JPH11158184A - 金属アセチリド化合物を含有した金属組成物、これを用 いて金属膜を形成した素材及びその金属膜形成方法 - Google Patents

金属アセチリド化合物を含有した金属組成物、これを用 いて金属膜を形成した素材及びその金属膜形成方法

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JPH11158184A
JPH11158184A JP9363803A JP36380397A JPH11158184A JP H11158184 A JPH11158184 A JP H11158184A JP 9363803 A JP9363803 A JP 9363803A JP 36380397 A JP36380397 A JP 36380397A JP H11158184 A JPH11158184 A JP H11158184A
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C18/00Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating
    • C23C18/02Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating by thermal decomposition
    • C23C18/08Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating by thermal decomposition characterised by the deposition of metallic material

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼成時にSO、ハロゲン等の環境汚染物質
を放出しない金属組成物を開発し、これを利用して陶磁
器、ガラス器具等の装飾や電子部品の電極等への応用法
を確立する。 【解決手段】一般式 M(−C≡C−R)(式中のM
は金属原子、nは金属原子Mの価数、Rは酸素原子を含
有する又は含有しない炭化水素基)で表される金属アセ
チリド化合物を金属源として用い、これに樹脂や有機溶
剤を混練して金属液、金属ペースト等の金属組成物を製
造する。この金属アセチリド化合物は硫黄やハロゲン元
素を含有しないため、焼成しても亜硫酸ガスやハロゲン
ガスを放出しないので、環境の清浄化に寄与できる。ま
た、有機溶剤への溶解性が高いので金属組成物の原料と
して適切である。更に、焼成後に形成される金属膜は平
滑性、緻密性、金属光沢性、電気伝導性が高いので、装
飾物品の装飾や電子部品の電極等に利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は素材表面に電極や装
飾膜等の金属膜を形成する金属組成物及びその応用法に
関し、更に詳細には硫黄やハロゲン等を含まない金属ア
セチリド化合物を主剤とするために、焼成時にSOx、
Cl等の環境に対する有害ガスを発生しない金属組成
物及びその応用法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、絶縁基板や電子部品等に電極を形
成する場合、金属粉末又は有機金属錯体を樹脂、有機溶
剤等と混練して有機金属ペーストを調製し、この有機金
属ペーストをスクリーン印刷等の方法で絶縁基板や電子
部品上に塗布して所定の回路パターンを形成し、このパ
ターン部分を加熱して有機成分を分解・蒸発させ、金属
を膜状に析出させる方法が知られている。また、陶器等
の表面に装飾的に施される金属膜を形成する場合には、
粘性の少ない金属液が必要とされ、有機溶剤に可溶な有
機金属錯体を選択して、その有機溶剤に溶解分散させて
有機金属液を調製している。このように、有機金属錯体
は、現在では電子機器分野、窯業分野、工芸分野等の広
範な分野で使用されている。
【0003】従来、この様な用途に用いられてきた有機
金属錯体としては、バルサム系化合物、例えば硫化テル
ピネオール金(C1018SAuCl)、硫化テル
ピネオール白金(C1018SPtCl)、硫化テ
ルピネオールパラジウム(C1018SPdCl
等が知られている。これらの化合物は一般に金バルサ
ム、白金バルサム、パラジウムバルサムとも略称されて
おり、その他にもロジウムバルサム、ルテニウムバルサ
ム等の貴金属バルサムが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これら従来のバルサム
系化合物を、金属ペーストや金属液等の金属組成物の原
料として利用するには以下のような問題が残されてい
た。
【0005】まず第1に、これらの金属組成物を用いて
金属を析出させようとする場合に、プロセス上焼成工程
を避けることができない。バルサム系化合物には塩素や
硫黄が含まれているため、焼成工程でSOxやCl
副産物として必然的に生成される。これらの有害物質が
環境に放出されると、作業員の衛生環境を悪くするだけ
でなく、自然環境一般に対しても悪い影響を与える。ま
た、これらの有害物質を回収するには脱硫装置などの多
大な設備が必要となり、回収といっても100%回収す
ることは困難であった。SOやハロゲンは焼成用の設
備を傷める原因ともなっており、安全なメッキ用金属組
成物が待望されていた。
【0006】第2に、焼成時に発生するSOやハロゲ
ンが素材に悪影響を与える場合がある。素材を加熱して
金属以外の成分を分解蒸発させるのであるが、SO
ハロゲンが素材を腐食したり、硫黄原子やハロゲン原子
が素材中に不純物として拡散する場合がある。特に、素
材が電子部品である場合にはその電子特性に悪影響を与
える場合もあった。
【0007】第3に、バルサム系化合物から有機金属液
を調製する場合に、使用できる有機溶剤には制限があっ
た。例えば、芳香族系の溶剤に対しては溶解性が高い
が、アルコール系の溶剤にはほとんど溶解しない。ま
た、有機金属ペーストを調製する上で必要な樹脂にも同
様な制限がある。例えば、樹脂がニトロセルロースの場
合、ブチルカルビトールやブチルカルビトールアセテー
ト等の溶剤には可溶だが、テルピネオールには不要であ
る。従って、有機金属錯体側で溶剤が制限されると自ず
から使用可能な樹脂も制限されるため、作成可能な金属
ペーストの種類が制限され、その用途も制限されること
になる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記欠点を改善
するためになされたものであり、金属組成物の主成分で
ある有機金属錯体として、硫黄や塩素を含まない金属ア
セチリド化合物を用いることを提案する。この金属アセ
チリド化合物は、一般式 M(−C≡C−R)(式中
のMは金属原子、nは金属原子Mの価数、Rは酸素原子
を含有する又は含有しない炭化水素基)で表され、硫黄
やハロゲンを構成元素として含まない。
【0009】前記金属アセチリド化合物を有機溶剤に溶
解分散させて有機金属液状にした金属組成物を提案す
る。前記金属アセチリド化合物と、粘度を調製する樹脂
と、有機溶剤を混練させて有機金属ペースト状にした金
属組成物を提案する。金属膜の密着性を高める添加剤を
配合した金属組成物を提案する。また、金属元素の異な
る複数の金属アセチリド化合物を配合した金属組成物を
提案する。
【0010】これらの金属組成物を素材の表面に所望の
パターンに塗着して金属組成物膜を形成し、この金属組
成物膜を加熱して金属以外の物質を分解蒸発させ、同時
に金属を焼結させて緻密な金属膜を形成する金属膜形成
方法を提案する。この方法により所望のパターンの金属
膜を表面に形成した素材を提案する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明者等は、環境汚染原因とな
る硫黄やハロゲンを含有せず、しかも多くの有機溶剤に
可溶な有機金属錯体を鋭意研究した結果、アセチレン誘
導体の一種である金属アセチリド化合物が、本発明の目
的に適合することを見いだし、この知見に基づいて本発
明をなすに至った。
【0012】即ち、本発明に用いられる有機金属錯体
は、一般式M(−C≡C−R)で表される金属アセチ
リド化合物である。この一般式の中でMは金属原子を表
し、例えばBi、Cu、In、Ni、Ru、Rh、P
d、Ag、Os、Ir、Pt、Au等の広範囲の金属元
素から構成される。有機金属液や有機金属ペースト等の
金属組成物としては、安定性の高い貴金属がよく用いら
れ、ここで貴金属とは、Au、Agおよび白金族(R
u、Rh、Pd、Os、Ir、Pt)の金属元素を云
う。
【0013】nは金属原子Mの価数を表し、例えば、A
uは1価と3価、Agは1価と2価、ptは2価と4価
と6価等である。つまり、金属元素の種類に応じてその
値が異なるだけでなく、特定の金属元素でも複数の価数
を有している。
【0014】金属アセチリド化合物の配位子−C≡C−
R中のRは、酸素原子を含有する又は含有しない炭化水
素基で、即ち構成元素はCとH、又はCとHとOであ
る。炭化水素基Rの炭素数は1〜8が望ましく、従って
配位子全体としての炭素数は3〜10が望ましい。その
理由は、炭素数が小さいと金属アセチリド化合物は溶剤
に溶け難くなると同時に、爆発性が増大し取扱が危険に
なる。また、前記配位子の炭素数が大きくなると物質中
での金属重量が相対的に小さくなり、有機金属液や有機
金属ペーストにしたときに金属膜を形成できなくなる。
つまり、この発明の金属アセチリド化合物を金属組成物
に利用する場合には、溶剤に可溶でしかも一定の金属重
量が必要になる。つまり、配位子−C≡C−Rの炭素数
が3から10の範囲にあれば、金属アセチリド化合物は
溶媒に溶け易くてしかも金属重量が相対的にも大きくな
り、金属組成物として十分に用いることができる。
【0015】炭化水素基Rとして、酸素を含有する場合
には水酸基として含有する脂肪族炭化水素基がある。こ
の場合には直鎖状でもよいし、側鎖を有してもよい。配
位子−C≡C−Rの具体例として、H−C≡C−Rの形
でプロピン、2−プロピン−1−オール、1−ブチン−
3−オール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、
3, 3−ジメチル−1−ブチン、1−ペンチン、1−
ペンチン−3−オール、4−ペンチン−1−オール、4
−ペンチン−2−オール、4−メチル−1−ペンチン、
3−メチル−1−ペンチン−3−オール、3,4−ジメ
チル−1−ペンチン−3−オール、1−ヘキシン、1−
ヘキシン−3−オール、5−ヘキシン−1−オール、5
−メチル−1−ヘキシン、5−メチル−1−ヘキシン−
3−オール、3, 5−ジメチル−1−ヘキシン−3−
オール、1−ヘプチン、1−ヘプチン−3−オール、5
−ヘプチン−3−オール、3,6−ジメチル−1−ヘプ
チン−3−オール、1−オクチン、1−オクチン−3−
オール等がある。
【0016】また、炭化水素基Rとして、酸素を含有す
る場合には水酸基として含有する環状炭化水素を少なく
とも含んだ炭化水素基がある。この炭化水素基には、直
鎖に環状炭化水素基があってもよいし、側鎖に環状炭化
水素基を含んでもよい。もちろん、R全体が環状炭化水
素である場合を含む。配位子−C≡C−Rの具体例とし
ては、H−C三C−Rの形で1−エチニル−1−シクロ
プロパノール、1−エチニル−1−シクロブタノール、
1−エチニル−1−シクロペンタノール、1−エチニル
−1−シクロヘキサノール、1−プロピン−3−シクロ
プロパノール、1−プロピン−3−シクロブタノール、
1−プロピン−3−シクロペンタノール、1−ブチン−
4−シクロプロパノール、1−ブチン−4−シクロブタ
ノール、1−ペンチン−5−シクロプロパノール等があ
る。
【0017】本発明に係る金属アセチリド化合物は上述
したように、金属元素、炭素、水素および/または酸素
のみから構成されており、焼成により分解してもガスと
しては二酸化炭素、水蒸気、その他焼成温度によって一
部炭化水素が生成されるだけで、SOやハロゲンガス
等環境に対し有害な物質は生成されない。従って、環境
や生物にとって極めて安全で清浄な有機金属錯体であ
る。
【0018】本発明に係る金属組成物は有機金属液と有
機金属ペーストに分類される。有機金属液は有機金属錯
体である金属アセチリド化合物を有機溶剤に溶解・分散
させたもので、通常の液体である。有機金属ペーストは
金属アセチリド化合物と粘度調製用の樹脂を有機溶剤に
混入させたもので、使用態様により粘度を増大させたり
減少させたりしたものである。粘度の小さな液体状の金
属組成物は有機金属液と言ってもよいし、有機金属ペー
ストと言ってもよく、両者の境界は明確に定義できな
い。
【0019】従来のバルサム系化合物と異なり、金属ア
セチリド化合物は極性、非極性を問わず広範囲の有機溶
剤に溶解する。有機溶剤の具体例としては、石油系溶
剤、テルピネオール、ブチルカルビトール、乳酸エチル
等のエステル類、セロソルブ類、アルコール類、芳香族
類、DEP(ジエチルフタレート)等がある。
【0020】有機金属ペーストの粘度は、素材への塗着
条件(印刷条件)、焼成条件及び焼成後の表面状態によ
り異なり、この粘度を調製するために樹脂が混入され
る。樹脂としては金属アセチリド化合物と共に有機溶剤
に溶解・分散し易いことが要請される。金属アセチリド
化合物は多くの有機溶剤によく溶解するので、これらの
有機溶剤に溶解・分散できる樹脂の選択幅は、従来のバ
ルサム系化合物と比較するとはるかに広くなる。例え
ば、エチルセルロース、ニトロセルロース、アスファル
ト、ブチラール、アクリルコパイバルサム、ダンマー等
またこれらの関連物質が樹脂として利用できる。
【0021】上述した金属アセチリド化合物と有機溶剤
を混合して有機金属液を製造する。この場合、金属アセ
チリド化合物は60重量部〜10重量部、有機溶剤は3
0重量部〜90重量部が望ましく、これに後述する添加
剤を10重量部〜1重量部配合すれば好適である。更
に、樹脂を微量添加する場合がある。金属アセチリド化
合物がこれより小量になると、金属重量が少なくなって
金属膜を形成できなくなり、これより多量になると金属
アセチリド化合物は有機溶剤中に分散しきれず沈殿する
ようになる。従って、この範囲が良好な有機金属液を提
供できる。金属膜を形成する素材、加熱温度、膜厚等の
条件に応じて最適の配合量に設定できる。
【0022】また、金属アセチリド化合物、有機溶剤及
び樹脂を混合して有機金属ペーストを製造する。この場
合、成分の配合量は、金属アセチリド化合物は60重量
部〜10重量部、有機溶剤は30重量部〜85重量部及
び樹脂は3重量部〜30重量部が望ましい。これに必要
ならば、添加剤を1重量部〜10重量部配合することも
できる。
【0023】この範囲で製造される有機金属ペーストの
粘度は50p(ポアズ)〜5000p(ポアズ)の範囲
になる。粘度が下限値より小さくなると有機金属ペース
トは有機金属液に近づき、粘度が上限値より大きくなる
と、素材表面に金属組成物を塗着したときその膜厚を薄
くすることが困難になる。有機金属ペーストの粘度はそ
の用途に応じて自在に変更できる。
【0024】有機金属液又は有機金属ペーストを製造す
るには、金属アセチリド化合物、有機溶媒、樹脂、添加
剤から必要な成分を選択し、それらの必要重量を容器内
に充填して混練装置を用いて均一に溶解分散させる。こ
の混合液を一段又は複数段のメッシュに通して、ゴミや
大きな粒子を除去する。この結果、微細で均一に溶解・
分散した有機金属液、有機金属ペーストを得ることがで
きる。金属アセチリド化合物は従来の有機金属錯体と比
較して有機溶剤に非常に溶解し易いから、単純な上記の
混練撹拌工程で均一に溶解・分散した金属組成物が得ら
れる利点を有する。
【0025】上記製法で製造された有機金属液又は有機
金属ペーストを用いて素材表面に金属組成物膜を形成す
る。素材には種々の物品があり、特定物品に限らず極め
て広範囲の物品が本発明の対象となる。例えば、陶芸
品、タイル、ガラス製品等の装飾品から電子部品、例え
ばプリンターのサーマルヘッド用の電極等がある。有機
金属液で素材表面に所定パターンの金属組成物膜を形成
するには、単純な筆書きやディップ法等がある。また、
金属ペーストの場合には、スクリーン印刷、パッド印
刷、転写、ディップ法等の方法がある。
【0026】次に金属組成物膜を焼成して金属膜を形成
する。素材全体を加熱炉に投入して焼成温度まで加熱し
てもよいし、素材表面の金属組成物膜部分をガスバーナ
ー等で局所的に加熱しても構わない。焼成すると、有機
溶剤や樹脂、添加剤、また金属アセチリド中の金属以外
の配位子は熱分解して蒸発し、残留した金属原子は相互
に結合・成長しながら金属膜を形成する。この金属膜は
装飾品では装飾膜となり、また電子部品では電極となる
等、目的に応じて適宜の機能を奏する。
【0027】本発明の金属組成物には次のような特徴が
ある。第1に硫黄や塩素を含んでいないので、焼成段階
でSOやハロゲンのような有害物質を放出せず、環境
に対し清浄で、しかも脱硫装置等の装置が不要となる。
第2に、金属アセチリド化合物の分解温度は約400度
であり、従来の有機金属錯体の分解温度よりやや低い。
つまり、400度以上の温度という比較的低温で焼成が
可能であるから、低融点のガラス等多くの素材に適用で
き、素材の変質・熱変成を防止できる。第3に、焼成後
の金属膜が鏡面のように平滑に仕上がり、装飾品はもち
ろん、電子部品のように高精度を要求される分野で能力
を発揮できる。
【0028】
【実施例】実施例1 [金ペーストの作成]金アセチリド40部、ナフテン酸
ビスマス0.8部、ロジウムアセチリド0.08部、エ
チルセルロース6部、テルピネオール38部を混練した
ところペースト状になった。できあがったペーストをゴ
ミを除去するためメッシュに通した。この金ペーストを
スクリーン印刷により陶器とガラス上に塗着した後焼成
すると、光沢のある金色のパターンが得られた。
【0029】実施例2 [金ペーストの作成]金アセチリド40部、ナフテン酸
ビスマス5.5部、ロジウムアセチリド0.08部、ニ
トロセルロース5部、ブチルカルビトール39部を混練
したところペースト状になった。このペーストをメッシ
ュに通してゴミを除去した。この金ペーストをスクリー
ン印刷により陶器とガラス上に塗着した後焼成したとこ
ろ、光沢のある金色のパターンが得られた。
【0030】実施例3 [金銀ペーストの作成]金アセチリド40部、オクチル
酸ビスマス5.5部、銀アセチリド10部、ロジウムア
セチリド0.1部、エチルセルロース4部、乳酸エチル
15部、ブチルカルビトール20部を混練したところペ
ースト状になった。このペーストをメッシュに通してゴ
ミを除去した。この金銀ペーストをスクリーン印刷によ
り陶器とガラス上に塗着した後焼成したところ、金光沢
の強いパターンが得られた。
【0031】実施例4 [金ペーストの作成]金アセチリド14部、オクチル酸
ビスマス2.0部、銀アセチリド0.7部、ロジウムア
セチリド0.028部、エチルセルロース6部、ニトロ
セルロース4部、乳酸エチル30部、ブチルカルビトー
ル40部を混練したところペースト状になった。出来上
がったペーストはゴミ除去のためにメッシュに通され
た。この金ペーストをスクリーン印刷により陶器とガラ
ス上に塗着し焼成したところ、光沢のある金色のパター
ンが得られた。
【0032】実施例5 [金白金ペーストの作成]白金アセチリド12部、金ア
セチリド19部、オクチル酸ビスマス3.3部、ロジウ
ムアセチリド0.048部、エチルセルロース8部、乳
酸エチル20部、ブチルカルビトール35部を混練した
ところペースト状になった。出来上がったペーストをゴ
ミ除去のためにメッシュに通した。この金白金ペースト
をスクリーン印刷により陶器とガラス上に塗着し焼成し
たところ、白色金属光沢の強いパターンが得られた。
【0033】実施例6 [パラジウム金ペーストの作成]パラジウムアセチリド
10部、金アセチリド20部、オクチル酸ビスマス3.
8部、ロジウムアセチリド0.05部、エチルセルロー
ス8部、乳酸エチル20部、ブチルカルビトール35部
を混練したところペースト状になった。出来上がったペ
ーストをゴミ除去のためにメッシュに通した。このパラ
ジウム金ペーストをスクリーン印刷により陶器とガラス
上に塗着し焼成したところ、白色金属光沢のパターンが
得られた。
【0034】実施例7 [金液の作成]金アセチリド24部、オクチル酸ビスマ
ス3.3部、ロジウムアセチリド0.048部、コパイ
バルサム20部、乳酸エチル45部、DEP5部を撹拌
したところ液体状になった。出来上がった金液はゴミ除
去のために濾過された。この金液を筆塗りにより陶器と
ガラス上に塗着した後焼成すると、光沢のある金色のパ
ターンが得られた。
【0035】実施例8 [プリンター・サーマルヘッド電極への金ペーストの応
用]金アセチリド36部、ナフテン酸ビスマス3.0
部、ロジウムアセチリド0.036部、エチルセルロー
ス7部、アスファルト1部、ブチルカルビトール49
部、DEP3部を混練したところペースト状になった。
できあがったペーストをゴミを除去するためメッシュに
通した。この金ペーストをスクリーン印刷によりセラミ
ックス上にパターニングした後焼成すると、平滑な金の
パターンが得られた。この金のパターンをプリンターの
サーマルヘッドの電極として用いたところ、電気伝導性
能の点で優れていることが分かった。
【0036】実施例9 [白金ペーストの特殊セラミックスへの応用]白金アセ
チリド60部、ニトロセルロース8部、ブチルカルビト
ールアセテート32部を混練したところペースト状にな
った。できあがったペーストをゴミを除去するためメッ
シュに通した。この白金ペーストをスクリーン印刷によ
り半導体製造用の特殊セラミックス上にパターニングし
た後焼成すると、平滑な白金のパターンが得られた。こ
の特殊セラミックスを半導体製造装置の電極として利用
すると、電気伝導性能が優れていることが分かった。
【0037】実施例10 [電子部品電極への金白金ペーストの応用]金アセチリ
ド17部、白金アセチリド18部、オクチル酸ビスマス
3.3部、ロジウムアセチリド0.072部、エチルセ
ルロース4部、石油系樹脂15部、テルピネオール20
部、ブチルカルビトール20部、DEP5部を混練した
ところペースト状になった。出来上がったペーストをゴ
ミ除去のためにメッシュに通した。この金白金ペースト
をスクリーン印刷によりセラミックス上にパターニング
した後焼成したところ、平滑な金白金合金のパターンが
得られた。このパターンを電子部品の電極として用いた
ところ、電気伝導性能の点で優れていることが分かり、
他の電子部品の電極としても利用できることが分かっ
た。
【0038】実施例11 [電子部品電極へのパラジウム金ペーストの応用]金ア
セチリド18部、パラジウムアセチリド12部、オクチ
ル酸ビスマス2.5部、ロジウムアセチリド0.04
部、エチルセルロース5部、石油系樹脂17部、テルピ
ネオール15部、ブチルカルビトール25部、DEP5
部を混練したところペースト状になった。出来上がった
ペーストをゴミ除去のためにメッシュに通した。このパ
ラジウム金ペーストをスクリーン印刷によりセラミック
ス上にパターニングした後焼成したところ、平滑なパラ
ジウム金合金のパターンが得られた。このパターンを電
子部品の電極として用いたところ、電気伝導性能の点で
優れていることが分かり、他の電子部品の電極としても
利用できることが分かっった。
【0039】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における各
種の変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含す
るものである。
【0040】
【発明の効果】本発明は以上詳述したように、金属源と
して、一般式 M(−C≡C−R)(式中のMは金属
原子、nは金属原子Mの価数、Rは酸素原子を含有する
又は含有しない炭化水素基)で表される金属アセチリド
化合物を用い、これに有機溶剤、および/または樹脂を
混練して金属液、金属ペーストのようなメッキ用金属組
成物を製造するものである。金属アセチリド化合物は各
種の有機溶剤に溶解し易いため、メッキ用金属組成物の
金属原料として好適である。また、この金属アセチリド
化合物は硫黄およびハロゲン元素を含有していないた
め、焼成時にSO、ハロゲン等の環境汚染物質を放出
することがなく、環境の清浄化に寄与できる利点を持
つ。その結果、脱硫装置等の設備機材を不要とし、安価
に金属膜を形成することができる。この金属液又は金属
ペーストを素材に塗着後焼成すると、極めて平滑で緻密
な金属膜を形成でき、また高度の金属光沢を示すから、
陶磁器やガラス器具等の装飾に利用できる。さらに、そ
の金属膜の電気伝導性は極めてよいから、電子部品の電
極として利用できる。また、複数の金属アセチリド化合
物を含有した金属組成物では、複数の金属がその長所を
出し合って高性能の金属膜を形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01B 1/16 H01B 1/16 A // H05K 1/09 H05K 1/09 D 3/12 610 3/12 610B

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式M(−C≡C−R)n(式中のM
    は金属原子、nは金属原子Mの価数、Rは酸素原子を含
    有する又は含有しない炭化水素基)で表される金属アセ
    チリド化合物を有機溶剤に溶解分散させて有機金属液状
    にした金属組成物。
  2. 【請求項2】 一般式M(−C≡C−R)n(式中のM
    は金属原子、nは金属原子Mの価数、Rは酸素原子を含
    有する又は含有しない炭化水素基)で表される金属アセ
    チリド化合物と、粘度を調製する樹脂と、有機溶剤を混
    練させて有機金属ペースト状にした金属組成物。
  3. 【請求項3】 焼成後の金属膜の密着性を高める添加剤
    を配合した請求項1又は2記載の金属組成物。
  4. 【請求項4】 金属元素の異なる複数の金属アセチリド
    化合物を配合する請求項1ないし3記載の金属組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4記載の金属組成物を素
    材の表面に所望のパターンに塗着して金属組成物膜を形
    成し、この金属組成物膜を加熱して金属以外の物質を分
    解蒸発させ、同時に金属を焼結させて緻密な金属膜を形
    成することを特徴とする金属膜形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の方法により所望のパター
    ンの金属膜を素材表面に形成した素材。
  7. 【請求項7】 素材がガラス食器、陶磁器又は装飾品で
    ある請求項6記載の素材。
  8. 【請求項8】 素材が電子部品であり、金属膜がこの電
    子部品の電極を構成する請求項6記載の素材。
  9. 【請求項9】 電子部品がプリンターのサーマルヘッド
    である請求項8記載の素材。
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