これにより、
下記化学式(4)
【0031】
【化17】
【0032】で示され、比較的重量平均分子量の低いチ
オ尿素重合体(以下、「低分子量チオ尿素重合体」と称
する。)が製造される。なお、化学式(4)中のRは、
上記と同様である。mは整数を示す。また、分子中のm
個のRは、同一であっても、異なってもよい。
【0033】そして、化学式(4)で示される低分子量
チオ尿素重合体を所定温度で熱処理することにより、上
記化学式(1)で示される高分子量チオ尿素重合体が製
造される。
【0034】また、上記化学式(2)は、下記の方法に
より製造される。すなわち、上記化学式(3)及び下記
化学式(5)
【0035】
【化18】
【0036】(式(3)及び(5)中、R、R1 は、上
記と同様である。)で示される環状チオ尿素化合物及び
環状尿素化合物にホルムアルデヒドを加えて弱酸性から
弱アルカリ性の液性条件下で処理する。次いで、強酸性
の液性にして処理をする。これにより、下記化学式
(6)
【0037】
【化19】
【0038】で示される低分子量チオ尿素重合体が製造
される。なお、化学式(6)中のR、R1 は、上記と同
様である。r、sは整数を示す。さらに、分子中のr個
のR及びs個のR1 は、同一であっても、それぞれ異な
ってもよい。
【0039】そして、化学式(6)で示される低分子量
チオ尿素重合体を所定温度で熱処理することにより、上
記化学式(2)で示される、環状チオ尿素と環状尿素の
共重合体である高分子量チオ尿素重合体が製造される。
このとき、得られる共重合体は、ランダム共重合体であ
っても、ブロック共重合体であってもよい。
【0040】なお、低分子量チオ尿素重合体及び高分子
量チオ尿素重合体には、環状チオ尿素化合物の単独重合
体若しくは共重合体、又は、環状チオ尿素化合物及び環
状尿素化合物の共重合体のいずれも含む。
【0041】上記化学式(3)を用いる低分子量チオ尿
素重合体合成反応において使用される環状チオ尿素化合
物は、ただ1種の環状チオ尿素化合物を用いてもよい
し、複数種の環状チオ尿素化合物を用いてもよい。ま
た、上記化学式(3)及び化学式(5)を用いる低分子
量チオ尿素重合体合成反応において使用される環状チオ
尿素化合物及び環状尿素化合物は、それぞれ1種のみず
つ用いてもよいし、複数種の環状チオ尿素化合物及び環
状尿素化合物を用いてもよい。
【0042】上記化学式(3)で示される環状チオ尿素
化合物の例としては、2−イミダゾリジンチオン、4−
メチル−2−イミダゾリジンチオン、4,4−ジメチル
−2−イミダゾリジンチオン、4−フェニル−2−イミ
ダゾリジンチオン、4−メチルー5−エチル−2−イミ
ダゾリジンチオン等が挙げられる。
【0043】上記化学式(5)で示される環状尿素化合
物の例としては、2−イミダゾリドン、4−メチル−2
−イミダゾリドン、4,4−ジメチル−2−イミダゾリ
ドン、4−フェニル−2−イミダゾリドン、4−メチル
−5−エチル−2−イミダゾリドンなどが挙げられる。
【0044】これらと反応させるホルムアルデヒドは、
市販の水溶液のまま用いてもよいし、縮合物であるパラ
ホルムアルデヒドを用いてもよい。反応溶媒には、一般
の有機溶媒を用いることができるが、この反応は水中で
副反応もなく進行するため、製造コストや廃棄物処理の
点から、水を用いることが好ましい。また反応に供与さ
れる環状チオ尿素化合物の全モル数、又は環状チオ尿素
化合物及び環状尿素化合物の全モル数に対するホルムア
ルデヒドの反応比率は1:1〜1:2であり、好ましく
は1:1.2〜1:1.5である。
【0045】低分子量チオ尿素重合体の製造法は、上記
のように基本的に二段階の反応からなる。すなわち、環
状チオ尿素化合物、又は環状チオ尿素化合物及び環状尿
素化合物とホルムアルデヒドとの混合物を弱酸性から弱
アルカリ性の液性条件下で行う処理と、その後、強酸性
の液性条件下で行う処理である。
【0046】前者の弱酸性から弱アルカリ性は、具体的
には、pH5〜10がよく、pH5〜6程度の弱酸性若
しくはpH8〜10程度の弱アルカリ性が好ましい。ま
た、後者の強酸性は、具体的には、pH1〜4がよく、
pH1〜3が好ましい。
【0047】前者の弱酸性から弱アルカリ性の条件下で
処理をすると、得られる低分子量ポリチオ尿素の末端
に、反応性のメチロール基が多数存在させることがで
き、下記の化学反応式(7)及び(8)に示すように、
後の加熱処理により鎖延長反応を生じせしめ、分子量を
増大させることができる。これに対して反応初期から強
酸性条件で低分子量ポリチオ尿素を合成すると、末端に
は反応性のメチロール基が少ないことになり、下記の化
学反応式(7)及び(8)に示すような反応が生じにく
く、更なる分子量増大は起こりにくくなる。
【0048】
【化20】
【0049】
【化21】
【0050】さらに、上記のように反応液の液性を当
初、弱酸性から弱アルカリ性にすることにより、ホルム
アルデヒドの使用量を低減させることができる。上記の
pH調整に使用される酸は希塩酸、希硫酸などごく一般
的に用いる無機酸でよい。また、アルカリは、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムなどごく一般的なアルカリを
用いることができるが、pH調節の容易さの点で、炭酸
ナトリウム/炭酸水素ナトリウムを混合して用いること
が好ましい。
【0051】得られる低分子量チオ尿素重合体の重量平
均分子量は、2000〜6000がよく、3000〜6
000が好ましい。重量平均分子量が2000より小さ
いと重合体の回収が困難となり、6000より大きいと
反応性の末端基が少なく、加熱による分子量増大を起こ
しにくい。
【0052】液性を弱酸性から弱アルカリ性にしたとき
の処理時間は、1〜24時間がよいが、通常、3時間で
十分反応が終了するので、1〜3時間が好ましい。
【0053】上記化学式(4)又は(6)に示される低
分子量チオ尿素重合体を用いて、上記化学式(1)又は
(2)に示される高分子量チオ尿素重合体を製造すると
きに行われる加熱処理の温度は、180℃〜250℃が
よく、220℃〜250℃が好ましい。
【0054】上記加熱処理は空気中で行うことができる
が、まれに変色が起こることがあるため、窒素気流下な
どの酸素が存在しない環境で行うことが好ましい。加熱
時間は10〜60分であるが、通常10〜30分で十分
である。この繰作により、生成する高分子量チオ尿素重
合体の分子量は2万〜10万、重合度で400〜600
に達する。
【0055】なお、上記化学式(3)に示す環状チオ尿
素化合物のうち非対称な構造を持つ化合物を用いて重合
して得られる高分子量チオ尿素重合体は、結晶性が低く
数種の溶媒に溶解し、一般的なポリチオ尿素と異なって
環構造をポリマー鎖中に持つため熱安定性が向上するた
め、加熱成形が可能である。すなわち、これらの高分子
量チオ尿素重合体は、溶媒法及び加熱法により再賦形す
ることが可能である。
【0056】
【実施例】以下、この発明を実施例を用いて具体的に説
明する。 (使用した化合物)重合に使用した環状チオ尿素化合物
のうち、4−メチル−2−イミダゾリジンチオンは、
1,2−ジアミノプロパンと等モル量の二硫化炭素を水
−エタノール混合溶媒中、10時間還流させて合成し
た。また、環状尿素化合物のうち、4−メチル−2−イ
ミダゾリドンは1,2−ジアミノプロパンと炭酸ジエチ
ルを100℃から150℃に20時間加熱して合成し
た。その他の化合物は市販品をそのまま用いた。
【0057】〔実施例1〕 4−メチル−2−イミダゾ
リジンチオンとホルムアルデヒドの重合 その1(反応
初期に弱アルカリ性・後に強酸性とする方法、パラホル
ムアルデヒドを用いる方法)
【0058】
【化22】
【0059】上記化学式(9)に示す4−メチル−2−
イミダゾリジンチオン(0.70g)、パラホルムアル
デヒド(95%、0.24g、反応モル比率1:1.
3)を蒸留水50ml中で混合し、炭酸ナトリウム及び
炭酸水素ナトリウムを加えて液性をpH8〜10に調整
した。これを室温で3時間攪拌して透明な溶液を得た。
この溶液に濃塩酸をpHが1〜3の間になるまで加え、
室温で一週間攪拌した。生じた白色粉末状沈殿を濾取
し、水洗、乾燥した(収量0.77g)。この低分子量
チオ尿素重合体の分子量をGPCで測定したところ、重
量平均分子量約3800であった(ポリスチレン換算、
重合度約30)。この白色粉末を窒素気流下で240℃
まで加熱した(昇温速度2℃/分、保持時間60分)。
生成した無色透明の固形物の分子量をGPCで測定した
ところ、重量平均分子量約63900に上昇していた
(ポリスチレン換算、重合度約503)。
【0060】〔実施例2〕 4−メチル−2−イミダゾ
リジンチオンとホルムアルデヒドの重合 その2(反応
初期に弱アルカリ性・後に強酸性とする方法、ホルマリ
ン(ホルムアルデヒド水溶液)を用いる方法) 上記化学式(9)に示す4−メチル−2−イミダゾリジ
ンチオン(1.61g)、ホルマリン(37%ホルムア
ルデヒド水溶液、1.68g、反応モル比率1:1.
5)を蒸留水50ml中で混合し、炭酸ナトリウム及び
炭酸水素ナトリウムを加えて液性をpH8〜10に調整
した。これを室温で3時間攪拌して透明な溶液を得た。
この溶液に濃塩酸をpHが2〜3の間になるまで加え、
室温で一週間攪拌した。生じた白色粉末状沈殿を濾取
し、水洗、乾操した(収量1.62g)。この低分子量
チオ尿素重合体の分子量をGPCで測定したところ、重
量平均分子量約5500であった(ポリスチレン換算、
重合度約43)。この白色粉末を窒素気流下で240℃
まで加熱した(昇温速度2℃/分、保持時間60分)。
生成した無色透明の固形物の分子量をGPCで測定した
ところ、重量平均分子量約60400に上昇していた
(ポリスチレン換算、重合度約475)。
【0061】〔実施例3〕 4−メチル−2−イミダゾ
リジンチオンとホルムアルデヒドの重合その3(反応初
期に弱酸性・後に強酸性とする方法、ホルマリン(ホル
ムアルデヒド水溶液)を用いる方法) 上記化学式(9)に示す4−メチル−2−イミダゾリジ
ンチオン(1.00g)、ホルマリン(37%ホルムア
ルデヒド水溶液、1.04g、反応モル比率1:1.
5)を蒸留水50ml中で混合し、塩酸をpHが5〜7
の間になるまで加え、50℃で3時間攪拌した。この溶
液に濃塩酸をpHが2〜3の間になるまで加え、室温で
一週間攪拌した。生じた白色粉末状沈殿を濾取し、水
洗、乾燥した(収量1.13g)。この低分子量チオ尿
素重合体の分子量をGPCで測定したところ、重量平均
分子量約5000であった(ポリスチレン換算、重合度
約39)。この白色粉末を窒素気流下で240℃まで加
熱した(昇温速度2℃/分、保持時間30分)。生成し
た無色透明の固形物の分子量をGPCで測定したとこ
ろ、重量平均分子量約58500に上昇していた(ポリ
スチレン換算、重合度約461)。
【0062】〔実地例4〕 2−イミダゾリジンチオ
ン、4−メチル−2−イミダゾリジンチオン及びホルム
アルデヒドの共重合
【0063】
【化23】
【0064】上記化学式(10)に示す2−イミダゾリ
ジンチオン(0.30g)、上記化学式(7)に示す4
−メチル−2−イミダゾリジンチオン(0.70g)、
パラホルムアルデヒド(95%、0.56g、全環状化
合物とホルムアルデヒドの反応モル比率1:2.0)を
実施例1と同様の繰作で反応させた。(白色粉末収量
0.91g)。この低分子量チオ尿素重合体の分子量を
GPCで測定したところ、重量平均分子量約4400で
あった(ポリスチレン換算、重合度約36)。この白色
粉末を窒素気流下で230℃まで加熱した(昇温速度2
℃/分、保持時間60分)。生成した無色透明の固形物
の分子量をGPCで測定したところ、重量平均分子量約
56300に上昇していた(ポリスチレン換算、重合度
約460)。
【0065】〔実施例5〕 4−メチル−2−イミダゾ
リジンチオン、4−メチル−2−イミダゾリドン及びホ
ルムアルデヒドの共重合
【0066】
【化24】
【0067】上記化学式(9)に示す4−メチル−2−
イミダゾリジンチオン(0.46g)、上記化学式(1
1)に示す4−メチル−2−イミダゾリドン(0.20
g)、パラホルムアルデヒド(95%、0.25g、全
環状化合物とホルムアルデヒドの反応モル比率1:1.
3)を実施例1と同様の操作で反応させた。(白色粉末
収量0.67g)。この低分子量チオ尿素重合体の分子
量をGPCで測定したところ、重量平均分子量約520
0であった(ポリスチレン換算、重合度約44)。この
白色粉末を窒素気流下で250℃まで加熱した(昇温速
度2℃/分、保持時間なし)。生成した無色透明の固形
物の分子量をGPCで測定したところ、重量平均分子量
約71000に上昇していた(ポリスチレン換算、重合
度約607)。
【0068】〔比較例1〕 4−メチル−2−イミダゾ
リジンチオンとホルムアルデヒドの重合(初期から強酸
性条件で反応させる方法) 上記化学式(9)に示す4−メチル−2−イミダゾリジ
ンチオン(1.00g)、ホルマリン(37%ホルムア
ルデヒド水溶液、1.04g、反応モル比率1:1.
5)を蒸留水50ml中で混合し、塩酸をpHが1〜3
の間になるまで加え、室温で一週間攪拌した。生じた白
色粉末状沈殿を濾取し、水洗、乾燥した(収量1.06
g)。この低分子量チオ尿素重合体の分子最をGPCで
測定したところ、重量平均分子量約3700であった
(ポリスチレン換算、重合度約29)。この白色粉末を
窒素気流下で240℃まで加熱した(昇温速度2℃/
分、保持時間30分)。生成した無色透明の固形物の分
子量をGPCで判定したところ、重量平均分子量は約1
2400程度までにしか上昇していなかった(ポリスチ
レン換算、重合度約98)。
【0069】
【発明の効果】この発明によれば、反応液のpHを調節
し、後に加熱するという容易な繰作によって、高分子量
のポリチオ尿素やポリ(チオ尿素−尿素)共重合体等の
高分子量チオ尿素重合体を合成できる。
【0070】これらの重合体は、環構造をポリマー鎖中
に持つため熱安定性が向上する。このため、これまでの
ポリチオ尿素やポリ尿素と異なって加熱及び溶媒キャス
トによる再賦形が可能であり、各種成形材料やコーティ
ングの分野で利用することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化学式(1) 【化1】 (式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、又はこれ
    らの置換体を表す。nは整数を示す。また、分子中のn
    個のRは、同一であっても、異なってもよい。)、又
    は、下記化学式(2) 【化2】 (式中、R、R1 はアルキル基、シクロアルキル基、又
    はこれらの置換体を表す。p及びqは整数を示す。ま
    た、分子中のp個のR及びq個のR1 は、同一であって
    も、それぞれ異なってもよい。)で示され、重量平均分
    子量が2万〜10万である高分子量チオ尿素重合体。
  2. 【請求項2】 下記化学式(3) 【化3】 (式中、Rはアルキル基、シクロアルキル基、又はこれ
    らの置換体を表す。)で示される環状チオ尿素化合物に
    ホルムアルデヒドを加えてpH5〜10で処理した後、
    pH1〜4で処理することにより、下記化学式(4) 【化4】 (式中のRは、化学式(3)中のRと同様である。mは
    整数を示す。また、分子中のm個のRは、同一であって
    も、異なってもよい。)で示され、重量平均分子量が2
    000〜6000である低分子量チオ尿素重合体を製造
    する方法。
  3. 【請求項3】 下記化学式(3)及び化学式(5) 【化5】 【化6】 (式(3)及び(5)中、R、R1 はアルキル基、シク
    ロアルキル基、又はこれらの置換体を表す。)で示され
    る環状チオ尿素化合物及び環状尿素化合物にホルムアル
    デヒドを加えてpH5〜10で処理した後、pH1〜4
    で処理することにより、下記化学式(6) 【化7】 (式中のR、R1 は、化学式(3)又は(5)中のR、
    1 と同様である。r及びsは整数を示す。また、分子
    中のr個のR及びs個のR1 は、同一であっても、それ
    ぞれ異なってもよい。)で示される、重量平均分子量2
    000〜6000の低分子量チオ尿素重合体を製造する
    方法。
  4. 【請求項4】 上記請求項2又は3に記載の低分子量チ
    オ尿素重合体を180〜250℃で熱処理することによ
    り、重量平均分子量2万〜10万の高分子量チオ尿素重
    合体を製造する方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007302852A (ja) * 2006-05-15 2007-11-22 Japan Science & Technology Agency 光学活性イミダゾリジン化合物とそのポリマー固定化複合体並びに不斉合成触媒
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