JPH11158182A - ビスエポキシ−1,5,7,11−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン誘導体及びその製造法 - Google Patents
ビスエポキシ−1,5,7,11−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン誘導体及びその製造法Info
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Abstract
がなくて成型性の高い、新規な重合性モノマ(エポキシ
樹脂)を提供する。 【解決手段】溶媒中、一般式(II)の化合物に過酸化物
を反応させて、一般式(I)のビスエポキシ−1,5,
7,11−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン誘
導体を製造できる。 【化1】 (式中、Z1及びZ2はそれぞれ独立に直結又は2価の有
機基を示す。)
Description
密成型材料、接着剤等の原料に使用できる新規なビスエ
ポキシ−1,5,7,11−テトラオキサスピロ[5.
5]ウンデカン誘導体に関する。
ラオキサスピロ[5.5]ウンデカンが知られている
(T. Endoら:Macromolecules, 1987, Vol.20, p.2690-
2693)。またこの化合物(重合性モノマ)は、重合時の
収縮性が低いことも知られている。上記化合物はラジカ
ル重合によって不飽和二重結合部分が反応して重合し、
更にカチオン触媒を作用させることによって1,5,
7,11−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン基
部分が反応して重合する。この際、不飽和二重結合部分
の重合で体積が収縮し、1,5,7,11−テトラオキ
サスピロ[5.5]ウンデカン基の重合で体積が膨張す
るので、両反応の合計では膨張・収縮が打ち消しあっ
て、結局は重合(硬化)時の収縮性が低いと報告されて
いる(T. Takataら:Prog. Polym. Sci., 1993、 vol.18,
p.839-870)。
(1)は非極性基である不飽和二重結合を有しているた
め、これを原料として電子部品材料、精密成型材料、接
着剤等へ利用しようとすると、特に接着特性に問題があ
る。本発明は、接着特性に優れ、かつ、重合(硬化)時
に収縮がなくて成型性の高い新規な化合物(重合性モノ
マ)を提供するものである。
(I)
機基を示す。)で表されるビスエポキシ−1,5,7,
11−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン誘導体
を提供する。
法も提供する。すなわち、一般式(II)
機基を示す。)で表される化合物に過酸化物を反応させ
て、一般式(I)のビスエポキシ−1,5,7,11−
テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン誘導体を得る
方法である。
及びZ2はそれぞれ独立に直結(単なる結合)又は2価の
有機基を示す。ここで、Z1における2価の有機基は−
R1−Q1−又は−Q1−R1−等で表され、Z2における
2価の有機基は上記Z1と同様に−R2−Q2−又は−Q2
−R2−等で表される。
直結(単なる結合)又は炭素数1〜10のアルキレンを
示し、炭素数1〜10のアルキレンとしては、メチレ
ン、エチレン、プロピレン、イソプロピリデン、ブチレ
ン、イソブチレン等がある。
結(単なる結合)又は2価の芳香族基を示し、芳香環と
してはベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、チオフェ
ン、ピリミジン、インドール、フラン、ピリジン、アン
トラセン、キノリン、キノオキサリン、キナゾリン、フ
ェナンスロリン等がある。また、芳香環上の水素は、水
酸基、炭素数1〜20のアルキル基、、ハロゲン(塩
素、臭素、フッ素、ヨウ素)基等の置換基で置換されて
いてもよい。
びQ2がいずれも直結(単なる結合)である場合、一般式
(I)のビスエポキシ−1,5,7,11−テトラオキ
サスピロ[5.5]ウンデカン誘導体は、次の式(I−
1)
11−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンであ
る。
びQ2がいずれも1,4−フェニレンである場合、一般
式(I)のビスエポキシ−1,5,7,11−テトラオ
キサスピロ[5.5]ウンデカン誘導体は、次の式(I
−2)
1,5,7,11−テトラオキサスピロ[5.5]ウン
デカンである。
7,11−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン誘
導体の合成に際して使用される過酸化物は、一般式R−
CO3H(Rは水素、炭素数1〜3のアルキル基、炭素
数6〜10のアリール基又は炭素数6〜10のハロゲン
化アリール基を示す)で表される過酸化物が好ましく用
いられる。そのような過酸化物としては、例えば、過酢
酸、過蟻酸、クロロ過安息香酸、過安息香酸等がある。
なお、これら過酸化物のうち過酢酸は、酢酸溶液に少量
の硫酸を加え、過酸化水素水を滴下することによって反
応系内でこれを発生させることも可能である。
化合物に対して好ましくは1〜2当量、更に好ましくは
1.3〜1.7当量である。反応に用いる溶媒はジクロ
ロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒、ベンゼ
ン、トルエン等の芳香族系溶媒、テトラヒドロフラン、
ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒等の不活性溶媒が
好ましく用いられる。基質である一般式(II)の化合物
の濃度は、0.05〜0.2M程度が好ましい。反応温
度は、好ましくは0〜50℃、更に好ましくは0〜20
℃である。温度が高くなるほど過酸化物の分解反応が進
行し、収率が低下する傾向となる。反応時間は、反応が
十分に進行するまでの時間とする。通常は1〜24時間
である。反応物は先ず、油状物として得られる。これを
再結晶すれば、更に純度の高い精製品(結晶)とするこ
とができる。
例えば、式(1)の化合物については、ジエチル アリ
ルマロネートを出発原料とし、これをエーテル溶媒中で
LiAlH4で還元し、次いでp−トルエンスルホン酸
存在下にテトラエチル オルソカーボネートと反応させ
て合成することができ(T. Endoら:Macromolecules,19
87, vol.20, p.2690-2693)、また、式(2)の化合物
については、4−ビニルベンジル クロライドとジエチ
ルマロネートをナトリウム エトキサイド存在下にエタ
ノール中で反応させてジエチル(4−ビニルベンジル)
マロネートとし、これをエーテル溶媒中でLiAlH4
で還元したのち、p−トルエンスルホン酸存在下にテト
ラエチル オルソカーボネートと反応させて合成するこ
とができる(T. Endoら:J. Polym. Sci., Part A: Pol
ym. Chem., 1987, vol.25, p.2925-2929)。
ピロ[5.5]ウンデカン〔前記の式(1)の化合物〕
5.0gを、ジクロロメタン200mlに溶解し、m−
クロロ過安息香酸17.2gを添加し、0℃で12時間
撹拌した。この反応物を5%チオ硫酸ナトリウム水溶
液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和塩化ナトリ
ウム水溶液で順次、洗浄し、有機層を乾燥後減圧濃縮
し、粗油状物4.0gを得た。この油状物をジエチルエ
ーテルから結晶化させ、精製結晶3.8gを得た。
おり。 (1)融点 57℃ (2)赤外線吸収スペクトル(KBr錠剤) ν:2926、1242、1204、1020(c
m-1) (3)核磁気共鳴スペクトル(CDCl3) δ値:1.32−2.20(m,6H)、2.40−
3.00(m,6H)、3.70−4.21(m,8
H) (4)元素分析 理論値:C57.34%、H7.40%(C13H20O6
として) 実測値:C57.40%、H7.31% 以上の結果から、精製結晶は式(I−1)に示した3,
9−ビスエポキシメチル−1,5,7,11−テトラオ
キサスピロ[5.5]ウンデカンであることが確認され
た。
7,11−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン誘
導体は新規な化合物である。請求項1〜2の化合物に、
アミン、カルボン酸、カルボン酸無水物、フェノール樹
脂等のエポキシ樹脂硬化剤及び硬化促進剤(触媒)を加
え、又は、請求項1〜2の化合物に硬化促進剤(触媒)
を加え硬化させるとき、その樹脂の硬化時の収縮性は低
く、そのため、電子部品材料、精密成型材料、接着剤等
の原料として有用である。請求項3の製造法により、請
求項1〜2のビスエポキシ−1,5,7,11−テトラ
オキサスピロ[5.5]ウンデカン誘導体を製造でき
る。
Claims (3)
- 【請求項1】一般式(I) 【化1】 (式中、Z1及びZ2はそれぞれ独立に直結又は2価の有
機基を示す。)で表されるビスエポキシ−1,5,7,
11−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン誘導
体。 - 【請求項2】Z1及びZ2はいずれもメチレンである、請
求項1のビスエポキシ−1,5,7,11−テトラオキ
サスピロ[5.5]ウンデカン誘導体。 - 【請求項3】一般式(II) 【化2】 (式中、Z1及びZ2はそれぞれ独立に直結又は2価の有
機基を示す。)で表される化合物に過酸化物を反応させ
る、請求項1又は2のビスエポキシ−1,5,7,11
−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン誘導体の製
造法。
Priority Applications (1)
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JP34061597A JP3902849B2 (ja) | 1997-11-26 | 1997-11-26 | ビスエポキシ−1,5,7,11−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン誘導体を含むエポキシ樹脂組成物 |
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- 1997-11-26 JP JP34061597A patent/JP3902849B2/ja not_active Expired - Fee Related
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