JP2904386B2 - シンカー埋設方法およびシンカー - Google Patents

シンカー埋設方法およびシンカー

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JP2904386B2
JP2904386B2 JP5052951A JP5295193A JP2904386B2 JP 2904386 B2 JP2904386 B2 JP 2904386B2 JP 5052951 A JP5052951 A JP 5052951A JP 5295193 A JP5295193 A JP 5295193A JP 2904386 B2 JP2904386 B2 JP 2904386B2
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勝幸 萩村
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KOSUMO SEKYU KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原油タンカー等の船舶
を係留するための係留ブイ、フローティング式の灯台,
電波塔等の水上に浮設される構造物や、送油管,ケーブ
ル等の水中構造物を係留・係止するために用いるシンカ
ーの埋設方法および水上・水中構造物係留・係止用シン
カーに関する。
【0002】
【従来の技術】図は、タンカーから原油を陸上の貯蔵
設備に送油する際に用いるタンカー係留施設の概略説明
図である。同図において、タンカー01は係留ブイ02
に一点で係留(通常、同図のように、タンカー01のヘ
ッドがタンカー係留索Sを介して係留ブイ02に接続)
されており、この係留ブイ02からはフローティングホ
ースFHが海面に引き出されている。また、係留ブイ0
2の下部には、前記フローティングホースFHと連通で
きるブイ下ホース(同図では2本)UHが設けられ、こ
れらのホースUHはプレムPLMを介して海底配管MH
に接続されている。なお、図においては、ブイ下ホー
スUHを2本としているが、1本とする場合もある。ま
た、ブイ下ホースUHの経路中に、シンカーに係止され
た水中フロートを浮設し、これにホースUHを固定する
ことも行われている。
【0003】石油コンビナート等において、タンカーか
ら原油等を陸上の貯蔵設備に送油する際には、図に示
すフローティングホースFHの先端をタンカー01の送
油口(図には表れていない)に接続し、フローティング
ホースFH,係留ブイ02,ブイ下ホースUH,プレム
PLMおよび海底配管MHを介して貯蔵設備に原油等を
送出する。なお、通常、上記送油が行われている間に、
タンカー01はヘッドを係留ブイ02に向けたまま該ブ
イ02を中心に振れる。この振れに追随できるようにす
るため、フローティングホースFHは係留ブイ02の中
心を軸として水平に回転できるターンテーブル上の取付
け口に取り付けられている。
【0004】また、係留ブイ02の周囲には、複数の鎖
により構成されるブイ係止索(以下、「係留鎖」と言
う)Cが取り付けられている。これらの係留鎖Cの下端
は係留ブイ02を中心にして上方から見て放射状に延長
した海底に埋設したシンカー07に取り付けられてい
る。なお、係留鎖Cの長さは、係留施設の規模にもよる
が、数百メートルにも及ぶ場合もまれではない。上記シ
ンカー07に代えて、海底に打ち込まれた杭体または鋼
製アンカーを用いることもあるが、杭体の場合は打ち込
み工事が大掛かりになるため、また鋼製アンカーの場合
は把駐力値の変動が大きく信頼性が劣るため、通常は上
記のようなシンカー07が用いられることが多い。係留
鎖C下端には、複数のシンカーが取り付けられることも
あるし、同図に示すように一のシンカーのみが取り付け
られることもある。なお、係留ブイ02に設ける係留鎖
Cの本数、該係留鎖Cの下端に取り付けるシンカー07
の個数等の各種設計条件は、係留されるタンカーの規模
や海底土Eの土質などにより適宜決定される。
【0005】係留ブイ02に係留索Sを介して着標され
たタンカー01が、潮流や風により係留ブイ02から乖
離する方向に移動した場合、係留索Sは引張力を受け、
この引張力は係留ブイ02および係留鎖Cを介してシン
カー07に伝えられる。係留鎖Cは、その自重により海
中においてカテナリー曲線を描いており、上記引張力は
シンカー07に略水平に加えられることになる。シンカ
ー07は、上記引張力に応じた把駐力を生成して、係留
鎖C、係留ブイ02および係留索Sを介して上記タンカ
ー01の移動を阻止する。このようにして、係留中にタ
ンカー01が潮流、風等により流されても、該タンカー
01は係留ブイ02に係留されるので、送油作業を支障
なく行うことができる。
【0006】図(A),(B)および図は、シンカ
ー07を海底土E中に埋設するための従来方法を説明す
るための図である。この方法では、まず、同図(A)に
示すように、浚渫船03により海底土の浚渫を行う。こ
の浚渫は、例えば、海底土Eが砂質であるときはそのま
ま行われるし、岩質である場合には砕岩を行った後に行
われる。ついで、同図(B)に示すように、クレーン船
04を用いて、浚渫により形成した浚渫溝G内にシンカ
ー07を設置する。この後、9図に示すように、トレミ
ー船05,ガット船06等を用いてシンカー07が設置
された浚渫溝Gを砂利や砂で埋め戻す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
のシンカーの埋設方法では、浚渫や埋め戻しが必須であ
るため、局在的にではあるが海域が汚れる可能性があ
る。また、浚渫により生じた海底土を浚渫溝Gの埋め戻
しに用いない場合には、海底土を埋め立て地等に投棄す
ることになるが、投棄場所を確保することが困難な場合
も多い。さらに、浚渫による海底土を浚渫溝Gの埋め戻
しに使用する場合には、取り除いた海底土を一時的に置
いておく場所が必要となるし、この海底土で埋め戻しを
する際には、海域の汚れがなおさら増長される可能性も
生じる。
【0008】加えて、上記浚渫工事を伴う上記方法で
は、浚渫に多額の費用がかかる他、埋め戻し用の砂利等
の購入、海底土の投棄費用等に膨大となるといった不都
合がある。さらにまた、図(A),(B)および図
に示すシンカーの埋設方法では、通常、数十日の作業期
間を必要とするが、シンカー07の設置場所によって
は、海上交通の確保等の理由から上記作業期間が厳しく
制限される。このため、気象条件等によっては上記作業
期間内に浚渫からシンカー埋設完了に至るまでの一連の
作業をスケジュール通り行い得ない場合も生じ、過酷な
気象条件の下に無理な作業を余儀なくされると言った問
題も生じていた。
【0009】本発明は、水上・水中構造物の係留・係止
に用いるシンカーを、浚渫を行うことなく短期間で水底
土中に埋設する方法、および把駐力の強力なシンカーを
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のシンカー埋設方
法は、水上・水中構造物の係留・係止に使用するシンカ
ーの埋設方法において、前記シンカーの埋設の際に、当
該シンカーに電動型の振動体を載設し、当該振動体の振
動により当該シンカーの水底土中への没入を補助し、
記シンカーの埋設後に、前記振動体を回収することを特
徴とする。この方法では、シンカーを水底に配設し、つ
いで、シンカーに少なくとも一の付加荷重体を載置して
シンカーを水底土中に没入させ、この後、付加荷重体を
除去することができる。
【0011】本発明のシンカーは、水平把駐力を生成す
る、少なくとも1つの垂直プレートを下方に向けて有し
てなる水上・水中構造物係留・係止用シンカーであっ
て、前記垂直プレートの下端に、係留鎖が延設される側
に向けて爪状突起を設けたことを特徴とする。このシン
カーでは、上部または側部に付加荷重体が仮取付けされ
る手段を有することができる。さらに上部または側部
に付加荷重体が仮取付けされる手段を有していてもよ
い。
【0012】本発明のシンカー埋設方法は、港湾内にタ
ンカー用の一点係留ブイを浮設する際に用いられる他、
海上、河川、湖沼等の水上・水中に各種構造物、たとえ
ばフローティング式の灯台,電波塔や広告塔等を水上に
浮設する場合や、送油管,ケーブル等を水中に浮設する
際に用いられる。
【0013】また、本発明のシンカーは、上記埋設方法
の実施に好適に用いられる。これらのシンカーは、通
常は、製造上,経済上の理由から鉄筋コンクリートによ
り構成するが、鉄等の金属により構成することもできる
し、コンクリート製のシンカーの周囲(特に垂直方向を
構成する面)を金属板で構成する等、異なる素材を組み
合わせて構成することもできる。シンカーに付加荷重体
を載置する場合、該シンカーは該付加荷重体からの鉛直
下向きの外力に対して十分な強度を備える必要がある
が、シンカーを金属により構成した場合や、周囲を金属
板で構成した場合には、上記強度を格段にアップさせる
ことができる。また、上記垂直プレートは、平板状であ
ってもよいし、曲率を有する板状であってもよい。
【0014】
【作用】本発明のシンカー埋設方法では、振動体の振動
を利用して該シンカーの水底土中への確実な没入が実現
される。この振動体として、通常、防水電動式のものが
使用され、振動体はシンカー埋設後には回収される。
【0015】シンカーとして、例えば、全体または一部
が垂直プレートにより構成されたものであって、自重が
比較的大きいものが好適に使用される。また、下部に埋
入用突起を有してなるシンカーは、例えば下部が楔形状
に形成される。さらに、シンカーを2以上の構成要素、
例えば上部要素と下部要素に分断して埋設することもで
きる。このようなシンカーは底面積が小さく(すなわ
ち、没入圧(単位底面積当たりの重量)が大きい)、あ
るいは先端が尖っているので、水底が岩盤等の硬質土質
でない限り、水底土上に載置したのみで容易に水底土中
に没入される。
【0016】本発明のシンカー埋設方法では、シンカー
を付加荷重体の荷重により埋設することもできる。 この
場合には、上記形状のシンカーを使用できることは勿
論、自重により水底土中に没入しがたい形状をしていて
も、付加荷重体の重量を加算することで没入できるもの
であれば、いかなる形状のシンカーでも使用できる。シ
ンカーが沈下するかしないかは、シンカー直下の地盤支
持力による。すなわち、水底土面に、地盤の許容支持力
を越えるシンカー重量がかかれば、該シンカーは沈下す
ることになる。ここで、当然のことながら、地盤の許容
支持力は土質は言うに及ばず、シンカーの深度位置およ
び形状にも関係している数値である。すなわち、同じ重
量のシンカーでも形状が異なれば沈下量も変わることに
なり、地盤支持力とシンカー直下面圧が釣り合った状態
で沈下が止まり静止状態となる。この方法では、複数の
付加荷重体を載置することでシンカーを水底土中に没入
させ、この後、付加荷重体の全部または一部が取り除か
れる。なお、付加荷重体の全てを取り除かずにシンカー
に取り付けたままにしておく場合には、付加荷重体は、
もともとシンカーの一部を構成することとなる。この付
加荷重体とシンカーとは一体となって、前記した2以上
の構成要素から成るシンカーを構成する。
【0017】本発明のシンカー埋設方法では、浚渫を要
することなくシンカーを海底土中に埋設することができ
るが、浚渫を併用してもよいことは勿論である。この場
合、浚渫のみによりシンカーを埋設する場合と比較し
て、極めて小規模な浚渫で足りるので、海域の汚れ等の
可能性は著しく低減される。また、水底土質が岩盤であ
る場合等、比較的硬質の場合には、予め砕岩船等により
水底地盤を砕いておくこともできる。さらに、シンカー
を水底土中に没入させる際に、シンカーまたは付加荷重
体の上方から外力(打力や振動)を加えているのでシン
カーの没入を補助することができる。こうすることで、
本発明方法によるシンカーの埋設は、如何なる水底土質
条件の下においても行うことができる。
【0018】本発明のシンカー埋設方法およびシンカー
は、タンカー用の一点係留ブイの係止に使用するシンカ
ーの埋設にも利用でき、係留ブイ、フローティングホー
ス等の油送管設備、係留鎖等は、従来から係留施設に用
いられている設備を使用することができる。本発明のシ
ンカー埋設方法およびシンカーは、係留ブイを新設する
場合の他、既設の係留ブイに、新たなシンカーを追加す
る場合や、今まで使用していたシンカーの一部または全
部を放棄し新たにシンカーを設置する場合においても使
用される。
【0019】水平把駐力を生成する垂直プレートを下方
に向けて有している本発明のシンカーでは、該垂直プレ
ートは1枚であってもよいし、複数であってもよい。例
えば、水平断面がH字形,T字形,十字形,王字形,#
形等となるように、複数のプレートを組み合わてシンカ
ーを構成することもできる。これらのシンカーは、通
常、鉄筋が組まれたH字形,T字形等の型枠にコンクリ
ートを打設することで製造するが、例えば、シンカーが
比較的軽量である場合には、各プレート部分を別個に構
成した後これらを連結することで構成することもでき
る。
【0020】シンカーの上部または側部に付加荷重体仮
取付け手段が設けられたシンカーを使用する場合、通
常、上記仮取付けを担保する手段が設けられる。例え
ば、シンカーの上部に凹部または凸部を設ける一方、付
加荷重体の下部に該凹部または凸部に着脱自在に嵌合で
きる凸部または凹部を設け、上記仮取付けを実現するこ
ともできる。また、例えば、シンカーの少なくとも1か
所(通常、複数か所)にワイヤー取付けリングを、付加
荷重体にガイド用ワイヤーを通すためのワイヤー連通穴
をそれぞれ設け、付加荷重体をシンカーに載置する場合
には該ワイヤーを上方に引張することで付加荷重体をシ
ンカーに仮取付けすることができる。
【0021】なお、付加荷重体としてシンカーと同一構
造のものを用いてあるシンカーを埋設し、このときに用
いた付加荷重体を、次のシンカー埋設の際にシンカーと
して使用することもできる。これにより、例えば、一度
付加荷重体として用いたシンカーを効率良くシンカー埋
設地点に運ぶことができる等、作業能率の向上が図られ
る。
【0022】
【実施例】図1(A),(B)は、本発明のシンカーの
第1の実施例および該シンカーに載置可能な付加荷重体
の一例を示す説明図である。同図において、図1(A)
に示すシンカー1は鉄筋コンクリートから成り、水平断
面がH字形となるように構成されている。また、H字形
の対向する垂直プレート2,2の一方の外側中心部には
係留鎖取付けリング3が設けられ、各プレートの下部に
は爪状突起Nが設けられている。
【0023】シンカー1は、係留鎖Cが引張力fを受け
た場合に、該fに対する抗力(把駐力)f′を生成す
る。図1(A)のシンカー1では、上記プレート2,2
が主に水平把駐力を生成する垂直プレートの役割をなし
ている。f′の水平成分(水平把駐力)の大部分は、プ
レート2,2の係留鎖C側の側面Sにより形成される抗
力であるが、シンカー1の自重により底部に生ずる水平
方向のfに対する反作用力およびシンカー1の表面に生
じるいわゆる土質等との間の粘着力等も上記f′に寄与
している。また、本発明のシンカーでは同図(A)に示
すように、プレート2,2の、係留鎖Cが取り付けられ
る側の下端に爪状突起Nを設けてあるので、上記把駐強
度をより一層高めることができる。また、上記シンカー
1は、全体を垂直なプレートにより構成してあるので、
水底に設置した際に、自重により、あるいは後述する付
加荷重体の荷重により、容易に水底土中に没入すること
ができる。
【0024】シンカー1の上方側の先端四隅には、ワイ
ヤー取付けリング(付加荷重体仮取付け手段としての役
割をなす)4が設けられている。このワイヤー取付けリ
ングは、後述する付加荷重体41に設けられるワイヤー
連通穴42に通されたワイヤー43の先端が取り付けら
れる。なお、同図に示すように、シンカー1を所望場所
へ移動したり、水底へ沈める際などに使用する玉掛けリ
ング5を適宜箇所(同図ではプレート2,2の各上端面
中央)に設けることもできる。
【0025】図1(B)は、同図(A)のシンカー1に
載置して用いる付加荷重体41を示しており、同図の付
加荷重体41には上面の四隅から底面に向けて、前述の
ワイヤー連通穴42が設けられている。前述したよう
に、この連通穴42にはワイヤー43が通され、該ワイ
ヤー43はシンカー1のワイヤー取付け部4に取り付け
られる。また、付加荷重体41の上面には、シンカー1
と同様、玉掛けリング44が設けられている。また、付
加荷重体41の、シンカー1のワイヤー取付けリング4
および玉掛けリング5に対応する部位には、該付加荷重
体41のシンカー1への載置を阻害しないように欠落部
45,46が設けられている。なお、付加荷重体は、シ
ンカーと同様、通常は製造の容易性,経済性等を考慮し
て、鉄筋コンクリートにより製造されるが、金属等、他
の材料により製造することができる。参考のため、シン
カー1および付加荷重体41の具体的設計例を表1に示
す。
【0026】
【表1】
【0027】なお、シンカーや付加荷重体の重量や大き
さ、形状は、係留・係止施設の規模および水底土の地質
等により一概に定められるものではないことは勿論であ
り、例えばシンカーは、付加荷重体の荷重により潰壊し
ない限度で設計可能なものが使用できる。
【0028】図2(A),(B)は、本発明のシンカー
の第2の実施例および該シンカーに載置可能な付加荷重
体の一例を示す説明図である。同図(A)のシンカー2
1の底部には埋入突起が形成(長手軸に対し垂直な断面
が楔形状となるように形成)されており、シンカー21
は、自重または付加荷重体の荷重により容易に水底土中
に埋没できる。また、シンカー21の長手方向の一端部
には、中心付近に係留鎖取り付けリング3が設けられた
垂直プレート22が形成されている。該プレート22
は、図1(A)において説明したと同様な水平把駐力の
大部分を生成することができる。なお、同図の垂直プレ
ート22の下部には、図1(A)のシンカーと同様の爪
状突起Nが形成されており、水平把駐力を一層強力なも
のにしている。さらに、同図では、シンカー21の上面
には、後述する付加荷重体51の下部に形成した凸部5
2が遊嵌できる凹部(付加荷重体仮取付け手段としての
役割をなす)23が形成され、また、図1(A)のシン
カー1と同様、上部に玉掛けリング5が取り付けられて
いる。
【0029】図2(B)は同図(A)のシンカー21に
用いることができる付加荷重体51を示している。該荷
重体51の下面には、前述したように凸部52が設けら
れている。この凸部52は、前記シンカー21上面に形
成した凹部23と水平方向にある程度の遊びを持って嵌
合できる形状とされる。また、付加荷重体51の上面部
には、図1(B)の付加荷重体41と同様、玉掛けリン
グ53が取り付けられており、さらに必要に応じて付加
荷重体を載置できるように、シンカー21上部の凹部2
3と同一形状の凹部54が形成されている。なお、凹部
54は、付加荷重体同士を積み重ねて使用しない場合に
は必ずしも設ける必要はない。
【0030】図(A)〜(D)は、図1(A)に示し
たシンカー1の埋設工程を示す図である。水底土質が軟
弱であり、シンカー1が自重のみで水底土中に没入する
場合には、付加荷重体(この場合には図1(B)の付加
荷重体41)の載置は不要となる。一方、特に、水底土
質が硬質である場合には、予め浚渫工事を行っておいて
もよい。浚渫を行う場合であっても、従来行われていた
ような大規模な工事は必要とはされないので、周辺水域
の汚れ等が生ずるおそれは殆ど生じない。
【0031】以下、水底土質が軟弱ではないが、浚渫を
行うほどには硬質でない場合におけるシンカー埋設方法
を図1(A),(B)を参照しながら具体的説明する。
(A)に示すように、まず、図示しないクレーン船
等により所望位置にシンカー1を沈める。シンカー1
は、垂直プレートにより構成されているので、その一部
が水底土Eに没入する。つぎに、図1(B)に示した付
加荷重体41を玉掛けリング44に釣下げ用のワイヤー
を取り付け、クレーン船等により徐々に下げ、図
(B)に示すように、シンカー1に載置する。この載置
いおいては、付加荷重体41のワイヤー連通穴42に通
されたワイヤー43をシンカー1のワイヤー取付けリン
グ4に取り付け、該ワイヤーを引張しつつ付加荷重体4
1を徐々に沈めて、シンカー1に載置する。載置の過程
においては、ワイヤー43およびワイヤー連通穴42は
付加荷重体41をシンカー1上の適宜部位にガイドする
役割をもなしている。また、上記載置後において、ワイ
ヤー43およびワイヤー連通穴42は、シンカー1のワ
イヤー取付けリング4とともに、付加荷重体41をシン
カー1に仮取付けする役割をもなしている。このように
して、シンカー1は、自重および付加荷重体41の荷重
により、水底土E中に更に埋没することになる。
【0032】図(C)では、付加荷重体41がさらに
シンカー1に載置された様子を示している。新たな付加
荷重体41の載置は、同図(B)に示した場合と同様で
あり、シンカー1には、追加された付加荷重体41の荷
重が加算され、より深く水底土E中に埋没することにな
る。この後、図(D)に示すように、付加荷重体41
を除去する。この付加荷重体41の除去により、シンカ
ー1上には窪みが形成される。この窪みは砂や砂利によ
り埋め戻してもよいが、そのまま放置しておいても、該
窪みは潮流等により自然に埋め戻される。したがって、
必ずしも上記砂等による埋め戻しの必要はない。
【0033】図は、上記方法を用いて、図に示した
係留施設における係留ブイ係止用のシンカーを埋設した
場合を示す、シンカー付近の拡大図である。同図では、
図1(A)に示したシンカー1を用いており、該シンカ
ー1に接続された係留鎖Cは同図には表れされていない
が、図に示したと同様係留ブイ02に接続されてい
る。
【0034】タンカーが潮流や風により係留ブイから乖
離する方向に移動し、図の係留索Sに引張力を与えた
場合、同図において説明したと同様、該引張力は係留鎖
Cを介してシンカー1に伝達される。この係留鎖Cは、
カテナリー曲線を描いて係留ブイとシンカー1とを接続
しているので、シンカー1は略水平方向に力を受けるこ
とになる。このとき、特に、H字形状をしたシンカーの
平行な2プレート2,2により強力な水平把駐力が生成
され、タンカーは係留ブイに支障なく係留される。な
お、係留ブイから引き出されたブイ下ホースの固定に用
いる水中フロートが設けられている場合、該フロートを
係止するために、例えば、図1(A),図2(A)
各種のシンカーが使用できる。
【0035】図は、シンカーに電動型の振動体を取り
付けて、該シンカーを埋設する本発明方法の実施例を示
している。同図で用いるシンカー9の中央には振動体1
0を取り付けるための穴が設けられており、該穴の内側
面にはキー溝91(同図では、4つ)が設けられてい
る。また、シンカー9の上部には玉掛けリング5が設け
られている。振動体10の側面には、シンカー9のキー
溝91に嵌合するキー突起91が形成されており、振動
体10の上部には玉掛けリング101が設けられると共
に、電源ケーブル102が引き出されている。
【0036】シンカー9は、通常、振動体10が取り付
けられた状態でクレーン船等により所望位置に沈められ
る。このとき、シンカー9は、自重および振動体10の
重量によりある程度水底土中に没入する。この後、振動
体10を動作させることで、シンカー9の没入が促進さ
れる。上記振動体10は、シンカー9が水底土中に充分
に埋没された後、クレーン等により引き上げられる。こ
の場合にも、大規模な工事はを施す必要とされないの
で、周辺水域が汚されることはない。また、この振動体
10を用いた場合には、水底が砂地等の比較的柔らかい
地盤である場合はもちろん、硬い岩盤である場合であっ
ても確実にシンカー9を水底に埋没させることができ
る。
【0037】
【発明の効果】本発明は、上記のように構成したので、
以下の効果を奏することができる。 (1)浚渫工事を必要としないので、シンカー埋設作業
により水域が汚れる可能性がなく、また浚渫およびこれ
に付随する作業(浚渫溝の埋め戻し等)に要するコスト
を節約できる。また、前記シンカーの埋設の際に、当該
シンカーに電動型の振動体を載設し、当該振動体の振動
により当該シンカーの水底土中への没入を補助している
ので、極めて短期間でシンカーの埋設ができ余裕のあ
る工期の設定が可能となった。すなわち、具体的には種
々のケースがあるが、浚渫およびこれに付随する作業を
不要とすることにより、数億円以上のコストを節約でき
ることも稀ではなく、また工期も浚渫等による場合と比
較して半分程度に短縮することができる。 (2)シンカーに、爪状突起を下部に持つ垂直プレート
部を設けたので、水平把駐力を大きくとることができ
る。したがって、強固な力で係留ブイ,フローティング
式の灯台や電波塔等の水上・水上構造物を係留・係止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明のシンカーの第1実施例を示す
説明図であり、(B)は該シンカーに用いる付加荷重体
の一例を示す説明図である。
【図2】(A)は本発明のシンカーの第2実施例を示す
説明図であり、(B)は該シンカーに用いる付加荷重体
の一例を示す説明図である。
【図3】図1(A)に示したシンカーの埋設工程を示す
図である。
【図4】図1(A)に示したシンカーを一点係留ブイに
適用した場合の、シンカー付近の拡大図である。
【図5】シンカーに振動体を取り付けた場合の本発明方
法の実施例を示す図である。
【図6】タンカーの一点係留施設の概略を示す説明図で
ある。
【図7】シンカーを海底土中に埋設するための従来方法
を図とともに説明するための図である。
【図8】シンカーを海底土中に埋設するための従来方法
を図とともに説明するための図である。
【符号の説明】1,21 シンカー2,22 垂直プレート 3 係留鎖取付けリング4,23 付加荷重体仮取付け手段 5,34 玉掛け41,51 付加荷重体
フロントページの続き (72)発明者 大下 隆晴 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番 1号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (56)参考文献 特開 昭53−89191(JP,A) 特公 昭55−34029(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B63B 21/22 B63B 21/26

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水上・水中構造物の係留・係止に使用す
    るシンカーの埋設方法において、前記シンカーの埋設の際に、当該シンカーに電動型の振
    動体を載設し、当該振動体の振動により当該シンカーの
    水底土中への没入を補助し、 前記シンカーの埋設後に、前記振動体を回収する、 ことを特徴とするシンカー埋設方法。
  2. 【請求項2】 水平把駐力を生成する、少なくとも1つ
    の垂直プレートを下方に向けて有してなる水上・水中構
    造物係留・係止用シンカーであって、前記垂直プレートの下端に、係留鎖が延設される側に向
    けて爪状突起を設けたことを特徴とするシンカー。
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