JPH1115040A - セクタ開閉装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ステップモータの正逆転で開閉されるセクタ
装置で開口量が大きい時の閉鎖時間を短縮する。 【解決手段】 ステップモータ１４の回転は連結ギア１
５を介してセクタ１２，１３に伝達され，ステップモー
タ１４の正転時に開口ＡＰが開口され，モータ１４の逆
転時に閉鎖する。モータの回転をセクタ１２，１３に伝
達する連結ギア１５はスプリング１６により初期位置に
向けて付勢されており，開口動作時には連結ギア１５は
スプリング１６をチャージしながら回転する。従って，
開口径が増大するほどスプリング１６のチャージ力量も
増大する。ステップモータの逆転時に逆転パルスのパル
ス時間幅を短縮するとセクタ閉鎖速度は上昇するがモー
タ力量が減少する。しかしながら本発明の場合にはモー
タ力量の減少をスプリング１６のチャージ力量の増大が
補完するので逆転パルスの時間幅を減少させてもモータ
は脱調することなく急峻に閉鎖駆動を行うことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はステップモータを駆
動源としてスチルカメラの露出用開口を開閉するために
使用されるセクタ開閉装置に関し，特にデジタルカメラ
の様に露出精度が高度に要求されるスチルカメラに最適
なセクタ開閉装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来よりステップモータ等の電動式のア
クチュエータを駆動源として露出用開口を開閉するセク
タ開閉装置が知られている。

【０００３】図７は従来より知られた該種セクタ開閉装
置の一例を示す平面図であり，露出用開口ＡＰが形成さ
れた地板１にはセクタ係合用のピン１ａ，１ｂ，１ｃ，
１ｄが植設されている。又，２は第１のセクタであり，
第１のセクタ２に平行に形成されたガイド溝２ａ，２
ｂ，２ｃには各々ピン１ａ，１ｂ，１ｃが係合されてお
り，第１のセクタ２は各ガイド溝２ａ，２ｂ，２ｃに沿
った方向に走行可能である。同様に３は第２のセクタで
あり，第２のセクタ３に平行に形成されたガイド溝３
ａ，３ｃ，３ｄには各々ピン１ａ，１ｃ，１ｄが係合さ
れており，第２のセクタ３は各ガイド溝３ａ，３ｃ，３
ｄに沿った方向に走行可能である。

【０００４】第１のセクタ２には開口形成縁２ｅが形成
されており，第１のセクタ２が図面上で上方に走行する
時に開口形成縁２ｅが露出用開口ＡＰと重なって露出用
開口ＡＰを開口する。同様に第２のセクタ３には開口形
成縁３ｅが形成されており，第２のセクタ３が図面上で
下方に走行する時に開口形成縁３ｅが露出用開口ＡＰと
重なって露出用開口ＡＰを開口する。開口形成縁２ｅと
３ｅは図６示す初期状態において露出用開口ＡＰの中心
点を中心として上下対称形状に形成されており，従って
第１のセクタ２の上方への走行量と第２のセクタ３の下
方への走行量とが等しいときに露出用開口ＡＰは開口形
成縁２ｅ，３ｅによって円近似に開口することになる。

【０００５】図中４は第１のセクタ２及び第２のセクタ
３に対して駆動力を与えるためのアイリスモータであ
り，アイリスモータ４はその回転軸４ａがセクタ２，３
の走行動作線上に配置され，回転軸４ａには回動アーム
４ｂが取り付けられている。回動アーム４ｂの両端部に
は回転中心から等間隔で係合ピン４ｃ，４ｄが設けられ
ており，係合ピン４ｃはセクタ２に形成された係合孔２
ｆと，係合ピン４ｄはセクタ３に形成された係合孔３ｆ
と各々係合している。従って，図６に示す状態からアイ
リスモータ４に通電して回動アーム４ｂを所定角度（図
示の例では約７５度）反時計方向に回動させると，係合
ピン４ｃが係合孔２ｆを係合しながらセクタ２を上方に
走行させるとともに係合ピン４てが係合孔３ｆを係合し
ながらセクタ３を下方に走行させるので，露出用開口Ａ
Ｐは開口形成縁２ｅ，３ｅによって開口される。その後
アイリスモータ４に逆通電して回動アーム４ｂを図７の
初期位置に復帰させるとセクタ２，３も初期位置に復帰
して露出用開口ＡＰがセクタ２，３によって遮蔽され
る。

【０００６】次に，図８は図７の変形的な態様であり，
同一の要素に関しては同一符号を付して重複した説明は
省略するが，セクタ２，３には各々ラック２ｇ，３ｇが
形成され，ステップモータ５の出力ピニオン５ａがラッ
ク２ｇ，３ｇと各々歯合している。この図８に示す従来
例も図８に示す状態からステップモータ５の出力ピニオ
ン５ａを反時計廻りに回転させるとセクタ２が上方に走
行するとともにセクタ３が下方に走行して露出用開口Ａ
Ｐは開口形成縁２ｅ，３ｅによって開口され，ステップ
モータ５の出力ピニオン５ａを時計廻りに回転させてセ
クタ２，３を初期位置に復帰させると露出開口ＡＰがセ
クタ２，３によって遮蔽される。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】さて，上述の従来技術
のうち図７に示す例の場合にはモータへの通電方向によ
って露出開口を開閉するものであるが，この様な例の場
合にはセクタの開閉制御及び露出秒時の制御を行うこと
は容易であるが，セクタの開口径の制御を行うことは困
難であるという問題がある。又，図８に示す方式の場合
にはモータが一方に回転する時の回転量によって開口径
を制御し，モータが一方に回転してから他方に回転する
までの時間差によって露出秒時を制御することが可能と
なるが，同一の露出秒時を得たい場合であっても開口径
が大きくなるほど，閉鎖動作を開始してから閉鎖動作が
完了するまでの時間が長期化し，露出過剰になるという
問題があり，特に近年普及してきたデジタルカメラの様
に露出許容度が狭いカメラではこの露出誤差が無視でき
なくなっているという問題がある。更に，この図８に示
す様にモータの出力ピニオン５ａをセクタ２，３と直接
歯合させた場合，モータ５のステップ回転毎のセクタ
２，３の走行量が一定量になってしまうため，例えば２
の平方根の等比数列的に口径値を制御をしようとした場
合には開口形成縁２ｅ，３ｅの形状の設計が極めて困難
なものとなってしまうという問題も生じる。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明はこの様な問題点
を解決するためになされたものであり，セクタに形成さ
れる開口形成縁の設計の自由度を向上させるとともに，
セクタの開口径に関わりなく安定した露出秒時を得るこ
とが可能となるセクタ開閉装置を提供することを目的と
する。要約すれば請求項１に係るセクタ開閉装置は：正
逆回転可能なステップモータ１４と：初期位置から一方
に作動する過程で露出用開口を作動量に応じて開口し，
初期位置に向けて復帰作動する過程で前記露出用開口を
遮蔽する複数枚構成のセクタ１２，１３と：前記ステッ
プモータの回転を前記セクタに伝達する動力伝達部材
（例えば，連結ギア１５）と：前記セクタを閉鎖方向に
付勢する付勢手段（例えば，スプリング１６）とを具備
する。又，請求項２に係るセクタ開閉装置は：正逆回転
可能なステップモータ１４と：各々が開口形成縁１２
ｅ，１３ｅを有し，露出用開口ＡＰを含む直線的な軌跡
上を走行可能に支持され，相互に逆方向に走行すること
により前記各々の開口形成縁１２ｅ，１３ｅが前記露出
用開口を開閉可能な第１及び第２のセクタ１２，１３
と：前記第１及び第２セクタ１２，１３の走行動作線上
に前記ステップモータ１４の回転が伝達されることによ
り前記露出用開口ＡＰと干渉することなく所定の角度範
囲で回動可能に支持され，前記第１のセクタ１２と係合
され一方に回転することにより回転角度に応じて該第１
のセクタ１２を一方に走行させる第１の係合ピン１５ｃ
と，前記第２のセクタ１３と係合され一方に回転するこ
とにより回転角度に応じて該第２のセクタ１３を前記第
１のセクタ１２とは逆方向に走行させる第２の係合ピン
１５ｄとを有する動力伝達部材（例えば，連結ギア１
５）と：該動力伝達部材（例えば，連結ギア１５）を前
記第１及び第２のセクタ１２，１３が前記露出用開口Ａ
Ｐを閉鎖する方向に付勢する付勢手段（例えばスプリン
グ１６）とを具備する。又，請求項３に係るセクタ開閉
装置は：請求項２に係るセクタ開閉装置を前提として：
前記第１の係合ピン１５ｃと前記第１のセクタ１２とが
カム接続され，前記第２の係合ピン１５ｄと前記第２の
セクタ１３とがカム接続されたことを特徴とする。更
に，請求項４に係るセクタ開閉装置は：請求項２又は請
求項３に係るセクタ開閉装置を前提として：前記ステッ
プモータ１４に対して目標の口径位置に応じた数の正転
パルスを供給した後に初期位置に復帰し得る数で且つ正
転パルス数の増加に対応してパルス時間が短縮された逆
転パルスを供給するモータ制御手段（例えば制御装置２
４）を具備することを特徴としている。

【０００９】請求項１から請求項３によればステップモ
ータの１ステップ角当たりのセクタ部材の走行量を自由
に設定出来るので，開口形成縁の設計の自由度が増すこ
とになる。又，請求項４によれば逆転パルスのパルス時
間幅を短縮した場合にはステップモータの１ステップ毎
の力量は減少するが，ステップモータの正転動作は付勢
手段をチャージしながら実行され，付勢手段のチャージ
力量はステップモータの正転ステップ数の増大に伴って
増大する。従って，ステップモータの正転量が多くなる
ほど逆転パルスのパルス時間幅を減少させてもモータト
ルクの減少を付勢手段の力量増大が補完し，脱調等を生
じることなく短時間に閉鎖動作を行うことが出来る。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態を詳細に説明する。図１は本発明の実施形態に係
るセクタ開閉装置の初期状態における平面図であり，１
１は地板を示し，地板１１には露出用開口ＡＰが形成さ
れるとともに後述のセクタを係合するためのピン１１
ａ，１１ｂ，１１ｃ，１１ｄが植設されている。又，１
２は第１のセクタであり，第１のセクタ１２に平行に形
成されたガイド溝１２ａ，１２ｂ，１２ｃには各々ピン
１１ａ，１１ｂ，１１ｃが係合されており，第１のセク
タ１２は各ガイド溝１２ａ，１２ｂ，１２ｃに沿った方
向に走行可能である。同様に１３は第２のセクタであ
り，第２のセクタ１３に平行に形成されたガイド溝１３
ａ，１３ｃ，１３ｄには各々ピン１１ａ，１１ｃ，１１
ｄが係合されており，第２のセクタ１３は各ガイド溝１
３ａ，１３ｃ，１３ｄに沿った方向に走行可能である。

【００１１】第１のセクタ１２には開口形成縁１２ｅが
形成されており，第１のセクタ１２が図面上で上方に走
行する時に開口形成縁１２ｅが露出用開口ＡＰと重なっ
て露出用開口ＡＰを開口する。同様に第２のセクタ１３
には開口形成縁１３ｅが形成されており，第２のセクタ
１３が図面上で下方に走行する時に開口形成縁１３ｅが
露出用開口ＡＰと重なって露出用開口ＡＰを開口する。
開口形成縁１２ｅと１３ｅは図１に示す初期状態におい
て露出用開口ＡＰの中心点を中心として上下対称形状に
形成されており，従って第１のセクタ１２の上方への走
行量と第２のセクタ１３の下方への走行量とが等しいと
きに露出用開口ＡＰは開口形成縁１２ｅ，１３ｅによっ
て円近似に開口することになる。

【００１２】次に，１４は駆動源となるステップモータ
であり，ステップモータ１４の回転軸にはピニオン１４
ａが固着されており，ステップモータ１４に駆動パルス
を供給すると駆動パルスの位相順序に対応してピニオン
１４ａは正逆両方向にステップ回転する。次に，１５は
動力伝達部材の一例となる連結ギアであり，連結擬圧１
５は軸１５ａに回転可能に支持されるとともに外縁に形
成されたラック１５ｂがピニオン１４ａと歯合してい
る。連結ギア１５には第１のセクタ１２を駆動するため
の第１の係合ピン１５ｃ及び第２セクタ１３を駆動する
ための第２係合ピン１５ｄが各々形成されており，第１
の係合ピン１５ｃは第１のセクタ１２に形成されたカム
溝１２ｆと係合し第２の係合ピン１５ｄは第２セクタ１
３形成されたカム溝１３ｆと係合している。尚，図示す
る実施形態ではカム溝１２ｆ及びカム溝１３ｆは単純な
長孔である例を示しているが，所望される開口特性に応
じてカム溝１２ｆ，１３ｆには任意形状のカム縁を与え
ることが可能である。図示する実施形態ではピニオン１
４ａを時計廻りに回転させることにより連結ギア１５を
反時計廻りに回転させると係合ピン１５ｃはカム溝１２
ｆを係合しながら第１のセクタ１２を上方に移動させる
とともに係合ピン１５ｄはカム溝１３ｆを係合しながら
第２のセクタ１３を下方に移動させ，その結果として露
出用開口ＡＰは開口形成縁１２ｅ，１３ｅによって円近
似に開口することになる。

【００１３】次に，１６，１７，１８は各々スプリング
を示している。スプリング１６は付勢手段を構成するも
のであり，連結ギア１５と地板１１間に張架され，連結
ギア１５に対して右旋習性を与えている。又，スプリン
グ１７は連結ギア１５と第１のセクタ１２間に張架さ
れ，第１のセクタ１２を連結ギア１５に対してガタ寄せ
している。同様に，スプリング１８は連結ギア１５と第
２のセクタ１３間に張架され，第２のセクタ１３を連結
ギア１５に対してガタ寄せしている。又，１９は位置検
出用のフォトリフレクタであり，初期状態においては連
結ギア１５に形成された検出片１５ｅによってフォトリ
フレクタ１９の光路が遮蔽されているが連結ギア１５が
反時計方向に所定角度回転するとフォトリフレクタ１９
の光路は検出片１５ｅから解放される。

【００１４】次に，図２は制御系のブロック図であり，
１４は既述のステップモータ，１９は既述のフォトイン
タラプタを各々示す。又，２０は公知の測光回路，２１
はシャッタレリーズスイッチ，２２及び２３はステップ
モータ１４に対して駆動パルスを供給するドライバ，２
４は制御装置，２５はデータテーブルであり，被写界輝
度に対応してステップモータ１に対して供給する駆動パ
ルスを制御するためのデータが格納されている。より詳
細には，ステップモータ１４に対して供給する正転パル
ス数を示すデータ（即ち，口径値に対応したデータ），
ステップモータ１４に対して正転パルスを供給してから
逆転パルスを供給するまでの時間を示すデータ（露出秒
時に関与するデータ），ステップモータ１４に対して供
給する逆転パルスのパルス時間幅を示すデータ等が格納
されている。特にステップモータ１４に対して供給され
る逆転パルスのパルス時間幅を示すデータがデータテー
ブル２５中に格納された点は本実施形態を特徴付けるも
のであり，後に詳述するがデータテーブル２５中には逆
転パルスのパルス時間幅が正転パルス数に概ね反比例し
て短くなるデータが格納されている。又，２６は撮像光
学系から入力された画像信号を処理する画像処理装置で
ある。

【００１５】次に，上記事項，図３に示すタイムチャー
ト，図４に示すフローチャートチャート及び図７並びに
図８の状態変化を示す平面図を参照して上記実施形態の
動作を説明する。尚，図３に示すタイムチャートは横軸
に時間，縦軸にセクタ１２の位置を示している。先ず，
初期状態において機構部材は図１に示す状態におかれて
おり，シャッタレリーズスイッチ２１がメークすること
により処理は開始される（フローチャートのＳ０，タイ
ムチャートのｔ０）。尚，以下においてはフローチャー
トのステップはＳで，タイムチャートのタイミングはｔ
で示す。

【００１６】シャッタレリーズスイッチ２１がメークす
ると制御装置２４はフォトインタラプタ１９の出力を読
み込む。部材が正常な初期状態にある場合には連結ギア
１５に形成された検出片１５ｅによってフォトインタラ
プタ１９の光路は遮蔽されているので，フォトインタラ
プタ１９の出力はオフである。そこで制御装置２４はフ
ォトインタラプタ１９の出力がオフの場合には処理を進
め，オンの場合には異常処理をして処理を終了する。
（Ｓ１，Ｓ１６）続いて制御装置２４は測光装置２０か
ら輝度情報を読み込む（Ｓ２）。周知の通り被写体輝度
情報によって所望される口径値や露出秒時等が決定し，
制御装置２４は被写界輝度情報によってデータテーブル
２５をアクセスし，ステップモータ１４に供給する正転
パルス数，ステップモータ１４に正転パルスの供給を停
止してから逆転パルスを供給するまでの時間，ステップ
モータ１４に供給する逆転パルスのパルス時間幅等を読
み込み（Ｓ３），ステップモータ１４に正転パルスを供
給し（Ｓ４），正転パルス数が４パルスになると正転パ
ルスの供給を停止してステップモータ１４を停止させる
（Ｓ５，Ｓ６，ｔ１）。

【００１７】上記の様にしてステップモータ１４に正転
パルスが供給されるとピニオン１４は時計廻りにステッ
プ回転し，この回転がラック１５ｂを介して伝達されて
連結ギア１５は反時計廻りにステップ回転する。従っ
て，連結ギア１５に植設された係合ピン１５ｃはカム溝
１２ｆを係合してセクタ１２を上方に走行させるととも
に係合ピン１５ｄはカム溝１３ｆを係合してセクタ１３
を下方に走行させる。又，初期位置から連結ギア１５が
ステップ回転する過程で，正転ステップ数が４ステップ
目になると連結ギア１５に形成された検出片１５ｅがフ
ォトインタラプタ１９の光路を解放するのでフォトイン
タラプタ１９の出力はオンになる。そこで制御装置２４
はフォトインタラプタ１９の出力を監視し，フォトイン
タラプタ１９の出力がオフであると異常処理をして処理
を終了するとともに（Ｓ７，Ｓ１６），フォトインタラ
プタ１９の出力がオンの場合には処理を進める。

【００１８】そしてフォトインタラプタ１９の出力監視
のための停止時間が経過すると（Ｓ８，ｔ２）制御装置
２４はステップモータ１４に対して再度正転用のパルス
を供給してセクタ１２，１３を目的の口径まで移動させ
る（Ｓ９〜Ｓ１０）。図５はこの様にして最小絞り状態
までセクタ１２，１３が走行し，開口形成縁１２ｅ，１
３ｅが露出用開口ＡＰを最小絞りに開口した状態を示し
ている（ｔ３）。同様に図６は最大絞りまでセクタ１
２，１３が走行し，開口形成縁１２ｅ，１３ｅが露出用
開口ＡＰを最大絞りに開口した状態を示している（ｔ
５）。この様にして目的の口径値が得られると制御装置
２４はステップモータ１４に対する正転パルスの供給を
停止し（Ｓ１１），セクタ１２，１３は目的の口径値を
維持する。又，いわゆるデジタルカメラの場合にはこの
時に画像処理装置２６が作動して画像データの取込がな
される。

【００１９】そして，露出秒時に対応したモータ停止時
間が経過すると（図５の最小口径の場合はｔ４，図６の
最大口径の場合はｔ７）制御装置２４はステップモータ
１４に逆転パルスを供給しセクタ１２，１３を初期位置
迄復帰させる（Ｓ１２〜Ｓ１４）。従って露出用開口Ａ
Ｐはセクタ１２，１３によって遮蔽される。そして本実
施形態の場合にはステップモータ１４に対して供給した
正転パルス数に概ね反比例して逆転パルスのパルス時間
幅を短くしているので，大口径からの閉鎖動作の方がよ
り急峻に行われることになる。タイムチャートのｔ４か
らｔ５の傾斜は小口径からの閉鎖動作を示しており，ｔ
７からｔ８の傾斜は大口径からの閉鎖動作を示してい
る。ステップモータ１４に対して供給した正転パルス数
に完全に反比例して逆転パルスのパルス時間幅を制御し
た場合には図３示す様に最小口径からの閉鎖時間（ｔ４
〜ｔ６）と最大口径からの閉鎖時間（ｔ７〜ｔ８）は完
全に一致するが，この様に完全に一致しなくても，大口
径からの閉鎖時間を短縮する事により本発明の目的は十
分に達成し得る。

【００２０】ところで，１ステップ当たりのモータ力量
はパルス時間幅の短縮に伴って減少するので，逆転用パ
ルスのパルス時間幅を単純に短縮した場合には被駆動部
材がステップモータ１４の回転に追従せず，いわゆる脱
調を生じる危険性が充分に予想される。しかしながら，
本実施形態においては，ピニオン１４ａの回転をセクタ
１２，１３に対して伝達するための連結ギア１５はスプ
リング１６によって初期位置に向けて付勢されていると
いう特徴点を有している。従って，ステップモータ１４
を初期位置から正転させる際には連結ギア１５は付勢用
のスプリング１６をチャージしながら正転することにな
り，スプリング１６にチャージされる力量はステップモ
ータ１４の正転パルス数に比例して増大することにな
る。従って，使用される口径が大口径になるほどスプリ
ング１６のチャージ力量が増大するので，逆転パルスの
パルス時間幅の短縮に伴うモータ力量の減少と，スプリ
ング１６のチャージ力量の増大とが相殺することにな
り，ステップモータ１４の正転パルス数の増大に伴って
逆転パルスのパルス時間幅を短縮したとしてもステップ
モータ１４を初期位置に復帰させるための合成力量は十
分に確保され，脱調を生じることなく初期復帰を行うこ
とが可能となる。

【００２１】そして，この様にしてステップモータ１４
が初期位置迄復帰するとフォトインタラプタ１９の光路
は連結ギア１５の検出片１５ｅによって遮蔽されるの
で，制御装置２４はこのタイミングでフォトインタラプ
タ１９の出力を読み込み，オフになっていれば正常に処
理を終了し（Ｓ１７），オンであれば異常処理をして処
理を終了する（Ｓ１６）。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように，本発明によればス
テップモータに対して供給する正転パルス数が多く，セ
クタの開口径が大きい場合にはステップモータに対して
供給する逆転パルスのパルス時間幅を短縮して急峻に閉
鎖動作を行うことが可能となるので，大口径撮影時にも
モータの脱調を招来する危険性なしに閉鎖応答時間が増
大することを防止することが可能となる。又，ステップ
モータの１ステップ回転当たりセクタの走行量を自由に
設計することが可能となるので，各々のセクタに形成さ
れる開口形成縁の設計自由度が大きくなり，理想的な開
口径を形成することが容易になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に係るセクタ開閉装置の初期
状態における平面図。

【図２】本発明の実施形態に係るセクタ開閉装置の制御
系のブロック図。

【図３】本発明の開閉動作のタイムチャート。

【図４】本発明の制御動作のフローチャート。

【図５】図１に示す機構が最小絞りに駆動された時の平
面図。

【図６】図１に示す機構が最大絞りに駆動された時の平
面図。

【図７】従来のセクタ開閉装置の一例を示す平面図。

【図８】従来のセクタ開閉装置の他の一例を示す平面
図。

【符号の説明】

１２ セクタ １２ｅ 開口形成縁 １２ｆ カム溝 １３ セクタ １３ｅ 開口形成縁 １３ｆ カム溝 １３ セクタ １４ ステップモータ １４ａ ピニオン １５ 連結ギア １５ｂ ラック １５ｃ 係合ピン １５ｄ 係合ピン １６ スプリング １９ フォトインタラプタ ２４ 制御装置

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 正逆回転可能なステップモータと，初期
   位置から一方に作動する過程で露出用開口を作動量に応
   じて開口し，初期位置に向けて復帰作動する過程で前記
   露出用開口を遮蔽する複数枚構成のセクタと，前記ステ
   ップモータの回転を前記セクタに伝達する動力伝達部材
   と，前記セクタを閉鎖方向に付勢する付勢手段とを具備
   するセクタ開閉装置。
2. 【請求項２】 正逆回転可能なステップモータと，各々
   が開口形成縁を有し，露出用開口を含む直線的な軌跡上
   を走行可能に支持され，相互に逆方向に走行することに
   より前記各々の開口形成縁が前記露出用開口を開閉可能
   な第１及び第２のセクタと，前記第１及び第２セクタの
   走行動作線上に前記ステップモータの回転が伝達される
   ことにより前記露出用開口と干渉することなく所定の角
   度範囲で回動可能に支持され，前記第１のセクタと係合
   され一方に回転することにより回転角度に応じて該第１
   のセクタを一方に走行させる第１の係合ピンと，前記第
   ２のセクタと係合され一方に回転することにより回転角
   度に応じて該第２のセクタを前記第１のセクタとは逆方
   向に走行させる第２の係合ピンとを有する動力伝達部材
   と，該動力伝達部材を前記第１及び第２のセクタが前記
   露出用開口を閉鎖する方向に付勢する付勢手段とを具備
   するセクタ開閉装置。
3. 【請求項３】請求項２記載のセクタ開閉装置において，
   前記第１の係合ピンと前記第１のセクタとがカム接続さ
   れ，前記第２の係合ピンと前記第２のセクタとがカム接
   続されたことを特徴とするセクタ開閉装置。
4. 【請求項４】 請求項２又は請求項３記載のセクタ開閉
   装置おいて，前記ステップモータに対して目標の口径位
   置に応じた数の正転パルスを供給した後に初期位置に復
   帰し得る数で且つ正転パルス数の増加に対応してパルス
   時間が短縮された逆転パルスを供給するモータ制御手段
   を具備するセクタ開閉装置。