JPH10133474A - 現像装置 - Google Patents

現像装置

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JPH10133474A
JPH10133474A JP28623396A JP28623396A JPH10133474A JP H10133474 A JPH10133474 A JP H10133474A JP 28623396 A JP28623396 A JP 28623396A JP 28623396 A JP28623396 A JP 28623396A JP H10133474 A JPH10133474 A JP H10133474A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナーの摩擦帯電の電位を充分に確保すると
ともに、トナーを一定の層厚に規制する機能を長期的に
維持できるようにする。 【解決手段】 トナー収納容器2の内部に張架したシー
ト体7をトナー担持体5の表面に当接させ、このシート
体7を加圧機構9により押圧してトナー担持体5に圧接
させる。このトナー担持体5の表面に当接する部材がシ
ート体7なので、このトナーを摩擦帯電させる当接部分
を充分に確保することができ、シート体7を専用の加圧
機構9によりトナー担持体5に押圧しているので、その
圧力を安定に発生させてトナーを一定の層厚に規制する
機能を良好に維持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真装置に利
用される現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、複写機のプリンタ部やレーザプリ
ンタ等に電子写真装置が利用されており、このような電
子写真装置には現像装置が利用されている。より詳細に
は、一般的な電子写真装置は、例えば、潜像担持体とし
て感光ドラムを有しており、このような感光ドラムを表
面が順次循環するよう支持している。このような感光ド
ラムの表面には、帯電装置、露光装置、現像装置、転写
装置、等が順番に配置されており、この転写装置と感光
ドラムとの間隙に印刷用紙の搬送路が位置されている。
【0003】上述のような構造の電子写真装置では、順
次循環する感光ドラムの表面を帯電装置のコロナ放電に
より一様に帯電させ、この一様に帯電した感光ドラムの
表面を露光装置により露光走査して静電潜像を形成す
る。この静電潜像を現像装置から供給されるトナーによ
り現像し、このトナーを転写装置が発生する電位差によ
り印刷用紙の表面に順次転写させる。これで印刷用紙の
表面にトナーにより画像が形成されるので、この印刷用
紙を加熱するとともに加圧してトナーを定着させれば電
子写真法による印刷動作が完了する。
【0004】上述のような電子写真装置の現像装置は、
例えば、開口部が形成されたトナー収納容器を有してお
り、このトナー収納容器の開口部に、トナー担持体とし
て回転自在な現像ローラ等を設けている。このような構
造の現像装置では、トナー収納容器に収納されたトナー
を、現像ローラの順次循環する表面に付着させて感光ド
ラムの表面まで移送する。
【0005】しかし、電子写真装置が形成する画像が高
品質であるためには、現像装置が感光ドラムの表面の静
電潜像にトナーを均一に供給する必要があり、静電潜像
を静電的に現像するためにはトナーを帯電させる必要も
ある。これを実現するため、上述のような現像装置には
トナー制御手段として現像ブレード等もトナー収納容器
に装着しており、このような現像ブレードで現像ローラ
の表面を擦過することにより、移送されるトナーを一定
の層厚に規制するとともに摩擦帯電させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のような現像装置
では、現像ローラによりトナー収納容器の内部から移送
されるトナーを、現像ブレードにより一定の層厚に規制
するとともに摩擦帯電させ、感光ドラムの表面の静電潜
像に順次供給することができる。
【0007】しかし、上述のような現像装置では、トナ
ーの層厚を一定に規制する性能やトナーを摩擦帯電させ
る性能が充分ではなく、これらの性能を長期的に維持す
ることも困難である。つまり、現像ブレードを弾性によ
り現像ローラの表面に圧接させても、現像ローラの表面
を現像ブレードが摩擦する領域を充分に確保することが
困難なので、この摩擦によりトナーを帯電させる電圧が
不足しがちである。また、現像ブレードを弾性により現
像ローラの表面に圧接させても、その圧力を長期的に安
定させて維持することが困難なので、トナーを一定の層
厚に規制する機能を良好に維持することが困難である。
【0008】このような課題を解決することが、特開平
6-308814号公報や特開平8-6386号公報に記載されてい
る。例えば、特開平6-308814号公報の現像装置では、弾
性を有する現像ブレードの両端を保持して湾曲させ、そ
の頂点の位置で現像ローラに圧接させている。このよう
な構造により、現像ブレードのクリープを軽減すること
により、トナーの層厚を一定に規制する性能を長期的に
維持するようにしている。
【0009】また、特開平8-6386号公報の現像装置で
は、トナー収納容器の内部に現像ローラの表面にトナー
を供給する供給ローラも設けており、現像ブレードを現
像ローラと供給ローラとの両方の表面に接触させてい
る。このような構造により、トナーを一定の層厚に規制
することと摩擦帯電させることとを、現像ローラと供給
ローラとの両方の表面で実行することにより、トナーを
一定の層厚に規制することと摩擦帯電させることの性能
を向上させるようにしている。
【0010】しかし、上述のような現像装置でも、その
使用が長期間となると、現像ブレードの表面の現像ロー
ラから離反した直後の位置にトナーが固着することが判
明している。この位置では、現像ブレードと現像ローラ
との間隙で圧縮されたトナーが開放されるので、粉砕さ
れたトナーの微粉末が堆積して固化すると考えられる。
【0011】この場合、現像ローラの表面で一定の層厚
に規制されるとともに摩擦帯電されて移送されるトナー
が、現像ブレードの表面に固着したトナーに接触するの
で、一定の層厚が破壊されたり帯電した電圧が放電され
たりする。このように現像ローラの表面のトナーの層厚
や電圧が阻害されると、現像装置の現像特性が低下する
ので、図7に示すように、感光体の表面でのトナーの帯
電や付着の特性が変化し、図8に示すように、電子写真
装置の画像品質が劣化することになる。なお、図8に
は、300(dpi)のドットを“2×2”に配置した画像の面
積の経時変化を例示している。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の現
像装置は、一部が開口して内部にトナーが収納されるト
ナー収納容器と、このトナー収納容器の開口部に配置さ
れて順次循環する表面によりトナーを移送するトナー担
持体と、前記トナー収納容器に装着されて前記トナー担
持体の表面を擦過することにより移送されるトナーを一
定の層厚に規制するとともに摩擦帯電させるトナー制御
手段とを有し、前記トナー担持体により前記トナー収納
容器の内部から移送されるトナーを前記トナー制御手段
により一定の層厚に規制するとともに摩擦帯電させてか
ら潜像担持体の表面の静電潜像に順次供給する現像装置
において、前記トナー制御手段は、前記トナー収納容器
の内部に張架されて前記トナー担持体の表面に当接する
シート体と、このシート体を押圧して前記トナー担持体
に圧接させる加圧機構とを有する。従って、この加圧機
構が押圧するシート体がトナー担持体に圧接されるの
で、このトナー担持体により移送されるトナーが摩擦帯
電されるとともに一定の層厚に規制される。この場合、
トナー担持体の表面に当接する部材がシート体なので、
このトナーを摩擦帯電させる当接部分を充分に確保する
ことができ、このシート体を加圧機構によりトナー担持
体に押圧しているので、このトナーを一定の層厚に規制
する圧接の圧力を安定に維持することができる。なお、
本発明で云う潜像担持体は、循環自在な表面に静電潜像
が形成されるものであれば良く、例えば、回転自在に軸
支された感光ドラムや、循環自在に張架されたエンドレ
スの感光ベルトを許容する。トナーは、非磁性の一成分
系でも磁性の二成分系でも良く、高抵抗でも低抵抗でも
良い。トナー担持体は、循環自在な表面でトナーを移送
するものであれば良く、例えば、回転自在に軸支された
現像ローラや、少なくとも一個の支持ローラにより支持
したエンドレスの現像ベルトを許容する。その場合、ト
ナーが非磁性ならば現像ローラや支持ローラも非磁性で
良く、トナーが磁性ならば現像ローラや支持ローラが磁
性であることが好ましい。シート体は、トナー担持体の
表面を摩擦してトナーを摩擦帯電させるシート状の部材
であれば良く、例えば、ゴムを混入させた合成樹脂製の
フィルムを許容する。加圧機構は、シート体を一定の圧
力でトナー担持体に押圧すれば良く、例えば、金属ロー
ラの軸受をスライド自在に支持してコイルスプリングに
より加圧した構造を許容する。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1記載の現
像装置であって、トナー制御手段は、シート体をトナー
担持体の表面の循環方向に移動自在に支持するシート支
持機構を有する。従って、このシート支持機構により支
持されたシート体は、トナー担持体の表面の循環方向に
移動自在なので、長期間の使用によりシート体の表面の
トナー担持体から離反した直後の位置にトナーが固着し
ても、この位置をトナー担持体の表面から充分に離反し
た位置まで移動させることができる。なお、本発明で云
うシート支持機構は、シート体を所定方向に移動自在に
支持すれば良く、例えば、シート体の両端の保持具をス
ライド自在に支持する構造や、シート体の両端を回転自
在な支持ローラに巻回させた構造を許容する。
【0014】請求項3記載の発明は、請求項1記載の現
像装置であって、シート体は、多数の開口孔が形成され
ている。従って、トナーはトナー担持体の表面に特定の
電圧に対して所定の分布で吸着されるので、この吸着力
が不足したトナーはシート体の多数の開口孔から脱落す
る。なお、本発明で云う開口孔は、各種条件に従って直
径や間隔や形状を決定することが好ましく、例えば、ト
ナーの平均粒径以上で三倍以下の直径と間隔とに形成さ
れた丸孔を許容する。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項1記載の現
像装置であって、トナー制御手段は、加圧機構がシート
体を押圧する位置をトナー担持体の表面の循環方向に移
動自在とする押圧変位機構を有する。従って、この押圧
変位機構により加圧機構がシート体を押圧する位置が移
動自在なので、長期間の使用によりシート体の表面のト
ナー担持体から離反した直後の位置にトナーが固着して
も、この位置をトナー担持体の表面から充分に離反した
位置まで移動させることができる。なお、本発明で云う
押圧変位機構は、加圧機構がシート体を押圧する位置を
移動自在とすれば良く、例えば、加圧機構となる金属ロ
ーラをトナー担持体の表面と平行にスライド自在に支持
する構造を許容する。
【0016】請求項5記載の発明は、請求項1記載の現
像装置であって、トナー担持体は、回転自在に軸支され
た弾性ローラと、この弾性ローラの外周部に循環自在に
配置されたエンドレスのベルト体とを有する。従って、
回転自在な弾性ローラにより循環自在に支持されたベル
ト体により、トナー収納容器の内部から潜像担持体の表
面までトナーが移送される。このように弾性ローラに支
持されたベルト体に加圧機構がシート体を圧接させるの
で、ベルト体とシート体とが当接する部分を充分に確保
することができ、このシート体をベルト体に圧接させる
圧力を弾性ローラにより発生させることができる。
【0017】請求項6記載の発明は、請求項1記載の現
像装置であって、加圧機構に電圧を印加する電源装置を
設けた。従って、トナー担持体とシート体との摩擦によ
りトナーを帯電させる際、電源装置から加圧機構に印加
される電圧でもトナーが帯電する。
【0018】請求項7記載の発明は、請求項1記載の現
像装置であって、トナーは、磁性を有し、加圧機構は、
回転自在に軸支された磁性ローラを有する。従って、こ
の加圧機構の磁性ローラが回転すると、磁性のトナーが
トナー担持体とシート体との間隙に誘導される。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施の第一の形態を図1
ないし図3を参考に以下に説明する。まず、本実施の形
態の現像装置1は、トナー収納容器であるホッパー2、
アジテータ3、供給ローラ4、トナー担持体である現像
ローラ5、トナー制御手段6、等を有しており、このト
ナー制御手段6は、シート体7、シート支持機構8、加
圧機構9、等を有している。
【0020】前記ホッパー2は、一部に開口部10が形
成された容器であり、内部にトナー(図示せず)が収納
される。このトナーは、非磁性の高抵抗型であり、ポリ
エステルやポリオール等がメイン樹脂として使用されて
おり、帯電制御剤として四級アンモニウム塩等が含有さ
れるとともに外添剤としてシリカ等が含有されている。
その粒径は4〜10(μm)であり、体積固有抵抗は10
12(Ω・cm)である。
【0021】前記現像ローラ5は、円筒形に形成されて
回転自在に軸支されており、前記ホッパー2の開口部1
0に配置されている。より詳細には、前記現像ローラ5
は、アルミニウム合金やステンレス鋼等の金属、シリコ
ンやブタジエンやヒドリン等のゴム、ナイロン(登録商
標)やポリイミド等の樹脂、等を材料として非磁性に形
成されており、所望によりシリコン等の離型層をコーテ
ィングすることも可能である。このようなコーティング
層の膜厚や内部材料の組成により、その体積固有抵抗は
100〜1012(Ω・cm)に調節することができる。その表面
にはサンドブラスト等により微細な凹凸が形成されてお
り、この凹凸はトナーの平均粒径を 100とした場合に表
面粗度がRaで30〜40(%)となるよう形成されている。
【0022】前記アジテータ3は、平板状に形成されて
中央部で回転自在に軸支されており、前記開口部10か
ら離反した前記ホッパー2の底部に配置されている。前
記供給ローラ4は、円筒形に形成されて回転自在に軸支
されており、前記開口部10の下方で前記ホッパー2の
底部の位置に配置されて前記現像ローラ5に当接されて
いる。
【0023】前記トナー制御手段6のシート体7は、前
記シート支持機構8により前記ホッパー2の内部に張架
されており、前記現像ローラ5の表面に当接している。
このシート体7は、ナイロンやポリイミドやポリエチレ
ン等の樹脂、ポリウレタン等のゴムを材料とし、例え
ば、カーボンブラックを含有させた柔軟なフィルムから
なり、前記現像ローラ5に当接する表面には、弗素樹脂
やシリコン樹脂等の離型層がコーティングされている。
その厚さは 10(μm)〜2(mm)であり、体積固有抵抗は10
6(Ωcm)以下である。
【0024】前記加圧機構9は、回転自在な支持ローラ
11を有しており、この支持ローラ11の軸受は、ガイ
ドレールにより前記現像ローラ5に向かってスライド自
在に支持されている。このスライド自在な前記支持ロー
ラ11の軸受が、前記現像ローラ5に向かってコイルス
プリングにより100〜300(gf/cm)の線圧で付勢されてい
るので(以上図示せず)、前記加圧機構9は、前記シー
ト体7を所定の応力で押圧して前記現像ローラ5に所定
の圧力で圧接させている。
【0025】前記シート支持機構8は、回転自在な一対
の支持ローラ12,13を有しており、これらの支持ロ
ーラ12,13に前記シート体7の両端が巻回されてい
る。一方の前記支持ローラ12には駆動モータが連結さ
れており、他方の前記支持ローラ13には摩擦クラッチ
が連結されているので(図示せず)、前記シート体7は
前記現像ローラ5の表面の循環方向に移動自在に支持さ
れている。
【0026】前記シート支持機構8は、前記支持ローラ
12,13の位置が前記現像ローラ5の接線上の位置よ
り前記現像ローラ5の中心側に変位しているので、前記
支持ローラ12,13により張架された前記シート体7
は、前記現像ローラ5の表面に巻回されるように当接し
ており、この現像ローラ5と前記シート体7とは所定の
面積で面接触している。
【0027】そして、本実施の形態の現像装置1は、電
子写真装置(図示せず)の一部として設けられており、
その潜像担持体である感光ドラム14に前記現像ローラ
5が当接するよう配置されている。本実施の形態の電子
写真装置は、印刷枚数を積算するカウンタ回路、積算さ
れた印刷枚数を基準値と比較する比較回路、印刷枚数が
基準値を超過すると前記駆動モータを駆動して前記シー
ト体7を2〜3(mm)程度の所定量だけ移動させる制御回
路、等が設けられている(図示せず)。つまり、これら
の回路により形成された移動制御手段により、印刷枚数
が基準値を超過すると前記シート体7の前記現像ローラ
5に当接する位置が移動される。
【0028】このような構成において、本実施の形態の
現像装置1は、電子写真装置の一部として感光ドラム1
4の表面の静電潜像に帯電したトナーを均一に供給す
る。その場合、ホッパー2の内部に収納されているトナ
ーは、回転するアジテータ3により撹拌され、回転する
供給ローラ4により回転する現像ローラ5の表面に供給
される。このようにトナーが付着する現像ローラ5の表
面には、シート支持機構8により張架されたシート体7
が加圧機構9により圧接されているので、現像ローラ5
の表面に付着したトナーは、シート体7により擦過され
て一定の層厚に規制されるとともに摩擦帯電される。
【0029】このように現像ローラ5の表面で一定の層
厚に規制されて帯電したトナーは、現像ローラ5の回転
によりホッパー2の内部から各部に移送されて感光ドラ
ム14の表面の静電潜像に順次転写される。このように
現像された感光ドラム14のトナーは印刷用紙に順次転
写され、この印刷用紙はトナーが定着処理されてから電
子写真装置の外部に排出されるので、この電子写真装置
はトナーにより画像が形成された印刷用紙を発行するこ
ととなる。なお、上述のように現像装置1により感光ド
ラム14の表面の静電潜像を現像した場合、例えば、ベ
タ画像の帯電量は“−5〜−35(μC/g)”である。
【0030】本実施の形態の現像装置1は、上述のよう
に現像ローラ5の表面に付着したトナーをトナー制御手
段6により擦過して層厚を一定に規制するとともに摩擦
帯電させることができるので、感光ドラム14の静電潜
像にトナーを均一に供給することができる。しかも、現
像ローラ5の表面に当接する部材がシート体7なので、
このトナーを摩擦帯電させる当接部分を充分に確保する
ことができ、このシート体7を加圧機構9により現像ロ
ーラ5に押圧しているので、このトナーを一定の層厚に
規制する圧接の圧力を安定に維持することができる。つ
まり、本実施の形態の現像装置1は、充分に帯電したト
ナーを長期的に均一な層厚で供給することができ、良好
な現像性能を安定して発揮することができる。
【0031】さらに、本実施の形態の現像装置1では、
シート支持機構8によりシート体7を現像ローラ5の表
面の循環方向に移動自在に支持しているので、トナーが
シート体7の表面に固着することによる現像性能の低下
も防止されている。つまり、前述のように現像装置1の
使用が長期間となると、シート体7の表面の現像ローラ
から離反した直後の位置にトナーが固着し、現像ローラ
5の表面のトナーの一定の層厚の破壊や帯電電荷の放電
が発生する。
【0032】しかし、本実施の形態の電子写真装置で
は、印刷枚数が基準値を超過すると移動制御手段により
シート体7の現像ローラ5に当接する位置が移動される
ので、上述のようにシート体7の表面に固着したトナー
を現像ローラ5の表面から充分に離反させることができ
る。より詳細には、印刷用紙にトナーで画像を形成する
場合、その印刷枚数がカウンタ回路により積算され、こ
の積算値が比較回路により基準値と比較される。この基
準値を積算値が超過すると、制御回路によりシート支持
機構8の駆動モータが駆動され、シート体7が所定量だ
け移動される。
【0033】このため、シート体7の表面に固着したト
ナーが現像ローラ5の表面から充分に離反した位置まで
移動するので、現像ローラ5の表面のトナーの層厚の均
一性や帯電の電位が阻害されることがなく、現像装置1
の現像性能が長期的に良好に維持される。なお、このよ
うな現像装置1および電子写真装置を試作してランニン
グテストを実施したところ、図2に示すように、感光ド
ラム14の表面でのトナーの帯電や付着の特性の変化が
従来より軽減されることが確認され、図3に示すよう
に、電子写真装置としての画像品質の経時劣化も軽減さ
れることが確認された。
【0034】なお、本発明は上記形態に限定されるもの
ではなく、各種の変形を許容する。例えば、上記形態で
はトナーが非磁性の高抵抗型であることを例示したが、
これを磁性としたり低抵抗型とすることも可能である。
磁性のトナーを利用する場合には、これに対応して現像
ローラ5等も磁性に形成することが好ましく、例えば、
フェライトを混入させたゴムで現像ローラ5を外装した
り、内部にマグネットを配置した金属スリーブにより現
像ローラ5を形成すれば良い。
【0035】また、上記形態では加圧機構9が支持ロー
ラ11をガイドレールによりスライド自在に支持してコ
イルスプリングの圧力によりシート体7に押圧すること
を例示したが、このような構造も各種の変形が可能であ
る。例えば、図4に示すように、支持ローラ11でなく
断面形状が多角形のシャフト15を利用すること、コイ
ルスプリングの圧力でなく張力を利用すること、コイル
スプリングでなく板バネやマグネットを利用すること、
ガイドレールでなく回動アームを利用すること、等が可
能である。
【0036】さらに、上記形態ではシート支持機構8が
印刷枚数に対応してシート体7を自動的に移動させるこ
とを例示したが、これをユーザの手動操作により所望の
タイミングに移動させることも可能である。また、ここ
ではこのシート体7の移動量を数ミリで充分とするた
め、シート体7を現像ローラ5の表面の移動方向として
下方から上方に移動させることを装填したが、これを下
方から上方に移動させることも可能である。
【0037】さらに、上記形態ではシート体7の現像ロ
ーラ5に当接する位置を移動させるため、シート支持機
構8によりシート体7を移動させることを例示したが、
加圧機構9がシート体7を押圧する位置を現像ローラ5
の表面の循環方向に移動自在とする押圧変位機構(図示
せず)を設けることも可能である。このような押圧変位
機構を形成する場合には、例えば、支持ローラ11の軸
受を現像ローラ5と同軸の回動アームにより円弧状に移
動自在に支持し、この回動アームの角度をリンク機構や
ソレノイドにより所定位置に保持すれば良い。
【0038】この場合、加圧機構9がシート体7を押圧
する位置を押圧変位機構により移動自在とすることがで
きるので、やはり長期間の使用によりシート体7の表面
の現像ローラ5から離反した直後の位置にトナーが固着
しても、この位置を現像ローラ5の表面から充分に離反
した位置まで移動させることができ、現像性能の経時劣
化を防止することができる。
【0039】また、上記形態ではトナー担持体として現
像ローラ5を例示するとともに潜像担持体として感光ド
ラム14を例示したが、これらを複数の支持ローラによ
り超過したエンドレスの現像ベルトや感光ベルトとして
形成することも可能である。ただし、トナー担持体を現
像ベルトとして形成する場合には、その表面にシート体
7を良好に圧接させるため、現像ベルトが支持ローラに
より支持された位置にシート体7を配置することが好ま
しい。
【0040】また、トナーは特定の電位に対して所定の
分布で現像ローラ5に付着するので、電位が適正でなく
現像ローラ5に付着したトナーは、静電潜像とは無関係
に感光ドラム14に転写されて画像品質を低下させるこ
とになる。これが問題となる場合には、シート体7に多
数の開口孔を形成し、帯電の電位が適正でなく吸着力が
不足したトナーをシート体7の開口孔から脱落させるこ
とが好ましい。
【0041】つぎに、本発明の実施の第二の形態を図5
および図6を参考に以下に説明する。なお、この実施の
第二の形態に関し、上述した実施の第一の形態と同一の
部分は、同一の名称および符号を使用して詳細な説明は
省略する。まず、本実施の形態の現像装置21では、図
5に示すように、トナー担持体である現像ローラ22
が、二重構造のソフトタイプとして形成されている。つ
まり、この現像ローラ22は、発泡スポンジや低硬度ゴ
ムにより形成された弾性ローラ23と、樹脂フィルム等
によりエンドレスに形成されたベルト体24とを有して
おり、回転自在に軸支された前記弾性ローラ23の外周
部に前記ベルト体24が循環自在に配置されている。
【0042】また、トナー制御手段25の加圧機構26
は、回転自在な支持ローラ27を位置不動に配置してお
り、この支持ローラ27によりシート体7を前記現像ロ
ーラ22に圧接させる圧力は、前記弾性ローラ23の弾
力により発生させている。また、トナー制御手段25の
シート支持機構28は、シート体7を直線状に張架して
おり、この直線状に張架されたシート体7を前記弾性ロ
ーラ23の変形により前記現像ローラ22の表面に所定
の面積で接触させている。
【0043】本実施の形態では、トナーが二成分系の磁
性タイプであり、マグネタイト等の磁性材料が添加され
ている。このため、前記支持ローラ27は磁性ローラと
して形成されており、図6に示すように、その周面が着
磁されている。
【0044】さらに、本実施の形態の現像装置21で
は、前記加圧機構26の支持ローラ27に電源装置29
が接続されており、この電源装置29は前記現像ローラ
22のバイアス電圧に対して“0〜−100(V)”の電位
差の直流電圧を前記支持ローラ27に印加する。なお、
前記現像ローラ22のカーボンブラック等の導電性材料
を低減して体積固有抵抗を1012(Ωcm)以上とすることに
より、上述の電位差を“−500〜600(V)”とすることも
可能である。
【0045】このような構成において、本実施の形態の
現像装置21も、前述した現像装置1と同様に、電子写
真装置の一部として感光ドラム14の表面の静電潜像に
帯電したトナーを均一に供給する。その場合、ホッパー
2の内部に収納されている磁性のトナーは、回転する現
像ローラ22の表面に磁気引力により供給され、トナー
制御手段25により一定の層厚に規制されるとともに摩
擦帯電される。
【0046】このとき、本実施の形態の現像装置21で
は、現像ローラ22が弾性ローラ23とベルト体24と
の二重構造なので、シート体7を直線状に張架して支持
ローラ27により支持するだけで、トナーを摩擦帯電さ
せる当接部分を充分に確保することができ、トナーを一
定の層厚に規制する圧接の圧力を安定に維持することも
できる。つまり、本実施の形態の現像装置21は、充分
に帯電したトナーを長期的に均一な層厚で供給すること
ができ、良好な現像性能を安定して発揮することができ
る。
【0047】さらに、本実施の形態の現像装置21で
は、加圧機構26の支持ローラ27に電源装置29によ
り電圧を印加しているので、この電荷もトナーに印加す
ることができる。このため、トナーの帯電電位を現像ロ
ーラ22とシート体7との摩擦帯電のみで発生させる必
要がなく、トナーを充分な電位に帯電させて現像性能を
向上させることができる。
【0048】また、本実施の形態の現像装置21では、
トナーが磁性を有して加圧機構26の支持ローラ27が
磁性ローラなので、この支持ローラ27の回転によりト
ナーをシート体7と現像ローラ22との間隙に誘導する
ことができ、供給ローラ4を省略するようなことが可能
となっている。
【0049】
【発明の効果】請求項1記載の発明の現像装置では、ト
ナー制御手段は、トナー収納容器の内部に張架されてト
ナー担持体の表面に当接するシート体と、このシート体
を押圧してトナー担持体に圧接させる加圧機構とを有す
ることにより、トナー担持体の表面に当接する部材がシ
ート体なので、この当接部分を充分に確保してトナーを
良好に摩擦帯電させることができ、シート体を専用の加
圧機構によりトナー担持体に押圧しているので、その圧
力を安定に発生させてトナーを一定の層厚に規制する機
能を良好に維持することができ、トナーを充分に帯電さ
せて均一な層厚に規制する性能を長期的に良好に維持す
ることができる。
【0050】請求項2記載の発明の現像装置では、トナ
ー制御手段は、シート体をトナー担持体の表面の循環方
向に移動自在に支持するシート支持機構を有することに
より、長期間の使用によりシート体の表面のトナー担持
体から離反した直後の位置にトナーが固着しても、この
位置をトナー担持体の表面から充分に離反した位置まで
移動させることができるので、現像性能の経時劣化を解
消することができる。
【0051】請求項3記載の発明の現像装置では、シー
ト体は、多数の開口孔が形成されていることにより、帯
電の電位が適正でなく吸着力が不足したトナーをシート
体の多数の開口孔から脱落させることができるので、電
位が適正でないトナーによる画像品質の低下を防止する
ことができる。
【0052】請求項4記載の発明の現像装置では、トナ
ー制御手段は、加圧機構がシート体を押圧する位置をト
ナー担持体の表面の循環方向に移動自在とする押圧変位
機構を有することにより、長期間の使用によりシート体
の表面のトナー担持体から離反した直後の位置にトナー
が固着しても、この位置をトナー担持体の表面から充分
に離反した位置まで移動させることができるので、現像
性能の経時劣化を解消することができる。
【0053】請求項5記載の発明の現像装置では、トナ
ー担持体は、回転自在に軸支された弾性ローラと、この
弾性ローラの外周部に循環自在に配置されたエンドレス
のベルト体とを有することにより、例えば、シート体を
直線状に張架して位置不動の加圧機構により支持して
も、ベルト体とシート体とが当接する部分を充分に確保
することができ、シート体をベルト体に圧接させる圧力
を安定に発生させることができ、簡単な構造でトナーを
充分に帯電させて均一な層厚に規制する性能を長期的に
良好に維持することができる。
【0054】請求項6記載の発明の現像装置では、加圧
機構に電圧を印加する電源装置を設けたことにより、ト
ナー担持体とシート体との摩擦によりトナーを帯電させ
る際、電源装置から加圧機構に印加される電圧でもトナ
ーが帯電するので、現像性能を向上させることができ
る。
【0055】請求項7記載の発明の現像装置では、トナ
ーは、磁性を有し、加圧機構は、回転自在に軸支された
磁性ローラを有することにより、この加圧機構の磁性ロ
ーラによりトナーをトナー担持体とシート体との間隙に
誘導することができるので、この誘導専用の供給ローラ
を省略するようなことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第一の形態の現像装置を一部と
する電子写真装置の要部を示す模式図である。
【図2】潜像担持体である感光ドラムの表面でのトナー
の帯電と付着との特性の経時変化を示す特性図である。
【図3】画像品質の経時変化を示す特性図である。
【図4】加圧機構の変形例を示す側面図である。
【図5】本発明の実施の第二の形態の現像装置を一部と
する電子写真装置の要部を示す模式図である。
【図6】加圧機構の磁性ローラである支持ローラを示す
模式図である。
【図7】従来の現像装置の場合の感光ドラムの表面での
トナーの帯電と付着との特性の経時変化を示す特性図で
ある。
【図8】画像品質の経時変化を示す特性図である。
【符号の説明】
1,21 現像装置 2 トナー収納容器 5 トナー担持体 6,25 トナー制御手段 8,28 シート支持機構 9,26 加圧機構 10 開口部 14 潜像担持体 23 弾性ローラ 24 ベルト体 29 電源装置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一部が開口して内部にトナーが収納され
    るトナー収納容器と、このトナー収納容器の開口部に配
    置されて順次循環する表面によりトナーを移送するトナ
    ー担持体と、前記トナー収納容器に装着されて前記トナ
    ー担持体の表面を擦過することにより移送されるトナー
    を一定の層厚に規制するとともに摩擦帯電させるトナー
    制御手段とを有し、前記トナー担持体により前記トナー
    収納容器の内部から移送されるトナーを前記トナー制御
    手段により一定の層厚に規制するとともに摩擦帯電させ
    てから潜像担持体の表面の静電潜像に順次供給する現像
    装置において、前記トナー制御手段は、前記トナー収納
    容器の内部に張架されて前記トナー担持体の表面に当接
    するシート体と、このシート体を押圧して前記トナー担
    持体に圧接させる加圧機構と、を有することを特徴とす
    る現像装置。
  2. 【請求項2】 トナー制御手段は、シート体をトナー担
    持体の表面の循環方向に移動自在に支持するシート支持
    機構を有することを特徴とする請求項1記載の現像装
    置。
  3. 【請求項3】 シート体は、多数の開口孔が形成されて
    いることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
  4. 【請求項4】 トナー制御手段は、加圧機構がシート体
    を押圧する位置をトナー担持体の表面の循環方向に移動
    自在とする押圧変位機構を有することを特徴とする請求
    項1記載の現像装置。
  5. 【請求項5】 トナー担持体は、回転自在に軸支された
    弾性ローラと、この弾性ローラの外周部に循環自在に配
    置されたエンドレスのベルト体と、を有することを特徴
    とする請求項1記載の現像装置。
  6. 【請求項6】 加圧機構に電圧を印加する電源装置を設
    けたことを特徴とする請求項1記載の現像装置。
  7. 【請求項7】 トナーは、磁性を有し、加圧機構は、回
    転自在に軸支された磁性ローラを有することを特徴とす
    る請求項1記載の現像装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009025370A (ja) * 2007-07-17 2009-02-05 Canon Inc 現像装置及び画像形成装置
JP2011095374A (ja) * 2009-10-28 2011-05-12 Oki Data Corp 現像装置および画像形成装置

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