JP4551985B2 - 岸壁構造体及びその形成方法 - Google Patents

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本発明は、大型船舶が係留することができるようにするため、或は改修時等に形成される岸壁構造体及びその形成方法に関するものである。
一般に港湾内の水域は、船舶が安全に航行あるいは停泊することができるように一定以上の水深を有している。また、港湾内の船舶の係留施設(係船施設)である岸壁におけるその近傍の海底も、コンテナ等の積卸しや船客の乗降の際に船舶を横付けすることができるようにするために一定以上の水深を有するようになっている。
一方、近年の輸送量の増加に伴なって、船舶は大型化してきている。船舶は大型化するとその喫水線の下側に沈み込む部分も深くなるため、大型船舶が航行あるいは停泊する際に、既存の岸壁によってはその近傍の海底の水深が足りないという状況が生じていた。
このような場合に従来は、大型船舶が安全に航行あるいは停泊することができるようにするために、港湾内の障害物の撤去や沈殿土砂の浚渫や掘削を行なうことにより水深を深くする他に、以下のような工事が行われていた。
まず、図10に示すように、ケーソン4(ブロックや矢板等でも可)を用いて形成された既存の岸壁構造体2(既存岸壁構造体)から海の沖側に、例えば数10mないし数100m程度先の、水深が深くなる位置迄埋立土7により埋立てを行い、その先端部に新たな岸壁構造体8を構築することにより、その岸壁構造体8に大型船舶が係留することができるようにしていた(非特許文献1参照)。
図10において、符号5はケーソン4,14の裏側に補強用に埋設される裏込め石、符号6はケーソン4,14の下に設けられてそれらを支持する基礎捨石、符号14は、新たな岸壁構造体8に用いられるケーソン(ブロックや矢板等でも可)を示している。
一方、図11に示すように、ケーソン4(ブロックや矢板等でも可)を用いて形成された既存の岸壁構造体2から沖側に、例えば5mないし30m程度の位置、すなわちその位置を浚渫しても既存の岸壁構造体2の安定性が損なわれて崩れることがないように、岸壁構造体2から十分離れた位置までその先端が延びる桟橋12を構築し、その桟橋12の先端近傍の海底を浚渫することにより、桟橋12の先端に大型船舶が係留することができるようにしていた(非特許文献2参照)。
「港湾計画研究会編 港湾計画書作成マニュアル」(第94頁参照)、社団法人日本港湾協会、平成9年発行 「港湾技研資料 No.781」(改良・更新事例25,37参照)、運輸省港湾技術研究所、1994年9月発行
しかしながら、図10に示すような、既存の岸壁構造体2から数10mないし数100m程度離れた沖側の位置に、その先端近傍の海底の水深が深くなるような岸壁構造体8を新たに形成する場合には、港湾の陸地や海の形態が大幅に変更される程大規模な埋立て工事が必要となるので、莫大な工費と長期の工事期間が必要となるだけでなく、埋立てによる環境破壊のおそれもあるという問題があった。
また、図11に示すような、鉄筋コンクリート床板11が鋼管杭10に支持される桟橋12を延ばして設置する場合には、桟橋12は鋼管杭10と鉄筋コンクリート床板11による構造物であるため、施工が複雑となって工事費が高くつくという問題があった。
また、港湾内の海底土砂を浚渫又は掘削した場合には大量の土砂が発生するが、これらのうちの一部は何等かの有益な用途に利用(有効利用)されるとしても、有効利用することができない残りの土砂は、用地や処理場を確保して処分しなければならないのでそのための費用が必要となるという問題があった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みて、工事費用を安くすることができ、工事期間を短縮することができると共に、環境破壊を防止することができ、さらに、港湾内の海底土砂を浚渫又は掘削したときに発生する土砂を有効利用することができる岸壁構造体及びその形成方法を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために、本発明による岸壁構造体は、
海岸線近傍の海域を海岸線と共に囲んだ施工領域の海岸線以外の周縁部に設けられて前記施工領域の内外の海水間を海面から海底にわたって隔離する抗土圧構造体と、
前記施工領域に下方から上方に所定高さずつ順次堆積される、含水比が液性限界を超えるような軟弱な浚渫土砂又は含水比が液性限界を超えるような軟弱な掘削土砂に固化材を混合して生成・固化した固化処理土と、
前記固化処理土中に所定高さずつ間隔をおいてほぼ水平方向に平面状に配置される複数の面状補強材とを備え、
前記複数の面状補強材の全部又は一部の各端部が沖側の前記抗土圧構造体に連結されることを特徴とするものである。
また、本発明による岸壁構造体は、
既設岸壁構造体の近傍の海域を既設岸壁構造体と共に囲んだ施工領域の既設岸壁構造体以外の周縁部に設けられて前記施工領域の内外の海水間を海面から海底にわたって隔離する抗土圧構造体と、
前記施工領域に下方から上方に所定高さずつ順次堆積される、含水比が液性限界を超えるような軟弱な浚渫土砂又は含水比が液性限界を超えるような軟弱な掘削土砂に固化材を混合して生成・固化した固化処理土と、
前記固化処理土中に所定高さずつ間隔をおいてほぼ水平方向に平面状に配置される複数の面状補強材とを備え、
前記複数の面状補強材の全部又は一部の各端部が沖側の前記抗土圧構造体または前記既設岸壁構造体のいずれか一方に一律に連結されることを特徴とするものである。
また、本発明による岸壁構造体は、
既設岸壁構造体の近傍の海域を既設岸壁構造体と共に囲んだ施工領域の既設岸壁構造体以外の周縁部に設けられて前記施工領域の内外の海水間を海面から海底にわたって隔離する抗土圧構造体と、
前記施工領域に下方から上方に所定高さずつ順次堆積される固化処理土と、
前記固化処理土中に所定高さずつ間隔をおいてほぼ水平方向に平面状に配置される複数の面状補強材とを備え、
前記複数の面状補強材の全部又は一部の各端部が沖側の前記抗土圧構造体及び前記既設岸壁構造体のいずれか一方に深さに応じて交互に連結されるようにしたことを特徴とするものである。
また前記抗土圧構造体は、鋼矢板、鋼管矢板又はコンクリート製矢板、所定の構造体等により構成させることができる。
また前記固化処理土は、浚渫土砂又は掘削土砂に、セメント、石灰、酸化マグネシウム、或いは石こう等の固化材を混合して、固化する前は粘性を有し、海中でも時間の経過と共に固化することができる。
また前記面状補強材は、可撓性を有し、網目を有する平面状又は網目を有しないシート状に形成させることができる。
また、本発明による岸壁構造体の形成方法は、
海岸線近傍の海域を海岸線と共に囲んだ施工領域の海岸線以外の周縁部に前記施工領域の内外の海水間を海面から海底にわたって隔離する抗土圧構造体を設ける工程の後に、
前記施工領域に含水比が液性限界を超えるような軟弱な浚渫土砂又は含水比が液性限界を超えるような軟弱な掘削土砂に固化材を混合して生成・固化した固化処理土を下方から上方に所定高さずつ順次堆積させる工程と、
前記堆積させた固化処理土の上に配置した面状補強材の全部又は一部の各端部を沖側の前記抗土圧構造体に連結する工程とを交互に繰り返して形成することを特徴とするものである。
また、本発明による岸壁構造体の形成方法は、
既設岸壁構造体の近傍の海面を既設岸壁構造体と共に囲んだ施工領域の既設岸壁構造体以外の周縁部に前記施工領域の内外の海水間を海面から海底にわたって隔離する抗土圧構造体を設ける工程の後に、
前記施工領域に含水比が液性限界を超えるような軟弱な浚渫土砂又は含水比が液性限界を超えるような軟弱な掘削土砂に固化材を混合して生成・固化した固化処理土を下方から上方に所定高さずつ順次堆積させる工程と、
前記堆積させた固化処理土の上に配置した面状補強材の全部又は一部の各端部を沖側の前記抗土圧構造体または前記既設岸壁構造体に一律に連結する工程とを交互に繰り返して形成することを特徴とするものである。
また、本発明による岸壁構造体の形成方法は、
既設岸壁構造体の近傍の海面を既設岸壁構造体と共に囲んだ施工領域の既設岸壁構造体以外の周縁部に前記施工領域の内外の海水間を海面から海底にわたって隔離する抗土圧構造体を設ける工程の後に、
前記施工領域に下方から上方に所定高さずつ順次固化処理土を堆積させる工程と、
前記堆積させた固化処理土の上に配置した面状補強材の全部又は一部の各端部を沖側の前記抗土圧構造体及び前記既設岸壁構造体のいずれか一方に交互に連結する工程とを交互に繰り返して形成することを特徴とするものである。
このような本発明による岸壁構造体及びその形成方法によれば、抗土圧構造体と比較的低強度の固化処理土が靱性に優れた複数の面状補強材を介して一体化し、ねばり強い強度を発揮することができるようになっているため、十分な構造安定性を有すると共に、工事費用を安くすることができ、工事期間を短縮することができ、環境破壊を防止することができ、さらに、港湾内の海底土砂を浚渫又は掘削したときに発生する土砂を有効利用することができるような、岸壁構造体を形成することができる。
以下に、本発明に係る岸壁構造体及びその形成方法の実施の形態について、図面に基づいて具体的に説明する。
図1ないし図4は、本発明の第1の実施の形態に係る岸壁構造体20及びその形成方法について説明するために参照する図である。
図1は、既存の岸壁構造体2(既設岸壁構造体に相当)に対して沖側に形成した、本実施の形態に係る岸壁構造体20を示す断面図である。
本実施の形態に係る岸壁構造体20は、施工領域E(図4参照)の周縁部a,b,cや境界部d,e,fに設けられ、施工領域Eの内外の海域間を、或いは互に隣合う海域間を、海面から海底にわたって隔離する抗土圧構造体24を備えると共に、上記施工領域Eに下方から上方に所定高さずつ堆積される固化処理土26と、固化処理土26中に所定高さの間隔をおいてほぼ水平方向に平面状に配置される複数の面状補強材28とを備えている。
特に施工領域Eの沖側の周縁部bに設けられる抗土圧構造体24としては、下端部が海底に打設されて、その上端部が海面から上方に突出するようにした鋼矢板が用いられる。上記固化処理土26中に配置される複数の面状補強材28は、その各端部28aが上記沖側の抗土圧構造体24の鋼矢板に連結されるようになっている。
本実施の形態に係る岸壁構造体20の、上記沖側の抗土圧構造体24に用いられる鋼矢板は、既存の岸壁構造体2がその安定性が損なわれて崩れないようにするため、既存の岸壁構造体2から10〜20m程度離れた沖側の海底に打設されるのが望ましい。
岸壁構造体20の形成後には、沖側の抗土圧構造体24近傍の海底22を浚渫又は掘削して、その深さを増加することにより新たな海底32を形成して、大型船舶の係留施設としての機能を有する新たな岸壁構造体20を完成させることができるようになっている。
なお、本実施の形態においては抗土圧構造体24に鋼矢板を用いているが、他の実施の形態として、水深が深いような場合には鋼管矢板を用いるようにしてもよく、または、コンクリート製の矢板等の他の矢板を用いるようにしてもよく、或いは矢板以外の構造体を設置するようにしてもよい。
図1の岸壁構造体20の固化処理土26は、海底を浚渫又は掘削した含水比が液性限界を超えるような軟弱な浚渫土砂又は掘削土砂に、セメント、石灰、酸化マグネシウム、或いは石こう等の固化材を混合して生成する。この生成された固化処理土26は海中でも固化することができ、固化することにより一軸圧縮強さで100〜400kN/m程度まで強度を向上させることができる。
なお、後述する固化処理土26の堆積の作業を行ない易くするために、流動化剤、凝集剤、高分子ポリマーのような分離防止剤などの混和剤や添加剤を必要に応じて混合することにより、固化する前は流動性を有するように流動化処理したものであってもよい。
このような固化処理土26に用いる浚渫土砂又は掘削土砂としては、本実施の形態に係る岸壁構造体20を形成する前、またはその形成と同時期に、港湾内の海底を浚渫又は掘削した際に生じた浚渫土砂、又は掘削土砂を用いることができる。
面状補強材28は、固化処理土26中に含まれるセメント等のアルカリ成分に対して耐蝕性が良く、可撓性(柔軟性)のあるポリエチレン材が用いられており、図2に示すように網目を有する平面状に形成されているため、固化処理土26中に埋設されたときに、固化処理土26が上記網目を通って互いに連結するので、面状補強材28もこの固化処理土26と構造上一体的に連結する。
図2に示すように、面状補強材28はその長さ方向の端部28aが、棒部材34と連結部材36を介して抗土圧構造体24の鋼矢板に連結されている。すなわち、面状補強材28はその端部28aが、この面状補強材28の長さ方向と垂直方向に伸びる棒部材34に巻き付けられて連結部材36に固定されている。
この棒部材34は、その長さが面状補強材28の幅よりも若干長くなっており、面状補強材28の端部28aは、この棒部材34の両端部34a,34bを除く、これらの間の中間部分34cに巻き付けられて固定されている。
連結部材36は、角棒部材をほぼ「コ」の字型に曲げたような形状を有しており、この「コ」の字の横線に相当する部分はその長さが棒部材34の径とほぼ同じであって、「コ」の字の縦線に相当する部分の長さは、例えば棒部材の径の2倍位と、十分に長くなっている。
そしてこの連結部材36は、その形状の「コ」の字の縦線に相当する部分が抗土圧構造体24の長さ方向と平行となるように、「コ」の字の上側と下側の両方の横線の先端が溶接等により上記鋼矢板の陸側に向く面に固定されている。また、面状補強材28の端部28aがその中間部分34cに固定された棒部材34の両端部34a,34bは、上記鋼矢板と「コ」の字状の連結部材36との間の長方形の空間を上下方向(長方形の長さ方向)に移動することができるように係合されている。
堆積させた固化処理土26が固化した後は、棒部材34は抗土圧構造体24と連結部材36との間の空間を上下方向に移動することはなく、また、抗土圧構造体24と連結部材36の形状の「コ」の字の縦線に相当する部分との間隔はこの棒部材34の径とほぼ同じであるため、抗土圧構造体24と面状補強材28との間に、面状補強材28の長さ方向の力が有効に伝達されるようになっている。
したがって、岸壁構造体20に波力や地震等による水平方向の外力が作用した場合でも、固化処理土26に挟まれて一体化された面状補強材28の水平方向の張力が抗土圧構造体24に作用するので、抗土圧構造体24が変形等を生じて固化処理土26から容易に剥離することを防止することができるため、抗土圧構造体24と固化処理土26が面状補強材28を介して一体化し、強い安定した強度を発揮することができるようになっている。
次に、本実施の形態に係る岸壁構造体20の形成方法について説明する。
まず、図4に示すように、既存の岸壁構造体2の近傍の海面S(海域)に、その岸壁構造体2を一辺とする、矩形状に囲まれた施工領域Eを設定する。なお施工領域Eの長さは50〜100m程度に設定され、その幅は10〜20m程度に設定されるが、これに限定されないことはいうまでもない。
このように設定された施工領域Eの、岸壁構造体2以外の周縁部a,b,c、及び施工領域E内の境界部d,e,fに、施工領域Eの内外の、或いは互に隣合う海域間を海面から海底にわたって隔離する抗土圧構造体24を設ける。特に沖側の抗土圧構造体24には、図3に示すように、予め連結部材36が溶接等により高さ方向に所定の間隔で固定されている鋼矢板を用い、連結部材36が固定されている面が陸側に向くように海底22に打設する。
ここで、上記鋼矢板の高さ方向に互いに隣り合う連結部材36の所定の間隔は、堆積される固化処理土26の所定高さと同じ間隔にし、最も深い海底22に配置する面状補強材28との連結に用いる連結部材36は、その鋼矢板を打設したときにおいて海底22の位置とほぼ一致するような上下方向の位置にくるようにする。
また、抗土圧構造体24の鋼矢板は、岸壁構造体2の安定性が損なわれて崩れることがないようにするため、既存の岸壁構造体2から10〜20m程度離れた沖側の海底22に打設するようにする。岸壁構造体2からそれより近い位置の海底22に鋼矢板を打設すると、岸壁構造体2がその周辺の地盤に対して円弧方向に滑りを生じて、岸壁構造体2が滑り破壊を起こすおそれがあるからである。
次に、予め棒部材34にその端部28aを巻付けて固定した面状補強材28を施工領域Eの海底22上に広げて配置すると共に、その棒部材34の両端部34a,34bのそれぞれを、上記鋼矢板に設けられた、対応する連結部材36に係合させる。
そして、この次に配置する面状補強材28の深さまで、施工領域Eに固化処理土26を堆積させて、この固化処理土26の下の、海底22上の面状補強材28を埋設する。固化処理土26の堆積方法は、供給用パイプを用いてポンプ又は空気により圧送する等の注入方法や、ベルトコンベヤ又はバケット等を用いた投入方法により行なうことができる。
所定の高さまで固化処理土26を堆積した後は、海底22上に面状補強材28を配置したときと同様に、棒部材34にその端部28aを固定した面状補強材28を固化処理土26の上面の上に配置すると共に、棒部材34の両端部34a,34bのそれぞれを、前記鋼矢板に設けられた、対応する連結部材36に係合させる。
ここで、面状補強材28は可撓性(柔軟性)を有しているので、固化処理土26の上面に多少のうねりがあっても、それに沿って密着して配置させることができる。
また、面状補強材28の端部28aが固定された棒部材34の両端部34a,34bのそれぞれは、抗土圧構造体24の鋼矢板と連結部材36の「コ」の字形状との間に形成される、長方形の空間を上下方向に移動することができるように係合しているので、固化処理土26の堆積高さが所定値から多少変化しても、このことが面状補強材28を前記鋼矢板に連結する際に支障となることはない。
このような作業を、図1に示すように、面状補強材28が複数の層状に埋設されて、固化処理土26の最上面が海面Sより高くなるまで繰り返し行なうことにより、岸壁構造体20を形成することができる。
そして、固化処理土26が固化してその強度が十分に発揮されるようになるまで養生させた後、抗土圧構造体24の沖側近傍の海底22を掘削し、その深さを増加することにより新たな海底32を形成することにより、岸壁構造体20は大型船舶の係留施設としての機能を有することができる。
このような本発明の第1の実施の形態に係る岸壁構造体20及びその形成方法によれば、抗土圧構造体24と固化処理土26が面状補強材28を介して一体化し、強い安定した強度を発揮することができるようになっているので、大型船舶の係留施設としての機能を維持することができるための十分な強度を有する岸壁構造体20を形成することができる。
また、このような岸壁構造体20は、図10に示す従来の岸壁構造体8のように大規模な埋立て工事を必要としないため、その従来の岸壁構造体8よりも安い費用で、かつ短かい工事期間で形成することができると共に、環境破壊をも防止することができる。
またこのような岸壁構造体20によれば、図11に示す従来の複雑な構成でかつ高価な桟橋12が不要となると共に、その従来の桟橋12よりも安い費用で、かつ短かい工事期間で形成することができる。
また、港湾内の海底を浚渫又は掘削したことにより発生した土砂を大量に利用することができるので、有効利用できずに費用をかけて処分しなければならない浚渫又は掘削した土砂の量を減らすことができる。
さらに本実施の形態のような、固化処理土26により補強した岸壁構造体20のメリットとしては、以下のようなことが挙げられる。
(a) 構造が単純であり、経済的にも有利となる。
(b) 固化処理土は、せん断度が大きく軽量なため、鋼矢板(または鋼管矢板)に作用する土圧を低減できる。
(c) 固化処理土は、工事完了後バックホウにより掘削し構造物を埋設したり、くいを打設することも可能である。
(d) 固化処理土は、粘着力が大きいため、液状化対策が不要である。
(e) 面状補強材を固化処理土中に入れることで複合材としての性能を発揮し、曲げやせん断に対する抵抗性が増加すると共に、ひび割れの発生・拡大も抑制できる。
(f) 鋼矢板(または鋼管矢板)に連結された面状補強材は、その引張強度により鋼矢鉄に作用する土圧等の水平力を低減することができる。
(g) 岸壁構造全体の重量を低減できるため、地震時の慣性力も低減され、さらに、比較的柔軟な補強材や鋼矢鉄を用いることにより地震時のエネルギーを吸収する構造なので耐震性能が向上する。
次に、図5及び図6に基づいて、本発明の第2の実施の形態に係る岸壁構造体50及びその形成方法について説明する。
図5に示す岸壁構造体50は、前記第1の実施の形態に係る岸壁構造体20と同様の部分には同じ符号を付して説明し、同様の構成又は形成方法についての重複する説明は省略するものとする。
本実施の形態に係る岸壁構造体50は、各層の面状補強部材28の各端部28aが、固化処理土26の深さに応じて交互に、沖側の抗土圧構造体24または既存の岸壁構造体2のケーソン4のいずれか一方に連結されるようになっている。抗土圧構造体24またはケーソン4のいずれか一方と、面状補強材28の端部28aとの連結は、前記第1の実施の形態に係る岸壁構造体20と同様に、棒部材34及び連結部材36を介した方法を用いることができる。
このような実施の形態により、岸壁構造体50に波力や地震等による水平方向の外力が作用した場合には、前記第1の実施の形態と同様に、固化処理土26に挟まれて一体化された面状補強部材28を介して、沖側の抗土圧構造体24が変形により固化処理土26から剥離することを防止することができるだけでなく、固化処理土26と既存の岸壁構造体2が分離することをも防止することができるため、新たに形成した本実施の形態に係る岸壁構造体50と既存の岸壁構造体2を一体化させて、強い安定した強度を発揮することができるようになっている。
次に、本実施の形態に係る岸壁構造体50を形成する方法について説明する。
まず、岸壁構造体50は、面状補強部材28の端部28aが1層おきに既存の岸壁構造体2のケーソン4に連結されるようになっているが、岸壁構造体2のケーソン4は岸壁構造体50の形成前において既に海中に存在するため、抗土圧構造体24のように打設するために海中に入れる前に、空気中で予め連結部材36を溶接で固定しておくようなことができない。
このため、岸壁構造体2のケーソン4には、固化処理土26の堆積や面状補強材28の端部28aの連結作業の開始前に、潜水士が海中においてケーソン4に連結部材36を取付ける作業を完了させておかなければならない。
ここで、岸壁構造体2はコンクリート製のケーソン4を用いていると共に、海中に存在するため、そのケーソン4に連結部材36を溶接で取り付けることができないので、連結部材36は固着剤等を用いて取り付けるようにする必要がある。
例えば、図6に示すように、連結部材36の「コ」の字型の形状における上側と下側の横線に相当する部分をそれぞれ長く形成すると共に、これらに対応する孔54を岸壁構造体2のケーソン4にドリル等により形成しておくようにする。そして、連結部材36の「コ」の字型の形状における上側と下側の横線に相当する部分を、それぞれ長くした分だけ岸壁構造体2のケーソン4の穴54に挿入して固着剤56により固着するようにする。
このような潜水士が海中作業で用いることができる固着剤56としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂を主剤に使用し、硬化剤及び骨材と共にガラス管の中に収納したカプセル型固着剤(日本デコラックス(株)製のアンカー固着剤Rタイプ)等を利用することができる。
このように、既存の岸壁構造体2のケーソン4に連結部材36を取り付けた後、前記第1の実施の形態と同様に、固化処理土26の堆積と、面状補強材28の配置及びその端部28aの連結作業を交互に繰り返し行なうことにより、岸壁構造体50を形成することができる。
ここで、面状補強材28の端部28aと沖側の抗土圧構造体24、または岸壁構造体2のケーソン4との連結は、固化処理土26の深さに応じて交互に行なうようにする。また、固化処理土26が固化してその強度が十分に発揮されるようになるまで養生させた後、抗土圧構造体24の沖側近傍の海底22を掘削してその深さを増加することにより、新たな海底32を形成することができることは、前記第1の実施の形態と同様である。
このような本発明の第2の実施の形態に係る岸壁構造体50及びその形成方法によれば、前記第1の実施の形態と同様に、大型船舶の係留施設としての機能を維持することができるための十分な強度を有する岸壁構造体50を形成することができる。
また、このような岸壁構造体50は、図10に示す従来の岸壁構造体8のように大規模な埋立て工事を必要としないため、その従来の岸壁構造体8よりも安い費用で、かつ短かい工事期間で形成することができると共に、環境破壊をも防止することができる。
またこのような岸壁構造体50によれば、図11に示す従来の複雑な構成でかつ高価な桟橋12が不要となると共に、その従来の桟橋12よりも安い費用で、かつ短かい工事期間で形成することができる。
また、前記第1の実施の形態と同様に、港湾内の海底を浚渫又は掘削したことにより発生した土砂を大量に利用することができるので、有効利用できずに費用をかけて処分しなければならない浚渫又は掘削した土砂の量を減らすことができる。
ところで、前記第1及び第2の実施の形態において、固化処理土26の製造には、港湾内を浚渫又は掘削した際に生じた浚渫土砂又は掘削土砂を用いるようにしているが、この浚渫土砂又は掘削土砂が粒径0.075mm以下の細粒を50%以上含有する粘性土である場合には、空気圧送のプラグ流を利用した管中混合方式、または混練ミキサによる機械混合方式により水及び固化材を混合し、必要に応じて混和剤や添加剤を混合することができる。
また、浚渫土砂又は掘削土砂が粒径0.075mm以上2mm未満の砂を80%以上含有する砂質土であって、その含水率が15%以下のときにはベルトコンベヤ上で、含水率が15%以上のときには混練ミキサによる機械混合方式により固化材を混合し、必要に応じて混和剤や添加剤を混合することができる。
次に、図7及び図8に基づいて本発明の第3の実施の形態について説明する。
前記実施の形態においては、図2に示すように、抗土圧構造体24にコの字型の連結部材36を固定して、この連結部材36の内側に面状補強材28を固定した棒部材34の端部を係合していたのに対し、この第3の実施の形態においては、図7に示すように抗土圧構造体24に、上下方向に連続して延びる一対のガイド部材62a,62bに、可動部材64を摺動自在に嵌合し、この可動部材64に形成されている長孔64aに、面状補強材28の端部を固定した棒部材34の両端部34a,34bを係合させて構成したものである。
すなわち、図8に示すように、抗土圧構造体24に一対のガイド部材62a,62bを上下方向に連続するように固定し、この一対のガイド部材62a,62b間に形成された、溝により外部と連通する部屋62c内に、断面がT字状の可動部材64の頭部64bが嵌合し、部屋62cから外部に突出する、可動部材64の突出部64cに形成された長孔64aに棒部材34の両端部34a,34bを係合するようにしたものである。
このような本発明の第3の実施の形態によれば、可動部材64は上下方向に自由に移動することができ、どこの位置にも停止させて配置させることができるので、前記実施の形態よりも面状補強材28の高さを決めるときの自由度を向上させることができる。
なお、前記第1の実施の形態においては、既存の岸壁構造体2の沖側に本発明に係る岸壁構造体20を形成する場合について説明したが、既存の岸壁構造体2が無い単なる海岸の場所に新たに岸壁構造体を形成するような場合にも、本発明は適用することができる。
また、前記第1及び第2の実施の形態による岸壁構造体20,50及びその形成方法は、既存の岸壁構造体2の沖側に新たに、大型船舶を係留できる水深の深い岸壁構造体20,50を形成するような場合だけでなく、地震等により既存の岸壁構造体2が傾斜または破損して利用することができなくなった場合に、その沖側に新たな岸壁構造体20,50を迅速に形成する必要があるような場合にも、本発明は適用することができる。
また、前記第1の実施の形態においては、すべての面状補強材28の端部28aを沖側の抗土圧構造体24に連結するようにしたが、一部の面状補強材28の端部28aだけを沖側の抗土圧構造体24に連結するようにしてもよい。
また、前記第2の実施の形態においては、各層の面状補強部材28の端部28aが交互に、沖側の抗土圧構造体24または既存の岸壁構造体2のケーソン4のいずれか一方に連結されるようになっていたが、すべての面状補強部材28の端部28aが既存の岸壁構造体2のケーソン4のみに連結するようにしてもよい。
或いは、すべての面状補強部材28の両端部28a、又は一部の面状補強部材28の両端部28aが、沖側の抗土圧構造体24及び岸壁構造体2のケーソン4の両方に連結するようになっていてもよい。
また、前記第1及び第2の実施の形態において、面状補強材28は、ポリエチレン材を網目を有する平面状に形成したものを用いたが、金属や他の合成樹脂材のように引張強度及び可撓性の両方を備える素材により、網目を有する平面状、または網目を有しないシート状に形成したものを用いるようにしてもよい。
例えば、面状補強材28として金網を用いるようにしてもよい。また、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリルニトリル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン及びポリスチレン等の熱可塑性樹脂を用いれば、耐蝕性が良好になる。
また、面状補強材28をこれらの材料により網目を有する平面状に形成すれば、固化した後の固化処理土26との一体性が向上すると共に、潮のみちひきによって影響を受ける固化処理土26内の水分の上下方向の移動が良好になる。
このような合成樹脂材を網目を有する平面状に形成した面状補強材28としては、図示しないが、延伸されたフィラメント又はテープ等を交叉させて融着、結束又は編織したもの、或いは、網目の交叉部が網目部と一体的に延伸されて交叉部自体が延伸方向に配向しているもの等を用いることができる。網目の大きさは特に制限はないが、この面状補強材28を挟む上下の固化処理土の層が互いに接触して一体化できる程度のものが好ましい。
また、前記第1ないし第3の実施の形態においては、面状補強材28の端部28aと沖側の抗土圧構造体24または既存の岸壁構造体2のケーソン4との連結に、棒部材34及びコの字型の連結部材36、或は図7に示すようなガイド部材62a,62b及び可動部材64を用いるようにしたが、上記連結の方法はこのようなものに限る必要はなく、その他のどのような方法を用いてもよい。
例えば、図示しないが、抗土圧構造体24又は既存の岸壁構造体2のケーソン4に取り付けられたコの字型の連結部材36に、ループジョイントベルト、連結治具、接続用布をロープ、ホックリンガー、ボルト等を用いて、面状補強材28の端部28aを連結するようにしてもよい。
また、前記第1及び第2の実施の形態で用いた棒部材34を用いる他の実施の形態として、面状補強材28を棒部材に巻き付けて固定する代わりに、図9に示すように、面状補強材28をこの棒部材34を包むように折り返してから重ね合わせ、重ねられた面状補強材28の2層のうちの一方の層の網目から他方の層の網を反対側に1列だけ突出させて、その網目内に棒部材34とは異なる他の小径の棒部材58を通すことにより固定するようにしてもよい。
本発明の第1の実施の形態に係る岸壁構造体20を示す側面断面図である。 図1に示す棒部材34、連結部材36及び面状補強材28の拡大斜視図である。 図1に示す岸壁構造体20の形成方法を説明するための側面断面図である。 図1に示す岸壁構造体20の形成前に既存の岸壁構造体2の近傍の海域に設定される施工領域Eを示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る岸壁構造体50を示す側面断面図である。 図5に示す既存の岸壁構造体2のケーソン4に固着する連結部材36を示すケーソン4の部分断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る岸壁構造体の要部を示す斜視図である。 図7における岸壁構造体の要部のA-A線断面図である。 面状補強材28を棒部材34へ固定するための他の実施の形態を示す拡大側面図である。 従来の方法により形成した岸壁構造体8を示す側面断面図である。 従来の他の方法により形成した桟橋12を示す側面断面図である。
符号の説明
2 岸壁構造体
4 ケーソン
6 基礎捨石
8 岸壁構造体
10 鋼管杭
11 鉄筋コンクリート床板
12 桟橋
14 ケーソン
20 岸壁構造体
22 海底
24 抗土圧構造体
26 固化処理土
28 面状補強材
28a 端部
32 新たな海底
34 棒部材
34a,34b 端部
34c 中間部分
36 連結部材
50 岸壁構造体
54 穴
56 固着剤
58 棒部材
62a,62b ガイド部材
62c 部屋
64 可動部材
64a 長孔
64b 頭部
64c 突出部
E 施工領域
S 海面
a,b,c 周縁部
d,e,f 境界部

Claims (9)

  1. 海岸線近傍の海域を海岸線と共に囲んだ施工領域の海岸線以外の周縁部に設けられて前記施工領域の内外の海水間を海面から海底にわたって隔離する抗土圧構造体と、
    前記施工領域に下方から上方に所定高さずつ順次堆積される、含水比が液性限界を超えるような軟弱な浚渫土砂又は含水比が液性限界を超えるような軟弱な掘削土砂に固化材を混合して生成・固化した固化処理土と、
    前記固化処理土中に所定高さずつ間隔をおいてほぼ水平方向に平面状に配置される複数の面状補強材とを備え、
    前記複数の面状補強材の全部又は一部の各端部が沖側の前記抗土圧構造体に連結されることを特徴とする岸壁構造体。
  2. 既設岸壁構造体の近傍の海域を既設岸壁構造体と共に囲んだ施工領域の既設岸壁構造体以外の周縁部に設けられて前記施工領域の内外の海水間を海面から海底にわたって隔離する抗土圧構造体と、
    前記施工領域に下方から上方に所定高さずつ順次堆積される、含水比が液性限界を超えるような軟弱な浚渫土砂又は含水比が液性限界を超えるような軟弱な掘削土砂に固化材を混合して生成・固化した固化処理土と、
    前記固化処理土中に所定高さずつ間隔をおいてほぼ水平方向に平面状に配置される複数の面状補強材とを備え、
    前記複数の面状補強材の全部又は一部の各端部が沖側の前記抗土圧構造体または前記既設岸壁構造体のいずれか一方に一律に連結されることを特徴とする岸壁構造体。
  3. 既設岸壁構造体の近傍の海域を既設岸壁構造体と共に囲んだ施工領域の既設岸壁構造体以外の周縁部に設けられて前記施工領域の内外の海水間を海面から海底にわたって隔離する抗土圧構造体と、
    前記施工領域に下方から上方に所定高さずつ順次堆積される固化処理土と、
    前記固化処理土中に所定高さずつ間隔をおいてほぼ水平方向に平面状に配置される複数の面状補強材とを備え、
    前記複数の面状補強材の全部又は一部の各端部が沖側の前記抗土圧構造体及び前記既設岸壁構造体のいずれか一方に深さに応じて交互に連結されるようにしたことを特徴とする岸壁構造体。
  4. 前記抗土圧構造体が、鋼矢板、鋼管矢板又はコンクリート製矢板、所定の構造体等により構成されるような請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の岸壁構造体。
  5. 前記固化処理土は、浚渫土砂又は掘削土砂に、セメント、石灰、酸化マグネシウム、或いは石こう等の固化材を混合して、固化する前は粘性を有し、海中でも時間の経過と共に固化することができるような請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の岸壁構造体。
  6. 前記面状補強材が、可撓性を有し、網目を有する平面状又は網目を有しないシート状に形成されるような請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の岸壁構造体。
  7. 海岸線近傍の海域を海岸線と共に囲んだ施工領域の海岸線以外の周縁部に前記施工領域の内外の海水間を海面から海底にわたって隔離する抗土圧構造体を設ける工程の後に、
    前記施工領域に含水比が液性限界を超えるような軟弱な浚渫土砂又は含水比が液性限界を超えるような軟弱な掘削土砂に固化材を混合して生成・固化した固化処理土を下方から上方に所定高さずつ順次堆積させる工程と、
    前記堆積させた固化処理土の上に配置した面状補強材の全部又は一部の各端部を沖側の前記抗土圧構造体に連結する工程とを交互に繰り返して
    形成することを特徴とする岸壁構造体の形成方法。
  8. 既設岸壁構造体の近傍の海面を既設岸壁構造体と共に囲んだ施工領域の既設岸壁構造体以外の周縁部に前記施工領域の内外の海水間を海面から海底にわたって隔離する抗土圧構造体を設ける工程の後に、
    前記施工領域に含水比が液性限界を超えるような軟弱な浚渫土砂又は含水比が液性限界を超えるような軟弱な掘削土砂に固化材を混合して生成・固化した固化処理土を下方から上方に所定高さずつ順次堆積させる工程と、
    前記堆積させた固化処理土の上に配置した面状補強材の全部又は一部の各端部を沖側の前記抗土圧構造体または前記既設岸壁構造体に一律に連結する工程とを交互に繰り返して
    形成することを特徴とする岸壁構造体の形成方法。
  9. 既設岸壁構造体の近傍の海面を既設岸壁構造体と共に囲んだ施工領域の既設岸壁構造体以外の周縁部に前記施工領域の内外の海水間を海面から海底にわたって隔離する抗土圧構造体を設ける工程の後に、
    前記施工領域に下方から上方に所定高さずつ順次固化処理土を堆積させる工程と、
    前記堆積させた固化処理土の上に配置した面状補強材の全部又は一部の各端部を沖側の前記抗土圧構造体及び前記既設岸壁構造体のいずれか一方に交互に連結する工程とを交互に繰り返して
    形成することを特徴とする岸壁構造体の形成方法。
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