JPH11158094A - フェニルトラン誘導体 - Google Patents

フェニルトラン誘導体

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JPH11158094A
JPH11158094A JP9325971A JP32597197A JPH11158094A JP H11158094 A JPH11158094 A JP H11158094A JP 9325971 A JP9325971 A JP 9325971A JP 32597197 A JP32597197 A JP 32597197A JP H11158094 A JPH11158094 A JP H11158094A
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phenyl
liquid crystal
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biphenyl
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Sadao Takehara
貞夫 竹原
Masashi Osawa
政志 大澤
Haruyoshi Takatsu
晴義 高津
Shinji Ogawa
真治 小川
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 (R:H原子、C数1〜12のアルキル基、m:2〜
6、Z:F原子、Cl原子、OCF3等、X1〜X5:H
原子、F原子)のフェニルトラン誘導体及びそれを含有
する液晶組成物。 【効果】 本発明のフェニルトラン誘導体は液晶性に優
れ、従来の3環性トラン誘導体と比較して、屈折率異方
性が大きく、汎用のホスト液晶との相溶性にも優れ、応
答性の改善効果に優れるといった特長を併せ有する。し
かも工業的にも製造が容易である。従って、温度範囲が
広く、低電圧駆動と高速応答が可能な液晶組成物を調製
する上において極めて有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規液晶性化合物で
ある、フェニルトラン誘導体及びそれを含有する液晶組
成物に関するものであり、これらは電気光学的液晶表示
用、特にネマチック液晶表示用材料として有用である。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、時計、電卓をはじめと
して、各種測定機器、自動車用パネル、ワープロ、電子
手帳、プリンター、コンピューター、テレビ等に用いら
れるようになっている。液晶表示方式としては、その代
表的なものにTN(捩れネマチック)型、STN(超捩
れネマチック)型、DS(動的光散乱)型、GH(ゲス
ト・ホスト)型あるいはFLC(強誘電性液晶)等があ
り、また駆動方式としても従来のスタティック駆動から
マルチプレックス駆動が一般的になり、さらに単純マト
リックス方式、最近では最も高精細の表示が可能なアク
ティブマトリックス方式が実用化されている。これらの
表示方式、駆動方式に応じて、液晶材料としても種々の
特性が要求されているが、(1)温度範囲が広いこと。
(2)粘性が小さく高速の応答が可能であること。
(3)駆動電圧が低いこと。はすべての方式に共通して
重要である。このうち(1)には(1a)ネマチック相
上限温度(TN-I)が高いこと、及び(1b)融点が低
く、結晶化あるいは析出等の相分離を生じ難いことが含
まれる。
【0003】ところで、液晶素子の駆動電圧は一般に液
晶材料の誘電率異方性(Δε)の平方根に逆比例するの
で、低電圧駆動のためには液晶材料のΔεを大きくしな
ければならない。そのために強い極性基を分子長軸方向
に導入する必要があるが、通常極性基としてはシアノ基
が用いられていた。しかしながら、シアノ基を含有する
液晶化合物では粘性が大きく、またアクティブマトリッ
クス駆動の場合に重要となる高い電圧保持率(HR)を
得ることも困難である。従って、これらの低粘性あるい
は高HRを必要とする材料用としては、極性基としてシ
アノ基に換えてフッ素原子、塩素原子あるいはトリフル
オロメトキシ基等が用いられている。ところが、これら
フッ素原子等による極性はシアノ基と比較すると小さ
く、それだけでは充分大きいΔεを得ることはできな
い。従って、分子中のベンゼン環にさらに1個以上のフ
ッ素原子を同一方向に導入する必要がある。そこで複数
のフッ素原子で置換されたフェニレン骨格を有する液晶
化合物が多数開発されている。
【0004】一方、液晶材料にとって屈折率異方性(Δ
n)も非常に重要な特性である。特に高速の応答を達成
するためにセル厚を薄くする場合や、反射型の液晶素
子、あるいはポリマー分散型の液晶素子等の場合にはΔ
nの大きい液晶材料を必要とすることが多い。
【0005】これらの条件を比較的よく満足できる液晶
化合物として一般式(A)
【0006】
【化2】
【0007】(式中、Raはアルキル基を、Xa及びXb
はそれぞれ独立的にフッ素原子あるいは水素原子を表
し、シクロヘキサン環はトランス配置である。)で表さ
れるシクロヘキシルトラン誘導体が知られている。しか
しながら、この一般式(A)の化合物のΔnはたかだか
0.2程度であり、決して充分満足できるものではな
い。従って、さらに大きいΔnを有する液晶化合物が求
められている。
【0008】一般式(B)
【0009】
【化3】
【0010】(式中、Rbはアルキル基を、Xc及びXd
はそれぞれ独立的にフッ素原子あるいは水素原子を表
す。)で表されるフェニルトラン誘導体はこの点を改善
した化合物であり、Δnが0.3程度と非常に大きいう
えに、大きいΔεを得ることができるので上記用途には
特に有用である。
【0011】ところが、この一般式(B)のフェニルト
ラン誘導体には、融点が非常に高く他の液晶化合物との
相溶性が充分でないという問題点があった。そのため、
Δεが大きくて駆動電圧が低く、かつΔnが非常に大き
く、加えてネマチック相温度範囲が高温まで広くて低温
に放置しても相分離や析出の生じないような組成物の調
製はかなり困難であった。
【0012】同様なフェニルトラン骨格とその特長を有
しながら、よりTN-Iが高く、かつ他の液晶化合物の相
溶性が改善された化合物として、本発明者らは先に、一
般式(C)
【0013】
【化4】
【0014】(式中、Rcはアルキル基を、Xeはフッ素
原子あるいは水素原子を表す。)で表されるフェニルト
ラン誘導体を報告(特願平8−155365号)した。
しかしながら、この一般式(C)の化合物の場合もその
応答性に関しては一般式(B)の化合物の場合と比較し
て充分改善されたものとは言えなかった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、以上の目的に応じるため、複数のフッ素原
子により置換されたフェニルトラン骨格を有する新規液
晶性化合物を提供し、さらにこれを用いて、Δεが大き
くて駆動電圧が低く、Δnが大きく、応答性に優れ、さ
らに液晶温度範囲が広い、特に低温で析出、相分離等が
生じにくい液晶組成物を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、 1.一般式(I)
【0017】
【化5】
【0018】(式中、Rは水素原子又は炭素原子数1〜
12のアルキル基を表し、mは2〜6の整数を表し、Z
はフッ素原子、塩素原子、トリフルオロメチル基、トリ
フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基又は2,
2,2−トリフルオロエトキシ基を表し、X1〜X5はそ
れぞれ独立的に水素原子又はフッ素原子を表す。)で表
されるフェニルトラン誘導体。 2.一般式(I)において、Rが水素原子を表し、mが
2を表すところの上記1記載のフェニルトラン誘導体。 3.一般式(I)において、Zがフッ素原子を表すとこ
ろの上記2記載のフェニルトラン誘導体。 4.一般式(I)において、X1〜X5の少なくとも1個
がフッ素原子を表すところの上記3記載のフェニルトラ
ン誘導体。 5.上記1、2、3又は4記載の一般式(I)で表され
るフェニルトラン誘導体を含有する液晶組成物。 6.ネマチック相を示すことを特徴とする上記5記載の
液晶組成物。 7.上記5又は6記載の液晶組成物を構成要素とする液
晶表示素子。を前記課題の解決手段として見出した。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一例について説明
する。本発明は、一般式(I)
【0020】
【化6】
【0021】で表されるフェニルトラン誘導体を提供す
る。式中、Rは水素原子又は炭素原子数1〜12のアル
キル基を表すが、水素原子又はメチル基が好ましく、特
に水素原子が好ましい。また、Rがアルキル基の場合に
は二重結合の立体はトランス及びシス配置が存在する
が、トランス配置が好ましい。mは2〜6の整数を表す
が、2が特に好ましい。従って、側鎖基としては3−ブ
テニル基が最も好ましい。Zはフッ素原子、塩素原子、
トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフ
ルオロメトキシ基又は2,2,2−トリフルオロエトキ
シ基を表すが、フッ素原子、塩素原子又はトリフルオロ
メトキシ基が好ましく、フッ素原子が特に好ましい。X
1〜X5はそれぞれ独立的に水素原子又はフッ素原子を表
すが、少なくとも1個はフッ素原子を表すことが好まし
く、X1〜X4の少なくとも1個がフッ素原子であること
がより好ましく、X1〜X2の少なくとも1個がフッ素原
子であることがさらに好ましい。
【0022】以上のように(I)の化合物はそのR、
m、X1〜X5及びZの選択により多くの化合物を含みう
るわけであるが、これらの中で以下の式(I−1)〜式
(I−14)の化合物が好ましい。
【0023】
【化7】
【0024】これらの中では式(I−1)〜式(I−
8)の化合物が好ましく、式(I−1)及び式(I−
2)が特に好ましい。一般式(I)の化合物は例えば以
下のようにして製造することができる。
【0025】一般式(II)
【0026】
【化8】
【0027】(式中、X1〜X4及びZは一般式(I)に
おけると同じ意味を表す。)で表される4−エチニルビ
フェニル誘導体と、一般式(III)
【0028】
【化9】
【0029】(式中、R、m及びX5は一般式(I)に
おけると同じ意味を表し、Wは臭素原子又はヨウ素原子
のハロゲン原子を表す。)で表されるアルケニルベンゼ
ン誘導体とを触媒存在下に反応させることにより得るこ
とができる。
【0030】触媒としてはパラジウム(0)錯体あるいは
パラジウム(II)化合物等とヨウ化銅(I)等の銅(I)塩が併
用される。反応は溶媒中で行われるが、溶媒としては
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等の非プロト
ン性極性溶媒が好ましく、トリエチルアミン等の塩基性
溶媒が通常併用される。
【0031】ここで、一般式(II)の4−エチニルビ
フェニル誘導体は、一般式(IV)
【0032】
【化10】
【0033】(式中、X3及びX4は一般式(I)におけ
ると同じ意味を表し、W’はヨウ素原子、トリフルオロ
メタンスルホニル基、メタンスルホニル基又はパラトル
エンスルホニル基等の脱離基を表す。)で表されるブロ
モベンゼン誘導体をパラジウム系触媒存在下に一般式
(V)
【0034】
【化11】
【0035】(式中、Z、X1及びX2は一般式(I)に
おけると同じ意味を表し、MはMgCl、MgBr又は
MgIを表す。)のグリニヤール反応剤と反応させるこ
とにより一般式(VI)
【0036】
【化12】
【0037】(式中、X1〜X4及びZは一般式(I)に
おけると同じ意味を表す。)で表されるビフェニル誘導
体を得て、これを一般式(II)と一般式(III)の
反応と同様に、パラジウム触媒及び銅(I)塩の存在下に
2−メチル−3−ブチン−2−オールと反応させ、次い
でアルカリ存在下に加熱することにより容易に得ること
ができる。
【0038】ここで中間体である一般式(VI)の化合
物は対応する一般式(VI’)
【0039】
【化13】
【0040】(式中、X1〜X4及びZは一般式(I)に
おけると同じ意味を表す。)の化合物を直接臭素化する
か、あるいはニトロ化した後還元し、次いで臭化水素酸
等の存在下に亜硝酸塩と反応させることによっても得る
ことができる。また、臭素化に換えて、直接ヨウ素化
し、得られたヨウ化ビフェニル誘導体を一般式(VI)
の化合物に換えて用いても差し支えない。
【0041】あるいは一般式(II)の化合物は前述の
一般式(VI’)の化合物をアセチル化した後、塩化チ
オニル等の塩素化剤と反応させ、次いで強塩基で脱塩化
水素することによっても得ることができる。
【0042】また、一般式(III)のアルケニルベン
ゼン誘導体は一般式(VII)
【0043】
【化14】
【0044】(式中、X5及びWは前述の意味を表し、
W”は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフルオロ
メタンスルホニル基、メタンスルホニル基又はパラトル
エンスルホニル基等の脱離基を表す。)で表される化合
物に、一般式(VIII)
【0045】
【化15】
【0046】(式中、R及びmは一般式(I)における
と同じ意味を表し、M’はMgCl、MgBr、MgI
又はLiを表す。)の有機金属反応剤と反応させること
により得ることができる。
【0047】かくして得られる本発明の一般式(I)の
化合物は大きいΔεを有し、前述の一般式(A)のシク
ロヘキシルトラン誘導体に対して大きいΔnを示し、一
般式(B)のフェニルトラン誘導体に対して改善された
相溶性を示し、さらに一般式(C)のフェニルトラン誘
導体に対して改善された応答性を示す。また、シアノ基
等の強い極性基が存在しないため、高い電圧保持率(H
R)を得ることも容易である。従って、駆動電圧が低
く、温度範囲が広く、粘性が小さく高速応答が可能で、
かつ低温でも析出や相分離の生じにくい液晶組成物をよ
り容易に調製することが可能であり、液晶材料として特
に有用である。
【0048】本発明の化合物である3,4,5−トリフ
ルオロ−4’−[2−[4−(3−ブテニル)フェニ
ル]エチニル]ビフェニル(I−1)
【0049】
【化16】
【0050】は融点は68℃とフェニルトラン誘導体と
しては低く、118℃以下でN(ネマチック)相を示
す。この化合物の20重量%及び温度範囲が広く低粘性
で、特にアクティブマトリックス駆動用としても好適な
ホスト液晶(H)
【0051】
【化17】
【0052】(式中、%は重量%を表す。)の80重量
%からなる液晶組成物(H−1)を調製したところ11
4℃以下でN相を示した。この(H−1)を室温で保存
したところ1週間以上経過しても結晶の析出や相分離は
観察できなかった。次に(H−1)のΔεを測定したと
ころ、5.7であった。また、(H−1)のΔnは0.
136であった。ホスト液晶(H)のΔnは0.090
であるので約0.045大きくすることができた。次に
この(H−1)を厚さ6.0μmのTNセルに封入して
その電気光学的応答(立ち上がり時間と、立ち下がり時
間が等しくなるような電圧印加時)を測定したところ、
22.9m秒であった。ホスト液晶(H)の応答が2
5.3m秒であるので約10%も高速化されていること
がわかる。
【0053】これに対して、一般式(A)で表されるシ
クロヘキシルトラン誘導体である式(A−1)
【0054】
【化18】
【0055】の化合物をホスト液晶(H)に同量(20
重量%)添加して比較用液晶組成物(H−A)を調製し
た。(H−A)のTN-Iは110.5℃で(H−1)よ
り3.5°低くなった。また、この(H−A)のΔnは
0.114であり、(H−1)に対して0.02以上も
小さくなった。さらに同様にして測定した電気光学的応
答は25.7m秒とホスト液晶(H)よりも遅くなっ
た。
【0056】次に、一般式(B)で表される化合物であ
る式(B−1)
【0057】
【化19】
【0058】の化合物をホスト液晶(H)に同量(20
重量%)添加して比較用液晶組成物(H−B)を調製し
た。(H−B)のTN-Iは113℃で(H−1)に近
く、Δnも0.133と(H−1)に近い大きい値を示
したが、室温で放置すると1日以内に結晶が析出してし
まった。
【0059】さらに、一般式(C)で表され、本発明の
式(I−1)の化合物と類似した構造を有する式(C−
1)
【0060】
【化20】
【0061】の化合物をホスト液晶(H)に同量(20
重量%)添加して比較用液晶組成物(H−C)を調製し
た。(H−C)のTN-Iは112℃で(H−1)よりや
や低く、Δnは0.136と(H−1)と同じ値を示
し、室温で放置しても結晶の析出は観察されなかった。
しかしながら、同様にして電気光学的応答を測定したと
ころ、24.4m秒とホスト液晶(H)よりは高速とな
ったものの、(H−1)と比較するとかなり遅くなっ
た。
【0062】以上のように、本発明の一般式(I)の化
合物は一般式(A)のシクロヘキシルトラン誘導体と比
較して大きいΔnと、一般式(B)のフェニルトラン誘
導体と比較して優れた相溶性、さらに一般式(C)のフ
ェニルトラン誘導体と比較して優れた応答性をあわせ有
することがわかる。
【0063】以上のように、一般式(I)の化合物は、
他のネマチック液晶化合物との混合物の状態で、特にT
N型あるいはSTN型といった電界効果型表示セルの材
料として、好適に使用することができる。さらに一般式
(I)の化合物は、分子内にシアノ基等の強い極性基を
持たないので、大きい比抵抗と高い電圧保持率を得るこ
とが容易であり、アクティブマトリックス駆動用液晶材
料の構成成分としても有用である。本発明はこのように
一般式(I)で表される化合物の少なくとも1種類をそ
の構成成分として含有する特にネマチック液晶組成物を
も提供するものである。
【0064】この組成物中において、一般式(I)の化
合物と混合して使用することのできるネマチック液晶化
合物の好ましい代表例としては、例えば、4−置換安息
香酸4−置換フェニル、4−置換シクロヘキサンカルボ
ン酸4−置換フェニル、4−置換シクロヘキサンカルボ
ン酸4’−置換ビフェニリル、4−(4−置換シクロヘ
キサンカルボニルオキシ)安息香酸4−置換フェニル、
4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4−置換フェ
ニル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4−置
換シクロヘキシル、4,4’−置換ビフェニル、1−
(4−置換シクロヘキシル)−4−置換ベンゼン、4,
4’−置換ビシクロヘキサン、1−[2−(4−置換シ
クロヘキシル)エチル]−4−置換ベンゼン、1−(4
−置換シクロヘキシル)−2−(4−置換シクロヘキシ
ル)エタン、4,4”−置換テルフェニル、4−(4−
置換シクロヘキシル)−4’−置換ビフェニル、4−
[2−(4−置換シクロヘキシル)エチル]−4’−置
換ビフェニル、4−(4−置換フェニル)−4’−置換
ビシクロヘキサン、4−[2−(4−置換シクロヘキシ
ル)エチル]−4’−置換ビフェニル、4−[2−(4
−置換シクロヘキシル)エチル]シクロヘキシル−4’
−置換ベンゼン、4−[2−(4−置換フェニル)エチ
ル]−4’−置換ビシクロヘキサン、1−(4−置換フ
ェニルエチニル)−4−置換ベンゼン、1−(4−置換
フェニルエチニル)−4−(4−置換シクロヘキシル)
ベンゼン、2−(4−置換フェニル)−5−置換ピリミ
ジン、2−(4’−置換ビフェニリル)−5−置換ピリ
ミジン及び上記各化合物においてベンゼン環が側方置換
基を有する化合物等を挙げることができる。
【0065】このうちアクティブマトリックス駆動用と
しては4,4’−置換ビフェニル、1−(4−置換シク
ロヘキシル)−4−置換ベンゼン、4,4’−置換ビシ
クロヘキサン、1−[2−(4−置換シクロヘキシル)
エチル]−4−置換ベンゼン、1−(4−置換シクロヘ
キシル)−2−(4−置換シクロヘキシル)エタン、
4,4”−置換テルフェニル、4−(4−置換シクロヘ
キシル)−4’−置換ビフェニル、4−[2−(4−置
換シクロヘキシル)エチル]−4’−置換ビフェニル、
4−(4−置換フェニル)−4’−置換ビシクロヘキサ
ン、4−[2−(4−置換シクロヘキシル)エチル]−
4’−置換ビフェニル、4−[2−(4−置換シクロヘ
キシル)エチル]シクロヘキシル−4’−置換ベンゼ
ン、4−[2−(4−置換フェニル)エチル]−4’−
置換ビシクロヘキサン、1−(4−置換フェニルエチニ
ル)−4−置換ベンゼン、1−(4−置換フェニルエチ
ニル)−4−(4−置換シクロヘキシル)ベンゼン及び
上記においてベンゼン環がフッ素置換されている化合物
が適している。
【0066】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に
説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0067】化合物の構造は、核磁気共鳴スペクトル
(NMR)、質量スペクトル(MS)及び赤外吸収スペ
クトル(IR)により確認した。また転移温度の測定は
ホットステージを備えた偏光顕微鏡及び示差走査熱量計
(DSC)を併用して行った。なお、組成物の%は重量
%を表す。 (参考例1) 3,4,5−トリフルオロ−4’−ブロ
モビフェニルの合成
【0068】
【化21】
【0069】乾燥したテトラヒドロフラン(THF)8
ml中に削り状マグネシウム3.9gを加えた。これに
1−ブロモ−3,4,5−トリフルオロベンゼン28g
のTHF120ml溶液を、穏やかな還流が持続する速
度で滴下した。さらに還流温度で1時間加熱撹拌した。
室温に放冷後、過剰未反応のマグネシウムを濾別してグ
リニヤール反応剤のTHF溶液を得た。
【0070】1−ヨード−4−ブロモベンゼン25g及
びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム
(0)2.0gをTHF100mlに溶解した。これに上
記で得られたグリニヤール反応剤を室温で3時間かけて
滴下し、さらに1時間室温で撹拌した。稀塩酸を水層が
酸性になるまで加え、次に酢酸エチル300mlを加え
た。有機層を分離後、水で洗滌し、無水硫酸ナトリウム
で脱水乾燥した。溶媒を溜去後、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(ヘキサン)で精製して3,4,5−ト
リフルオロ−4’−ブロモビフェニルの白色結晶20.
2gを得た。 融点:68℃ MS:m/e=286(M+)、288 (参考例2) 3,4,5−トリフルオロ−4’−エチ
ニルビフェニルの合成
【0071】
【化22】
【0072】参考例1で得られた3,4,5−トリフル
オロ−4’−ブロモビフェニル10.0gと2−メチル
−3−ブチン−2−オール3.9gをジメチルホルムア
ミド(DMF)50ml及びトリエチルアミン10ml
に溶解した。テトラキストリフェニルホスフィンパラジ
ウム(0)0.4g及びヨウ化銅(I)0.1gを加え、70
℃で1時間攪拌した。室温まで放冷し、トルエン50m
lを加え、水、飽和食塩水で、順次洗滌した。無水硫酸
ナトリウムで乾燥し、溶媒を溜去し、トルエン50ml
とナトリウムメトキシド0.4gを加え、1時間加熱還
流させた。室温まで放冷し、水、飽和食塩水で順次洗滌
した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を溜去し、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製
し、3,4,5−トリフルオロ−4’−エチニルビフェ
ニル4.7gを得た。 (実施例1)3,4,5−トリフルオロ−4’−[2−
[4−(3−ブテニル)フェニル]エチニル]ビフェニ
ル(I−1)の合成
【0073】
【化23】
【0074】参考例2で得られた3,4,5−トリフル
オロ−4’−エチニルビフェニル4.0gをDMF20
ml及びトリエチルアミン4mlに溶解した。テトラキ
ストリフェニルホスフィンパラジウム(0)0.2g及び
ヨウ化銅(I)0.1gを加え、4−ヨード−1−(3−
ブテニル)ベンゼン5.0g(この化合物は4−ブロモ
−1−(3−ブテニル)ベンゼンから調製したグリニヤ
ール反応剤をヨウ素と反応させることにより合成し
た。)のDMF16ml溶液を20から30℃を保つ速
度で滴下した。さらに25℃で1時間攪拌した後、トル
エン50mlを加え、水、飽和食塩水で順次洗滌した。
無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥した後、溶媒を溜去し
て、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(ヘキサン)で精製して、さらにエタノールから
再結晶して3,4,5−トリフルオロ−4’−[2−
[4−(3−ブテニル)フェニル]エチニル]ビフェニ
ルの白色結晶4.5gを得た。この化合物の融点は68
℃であり、118℃までN(ネマチック)相を示した。
【0075】同様にして以下の化合物を得た。 3,4,5−トリフルオロ−4’−[2−[4−(4−
ペンテニル)フェニル]エチニル]ビフェニル 3,4,5−トリフルオロ−4’−[2−[4−(トラ
ンス−3−ペンテニル)フェニル]エチニル]ビフェニ
ル 3,4,5−トリフルオロ−4’−[2−[4−(5−
ヘキセニル)フェニル]エチニル]ビフェニル (実施例2) 3,4−ジフルオロ−4’−[2−(4
−プロピル)フェニル]エチニル]ビフェニル(I−
2)の合成 参考例1において1−ブロモ−3,4,5−トリフルオ
ロベンゼンに換えて、1−ブロモ−3,4−ジフルオロ
ベンゼンを用いることにより3,4−ジフルオロ−4’
−ブロモビフェニルを得た。これを参考例2における
3,4,5−トリフルオロ−4’−ブロモビフェニルに
換えて用い、さらに実施例1と同様に反応させることに
より3,4−ジフルオロ−4’−[2−[4−(3−ブ
テニル)フェニル]エチニル]ビフェニルの白色結晶を
得た。
【0076】同様にして以下の化合物を得た。 3,4−ジフルオロ−4’−[2−[4−(4−ペンテ
ニル)フェニル]エチニル]ビフェニル 3,4−ジフルオロ−4’−[2−[4−(トランス−
3−ペンテニル)フェニル]エチニル]ビフェニル 3,4−ジフルオロ−4’−[2−[4−(5−ヘキセ
ニル)フェニル]エチニル]ビフェニル 2,4’−ジフルオロ−4−[2−[4−(3−ブテニ
ル)フェニル]エチニル]ビフェニル 2,4’−ジフルオロ−4−[2−[4−(4−ペンテ
ニル)フェニル]エチニル]ビフェニル 2,4’−ジフルオロ−4−[2−[4−(トランス−
3−ペンテニル)フェニル]エチニルビフェニル 2,4’−ジフルオロ−4−[2−[4−(5−ヘキセ
ニル)フェニル]エチニル]ビフェニル 2,3’,4’−トリフルオロ−4−[2−[4−(3
−ブテニル)フェニル]エチニル]ビフェニル 2,3’,4’−トリフルオロ−4−[2−[4−(4
−ペンテニル)フェニル]エチニル]ビフェニル 2,3’,4’−トリフルオロ−4−[2−[4−(ト
ランス−3−ペンテニル)フェニル]エチニル]ビフェ
ニル 2,3’,4’−トリフルオロ−4−[2−[4−(5
−ヘキセニル)フェニル]エチニル]ビフェニル 2,6,4’−トリフルオロ−4−[2−[4−(3−
ブテニル)フェニル]エチニル]ビフェニル 2,6,4’−トリフルオロ−4−[2−[4−(4−
ペンテニル)フェニル]エチニル]ビフェニル 2,6,4’−トリフルオロ−4−[2−[4−(トラ
ンス−3−ペンテニル)フェニル]エチニル]ビフェニ
ル 2,6,4’−トリフルオロ−4−[2−[4−(5−
ヘキセニル)フェニル]エチニル]ビフェニル 2,6,3’,4’−テトラフルオロ−4−[2−[4
−(3−ブテニル)フェニル]エチニル]ビフェニル 2,6,3’,4’−テトラフルオロ−4−[2−[4
−(4−ペンテニル)フェニル]エチニル]ビフェニル 2,6,3’,4’−テトラフルオロ−4−[2−[4
−(トランス−3−ペンテニル)フェニル]エチニル]
ビフェニル 2,6,3’,4’−テトラフルオロ−4−[2−[4
−(5−ヘキセニル)フェニル]エチニル]ビフェニル 3,4,5,2’−テトラフルオロ−4’−[2−[4
−(3−ブテニル)フェニル]エチニル]ビフェニル 3,4,5,2’−テトラフルオロ−4’−[2−[4
−(4−ペンテニル)フェニル]エチニル]ビフェニル 3,4,5,2’−テトラフルオロ−4’−[2−[4
−(トランス−3−ペンテニル)フェニル]エチニル]
ビフェニル 3,4,5,2’−テトラフルオロ−4’−[2−[4
−(5−ヘキセニル)フェニル]エチニル]ビフェニル 2,6,3’,4’,5’−ペンタフルオロ−4−[2
−[4−(3−ブテニル)フェニル]エチニル]ビフェ
ニル 2,6,3’,4’,5’−ペンタフルオロ−4−[2
−[4−(4−ペンテニル)フェニル]エチニル]ビフ
ェニル 2,6,3’,4’,5’−ペンタフルオロ−4−[2
−[4−(トランス−3−ペンテニル)フェニル]エチ
ニル]ビフェニル 2,6,3’,4’,5’−ペンタフルオロ−4−[2
−[4−(5−ヘキセニル)フェニル]エチニル]ビフ
ェニル 3−フルオロ−4−クロロ−4’−[2−[4−(3−
ブテニル)フェニル]エチニル]ビフェニル 3−フルオロ−4−クロロ−4’−[2−[4−(4−
ペンテニル)フェニル]エチニル]ビフェニル 3−フルオロ−4−クロロ−4’−[2−[4−(トラ
ンス−3−ペンテニル)フェニル]エチニル]ビフェニ
ル 3−フルオロ−4−クロロ−4’−[2−[4−(5−
ヘキセニル)フェニル]エチニル]ビフェニル 3,5−ジフルオロ−4−クロロ−4’−[2−[4−
(3−ブテニル)フェニル]エチニル]ビフェニル 3,5−ジフルオロ−4−クロロ−4’−[2−[4−
(4−ペンテニル)フェニル]エチニル]ビフェニル 3,5−ジフルオロ−4−クロロ−4’−[2−[4−
(トランス−3−ペンテニル)フェニル]エチニル]ビ
フェニル 3,5−ジフルオロ−4−クロロ−4’−[2−[4−
(5−ヘキセニル)フェニル]エチニル]ビフェニル 3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシ−4’−[2
−[4−(3−ブテニル)フェニル]エチニル]ビフェ
ニル 3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシ−4’−[2
−[4−(4−ペンテニル)フェニル]エチニル]ビフ
ェニル 3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシ−4’−[2
−[4−(トランス−3−ペンテニル)フェニル]エチ
ニル]ビフェニル 3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシ−4’−[2
−[4−(5−ヘキセニル)フェニル]エチニル]ビフ
ェニル 3,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシ−4’
−[2−[4−(3−ブテニル)フェニル]エチニル]
ビフェニル 3,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシ−4’
−[2−[4−(4−ペンテニル)フェニル]エチニ
ル]ビフェニル 3,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシ−4’
−[2−[4−(トランス−3−ペンテニル)フェニ
ル]エチニル]ビフェニル 3,5−ジフルオロ−4−トリフルオロメトキシ−4’
−[2−[4−(5−ヘキセニル)フェニル]エチニ
ル]ビフェニル 2,6−ジフルオロ−4’−クロロ−[2−[4−(3
−ブテニル)フェニル]エチニル]ビフェニル 2,6−ジフルオロ−4’−クロロ−[2−[4−(4
−ペンテニル)フェニル]エチニル]ビフェニル 2,6−ジフルオロ−4’−クロロ−[2−[4−(ト
ランス−3−ペンテニル)フェニル]エチニル]ビフェ
ニル 2,6−ジフルオロ−4’−クロロ−[2−[4−(5
−ヘキセニル)フェニル]エチニル]ビフェニル 2,6−ジフルオロ−4’− トリフルオロメトキシ−
[2−[4−(3−ブテニル)フェニル]エチニル]ビ
フェニル 2,6−ジフルオロ−4’− トリフルオロメトキシ−
[2−[4−(4−ペンテニル)フェニル]エチニル]
ビフェニル 2,6−ジフルオロ−4’− トリフルオロメトキシ−
[2−[4−(トランス−3−ペンテニル)フェニル]
エチニル]ビフェニル 2,6−ジフルオロ−4’− トリフルオロメトキシ−
[2−[4−(5−ヘキセニル)フェニル]エチニル]
ビフェニル (実施例3)液晶組成物の調製 温度範囲が広く、低粘性で高速応答が可能であり、アク
ティブマトリックス駆動用としても好適であるホスト液
晶(H)
【0077】
【化24】
【0078】を調製した。このホスト液晶(H)の融点
は11℃であり、ネマチック相上限温度(TN-I)は1
16.7℃であった。その物性値およびこれを用いて作
成したセル厚6μmのTNセルにおける電気光学的応答
時間(τ)ならびに閾値電圧(Vth)は以下の通りで
あった。
【0079】 誘電率異方性(Δε) 4.8 屈折率異方性(Δn) 0.090 応答時間(τ) 25.3m秒 閾値電圧(Vth) 2.14V ここで応答時間は立ち上がり時間(τr)と立ち下がり
時間(τd)とが等しくなるような電圧印加時の測定値
である。
【0080】このホスト液晶(H)の80%と実施例1
で得られた3,4,5−トリフルオロ−4’−[2−
[4−(3−ブテニル)フェニル]エチニル]ビフェニ
ル(I−1)
【0081】
【化25】
【0082】20%からなる液晶組成物(H−1)を調
製した。同様にして測定したN相の上限温度(TN-I
及びその特性値は以下の通りとなった。 TN-I 114.0℃ Δε 5.7 Δn 0.136 τ 22.9m秒 Vth 2.13V このようにΔnはホスト液晶(H)と比較して約0.0
45も大きくすることが可能となり、応答時間もホスト
液晶(H)に対して約10%も短縮高速化することがで
きた。さらにTN-Iは約7゜上昇しているうえに、Vt
hは約0.2Vも低減されていることがわかる。
【0083】次に、この(H−1)を室温で保存したと
ころ1週間以上経過しても結晶の析出や相分離は観察で
きなかった。従って、本発明の式(I−1)の化合物は
ホスト液晶(H)に対して良好な溶解性を待つことがわ
かる。 (比較例1)前述の一般式(A)で表されるシクロヘキ
シルトラン誘導体であって本発明の式(I−1)の化合
物と比較的類似構造を有する式(A−1)
【0084】
【化26】
【0085】の化合物をホスト液晶(H)に同量(20
%)添加して比較用液晶組成物(H−A)を調製した。
(H−A)のTN-Iは110.5℃で(H−1)より
3.5°低くなった。また、この(H−A)のΔnは
0.114であり、(H−1)に対して0.02以上も
小さくなった。さらに同様にして測定した電気光学的応
答は25.7m秒とホスト液晶(H)よりも遅くなっ
た。従って、本発明の一般式(I)の化合物のΔn増大
効果及び応答改善効果は一般式(A)の化合物よりはる
かに優れていることがわかる。 (比較例2)前述の一般式(B)で表されるフェニルト
ラン誘導体であって本発明の式(I−1)の化合物と比
較的類似構造を有する式(B−1)
【0086】
【化27】
【0087】の化合物をホスト液晶(H)に同量(20
%)添加して比較用液晶組成物(H−B)を調製した。
(H−B)のTN-Iは113℃で(H−1)に近く、Δ
nも0.133と(H−1)に近い大きい値を示した。
しかしながら、室温で放置すると1日以内に結晶が析出
してしまった。従って、本発明の一般式(I)の化合物
は一般式(B)のフェニルトラン誘導体と比較して非常
に改善された従来液晶に対する相溶性を有することがわ
かる。 (比較例3)前述の一般式(C)で表されるフェニルト
ラン誘導体であって本発明の式(I−1)の化合物と類
似構造を有する式(C−1)
【0088】
【化28】
【0089】の化合物をホスト液晶(H)に同量(20
%)添加して比較用液晶組成物(H−C)を調製した。
(H−C)のTN-Iは112℃で(H−1)よりやや低
く、Δnは0.136と(H−1)と同じ値を示し、室
温で放置しても結晶の析出は観察されなかった。しかし
ながら、同様にして電気光学的応答を測定したところ、
24.4m秒とホスト液晶(H)よりは高速となったも
のの、(H−1)と比較するとかなり遅くなった。従っ
て、本発明の一般式(I)の化合物の応答改善効果は一
般式(C)の化合物と比較してより優れていることがわ
かる。
【0090】以上のように、本発明の一般式(I)の化
合物は一般式(A)のシクロヘキシルトラン誘導体と比
較して大きいΔnと、一般式(B)のフェニルトラン誘
導体と比較して優れた相溶性、さらに一般式(C)のフ
ェニルトラン誘導体と比較して優れた応答性をあわせ有
することがわかる。
【0091】
【発明の効果】本発明により提供されるフェニルトラン
誘導体は、実施例にも示したように工業的にも容易に製
造することができる。得られたフェニルトラン誘導体は
液晶性に優れ、従来の3環性トラン誘導体と比較して、
屈折率異方性が大きく、汎用のホスト液晶との相溶性に
も優れ、応答性の改善効果に優れるといった特長を併せ
有する。従って、温度範囲が広く、低電圧駆動と高速応
答が可能な液晶組成物を調製する上において極めて有用
である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは水素原子又は炭素原子数1〜12のアルキ
    ル基を表し、mは2〜6の整数を表し、Zはフッ素原
    子、塩素原子、トリフルオロメチル基、トリフルオロメ
    トキシ基、ジフルオロメトキシ基又は2,2,2−トリ
    フルオロエトキシ基を表し、X1〜X5はそれぞれ独立的
    に水素原子又はフッ素原子を表す。)で表されるフェニ
    ルトラン誘導体。
  2. 【請求項2】 一般式(I)において、Rが水素原子を
    表し、mが2を表すところの請求項1記載のフェニルト
    ラン誘導体。
  3. 【請求項3】 一般式(I)において、Zがフッ素原子
    を表すところの請求項2記載のフェニルトラン誘導体。
  4. 【請求項4】 一般式(I)において、X1〜X5の少な
    くとも1個がフッ素原子を表すところの請求項3記載の
    フェニルトラン誘導体。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4記載の一般式
    (I)で表されるフェニルトラン誘導体を含有する液晶
    組成物。
  6. 【請求項6】 ネマチック相を示すことを特徴とする請
    求項5記載の液晶組成物。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6記載の液晶組成物を構成
    要素とする液晶表示素子。
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CN104662124A (zh) * 2012-09-21 2015-05-27 默克专利股份有限公司 具有c-c三键的化合物及其在液晶混合物中的用途

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