JPH11152431A - パテ組成物 - Google Patents

パテ組成物

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JPH11152431A
JPH11152431A JP32015897A JP32015897A JPH11152431A JP H11152431 A JPH11152431 A JP H11152431A JP 32015897 A JP32015897 A JP 32015897A JP 32015897 A JP32015897 A JP 32015897A JP H11152431 A JPH11152431 A JP H11152431A
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JP
Japan
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acid
meth
acrylate
base
group
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Application number
JP32015897A
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English (en)
Inventor
Shuichi Sugita
修一 杉田
Kazuhiko Oga
一彦 大賀
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 重合性と可使時間のバランスにすぐれたパテ
組成物を提供すること。 【解決手段】 (A)重合性不飽和化合物 (B)充填材 (C)式1で表わされる4級ホウ素化合物 式1 (式中R、R、R、及びRは、それぞれ独立し
てアルキル基、アリール基、アラルキル基、アリケニル
基、アルキニル基、シリル基、複素環基、またはハロゲ
ン原子を示し、Zは任意のカチオンを示す)及び (D)酸の塩基中和物を必須成分とするパテ組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な重合開始シ
ステムによって、重合速度と組成物の可使時間のバラン
スに優れたパテ組成物に関する。更に詳しくは、重合性
不飽和化合物の存在下、酸の塩基中和物と4級ホウ素化
合物とを共存させることにより、4級ホウ素化合物の分
解が起こり、発生したラジカルを用い、重合反応を行う
ことの出来る、重合速度と組成物の可使時間のバランス
に優れたパテ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車外板などの補修塗装
は、通常、損傷箇所の旧塗膜を剥離処理後、該箇所
に鈑金パテを該箇所以外の旧塗膜にかからないようにへ
ら等で厚盛りに付け、乾燥後該パテ面を研磨する、次
いでこの上に樹脂パテを該箇所周辺の旧塗膜までかかる
ようにへら等で付け、乾燥後該パテ面を研磨する、次
いでこの上にプライマーサーフェーサー塗装、上塗り
塗装を順次行う、などの非常に多くの行程からなる。特
にパテ付け〜プライマーサーフェーサー塗装の工程は、
仕上り性確保の点から各塗装ごとにその塗装面を研磨す
るために多大な労力を要し、補修塗装に要する時間の約
半分を費やしている。
【0003】かかるパテ付けに使用する鈑金パテや樹脂
パテは、主に不飽和ポリエステル樹脂等を主剤とし有機
過酸化物を硬化剤とする常温硬化の組成物であり、これ
まで作業時間短縮のため速乾性の向上が追求されてきた
ため、可使時間が極めて短く、その時間内に車ごとに異
なる損傷の程度や部位に対応してすばやくパテ付けを行
うには、非常に熟練を要するものであった。一般的な鈑
金パテでは20℃において可使時間6〜8分、研磨可能
時間20〜30分を要し、樹脂パテの場合は硬化にさら
に時間を要する。さらに、硬化反応の速度は周囲の温度
に著しく影響されるので、パテのゲル化時間、可使時間
及び研磨可能時間の周囲の温度に影響されて変化する。
その結果、季節により鈑金補修の作業時間が大きく異な
るという不都合が生じることになる。
【0004】上記の問題点を解決するために、以下の技
術が開示されている。(a)ケチミンやオサゾリジンな
どのアミンブロック体とイソシアネートによる湿気硬化
型1液性ポリウレタンパテ(特開昭61−231064
号)、(b)パテとして重合性不飽和基含有化合物と光
重合開始剤とを含有する紫外線硬化組成物(特開昭54
−117588号)、(c)光照射により厚みのある硬
化物を得る方策としての近赤外光硬化型発泡樹脂組成物
(特開平6−192459号)、(d)上記〜の工
程を一つの工程として大幅に簡略化できる近赤外光硬化
型パテ(特開平9−137089号)、(e)上記〜
の工程を一つの工程として大幅に簡略化できる可視光
硬化型パテ(特開平9−176517号、特開平9−2
41533号)等が提案されている。
【0005】上記(a)〜(e)の技術は、すべて1液
性パテを可能にするものの、(a)の技術では、短時間
でパテを硬化させることは困難であり、また、(b)〜
(e)の技術では、感光波長の光が透過しないような隠
蔽性の高い顔料を多量に使用したパテ組成物や、厚みの
あるパテを短時間で硬化させるのは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、有機ホウ素
化合物を用いて、光が透過しないような隠蔽性の高い顔
料を多量に使用したパテ組成物であっても、硬化したい
時に短時間で硬化可能でありかつ開始剤を混合した後の
可使時間が従来の過酸化物と還元剤の組み合わせに比較
して長い、重合性と可使時間のバランスにすぐれたパテ
組成物を提供することを目的する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
を解決すべく鋭意検討した結果、通常パテに使用される
重合性不飽和化合物含有組成物に、4級ホウ素化合物及
び酸の塩基中和物を共存させることにより、重合性(重
合速度)と可使時間のバランスに優れたパテ組成物が得
られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、 1.(A)重合性不飽和化合物、(B)充填材、(C)
一般式(1)で表わされる4級ホウ素化合物及び(D)
酸の塩基中和物を必須成分とするパテ組成物。 一般式(1);
【化2】 (式中R1 、R2 、R3 、及びR4 は、それぞれ独立し
てアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、シリル基、複素環基、またはハロゲ
ン原子を示し、Z+ は任意のカチオンを示す) 2.酸の塩基中和物が、酸のアミン中和物である前記1
記載のパテ組成物。 3.酸の塩基中和物に用いられる酸の25℃の水溶液中
での酸解離指数(pKa値)が、10以下であることを
特徴とする前記1〜2記載のパテ組成物。 4.酸の塩基中和物に用いられる酸中和用塩基の25℃
の水溶液中での塩基解離指数(pKb値)が、11以下
であることを特徴とする前記1〜3記載のパテ組成物。 5.(A)重合性不飽和化合物と(B)充填材の使用比
が重量比で90/10〜10/90である前記1〜4記
載のパテ組成物。に関するものである。
【0009】本発明における重合反応の機構は必ずしも
明確にはなっていないが、一般式(1)の4級ホウ素化
合物と酸の塩基中和物が共存することで4級ホウ素化合
物の分解が起こって3級ホウ素化合物が生成し、更に3
級ホウ素化合物が分解してラジカルが発生し重合が開始
されると推定されている。
【0010】以下に本発明について詳細に説明する。な
お、「パテ」とは、下地のくぼみ・割れ・穴などの欠陥
を埋めて、塗装系の平らさを向上させるために用いる肉
盛り用の塗料をいい、顔料を多く含み、多くはペースト
状である(JIS K 5500)。さらに、本明細書
記載の「パテ組成物」とは、前記パテを形成する材料混
合物のことである。
【0011】さらに、本明細書記載の「酸」及び「塩
基」とは、J.N.BrφnstedとT.W.Low
ryが提案した酸及び塩基を意味する。即ち、酸とはH
+ を相手に与えるような分子、塩基は逆に相手からH+
を受けるような分子であり、「岩波理化学事典 第3版
増補版」(株式会社岩波書店 1987年発行)などに
記載されている。
【0012】本発明に用いられる重合性不飽和化合物と
は重合性不飽和モノマーあるいは重合性不飽和オリゴマ
ー、ポリマーのいずれかあるいは混合物であり、これら
の重合性モノマー、オリゴマー、ポリマーなどは各々単
独、或いは2種類以上混合して用いることが出来る。
【0013】重合性不飽和化合物の例としては、以下の
化合物を挙げることができる。 重合性不飽和基を分子中に1つ有する重合性不飽和化合
物:スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、クロロスチレン、ビニルピリジン、メチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロ
ピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アク
リレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチ
ル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソ
デシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリ
レート、ラウリル(メタ)アクリレート等のアルコール
残基の炭素数が1〜18個の(メタ)アクリル酸エステ
ル、(メタ)アクリロイルオキシジエチレングリコール
メチルエーテル、(メタ)アクリロイルオキシポリエチ
レングリコールメチルエーテル、(メタ)アクリロイル
オキシトリプロピレングリコールメチルエーテル、(メ
タ)アクリロイルオキシポリプロピレングリコールメチ
ルエーテル、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレ
ート、4−t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレ
ート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキ
シエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アク
リレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラ
シクロドデシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタ
ニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メ
タ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル
(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチ
ル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレ
ート、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ω−カルボキ
シ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、フ
タル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、(メタ)
アクリロイルオキシエチルイソシアネート、(メタ)ア
クリロイルイソシアネート、N,N−ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、モルホリノエチル(メタ)
アクリレート、ビニルオキサゾリン、イソプロペニルオ
キサゾリン、2−((メタ)アクリロイルオキシプロピ
ル)オキサゾリン、2−((メタ)アクリロイルオキシ
プロピル)−4−ジメチルオキサゾリン、2−((メ
タ)アクリロイルオキシペンチル)オキサゾリン、2−
((メタ)アクリロイルオキシペンチル)−4−ジメチ
ルオキサゾリン、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル
(メタ)アクリルアミド、N−アクリロイルモルホリ
ン、(メタ)アクリロニトリル、メチルビニルケトン、
メチルイソプロペニルケトン、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、安息香酸ビニル、N−ビニルホルムアミド、
N−ビニルアセトアミド、N−メチル−N−ビニルアセ
トアミド、N−ビニル−ε−カプロラクタム、N−ビニ
ルピロリドン、トリフルオロメチルビニルエーテル、フ
ェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレー
ト、フェニル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチ
ル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピリデングリ
セリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル
−2−ヒドロキシプロピルフタレート、13−ヒドロキ
シトリデシル(メタ)アクリレート、14−ヒドロキシ
テトラデシル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリ
コール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコー
ル(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコー
ル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。な
お、上記の1級や2級の水酸基を有するエチレン性不飽
和基含有モノマーとラクトンを反応させた水酸基を有す
るエチレン性不飽和基含有モノマーを用いてもよい。使
用するラクトンとしては、ε−カプロラクトンや、β−
プロピオラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ブチロラ
クトン等が挙げられる。これらのラクトン付加物エチレ
ン性不飽和基含有モノマーの具体例としては、ダイセル
化学工業(株)製のプラクセルFM−1、FM−2、F
M−3、FM−4、FA−1、FA−2、FA−3、F
A−4等を挙げることができる。また、ラクトン変性し
たアクリレートとして、下記の化合物を用いることもで
きる。
【0014】
【化3】
【0015】重合性不飽和基を分子中に2つ以上有する
重合性不飽和化合物:ジエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アク
リレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、ジンクジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタン
ジオールジ(メタ)アクリレート、トリメトロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエ
リスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチ
ロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトールヒドロキシペンタ(メタ)アクリレー
ト、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレ
ート等を挙げることができる。また、以下のような化合
物等も挙げることができる。
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】
【化9】
【0022】
【化10】
【0023】
【化11】
【0024】
【化12】
【0025】
【化13】
【0026】
【化14】
【0027】
【化15】
【0028】
【化16】
【0029】
【化17】
【0030】
【化18】
【0031】
【化19】
【0032】また、エポキシ(メタ)アクリレート、ポ
リエステル(メタ)アクリレート、不飽和ポリエステ
ル、ウレタン(メタ)アクリレート等のオリゴマー類を
用いることもできる。
【0033】エポキシ(メタ)アクリレートとは、ビニ
ルエステル樹脂とも呼ばれ、一般にエポキシ樹脂に代表
されるエポキシ基を有する化合物と、(メタ)アクリル
酸などの重合性不飽和基を有するカルボキシル化合物の
カルボキシル基との開環反応により生成する重合性不飽
和基を有する樹脂、またはカルボキシル基を有する化合
物とグリシジル(メタ)アクリレート等の分子内にエポ
キシ基を持つ重合性不飽和化合物のエポキシ基との開環
反応により生成する重合性不飽和基を有する樹脂であ
り、「ポリエステル樹脂ハンドブック」(日刊工業新聞
社 1988年発行)、「塗料用語辞典」(色材協会編
1993年発行)などに記載されている樹脂であり、
その製造は、公知の方法により行われるものである。
【0034】エポキシ(メタ)アクリレートの原料とな
るエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAジグリシジ
ルエーテル及びその高分子量同族体、ビスフェノールA
アルキレンオキサイド付加物のグリシジルエーテル、ビ
スフェノールFジグリシジルエーテル及びその高分子量
同族体、ビスフェノールFアルキレンオキサイド付加物
のグリシジルエーテル、ノボラック型ポリグリシジルエ
ーテル類等が挙げられる。
【0035】ポリエステル(メタ)アクリレートとは、
飽和多価カルボン酸及び/または不飽和多価カルボン酸
と多価アルコールから得られる末端にカルボキシル基を
有するポリエステルに、α,β−不飽和カルボン酸エス
テル基を含有するエポキシ化合物を反応させて得られる
(メタ)アクリレート、飽和多価カルボン酸及び/また
は不飽和多価カルボン酸と多価アルコールから得られる
末端にカルボキシル基を有するポリエステルに、水酸基
含有アクリレートを反応させて得られる(メタ)アクリ
レート、飽和多価カルボン酸及び/または不飽和多価カ
ルボン酸と多価アルコールから得られる末端に水酸基を
有するポリエステルに、(メタ)アクリル酸を反応させ
て得られる(メタ)アクリレート等が挙げられ、「フォ
トポリマーハンドブック」(株式会社工業調査会 19
89年発行)などに記載されている樹脂であり、その製
造は公知の方法で行われる。
【0036】また、上記の飽和多価カルボン酸として
は、重合性不飽和基を有していない多価カルボン酸、例
えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン
酸、セバチン酸等が挙げられる。不飽和多価カルボン酸
としては、活性不飽和基を有している多価カルボン酸、
例えばフマル酸、マレイン酸、無水フマル酸、イタコン
酸等が挙げられる。
【0037】さらに、多価アルコール成分としては、例
えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエ
チレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−
ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペ
ンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチ
ル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−
1,3−プロパンジオール、シクロヘキサン−1,4−
ジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド
付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加
物等の多価アルコールが挙げられる。
【0038】α,β−不飽和カルボン酸エステル基を含
有するエポキシ化合物としては、グリシジルメタクリレ
ートが代表例として挙げられる。
【0039】不飽和ポリエステルとは、多価アルコール
と不飽和結合を有する多塩基酸またはその無水物(及び
必要に応じて飽和多塩基酸)とのエステル化反応による
縮合生成物を、必要に応じてスチレンのような重合性不
飽和化合物に溶解したもので、「ポリエステル樹脂ハン
ドブック」(日刊工業新聞社 1988年発行)、「塗
料用語辞典」(色材協会編 1993年発行)などに記
載されている樹脂であり、その製造は公知の方法で行わ
れる。
【0040】不飽和結合を有する多塩基酸またはその無
水物の具体例としては、フマル酸、無水マレイン酸、マ
レイン酸、イタコン酸等を挙げることができる。
【0041】また、必要に応じて、無水フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、アジピン酸等の活性不飽和結
合を有していない飽和多塩基酸またはその無水物、安息
香酸、アビエチン酸、マレイン酸のハーフエステルのご
ときモノカルボン酸を用いることができる。
【0042】また、1分子中に2個以上水酸基をもつア
ルコールの具体例としては、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタ
ンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオー
ル、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、シ
クロヘキサン−1,4−ジメタノール、ビスフェノール
Aのアルキレンオキサイド付加物等の多価アルコールが
挙げられる。
【0043】ウレタン(メタ)アクリレートとは、1分
子中に1個以上水酸基を有するアルコールに、1分子中
に2個以上イソシアネート基を有する化合物を反応さ
せ、その末端イソシアネート基と水酸基を含有する(メ
タ)アクリレートを反応させて得られる(メタ)アクリ
レート及び、1分子中に1個以上水酸基を含有するアル
コールに、イソシアネート基を含有する(メタ)アクリ
レートを反応させて得られる(メタ)アクリレートで、
「フォトポリマーハンドブック」(株式会社工業調査会
1989年発行)、「塗料用語辞典」(色材協会編
1993年発行)などに記載されている樹脂であり、そ
の製造方法は、公知の方法により行われるものである。
【0044】ウレタン(メタ)アクリレートの原料とし
て使用される1分子中に1個以上水酸基をもつアルコー
ルの具体例としては、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリ
コール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオ
ール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジ
オール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,
2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、シクロヘキ
サン−1,4−ジメタノール、ビスフェノールAのアル
キレンオキサイド付加物、飽和ジカルボン酸及び/また
は不飽和ジカルボン酸と多価アルコールから得られる末
端水酸基のポリエステル等を挙げることができる。
【0045】また、ウレタン(メタ)アクリレートの原
料として使用される水酸基を含有する(メタ)アクリレ
ートとしては、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、2−メタクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシ
ブチルフタレート等を挙げることができる。ウレタン
(メタ)アクリレートの原料として使用されるイソシア
ネート基を含有する(メタ)アクリレートとしては、2
−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、
(メタ)アクリロイルイソシアネート等を挙げることが
できる。また、ウレタン(メタ)アクリレートの原料と
して使用される1分子中に2個以上イソシアネート基を
有する化合物としては、メチレンジフェニルジイソシア
ネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソ
シアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、
テトラメチルキシレンジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ート、キシリレンジイソシアネートの水素化物、ヘキサ
メチレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネ
ート、メチレンジフェニルジイソシアネートの多量体、
ジアニシジンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジ
イソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフ
ェニルメタントリイソシアネート、トリイソシアネート
フェニルチオホスフェート、リジンジイソシアネートメ
チルエステル、リジントリイソシアネート、2,2,4
−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマ
ー酸ジイソシアネート、イソプロピリデンビス−4−シ
クロヘキシルイソシアネート、トリレンジイソシアネー
トの2量体、メチルシクロヘキサンジイソシアネート等
を挙げることができる。
【0046】前記の重合性不飽和化合物の中で、重合性
不飽和基を分子中に1つ有する重合性不飽和化合物を単
独で使用することはほとんどなく、硬化物の耐溶剤性を
保持するために、重合性不飽和基を分子中に2つ以上有
する重合性不飽和化合物を併用するのが常である。重合
性不飽和基を分子中に2つ以上有する重合性不飽和化合
物は、重合性不飽和化合物の総量の10重量%以上用い
ることが好ましい。
【0047】本発明に使用される充填材としては、粉
末、球状、ウイスカー状、鱗片状、粘稠液状等の各種形
状の有機物、無機物、或いはそれらの複合物、混合物が
挙げられる。
【0048】無機充填材の具体例としては、例えば、炭
酸カルシウム、タルク、クレー、ガラス粉、シリカ、水
酸化アルミニウム、硫酸バリウム、酸化チタン、アスベ
スト、アルミナ、シリカ−アルミナ、カーボンブラッ
ク、アルミパウダー、アルミペースト、金粉、銀粉、石
英、カオリン、雲母、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウ
ム、リン酸カルシウム等及びそれら粉末の表面を多官能
(メタ)アクリレート系モノマーまたはシランカップリ
ング剤で被覆処理したものが挙げられる。また複合物に
は上記無機充填剤をエチレン性不飽和化合物に混合し、
重合硬化させた後に微細に粉砕したもの等が挙げられ
る。また、これらの充填材を二種類以上組み合わせて使
用することもできる。
【0049】また、有機充填材の具体例としては、ポリ
スチレン、クマロン−インデン−スチレン共重合体、ポ
リ酢酸ビニル、ポリα−メチルスチレン、ポリメチルメ
タクリレート、ポリエステル、塩素化ポリエステル、ポ
リ塩化ビニリデンマイクロバルーン、ポリアクリロニト
リルマイクロバルーン等が使用できる。これらの有機充
填材を、二種類以上組み合わせて使用することもでき
る。さらに、有機充填材と無機充填材を併用してもよ
い。
【0050】また、本発明に使用される重合性不飽和化
合物と充填材の使用比は、重量比で90/10〜10/
90であることが好ましく、さらに好ましくは、20/
80〜80/20である。
【0051】重合性不飽和化合物と充填材の重量比が9
0/10より大きいと、硬度等の硬化物の要求物性が不
十分であったり、重合時の収縮による内部応力の増加な
どがあり好ましくない。また、重合性不飽和化合物と充
填材の重量比が10/90より小さいと、硬化物の可撓
性が低下し脆くなったり、重合後の硬化物の溶剤に対す
る耐性が悪くなるおそれがある。
【0052】本発明における4級ホウ素化合物は一般式
(1)で示されるように4級有機ホウ素アニオンとZ+
から構成される。
【0053】一般式(1);
【化20】 (式中R1 、R2 、R3 、及びR4 は、それぞれ独立し
てアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、シリル基、複素環基、またはハロゲ
ン原子を示し、Z+ は任意のカチオンを示す)
【0054】ここで、一般式(1)のR1 、R2 、R
3 、及びR4 において、アルキル基、アリール基、アラ
ルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シリル基、複
素環基は任意の置換基を有しても良い。そのような置換
基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル
基、イソブチル基、t−ブチル基、n−オクチル基、n
−ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、
フェニル基、トリル基、キシリル基、アニシル基、ビフ
ェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基、ジ
フェニルメチル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロ
ポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec
−ブトキシ基、t−ブトキシ基、メチレンジオキシ基、
エチレンジオキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ基、ベ
ンジロキシ基、メチルチオ基、フェニルチオ基、2−フ
リル基、2−チエニル基、2−ピリジル基、フルオロ基
等が挙げられるが、本発明はこれらの例に限定されるも
のではない。
【0055】一般式(1)における4級有機ホウ素アニ
オンの具体例としては、n−ブチルトリフェニルボレー
ト、n−オクチルトリフェニルボレート、n−ドデシル
トリフェニルボレート、sec−ブチルトリフェニルボ
レート、t−ブチルトリフェニルボレート、ベンジルト
リフェニルボレート、n−ブチルトリ(p−アニシル)
ボレート、n−オクチルトリ(p−アニシル)ボレー
ト、n−ドデシルトリ(p−アニシル)ボレート、n−
ブチルトリ(p−トリル)ボレート、n−ブチルトリ
(o−トリル)ボレート、n−ブチルトリ(4−t−ブ
チルフェニル)ボレート、n−ブチルトリ(4−フルオ
ロ−2−メチルフェニル)ボレート、n−ブチルトリ
(4−フルオロフェニル)ボレート、n−ブチルトリナ
フチルボレート、トリフェニルシリルトリフェニルボレ
ート、トリメチルシリルトリフェニルボレート、テトラ
−n−ブチルボレート、ジ−n−ブチルジフェニルボレ
ート、テトラベンジルボレート等があげられるが、R1
がアルキル基、R2 、R3 及びR4 がアリール基の構造
を有するものが、安定性及び重合性のバランスがとれ、
本発明のパテ組成物には好適である。
【0056】また、一般式(1)におけるZ+ の具体例
としては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルア
ンモニウム、テトラ−n−ブチルアンモニウム、テトラ
オクチルアンモニウム、N−メチルキノリニウム、N−
エチルキノリウム、N−メチルピリジニウム、N−エチ
ルピリジニウム、テトラメチルホスホニウム、テトラ−
n−ブチルホスホニウム、トリメチルスルホニウム、ト
リフェニルスルホニウム、トリメチルスルホキソニウ
ム、ジフェニルヨードニウム、ジ(4−t−ブチルフェ
ニル)ヨードニウム、リチウムカチオン、ナトリウムカ
チオン等が挙げられる。これらの4級有機ホウ素化合物
とZ+ は任意に組み合わせて本発明に使用することがで
きる。また本発明はこれらの例に限定されることはな
い。また、4級有機ホウ素化合物は2種以上組み合わせ
て使っても差し支えない。
【0057】4級ホウ素化合物は、重合性不飽和化合物
の0.001重量%以上用いることにより本発明の目的
を達成することが出来る。それ以下だと重合が充分に行
われず、硬化が不十分に終わるおそれがある。好ましく
は、0.01〜20重量%である。20重量%より多く
用いることは、経済的観点上、好ましくない。
【0058】また、本発明における酸解離指数とは、酸
解離定数の逆数の対数値であり、例えば「化学便覧基礎
編II」(丸善社刊 1984年発行 339頁)に詳細
な記載がある。また、塩基解離指数とは、塩基の共役酸
の酸解離定数の逆数の対数値(塩基の共役酸の酸解離指
数)を14から引いた値である。
【0059】酸の塩基中和物の原料として用いられる酸
は、25℃の水溶液中での酸解離指数(pKa値)が1
0以下であることが好ましい。さらに好ましくは、25
℃の水溶液中での酸解離指数(pKa値)が5以下の酸
である。具体的には、例えば、一般の無機酸、有機酸等
が挙げられ、無機酸としては、例えば、塩酸(−3.
7)、硫酸(1.98(pKa2))、硝酸(−4.
1)、リン酸(2.15(pKa1) 7.20(pK
a2))等、有機酸としては、例えば、ギ酸(3.5
5)、シュウ酸(1.27(pKa1) 4.29(p
Ka2))、マロン酸(2.65(pKa1) 5.2
8(pKa2))、コハク酸(4.00(pKa1)
5.24(pKa2))、マレイン酸(1.57(pK
a1) 5.83(pKa2))、フマル酸(2.85
(pKa1) 4.10(pKa2))等の脂肪族カル
ボン酸類、安息香酸(4.19)、フタル酸(2.89
(pKa1) 5.51(pKa2))、o−ニトロ安
息香酸(2.20)、p−ニトロ安息香酸(3.4
0)、m−ニトロ安息香酸(3.46)等の芳香族カル
ボン酸類、クロル酢酸(2.88)、ジクロル酢酸
(1.48)、トリクロル酢酸(0.66)等のハロゲ
ン置換カルボン酸類、メタンスルホン酸(1未満)、ベ
ンゼンスルホン酸(1未満)、p−トルエンスルホン酸
(1未満)等のスルホン酸類等が挙げられる。なお、
「pKa1」とは、酸の塩基中和物の原料として用いら
れる多塩基酸の25℃の水溶液中での1段階目の酸解離
指数であり、「pKa2」とは、酸の塩基中和物の原料
として用いられる多塩基酸の25℃の水溶液中での2段
階目の酸解離指数である。また、不飽和ポリエステル中
に含まれる多塩基酸由来の残存酸や、ポリエステル及び
塩素化ポリエステル中に含まれる多塩基酸由来の残存酸
が25℃の水溶液中での酸解離指数(pKa値)が10
以下の酸であれば、その残存酸を、酸の塩基中和物の原
料酸としてそのまま利用しても良い。
【0060】酸の塩基中和物の原料として用いられる酸
として、25℃の水溶液中での酸解離指数(pKa値)
が10より大きい酸を用いた場合には、4級ホウ素化合
物の分解能が低下し、その結果重合速度が小さくなって
しまい、好ましくない。
【0061】酸の塩基中和物の原料に用いられる塩基に
は、金属水酸化物や、水酸化ホスホニウム、アミン化合
物等を挙げることができるが、重合性不飽和化合物への
溶解性を考慮すると、アミン化合物が好ましい。
【0062】また、酸の塩基中和物の原料に用いられる
塩基の25℃の水溶液中での塩基解離指数(pKb値)
が、11以下の塩基であることが好ましく、さらに好ま
しくは11以下のアミンである。さらに好ましくは、2
5℃の水溶液中での塩基解離指数(pKb値)が、9以
下である。具体的には、例えば、アンモニア(4.7
5)、エチルアミン(3.37)、ジエチルアミン
(3.07)、トリエチルアミン(3.28)、トリエ
タノールアミン(6.24)、ジフェニルグアニジン
(3.9)、テトラメチルグアニジン(0.4)、トリ
ブチルアミン(4.1)、ピペリジン(2.88)、ブ
チルアミン(3.36)、N,N−ジメチルアミノプロ
ピルアクリルアミド(3.65)、N,N−ジメチルア
ミノプロピルメタクリルアミド(3.70)、N,N−
ジメチルアミノエチルアクリレート(7.90)、N,
N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(7.94)
等を挙げることができる。
【0063】酸の塩基中和物の原料に用いられる塩基と
して、25℃の水溶液中での塩基解離指数(pKb値)
が、11より大きい塩基を用いると、酸の中和能力(酸
との塩形成能力)が低下し、その結果、可使時間が極端
に短くなってしまい好ましくない。一般に酸性度が高い
酸(上記酸解離指数の値の小さい酸)と塩基性度の低い
塩基(上記塩基解離指数の値の大きい塩基)から製造さ
れる酸の塩基中和物ほど、4級ホウ素化合物の分解が促
進され重合が速やかに進むが、反面、パテ組成物の可使
時間が短くなる傾向がある。よって、例えば、1週間以
上の可使時間を必要とするような場合には、酸性度の低
い酸(上記酸解離指数の値の大きい酸であり、具体的に
は2〜10の酸解離指数を有する酸)と塩基性度の高い
塩基(上記塩基解離指数の値の小さい塩基であり、具体
的には6以下の塩基解離指数を有する塩基)から製造さ
れる酸の塩基中和物を用いて材料を製造して30℃以下
の低温保存することが好ましい。
【0064】また、酸の塩基中和物の原料として用いら
れる酸とその酸の中和用塩基の化学当量比であるが、一
般的には、 0.7≦酸の化学当量/塩基の化学当量≦1.3 の範囲であることが望ましい。保存安定性を重視する場
合には、酸とその酸の中和用塩基の化学当量比を小さく
する、即ち、0.7に近づけることが望ましく、重合速
度を重視する場合には、酸とその酸の中和用塩基の化学
当量比を大きくする、即ち1.3に近づけることが望ま
しい。ただし、硬化性(重合性)と可使時間のバランス
が最も良いのは、 酸の化学当量/塩基の化学当量=1 のときである。
【0065】また、酸の塩基中和物は、酸と塩基を別々
にパテ組成物の中に入れ、パテ組成物中で中和反応を起
こさせてもよく、予め酸と塩基を混合することにより酸
の塩基中和物を作成しておき、その後パテ組成物中に加
えても良い。
【0066】本発明に用いられる酸の塩基中和物の量
は、使用される酸や塩基の強度、4配位ホウ素化合物の
安定性、重合性不飽和化合物の重合性、所望の重合速度
などによって最適値が異なるが、一般には、4級ホウ素
化合物の量(単位:mol)と酸の塩基中和物の量(単
位:mol)の比は0.01:1〜1000:1の範囲
である。
【0067】また本発明のパテ組成物は、従来知られて
いる他の重合システムと併用することも出来る。例えば
色素化合物を用いる重合開始システム(例えば特開昭6
2ー143044号、特開平1−111402号)との
組み合わせ、すなわち色素化合物と酸の塩基中和物とを
合わせて用い、色素化合物の感光波長の光を照射して色
素化合物と4級ホウ素化合物から発生するラジカルと、
酸の塩基中和物と4級ホウ素化合物によるラジカルを同
時に発生させ、相乗効果により短時間で共存する重合性
不飽和化合物を重合せしめることも出来る。
【0068】また、4級ホウ素化合物と酸の塩基中和物
の組み合わせからなる重合開始剤とともに、4級ホウ素
化合物をまったく利用しない重合開始剤を併用しても良
い。4級ホウ素化合物と酸の塩基中和物の組み合わせか
らなる重合開始剤とともに併用される他の重合開始剤と
しては、2,4−ジエチルチオキサントンやイソプロピ
ルチオキサントン等のチオキサントン類とN,N−ジメ
チルアミノ安息香酸エチルやN,N−ジメチルアニリン
等のアミン類の組み合わせ、テトラアリールビイミダゾ
ールと、メルカプトベンゾチアゾールやメルカプトベン
ゾイミダゾール等の水素供与体の組み合わせ、カンファ
ーキノンやベンジル等のα−ジケトンとN,N−ジメチ
ルアミノ安息香酸イソアミルやN,N−ジメチルアニリ
ン等のアミン類の組み合わせ、特開昭61−13029
6号記載のビスアシルホスフィンオキサイド化合物、特
開昭55−15471号記載のアシルホスフィンオキサ
イド化合物、アセトフェノン類等を挙げることができ
る。前記の開始剤の中で、チオキサントン類とアミン類
の組み合わせや、α−ジケトンとアミン類の組み合わせ
を使用すると、表面の酸素阻害を低減でき、4級ホウ素
化合物と潜在性酸発生剤の組み合わせからなる重合開始
剤とともに併用するのに、特に好ましい開始剤である。
【0069】本発明のパテ組成物の硬化は、一般に次の
ような手順で行われる。まず、重合性不飽和化合物、充
填材、4級ホウ素化合物と潜在性酸発生剤の組み合わせ
からなる重合開始剤、及び必要に応じて加えられる各種
添加剤や重合開始剤等を十分に混練して組成物を得る。
次いで、該組成物を被塗布体に所望の厚みに肉盛りし、
必要に応じて任意に定められるが、一般には1mm〜2
cmである。
【0070】本発明の硬化に使用される熱源としては、
キセノンランプ、ハロゲンランプ、白熱灯、メタルハラ
イドランプ、太陽光、赤外線ランプ等の光と熱をともに
供給できるランプや、オーブンに代表される加熱炉等を
使用することができ、これらの1種または2種以上用い
ても良い。
【0071】また、硬化反応の際には、酸素による組成
物表面の重合阻害を低減するために低酸素濃度下で光照
射することが好ましい。例えば、本発明の組成物を塗装
した後、光透過性のフィルムなどで重合性組成物及びパ
テ組成物の表面をカバーして光照射したり、窒素、アル
ゴン、二酸化炭素等の不活性ガス雰囲気、あるいは空気
中上記不活性ガスを組成物表面にブローすることにより
酸素濃度を低減し、硬化を促進させることも可能であ
る。
【0072】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明は、これに限定されるものではない。また、実施
例及び比較例中の「部」は、特に記載のない場合、重量
部を表す。
【0073】(実施例1)塩素化ポリエステル/トリプ
ロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)=6
/4(w/w)混合物 商品名:EBECRYL585
(酸価20)[ダイセルUCB(株)製]50部、N−
アクリロイルモルホリン/表1に記載した4級ホウ素化
合物=7/1(w/w)混合液4部、p−トルエンスル
ホン酸1水和物/N,N−ジメチルアミノエチルアクリ
ルアミド=1/1(化学当量比)中和物3.5部、EB
ECRYL585中の残存酸(pKa1=2.85)の
中和用塩基としてN,N−ジメチルアミノプロピルアク
リルアミド2.78部及び充填材〔タルク(平均粒径1
0μm) 60部〕を添加し、高速デゾルバーで15分
間撹拌することによって十分に混練りした。混練り直後
のパテ組成物及び混練り後30℃で1時間暗所保存して
いたパテ組成物を硬化実験に用いた。
【0074】
【表1】
【0075】
【表1】
【0076】(実施例2)塩素化ポリエステル/トリプ
ロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)=6
/4(w/w)混合物 商品名:EBECRYL585
(酸価20)[ダイセルUCB(株)製]50部、N−
ビニルピロリドン/表1に記載した4級ホウ素化合物=
7/1(w/w)混合液4部、マレイン酸/トリエチル
アミン=1/1(化学当量比)中和物3.5部、EBE
CRYL585中の残存酸(pKa1=2.85)の中
和用塩基としてN,N−ジメチルアミノエチルメタアク
リレート2.80部、ジエチルチオキサントン0.5
部、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル1.0部及
び充填材〔タルク(平均粒径10μm) 50部〕を添
加し、高速デゾルバーで15分間撹拌することによって
十分に混練りした。混練り直後のパテ組成物及び混練り
後30℃で1時間暗所保存していたパテ組成物を硬化実
験に用いた。
【0077】(実施例3)塩素化ポリエステル/トリプ
ロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)=6
/4(w/w)混合物 商品名:EBECRYL585
(酸価20)[ダイセルUCB(株)製]50部、N−
ビニル−ε−カプロラクタム/N,N−ジエチルアクリ
ルアミド/表1に記載した4級ホウ素化合物=6/1/
1(w/w/w)混合液4部、EBECRYL585中
の残存酸の中和用塩基としてN,N−ジメチルアミノエ
チルアクリレート2.56部、カンファーキノン0.5
部、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル1.0
部及び充填材〔タルク(平均粒径10μm) 50部〕
を添加し、高速デゾルバーで15分間撹拌することによ
って十分に混練りした。混練り直後のパテ組成物及び混
練り後30℃で1時間暗所保存していたパテ組成物を硬
化実験に用いた。
【0078】(比較例1)p−トルエンスルホン酸1水
和物/N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド=
1/1(化学当量比)中和物3.5部の代わりにp−ト
ルエンスルホン酸2.0部を用いた以外は実施例1と同
様の操作を行おうとした。しかし、混練り直後に硬化が
始まり、可使時間がないことが明らかとなった。
【0079】(比較例2)p−トルエンスルホン酸1水
和物/N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド=
1/1(化学当量比)中和物とEBECRYL585中
の残存酸の中和用塩基を使用しなかった以外は実施例1
と同様の操作を行おうとした。しかし、混練りを開始し
て2分後に硬化が始まり、可使時間がほとんどないこと
が明らかとなった。
【0080】(実施例4)エポキシアクリレート、商品
名:EBECRYL3702[ダイセルUCB(株)
製]35部、イソボルニルアクリレート15部、N−ビ
ニル−N−メチルアセトアミド/表1に記載した4級ホ
ウ素化合物=7/1(w/w)混合液4部、フタル酸/
トリエタノールアミン=1/1(化学当量比)中和物
3.5部と充填材〔タルク(平均粒径10μm) 50
部〕を添加し、高速デゾルバーで15分間撹拌すること
によって十分に混練りした。混練り直後のパテ組成物及
び混練り後30℃で1時間暗所保存していたパテ組成物
を硬化実験に用いた。
【0081】(実施例5)エポキシアクリレート、商品
名:EBECRYL3702[ダイセルUCB(株)
製]35部、イソボルニルアクリレート15部、N−ア
クリロイルモルホリン/N−ビニルアセトアミド/表1
に記載した4級ホウ素化合物=6/1/1(w/w/
w)混合液4部、トリクロル酢酸/ブチルアミン=1/
1(化学当量比)中和物3.5部と充填材〔タルク(平
均粒径10μm) 50部〕を添加し、高速デゾルバー
で15分間撹拌することによって十分に混練りした。混
練り直後のパテ組成物及び混練り後30℃で1時間暗所
保存していたパテ組成物を硬化実験に用いた。
【0082】(比較例3)フタル酸/トリエタノールア
ミン中和物を使用しなかった以外は、実施例4と同様の
操作を行った。
【0083】(実施例6)エポキシアクリレート、商品
名:エポキシエステル3002A[共栄社化学(株)
製]35部、ジシクロペンテニルアクリレート15部、
N−アクリロイルモルホリン/表1に記載した4級ホウ
素化合物=7/1(w/w)混合液4部、マロン酸/
N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド=1
/1(化学当量比)中和物3.5部及び充填材〔タルク
(平均粒径10μm) 50部〕を添加し、高速デゾル
バーで15分間撹拌することによって十分に混練りし
た。混練り直後のパテ組成物及び混練り後30℃で1時
間暗所保存していたパテ組成物を硬化実験に用いた。
【0084】(実施例7)エポキシアクリレート、商品
名:エポキシエステル3002A[共栄社化学(株)
製]35部、ジシクロペンテニルアクリレート15部、
N−ビニルピロリドン/表1に記載した4級ホウ素化合
物=7/1(w/w)混合液4部、マレイン酸/ジエチ
ルアミン=1/1(化学当量比)中和物3.5部及び充
填材〔タルク(平均粒径10μm) 50部〕を添加
し、高速デゾルバーで15分間撹拌することによって十
分に混練りした。混練り直後のパテ組成物及び混練り後
30℃で1時間暗所保存していたパテ組成物を硬化実験
に用いた。
【0085】(実施例8)ウレタンアクリレート、商品
名:TEAI−1000[日本曹達(株)製]25部、
ジシクロペンタニルエチルジアクリレート25部、N−
ビニルピロリドン/N−ビニル−ε−カプロラクタム/
表1に記載した4級ホウ素化合物=1/6/1(w/w
/w)混合液4部、o−ニトロ安息香酸/ピペリジン=
1/1(化学当量比)中和物3.5部及び充填材〔タル
ク(平均粒径10μm) 50部〕を添加し、高速デゾ
ルバーで15分間撹拌することによって十分に混練りし
た。混練り直後のパテ組成物及び混練り後30℃で1時
間暗所保存していたパテ組成物を硬化実験に用いた。
【0086】(実施例9)エポキシアクリレート、商品
名:エポキシエステル3002M[共栄社化学(株)
製]35部、ジシクロペンテニルアクリレート15部、
N−ビニルピロリドン/N−アクリロイルモルホリン/
表1に記載した4級ホウ素化合物=6/1/1(w/w
/w)混合液4部、メタンスルホン酸/N,N−ジメチ
ルアミノエチルアクリレート=1/1(化学当量比)中
和物3.5部、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレ
ート0.42部及び充填材〔タルク(平均粒径10μ
m) 50部〕を添加し、高速デゾルバーで15分間撹
拌することによって十分に混練りした。混練り直後のパ
テ組成物及び混練り後30℃で1時間暗所保存していた
パテ組成物を硬化実験に用いた。
【0087】(比較例4)マロン酸/N,N−ジメチル
アミノプロピルメタクリルアミド=1/1(化学当量
比)中和物を使用しなかった以外は、実施例6と同様の
操作を行った。
【0088】(実施例10)エポキシアクリレート、商
品名:SP−1529X[昭和高分子(株)製]25
部、テトラヒドロフルフリルアクリレート25部、N−
ビニルピロリドン/N−アクリロイルモルホリン/表1
に記載した4級ホウ素化合物=6/1/1(w/w/
w)混合液4部、ベンゼンスルホン酸/トリエタノール
アミン=1/1(化学当量比)中和物3.5部、イソプ
ロピルチオキサントン0.5部、N,N−ジメチルアミ
ノ安息香酸エチル1.0部及び充填材〔ポリスチレンゲ
ル(平均粒径10μm) 50部〕を添加し、高速デゾ
ルバーで15分間撹拌することによって十分に混練りし
た。混練り直後のパテ組成物及び混練り後30℃で1時
間暗所保存していたパテ組成物を硬化実験に用いた。
【0089】(実施例11)エポキシアクリレート、商
品名:SP−1529X[昭和高分子(株)製]25
部、テトラヒドロフルフリルアクリレート25部、N−
アクリロイルモルホリン/表1に記載した4級ホウ素化
合物=7/1(w/w)混合液4部、硫酸/トリエチル
アミン=1/1(化学当量比)中和物3.5部と充填材
〔ポリスチレンゲル(平均粒径10μm) 50部〕を
添加し、高速デゾルバーで15分間撹拌することによっ
て十分に混練りした。混練り直後のパテ組成物及び混練
り後30℃で1時間暗所保存していたパテ組成物を硬化
実験に用いた。
【0090】(比較例5)表1に記載した4級ホウ素化
合物、p−トルエンスルホン酸1水和物/N,N−ジメ
チルアミノエチルアクリルアミド=1/1(化学当量
比)中和物及びEBECRYL585中の残存酸の中和
用塩基を使用せずに、クメンハイドロパーオキサイド1
部、ナフテン酸コバルト(コバルト含量6wt%)1部
を使用したこと以外は実施例1と同様の操作を行おうと
した。しかし、混練りを開始して20分後に硬化が始ま
り、可使時間が少ないことが明らかとなった。
【0091】硬化実験 実施例1〜11及び比較例3,4で製造した組成物を、
深さ1cmの凹型のアルミ板の凹部が埋まるまで充填
し、1.5kWハロゲンランプ(RDS社製)を用い
て、照射距離20cmで10分間照射し、その後室温放
置した後、硬化物をアルミ板からはがし、その後表面
(光照射面)と裏面(光を照射する裏側の面)の硬度を
バーコール硬度計((型式:GYZJ 936) BA
RBER−COLMAN COMPANY社製)で測定
した。その結果を表2に示す。
【0092】
【表2】
【0093】試験塗板の性能試験 試験塗板の作製 実施例1〜11で製造した組成物を、下記に示す各試験
板上に5mm厚になるようにヘラで塗布し、1.5kW
ハロゲンランプを用いて、照射距離20cmで10分間
照射した。得られた試験塗板の性能試験結果を、混練り
直後の組成物を硬化した場合を表3に、混練り後25℃
で1時間暗所保存していた組成物を硬化した場合を表4
に示す。
【0094】
【表3】
【0095】
【表4】
【0096】試験板の作製:アルミ板(日本テストパネ
ル社製,JIS.H.4000)、鉄板(日本テストパ
ネル社製,SPCC−SB)、亜鉛処理板(日本テスト
パネル社製,SPGC)及び電気亜鉛処理板(新日鉄社
製シルバーアロイ)を用い、表面を耐水ペーパー#15
0で軽く研磨して、4種の試験板とした。
【0097】試験方法 乾燥性:試験塗板の表面タック及び内部の硬化を指触
にて調べた。 ○:表面にタックはなく、内部も硬化良好。 △:表面に若干タックはあるものの内部は硬化良好。 ×:表面にタックはないが内部は硬化不良。 ××:表面に若干タックはあり、内部は硬化不良。
【0098】付着性:各試験塗板を中央部より90°
角に折り曲げた際の硬化物の付着性を調べ、次のように
して評価した。 ○:硬化物が完全に付着している。 △:硬化物の付着が50%以上90%未満である。 ×:硬化物の付着が50%未満しかみられない。
【0099】表面研磨性:試験塗板の最表面を耐水ペ
ーパー#150を用いて研磨し、耐水ペーパー#150
の目詰まりのしにくさを比較し、次のようにして評価し
た。 ○:耐水ペーパー#150が目詰まりをまったく起こさ
ない。 △:耐水ペーパー#150が目詰まりを少し起こす。 ×:耐水ペーパー#150の目詰まりが激しく研磨でき
ない。
【0100】内部研磨性:試験塗板の最表面を削除し
た後、最表面より下の面を、耐水ペーパー#150を用
いて研磨し、研磨のしやすさを比較し、次のようにして
評価した。 ○:軽く研磨しても、よくパテ塗膜が削れる。 △:硬化物塗膜が削れるが、研磨がやや重く感じる。 ×:研磨が重く硬化物塗膜がよく削れない。
【0101】耐水性:鉄板(日本テストパネル社製,
SPCC−SB)を試験板に用いて、上記の方法で作製
した試験塗板を耐水ペーパー#240、#150及び#
400の順に研磨し、表面を平滑にした。研磨した硬化
物塗膜上に市販アクリルウレタン塗料(商品名:ハイア
ート イサム塗料社製)をスプレー塗布(乾燥膜厚50
μm)し、常温(20℃)で30分放置後、60℃の乾
燥機で60分乾燥させた。冷却後、ブリスタリングボッ
クス(RH99%、温度50℃)に48時間入れ、塗膜
表面の状態(ブリスター、直径が2mm程度の発泡)及
び90°角に折り曲げた際の硬化物の付着性を調べた。
ブリスターは下記のように評価し、硬化物の付着性は
と同様に行った。 ○:ブリスターの発生なし。 △:塗膜の50%以上にブリスターが発生している。
【0102】さらに、実施例1〜11に使用される4級
ホウ素化合物を溶解した混合液として、混合液の製造後
30℃2年間保存していたものと、実施例1〜11のパ
テ組成物から4級ホウ素化合物を溶解した混合液を除い
た組成物を製造し、30℃2年間保存していたものを混
練りし、パテ組成物を製造した。製造直後のパテ組成物
を硬化した場合には表3とまったく同様の結果に、混練
り後25℃で1時間暗所保存していたパテ組成物を硬化
した場合を表4とまったく同様の結果となった。
【0103】実施例の結果より、厚さ1cmの硬化物の
硬度が表面と裏面共に発現されており、さらに、組成物
の混練り直後の硬化性と、混練り後25℃暗所で1時間
保存後の硬化性が変わらないのは、本発明の実施例のみ
であった。また、表2の結果より、硬化物の性能(乾燥
性、付着性、研磨性、耐水性)が、良好に発現されてい
るのは、本発明の実施例のみであった。さらに、本発明
の実施例を2液に分割して保存した場合には、2年間以
上の安定性を有することもわかった。
【0104】
【発明の効果】本発明により、一般式(1)で表される
4級ホウ素化合物及び酸の塩基中和物の組み合わせから
なる重合開始剤を用い、重合性不飽和化合物、有機及び
/または無機充填材を用いることにより、重合性(重合
速度)と可使時間のバランスに優れたパテに好適な組成
物を提供できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)重合性不飽和化合物 (B)充填材 (C)一般式(1)で表わされる4級ホウ素化合物 一般式(1); 【化1】 (式中R1 、R2 、R3 、及びR4 は、それぞれ独立し
    てアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル
    基、アルキニル基、シリル基、複素環基、またはハロゲ
    ン原子を示し、Z+ は任意のカチオンを示す)及び (D)酸の塩基中和物 を必須成分とするパテ組成物。
  2. 【請求項2】 酸の塩基中和物が、酸のアミン中和物で
    ある請求項1記載のパテ組成物。
  3. 【請求項3】 酸の塩基中和物に用いられる酸の25℃
    の水溶液中での酸解離指数(pKa値)が、10以下で
    あることを特徴とする請求項1〜2記載のパテ組成物。
  4. 【請求項4】 酸の塩基中和物に用いられる酸中和用塩
    基の25℃の水溶液中での塩基解離指数(pKb値)
    が、11以下であることを特徴とする請求項1〜3記載
    のパテ組成物。
  5. 【請求項5】 (A)重合性不飽和化合物と(B)充填
    材の使用比が、重量比で90/10〜10/90である
    請求項1〜4記載のパテ組成物。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002167526A (ja) * 2000-12-01 2002-06-11 Showa Highpolymer Co Ltd パテ又はプライマーサーフェーサー組成物及びその硬化方法
WO2004090054A1 (en) * 2003-04-08 2004-10-21 Specialised Technologies Limited Glazing and bedding compositions
JP2006144000A (ja) * 2004-10-21 2006-06-08 Fuji Photo Film Co Ltd 重合開始剤
JP2008527105A (ja) * 2005-01-04 2008-07-24 ダウ・コーニング・コーポレイション 有機硅素官能基硼素アミン触媒錯体およびこれから調製された硬化可能な組成物
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CN104231710A (zh) * 2014-08-20 2014-12-24 中山艺展装饰工程有限公司 一种具有驱蚊虫功能的室内装饰用的找平腻子

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