JPH11150021A - 着磁方法 - Google Patents

着磁方法

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JPH11150021A
JPH11150021A JP33090897A JP33090897A JPH11150021A JP H11150021 A JPH11150021 A JP H11150021A JP 33090897 A JP33090897 A JP 33090897A JP 33090897 A JP33090897 A JP 33090897A JP H11150021 A JPH11150021 A JP H11150021A
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JP
Japan
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magnetizing
magnetized
head
magnetic
magnetization
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JP33090897A
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English (en)
Inventor
Takuto Tanaka
拓人 田中
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無端状の周面を有する磁性体、又は無端状の
周面上に形成された磁性体層に複数の磁極を不連続部を
生じることなく均一に着磁する。 【解決手段】 円柱状の被着磁体の周面2に、着磁ヘッ
ド3を接触又は近接して配置し、この着磁ヘッドの励磁
コイル18に、着磁電流を導通するとともに、被着磁体
2の軸線方向に移動する。被着磁体の着磁を行なう範囲
の軸線方向端に達したときに着磁ヘッド3の移動を停止
し、被着磁体2を周方向に所定量だけ回転する。その
後、励磁コイル18に再び着磁電流を導通するととも
に、着磁ヘッドを先の移動時と逆方向に移動する。この
ような動作を繰り返して被着磁体2の全周に着磁を行な
う。上記着磁ヘッド3は二つの着磁極が被着磁体の周方
向に対向するように配置し、着磁電流は直流とするのが
望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無端状の周面を有
する磁性体、又は無端状の周面上に形成された磁性体層
に、微小間隔で複数の磁極を形成する着磁方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真方式の画像形成装置で
は、像担持体上に静電電位の差による潜像が形成され、
この潜像にトナーを付着させて可視像を形成する。この
潜像を可視化する現像装置は、周面に現像剤の薄層を担
持して周回駆動される現像剤担持体を有しており、この
現像剤担持体を像担持体と接触または近接対向するよう
に配置し、双方の間に形成された電界内でトナーを転移
させる。上記現像剤担持体は、磁性トナーまたは二成分
現像剤中の磁性キャリアを磁気的に吸着することによっ
て現像剤を搬送するものが一般的に用いられており、現
像剤担持体の無端状周面、周回するスリーブ内に固定支
持された磁石ロール、又はスリーブと独立して回転が可
能に支持され磁石ロールの周面に複数の磁極が着磁され
ている。
【0003】このように無端状の周面に沿って複数の磁
極を着磁する方法としては、着磁ヨークを用いる方法が
従来より一般的に用いられている。この方法は、複数個
のヨークを現像剤担持体の周囲の所定の位置に配置して
おき、ヨークに巻き回されたコイルに電流を通じること
によって磁界を形成し、現像剤担持体の周囲に一度に複
数の磁極を形成するものである。また、一個のヨークを
設置しておき、現像剤担持体を回転させながら現像剤担
持体の所定位置に一極づつ磁極を形成する方法も知られ
ている。
【0004】しかしながら、ヨークを用いて一度に着磁
する方法においては、着磁ヨークに巻き回される磁化用
コイルの巻き線スペースが必要なために、着磁ヨークが
比較的大型となる。このため、着磁極数が多くなると、
これに伴って着磁ヨークの数も多くなり、着磁ヨークの
配置が困難となる。したがって、着磁極数が制限される
こととなり、微小なピッチで着磁することが不可能とな
る。また、一個のヨークを用いて、この着磁ヨークと現
像剤担持体との位置関係を変更しながら現像剤担持体の
周上に一極づつ磁極を順次形成する方法では、複数の磁
極を形成した後、最後に形成される磁極が強磁力とな
り、均一な磁力を得ることができなくなる可能性があ
る。
【0005】このような事情から、現像剤担持体の周面
に微小ピッチで複数の磁極を設ける手段が、例えば特開
昭58−49969号公報に提案されている。この技術
は、ドラム状の現像剤担持体の周面に磁性材料を塗布ま
たは貼着して薄い磁性体層を形成し、この周面近くに磁
気ヘッドを配置して、ドラム状の現像剤担持体を回転さ
せながら着磁を行うものである。この技術で用いる磁気
ヘッドはドラム状の現像剤担持体の幅と同じ幅であるこ
とが望ましいが、磁気ヘッドの幅が小さい場合には、ド
ラム状の現像剤担持体を一定速度で回転させながら磁気
ヘッドを現像剤担持体の軸方向に移動させて螺旋状に着
磁を行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現像剤
担持体のように、無端状の周面を有する被着磁体の周面
を螺旋状に着磁する方法では、次のような問題点があ
る。被着磁体と着磁ヘッドとを周方向及び軸線方向に相
対移動させながら螺旋状に着磁を行なうと、着磁ヘッド
が被着磁体の周面を一周する毎に被着磁体の軸線方向に
不連続部を生じる。このため、周面付近に生じる磁界は
均一ではなくなり、この被着磁体を電子写真式画像形成
装置の現像剤担持体として用いると、上記不連続部で現
像剤の付着状態が他の部分と異なり、現像された像に濃
度ムラが発生する。このような不連続部は、着磁ヘッド
の幅を大きくすれば減少するが、広い幅に均一な磁束密
度の磁界を形成することは困難であり、均一に磁化する
ことができない。また、この着磁ヘッドを被着磁体の曲
面と接触又は近接するように保持して着磁を行なうとき
の双方の当接状態又は対向する相互間の距離は、被着磁
体の加工精度、着磁ヘッドの作製精度等のよって影響さ
れ、このために被着磁体及び着磁ヘッドの精度が十分で
ないと磁化の強さが変動するとこになる。したがって、
被着磁体の周面をほぼ全域にわたって均一に着磁するこ
とは、さらに難しいものとなる。
【0007】また、幅の広い着磁ヘッドを用いて螺旋状
に被着磁体の周面を着磁しようとすると、着磁開始部と
着磁終了部とで着磁領域の形状に大きな段差ができる。
これを回避するために、着磁ヘッドを軸線方向の移動を
停止した状態から着磁を開始し、被着磁体が一周回して
から軸線方向に移動させて着磁を行なうこととすれば、
着磁領域の形状に大きな段差は生じないが、着磁領域の
端部の広い範囲で磁化の強さが異なることになり、均一
な着磁ができなくなる。
【0008】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的は、無端状の周面を有する
磁性体、又は無端状の周面上に形成された磁性体層に複
数の磁極を不連続部を生じることなく均一に形成する着
磁方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、 無端状の周面を有す
る磁性体、又は無端状の周面上もしくは周面付近に磁性
体層を有する被着磁体に、複数の磁極を微小間隔で着磁
する方法であって、 前記被着磁体の周面に、着磁ヘッ
ドを接触又は近接して配置し、 前記着磁ヘッドの励磁
コイルに、着磁電流を導通するとともに、該着磁ヘッド
を前記被着磁体の軸線方向に移動し、前記被着磁体の着
磁を行う範囲の軸線方向端に達したときに前記着磁ヘッ
ドの移動を停止し、前記被着磁体を周方向に所定量だけ
回転し、 その後、前記励磁コイルに着磁電流を導通す
るとともに前記着磁ヘッドを先の移動時と逆の方向に移
動する工程を繰り返すことを特徴とする着磁方法を提供
するものである。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の着磁方法において、 前記着磁ヘッドは、二つの着磁
極が対向するものであり、これらの着磁極が対向する方
向と前記被着磁体の軸線方向とをほぼ垂直に設定して着
磁を行うものである。
【0011】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の着磁方法において、 前記着磁電流を、直流とするも
のである。
【0012】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の着磁方法において、 前記着磁ヘッドを先の移動時と
逆方向に移動するときに、先の着磁時の着磁電流と絶対
値がほぼ同じで逆方向の直流電流を導通するものであ
る。
【0013】請求項5に記載の発明は、請求項から請求
項4までのいずれかに記載の着磁方法において、 前記
被着磁体の軸線方向の必要着磁幅をDと、 前記着磁ヘ
ッドの前記被着磁体軸線方向の幅をTとしたときに、
前記着磁ヘッドによって着磁される領域の幅Mが、 M ≧ D+2T となるように着磁するものである。
【0014】請求項6に記載の発明は、請求項1から請
求項4までのいずれかに記載の着磁方法において、 前
記着磁ヘッドは、前記被着磁体と離れた位置に停止して
おき、 前記励磁コイルに着磁電流を導通し、前記被着
磁体の軸線方向への移動を開始した後に、該着磁ヘッド
を該被着磁体に接触又は近接し、 着磁を行う範囲の軸
線方向端に到達する前に、該被着磁体の周面から離すこ
とを特徴とするものである。
【0015】請求項7に記載の発明は、請求項1から請
求項4までのいずれかに記載の着磁方法において、 前
記励磁コイルに導通する着磁電流の導通開始時又は導通
停止時に、電流量を徐々に増加又は減少させるものであ
る。
【0016】請求項8に記載の発明は、請求項1又は請
求項2に記載の着磁方法において、前記着磁電流を、交
流とするものである。
【0017】(作用)本願に係る発明は、上記のような
構成により次のように作用する。請求項1に記載の着磁
方法では、無端状の周面を有する磁性体、又は無端状の
周面若しくは周面付近に磁性体層を有する被着磁体の周
面に接触又は近接された着磁ヘッドを、被着磁体の軸線
方向に往復移動させながら着磁を行うことにより、被着
磁体の軸線方向に不連続部のない均一な着磁を行うこと
ができる。したがって、このように着磁された被着磁体
を、例えば電子写真式画像形成装置の現像剤担持体とし
て画像形成を行うと、周面上に均一な現像剤層を形成す
ることができ、画像の濃度ムラの発生を防止することが
可能となる。
【0018】また、請求項2に記載の着磁方法では、着
磁ヘッドが二つの対向する着磁極を有し、これらが被着
磁体の周方向に対向する状態で軸線方向に移動して着磁
されるので、周方向にN極とS極とが対向するととも
に、磁束密度分布が被着磁体の軸線方向に連続した状態
で磁極が形成される。
【0019】そして、請求項3に記載の着磁方法では、
励磁コイルに直流が導通されるので、着磁ヘッドによっ
て形成される磁界が一定となり、この状態で着磁ヘッド
を被着磁体の軸線方向に移動しながら着磁を行なうこと
によって、N極とS極とが並列し、軸線方向に同一極性
の連続した磁極が形成される。
【0020】さらに、請求項4に記載のように、着磁ヘ
ッドを軸線方向に移動しながら着磁を行なった後、逆方
向へ移動するときに、先の移動方向とは逆方向の直流を
励磁コイルに導通するので、先の着磁で形成された磁極
と同極性の磁極を重ねて、又は近接して形成することが
できる。このような磁極は、周方向の着磁間隔を適切に
設定することにより磁束密度分布が一つのピークを有す
るものとすることができ、双方向の移動時の着磁により
大きな磁束密度の磁極が得られる。
【0021】請求項5に記載の着磁方法では、被着磁体
の着磁が必要な軸線方向の範囲より、着磁ヘッドの幅の
2倍分が広く着磁される。着磁範囲の両端部における着
磁ヘッドの幅分は、磁束密度が不均一となり易いが、上
記のように着磁されることによって、その内側に所定長
さの均一に着磁された範囲が存在することになる。した
がって、被着磁体を現像剤担持体として用いる場合に、
画像形成幅より着磁ヘッドの幅の2倍分多く着磁する
と、均一に着磁された部分のみを用いて現像を行なうこ
とができる。
【0022】請求項6に記載の着磁方法では、着磁ヘッ
ドは、被着磁体の軸線方向への移動を開始した後に被着
磁体に接触又は近接し、着磁を行う範囲の軸線方向端に
到達する前に被着磁体の周面から離されるため、着磁領
域の軸線方向端もほぼ同じ磁束密度となるように着磁さ
れる。つまり、着磁電流の印加開始時及び停止時の過渡
状態で着磁されることがなく、端部においても、着磁領
域の他の部分と比べて磁束密度が高くなったりせず、均
一に磁化される。このため、上記方法で着磁された被着
磁体を現像剤担持体として用いたときに均一な現像剤層
が形成され、現像された像の濃度の均一性が良好とな
る。
【0023】請求項7に記載の着磁方法では、励磁コイ
ルに導通する着磁電流の導通開始時及び停止時に、電流
量を徐々に増減するので、着磁ヘッドを被着磁体の周面
に接触又は近接した状態のままであっても、電流のON
・OFF時の過渡状態の影響が低減され、上記請求項6
に記載の方法と同様の効果を得ることができる。
【0024】請求項8に記載の着磁方法では、励磁コイ
ルに導通する着磁電流として、交流を導通することによ
り、被着磁体の軸線方向にN極とS極とが交互に配列さ
れた磁極列を形成することができ、着磁ヘッドを軸線方
向に往復動させることによって被着磁体の全周にわたっ
て着磁を行なうことができる。このように磁極が形成さ
れると、軸線方向には交互に配列された磁極による磁束
密度の分布は規則的なものとなり、均一な磁気吸着力を
有するものとなる。また、周方向にも、磁束密度の分布
が不均一にはなりにくく、電子写真式の画像形成装置で
用いられるトナーのような磁性粉体が均一に吸着される
ものとなる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本願に係る発明の実施の形
態を図に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形
態である着磁方法に用いることができる着磁装置の一例
を示す概略構成図であり、図2は図1中に示すA−A線
における断面図である。この着磁装置1は、円筒状の被
着磁体2の周面に複数の磁極を着磁するために用いるも
のであり、被着磁体2をその軸線回りの回転が可能とな
るように支持する支持部材5と、この支持部材5に回転
駆動力を付与する回転駆動装置4とを備えている。そし
て、上記被着磁体2の周面と対向する位置には着磁ヘッ
ドを支持するヘッドホルダー7が配設され、このヘッド
ホルダー7は、駆動軸8によって被着磁体2の軸線方向
に移動されるホルダー支持装置6上に支持されている。
【0026】上記被着磁体2は、フェライト、Ni、C
o、Te−Fe、GdCo等の磁性体からなる円筒状の
部材又は磁性材料を含むゴムで形成された円筒状の部材
であり、回転駆動装置4により、図1中に示すX−X軸
回りに回転量を制御して回転駆動される。
【0027】上記ホルダー支持装置6は、ヘッドホルダ
ー7およびこれに支持された着磁ヘッド3を、被着磁体
2の軸線方向(X軸方向)およびこれと直角方向であっ
て着磁ヘッド3と被着磁体2との接触面に垂直な方向
(Y軸方向)に移動可能に支持するものである。このホ
ルダー支持装置6のX軸方向の移動は、駆動軸8を軸線
回りに回転させることによって行われる。つまり、X軸
方向移動テーブル9に設けられた貫通孔の内面に螺条が
設けられており、この貫通孔に挿通された駆動軸8の外
周面の螺条と係合し、駆動軸8の回転にともなってその
軸線方向に移動する。
【0028】このX軸方向移動テーブル9の上部には、
Y軸方向への移動が可能なY軸方向移動テーブル12が
載置される。このY軸方向移動テーブル12は、前記X
軸方向移動テーブル9の上面に敷設されたガイドレール
11に沿ってY軸方向に摺動する機構となっている。ま
た、前記Y軸方向移動テーブル12の上部には、このY
軸方向移動テーブル12と同様の機構によってY軸方向
に摺動可能となった押圧テーブル13が設置され、一端
が前記Y軸方向移動テーブル12に固定されたスプリン
グ14によって被着磁体2側に付勢されるようになって
いる。
【0029】上記押圧テーブル13の上面には、ヘッド
ホルダー7が載置されており、このヘッドホルダー7の
前方側下面より下方に突き出した回動軸15が上記押圧
テーブル13に固定された軸受け16に係合され、ヘッ
ドホルダー7は押圧テーブル13上で首を振るような回
動が可能となっている。
【0030】上記ヘッドホルダー7は、前方側(被着磁
体と対向する側)が開放された箱状となっており、その
内部に着磁ヘッド3が収容されている。この着磁ヘッド
3は、軟磁性材料からなるC字型のコア17を有し、こ
のコア17の中央部には励磁コイル18が巻き回され、
この励磁コイル18に電源20から磁化電流が供給され
る。
【0031】上記コア17の両端部17a、すなわち二
つの着磁極は空隙部21を挟んで被着磁体2の周方向に
対向しており、この部分が非磁性材料からなるカバー部
材19で覆われている。このカバー部材19は被着磁体
2の表面に当接され、上記励磁コイル18に磁化電流が
供給されることによってこの空隙部21からカバー部材
19の外側におよぶ磁界を生じ、被着磁体2の着磁が行
われる。
【0032】なお、前記着磁ヘッド3としては、3mm
〜20mm程度の幅を有するものが好適に使用でき、ハ
イセキュリティカードシステム、無配向磁気印刷カード
システム、POSシステム、自動販売機、ハイセキュリ
ティ磁気式金券回収システム、ハイセキュリティカード
発券機、高速カードリーダ、ライタなどに使用されてい
る既存のものを利用することができる。また、被着磁体
としては、磁性体又は非磁性体からなる円筒状部材の周
面に磁気記録層を形成したもの、磁性体からなる円筒状
部材の表面に導電層を形成したもの、あるいは導電性材
料からなる基体の表面に磁気発生層を形成した無端ベル
ト状のもの等を用いることもできる。
【0033】次に、上記の着磁装置の動作であって、請
求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の発明
の一実施形態である着磁方法について説明する。被着磁
体2が、前記着磁装置1の支持部材5a、5bに装着さ
れると、駆動軸8が回転し、X軸方向移動テーブル9が
X軸方向に移動して、被着磁体2の周面の着磁が開始さ
れる位置に着磁ヘッド3を移動する。次に、Y軸方向移
動テーブル12がY軸方向に摺動され、着磁ヘッド3が
被着磁体2の周面に当接される。このとき、着磁ヘッド
3が最初に被着磁体2と接触する位置よりさらに0.5
mm〜1.0mm程度Y軸方向移動テーブル12を送り
出し、押圧テーブル13を介して作用するスプリング1
4の付勢力で着磁ヘッド3を被着磁体2に押し付けた状
態とされる。
【0034】このような状態で、上記円筒状の被着磁体
2の回転を停止させておき、前記着磁ヘッド3を被着磁
体2の軸線方向すなわちX軸方向に所定の速度で移動さ
せると同時に、直流電流を励磁コイル18に供給してコ
ア17の空隙部21に磁界を形成させる。このような磁
界により、被着磁体2の外周部には、その周方向に対向
するS極とN極とが軸線方向に連続して着磁される。つ
まり、図3(a)に示すようなパターンで磁化される
(図中の矢印は着磁ヘッド7の移動方向を示す)。
【0035】上記のような着磁において、被着磁体2に
当接された着磁ヘッド3は、回動軸15によって回動可
能となっており、この回動軸15は、着磁ヘッド3と被
着磁体2との接触位置における周方向の接線とほぼ平行
に設定され、さらに、この回動軸15の中心線が上記接
触位置付近を通るようになっているので、着磁ヘッド3
は被着磁体2の周面に鋭敏に対応する。したがって、円
筒状の被着磁体2の外径等が加工精度の限界などに起因
して軸線方向で変動している場合にも、着磁ヘッド3が
被着磁体2の周面に対応して密接した状態が維持され、
被着磁体2の周面が軸線方向に均一に着磁される。この
ため、磁気ヘッドの当接不良による残留磁束密度の変動
が防止され、安定した残留磁束密度が得られる。
【0036】次に、被着磁体2を磁極ピッチ分だけ回転
させる。この間、着磁ヘッド3には電流を印加しないた
め、着磁はされない。そして、着磁ヘッド3を先の着磁
を行なったときと逆方向に所定の速度で移動させると同
時に、電源20から、先の着磁時の着磁電流と絶対値が
同じで逆方向の直流電流を励磁コイル18に供給し、コ
ア17の空隙部21に磁界を発生させる。この磁界によ
り被着磁体2の軸線に沿って二段目の着磁が行われ、図
3(b)のような磁極パターンが形成される。このよう
な着磁を被着磁体2の全周に施すことにより、全周にわ
たって狭ピッチで着磁を行なうことができる。
【0037】上記着磁方法では、図3(b)に示すよう
に、同極性の磁極が隣り合うか又は重なるように着磁さ
れるが、着磁ヘッド3から発生する磁力は、図4のよう
に着磁ヘッド3の空隙部よりも広い範囲に及ぶため、着
磁ピッチ(すなわち被着磁体周面の一回の回転量)に対
して、着磁ヘッドの空隙部21の幅が1/2程度に設定
されていると、図3(c)のように隣り合う同極性の磁
極間の中央付近で磁束密度の分布がに極大値をもつ着磁
波形となる。図5は、このような着磁を施した被着磁体
の表面の磁束密度分布を示すものであり、フェライトロ
ールを、空隙部45μmの着磁ヘッド3を用いて100
μmピッチで着磁したときの周方向の磁束密度分布を示
す波形である。
【0038】このような着磁方法によって着磁された複
数の磁極の磁束密度分布を、従来の着磁方法による磁極
の磁束密度分布と比較した結果を図6に示す。図6
(a)は従来の着磁方法、すなわち着磁ヘッドを用いて
周面を螺旋状に着磁したときの周方向の磁束密度分布を
示すものであり、図6(b)は本願発明に係る着磁方法
による結果を(a)図と同じ基準軸で示したものであ
る。従来の着磁方法では、被着磁体の全周面に螺旋状に
着磁するため、磁極の不連続部が螺旋状に形成され、こ
の部分では、図6(a)中に示すように磁束密度が小さ
くなり、このような部分Aが周期的に生じる。これに対
し、本願発明に係る着磁方法では、被着磁体の全周面に
わたってほぼ同じピーク値で着磁が行われ、ほぼ均一に
磁極が配列された状態が得られることがわかる。
【0039】なお、上記実施形態では、着磁ヘッドの励
磁コイルへの電流印加を着磁ヘッドの始動と同時に開始
し、被着磁体の軸線方向に移動して、停止すると同時に
電流も停止する。このような着磁方法では、着磁範囲の
端部で着磁ヘッドの幅(図7に示すT)に相当する範囲
が強く磁化され、図8に示すように軸線方向に不均一な
磁束密度分布となる。このため、請求項5に記載のよう
に、着磁範囲は使用範囲より大きく設定するのが望まし
い。つまり、図9に示すような現像剤担持体では、画像
形成に寄与する幅Dより少なくとも着磁ヘッドの幅Tを
両側に多く着磁するように全着磁範囲Mを設定するのが
よい。
【0040】また、図10に示すように、着磁ヘッドが
軸線方向に移動を開始し、着磁電流の印加が始まってか
ら被着磁体に当接し、着磁ヘッドの停止及び着磁電流の
停止前に着磁ヘッドを被着磁体から放すようにすること
もできる。このように着磁することにより、着磁電流の
印加開始時又は停止時の過渡状態による影響を回避する
ことができる。この着磁方法は、請求項6に記載の発明
の一実施形態である。
【0041】さらに、請求項7に記載の発明の一実施形
態である着磁方法では、図11に示すように、着磁開始
時に着磁電流をステップ状に印加するのではなく、短い
時間を設定して、この時間内で徐々に増加するように印
加する。また、印加を停止するときにも、所定時間内で
徐々に電流を低減する。このようにしても、着磁電流の
印加開始時又は停止時の過渡状態による影響を低減し
て、軸線方向に均一に着磁することができる。
【0042】また、以上に説明した実施形態では、いず
れも励磁コイルには直流を印加しているが、請求項8に
記載の発明の一実施形態では、着磁電流として交流を印
加する。この交流は、例えば正弦波交流とすることがで
き、その周波数と着磁ヘッドの移動速度とを適切に設定
することによって、図12に示すように、被着磁体の軸
線方向にN極とS極とが交互に並んだ磁極の列を形成す
ることができるものである。このように着磁された被着
磁体を現像剤担持体として用いたときにも、軸線方向に
均一に現像剤を吸着することができ、均一な濃度の現像
を行なうことが可能となる。
【0043】なお、上記の実施形態では、被着磁体とし
て磁性体からなる円筒状の部材を用いたが、このような
円筒状部材の代わりに、ロールに張架された無端状の薄
膜ベルトを用いた場合にも同様の着磁を行うことができ
る。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明に係る着
磁方法では、無端状の周面を有する磁性体又は無端状の
周面若しくは周面付近に磁性体層を有する被着磁体の周
面に接触又は近接された着磁ヘッドを、被着磁体の軸線
方向に往復運動させながら着磁電流を印加することによ
り、被着磁体の軸線方向に均一な着磁を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である着磁方法に用いるこ
とができる着磁装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す着磁装置のA−A線における断面図
である。
【図3】図1に示す着磁装置を用いた着磁方法であっ
て、請求項1〜4に記載の発明の一実施形態である着磁
方法を示す概略図である。
【図4】着磁ヘッドのコア及びその着磁極付近に形成さ
れる磁力線の状態を示す概略図である。
【図5】図3に示す着磁方法により、着磁ピッチの半分
程度の空隙幅を有する着磁ヘッドを用いて着磁された被
着磁体周面の周方向の磁束密度分布を示す図である。
【図6】従来の着磁方法と本願発明の着磁方法とによ
り、それぞれ着磁された被着磁体周面の周方向の磁束密
度分布を示す図である。
【図7】図1の着磁装置で用いられる着磁ヘッドを示す
概略斜視図である。
【図8】図3に示す着磁方法により着磁された被着磁体
の軸線方向の磁束密度分布の例を示す図である。
【図9】請求項5に記載の着磁方法により着磁された現
像剤担持体を示す概略図である。
【図10】請求項6に記載の着磁方法を示す概略図であ
る。
【図11】請求項7に記載の着磁方法において、着磁ヘ
ッドの励磁コイルに導通する電流量を時間軸で示す図で
ある。
【図12】請求項8に記載の着磁方法で着磁された磁極
の配列の例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 着磁装置 2 被着磁体 3 着磁ヘッド 4 回転駆動装置 5 支持部材 6 ホルダー支持装置 7 ヘッドホルダー 8 駆動軸 9 X軸方向移動テーブル 11 ガイドレール 12 Y軸方向移動テーブル 13 押圧テーブル 14 スプリング 15 回動軸 16 軸受け 17 着磁ヘッドのコア 17a コアの両端部 18 励磁コイル 19 カバー部材 20 電源 21 空隙部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無端状の周面を有する磁性体、又は無
    端状の周面上もしくは周面付近に磁性体層を有する被着
    磁体に、複数の磁極を微小間隔で着磁する方法であっ
    て、 前記被着磁体の周面に、着磁ヘッドを接触又は近接して
    配置し、 前記着磁ヘッドの励磁コイルに、着磁電流を導通すると
    ともに、該着磁ヘッドを前記被着磁体の軸線方向に移動
    し、 前記被着磁体の着磁を行う範囲の軸線方向端に達したと
    きに前記着磁ヘッドの移動を停止し、前記被着磁体を周
    方向に所定量だけ回転し、 その後、前記励磁コイルに着磁電流を導通するとともに
    前記着磁ヘッドを先の移動時と逆の方向に移動する工程
    を繰り返すことを特徴とする着磁方法。
  2. 【請求項2】 前記着磁ヘッドは、二つの着磁極が対
    向するものであり、これらの着磁極が対向する方向と前
    記被着磁体の軸線方向とをほぼ垂直に設定して着磁を行
    うことを特徴とする請求項1に記載の着磁方法。
  3. 【請求項3】 前記着磁電流は、直流とすることを特
    徴とする請求項2に記載の着磁方法。
  4. 【請求項4】 前記着磁ヘッドを先の移動時と逆方向
    に移動するときに、先の着磁時の電流と絶対値がほぼ同
    じで逆方向の直流電流を導通することを特徴とする請求
    項3に記載の着磁方法。
  5. 【請求項5】 前記被着磁体の軸線方向の必要着磁幅
    をDと、 前記着磁ヘッドの前記被着磁体軸線方向の幅をTとした
    ときに、 前記着磁ヘッドによって着磁される領域の幅Mが、 M ≧ D+2T となるように着磁することを特徴とする請求項1から請
    求項4までのいずれかに記載の着磁方法。
  6. 【請求項6】 前記着磁ヘッドは、前記被着磁体と離
    れた位置に停止しておき、 前記励磁コイルに着磁電流を導通し、前記被着磁体の軸
    線方向への移動を開始した後に、該着磁ヘッドを該被着
    磁体に接触又は近接し、 着磁を行う範囲の軸線方向端に到達する前に、該被着磁
    体の周面から離すことを特徴とする請求項1から請求項
    4までのいずれかに記載の着磁方法。
  7. 【請求項7】 前記励磁コイルに導通する着磁電流の
    導通開始時又は導通停止時に、電流量を徐々に増加又は
    減少させることを特徴とする請求項1から請求項4まで
    のいずれかに記載の着磁方法。
  8. 【請求項8】 請求項1又は請求項2に記載の着磁方
    法において、 前記着磁電流を、交流とすることを特徴とする着磁方
    法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107195423A (zh) * 2017-07-19 2017-09-22 江苏万达特种轴承有限公司 一种轴承的退磁装置

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