JP2000133519A - 着磁方法 - Google Patents

着磁方法

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JP2000133519A
JP2000133519A JP32001198A JP32001198A JP2000133519A JP 2000133519 A JP2000133519 A JP 2000133519A JP 32001198 A JP32001198 A JP 32001198A JP 32001198 A JP32001198 A JP 32001198A JP 2000133519 A JP2000133519 A JP 2000133519A
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magnetic
magnet roll
peripheral surface
roll
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JP32001198A
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English (en)
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Koji Masuda
晃二 増田
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無端状の周面を有する被着磁体に、複数の磁
極を均一な微小間隔で効率よく形成する。 【解決手段】 周面付近に複数の磁極が着磁されたマス
ター磁石ロール2を、支持枠3によって軸線回りの回転
が可能に支持し、被着磁体1を無端状の周面が該マスタ
ー磁石ロールの周面に接触又は近接するように配置す
る。そして、モータ4によって、マスター磁石ロールと
被着磁体との対向する周面が同方法に移動するように回
転駆動し、マスター磁石ロール上の磁極によって形成さ
れる磁界で、被着磁体の周面に着磁を行なう。上記マス
ター磁石ロール及び被着磁体の周速は同じであってもよ
いし差を設けても良い。また、被着磁体の径はマスター
磁石ロールと同じであっても、異なるものであっても良
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願に係る発明は、磁性材料
で形成され無端状の周面を有する被着磁体又は無端状の
周面上もしくは周面付近に磁性体層を有する被着磁体
に、複数の磁極を微小な間隔で形成する着磁方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式の画像形成装置では、像担
持体上に静電電位の差による潜像を形成し、この潜像に
トナーを付着させて可視像を形成する。このように潜像
を可視化する現像装置は、無端状の周面に現像剤の薄層
を担持して周回駆動される現像剤担持体を有しており、
この現像剤担持体を上記像担持体と接触または近接対向
するように配置し、双方の間に形成された電界内でトナ
ーを転移させる。上記現像剤担持体の周面に形成される
現像剤層は、一般に磁性トナーまたは二成分現像剤中の
磁性キャリアを磁気的に吸着することによって形成され
ており、現像剤担持体の磁性体からなる無端状周面、又
は周面付近に形成された磁性体層に複数の磁極が着磁さ
れている。
【0003】このように用いられる現像剤担持体には、
例えば、特開平9−269661号公報に記載されてい
るように、無端状周面に沿って25〜250μm程度の
狭いピッチで磁極が設けられたものがある。このような
現像剤担持体では、周面上に二成分現像剤を吸着したと
きに、磁界が周面より離れた位置にまで及ばず、現像剤
が薄い層となる。したがって、このような現像剤担持体
を用いた現像装置又は画像形成装置では、現像剤の穂立
ちをトリマーブレードで切り取ったり、機械的に均した
りする必要がなく、現像剤に与えるストレスが少なくな
って現像剤の寿命を長くすることができる。また、この
ような現像剤担持体上に磁気的吸着力のみによって形成
される穂立ちは、トリマーブレードで形成される層に比
べて極めて薄い層となるため、高精細な現像を行うこと
が可能となる。
【0004】一般に、現像剤担持体として用いる部材の
着磁は、周方向に5〜6程度の磁極を有するものでは、
周囲に着磁ヨークを配置し、この着地ヨークの先端付近
に生じる磁界によって行うことができる。しかし、上記
現像剤担持体のように周方向に微小間隔で多数の磁極を
設ける場合には、周方向に多数の着磁ヨークを配置して
着磁することができない。このため、磁気ヘッドを現像
剤担持体の周面と相対移動させながら着磁を行う方法が
特開昭58−49969号公報、特開平9−26966
2号公報等に開示されている。これらの方法は、周面に
薄い磁性体層が形成されたドラム状の現像剤担持体に磁
気ヘッドを対向するように配置し、現像剤担持体を一定
速度で回転させながら磁気ヘッドを現像剤担持体の軸方
向に移動させる。そして、磁気ヘッドの励磁コイルに電
流を導通し、現像剤担持体の周面を螺旋状に着磁するも
のである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような着磁方法では、次のような問題点がある。一般に
磁気ヘッドの幅は、被着磁体である現像剤担持体の周面
の幅より小さく、幅方向に連続した磁極を設けるには、
幅方向に何回かに分割して着磁を行わなければならな
い。つまり、被着磁体を周回させながら周方向に着磁し
ていく場合には、特開昭58−49969号公報に示さ
れるように螺旋状に着磁するか又は一周回分の着磁を行
った後、磁気ヘッドを被着磁体周面の幅方向に移動し、
再び周方向に着磁を行うという動作を繰り返すことにな
る。
【0006】このような着磁では、被着磁体の軸線方向
に均一で連続した磁極を形成しようとしても、被着磁体
の先の周回で着磁される領域と次の周回で着磁される領
域との境界部分で磁極の位置がずれたり、この境界部分
の磁束密度が他の部分と異なったりする。このような磁
極の継目部は、例えば螺旋状に着磁したときには、螺旋
状に配列され、このような被着磁体に現像剤を付着させ
ると、着磁の継目部に沿って現像剤の付着量が異なる部
分が形成される。このような現像剤層を静電潜像に対向
させて現像を行なうと、像に濃度ムラが生じ、画像均一
性の低下、カラー画像における色の変化などの画質の劣
化が引き起こされる。
【0007】また、このような着磁方法では、磁気ヘッ
ドの幅は、一般に1mmから5mm程度と短く、被着磁
体の周面に微小なピッチで磁極を形成するためには、磁
気ヘッドと被着磁体とを少しずつ相対移動しながら長時
間をかけて走査することになり、生産性が極めて低い。
【0008】これに対し、磁気ヘッドと被着磁体との相
対移動の速度を大きくすることが考えられるが、高速で
相対移動させると着磁位置の精度が低下し、着磁位置の
ずれが顕著となってしまう。一方、磁気ヘッドの幅を、
例えば被着磁体の着磁幅以上とし、磁気ヘッド又は被着
磁体を一周回させるだけで、全周にわたって着磁を行な
うことも考えられる。しかし、磁気ヘッドの対向する着
磁極は10μmから200μm程度の狭い間隔で対向す
るものが必要であり、これを全幅にわたって均一にする
には、磁気ヘッドの加工に極めて高い精度が要求され
る。また、磁気ヘッドと被着磁体の周面との間に不均等
な間隔が生じると着磁の強さにむらが生じてしまう。こ
のため、磁気ヘッドのみでなく被着磁体にも高い精度が
要求され、製作コストが高騰することになる。
【0009】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的は、無端状の周面を有する
被着磁体に、複数の磁極を均一な微小間隔で効率よく形
成することが可能な着磁方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、 磁性材料で形成され
無端状の周面を有する被着磁体、又は無端状の周面上も
しくは周面付近に磁性体層を有する被着磁体に、複数の
磁極を微小間隔で着磁する方法であって、 周面付近に
複数の磁極が着磁されたマスター磁石ロールを軸線回り
の回転が可能に支持し、被着磁体の無端状周面を該マス
ター磁石ロールの周面に接触又は近接させ、該マスター
磁石ロールの周面及び被着磁体の周面が対向位置で同方
向に移動するように駆動する着磁方法を提供する。
【0011】上記被着磁体とマスター磁石ロールとの駆
動は、例えばいずれか一方を、モーター等の駆動源から
の動力で駆動し、他方は上記駆動される部材に周面を圧
接することによって摩擦力又はマスター磁石ロールから
の磁気的吸着力で回転駆動することができる。また、双
方をギア又はプーリーとベルト等の動力伝達機構によっ
て連動することもできる。さらに、被着磁体とマスター
磁石ロールとを別の駆動源によってそれぞれ駆動しても
よい。
【0012】このような着磁方法では、マスター磁石ロ
ールと被着磁体とを駆動し、被着磁体を一周回させるだ
けで全周にわたって複数の磁極を設けることができ、操
作も簡単で着磁の効率が著しく向上する。また、被着磁
体又はマスター磁石ロールの駆動に多少の速度むら等が
生じても、これらが連動していれば着磁位置、着磁間隔
等に及ぼす影響は少なく、精度の高い着磁が可能とな
る。
【0013】請求項2に記載の発明は、 請求項1に記
載の着磁方法において、 前記被着磁体は、前記マスタ
ー磁石ロールと同径のロール状部材であり、 該被着磁
体とマスター磁石ロールとは、回転数比が1:1となる
ように双方を回転駆動するものである。
【0014】このような着磁方法では、ギア等によって
被着磁体とマスター磁石ロールの回転数比が1:1とな
るように駆動されることによって、双方の周面上の対向
する位置は一周回した後も正確に同じ位置になる。した
がって、被着磁体又はマスター磁石ロールの径に多少の
誤差がある場合や、偏心しているような場合でも、着磁
開始時に最初に着磁する磁極と一周回して最後に着磁す
る磁極との間隔も他の磁極間隔と大きく異なるようなこ
とがなく、全周にわたってほぼ等間隔で磁極を設けるこ
とができる。
【0015】請求項3に記載の発明は、 請求項1に記
載の着磁方法において、 前記マスター磁石ロールに着
磁された磁極の周方向の磁極間隔は、前記被着磁体に着
磁しようとする磁極間隔と異なるものとし、 前記マス
ター磁石ロールと被着磁体との周面の移動速度比が、該
マスター磁石ロールの磁極間隔と前記被着磁体に着磁し
ようとする磁極間隔との比と、同じになるようにマスタ
ー磁石ロールおよび被着磁体の双方を回転駆動するもの
である。
【0016】このような着磁方法では、被着磁体の周面
とマスター磁石ロールの周面とは対向位置で相対的に移
動することになるが、マスター磁石ロールの各磁極が被
着磁体の周面に対して移動する範囲で着磁が行なわれ、
その磁極間隔がマスター磁石ロールの磁極間隔と異なる
ものとなる。したがって、双方の回転駆動速度を調整す
ることにより、被着磁体の周面に着磁しようとする磁極
間隔がマスター磁石ロールの磁極間隔と異なる場合であ
っても、正確に所定間隔で磁極を設けることができる。
【0017】上記のような着磁に用いるマスター磁石ロ
ールは、周面付近を請求項4に記載するようにネオジム
系磁石、あるいは請求項5に記載するようにマンガンア
ルミ磁石で形成することができる。上記ネオジム系磁石
を用いることによって、残留磁束密度が高くなり、磁極
間隔を25μmから250μm程度の狭い間隔として
も、マスター磁石ロールとして十分な300mT以上の
残留磁束密度が容易に得られる。また、マンガンアルミ
磁石を用いる場合は、比較的残留磁束密度が高く、円筒
形状への加工が容易で、しかもマスター磁石ロールとし
て繰り返し着磁に用いても高い耐久性を有するものとな
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本願に係る発明の実施の形
態を図に基づいて説明する。図1は、請求項1に記載の
発明の一実施形態である着磁方法を示す概略図である。
この着磁方法は、図1(a)に示すように、ロール状の
被着磁体1と同じ外径のマスター磁石ロール2とを、周
面が接触するように平行に配置し、対向する周面が同じ
方向へ移動するように駆動するものであり、マスター磁
石ロール2の磁極が形成する磁界により、接触して回転
する被着磁体1に着磁を行なうものである。
【0019】上記マスター磁石ロール2は、少なくとも
周面近くがフェライト磁石、アルニコ磁石、希土類磁
石、マンガンアルミ磁石等でできており、周方向に等し
い微小間隔(25μm〜250μm程度)で、ロールの
軸線方向に連続する複数の磁極が着磁されている。この
マスター磁石ロール2は、図1(b)に示すように、支
持枠3に回転可能に支持され、モータ4からモータギア
5、減速ギア6、駆動ギア7を介して回転駆動力が伝達
される。なお、マスター磁石ロール2の着磁については
後述する。
【0020】一方、被着磁体1は、少なくとも外周面近
くがフェライト等の磁石材料で形成されたロール状部材
であり、軸受け8を介して回転可能に支持されるととも
に、ばね9によってマスター磁石ロール2に対して付勢
され、周面がマスター磁石ロール2の周面に圧接されて
いる。
【0021】着磁は、マスター磁石ロール2を回転駆動
することによって行われ、被着磁体1はマスター磁石ロ
ール2との圧接面に作用する摩擦力および磁気吸引力に
よって従動回転する。このようにして、マスター磁石ロ
ール2が一回転すると被着磁体1の周面にはマスター磁
石ロール2と同じピッチで全周に複数の磁極が着磁され
る。
【0022】図2は、請求項2に記載の発明の一実施形
態である着磁方法を示す概略図である。図1に示す着磁
方法では、被着磁体1はマスター磁石ロール2との接触
部における摩擦力及び磁気的吸引力によって従動するも
のであるが、本実施形態の着磁方法は、図2に示すよう
に、マスター磁石ロール2の駆動ギアから被着磁体11
の駆動ギア12に回転駆動力を伝達して双方を駆動する
ものである。このとき、被着磁体11の外径はマスター
磁石ロール2の外径と等しいものとし、駆動ギア12は
マスター磁石ロール2の駆動ギア7と同じ歯数とするこ
とにより、被着磁体11はマスター磁石ロール2と同じ
回転数となり、マスター磁石ロール2と同じ磁極間隔で
着磁される。また、着磁を開始してから一周した後の着
磁位置が最初に着磁した磁極とずれることがなく、全周
にわたって正確に等間隔で着磁することができる。
【0023】図1又は図2に基づいて説明した着磁方法
は、いずれも被着磁体としてマスター磁石ロールと同じ
径のロール状部材を用いているが、異なる径のロール状
部材に着磁することもできる。ただし、図1に示す方法
では、マスター磁石ロールの回転数と被着磁体の回転数
が一致せず、被着磁体が一回転したとき最初に着磁され
る磁極と最後に着磁される磁極の間隔が所定の値となる
ように被着磁体の径を正確に調整する必要がある。ま
た、図2に示す方法のように、駆動ギアの歯数が同じで
あると、被着磁体の径がマスター磁石ロールの径と異な
ることによって周速差が生じ、周面には同数の磁極が形
成されるが着磁間隔が異なることになる。このような着
磁方法は請求項3に記載の発明の一実施形態となる。
【0024】図3は、請求項1又は請求項3に記載の発
明の他の実施形態である着磁方法を示す概略図である。
この着磁方法は、先に説明した実施形態と同様のマスタ
ー磁石ロールを用いて被着磁体に着磁を行うものである
が、平行に配置された被着磁体21とマスター磁石ロー
ル22とを、それぞれ別のモータ23,24で駆動する
ものである。そして、それぞれの回転速度を適切に調整
して着磁を行うことにより、一つのマスター磁石ロール
でそれより大きな径または小さな径の被着磁体への着磁
も容易に行なうことができる。また、一つのマスター磁
石ロールで被着磁体に異なる磁極ピッチで着磁すること
もできる。
【0025】このような着磁において、径が異なる被着
磁体に、マスター磁石ロールと同じ着磁ピッチで着磁を
行うときは、マスター磁石ロールと被着磁体の表面速度
が等しくなるように両者の回転速度を制御する。ただ
し、被着磁体の1周分の着磁が終了した所で着磁開始時
に着磁された磁極との間で、磁極ピッチの位相がずれな
いように、必要に応じて両者の速度を微調整する。ま
た、異なる磁極ピッチで着磁を行うときは、マスター磁
石ロールと被着磁体との回転駆動速度の比を磁極ピッチ
の比と等しくなるように設定して着磁を行う。
【0026】上記のようにマスター磁石ロールと被着磁
体との周速に差を持たせて着磁を行うときには、両者の
表面を互いに滑らせて接触させるか、両者の間にわずか
な間隙を設けて回転させることになる。後者の場合には
間隙を十分小さくしないと高い着磁残留磁束密度が得ら
れず、均一で高い磁束密度に着磁するには、両者を全長
にわたって微小な間隙を均一に保って回転させることが
望ましい。
【0027】なお、マスター磁石ロールの磁極ピッチと
異なる間隔で着磁する場合は、マスター磁石ロールの磁
極ピッチより広いピッチで着磁する方が容易である。つ
まり、マスター磁石ロールの磁極ピッチより狭い間隔で
着磁を行う場合には、マスター磁石ロールの磁極によっ
て形成される着磁磁界が着磁ピッチに比べて十分狭く、
磁束密度の分布の形状がシャープでなければ、隣接する
S極とN極が重なり合って着磁され、十分な残留磁束密
度が得られない。このため、着磁する磁極のピッチをマ
スター磁石ロールより狭める割合には限界があり、適切
に磁極ピッチの比及びマスター磁石ロールの磁極間隔等
を設定する必要がる。
【0028】また、上記のように径の異なる被着磁体に
着磁を行う場合、又はマスター磁石ロールの磁極ピッチ
と異なる磁極ピッチで着磁を行う場合は、図4に示すよ
うに、モータ33からマスター磁石ロール32に駆動力
を伝達するギア34から伝達ギア35,36を介して回
転駆動力を被着磁体31に伝達してもよい。このような
場合にはギア比を適切に選択することによって所定のピ
ッチで着磁を行うことができる。
【0029】次に、本願発明に係る着磁方法で使用する
マスター磁石ロールの構成及び着磁方法について説明す
る。マスター磁石ロールは製品となる被着磁体の原器と
して、少数を作成すればよいものである。したがって、
生産効率や費用はあまり問題にはならず、均一で高い残
留磁束密度が得られること、円筒形状への加工精度に優
れていること、表面耐久性を有すること、精度の高い着
磁パターンが得られることを優先して、材料等を選択す
ることができる。
【0030】このようなマスター磁石ロールの周面付近
を構成する磁石材料としては、フェライト磁石、アルニ
コ磁石、希土類磁石、マンガンアルミ磁石等の中から選
択することができる。特に、希土類磁石のうちNd−F
e−B系(ネオジム系)の焼結磁石やボンド磁石は高い
残留磁束密度が得られるものであり、着磁用マスター磁
石として充分な300mT以上の残留磁束密度が容易に
得られる。また、比較的残留磁束密度が高く、円筒形状
への加工が容易でしかも耐久性のある材料として、例え
ばマンガンアルミ磁石があり、これを用いれば充分な残
留磁束密度を有するとともに表面耐久性のあるマスター
磁石ロールを容易に作製することができる。
【0031】マスター磁石ロールの構造は、例えば、中
空または中実の円筒形状に加工した磁石材料とステンレ
ス等の非磁性シャフトの組み合わせとすることができ
る。また、精度よく軸線回りに回転可能に支持されるも
のであれば、他の形状・構造等を採用することもできる
が、前述のように均一な強度で着磁を行うために、磁石
の円筒形状の周面の精度や回転中心の偏心について高い
精度を有するものが望ましい。
【0032】このようなマスター磁石ロールの着磁は次
のように行うことができる。図5に示すように、軸線回
りに回転可能に支持された円筒状のマスター磁石ロール
42の周面付近に磁気ヘッド41が近接又は接触するよ
うに配置される。この磁気ヘッド41は、二つの着磁極
41a,41bがマスター磁石ロール42の周方向に小
さな間隔をあけて対向するものである。そして、この磁
気ヘッドの励磁コイル41cに周期的な着磁電流が供給
されるとともに、マスター磁石ロール42が周方向に回
転駆動され、周方向に所定の間隔で複数の磁極が形成さ
れる。このように周方向に着磁を行うとともに磁気ヘッ
ド41はマスター磁石ロール42の軸線方向(図中に示
す矢印Bの方向)に等速で移動するものとし、その速度
はマスター磁石ロールが一回転する間に磁気ヘッド41
の軸線方向の幅dと等しい距離だけ移動するように設定
する。これにより、マスター磁石ロール42の周面は螺
旋状に着磁され、着磁電流の周期を適切に設定すること
により、軸線方向に直線状に連続した磁極を、周方向に
複数を設けることができる。
【0033】なお、この他にも次のような方法で着磁す
ることもできる。磁気ヘッドを静止した状態でマスター
磁石ロールを周回し、一回転分の着磁を行った後、磁気
ヘッドをその幅分だけ軸線方向に移動し、再び周方向に
着磁を行う。この動作を繰り返すことによってマスター
磁石ロールの所定の範囲に磁極を設ける。また、マスタ
ー磁石ロールを静止し、磁気ヘッドをマスター磁石ロー
ルの軸線方向に移動しながら着磁を行うものでもよい。
このとき着磁ヘッドの励磁コイルには着磁電流として直
流を導通する。そして、マスター磁石ロールの軸線方法
に所定幅の着磁を行った後、マスター磁石ロールを周方
向に磁極間隔分回転し、同様の着磁を行う。このような
動作を繰り返して全周に複数の磁極を着磁することがで
きる。
【0034】
【実施例】次に、上記の着磁方法によって実際に着磁を
行った結果について説明する。 (マスター磁石ロールの着磁)ネオジム系ボンド磁石を
外径20mm、内径8mm、全長250mmの円筒状に
成形し、外径8mmの非磁性ステンレスシャフトと組み
合わせて未着磁のマスター磁石ロールを作成する。この
未着磁のマスター磁石ロールの周面に、着磁極間のギャ
ップが45μmで、有効幅が3mmの磁気ヘッドを当接
する。このとき磁気ヘッドの二つの着磁極はマスター磁
石ロールの周方向に対向するように配置する。そして、
磁気ヘッドの励磁コイルに12.5Hzの電流を印加す
るとともに、マスター磁石ロールを2.86rpmで回
転し、上記磁気ヘッドを軸方向に0.129mm/sの
線速で移動する。このようにして着磁を行った結果、マ
スター磁石ロールの周面に、軸方向に連続し有効長が2
10mmの複数の磁極が、周方向の磁極間隔が120μ
mで、全周にわたって形成された。このマスター磁石ロ
ールの表面の残留磁束密度は400mTであり、マスタ
ー磁石ロールの全周を着磁するのに要した時間は約27
分であった。
【0035】(第1の被着磁体の着磁)一方、未着磁の
被着磁体は、フェライト焼結磁石を外径20mm、内径
8mm、全長250mmの円筒状に成形し、外径8mm
の非磁性ステンレスシャフトと組み合わせて作成した。
上記のように作成された被着磁体とマスター磁石ロール
とを平行に接触させて回転可能に支持し、マスター磁石
ロールを2.86rpmで回転させた。このとき被着磁
体は、マスター磁石ロールに吸引されるとともに、接触
部分の摩擦力によって同じ速度で回転する。その結果、
周方向の磁極の間隔が120μmで、軸方向の有効長2
10mmの範囲に直線状に連続した複数の磁極が、被着
磁体の全周にわたって形成された。この被着磁体の表面
の残留磁束密度は80mTであり、被着磁体の全周面に
着磁するのに要した時間は約21秒であった。
【0036】(第2の被着磁体の着磁)第2の被着磁体
は、フェライト焼結磁石を外径32mm、内径20m
m、全長250mmの円筒状に成形し、中央部と両端部
の外径がそれぞれ20mmおよび8mmである非磁性ス
テンレスからなるシャフトと組み合わせて未着磁の被着
磁体を作成した。この未着磁の被着磁体と上記の方法で
作成したマスター磁石ロールとを平行に接触させて回転
可能に支持し、マスター磁石ロールを2.86rpmで
回転させた。その結果、周方向の磁極の間隔が120μ
mで、軸方向に連続した複数の磁極が外径32mmの被
着磁体の全周にわたって形成された。この被着磁体の表
面の残留磁束密度は80mTであり、全周面に着磁する
のに要した時間は約34秒であった。
【0037】(比較例)本発明の効果を確認するための
比較例として、次のような従来から知られている着磁方
法で、同じパターンの磁極を形成した。被着磁体は、フ
ェライト焼結磁石を外径20mm、内径8mm、全長2
50mmの円筒状に成形し、外径8mmの非磁性ステン
レスからなるシャフトと組み合わせたものを用いる。こ
の未着磁の被着磁体を11.5rpmで回転させ、着磁
極間のギャップが45μmで、有効幅が3mmの磁気ヘ
ッドを、軸方向に0.516mm/sの線速で送りなが
ら、磁気ヘッドに50Hzの電流を印加して着磁を行っ
た。上記被着磁体の回転速度は、着磁間隔を実用的な精
度とするのに許容されるほぼ最大限と考えられる。上記
のような着磁により、周方向の磁極間隔が120μm
で、軸方向の有効長210mmの範囲で直線状に連続し
た複数の磁極が、被着磁体の全周にわたって形成され
た。この被着磁体の表面の残留磁束密度は、80mTで
あり、被着磁体の全周面に着磁するのに要した時間は約
6分50秒であった。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明に係る着
磁方法では、所定のパターンに着磁されたマスター磁石
ロールを用い、被着磁体をこれに対向させて着磁を行う
ため、被着磁体の所定の範囲に複数の磁極が正確に効率
よく形成される。したがって、所定のパターンで多くの
磁極が形成された部材、例えば現像剤担持体を大量に安
価で生産することが可能となる。また、磁極毎の磁力の
均一性や着磁パターンの精度の良いマスター磁石ロール
の特性がそのまま被着磁体に転写されるので、品質のば
らつきがなくなる。さらに、1種類のマスター磁石ロー
ルで、着磁ピッチや外径の異なる被着磁体の着磁を行う
こともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の発明の一実施形態である着磁
方法を示す概略図である。
【図2】請求項2に記載の発明の一実施形態である着磁
方法を示す概略図である。
【図3】請求項1又は請求項3に記載の発明の一実施形
態である着磁方法を示す概略図である。
【図4】請求項1又は請求項3に記載の発明の他の実施
形態を示す概略図である。
【図5】本願発明に係る着磁方法で用いられるマスター
磁石ロールの着磁方法を示す概略図である。
【符号の説明】
1 被着磁体 2 マスター磁石ロール 3 支持枠 4 モータ 5 モータギア 6 減速ギア 7 駆動ギア 8 軸受け 9 ばね 11 被着磁体 12 駆動ギア 21,31 被着磁体 22,32 マスター磁石ロール 23,24,33 モータ 34 駆動ギア 35,36 伝達ギア 41 磁気ヘッド 42 マスター磁石ロール

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性材料で形成され無端状の周面を有
    する被着磁体、又は無端状の周面上もしくは周面付近に
    磁性体層を有する被着磁体に、複数の磁極を微小間隔で
    着磁する方法であって、 周面付近に複数の磁極が着磁されたマスター磁石ロール
    を軸線回りの回転が可能に支持し、被着磁体の無端状周
    面を該マスター磁石ロールの周面に接触又は近接させ、
    該マスター磁石ロールの周面及び被着磁体の周面が対向
    位置で同方向に移動するように駆動することを特徴とす
    る着磁方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の着磁方法において、 前記被着磁体は、前記マスター磁石ロールと同径のロー
    ル状部材であり、 該被着磁体とマスター磁石ロールとは、回転数比が1:
    1となるように双方を回転駆動することを特徴とする着
    磁方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の着磁方法において、 前記マスター磁石ロールに着磁された磁極の周方向の磁
    極間隔は、前記被着磁体に着磁しようとする磁極間隔と
    異なるものとし、 前記マスター磁石ロールと被着磁体との周面の移動速度
    比が、該マスター磁石ロールの磁極間隔と前記被着磁体
    に着磁しようとする磁極間隔との比と、同じになるよう
    にマスター磁石ロールおよび被着磁体の双方を回転駆動
    することを特徴とする着磁方法。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2又は請求項3に記
    載の着磁方法において、 前記マスター磁石ロールは、周面付近がネオジム系磁石
    で形成されているものを用いることを特徴とする着磁方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項1、請求項2又は請求項3に記
    載の着磁方法において、 前記マスター磁石ロールは、周面付近がマンガンアルミ
    磁石で形成されているものを用いることを特徴とする着
    磁方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102659486A (zh) * 2012-04-12 2012-09-12 安徽金蓼复合磁化肥有限公司 一种磁化肥生产中的多功能复合式磁化设备
CN104183357A (zh) * 2014-09-04 2014-12-03 马鞍山联洪合成材料有限公司 一种加磁装置

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