JPH11152251A - 新規な脂環式化合物からなる組成物およびその製造方法 - Google Patents

新規な脂環式化合物からなる組成物およびその製造方法

Info

Publication number
JPH11152251A
JPH11152251A JP27381098A JP27381098A JPH11152251A JP H11152251 A JPH11152251 A JP H11152251A JP 27381098 A JP27381098 A JP 27381098A JP 27381098 A JP27381098 A JP 27381098A JP H11152251 A JPH11152251 A JP H11152251A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
acid
compound
embedded image
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP27381098A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3016428B2 (ja
Inventor
Takaaki Fujiwa
高明 藤輪
Shin Takemoto
伸 竹本
Tomohisa Isobe
知久 磯部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP10273810A priority Critical patent/JP3016428B2/ja
Publication of JPH11152251A publication Critical patent/JPH11152251A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3016428B2 publication Critical patent/JP3016428B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応性、強度等に優れた塗料あるいは硬化物
を与えるエポキシ化合物およびその原料を提供するこ
と。 【解決手段】 下記反応による組成物の製造方法、その
エポキシ化組成物。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な脂環式化合物
からなる組成物およびそれらの製造方法に関するもので
ある。これらの組成物は塗料用樹脂の分野において、電
着用塗料、粉体塗料、コーティング剤、ハイソリッド焼
付塗料として用い、優れた特徴を提供する。また低温硬
化性組成物としてポリシロキサン系マクロモノマーおよ
び有機アルミニウムまたは有機ジルコニウムキレート化
合物よりなる硬化反応に添加することにより硬化より外
観の向上および塗膜強度の向上をはかることができる。
また、電材用原料として、絶縁ワニス、LED封止剤、
半導体封止剤等に用いることができる。本発明で得られ
たエポキシ樹脂は酸無水物と触媒の存在下硬化させるこ
とができる。またガラス繊維の収束剤、光硬化エポキシ
等幅広い分野に有用な特徴を提供することができる。
【0002】
【従来の技術】従来より知られている脂環式エポキシお
よびその原料は
【0003】
【化10】
【0004】がよく知られており塗料の添加剤および酸
無水物との反応による硬化による絶縁剤や封止剤等に用
いられている。しかしそれらは塗料としては可とう性に
欠け、また硬化密度が上らないために塗料強度が弱く、
表面の仕上りに問題がある。また、酸無水物との反応物
も硬化強度に限界があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記問題を解
決し、反応性、強度等に優れた塗料あるいは硬化物を与
えるエポキシ化合物およびその原料を提供することを課
題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するため
に鋭意検討を重ねた結果、ラクトン変性された脂環式の
エステル化合物およびそのエポキシ化物が極めて有効な
化合物であることを見出した。またこれらを効率的に製
造する方法を見出し、本発明に到達した。すなわち、本
発明は以下の通りである。 (1)下記反応による組成物の製造方法。
【0007】
【化11】
【0008】(2)下記構造式で表される化合物からな
る組成物
【0009】
【化12】
【0010】をエポキシ化剤を用いて0〜70℃でエポ
キシ化することを特徴とする下記構造式で表される化合
物からなる組成物の製造方法。
【0011】
【化13】
【0012】(3)下記構造式で表わされる化合物から
なる組成物
【0013】
【化14】
【0014】をエポキシ化剤を用いて0〜70℃でエポ
キシ化することを特徴とする下記組成物で表わされる化
合物からなる組成物の製造方法。
【0015】
【化15】
【0016】RaおよびRbは水素、メチル基、エチル基
であるがこれは出発原料のラクトン化合物の種類に依存
して変動する。たとえばε−カプロラクトンを原料とし
た場合、RaおよびRbはすべて水素、β−メチル−δ−
バレロラクトンを用いたときはRaおよびRbはメチル基
および水素、3−エチルカプロラクトンを用いた場合は
aおよびRbはエチル基および水素になる。またcも原
料ラクトンの種類により決まる。たとえば、ε−カプロ
ラクトンの場合c=5、バレロラクトンの場合c=4、
シクロオラタノンラクトンの場合c=7である。L+Mは
付加したラクトンのモル数である。たとえば、いずれか
ラクトンが全く付加していないときはLまたはM=0であ
り、5モル付加のときはL+M=5である。(IV)式で表さ
れる化合物の具体的なものとしてはたとえば以下のよう
な化合物がある。
【0017】
【化16】
【0018】これらの化合物は対応するカルボン酸およ
びまたは酸無水物と3−シクロヘキセンメタノールまた
はそのラクトン変性体とのエステル化反応により得られ
る。たとえば、(III)は
【0019】
【化17】
【0020】
【化18】
【0021】上記(X5)、(X6)、(X7)の少なく
とも1種の構造をもったものあるいはそれとX2との共
重合体であり、次のような方法で得られる。
【0022】
【化19】
【0023】
【化20】
【0024】
【化21】
【0025】
【化22】
【0026】これらの反応は酸無水物とアルコールの付
加反応またはカルボン酸とアルコールとの脱水エステル
化反応である。反応は比較的低温でも進行する。しか
し、工業的に反応を行うには100−250℃である。
酸無水物とアルコールの反応は比較的低温で進行する。
しかしカルボン酸とアルコールの反応は脱水反応で連続
的に反応系より水を除去するこが有利であり、そのため
常圧下では100℃以上が望ましい。また250℃以上
ではラクトンオリゴマー類の分解および製品の着色が著
しく好ましくない。反応は必ずしも触媒を必要としな
い。低温で反応を促進するには酸触媒を必要とするが、
後工程での除去が必要なので好ましくない。反応を促進
することを目的とするならばチタン系触媒を数ppm添
加すればよい。 〔原料〕多官能カルボン酸あるいは酸無水物としてはた
とえば
【0027】
【化23】
【0028】一方、ラクトンモノマーはε−カプロラク
トン、トリメチルカプロラクトン、β−メチル−δ−バ
レロラクトンである。ε−カプロラクトンはシクロヘキ
サノンを過酸によりバイヤービリガー反応で工業的に生
産されている。トリメチルカプロラクトンはイソホロン
の水素化により得ることができ、これを過酸によるバイ
ヤービリガー反応で工業的に生産できる。用いる過酸は
たとえば過ギ酸、過酢酸、過プロピオン酸、過安息香
酸、m−クロロ過安息香酸等の有機カルボン酸、過酸化
水素と酢酸、無水酢酸ないし硫酸によって作られる過酢
酸などが挙げられる。β−メチル−δ−バレロラクトン
は、2−ヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロピランを
原料として製造することができる。
【0029】また、3シクロヘキセン1−メタノールの
ラクトン付加体は3−シクロヘキセンメタノール1モル
に対し所定のラクトンを100−220℃、好ましくは
120−180℃で、スズ、またはチタン、またはタン
グステン系触媒0.1ppm〜1000ppmの範囲で
添加し製造することができる。
【0030】(VIII)式で表されるエポキシ化合物は(II
I)のエステル化合物をエポキシ化することにより得るこ
とができる。(III)式及び(VIII)式において、Ra、Rb
は水素、メチル基、エチル基であるがこれは原料のラク
トンに依存する。たとえばε−カプロラクトンを原料と
した場合Ra、Rbはすべて水素である。また、β−メチ
ル−δ−バレロラクトンを用いたときはRa、Rbはメチ
ル基および水素、3−エチルカプロラクトンを用いた場
合はRa、Rbはエチル基および水素になる。エポキシ化
された化合物は、たとえば以下のようなものである。
【0031】
【化24】
【0032】エポキシ化する場合のエポキシ化剤として
は過酸または種々のハイドロパーオキサイド類を用いる
ことができる。たとえば、過酸としては過ギ酸、過酸
酸、過プロピオン酸、過安息香酸、トリフルオロ過酢酸
等がある。このうち過酢酸は工業的に大量に製造されて
おり、安価に入手でき、安定度も高いので好ましいエポ
キシエポキシ化剤である。ハイドロパーオキサイド類と
しては過酸化水素、ターシャリブチルハイドロパーオキ
サイド、クメンパーオキサイド、メタクロロ過安息香酸
等がある。エポキシ化の際には必要に応じて触媒を用い
ることができる。例えば、過酸の場合、炭酸ソーダ等の
アルカリや硫酸などの酸を触媒として用い得る。また、
ハイドロパーオキサイド類の場合、タングステン酸と苛
性ソーダの混合物を過酸化水素と、あるいは有機酸を過
酸化水素と、あるいはモリブデンヘキサカルボニルをタ
ーシャリブチルハイドロパーオキサイドと併用して触媒
効果を得ることができる。
【0033】〔反応条件〕エポキシ化反応は、装置や原
料物性に応じて溶媒使用の有無や反応温度を調節して行
なう。用いるエポキシ化剤の反応性によって使用できる
反応温度域は定まる。好ましいエポキシ化剤である過酢
酸についていえば0〜70℃の範囲が好ましい。0℃未
満では反応が遅く、70℃を超える温度では過酢酸の分
解がおきる。また、ハイドロパーオキサイドの1例であ
るターシャルブチルハイドロパーオキサイド/モリブデ
ン二酸化物ジアセチルアセトナート系では同じ理由で2
0℃〜150℃が好ましい。溶媒は原料粘度の低下、エ
ポキシ化剤の希釈による安定化などの目的で使用するこ
とができる。過酢酸の場合であれば芳香族化合物、エー
テル化合物およびエステル化合物等を用い得る。特に酢
酸エチルあるいはキシレンは好ましい溶媒である。たと
えば過酸の場合、炭酸ソーダなどのアルカリや硫酸など
の酸も触媒として用い得る。
【0034】不飽和結合に対するエポキシ化剤の仕込み
モル比は不飽和結合をどれくらい残存させたいかなどの
目的に応じて変化させることができる。エポキシ基が多
い化合物が目的の場合、エポキシ化剤は不飽和基に対し
て等モルかそれ以上加えるのが好ましい。ただし、経済
性、および次に述べる副反応の問題から10倍モルを超
えることは通常不利であり、過酢酸の場合1〜5倍モル
が好ましい。
【0035】エポキシ化反応の条件によって二重結合の
エポキシ化と同時に原料中の置換基がエポキシ化剤と副
反応を起こした結果、変性された置換基が生じ、目的化
合物中に含まれてくる。しかし得られた製品中に微量の
副生物が混入し、色相あるいは酸価に悪影響を生じるこ
とがある。これを防止するために以下の添加剤少なくと
も1種類添加できる。リン酸、リン酸−カリウム、リン
酸−ナトリウム、リン酸水素アンモニウムナトリウム、
ピロリン酸、ピロリン酸カリ、ピロリン酸ナトリウム、
2−エチルヘキシルピロリン酸ナトリウム、2−エチル
ヘキシルピロリン酸カリウム、2−エチルヘキシルトリ
ポリリン酸ナトリウム、2−エチルヘキシルトリポリリ
ン酸カリウム、2−エチルヘキシルテトラポリリン酸ナ
トリウム、2−エチルヘキシルテトラポリリン酸カリウ
ム。添加量は反応粗液中10ppm〜10000pp
m、好ましくは50ppm〜1000ppmである。こ
れらの添加効果としては一般に反応器あるいは原料等か
ら混入した金属等をキレート化し不活性化する作用であ
ると考えられる。
【0036】〔精製〕生成物は種々の方法で分離を行う
ことができる。得られた反応粗液はそのまま溶媒等を留
去し、これを製品とすることもできる。脱低沸条件は5
0℃〜200℃、好ましくは80〜160℃である。ま
た、各溶剤類の沸点に応じ減圧度を調整して反応させる
ことができる。本反応においても微量不純物を生成する
のでこれを除去するために水洗を行うことは好ましい。
水洗を行うにあたり、反応粗液にベンゼン、トルエン、
キシレン等の芳香族化合物あるいはヘキサン、ヘプタ
ン、オクタンの様な炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル
等のエステル類を用いることができる。水洗量は反応粗
液容積の0.1〜10倍、好ましくは1〜5倍である。
また、微量の酸を除くためにアルカリ水溶液で洗浄にさ
らに水で洗浄することも有効な方法である。用いるアル
カリ水溶液としては例えばNaOH、KOH、K2
3、Na2CO3、NaHCO3、KHCO3、NH3など
のようなアルカリ性物質の水溶液を使用することができ
る。使用する際の濃度はひろい範囲で自由に選択するこ
とができる。アルカリ水洗および水洗は10〜90℃、
好ましくは10〜50℃の温度範囲で行うのがよい。水
洗した液を2層に分離させた後有機層を取り出し、脱低
沸させ製品を取り出すことができる。脱低沸は50〜2
00℃、好ましくは80〜160℃であり、各溶剤類の
沸点に応じ減圧度を調節して行うことができる。
【0037】反応は連続あるいはバッチのいかなる方法
でも行うことができる。バッチ方式の場合は原料および
添加剤を反応器に投入した後エポキシ化剤を滴下して行
く方法がよい。これを水洗する場合、水洗後2層に水離
し有機層を蒸発器で蒸発させ製品化する。連続で行う場
合、原料とエポキシ化剤、添加剤を反応器に連続で仕込
み連続で抜き取ることができる。反応器は完全混合槽、
ピストンフロー型等いかなるタイプでもよい。得られた
生成物は(VIII)を主成分とした組成物である。一方ラク
トン化合物としてβ−メチル−δ−バレロラクトンを用
いた場合、ε−カプロラクトンの
【0038】
【化25】
【0039】の構造を有したものとなる。また、トリメ
チルカプロラクトンには3,3,5トリメチルカプロラ
クトンと3,5,5トリメチルカプロラクトンがあり、
【0040】
【化26】
【0041】の構造を有したものとなる。また、ε−カ
プロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン、トリ
メチルカプロラクトンを混合して用いる場合各々の構造
の共重合体となる。各々のラクトンを用いた場合の組成
物はε−カプロラクトンの場合と同ようになる。本発明
の多官能脂環式エポキシ樹脂は、従来の脂環式エポキシ
樹脂に比べ1分子中のエポキシ基の濃度が高く、かつ、
硬いものから軟らかいものまで用途に合せて任意に選べ
るため、種々な要求物性に対応することができる。
【0042】また、脂環エポキシ基は酸との反応が極め
て有効であるため、カルボン酸を有する種々の硬化剤、
あるいは樹脂との組合わせにより種々なコーティングや
成型物に利用できる。例えば、カルボキシル基を有する
ポリエステル樹脂、あるいはアクリル樹脂の硬化剤とし
て用いることにより、極めて耐候性、耐酸性に富んだコ
ーティングを与えることができる。また、脂環式エポキ
シ基は、カチオン性物質によって極めて重合しやすい性
質があるため、光カチオン重合性コーティングにも用い
ることができる。また、カチオン性のシラノール性OH
基を有する樹脂または硬化剤と組合わせることにより、
コーティングを得ることも出来る。また、塩素を脱離し
やすい樹脂等の安定剤としても有効である。このように
本発明の新しい多官能脂環式エポキシ樹脂は、産業界で
極めて有用なものである。以下、例をあげて本発明を説
明する。
【0043】合成例−1(原料A) 攪拌器、コンデンサー、N2導入管をそなえた2リット
ル反応器に3−シクロヘキセンメタノール991.0g
r、ε−カプロラクトン1006.0grを仕込んだ。
これに塩化スズ2.0gr(1%ε−カプロラクトン溶
液)を加えた。N2下170℃に2時間かけて昇温し
た。これを7時間継続した後、室温に冷却した。ガスク
ロマトグラフィーにて残存ε−カプロラクトンを分析し
たところ0.15%であった。
【0044】合成例−2(原料B) 3−シクロヘキセンメタノール660.7gr,ε−カ
プロラクトン1341.3grを仕込んだ以外は合成例
−1と同じ条件で行った。ガスクロマトグラフィーにて
残存ε−カプロラクトンを分析したところ0.10%で
あった。
【0045】実施例−1 脱水管、攪拌器をそなえた5リットル反応器にテトラヒ
ドロ無水フタル酸1400gr,3−シクロヘキセンメ
タノール2267gr,合成例−2の方法で得た化合物
1566grを仕込んだ。約3時間かけ150℃まで反
応温度を上昇させた。反応系は均一になり水が留出しだ
した。次に約3時間で220℃まで反応温度を上げた。
220℃で50時間反応させた後140℃まで温度を下
げた。次に1〜10mmHgで過剰のシクロヘキセンメ
タノールを留去した。酸価は2.90,粘度は107c
p(45℃),429cp(25℃)であった。GP
C、NMR、IRは以下の通りであった。1H−NMR
スペクトル(第1図)において、二重結合に結合する水
素は一重線δ5.67(Ha)、酸素に隣接するメチレ
ン水素は多重線δ3.9〜4.2(Hb、Hc)に帰属で
きる。また酸プロトンのシグナルはみられなかった。I
Rスペクトル(第2図)では、1730cm-1にカルボ
ニル基の吸収、3090cm-1、1647cm-1、10
12cm-1、653cm-1に二重結合に起因する吸収が
みられた。また3500cm-1付近のOH基の吸収は消
失した。GPCではε−カプロラクトンが付加していな
いもの(n=0)、1モル付加体(n=1)、2モル付
加体(n=2、3、4・・・・)の分布をもつ混合物
(第3図)であった。以上の結果よりこの生成物は下記
構造式で表わされる。
【0046】
【化27】
【0047】実施例−2 テトラヒドロ無水フタル酸1141gr,3シクロヘキ
セン1−メタノール1431gr,合成例−2で得た化
合物2554grを加え反応させた他は実施例−1と同
様に行った。酸価は1.0,粘度は92cp(45
℃),303cp(25℃)であった。GPC、NM
R、IRは以下の通りであった。1H−NMRスペクト
ル(第4図)において、二重結合に結合する水素は一重
線δ5.67(Ha)、酸素に隣接するメチレン水素は
多重線δ3.9〜4.2(Hb、Hc)に帰属できる。ま
た酸プロトンのシグナルはみられなかった。IRスペク
トル(第5図)では、1730cm-1にカルボニル基の
吸収、3140cm-1、1683cm-1、652cm-1
に二重結合に起因する吸収がみられた。また、3500
cm-1付近のOH基の吸収は消失した。GPCではε−
カプロラクトンが付加していないもの(n=0)、1モ
ル付加体(n=1)、2モル付加体(n=2、3、4・
・・・)の分布をもつ混合物(第6図)であった。以上
の結果よりこの生成物は下記構造式で表わされる。
【0048】
【化28】
【0049】実施例−3 コンデンサー、過酢酸仕込口、N2導入管を備えたジャ
ケット付き10リットル反応器に、実施例−1で得た化
合物を770.6gr仕込んだ。次に過酢酸(30%)
1459.0grにピロリン酸カリウム2.9grを加
えた。その後40℃に反応温度を保持しながら約3時間
で過酢酸溶液を滴下した。これを40℃で3時間保持し
た。次に1100リットル過酢酸エチルを追加し、25
00grの精製水を加え30分攪拌し(40℃)<30
分静置して、2層に分離してから下層を抜き取った。さ
らに精製水2500grを加え30分攪拌(40℃)3
0分静置し、下層を抜き取った。さらに同操作を行った
後、得られた上層液を薄膜式蒸発器に150℃20〜5
0mmHgで300cc/hで仕込んだ。生成物は78
0.0grであった。性状は以下の通りだった。APH
Aは30,オキシラン酸素濃度は8.0,酸価は1.0
mgKOH/gであった。1H−NMRスペクトル(第
7図)において、エポキシ環のメチン水素は、多重線δ
3.0〜3.3(Ha)、酸素に隣接するメチレン水素
は多重線δ3.8〜4.2(Hb、Hc)に帰属できる。
IRスペクトル(第8図)では、1722cm-1にカル
ボニル基の吸収、1250cm-1、892cm-1784
cm-1にエポキシ環に起因する吸収がみられた。また、
GPCではε−カプロラクトンが付加していないもの
(n=0)、1モル付加体(n=1)、2モル付加体
(n=2、3、4・・・・)の分布をもつ混合物(第9
図)であった。以上の結果よりこの生成物は下記構造式
で表わされる。
【0050】
【化29】
【0051】実施例−4 実施例−2で得た化合物733.3gr、過酢酸114
0gr,ピロリン酸カリウム2.2grを用いた他は実
施例−3と同様に行った。得られた生成物は720.0
grだった。得られた製品の性状は以下の通りだった。
APHAは20,オキシラン酸素濃度は7.0(%),
酸価は0.9(mgKOH/g),粘度は302cp
(70℃)であり、NMR、IR、GPC分析は以下の
通りだった。1H−NMRスペクトル(第10図)にお
いて、エポキシ環のメチン水素は、多重線δ3.0〜
3.3(Ha)、酸素に隣接するメチレン水素は多重線
δ3.8〜4.2(Hb、Hc)に帰属できる。IRスペ
クトル(第11図)では、1723cm-1にカルボニル
基の吸収、1249cm-1、896cm-1、783cm
-1にエポキシ環に起因する吸収がみられた。また、GP
C(第12図)ではε−カプロラクトンが付加していな
いもの(n=0)、1モル付加体(n=1)、2モル付
加体(n=2、3、4・・・・)の分布をもつ混合物で
あった。以上の結果よりこの生成物は下記構造式で表わ
される。
【0052】
【化30】
【0053】
【発明の効果】以上の説明および実施例等の結果から、
新規な脂環式化合物からなる組成物およびそれらの製造
方法が得られた。これらの組成物は塗料用樹脂の分野に
おいて優れた特徴を提供し、また低温硬化性組成物とし
て硬化反応に添加することにより硬化より外観の向上お
よび塗膜強度の向上をはかることができようになった。
また、電材用原料としての絶縁ワニス等に用いることが
できる。本発明で得られたエポキシ樹脂は酸無水物と触
媒の存在下硬化させることができる。またガラス繊維の
収束剤、光硬化エポキシ等幅広い分野に有用な効果を得
ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例−1において得られた化合物のNMR
のチャート。
【図2】 同IRスペクトルのチャート。
【図3】 同GPCのチャート。
【図4】 実施例−2において得られた化合物のNMR
のチャート。
【図5】 同IRスペクトルのチャート。
【図6】 同GPCのチャート。
【図7】 実施例−3において得られた化合物のNMR
のチャート。
【図8】 同IRスペクトルのチャート。
【図9】 同GPCのチャート。
【図10】実施例−4において得られた化合物のNMR
のチャート。
【図11】同IRスペクトルのチャート。
【図12】同GPCのチャート。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記構造式で表される化合物からなる組
    成物。 【化1】
  2. 【請求項2】 組成物が下記構造式で表される化合物か
    らなる請求項1に記載の組成物。 【化2】
  3. 【請求項3】 下記反応による組成物の製造方法。 【化3】
  4. 【請求項4】 下記構造式で表される化合物からなる組
    成物の製造方法。 【化4】
  5. 【請求項5】 化合物が下記構造式で表される化合物で
    ある請求項4に記載の組成物。 【化5】
  6. 【請求項6】 下記構造式で表わされる化合物からなる
    組成物 【化6】 をエポキシ化剤を用いて0〜70℃でエポキシ化するこ
    とを特徴とする 【化7】 で表わされる化合物からなる組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】 下記構造式で表わされる化合物からなる
    組成物 【化8】 をエポキシ化剤を用いて0〜70℃でエポキシ化するこ
    とを特徴とする組成物 【化9】 で表わされる化合物からなる組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】 エポキシ化の際、添加剤リン酸、リン酸
    カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素アンモニウ
    ム,ピロリン酸、ピロリン酸カリウム、ピロリン酸ナト
    リウム、ピロリン酸2−エチルヘキシルエステル、ピロ
    リン酸カリウム2−エチルヘキシルエステル、ピロリン
    酸ナトリウム−2−エチルヘキシルエステル、トリポリ
    リン酸、トリポリリン酸カリウムおよびトリポリリン酸
    ナトリウムの中から選ばれる少なくとも1種を加えるこ
    とを特徴とする請求項6または7に記載の組成物の製造
    方法。
JP10273810A 1998-09-28 1998-09-28 新規な脂環式化合物からなる組成物およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3016428B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10273810A JP3016428B2 (ja) 1998-09-28 1998-09-28 新規な脂環式化合物からなる組成物およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10273810A JP3016428B2 (ja) 1998-09-28 1998-09-28 新規な脂環式化合物からなる組成物およびその製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18212490A Division JP2926262B2 (ja) 1990-07-10 1990-07-10 新規な脂環式化合物からなる組成物およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11152251A true JPH11152251A (ja) 1999-06-08
JP3016428B2 JP3016428B2 (ja) 2000-03-06

Family

ID=17532889

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10273810A Expired - Fee Related JP3016428B2 (ja) 1998-09-28 1998-09-28 新規な脂環式化合物からなる組成物およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3016428B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013506733A (ja) * 2009-09-30 2013-02-28 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー エポキシ樹脂組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013506733A (ja) * 2009-09-30 2013-02-28 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー エポキシ樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP3016428B2 (ja) 2000-03-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2926262B2 (ja) 新規な脂環式化合物からなる組成物およびその製造方法
US4565859A (en) Polyether compounds, epoxy resins, epoxy resin compositions, and processes for production thereof
US5378736A (en) Composition comprising novel alicyclic compound, process for preparation thereof, curable composition, and photo-polymerizable composition
US5494977A (en) Compositions, epoxized compositions, a heat curable resin composition, an epoxy resin composition, radically polymerized compositions, a curable resin composition and a polymer having epoxy groups
JP4663893B2 (ja) エポキシ化合物の製造方法
JPH0822902B2 (ja) エポキシ樹脂の製造方法
WO2006073093A1 (ja) 高純度脂環式ジエポキシ化合物およびその製造方法
JP2004099467A (ja) 脂環式エポキシ化合物の製造方法
WO2005090325A1 (ja) 高純度脂環式 エポキシ化合物、その製造方法、硬化性エポキシ樹脂組成物、その硬化物、および用途
EP0466596B1 (en) Lactone-modified alicyclic composition, and an epoxidized composition thereof
US5198509A (en) Lactone-modified alicyclic composition and an epoxidized composition thereof
EP0466942B1 (en) Composition comprising epoxy compounds having hydroxyl group and process for producing the same
JP3016428B2 (ja) 新規な脂環式化合物からなる組成物およびその製造方法
JP2004182648A (ja) 脂環式ジエポキシ化合物の製造方法
JP2006052187A (ja) 脂環式オレフィン化合物および脂環式エポキシ化合物の製造方法
JP2906275B2 (ja) 新規な脂環式化合物からなる組成物およびその製造法
JP4004127B2 (ja) ビニル基含有脂環式アクリレート系化合物及びエポキシ基含有脂環式アクリレート系化合物の製造方法
JPS62135467A (ja) エポキシ樹脂の製造方法
US3247137A (en) Polymer of a monoepoxy alcohol and reaction products thereof
JP2006151900A (ja) 脂環式エポキシ(メタ)アクリレート及びその製造方法
JP2916487B2 (ja) ポリエーテル化合物およびエポキシ樹脂
JP2884255B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
JPH03123775A (ja) エポキシ化合物の製造方法
JP2005343868A (ja) ジエポキシ化シュウ酸エステル化合物の製造方法
JPS62187720A (ja) エポキシ樹脂治工具

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071224

Year of fee payment: 8

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071224

Year of fee payment: 8

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081224

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees