JP3567642B2 - 現像装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、単色又は多色画像を形成する電子写真方式の画像形成装置(画像記録装置)に使用される現像装置に係り、特に、非磁性トナーと磁性キャリアとを含む二成分現像剤を用い、像担持体上に形成された静電潜像上にトナーを転移させて静電潜像を可視化する現像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機、コピー機、ファックスなどの画像形成装置では、像担持体上に形成された静電潜像をトナーの転移によって現像し、このトナー像(顕像)を記録用紙上に転写することで、画像の複写などを行う構成としている。そして、その際に使用される現像装置としては、トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤により上記の静電潜像を顕像化するいわゆる二成分現像装置が知られている。このような二成分現像装置は、一成分現像剤を用いる現像装置に比べて、画質特性や現像剤の搬送性などが優れていることから、現用の現像装置において主流となっている。
【0003】
上記の二成分現像装置では、トナーをキャリアと混合することによってトナーを帯電するとともに、トナーを均一に分散させるようになっており、その手段として、オーガーやパドルなどの撹拌・搬送機構が用いられる。ところが、このような機構を用いた場合には、現像装置が大型化ないし複雑化するという欠点がある。
【0004】
このような装置の大型化や複雑化を招くことなくトナーとキャリアとを混合し、帯電させる手法として、磁力を利用して二成分現像剤を撹拌する構成が提案されている。この種の技術は、例えば、特開平2−291577号公報(従来例1)、特開昭63−287874号公報(従来例2)、特開平5−188762号公報(従来例3)などに記載されている。
【0005】
上記従来例1は、トナーとキャリアとを含む二成分系の現像剤を周面に担持する現像スリーブと、この現像スリーブ内に設けられる磁石体との少なくとも一方を回転させることで、現像スリーブの回りにチェーン状に穂立ったキャリアを、搬送しながらスピン運動させる。これにより、トナーを積極的に取り込み、早期に帯電しようとするものである。
また、従来例2では、帯電制御剤によって帯電制御された絶縁性で磁性または非磁性のトナーと、トナーよりも磁性が強くて粒径の大きい磁性キャリアとからなる現像剤を用い、マグネットロールで現像スリーブ上に吸着した現像剤を規制板で所望の厚さとし、これを現像スリーブ上で自転させながら搬送するものである。そして、この現像剤を補給用トナーに間欠的に接触せしめて補給する構成としている。
【0006】
さらに、従来例3では、磁性トナーと磁性キャリアとを混合した二成分現像剤を用い、現像スリーブとマグネットロールを相対的に回転させるとともに、磁気ブレードにより現像スリーブ上の現像剤の層厚規制を行う。そして、マグネットロールと現像スリーブ部との回転比とマグネットロールの極数を所定の関係とすることによって現像剤を十分に撹拌し、帯電しようとするものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術には、次のような問題点がある。
従来例1の現像装置では、キャリアのスピン運動によってトナーを取り込めるものの、トナーの帯電量が不十分である。このため、キャリアとトナーの撹拌部を別途設ける必要があり、このため、装置が大型化する。
また、従来例2の静電像現像装置では、トナーをキャリア表面に付着させるためにスリーブに沿って現像剤を自転運動させているが、これだけではトナーの付着が不十分となる。
【0008】
また、従来例3の装置は、磁性トナーを用いることを前提としており、多色化が困難で、カラー化に適応できない。ここで、磁性トナーに代えて非磁性トナーを用いることも考えられるが、この場合にはトナーを確実に帯電させないと、磁気拘束力がないことからかぶりが発生するという問題が生じる。
【0009】
このように、非磁性トナーを磁力による撹拌によって帯電させようとしたとき、上記従来の装置ではいずれの場合にも帯電能力やトナー濃度の均一性が不十分となり、実用上満足できるものではなかった。
【0010】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複雑な構成や制御なしにトナーを十分に撹拌し、適切にトナーを帯電するとともに、トナー濃度を均一に維持して良好な画像が安定して得られる現像装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明に係る現像装置は、 磁性キャリアと非磁性トナーとを含む二成分現像剤を用い、像担持体上に形成された静電潜像に該非磁性トナーを転移させて可視像を形成する現像装置であって、 無端状となった周面の全周にわたってS極とN極とが交互に着磁され、該周面が周回可能に支持された磁界発生手段と、 前記磁界発生手段の周面の外側に支持された無端状のスリーブとを有し、 前記磁界発生手段の各磁極は、前記スリーブ上に磁気的に吸着する二成分現像剤が所定の層厚となるように、磁極間隔及び磁極の強さが設定され、 静止又は周回駆動される前記スリーブ上で穂状となった二成分現像剤が転動し攪拌されるとともに搬送されるように前記磁界発生手段が周回駆動され、 前記二成分現像剤の層厚は、前記転動及び攪拌が前記二成分現像剤層の厚さ方向の全域にわたって生じる程度に設定されており、 前記磁極間隔Pは、
0.12mm≦P≦6mm
となるように着磁され、 前記二成分現像剤の層厚Dが、
D≦P/3
となるように、該磁極の強さが設定され、 前記層厚が規制されることなく維持され搬送されるものであることを特徴とするものである。
【0012】
上記の構成では、現像剤担持体であるスリーブと磁界発生手段との相対的な回転により、スリーブの外周面上の磁界が常に変動する。これにより、スリーブの周面に磁気的に吸着されて穂状となった二成分現像剤のチェーンは、穂の先端部分がスリーブ表面に引き付けられ、付け根の部分にあったキャリアが穂の先端部分となるといった転動を繰り返し生じながら、搬送される。これにより十分な撹拌が行なわれ、適切なトナーの帯電と均一なトナー濃度が得られる。
【0013】
上記のように、磁界発生手段とスリーブとが相対的に回転するときに、磁極上の現像剤層厚が磁極間ピッチに比べて厚すぎる場合には、スリーブ上に担持される現像剤量が多くなり、スリーブ上の現像剤チェーンが密になることから、上記のような転動が生じにくくなる。特にスリーブに接する側、つまり現像剤チェーンの付け根付近の現像剤は動きにくく、磁界が変化してもその変化に追従できずに転動することができなくなる。このため、現像剤チェーンの先端部だけが移動して上層部のみで撹拌される状態となり、付け根の部分では十分な撹拌が行なわれないことになる。
【0014】
上記のようにスリーブ上で穂状となった現像剤の全体が転動するための条件は、磁界発生手段の磁極間隔と穂の高さつまり層厚とが支配的であり、磁界発生手段の各磁極の磁極間隔及び磁極の強さを適切に設定することで、二成分現像剤の転動及びこれに伴う撹拌が現像剤層の下層から上層までの全体で生じ、スリーブ表面近くにある下層の現像剤と上層である磁気ブラシ先端部の現像剤とが順次入れ替わる。その結果、トナーの均一分散化、トナーの帯電が現像剤担持体上の現像剤で適切に行われる。
【0015】
上記のような磁界発生手段の各磁極の磁極間隔(磁極ピッチ)及び磁極の強さは、磁界発生手段の各磁極の磁極間隔Pが0.12mm≦P≦6mmとなるように着磁され、またこれら磁極に吸着されるスリーブ上の二成分現像剤の層厚DがD≦P/3となるように磁極の強さが設定されることによって、現像剤の転動及び撹拌が適切に行なわれる。
【0016】
上記の磁極間隔及び磁極の強さは以下のような実験の結果に基づくものである。
本発明者らは、平均粒径7μmの非磁性トナーと平均粒径50μm、飽和磁化10〜80emu/gの範囲のフェライトキャリアとからなる現像剤を磁力により撹拌し、穂状となった現像剤が転動する様子を詳しく調査した。
まず、外径φ36mmのロール状のスリーブの内側に、N極とS極とが交互に1〜11mmピッチで等間隔に配置されて各磁極の磁束密度が10mT〜80mTの範囲であるマグネットをそれぞれ挿入し、マグネットの磁束密度とスリーブに付着させる現像剤量を変えて現像剤の層厚を変化させた。なお、この場合、層規制部材を用いていないので、最大層厚は磁極上の層厚となる。
【0017】
そして、スリーブを固定した状態でマグネットを500rpmの速度で回転させ、スリ−ブ表面で生じる現像剤の転動を観察した。図12に、各磁極間ピッチでの最大層厚(磁極上層厚)とその時の現像剤の磁力による転動とを観察した結果を示す。この結果から、磁極ピッチが6mm以下の領域では、磁極上の現像剤層厚が磁極ピッチの1/3以下の時に現像剤チェーンの根元からの転動が観察された。また、磁極上の現像剤層厚が磁極ピッチの1/3を越える層厚では、現像剤チェーンの根元付近の現像剤は転動できずに現像剤チェーンの先端部だけが移動して上層部のみで撹拌されているのが観察された。
【0018】
一方、磁極ピッチが6mmを越える領域でも、現像剤層の根元付近の現像剤は動きにくくなり、転動が生じにくくなる。また、層厚が小さいときにはスリーブ表面の磁極間に現像剤未付着部分が発生し、均一な磁気ブラシが形成できなかった。
【0019】
以上の結果より、現像剤が穂状となったチェーンをスリーブ上に均一に形成し、根元からの転動を生じさせるためには、磁極ピッチが6mm以下でかつ磁極上の現像剤層厚が磁極ピッチの1/3以下の条件が最適であることが分かる。なお、ここで言う現像剤チェーンの根元からの転動は、現像剤担持体上の現像剤の下層と上層が転動によって入れ替わり、トナーが補給された時に均一に分散するように撹拌されることを意味する。
【0020】
なお、キャリアの飽和磁化は少なくとも通常使用される10〜80emu/gでスリーブ表面における転動が見られ、均一性の高い現像剤が得られる。そして、スリーブを像担持体と対向させ、潜像に応じてトナーを転移させる構成とすることで、現像効率が高く、かぶりや濃度むらのない高画質な画像が安定して得られる小型の現像装置を実現することができる。
【0021】
請求項2に記載の発明に係る現像装置は、請求項1又は請求項2に記載の現像装置において 所定の層厚となった前記スリーブ上の二成分現像剤層にトナーが補給され、該スリーブ上で攪拌されてトナーの帯電及びトナーの均一分散化が行われるものである。
【0022】
このような現像装置では消費されたトナーの量に応じたトナーがスリーブ上の現像剤層に直接補給される。そして、スリーブ上で穂状となった現像剤が転動し、攪拌されてトナーの帯電及びトナーの均一分散化が行われる。そして再び現像領域に搬送されて次の現像に供される。
【0023】
また、請求項3に記載の発明に係る現像装置は、請求項1又は請求項2に記載の現像装置において、 前記スリーブは、静電電位の差による潜像が表面に形成される像担持体と近接対向するように配置され、周面上の二成分現像剤層中のトナーを前記像担持体上に転移して前記潜像を可視化するものとする。
【0024】
上記構成の現像装置では、スリーブ上で撹拌された現像剤は、トナーの分布が均一になるとともにトナーの帯電が十分に行なわれ、このスリーブに担持されたまま、このスリーブが像担持体と対向する現像領域に搬送される。そして、このスリーブ上から像担持体に選択的にトナーが転移され、像担持体上の潜像が可視化される。
【0025】
また、請求項4に記載の発明に係る現像装置は、請求項1又は請求項2に記載の現像装置において、 前記像担持体と近接対向し、周面が周回移動するように支持され、該周面にS極とN極とが、ほぼ一層のキャリア層を吸着する間隔で着磁された現像部材を有し、 前記スリーブは、前記現像部材と近接対向するように配置されるものであることを特徴とする。
【0026】
この現像装置では、周面が周回移動するように支持された現像部材が像担持体と対向して配置され、上記スリーブはこの現像部材と対向して配置される。そして、スリーブ上に吸着された現像剤にトナーが供給され、撹拌されてトナー分布の均一化及びトナーの帯電が十分に行なわれた現像剤が、現像部材の周面に転移される。このとき現像部材の周面には、S極とN極とが適切に着磁されていることによって、ほぼ一層のキャリアがほぼ均一に配列された現像剤層が形成され、この現像剤層が像担持体と対向する現像領域に搬送される。ここで現像剤中のトナーが像担持体に選択的に転移され、静電潜像の現像が行なわれる。
このような現像装置では、現像剤を十分に撹拌するとともに、現像剤に大きな付加を作用させることなく薄くて均一な現像剤層を形成することができ、高速で鮮明な画像を、長期わたって安定して得ることが可能となる。
なお、上記現像部材の周面の着磁間隔は、平均粒径が25μmから100μm程度の磁性キャリアを用いる場合に、約25μm以上250μm以下とするのが好ましい。
【0027】
さらに、請求項5に記載の発明に係る現像装置は、請求項1又は請求項2に記載の現像装置において、 周面にトナー層を電気的に吸着して前記像担持体との対向位置に搬送する現像部材を有し、 前記スリーブは、前記現像部材と近接対向するように配置されるものとする。
【0028】
この現像装置では、現像剤中のトナーのみを電気的に吸着して搬送する現像部材が像担持体と対向して配置され、磁性キャリアとトナーとが混合された現像剤を吸着するスリーブは、上記現像部材と対向して現像剤中のトナーのみを現像部材に供給するようになっている。したがって、現像剤はスリーブ上で撹拌され、新たに供給されたトナーの均一化及びトナーの帯電が十分に行なわれた後、現像部材との対向位置に搬送され、ここでトナーのみが転移して、現像部材上に均一なトナー層が形成される。そして、現像部材と像担持体が対向する現像領域で現像部材上のトナーが像担持体に転移し静電潜像が現像される。
このような現像装置では、スリーブ上でトナーを十分に帯電するので現像部材上にトナーのみを電気的に吸着して現像領域に搬送することが可能となる。また、この現像部材にトナーのみを転移するときに、現像に好ましい帯電量のトナーのみを確実に選別して現像領域に搬送することができるため、画質の安定性に優れた現像が可能となる。また、トナーは電気的に現像部材に吸着されるので、非磁性トナーを用いた非接触現像が可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本願に係る発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本願に係る現像装置が用いられる画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
この画像形成装置は、ほぼ円筒状の導電性基体の周面に感光体層が設けられた感光体ドラム1を備えており、この感光体ドラム1が、図中に示す矢印Aの方向に回転駆動されるようになっている。また、感光体ドラム1の周囲には、その回転方向に沿って、帯電器2と、露光装置3と、円筒部材からなる現像ロール12を感光体ドラム1に対向させた現像装置4と、転写前コロトロン5と、転写コロトロン6と、剥離コロトロン7と、クリーナー8と、光除電器9とを有している。
【0030】
上記感光体ドラム1の導電性基体は電気的に接地されている。また、感光体層には負帯電の有機感光体(OPC)が用いられており、ほぼ一様に帯電した後、像光を照射すると、露光部の電荷が上記導電性基体に流れ、電位が減衰するようになっている。
この感光体ドラム1は、例えば外径を100mm、周面の移動速度、すなわちプロセススピードを160mm/s程度に設定することができる。
【0031】
上記露光装置は、画像信号に基づいて点滅するレーザー発生装置と、このレーザー発生装置から射出されるレーザービームを回転しながら反射するポリゴンミラーとを有し、感光体ドラム1の周面を露光走査して静電潜像を形成するものである。
この露光走査は、画像部を露光するものであってもよいし、非画像部を露光するものであってもよく、感光体の帯電極性とトナーの帯電極性とを適切に選択することによって画像部にトナーを転移して顕像化することができる。この画像形成装置では感光体およびトナーは負帯電のものを用い、画像部を露光するように設定されている。
【0032】
次に上記画像形成装置の動作について説明する。
始めに、帯電器2により感光体ドラム1の表面が一様に−450Vに帯電される[図2(a)]。続いて、レーザー光による画像部露光が行われ、露光部電位がほぼ−200Vのネガ潜像が形成される[図2(b)]。そして、このネガ潜像の露光部には現像装置4によりトナーが転移され顕像化される[図2(c)]。
【0033】
上記のようにして感光体ドラム1上に形成されたトナー像は、転写前コロトロンによって一様に負帯電され、転写コロトロン6の帯電によって記録用紙上に転写される。その後、この記録用紙は、剥離コロトロン7の帯電によって感光体ドラム1の表面から剥離されて定着器(図示しない)へと搬送される。定着器ではトナー像が加熱・加圧によって記録用紙上に定着される。
【0034】
一方、トナー像の転写および記録用紙の剥離工程が終了した感光体ドラム1の表面は、クリーナー8によって残留トナーが清掃され、さらに光除電器9による露光で残留電荷が除去されて次の画像記録工程に備えられる。
【0035】
次に、本願に係る発明の実施の形態である現像装置について説明する。
《実施の形態1》
図3は、上記画像形成装置で用いることができる現像装置であって、請求項1、請求項2又は請求項3に記載の発明に係る現像装置の一実施形態を示す概略構成図である。
この現像装置4は、ハウジング15の感光体ドラムとの対向部位に現像用開口16が設けられ、この開口部に現像ロール12が配設されるとともに、現像ロール12の上部にトナーホッパー22と消費したトナー量に応じたトナー量を補給するトナー供給ローラ23とが配置されている。また、ハウジング15は現像ロール12の周面とほぼ等間隔で対向する内周面を有し、多量の現像剤を貯蔵したり撹拌するための現像剤収容室は設けられていない。
【0036】
上記現像ロール12は、回転可能に支持された中空円筒状の非磁性導電性のスリーブ12aと、その内側に位置する磁界発生部材12bとから構成される。この磁界発生部材12bは、異なる極性の磁極が全周にわたって交互に着磁され、外側のスリーブ13aとは独立して回転することができるように設けられたものである。
【0037】
上記スリーブ12aは、外形が18mmで、ステンレススチールで形成されている。また、磁界発生部材12bの周面には、18の磁極が約3mmのピッチで、N極とS極とが交互に着磁されており、各磁極の最大磁束密度(極磁力)が30mTとなっている。このような磁極によってスリーブ上に吸着された現像剤は、磁極上で厚さが650μm、磁極間で350μmとなる。
【0038】
上記のような構成の現像ロール上で穂状となった現像剤のチェーンは、磁界発生部材12bとスリーブ12aとの両方が逆方向に回転することにより、磁界発生部材12bの回転方向とは逆方向に転動し、撹拌されながら感光体ドラム1と対向する現像領域へと搬送される。
【0039】
感光体ドラム1と現像ロール12との間には、所定の現像バイアス電圧が印加され、これらが対向する現像領域に電界が形成されており、現像ロール12上の現像剤から感光体ドラム1上にトナーが転移し、潜像に応じたトナー像が形成される。
現像領域を通過した現像剤14は、上部にトナーホッパー22とトナー供給ローラ23がある位置に到達し、ここで消費したトナー量に応じた量のトナー24が現像ロール12上の現像剤層に直接補給される。トナー24が供給された現像剤層14は穂状のチェーンを形成しながら転動し、撹拌されてトナーの帯電及びトナーの均一分散化が行なわれる。そして、再び現像領域まで搬送され、次の現像に供される。
【0040】
この現像装置4を図1に示す画像記録装置組み込み、印字テストを行ったところ、10万枚印字してもかぶりなど画質の低下は見られなかった。
この印字テストにおいて、トナーは、重量平均粒形が7μmで、負帯電性のポリエステル系マゼンタトナーを使用し、キャリアは、平均粒径50μm、飽和磁化70emu/gのフェライトキャリアを使用した。また、45μm、飽和磁化30emu/gのポリマー系キャリアを使用した場合にも同様の効果が得られた。
【0041】
なお、上記現像装置4では、スリーブ12aと磁界発生部材12bとの回転方向は図示したように逆方向としたが、同方向であっても相対的に周面が移動するように回転されるものであればよい。また、スリーブ12a及び磁界発生部材12bの双方を回転可能としたが、例えば、スリーブ12aは固定式であってもよい。
【0042】
《参考例》
図4は、図3に示す現像装置の応用例である現像装置を参考に示す概略説明図である。
この現像装置は、図3に示す上記現像装置のハウジング15内に、現像ロール12と対向する層厚規制部材13を付加したもので、他の構成は実質的に同じである。この層厚規制部材13は、現像ロール12上に吸着される現像剤の層厚を現像ロール12上の磁極ピッチの1/3以下になるように規制するものであり、磁極間隔と磁極の強さを調整するだけでは現像剤層の厚さにばらつきが生じる場合等に、現像剤層の厚さを規制し、上記条件に適合させることができる。これにより、現像剤層の全体に転動及びこれにともなう撹拌をより確実に生じさせることが可能となる。また、この層厚規制部材では、この上流側に滞留して圧縮される現像剤量が少なく、大きな負荷が作用して現像剤の劣化が促進されることも少ない。
【0043】
《実施の形態2》
図5は、請求項4に記載の発明の一実施形態である現像装置を示す概略構成図である。
この現像装置では、現像剤が収容されるハウジング55の感光体ドラム1と対向する部位に現像用開口56が設けられている。そして、この現像用開口56が設けられた位置に、現像ロール51が配設され、感光体ドラム1と近接して対向している。この現像ロール51は周面には小さなピッチで複数の磁極が着磁されており、現像剤を吸着して薄い現像剤層を形成し、感光体ドラム1と対向する現像領域に搬送するものである。さらに、感光ドラム1と対向する位置の反対側には、この現像ロール51と所定の間隙をおいて対向する撹拌ロール53が設けられている。この撹拌ロール53は、回転可能な中空円筒状の非磁性のスリーブ53aと、その内側に位置するマグネットロール53bとから構成され、スリーブ53a上に現像剤を磁気的に吸着して、キャリアが穂状に連なった磁気ブラシを形成するようになっている。
【0044】
また、撹拌ロール53の上方には、トナーホッパー62、並びにトナーホッパー62から必要に応じた量のトナーを撹拌ロール53上の現像剤54に供給するトナー供給ローラ63が設けられている。そして、ハウジング55の内面は、上記現像ロール51及び撹拌ロール53の周面とほぼ一定の間隙をおいて対向しており、多量の現像剤を収容したり、現像剤を撹拌するためのオーガーを配設する現像剤収容室を備えていない。
【0045】
上記撹拌ロール53が有するマグネットロール53bは、異なる極性の磁極が全周にわたって交互に配置されたもので、外側のスリーブ53aとは独立して回転可能に支持されている。このマグネットロール53bは、隣接する磁極間に形成される磁界によって現像剤が穂状となった磁気ブラシをスリーブ53aの表面に形成する。そして、マグネットロール53bのみ、またはマグネットロール53bとスリーブ53aとの両方が異なる方向又は異なる速度で回転することで、磁気ブラシを撹拌しながら搬送するようになっている。
【0046】
上記マグネットロール53bは、結着樹脂材中に磁性材料を分散させてなる磁気記録剤をSUS製のシャフトの周面に接着し、これをヨーク着磁して異なる極性の磁極が全周にわたって交互に着磁したものを用いることができる。なお、本例では磁極数が18で各磁極の間隔は約3mmとなっており、各磁極上の表面における半径方向の磁束密度のピーク値は50mTに設定されている。
また、スリーブ53aには、外径φ18mmのアルミパイプが用いられている。そして、このスリーブ53aの表面に、磁極上での層厚が600μm、磁極間での層厚が400μmの現像剤54の層が形成される。
【0047】
上記マグネットロール53bに用いる磁性材料としては、磁石材料や磁気記録材料等として公知の材料を適宜使用することができる。また、結着樹脂としては、磁気記録材料を構成する樹脂として公知である任意のものが使用可能である。本実施の形態では、磁性材料としてMO・6Fe23 (M:Sr,Ba等)を、また結着樹脂としてポリカーボネートをそれぞれ使用している。
【0048】
一方、現像ロール51は、図6に示すように、導電性基体51a上に磁気記録層51bを積層して構成されており、導電性基体51aには、図示しない現像バイアス電源により、現像バイアス電圧が印加される。また、磁気記録層51bには、現像ロール51の全周にわたってS極とN極とが交互に着磁されており、本例では、着磁ピッチが250μmとなっている。磁極のピッチをこのように微小とすることで、層規制部材を用いることなく層厚が80μm程度の均一な現像剤の薄層を形成することができる。
【0049】
本現像装置において、上記磁気記録層51bの磁性材料としてγーFe23 、結着樹脂としてポリウレタンが使用され、磁気記録層51bの層厚は、50μmとなっている。また、磁気記録層51bの着磁には磁気記録用ヘッドを使用し、磁化の方向は、図6に示すように現像ロール51の表面に対して水平方向とした。
【0050】
次に、磁気記録用ヘッドを用いた磁気記録層51bの着磁の方法について説明する。
磁気記録層の着磁は、図7に示すように現像ロール51の周面に近接して配置された磁気記録用ヘッド117によって行われる。
この磁気記録用ヘッド117は、軟磁性材料からなり両端部が間隔をおいて並列する形状のコア118と、このコア118に巻き回されたコイル119とを有し、上記コア118の両端部が現像ロール51の周面に近接するように配置される。コイル119には磁化信号発生装置を介して電源から磁化電流が供給されるようになっており、コイル119に電流が流れると、コア118内に磁束121が発生し、この磁束121はコア118の先端から磁気記録層51b内を通る。これにより、磁気記録層51bが磁化される。コイル119へ供給される磁化電流は磁化信号発生装置を介して断続的又は適宜電流の方向を変えて供給され、図7に示すように回転駆動される現像ロール51の周面が所定の着磁パターンに磁化される。本実施例では現像ロール51の周方向にN極とS極との交互着磁を正弦波パターンにて行い、現像ロール表面における半径方向の磁束密度のピーク値を20mTに設定している。
【0051】
次にこの現像装置の動作について説明する。
撹拌ロール53の周囲には所定量の現像剤があらかじめ供給されており、この撹拌ロール53の全周にわたって、ほぼ均一に吸着されている。そして、マグネットロール53bとスリーブ53aとの両方が図中に示す矢印の方向にそれぞれ回転駆動されることにより、スリーブ53a上で穂状となった現像剤は、磁界の変動にともなって転動し、撹拌されてトナーの摩擦帯電が行なわれる。また、マグネットロール53bの回転によりこの回転方向と逆の方向に搬送される。
【0052】
スリーブ53a上で搬送される現像剤は、撹拌ロール53が現像ロール51と対向する位置に至る。この現像ロール51と撹拌ロール53とは、撹拌ロール53上の現像剤穂立ち(磁極上高さ)よりも若干狭い間隙を置いて対向しており、撹拌ロールのスリーブ53a上で穂状となった磁気ブラシの先端が現像ロール51に接触し、一部の現像剤54が現像ロール51側に転移する。
【0053】
現像ロール51に供給された現像剤54は磁気記録層51bの磁界によって現像ロール51の表面に吸着され、この磁気記録層の着磁間隔が250μmと小さな間隔となっているので、現像剤は薄い均一な層となる。このようにして、層厚規制部材を用いることなく、均一な薄い現像剤層が現像ロール51上に形成される。
現像ロール51上の現像剤54は、現像ロール51の回転に伴って感光体ドラム1と対向する現像領域へと搬送され、キャリアに付着したトナーのみを感光体ドラム1上の静電潜像に転移してこれを現像する。このとき、現像剤層は感光体ドラム1に対して非接触状態に保持されている。
【0054】
現像ロール51上に担持されて、現像領域を通過した現像剤54は、再び撹拌ロール53と対向する位置に運ばれ、撹拌ロール53上の磁気ブラシとの接触により回収される。
撹拌ロール53上に回収された現像剤54は、スリーブ53a上で穂状となって搬送され、消費したトナー量に相当するトナーがトナー供給ローラ63の回転によって撹拌ローラ53上の現像剤チェーンに直接補給される。そして、スリーブ53a上の現像剤層の転動により撹拌及び混合され、トナー濃度が均一化されるとともに、現像に適したレベルまで帯電が行われ、次の工程に進む。
【0055】
上記現像装置において使用される現像剤は、例えば、トナーとしては、重量平均粒径が7μmで、負帯電性のポリエステル系の非磁性トナーを、キャリアとしては、平均粒径50μm、飽和磁化60emμ/gの球形フェライト粒子に樹脂被覆を施した、いわゆるフェライトキャリアを採用することができる。
【0056】
上記キャリアは、この現像装置のように二成分現像剤の薄層を用いる現像方式において、きめの細かい画像を得るために、平均粒径の小さいものを用いることが好ましい。平均粒径の大きなキャリアを用いた場合には、磁界に沿って配列される現像剤チェーンの間隔が広くまた粗くなるため、均一性の高い薄層を得ることが困難であり、画像の均一性不良およびライン画像のエッジ再現不良が発生してしまうからである。したがって、キャリアの平均粒径としては、100μm以下であることが好ましい。
【0057】
なお、上記現像装置において、撹拌ロール53のスリーブ53aとマグネットロール53bの回転方向は図示したものに限定されない。例えば、スリーブ53aをマグネットロール53bと同じ方向に低速で回転させて、マグネットロール53bの回転による現像剤54の逆方向への移動を妨げ、現像剤54のスリーブ53a上の搬送速度を遅くして撹拌時間を永くすることも可能である。
【0058】
また、上記現像装置ではスリーブ53aを回転可能としたが、固定式でもよい。固定式の場合、スリーブ53aの外形形状は円筒でなくてもよい。さらに、現像ロール51で用いた磁気記録層、撹拌ロール53で用いたマグネットロール53bは上記の材料、製造方法に限定されるものでなく、同様の着磁パターンが得られれば他の構成でもよい。
【0059】
さらに、現像剤層と周囲部材つまりハウジングの内面との空隙は、上記現像装置で約1mmとしているが、現像剤が現像剤担持体上を移動する際に発生するトナークラウドが閉じ込められ、トナー濃度が低下しないように狭いほうが望ましい。また、一旦キャリアから放出されたトナーがキャリアと再接触できるように、周囲の部材と磁気ブラシとの間をトナー層で埋めるようにした構成とすることも可能である。
【0060】
また、上記現像装置では、現像ロール51上の現像剤層を、感光体ドラム1に対して非接触状態としたが、現像剤層が感光体ドラム1と接触するように設定した場合においても、同様な結果が得られる。また、撹拌ロール53に層規制部材は用いなかったが、層規制部材により撹拌ロール53に吸着される現像剤の層厚が磁極ピッチの1/3以下になるように設定する構成としてもよい。
【0061】
次に、この実施の形態の現像装置を図1に示した画像記録装置に組み込み、長期印字出力を行った実験について説明する。さらに、比較のため、図8に示すような、着磁間隔が大きく、層厚規制部材を用いて現像剤の薄層を形成する従来の現像装置128により同様の出力を行った。
【0062】
ここで、比較のために用いた現像装置128の構成を簡単に説明する。
この現像装置は、図8に示すように、現像ロール130と近接対向して設けられた層厚規制部材134を有するものである。また、現像ロール130は、固定支持された磁石ロール135とその周囲で回転駆動されるスリーブ129とを有し、磁石ロール135には周方向に5つの磁極が設けられている。この磁極によって生じる磁界によって現像剤はスリーブ129の表面に吸着され、スリーブ129の回転と共に移動するようになっており、層厚規制部材134との対向位置で現像剤量が規制され現像剤の薄層が形成される。
【0063】
この現像装置の主要部分の寸法、設定は以下のとおりである。
現像ロール:外径18mm
現像ロールの周速:320mm/s
現像領域の設定:
感光体ドラムと現像ロールとの間隔・・・500μm
感光体ドラムと現像ロールとが最近接する位置 ・・・磁極N1 と磁極S1 とのほぼ中間点
磁極N1 の位置と磁極S1 の位置との中心角・・・70°
磁極N1 の位置、磁極S1 の位置での磁束密度・・・70mT
現像バイアス:直流重畳交流電圧
直流成分・・・−400V
交流成分・・・6KHzの矩形波、ピーク間電圧1.6KV
【0064】
図9及び図10は、上記本願発明の実施の形態である現像装置50と比較例の現像装置128とをそれぞれ用い、A4サイズの長期印字実験を行なったときの、ベタ画像濃度およびトナー電荷量の推移を調査した結果を示すものである。なお、長期印字実験時には、本願発明に係る現像装置50はハウジング内に20gの現像剤を収容し、比較例の現像装置128はハウジング内に400gの現像剤を収容するものである。そして、双方の現像装置は、現像剤中のトナー重量比が7.5〜8.5重量%となるように適宜トナーを補給するようになっている。
【0065】
図9および図10から分かるように、本発明に係る現像装置50では、10万枚を通じて画像濃度およびトナー電荷量は、良好に維持されている。一方、比較例の現像装置128では、急激な濃度低下が発生している。そして、現像装置128では、印字枚数が2万枚程度となったところで、トナー電荷量の低下によりトナーが飛散し、地カブリが発生する状態となって現像剤は寿命に至った。
【0066】
また、長期印字実験後の現像剤の状態を調査した結果、現像装置128で用いた現像剤では、顕著なトナー劣化およびキャリア劣化が発生していた。現像装置128においては、層厚規制部材134による層厚規制時に現像剤に対して強いストレスが作用するため、トナー劣化およびキャリア劣化が早期に発生する。そして、この影響により、上記の様な濃度低下およびトナー電荷量の低下が発生するものと考えられる。
【0067】
一方、本発明に係る現像装置50では、撹拌・帯電及び層形成で現像剤に対してストレスが作用せず、現像剤劣化を防止することができる。現像装置50で用いた現像剤では、長期印字実験後のトナーおよびキャリアは初期と同様な状態であり、劣化状態は見られなかった。このように、本発明に係る現像装置によれば、良好な画質を、長期にわたり安定して維持することが可能となる。
【0068】
《実施の形態3》
図11は、請求項5に記載の発明の一実施形態である現像装置を示す概略構成図である。
この現像装置70では、ハウジング75の現像用開口が設けられた位置に、現像ロール77が配設され、感光体ドラム1と近接して対向している。この現像ロール77は電源87から電圧が印加されて、電荷を有するトナーを電気的に吸着し、この現像ロール77の回転によって感光体ドラム1と対向する現像領域に搬送することができるようになっている。この現像ロール77の感光ドラム1と対向する位置の反対側には、この現像ロール77と所定の間隙をおいて撹拌ロール72が設けられている。この撹拌ロール72は、回転可能な中空円筒状の非磁性のスリーブ72aと、その内側で独立して回転が可能に支持されたマグネットロール72bとから構成され、スリーブ72a上に現像剤を磁気的に吸着して、キャリアが穂状に連なった磁気ブラシを形成するようになっている。
【0069】
また、撹拌ロール72の上方には、トナーホッパー82、並びにトナーホッパー82から必要に応じた量のトナーを撹拌ロール72上の現像剤74に供給するトナー供給ローラ83が設けられている。そして、ハウジング75の内面は、上記現像ロール77及び撹拌ロール72の周面とほぼ一定の間隙をおいて対向しており、多量の現像剤を収容したり、現像剤を撹拌するためのオーガーを配設する現像剤収容室を備えていない。
一方、現像ロール77と感光体ドラム1とが対向する現像領域には、両者の間隙内に細いワイヤを張架した制御電極76が設けられている。この制御電極76には直流電源88及び交流電源86から直流重畳交流電圧が印加され、現像領域の電界を制御して、現像ロール77上のトナーが感光体ドラム1に適切に転移するようになっている。
【0070】
上記現像ロール77は、表面がアルマイト処理されたアルミニウムの円筒体であり、図11中に示す矢印の方向に回転駆動されるとともに、電源87から電圧が印加され、感光体ドラム1との間に現像用の電界を形成するものである。
この現像ロール77としては上記のものの他に、フェノール樹脂からなる円筒体や、金属の表面に合成樹脂を形成した筒体等を用いることができる。
【0071】
また、上記制御電極76は直径90μmの導電性ワイヤ4本を現像ロール77の軸線方向に張架したものであり、現像ロール77及び感光体ドラム1の双方と非接触となるように配置されている。この制御電極76は上記のような導電性ワイヤから構成されるものに代えて、トナー粒子より大きい複数の開口が設けられた金属の薄板や、現像ロールの表面に埋込まれた複数の制御電極群を用いることもできる。
なお、上記撹拌ロール72は図5に示す現像装置で用いられているものと同じものである。
【0072】
次にこの現像装置の動作について説明する。
撹拌ロール72の周囲には所定量の現像剤があらかじめ供給されており、この撹拌ロール72の全周にわたって、ほぼ均一に吸着されている。そして、マグネットロール72bとスリーブ72aとの両方が図中に示す矢印の方向にそれぞれ回転駆動されることにより、スリーブ72a上で穂状となった現像剤は、磁界の変動にともなって転動し、撹拌されてトナーの摩擦帯電が行なわれる。また、マグネットロール72bの回転によりこの回転方向と逆の方向に搬送される。
【0073】
スリーブ72a上で搬送される現像剤は、撹拌ロール72が現像ロール77と対向する位置に至る。この現像ロール77には電源87から−200Vの直流電圧が、撹拌ロール72には電源85によって−400Vの直流電圧が印加され、双方の間隙に電界が形成されている。また撹拌ロール72と現像ロール77との間隙は現像剤の穂立ち(磁気ブラシの磁極上の高さ)よりやや狭く設定されており、撹拌ロール72のスリーブ72a上で穂状となった磁気ブラシの先端が現像ロール77と接触し、電界の作用によって適切に帯電したトナーが現像ロール77に転移する。このとき、所望の極性と逆極性に帯電したトナーは、バイアス電圧の作用によって転移せず、現像ロール77上には正規の極性に帯電されたトナーだけの薄層が形成される。
【0074】
現像ロール77上に形成されたトナー層は、現像ロール77の回転に伴って感光体ドラム1と対向する現像領域へと搬送される。この現像領域では、現像ロール77にー200Vのバイアス電圧が印加されているので、感光体ドラム1上の画像部分(露光部電位:−100V)との間に、負極性のトナーを感光体ドラム側へ引き付ける電界が形成される。また、制御電極76には−150Vの直流電圧に1.5kV、2kHzの交流を重畳した電圧が印加されているので現像領域に振動電界が発生し、現像ロール77上のトナーがクラウド化する。そして、上記現像ロール77と感光体ドラム1上の露光部との間の電界の作用によってクラウド化したトナーが感光体ドラム側に飛翔し、潜像に付着してこれを可視化する。このように正規の極性に帯電したトナーのみをクラウド化し、このトナーの飛翔によって潜像を現像するのでかぶりの少ない良好な画像が形成される。
【0075】
また、現像ロール77上に担持され、現像に寄与することなく現像領域を通過したトナーは、再び撹拌ロール72と対向する位置に運ばれるとともに、撹拌ロール72上の磁気ブラシとの接触により回収される。
【0076】
一方、現像ロール77にトナーを供給した撹拌ロール72上の現像剤には、消費したトナー量に相当するトナーがトナー供給ローラ83の回転によって撹拌ローラ72上の現像剤チェーンに直接補給される。そして、スリーブ72a上の現像剤層の転動により撹拌及び混合され、トナー濃度が均一化されるとともに、現像に適したレベルまで帯電が行われ、再び現像ロール77へのトナーの供給がおこなわれる。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、本願に係る発明の現像装置では、現像剤を担持する現像ロール又は攪拌ロールがスリーブとこの内側で回転駆動される磁界発生手段とを備え、この磁界発生手段の各磁極の磁極間隔及び磁極の強さを適切に設定されているので、二成分現像剤の転動及びこれに伴う撹拌が現像剤層の下層から上層までの全体で生じ、スリーブ表面近くにある下層の現像剤と上層である磁気ブラシ先端部の現像剤とが順次入れ替わる。その結果、トナーの均一分散化、トナーの帯電が現像剤担持体上の現像剤で適切に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願に係る発明の現像装置が適用される画像形成装置の例を示す概略構成図である。
【図2】図1の画像形成装置における画像形成工程の電位説明図である。
【図3】請求項1、請求項2又は請求項3に記載の発明の一実施形態である現像装置を示す概略構成図である。
【図4】図3に示す現像装置の応用例である現像装置を参考に示す概略説明図である。
【図5】請求項4に記載の発明の一実施形態である現像装置を示す概略構成図である。
【図6】図5に示す現像装置で用いられる現像ロールの磁気記録層を示す拡大断面図である。
【図7】図6に示す磁気記録層の着磁方法の一例を示す説明図である。
【図8】本願発明に係る現像装置と性能を比較するために用いた現像装置の概略構成図である。
【図9】図5に示す現像装置及び図8に示す現像装置の長期印字実験におけるベタ画像濃度の推移を示す説明図である。
【図10】図5に示す現像装置及び図8に示す現像装置の長期印字実験におけるトナー電荷量の推移を示す説明図である。
【図11】請求項5に記載の発明の一実施形態である現像装置を示す概略構成図である。
【図12】磁極間ピッチ又は現像剤層厚と現像剤の撹拌状態との関係について調査した結果を示す図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム
2 帯電器
3 露光手段
4 現像装置
5 転写前コロトロン
6 転写コロトロン
7 剥離コロトロン
8 クリーナー
9 光除電器
10 記録用紙
12 現像ロール
13 層厚規制部材
14 現像剤
15 ハウジング
16 現像用開口
22 トナーホッパー
23 トナー供給ローラ
24 現像剤
50、70 現像装置
51、77 現像ロール
53、72 攪拌ロール
54、74 現像剤
55、75 ハウジング
56 現像用開口
62、82 トナーホッパー
63、83 トナー供給ローラ
64、84 現像剤
76 制御電極
85、87、88 直流電源
86 交流電源

Claims (5)

  1. 磁性キャリアと非磁性トナーとを含む二成分現像剤を用い、像担持体上に形成された静電潜像に該非磁性トナーを転移させて可視像を形成する現像装置であって、
    無端状となった周面の全周にわたってS極とN極とが交互に着磁され、該周面が周回可能に支持された磁界発生手段と、
    前記磁界発生手段の周面の外側に支持された無端状のスリーブとを有し、
    前記磁界発生手段の各磁極は、前記スリーブ上に磁気的に吸着する二成分現像剤が所定の層厚となるように、磁極間隔及び磁極の強さが設定され、
    静止又は周回駆動される前記スリーブ上で穂状となった二成分現像剤が転動し攪拌されるとともに搬送されるように前記磁界発生手段が周回駆動され、
    前記二成分現像剤の層厚は、前記転動及び攪拌が前記二成分現像剤層の厚さ方向の全域にわたって生じる程度に設定されており、
    前記磁極間隔Pは、
    0.12mm≦P≦6mm
    となるように着磁され、
    前記二成分現像剤の層厚Dが、
    D≦P/3
    となるように、該磁極の強さが設定され、
    前記層厚が規制されることなく維持され搬送されるものであることを特徴とする現像装置。
  2. 所定の層厚となった前記スリーブ上の二成分現像剤層にトナーが補給され、該スリーブ上で攪拌されてトナーの帯電及びトナーの均一分散化が行われるものであることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の現像装置において、
    前記スリーブは、静電電位の差による潜像が表面に形成される像担持体と近接対向するように配置され、周面上に担持された二成分現像剤層中のトナーを前記像担持体上に転移して前記潜像を可視化するものであることを特徴とする現像装置。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の現像装置において、
    前記像担持体と近接対向し、周面が周回移動するように支持され、該周面にS極とN極とが、ほぼ一層のキャリア層を吸着する間隔で着磁された現像部材を有し、
    前記スリーブは、前記現像部材と近接対向するように配置されるものであることを特徴とする現像装置。
  5. 請求項1又は請求項2に記載の現像装置において、
    周面にトナー層を電気的に吸着して前記像担持体との対向位置に搬送する現像部材を有し、
    前記スリーブは、前記現像部材と近接対向するように配置されるものであることを特徴とする現像装置。
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