JPH11152735A - 軟弱地盤表層改良法 - Google Patents
軟弱地盤表層改良法Info
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- JPH11152735A JPH11152735A JP33637097A JP33637097A JPH11152735A JP H11152735 A JPH11152735 A JP H11152735A JP 33637097 A JP33637097 A JP 33637097A JP 33637097 A JP33637097 A JP 33637097A JP H11152735 A JPH11152735 A JP H11152735A
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- Japan
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- soft ground
- solidified
- water
- surface layer
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- Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 軟弱地盤の表層に、厚みが薄くて高い支持力
を有し、クラックの発生が少なく、クラックが発生して
も表層に段差・傾きが生起せず、トラフィカビリティー
に優れ、工期が短縮でき低コストで施工できる固化層を
構築する。 【解決手段】 軟弱地盤9のある浅水の堤体内で透水性
があり且つ強靱な大きな袋1を作業船2から投入し、海
底面に袋1を敷設しながら、作業船2からフライアッシ
ュとセメント水とを混合したスラリー状の固化材7を袋
1内へ圧送し、袋1内に固化材7を充填して固化させて
海底軟弱地盤9上に平板状固化層8を一部が上下に重な
るように複数連続して設置し、その後堤体11内の水を
排出する。
を有し、クラックの発生が少なく、クラックが発生して
も表層に段差・傾きが生起せず、トラフィカビリティー
に優れ、工期が短縮でき低コストで施工できる固化層を
構築する。 【解決手段】 軟弱地盤9のある浅水の堤体内で透水性
があり且つ強靱な大きな袋1を作業船2から投入し、海
底面に袋1を敷設しながら、作業船2からフライアッシ
ュとセメント水とを混合したスラリー状の固化材7を袋
1内へ圧送し、袋1内に固化材7を充填して固化させて
海底軟弱地盤9上に平板状固化層8を一部が上下に重な
るように複数連続して設置し、その後堤体11内の水を
排出する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陸上又は水中下の
軟弱地盤の表層の改良技術であって、軟弱地盤の表面に
重量物を支持し、通過を許容する強度がある表層を構築
するものであって特に軟弱地盤上に重機が進入して作業
できる道路形成に有用な技術である。
軟弱地盤の表層の改良技術であって、軟弱地盤の表面に
重量物を支持し、通過を許容する強度がある表層を構築
するものであって特に軟弱地盤上に重機が進入して作業
できる道路形成に有用な技術である。
【0002】
【従来の技術】従来、陸上の広い面積の軟弱地盤を改良
する場合、重機・地盤改良機・トラック等の作業装置を
軟弱地盤上に進入させるため、進入路を地盤改良本作業
の前に構築している。従来の進入路の構築方法として
は、軟弱地盤が盛り土に対して支持力がある場合は、砂
等の盛土で進入路を構築する。軟弱地盤が盛り土に対し
て支持力がなければ、ネットを軟弱地盤上に敷いてその
上に盛り土を設ける方法が使用されている。軟弱地盤が
極めて軟弱な場合(超軟弱地盤の場合)は、固化材と水
とを軟弱地盤に注入し、混合攪拌して良質の固化盤を表
面に構築する施工法が採用されている。いずれでも進入
路には、盛土材と重機の上載荷重に耐える強度と厚さ及
びドレーン打込作業機等の作業機の使用に耐える一軸圧
縮強度が要求される。従来の盛土による表層改良では、
近年枯涸して高価な砂資源を多量に使用するので工事費
が嵩むという問題点がある。又、従来の固化材と水とを
軟弱地盤に注入して攪拌混合して固化させる軟弱地盤改
良工法では重機を使用して多量の固化材を使用するので
工期が長く且つ工事費が高くなるものである。固化盤の
厚みを薄くすると、ひび割れが発生し、路面に段差・傾
きを生じ、進入路の路体のトラフィカビリティーに支障
をきたす。又固化盤を厚くして強度を高めると工事費が
嵩むという問題点があった。
する場合、重機・地盤改良機・トラック等の作業装置を
軟弱地盤上に進入させるため、進入路を地盤改良本作業
の前に構築している。従来の進入路の構築方法として
は、軟弱地盤が盛り土に対して支持力がある場合は、砂
等の盛土で進入路を構築する。軟弱地盤が盛り土に対し
て支持力がなければ、ネットを軟弱地盤上に敷いてその
上に盛り土を設ける方法が使用されている。軟弱地盤が
極めて軟弱な場合(超軟弱地盤の場合)は、固化材と水
とを軟弱地盤に注入し、混合攪拌して良質の固化盤を表
面に構築する施工法が採用されている。いずれでも進入
路には、盛土材と重機の上載荷重に耐える強度と厚さ及
びドレーン打込作業機等の作業機の使用に耐える一軸圧
縮強度が要求される。従来の盛土による表層改良では、
近年枯涸して高価な砂資源を多量に使用するので工事費
が嵩むという問題点がある。又、従来の固化材と水とを
軟弱地盤に注入して攪拌混合して固化させる軟弱地盤改
良工法では重機を使用して多量の固化材を使用するので
工期が長く且つ工事費が高くなるものである。固化盤の
厚みを薄くすると、ひび割れが発生し、路面に段差・傾
きを生じ、進入路の路体のトラフィカビリティーに支障
をきたす。又固化盤を厚くして強度を高めると工事費が
嵩むという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、従来のこれらの問題点をなくし、高い支持
強度を有しながら固化盤(固化層)の厚みを薄くでき、
クラックが発生しにくく、クラックが発生しても段差・
傾きを生起せず、トラフィカビリティーに優れ、しかも
工期が短縮して低コストで施工できる軟弱地盤表層改良
法を提供することにある。
する課題は、従来のこれらの問題点をなくし、高い支持
強度を有しながら固化盤(固化層)の厚みを薄くでき、
クラックが発生しにくく、クラックが発生しても段差・
傾きを生起せず、トラフィカビリティーに優れ、しかも
工期が短縮して低コストで施工できる軟弱地盤表層改良
法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決した本
発明の構成は、 1) 強靱で引張強度がある素材で製作された広い面積
の透水性の袋を軟弱地盤の表層に展開し、同袋内に固化
材を充填し、充填された固化材が袋とともに一体的に硬
化し、軟弱地盤表面に引張強度のある素材で包被された
平板状固化層を形成することを特徴とする軟弱地盤表層
改良法 2) 強靱で引張強度がある素材で製作された広い偏平
状の透水性の袋を水中の軟弱地盤の表層に投入し、同袋
内に固化材を圧送して水中で袋内の空間を固化材で充填
し、同固化材の硬化によって袋と内部の固化材と一体的
に連結した状態で固化させて、水中の軟弱地盤表面に引
張強度がある袋で一体的に包被された平板状固化層を形
成することを特徴とする軟弱地盤表層改良法 3) 軟弱地盤上面に形成される複数の固化層の周端部
の一部が互に重なるように設置される前記1)又は2)
記載の軟弱地盤表層改良法 4) 固化材として貧配合のセメント系固化材を使用し
て弾性を有する固化層とした前記1)〜3)何れか記載
の軟弱地盤表層改良法 5) 袋の素材がジオテキスタイルである前記1)〜
4)何れか記載の軟弱地盤表層改良法にある。
発明の構成は、 1) 強靱で引張強度がある素材で製作された広い面積
の透水性の袋を軟弱地盤の表層に展開し、同袋内に固化
材を充填し、充填された固化材が袋とともに一体的に硬
化し、軟弱地盤表面に引張強度のある素材で包被された
平板状固化層を形成することを特徴とする軟弱地盤表層
改良法 2) 強靱で引張強度がある素材で製作された広い偏平
状の透水性の袋を水中の軟弱地盤の表層に投入し、同袋
内に固化材を圧送して水中で袋内の空間を固化材で充填
し、同固化材の硬化によって袋と内部の固化材と一体的
に連結した状態で固化させて、水中の軟弱地盤表面に引
張強度がある袋で一体的に包被された平板状固化層を形
成することを特徴とする軟弱地盤表層改良法 3) 軟弱地盤上面に形成される複数の固化層の周端部
の一部が互に重なるように設置される前記1)又は2)
記載の軟弱地盤表層改良法 4) 固化材として貧配合のセメント系固化材を使用し
て弾性を有する固化層とした前記1)〜3)何れか記載
の軟弱地盤表層改良法 5) 袋の素材がジオテキスタイルである前記1)〜
4)何れか記載の軟弱地盤表層改良法にある。
【0005】
【作用】本発明では、強靱で引張強度のある素材で製作
された袋内に固化材を充填し、袋は固化材を包被するよ
うにして固化材と一体的に硬化連結する。そのため、袋
が固化材内の引張部材として作用して固化層の曲げ・引
張・せん断力の強さを大きく向上させ、クラックの発生
を少なくしている。仮にクラックが発生しても袋は固化
材が分離しないように保持して表層に段差・傾き・欠落
を生起させるのを袋が防止する。よって固化材を少なく
でき、薄くても強度のある平板状固化層を形成すること
ができる。又、水中の軟弱地盤の上面に袋を投入し、水
中で同袋中に固化材を圧送することで、海底の軟弱地盤
の表層に固化層を構築できるものとなっている。又、固
化材貧配合のセメント系固化材を使用することで、硬化
の状態が低下し、弾性(変形・変位し易い)がある固化
層とすることができ、荷重・不等沈下に対応性のあるも
のとすることができる。
された袋内に固化材を充填し、袋は固化材を包被するよ
うにして固化材と一体的に硬化連結する。そのため、袋
が固化材内の引張部材として作用して固化層の曲げ・引
張・せん断力の強さを大きく向上させ、クラックの発生
を少なくしている。仮にクラックが発生しても袋は固化
材が分離しないように保持して表層に段差・傾き・欠落
を生起させるのを袋が防止する。よって固化材を少なく
でき、薄くても強度のある平板状固化層を形成すること
ができる。又、水中の軟弱地盤の上面に袋を投入し、水
中で同袋中に固化材を圧送することで、海底の軟弱地盤
の表層に固化層を構築できるものとなっている。又、固
化材貧配合のセメント系固化材を使用することで、硬化
の状態が低下し、弾性(変形・変位し易い)がある固化
層とすることができ、荷重・不等沈下に対応性のあるも
のとすることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の袋の布地は不織布でも織
布でもよいが、引張強度100Kgf/3cm程度のも
のが必要である。袋としてはジオテキスタイルを使うの
が実用的である。又袋の寸法は、現場の表層の目的によ
って大きさ、厚みが違うが、巾10m,長さ20m,厚
み1m,容積200m3 程のものが進入路構築用に用い
られる。固化材としては、フライアッシュ(石炭灰),
セメント,水とを混練したものが使用できる。又袋詰め
の固化材の固化層は互に一部を重ねるように敷設するこ
とが全体の支持力を高めるので好ましい。
布でもよいが、引張強度100Kgf/3cm程度のも
のが必要である。袋としてはジオテキスタイルを使うの
が実用的である。又袋の寸法は、現場の表層の目的によ
って大きさ、厚みが違うが、巾10m,長さ20m,厚
み1m,容積200m3 程のものが進入路構築用に用い
られる。固化材としては、フライアッシュ(石炭灰),
セメント,水とを混練したものが使用できる。又袋詰め
の固化材の固化層は互に一部を重ねるように敷設するこ
とが全体の支持力を高めるので好ましい。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1〜12に示す実施例は、軟弱地盤を堤体で仕
切り、所定の水深の海水を貯え、船上から袋を投下して
固化層を形成する施工例である。船上から160kg/
3cmの強度のジオテキスタイル製の袋を水中の海底下
の軟弱地盤へ投下し、又船上から、フライアッシュ(石
炭灰)とセメント水とを混合したスラリ−状の固化材を
グラウトポンプで水中の袋内に圧送させる例である。図
1は、実施例の作業状態を示す説明図である。図2は、
実施例で使用する作業船の平面図である。図3は、実施
例の作業工程を示す説明図である。図4は、実施例の袋
への固化材の注入作業を示す説明図である。図5は、実
施例で構築された軟弱地盤上の表層の改良地盤の状態を
示す説明図である。図中、1は160kg/3cmの強
度のジオテキスタイルで、巾10m、長さ20m、厚み
1mの空間を形成できる大型の袋であり、袋1は複数の
袋1が連続して繰り出されるように互に一部袋が重なる
ように周縁で連続され、ロ−ル状に船上に巻き取られて
いる。2は作業船、2aは袋投入用張り出し案内部材、
2bは左右のフロ−ト台船、2cは同フロ−ト台船を連
結する連結管、2dは袋のロ−ル体の巻き取りロ−ル、
3aは袋1内に一端が挿入されたグラウトホ−ス、4は
固化材を貯える攪拌タンク、5は発電機、6は作業船2
を移動させるウインチ10に巻き取られているワイヤロ
−プ、7はフライアッシュ(石炭灰)とセメントと水と
を混合した固化材、8は袋1と固化材7が硬化して一体
化した表層改良地盤を形成する固化層、8aは同固化層
の重なり部分、9は軟弱地盤、10はウインチ、11は
堤体である。この実施例は、水中の浅水の軟弱地盤又は
陸上の軟弱地盤の場合でも堤体11を構築し、貯水して
浅水状態にして、作業船2から作業するようにした軟弱
地盤9の表層改良工事である。まず、作業船2を陸上の
ウインチ10によって、水中に浮べ、ロール状に巻き取
りローラ2dから20m長さ、巾10m、厚み1mの充
填空間を有する袋1を一枚分(長さ20m程)を繰り出
し水底に展開状態にする(図3(a),(b)参照)。
その後、固化材7をグラウトポンプ3で送り出し、グラ
ウトホース3aを介して袋1内に圧送する。袋1は圧送
された固化材7が充填すると膨張し、所定の大型の平板
状偏平な形となる。固化材7は袋1の水中投入とともに
圧送されて自重で袋1が海底に動かないようにする。必
要に応じて最初の袋1にはアンカーを施す。袋はジオテ
キスタイルで作製されているので、固化材7の圧力で膨
れても充分な強度と保形性を保持している。袋1内の圧
送された固化材7中の水分は外方へ排出され、固化成分
が袋内に残り、水中で固化させる。この固化材の注入
は、図4に示すようにまず1回目の注入で水底下の軟弱
地盤9表面に密着するように展開し(図4(a)参
照)、次に2回目の注入を高圧で固化材7を圧送し、1
回目の固化材7の上にのるように展開し、袋の厚みを確
保する(図4(b)参照)。ある程度注入した固化材7
が硬化する前に次の袋1は前の袋の後部上面と重複する
ように連結されていて、次の袋1へも同様に固化材7は
圧送され、次の袋の先端部と前の袋の後部とが重なるよ
うにして固化材7は圧入される。このように袋の投入、
固化材7の圧送を繰り返して水底下の軟弱地盤9上に固
化材7を充填した袋1を多数設置していく。袋1内の固
化材7は、その固化材7の成分が袋1間及び袋1の表面
近くまで滲出して袋1は固化材7で固化材7とともに固
化して一体化される。この袋1は固化材7の外周補強材
として作用し、曲げ・引張・圧縮荷重の耐力(支持力)
を大巾に高める。特に貧配合の固化材7を使用すること
で、変形変位を許容する弾性のある固化層8とすること
ができた。更に袋1は、固化材7内部にクラックが生じ
ても分離するのを外周の袋1が防止し、大きな段差がつ
いたり、又遠くへ分離して離散することを防ぎ、進入路
・大きな重機荷重に耐える路盤強度を作り出す。このよ
うに固化材7と袋1とは一体化して偏平の大型の表層固
化層8が互にその一部が重なるようにして且つある程度
固化材で連結された状態で連続的に敷かれる(図5参
照)。この作業後に、堤体11内の水を排出して水中の
軟弱地盤9の表面に重機が移動できる充分な強度・支持
力のある進入路を形成されるものである。本実施例は、
水中で袋1を透過して敷設したが、陸上軟弱地盤改良工
事では、軟弱地盤上の泥上船を用いるか、又はクレーン
・ワイヤロープを用いて陸上軟弱地盤上面に袋を展開
し、又圧送ホースで袋内に固化材を送ることで固化材の
袋で封止した固化層を形成することができる。
する。図1〜12に示す実施例は、軟弱地盤を堤体で仕
切り、所定の水深の海水を貯え、船上から袋を投下して
固化層を形成する施工例である。船上から160kg/
3cmの強度のジオテキスタイル製の袋を水中の海底下
の軟弱地盤へ投下し、又船上から、フライアッシュ(石
炭灰)とセメント水とを混合したスラリ−状の固化材を
グラウトポンプで水中の袋内に圧送させる例である。図
1は、実施例の作業状態を示す説明図である。図2は、
実施例で使用する作業船の平面図である。図3は、実施
例の作業工程を示す説明図である。図4は、実施例の袋
への固化材の注入作業を示す説明図である。図5は、実
施例で構築された軟弱地盤上の表層の改良地盤の状態を
示す説明図である。図中、1は160kg/3cmの強
度のジオテキスタイルで、巾10m、長さ20m、厚み
1mの空間を形成できる大型の袋であり、袋1は複数の
袋1が連続して繰り出されるように互に一部袋が重なる
ように周縁で連続され、ロ−ル状に船上に巻き取られて
いる。2は作業船、2aは袋投入用張り出し案内部材、
2bは左右のフロ−ト台船、2cは同フロ−ト台船を連
結する連結管、2dは袋のロ−ル体の巻き取りロ−ル、
3aは袋1内に一端が挿入されたグラウトホ−ス、4は
固化材を貯える攪拌タンク、5は発電機、6は作業船2
を移動させるウインチ10に巻き取られているワイヤロ
−プ、7はフライアッシュ(石炭灰)とセメントと水と
を混合した固化材、8は袋1と固化材7が硬化して一体
化した表層改良地盤を形成する固化層、8aは同固化層
の重なり部分、9は軟弱地盤、10はウインチ、11は
堤体である。この実施例は、水中の浅水の軟弱地盤又は
陸上の軟弱地盤の場合でも堤体11を構築し、貯水して
浅水状態にして、作業船2から作業するようにした軟弱
地盤9の表層改良工事である。まず、作業船2を陸上の
ウインチ10によって、水中に浮べ、ロール状に巻き取
りローラ2dから20m長さ、巾10m、厚み1mの充
填空間を有する袋1を一枚分(長さ20m程)を繰り出
し水底に展開状態にする(図3(a),(b)参照)。
その後、固化材7をグラウトポンプ3で送り出し、グラ
ウトホース3aを介して袋1内に圧送する。袋1は圧送
された固化材7が充填すると膨張し、所定の大型の平板
状偏平な形となる。固化材7は袋1の水中投入とともに
圧送されて自重で袋1が海底に動かないようにする。必
要に応じて最初の袋1にはアンカーを施す。袋はジオテ
キスタイルで作製されているので、固化材7の圧力で膨
れても充分な強度と保形性を保持している。袋1内の圧
送された固化材7中の水分は外方へ排出され、固化成分
が袋内に残り、水中で固化させる。この固化材の注入
は、図4に示すようにまず1回目の注入で水底下の軟弱
地盤9表面に密着するように展開し(図4(a)参
照)、次に2回目の注入を高圧で固化材7を圧送し、1
回目の固化材7の上にのるように展開し、袋の厚みを確
保する(図4(b)参照)。ある程度注入した固化材7
が硬化する前に次の袋1は前の袋の後部上面と重複する
ように連結されていて、次の袋1へも同様に固化材7は
圧送され、次の袋の先端部と前の袋の後部とが重なるよ
うにして固化材7は圧入される。このように袋の投入、
固化材7の圧送を繰り返して水底下の軟弱地盤9上に固
化材7を充填した袋1を多数設置していく。袋1内の固
化材7は、その固化材7の成分が袋1間及び袋1の表面
近くまで滲出して袋1は固化材7で固化材7とともに固
化して一体化される。この袋1は固化材7の外周補強材
として作用し、曲げ・引張・圧縮荷重の耐力(支持力)
を大巾に高める。特に貧配合の固化材7を使用すること
で、変形変位を許容する弾性のある固化層8とすること
ができた。更に袋1は、固化材7内部にクラックが生じ
ても分離するのを外周の袋1が防止し、大きな段差がつ
いたり、又遠くへ分離して離散することを防ぎ、進入路
・大きな重機荷重に耐える路盤強度を作り出す。このよ
うに固化材7と袋1とは一体化して偏平の大型の表層固
化層8が互にその一部が重なるようにして且つある程度
固化材で連結された状態で連続的に敷かれる(図5参
照)。この作業後に、堤体11内の水を排出して水中の
軟弱地盤9の表面に重機が移動できる充分な強度・支持
力のある進入路を形成されるものである。本実施例は、
水中で袋1を透過して敷設したが、陸上軟弱地盤改良工
事では、軟弱地盤上の泥上船を用いるか、又はクレーン
・ワイヤロープを用いて陸上軟弱地盤上面に袋を展開
し、又圧送ホースで袋内に固化材を送ることで固化材の
袋で封止した固化層を形成することができる。
【0008】
【発明の効果】以上の様に、本発明によれば、従来の如
く、砂等の盛土を多量に投入することなく、又軟弱地盤
を固化材を注入して、攪拌混合して全体の改良を行うこ
となく、袋の投入と袋への固化材の充填によって、軟弱
地盤の表層の固化層の形成を従来に比べて、大巾に工期
を短縮して施工でき、工事コストも大巾に安値で、しか
も固化層は袋によってきわめて高い強度(曲げ、圧縮、
引張)を得ることができる。又固化材にクラックを生じ
ても分離して離れることも、又段差がつくことがなく路
面、床盤として優れたものに出来た。これによって良好
なトラフィカビリティ−の軟弱地盤の表層改良地盤が構
築できるものとした。
く、砂等の盛土を多量に投入することなく、又軟弱地盤
を固化材を注入して、攪拌混合して全体の改良を行うこ
となく、袋の投入と袋への固化材の充填によって、軟弱
地盤の表層の固化層の形成を従来に比べて、大巾に工期
を短縮して施工でき、工事コストも大巾に安値で、しか
も固化層は袋によってきわめて高い強度(曲げ、圧縮、
引張)を得ることができる。又固化材にクラックを生じ
ても分離して離れることも、又段差がつくことがなく路
面、床盤として優れたものに出来た。これによって良好
なトラフィカビリティ−の軟弱地盤の表層改良地盤が構
築できるものとした。
【図1】実施例の作業状態を示す説明図である。
【図2】実施例で使用する作業船の平面図である。
【図3】実施例の作業工程を示す説明図である。
【図4】実施例の袋への固化材の注入作業を示す説明図
である。
である。
【図5】実施例で構築された軟弱地盤上の表層の改良地
盤の状態を示す説明図
盤の状態を示す説明図
1 袋 2 作業船 2a 張り出し案内部材 2b フロ−ト台船 2c 連結管 2d 巻き取りロ−ル 3 グラウトポンプ 3a グラウトホ−ス 4 攪拌タンク 5 発電機 6 ワイヤロ−プ 7 固化材 8 固化層 8a 重なり部分 9 軟弱地盤 10 ウインチ 11 堤体
Claims (5)
- 【請求項1】 強靱で引張強度がある素材で製作された
広い面積の透水性の袋を軟弱地盤の表層に展開し、同袋
内に固化材を充填し、充填された固化材が袋とともに一
体的に硬化し、軟弱地盤表面に引張強度のある素材で包
被された平板状固化層を形成することを特徴とする軟弱
地盤表層改良法。 - 【請求項2】 強靱で引張強度がある素材で製作された
広い偏平状の透水性の袋を水中の軟弱地盤の表層に投入
し、同袋内に固化材を圧送して水中で袋内の空間を固化
材で充填し、同固化材の硬化によって袋と内部の固化材
と一体的に連結した状態で固化させて、水中の軟弱地盤
表面に引張強度がある袋で一体的に包被された平板状固
化層を形成することを特徴とする軟弱地盤表層改良法。 - 【請求項3】 軟弱地盤上面に形成される複数の固化層
の周端部の一部が互に重なるように設置される請求項1
又は2記載の軟弱地盤表層改良法。 - 【請求項4】 固化材として貧配合のセメント系固化材
を使用して弾性を有する固化層とした請求項1〜3何れ
か記載の軟弱地盤表層改良法。 - 【請求項5】 袋の素材がジオテキスタイルである請求
項1〜4何れか記載の軟弱地盤表層改良法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33637097A JPH11152735A (ja) | 1997-11-19 | 1997-11-19 | 軟弱地盤表層改良法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33637097A JPH11152735A (ja) | 1997-11-19 | 1997-11-19 | 軟弱地盤表層改良法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11152735A true JPH11152735A (ja) | 1999-06-08 |
Family
ID=18298442
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33637097A Pending JPH11152735A (ja) | 1997-11-19 | 1997-11-19 | 軟弱地盤表層改良法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11152735A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006348481A (ja) * | 2005-06-13 | 2006-12-28 | Kajima Corp | 軟弱地盤の表層処理方法並びにそれに用いる表層処理材及び袋体 |
JP2007009543A (ja) * | 2005-06-30 | 2007-01-18 | Kajima Corp | 軟弱地盤の表層処理方法 |
JP2017048647A (ja) * | 2015-09-04 | 2017-03-09 | 公益財団法人鉄道総合技術研究所 | 補強土一体型プレキャスト格子枠工法 |
-
1997
- 1997-11-19 JP JP33637097A patent/JPH11152735A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006348481A (ja) * | 2005-06-13 | 2006-12-28 | Kajima Corp | 軟弱地盤の表層処理方法並びにそれに用いる表層処理材及び袋体 |
JP4584043B2 (ja) * | 2005-06-13 | 2010-11-17 | 鹿島建設株式会社 | 軟弱地盤の表層処理方法並びにそれに用いる表層処理材及び袋体 |
JP2007009543A (ja) * | 2005-06-30 | 2007-01-18 | Kajima Corp | 軟弱地盤の表層処理方法 |
JP4633560B2 (ja) * | 2005-06-30 | 2011-02-16 | 鹿島建設株式会社 | 軟弱地盤の表層処理方法 |
JP2017048647A (ja) * | 2015-09-04 | 2017-03-09 | 公益財団法人鉄道総合技術研究所 | 補強土一体型プレキャスト格子枠工法 |
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