JPH1073991A - 現像装置 - Google Patents

現像装置

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JPH1073991A
JPH1073991A JP8249040A JP24904096A JPH1073991A JP H1073991 A JPH1073991 A JP H1073991A JP 8249040 A JP8249040 A JP 8249040A JP 24904096 A JP24904096 A JP 24904096A JP H1073991 A JPH1073991 A JP H1073991A
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Hideaki Tanaka
英明 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナーとキャリアとを含む二成分現像剤を用
い、像担持体上の静電潜像を可視化する現像装置におい
て、複雑な構成や制御なしにトナーを十分に攪拌し、適
切にトナーを帯電するともに、現像剤中のトナー濃度を
均一に維持する。 【解決手段】 無端状となった周面の全周にわたってS
極とN極とが交互に着磁され、該周面が周回可能に支持
された磁界発生手段12bを備える。この周囲に回転可
能に支持された円筒状のスリーブ12aが設けられ、磁
界発生手段による磁束によってスリーブ状に現像剤14
が穂状の磁気ブラシとなって吸着される。上記磁界発生
手段とスリーブとが逆方向に回転駆動されることによっ
て磁界が変動し、スリーブ状の現像剤が搬送されるとと
もに、穂状となった現像剤のチェーンが転動する。この
とき磁界発生手段の磁極間隔及び現像剤の層厚が適切に
設定されることによって上記転動が、穂状の現像剤の先
端から付け根までの全域で生じる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、単色又は多色画像
を形成する電子写真方式の画像形成装置(画像記録装
置)に使用される現像装置に係り、特に、非磁性トナー
と磁性キャリアとを含む二成分現像剤を用い、像担持体
上に形成された静電潜像上にトナーを転移させて静電潜
像を可視化する現像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複写機、コピー機、ファックスなどの画
像形成装置では、像担持体上に形成された静電潜像をト
ナーの転移によって現像し、このトナー像(顕像)を記
録用紙上に転写することで、画像の複写などを行う構成
としている。そして、その際に使用される現像装置とし
ては、トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤によ
り上記の静電潜像を顕像化するいわゆる二成分現像装置
が知られている。このような二成分現像装置は、一成分
現像剤を用いる現像装置に比べて、画質特性や現像剤の
搬送性などが優れていることから、現用の現像装置にお
いて主流となっている。
【0003】上記の二成分現像装置では、トナーをキャ
リアと混合することによってトナーを帯電するととも
に、トナーを均一に分散させるようになっており、その
手段として、オーガーやパドルなどの攪拌・搬送機構が
用いられる。ところが、このような機構を用いた場合に
は、現像装置が大型化ないし複雑化するという欠点があ
る。
【0004】このような装置の大型化や複雑化を招くこ
となくトナーとキャリアとを混合し、帯電させる手法と
して、磁力を利用して二成分現像剤を攪拌する構成が提
案されている。この種の技術は、例えば、特開平2−2
91577号公報(従来例1)、特開昭63−2878
74号公報(従来例2)、特開平5−188762号公
報(従来例3)などに記載されている。
【0005】上記従来例1は、トナーとキャリアとを含
む二成分系の現像剤を周面に担持する現像スリーブと、
この現像スリーブ内に設けられる磁石体との少なくとも
一方を回転させることで、現像スリーブの回りにチェー
ン状に穂立ったキャリアを、搬送しながらスピン運動さ
せる。これにより、トナーを積極的に取り込み、早期に
帯電しようとするものである。また、従来例2では、帯
電制御剤によって帯電制御された絶縁性で磁性または非
磁性のトナーと、トナーよりも磁性が強くて粒径の大き
い磁性キャリアとからなる現像剤を用い、マグネットロ
ールで現像スリーブ上に吸着した現像剤を規制板で所望
の厚さとし、これを現像スリーブ上で自転させながら搬
送するものである。そして、この現像剤を補給用トナー
に間欠的に接触せしめて補給する構成としている。
【0006】さらに、従来例3では、磁性トナーと磁性
キャリアとを混合した二成分現像剤を用い、現像スリー
ブとマグネットロールを相対的に回転させるとともに、
磁気ブレードにより現像スリーブ上の現像剤の層厚規制
を行う。そして、マグネットロールと現像スリーブ部と
の回転比とマグネットロールの極数を所定の関係とする
ことによって現像剤を十分に攪拌し、帯電しようとする
ものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には、次のような問題点がある。従来例1の現像
装置では、キャリアのスピン運動によってトナーを取り
込めるものの、トナーの帯電量が不十分である。このた
め、キャリアとトナーの攪拌部を別途設ける必要があ
り、このため、装置が大型化する。また、従来例2の静
電像現像装置では、トナーをキャリア表面に付着させる
ためにスリーブに沿って現像剤を自転運動させている
が、これだけではトナーの付着が不十分となる。
【0008】また、従来例3の装置は、磁性トナーを用
いることを前提としており、多色化が困難で、カラー化
に適応できない。ここで、磁性トナーに代えて非磁性ト
ナーを用いることも考えられるが、この場合にはトナー
を確実に帯電させないと、磁気拘束力がないことからか
ぶりが発生するという問題が生じる。
【0009】このように、非磁性トナーを磁力による攪
拌によって帯電させようとしたとき、上記従来の装置で
はいずれの場合にも帯電能力やトナー濃度の均一性が不
十分となり、実用上満足できるものではなかった。
【0010】本発明は、上記のような事情に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は、複雑な構成や制御なしに
トナーを十分に攪拌し、適切にトナーを帯電するととも
に、トナー濃度を均一に維持して良好な画像が安定して
得られる現像装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係る現像装置は、磁性キャリアと非磁性トナーとを含む
二成分現像剤を用い、像坦持体上に形成された静電潜像
に該非磁性トナーを転移させて可視像を形成する現像装
置であって、 無端状となった周面の全周にわたってS
極とN極とが交互に着磁され、該周面が周回可能に支持
された磁界発生手段と、 前記磁界発生手段の周面の外
側に支持された無端状のスリーブとを有し、 静止又は
周回駆動される前記スリーブの外周面上に磁気的に吸着
された前記二成分現像剤を、該スリーブ上で搬送すると
ともに、穂状となった二成分現像剤層の転動及び攪拌が
生じるように、前記磁界発生手段が周回駆動され、 該
磁界発生手段の各磁極は、前記転動及び攪拌が前記二成
分現像剤層の全層厚にわたって生じる程度の層厚に、前
記二成分現像剤を吸着するように磁極間隔及び磁極の強
さが設定されていることを特徴とするものである。
【0012】上記の構成では、現像剤担持体であるスリ
ーブと磁界発生手段との相対的な回転により、スリーブ
の外周面上の磁界が常に変動する。これにより、スリー
ブの周面に磁気的に吸着されて穂状となった二成分現像
剤のチェーンは、穂の先端部分がスリーブ表面に引き付
けられ、付け根の部分にあったキャリアが穂の先端部分
となるといった転動を繰り返し生じながら、搬送され
る。これにより十分な攪拌が行なわれ、適切なトナーの
帯電と均一なトナー濃度が得られる。
【0013】上記のように、磁界発生手段とスリーブと
が相対的に回転するときに、磁極上の現像剤層厚が磁極
間ピッチに比べて厚すぎる場合には、スリーブ上に担持
される現像剤量が多くなり、スリーブ上の現像剤チェー
ンが密になることから、上記のような転動が生じにくく
なる。特にスリーブに接する側、つまり現像剤チェーン
の付け根付近の現像剤は動きにくく、磁界が変化しても
その変化に追従できずに転動することができなくなる。
このため、現像剤チェーンの先端部だけが移動して上層
部のみで攪拌される状態となり、付け根の部分では十分
な攪拌が行なわれないことになる。
【0014】上記のようにスリーブ上で穂状となった現
像剤の全体が転動するための条件は、磁界発生手段の磁
極間隔と穂の高さつまり層厚とが支配的であり、磁界発
生手段の各磁極の磁極間隔及び磁極の強さを適切に設定
することで、二成分現像剤の転動及びこれに伴う攪拌が
現像剤層の下層から上層までの全体で生じ、スリーブ表
面近くにある下層の現像剤と上層である磁気ブラシ先端
部の現像剤とが順次入れ替わる。その結果、トナーの均
一分散化、トナーの帯電が現像剤担持体上の現像剤で適
切に行われる。
【0015】上記のような磁界発生手段の各磁極の磁極
間隔(磁極ピッチ)及び磁極の強さは、請求項2に記載
されたように、磁界発生手段の各磁極の磁極間隔Pが
0.12mm≦P≦6mmとなるように着磁され、また
これら磁極に吸着されるスリーブ上の二成分現像剤の層
厚DがD≦P/3となるように磁極の強さが設定される
ことによって、現像剤の転動及び攪拌が適切に行なわれ
る。
【0016】上記の磁極間隔及び磁極の強さは以下のよ
うな実験の結果に基づくものである。本発明者らは、平
均粒径7μmの非磁性トナーと平均粒径50μm、飽和
磁化10〜80emu/gの範囲のフェライトキャリア
とからなる現像剤を磁力により攪拌し、穂状となった現
像剤が転動する様子を詳しく調査した。まず、外径φ3
6mmのロール状のスリーブの内側に、N極とS極とが
交互に1〜11mmピッチで等間隔に配置されて各磁極
の磁束密度が10mT〜80mTの範囲であるマグネッ
トをそれぞれ挿入し、マグネットの磁束密度とスリーブ
に付着させる現像剤量を変えて現像剤の層厚を変化させ
た。なお、この場合、層規制部材を用いていないので、
最大層厚は磁極上の層厚となる。
【0017】そして、スリーブを固定した状態でマグネ
ットを500rpmの速度で回転させ、スリ−ブ表面で
生じる現像剤の転動を観察した。図12に、各磁極間ピ
ッチでの最大層厚(磁極上層厚)とその時の現像剤の磁
力による転動とを観察した結果を示す。この結果から、
磁極ピッチが6mm以下の領域では、磁極上の現像剤層
厚が磁極ピッチの1/3以下の時に現像剤チェーンの根
元からの転動が観察された。また、磁極上の現像剤層厚
が磁極ピッチの1/3を越える層厚では、現像剤チェー
ンの根元付近の現像剤は転動できずに現像剤チェーンの
先端部だけが移動して上層部のみで攪拌されているのが
観察された。
【0018】一方、磁極ピッチが6mmを越える領域で
も、現像剤層の根元付近の現像剤は動きにくくなり、転
動が生じにくくなる。また、層厚が小さいときにはスリ
ーブ表面の磁極間に現像剤未付着部分が発生し、均一な
磁気ブラシが形成できなかった。
【0019】以上の結果より、現像剤が穂状となったチ
ェーンをスリーブ上に均一に形成し、根元からの転動を
生じさせるためには、磁極ピッチが6mm以下でかつ磁
極上の現像剤層厚が磁極ピッチの3/1以下の条件が最
適であることが分かる。なお、ここで言う現像剤チェー
ンの根元からの転動は、現像剤担持体上の現像剤の下層
と上層が転動によって入れ替わり、トナーが補給された
時に均一に分散するように攪拌されることを意味する。
【0020】なお、キャリアの飽和磁化は少なくとも通
常使用される10〜80emu/gでスリーブ表面にお
ける転動が見られ、均一性の高い現像剤が得られる。そ
して、スリーブを像担持体と対向させ、潜像に応じてト
ナーを転移させる構成とすることで、現像効率が高く、
かぶりや濃度むらのない高画質な画像が安定して得られ
る小型の現像装置を実現することができる。
【0021】また、請求項3に記載の発明に係る現像装
置は、磁性キャリアと非磁性トナーとを含む二成分現像
剤を用い、像担持体上に形成された静電潜像に非磁性ト
ナーを転移させて可視像を形成する現像装置であって、
無端状となった周面の全周にわたってS極とN極とが
交互に着磁され、該周面が周回可能に支持された磁界発
生手段と、 前記磁界発生手段の周面の外側に支持され
た無端状のスリーブと、 前記スリーブ上に吸着された
前記二成分現像剤の層厚を規制する層圧規制部材とを有
し、 静止又は周回駆動される前記スリーブの外周面上
に磁気的に吸着された前記二成分現像剤を、該スリーブ
上で搬送するとともに、穂状となった二成分現像剤層の
転動及び攪拌が生じるように、前記磁界発生手段が周回
駆動され、 前記層圧規制部材は、前記転動及び攪拌が
前記二成分現像剤層の全層厚にわたって生じる程度に、
前記層厚を規制するものであることを特徴とする。
【0022】請求項1に記載の現像装置においては、現
像剤担持体に担持される現像剤量と磁極の間隔と強さの
みによってスリーブ上の現像剤層の厚さを調整するもの
であるのに対し、この現像装置では層厚規制部材を付加
し、これによって層厚を規制するようになっている。た
だし、この層厚規制部材は、磁極の間隔及びその強さに
よってほぼ所望の層厚又はこれよりやや厚くなっている
現像剤を規制して所望の層厚を得るものとし、現像剤に
大きな圧力を作用させないものとするのが望ましい。こ
のような層厚規制部材を設けることで、スリーブ上の二
成分現像剤の層厚を正しく規制することが可能となる。
これにより、請求項1に記載の現像装置と同様に、スリ
ーブ上に形成された穂状の現像剤チェーン全体に転動を
生じさせ、攪拌とトナーの帯電とを十分に行なうことで
きる。また、磁界発生手段の各磁極の磁極間隔(磁極ピ
ッチ)及び磁極の強さは、請求項4に記載されるよう
に、磁界発生手段の各磁極の磁極間隔Pが0.12mm
≦P≦6mmとなるように着磁され、またこれら磁極に
吸着されるスリーブ上の二成分現像剤の層厚DがD≦P
/3となるように層厚規制部材で調整されることによ
り、上記攪拌及びトナーの帯電が有効に行なわれる。
【0023】また、請求項5に記載の発明に係る現像装
置は、請求項1から請求項4までのいずれかに記載の現
像装置において、 前記スリーブは、静電電位の差によ
る潜像が表面に形成される像担持体と近接対向するよう
に配置され、周面上の二成分現像剤層中のトナーを前記
像担持体上に転移して前記潜像を可視化するものとす
る。
【0024】上記構成の現像装置では、スリーブ上で攪
拌された現像剤は、トナーの分布が均一になるとともに
トナーの帯電が十分に行なわれ、このスリーブに担持さ
れたまま、このスリーブが像担持体と対向する現像領域
に搬送される。そして、このスリーブ上から像担持体に
選択的にトナーが転移され、像担持体上の潜像が可視化
される。
【0025】また、請求項6に記載の発明に係る現像装
置は、請求項1から請求項4までのいずれかに記載の現
像装置において、 前記像坦持体と近接対向し、周面が
周回移動するように支持され、該周面にS極とN極と
が、ほぼ一層のキャリア層を吸着する間隔で着磁された
現像部材を有し、 前記スリーブは、前記現像部材と近
接対向するように配置されるものであることを特徴とす
る。
【0026】この現像装置では、周面が周回移動するよ
うに支持された現像部材が像担持体と対向して配置さ
れ、上記スリーブはこの現像部材と対向して配置され
る。そして、スリーブ上に吸着された現像剤にトナーが
供給され、攪拌されてトナー分布の均一化及びトナーの
帯電が十分に行なわれた現像剤が、現像部材の周面に転
移される。このとき現像部材の周面には、S極とN極と
が適切に着磁されていることによって、ほぼ一層のキャ
リアがほぼ均一に配列された現像剤層が形成され、この
現像剤層が像担持体と対向する現像領域に搬送される。
ここで現像剤中のトナーが像担持体に選択的に転移さ
れ、静電潜像の現像が行なわれる。このような現像装置
では、現像剤を十分に攪拌するとともに、現像剤に大き
な付加を作用させることなく薄くて均一な現像剤層を形
成することができ、高速で鮮明な画像を、長期わたって
安定して得ることが可能となる。なお、上記現像部材の
周面の着磁間隔は、平均粒径が25μmから100μm
程度の磁性キャリアを用いる場合に、約25μm以上2
50μm以下とするのが好ましい。
【0027】さらに、請求項7に記載の発明に係る現像
装置は、請求項1から請求項4までのいずれかに記載の
現像装置において、 周面にトナー層を電気的に吸着し
て前記像担持体との対向位置に搬送する現像部材を有
し、 前記スリーブは、前記現像部材と近接対向するよ
うに配置されるものとする。
【0028】この現像装置では、現像剤中のトナーのみ
を電気的に吸着して搬送する現像部材が像担持体と対向
して配置され、磁性キャリアとトナーとが混合された現
像剤を吸着するスリーブは、上記現像部材と対向して現
像剤中のトナーのみを現像部材に供給するようになって
いる。したがって、現像剤はスリーブ上で攪拌され、新
たに供給されたトナーの均一化及びトナーの帯電が十分
に行なわれた後、現像部材との対向位置に搬送され、こ
こでトナーのみが転移して、現像部材上に均一なトナー
層が形成される。そして、現像部材と像担持体が対向す
る現像領域で現像部材上のトナーが像担持体に転移し静
電潜像が現像される。このような現像装置では、スリー
ブ上でトナーを十分に帯電するので現像部材上にトナー
のみを電気的に吸着して現像領域に搬送することが可能
となる。また、この現像部材にトナーのみを転移すると
きに、現像に好ましい帯電量のトナーのみを確実に選別
して現像領域に搬送することができるため、画質の安定
性に優れた現像が可能となる。また、トナーは電気的に
現像部材に吸着されるので、非磁性トナーを用いた非接
触現像が可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本願に係る発明の実施の形
態を図に基づいて説明する。図1は、本願に係る現像装
置が用いられる画像形成装置の一例を示す概略構成図で
ある。この画像形成装置は、ほぼ円筒状の導電性基体の
周面に感光体層が設けられた感光体ドラム1を備えてお
り、この感光体ドラム1が、図中に示す矢印Aの方向に
回転駆動されるようになっている。また、感光体ドラム
1の周囲には、その回転方向に沿って、帯電器2と、露
光装置3と、円筒部材からなる現像ロール12を感光体
ドラム1に対向させた現像装置4と、転写前コロトロン
5と、転写コロトロン6と、剥離コロトロン7と、クリ
ーナー8と、光除電器9とを有している。
【0030】上記感光体ドラム1の導電性基体は電気的
に接地されている。また、感光体層には負帯電の有機感
光体(OPC)が用いられており、ほぼ一様に帯電した
後、像光を照射すると、露光部の電荷が上記導電性基体
に流れ、電位が減衰するようになっている。この感光体
ドラム1は、例えば外径を100mm、周面の移動速
度、すなわちプロセススピードを160mm/s程度に
設定することができる。
【0031】上記露光装置は、画像信号に基づいて点滅
するレーザー発生装置と、このレーザー発生装置から射
出されるレーザービームを回転しながら反射するポリゴ
ンミラーとを有し、感光体ドラム1の周面を露光走査し
て静電潜像を形成するものである。この露光走査は、画
像部を露光するものであってもよいし、非画像部を露光
するものであってもよく、感光体の帯電極性とトナーの
帯電極性とを適切に選択することによって画像部にトナ
ーを転移して顕像化することができる。この画像形成装
置では感光体およびトナーは負帯電のものを用い、画像
部を露光するように設定されている。
【0032】次に上記画像形成装置の動作について説明
する。始めに、帯電器2により感光体ドラム1の表面が
一様に−450Vに帯電される[図2(a)]。続い
て、レーザー光による画像部露光が行われ、露光部電位
がほぼ−200Vのネガ潜像が形成される[図2
(b)]。そして、このネガ潜像の露光部には現像装置
4によりトナーが転移され顕像化される[図2
(c)]。
【0033】上記のようにして感光体ドラム1上に形成
されたトナー像は、転写前コロトロンによって一様に負
帯電され、転写コロトロン6の帯電によって記録用紙上
に転写される。その後、この記録用紙は、剥離コロトロ
ン7の帯電によって感光体ドラム1の表面から剥離され
て定着器(図示しない)へと搬送される。定着器ではト
ナー像が加熱・加圧によって記録用紙上に定着される。
【0034】一方、トナー像の転写および記録用紙の剥
離工程が終了した感光体ドラム1の表面は、クリーナー
8によって残留トナーが清掃され、さらに光除電器9に
よる露光で残留電荷が除去されて次の画像記録工程に備
えられる。
【0035】次に、本願に係る発明の実施の形態である
現像装置について説明する。 《実施の形態1》図3は、上記画像形成装置で用いるこ
とができる現像装置であって、請求項1、請求項2又は
請求項5に記載の発明に係る現像装置の一実施形態を示
す概略構成図である。この現像装置4は、ハウジング1
5の感光体ドラムとの対向部位に現像用開口16が設け
られ、この開口部に現像ロール12が配設されるととも
に、現像ロール12の上部にトナーホッパー22と消費
したトナー量に応じたトナー量を補給するトナー供給ロ
ーラ23とが配置されている。また、ハウジング15は
現像ロール12の周面とほぼ等間隔で対向する内周面を
有し、多量の現像剤を貯蔵したり攪拌するための現像剤
収容室は設けられていない。
【0036】上記現像ロール12は、回転可能に支持さ
れた中空円筒状の非磁性導電性のスリーブ12aと、そ
の内側に位置する磁界発生部材12bとから構成され
る。この磁界発生部材12bは、異なる極性の磁極が全
周にわたって交互に着磁され、外側のスリーブ13aと
は独立して回転することができるように設けられたもの
である。
【0037】上記スリーブ12aは、外形が18mm
で、ステンレススチールで形成されている。また、磁界
発生部材12bの周面には、18の磁極が約3mmのピ
ッチで、N極とS極とが交互に着磁されており、各磁極
の最大磁束密度(極磁力)が30mTとなっている。こ
のような磁極によってスリーブ上に吸着された現像剤
は、磁極上で厚さが650μm、磁極間で350μmと
なる。
【0038】上記のような構成の現像ロール上で穂状と
なった現像剤のチェーンは、磁界発生部材12bとスリ
ーブ12aとの両方が逆方向に回転することにより、磁
界発生部材12bの回転方向とは逆方向に転動し、攪拌
されながら感光体ドラム1と対向する現像領域へと搬送
される。
【0039】感光体ドラム1と現像ロール12との間に
は、所定の現像バイアス電圧が印加され、これらが対向
する現像領域に電界が形成されており、現像ロール12
上の現像剤から感光体ドラム1上にトナーが転移し、潜
像に応じたトナー像が形成される。現像領域を通過した
現像剤14は、上部にトナーホッパー22とトナー供給
ローラ23がある位置に到達し、ここで消費したトナー
量に応じた量のトナー24が現像ロール12上の現像剤
層に直接補給される。トナー24が供給された現像剤層
14は穂状のチェーンを形成しながら転動し、攪拌され
てトナーの帯電及びトナーの均一分散化が行なわれる。
そして、再び現像領域まで搬送され、次の現像に供され
る。
【0040】この現像装置4を図1に示す画像記録装置
組み込み、印字テストを行ったところ、10万枚印字し
てもかぶりなど画質の低下は見られなかった。この印字
テストにおいて、トナーは、重量平均粒形が7μmで、
負帯電性のポリエステル系マゼンタトナーを使用し、キ
ャリアは、平均粒径50μm、飽和磁化70emu/g
のフェライトキャリアを使用した。また、45μm、飽
和磁化30emu/gのポリマー系キャリアを使用した
場合にも同様の効果が得られた。
【0041】なお、上記現像装置4では、スリーブ12
aと磁界発生部材12bとの回転方向は図示したように
逆方向としたが、同方向であっても相対的に周面が移動
するように回転されるものであればよい。また、スリー
ブ12a及び磁界発生部材12bの双方を回転可能とし
たが、例えば、スリーブ12aは固定式であってもよ
い。
【0042】《実施の形態2》図4は、請求項3又は請
求項4に記載の発明の一実施の形態である現像装置を示
す概略説明図である。この実施の形態は、図3に示す上
記現像装置のハウジング15内に、現像ロール12と対
向する層厚規制部材13を付加したもので、他の構成は
実質的に同じである。この層厚規制部材13は、現像ロ
ール12上に吸着される現像剤の層厚を現像ロール12
上の磁極ピッチの1/3以下になるように規制するもの
であり、磁極間隔と磁極の強さを調整するだけでは現像
剤層の厚さにばらつきが生じる場合等に、現像剤層の厚
さを規制し、上記条件に適合させることができる。これ
により、現像剤層の全体に転動及びこれにともなう攪拌
をより確実に生じさせることが可能となる。また、この
層厚規制部材では、この上流側に滞留して圧縮される現
像剤量が少なく、大きな負荷が作用して現像剤の劣化が
促進されることも少ない。
【0043】《実施の形態3》図5は、請求項6に記載
の発明の一実施形態である現像装置を示す概略構成図で
ある。この現像装置では、現像剤が収容されるハウジン
グ55の感光体ドラム1と対向する部位に現像用開口5
6が設けられている。そして、この現像用開口56が設
けられた位置に、現像ロール51が配設され、感光体ド
ラム1と近接して対向している。この現像ロール51は
周面には小さなピッチで複数の磁極が着磁されており、
現像剤を吸着して薄い現像剤層を形成し、感光体ドラム
1と対向する現像領域に搬送するものである。さらに、
感光ドラム1と対向する位置の反対側には、この現像ロ
ール51と所定の間隙をおいて対向する攪拌ロール53
が設けられている。この攪拌ロール53は、回転可能な
中空円筒状の非磁性のスリーブ53aと、その内側に位
置するマグネットロール53bとから構成され、スリー
ブ53a上に現像剤を磁気的に吸着して、キャリアが穂
状に連なった磁気ブラシを形成するようになっている。
【0044】また、攪拌ロール53の上方には、トナー
ホッパー62、並びにトナーホッパー62から必要に応
じた量のトナーを攪拌ロール53上の現像剤54に供給
するトナー供給ローラ63が設けられている。そして、
ハウジング55の内面は、上記現像ロール51及び攪拌
ロール53の周面とほぼ一定の間隙をおいて対向してお
り、多量の現像剤を収容したり、現像剤を攪拌するため
のオーガーを配設する現像剤収容室を備えていない。
【0045】上記攪拌ロール53が有するマグネットロ
ール53bは、異なる極性の磁極が全周にわたって交互
に配置されたもので、外側のスリーブ53aとは独立し
て回転可能に支持されている。このマグネットロール5
3bは、隣接する磁極間に形成される磁界によって現像
剤が穂状となった磁気ブラシをスリーブ53aの表面に
形成する。そして、マグネットロール53bのみ、また
はマグネットロール53bとスリーブ53aとの両方が
異なる方向又は異なる速度で回転することで、磁気ブラ
シを攪拌しながら搬送するようになっている。
【0046】上記マグネットロール53bは、結着樹脂
材中に磁性材料を分散させてなる磁気記録剤をSUS製
のシャフトの周面に接着し、これをヨーク着磁して異な
る極性の磁極が全周にわたって交互に着磁したものを用
いることができる。なお、本例では磁極数が18で各磁
極の間隔は約3mmとなっており、各磁極上の表面にお
ける半径方向の磁束密度のピーク値は50mTに設定さ
れている。また、スリーブ53aには、外径φ18mm
のアルミパイプが用いられている。そして、このスリー
ブ53aの表面に、磁極上での層厚が600μm、磁極
間での層厚が400μmの現像剤54の層が形成され
る。
【0047】上記マグネットロール53bに用いる磁性
材料としては、磁石材料や磁気記録材料等として公知の
材料を適宜使用することができる。また、結着樹脂とし
ては、磁気記録材料を構成する樹脂として公知である任
意のものが使用可能である。本実施の形態では、磁性材
料としてMO・6Fe23 (M:Sr,Ba等)を、
また結着樹脂としてポリカーボネートをそれぞれ使用し
ている。
【0048】一方、現像ロール51は、図6に示すよう
に、導電性基体51a上に磁気記録層51bを積層して
構成されており、導電性基体51aには、図示しない現
像バイアス電源により、現像バイアス電圧が印加され
る。また、磁気記録層51bには、現像ロール51の全
周にわたってS極とN極とが交互に着磁されており、本
例では、着磁ピッチが250μmとなっている。磁極の
ピッチをこのように微小とすることで、層規制部材を用
いることなく層厚が80μm程度の均一な現像剤の薄層
を形成することができる。
【0049】本現像装置において、上記磁気記録層51
bの磁性材料としてγーFe23、結着樹脂としてポ
リウレタンが使用され、磁気記録層51bの層厚は、5
0μmとなっている。また、磁気記録層51bの着磁に
は磁気記録用ヘッドを使用し、磁化の方向は、図6に示
すように現像ロール51の表面に対して水平方向とし
た。
【0050】次に、磁気記録用ヘッドを用いた磁気記録
層51bの着磁の方法について説明する。磁気記録層の
着磁は、図7に示すように現像ロール51の周面に近接
して配置された磁気記録用ヘッド117によって行われ
る。この磁気記録用ヘッド117は、軟磁性材料からな
り両端部が間隔をおいて並列する形状のコア118と、
このコア118に巻き回されたコイル119とを有し、
上記コア118の両端部が現像ロール51の周面に近接
するように配置される。コイル119には磁化信号発生
装置を介して電源から磁化電流が供給されるようになっ
ており、コイル119に電流が流れると、コア118内
に磁束121が発生し、この磁束121はコア118の
先端から磁気記録層51b内を通る。これにより、磁気
記録層51bが磁化される。コイル119へ供給される
磁化電流は磁化信号発生装置を介して断続的又は適宜電
流の方向を変えて供給され、図7に示すように回転駆動
される現像ロール51の周面が所定の着磁パターンに磁
化される。本実施例では現像ロール51の周方向にN極
とS極との交互着磁を正弦波パターンにて行い、現像ロ
ール表面における半径方向の磁束密度のピーク値を20
mTに設定している。
【0051】次にこの現像装置の動作について説明す
る。攪拌ロール53の周囲には所定量の現像剤があらか
じめ供給されており、この攪拌ロール53の全周にわた
って、ほぼ均一に吸着されている。そして、マグネット
ロール53bとスリーブ53aとの両方が図中に示す矢
印の方向にそれぞれ回転駆動されることにより、スリー
ブ53a上で穂状となった現像剤は、磁界の変動にとも
なって転動し、攪拌されてトナーの摩擦帯電が行なわれ
る。また、マグネットロール53bの回転によりこの回
転方向と逆の方向に搬送される。
【0052】スリーブ53a上で搬送される現像剤は、
攪拌ロール53が現像ロール51と対向する位置に至
る。この現像ロール51と攪拌ロール53とは、攪拌ロ
ール53上の現像剤穂立ち(磁極上高さ)よりも若干狭
い間隙を置いて対向しており、攪拌ロールのスリーブ5
3a上で穂状となった磁気ブラシの先端が現像ロール5
1に接触し、一部の現像剤54が現像ロール51側に転
移する。
【0053】現像ロール51に供給された現像剤54は
磁気記録層51bの磁界によって現像ロール51の表面
に吸着され、この磁気記録層の着磁間隔が250μmと
小さな間隔となっているので、現像剤は薄い均一な層と
なる。このようにして、層厚規制部材を用いることな
く、均一な薄い現像剤層が現像ロール51上に形成され
る。現像ロール51上の現像剤54は、現像ロール51
の回転に伴って感光体ドラム1と対向する現像領域へと
搬送され、キャリアに付着したトナーのみを感光体ドラ
ム1上の静電潜像に転移してこれを現像する。このと
き、現像剤層は感光体ドラム1に対して非接触状態に保
持されている。
【0054】現像ロール51上に担持されて、現像領域
を通過した現像剤54は、再び攪拌ロール53と対向す
る位置に運ばれ、攪拌ロール53上の磁気ブラシとの接
触により回収される。攪拌ロール53上に回収された現
像剤54は、スリーブ53a上で穂状となって搬送さ
れ、消費したトナー量に相当するトナーがトナー供給ロ
ーラ63の回転によって攪拌ローラ53上の現像剤チェ
ーンに直接補給される。そして、スリーブ53a上の現
像剤層の転動により攪拌及び混合され、トナー濃度が均
一化されるとともに、現像に適したレベルまで帯電が行
われ、次の工程に進む。
【0055】上記現像装置において使用される現像剤
は、例えば、トナーとしては、重量平均粒径が7μm
で、負帯電性のポリエステル系の非磁性トナーを、キャ
リアとしては、平均粒径50μm、飽和磁化60emμ
/gの球形フェライト粒子に樹脂被覆を施した、いわゆ
るフェライトキャリアを採用することができる。
【0056】上記キャリアは、この現像装置のように二
成分現像剤の薄層を用いる現像方式において、きめの細
かい画像を得るために、平均粒径の小さいものを用いる
ことが好ましい。平均粒径の大きなキャリアを用いた場
合には、磁界に沿って配列される現像剤チェーンの間隔
が広くまた粗くなるため、均一性の高い薄層を得ること
が困難であり、画像の均一性不良およびライン画像のエ
ッジ再現不良が発生してしまうからである。したがっ
て、キャリアの平均粒径としては、100μm以下であ
ることが好ましい。
【0057】なお、上記現像装置において、攪拌ロール
53のスリーブ53aとマグネットロール53bの回転
方向は図示したものに限定されない。例えば、スリーブ
53aをマグネットロール53bと同じ方向に低速で回
転させて、マグネットロール53bの回転による現像剤
54の逆方向への移動を妨げ、現像剤54のスリーブ5
3a上の搬送速度を遅くして攪拌時間を永くすることも
可能である。
【0058】また、上記現像装置ではスリーブ53aを
回転可能としたが、固定式でもよい。固定式の場合、ス
リーブ53aの外形形状は円筒でなくてもよい。さら
に、現像ロール51で用いた磁気記録層、攪拌ロール5
3で用いたマグネットロール53bは上記の材料、製造
方法に限定されるものでなく、同様の着磁パターンが得
られれば他の構成でもよい。
【0059】さらに、現像剤層と周囲部材つまりハウジ
ングの内面との空隙は、上記現像装置で約1mmとして
いるが、現像剤が現像剤担持体上を移動する際に発生す
るトナークラウドが閉じ込められ、トナー濃度が低下し
ないように狭いほうが望ましい。また、一旦キャリアか
ら放出されたトナーがキャリアと再接触できるように、
周囲の部材と磁気ブラシとの間をトナー層で埋めるよう
にした構成とすることも可能である。
【0060】また、上記現像装置では、現像ロール51
上の現像剤層を、感光体ドラム1に対して非接触状態と
したが、現像剤層が感光体ドラム1と接触するように設
定した場合においても、同様な結果が得られる。また、
攪拌ロール53に層規制部材は用いなかったが、層規制
部材により攪拌ロール53に吸着される現像剤の層厚が
磁極ピッチの1/3以下になるように設定する構成とし
てもよい。
【0061】次に、この実施の形態の現像装置を図1に
示した画像記録装置に組み込み、長期印字出力を行った
実験について説明する。さらに、比較のため、図8に示
すような、着磁間隔が大きく、層厚規制部材を用いて現
像剤の薄層を形成する従来の現像装置128により同様
の出力を行った。
【0062】ここで、比較のために用いた現像装置12
8の構成を簡単に説明する。この現像装置は、図8に示
すように、現像ロール130と近接対向して設けられた
層厚規制部材134を有するものである。また、現像ロ
ール130は、固定支持された磁石ロール135とその
周囲で回転駆動されるスリーブ129とを有し、磁石ロ
ール135には周方向に5つの磁極が設けられている。
この磁極によって生じる磁界によって現像剤はスリーブ
129の表面に吸着され、スリーブ129の回転と共に
移動するようになっており、層厚規制部材134との対
向位置で現像剤量が規制され現像剤の薄層が形成され
る。
【0063】この現像装置の主要部分の寸法、設定は以
下のとおりである。 現像ロール:外径18mm 現像ロールの周速:320mm/s 現像領域の設定: 感光体ドラムと現像ロールとの間隔・・・500μm 感光体ドラムと現像ロールとが最近接する位置・・・磁
極N1 と磁極S1 とのほぼ中間点 磁極N1 の位置と磁極S1 の位置との中心角・・・70
° 磁極N1 の位置、磁極S1 の位置での磁束密度・・・7
0mT 現像バイアス:直流重畳交流電圧 直流成分・・・−400V 交流成分・・・6KHzの矩形波、ピーク間電圧1.6
KV
【0064】図9及び図10は、上記本願発明の実施の
形態である現像装置50と比較例の現像装置128とを
それぞれ用い、A4サイズの長期印字実験を行なったと
きの、ベタ画像濃度およびトナー電荷量の推移を調査し
た結果を示すものである。なお、長期印字実験時には、
本願発明に係る現像装置50はハウジング内に20gの
現像剤を収容し、比較例の現像装置128はハウジング
内に400gの現像剤を収容するものである。そして、
双方の現像装置は、現像剤中のトナー重量比が7.5〜
8.5重量%となるように適宜トナーを補給するように
なっている。
【0065】図9および図10から分かるように、本発
明に係る現像装置50では、10万枚を通じて画像濃度
およびトナー電荷量は、良好に維持されている。一方、
比較例の現像装置128では、急激な濃度低下が発生し
ている。そして、現像装置128では、印字枚数が2万
枚程度となったところで、トナー電荷量の低下によりト
ナーが飛散し、地カブリが発生する状態となって現像剤
は寿命に至った。
【0066】また、長期印字実験後の現像剤の状態を調
査した結果、現像装置128で用いた現像剤では、顕著
なトナー劣化およびキャリア劣化が発生していた。現像
装置128においては、層厚規制部材134による層厚
規制時に現像剤に対して強いストレスが作用するため、
トナー劣化およびキャリア劣化が早期に発生する。そし
て、この影響により、上記の様な濃度低下およびトナー
電荷量の低下が発生するものと考えられる。
【0067】一方、本発明に係る現像装置50では、攪
拌・帯電及び層形成で現像剤に対してストレスが作用せ
ず、現像剤劣化を防止することができる。現像装置50
で用いた現像剤では、長期印字実験後のトナーおよびキ
ャリアは初期と同様な状態であり、劣化状態は見られな
かった。このように、本発明に係る現像装置によれば、
良好な画質を、長期にわたり安定して維持することが可
能となる。
【0068】《実施の形態4》図11は、請求項7に記
載の発明の一実施形態である現像装置を示す概略構成図
である。この現像装置70では、ハウジング75の現像
用開口が設けられた位置に、現像ロール77が配設さ
れ、感光体ドラム1と近接して対向している。この現像
ロール77は電源87から電圧が印加されて、電荷を有
するトナーを電気的に吸着し、この現像ロール77の回
転によって感光体ドラム1と対向する現像領域に搬送す
ることができるようになっている。この現像ロール77
の感光ドラム1と対向する位置の反対側には、この現像
ロール77と所定の間隙をおいて攪拌ロール72が設け
られている。この攪拌ロール72は、回転可能な中空円
筒状の非磁性のスリーブ72aと、その内側で独立して
回転が可能に支持されたマグネットロール72bとから
構成され、スリーブ72a上に現像剤を磁気的に吸着し
て、キャリアが穂状に連なった磁気ブラシを形成するよ
うになっている。
【0069】また、攪拌ロール72の上方には、トナー
ホッパー82、並びにトナーホッパー82から必要に応
じた量のトナーを攪拌ロール72上の現像剤74に供給
するトナー供給ローラ83が設けられている。そして、
ハウジング75の内面は、上記現像ロール77及び攪拌
ロール72の周面とほぼ一定の間隙をおいて対向してお
り、多量の現像剤を収容したり、現像剤を攪拌するため
のオーガーを配設する現像剤収容室を備えていない。一
方、現像ロール77と感光体ドラム1とが対向する現像
領域には、両者の間隙内に細いワイヤを張架した制御電
極76が設けられている。この制御電極76には直流電
源88及び交流電源86から直流重畳交流電圧が印加さ
れ、現像領域の電界を制御して、現像ロール77上のト
ナーが感光体ドラム1に適切に転移するようになってい
る。
【0070】上記現像ロール77は、表面がアルマイト
処理されたアルミニウムの円筒体であり、図11中に示
す矢印の方向に回転駆動されるとともに、電源87から
電圧が印加され、感光体ドラム1との間に現像用の電界
を形成するものである。この現像ロール77としては上
記のものの他に、フェノール樹脂からなる円筒体や、金
属の表面に合成樹脂を形成した筒体等を用いることがで
きる。
【0071】また、上記制御電極76は直径90μmの
導電性ワイヤ4本を現像ロール77の軸線方向に張架し
たものであり、現像ロール77及び感光体ドラム1の双
方と非接触となるように配置されている。この制御電極
76は上記のような導電性ワイヤから構成されるものに
代えて、トナー粒子より大きい複数の開口が設けられた
金属の薄板や、現像ロールの表面に埋込まれた複数の制
御電極群を用いることもできる。なお、上記攪拌ロール
72は図5に示す現像装置で用いられているものと同じ
ものである。
【0072】次にこの現像装置の動作について説明す
る。攪拌ロール72の周囲には所定量の現像剤があらか
じめ供給されており、この攪拌ロール72の全周にわた
って、ほぼ均一に吸着されている。そして、マグネット
ロール72bとスリーブ72aとの両方が図中に示す矢
印の方向にそれぞれ回転駆動されることにより、スリー
ブ72a上で穂状となった現像剤は、磁界の変動にとも
なって転動し、攪拌されてトナーの摩擦帯電が行なわれ
る。また、マグネットロール72bの回転によりこの回
転方向と逆の方向に搬送される。
【0073】スリーブ72a上で搬送される現像剤は、
攪拌ロール72が現像ロール77と対向する位置に至
る。この現像ロール77には電源87から−200Vの
直流電圧が、攪拌ロール72には電源85によって−4
00Vの直流電圧が印加され、双方の間隙に電界が形成
されている。また攪拌ロール72と現像ロール77との
間隙は現像剤の穂立ち(磁気ブラシの磁極上の高さ)よ
りやや狭く設定されており、攪拌ロール72のスリーブ
72a上で穂状となった磁気ブラシの先端が現像ロール
77と接触し、電界の作用によって適切に帯電したトナ
ーが現像ロール77に転移する。このとき、所望の極性
と逆極性に帯電したトナーは、バイアス電圧の作用によ
って転移せず、現像ロール77上には正規の極性に帯電
されたトナーだけの薄層が形成される。
【0074】現像ロール77上に形成されたトナー層
は、現像ロール77の回転に伴って感光体ドラム1と対
向する現像領域へと搬送される。この現像領域では、現
像ロール77にー200Vのバイアス電圧が印加されて
いるので、感光体ドラム1上の画像部分(露光部電位:
−100V)との間に、負極性のトナーを感光体ドラム
側へ引き付ける電界が形成される。また、制御電極76
には−150Vの直流電圧に1.5kV、2kHzの交
流を重畳した電圧が印加されているので現像領域に振動
電界が発生し、現像ロール77上のトナーがクラウド化
する。そして、上記現像ロール77と感光体ドラム1上
の露光部との間の電界の作用によってクラウド化したト
ナーが感光体ドラム側に飛翔し、潜像に付着してこれを
可視化する。このように正規の極性に帯電したトナーの
みをクラウド化し、このトナーの飛翔によって潜像を現
像するのでかぶりの少ない良好な画像が形成される。
【0075】また、現像ロール77上に担持され、現像
に寄与することなく現像領域を通過したトナーは、再び
攪拌ロール72と対向する位置に運ばれるとともに、攪
拌ロール72上の磁気ブラシとの接触により回収され
る。
【0076】一方、現像ロール77にトナーを供給した
攪拌ロール72上の現像剤には、消費したトナー量に相
当するトナーがトナー供給ローラ83の回転によって攪
拌ローラ72上の現像剤チェーンに直接補給される。そ
して、スリーブ72a上の現像剤層の転動により攪拌及
び混合され、トナー濃度が均一化されるとともに、現像
に適したレベルまで帯電が行われ、再び現像ロール77
へのトナーの供給がおこなわれる。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本願に係る発明の
現像装置では、現像剤を担持する現像ロール又は撹拌ロ
ールがスリーブとこの内側で回転駆動される磁界発生手
段とを備え、この磁界発生手段の各磁極の磁極間隔及び
磁極の強さを適切に設定されているので、二成分現像剤
の転動及びこれに伴う攪拌が現像剤層の下層から上層ま
での全体で生じ、スリーブ表面近くにある下層の現像剤
と上層である磁気ブラシ先端部の現像剤とが順次入れ替
わる。その結果、トナーの均一分散化、トナーの帯電が
現像剤担持体上の現像剤で適切に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願に係る発明の現像装置が適用される画像形
成装置の例を示す概略構成図である。
【図2】図1の画像形成装置における画像形成工程の電
位説明図である。
【図3】請求項1、請求項2又は請求項5に記載の発明
の一実施形態である現像装置を示す概略構成図である。
【図4】請求項3又は請求項4に記載の発明の一実施形
態である現像装置を示す概略構成図である。
【図5】請求項6に記載の発明の一実施形態である現像
装置を示す概略構成図である。
【図6】図5に示す現像装置で用いられる現像ロールの
磁気記録層を示す拡大断面図である。
【図7】図6に示す磁気記録層の着磁方法の一例を示す
説明図である。
【図8】本願発明に係る現像装置と性能を比較するため
に用いた現像装置の概略構成図である。
【図9】図5に示す現像装置及び図8に示す現像装置の
長期印字実験におけるベタ画像濃度の推移を示す説明図
である。
【図10】図5に示す現像装置及び図8に示す現像装置
の長期印字実験におけるトナー電荷量の推移を示す説明
図である。
【図11】請求項7に記載の発明の一実施形態である現
像装置を示す概略構成図である。
【図12】磁極間ピッチ又は現像剤層厚と現像剤の攪拌
状態との関係について調査した結果を示す図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム 2 帯電器 3 露光手段 4 現像装置 5 転写前コロトロン 6 転写コロトロン 7 剥離コロトロン 8 クリーナー 9 光除電器 10 記録用紙 12 現像ロール 13 層厚規制部材 14 現像剤 15 ハウジング 16 現像用開口 22 トナーホッパー 23 トナー供給ローラ 24 現像剤 50、70 現像装置 51、77 現像ロール 53、72 撹拌ロール 54、74 現像剤 55、75 ハウジング 56 現像用開口 62、82 トナーホッパー 63、83 トナー供給ローラ 64、84 現像剤 76 制御電極 85、87、88 直流電源 86 交流電源

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性キャリアと非磁性トナーとを含む二
    成分現像剤を用い、像坦持体上に形成された静電潜像に
    該非磁性トナーを転移させて可視像を形成する現像装置
    であって、 無端状となった周面の全周にわたってS極とN極とが交
    互に着磁され、該周面が周回可能に支持された磁界発生
    手段と、 前記磁界発生手段の周面の外側に支持された無端状のス
    リーブとを有し、 静止又は周回駆動される前記スリーブの外周面上に磁気
    的に吸着された前記二成分現像剤を、該スリーブ上で搬
    送するとともに、穂状となった二成分現像剤層の転動及
    び攪拌が生じるように、前記磁界発生手段が周回駆動さ
    れ、 該磁界発生手段の各磁極は、前記転動及び攪拌が前記二
    成分現像剤層の全層厚にわたって生じる程度の層厚に、
    前記二成分現像剤を吸着するように磁極間隔及び磁極の
    強さが設定されていることを特徴とする現像装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の現像装置において、 前記磁界発生手段の各磁極は、磁極間隔Pが、 0.12mm≦P≦6mm となるように着磁され、 これらの磁極に吸着される前記スリーブ上の前記二成分
    現像剤の層厚Dが、 D≦P/3 となるように、該磁極の強さが設定されていることを特
    徴とする現像装置。
  3. 【請求項3】 磁性キャリアと非磁性トナーとを含む二
    成分現像剤を用い、像担持体上に形成された静電潜像に
    非磁性トナーを転移させて可視像を形成する現像装置で
    あって、 無端状となった周面の全周にわたってS極とN極とが交
    互に着磁され、該周面が周回可能に支持された磁界発生
    手段と、 前記磁界発生手段の周面の外側に支持された無端状のス
    リーブと、 前記スリーブ上に吸着された前記二成分現像剤の層厚を
    規制する層圧規制部材とを有し、 静止又は周回駆動される前記スリーブの外周面上に磁気
    的に吸着された前記二成分現像剤を、該スリーブ上で搬
    送するとともに、穂状となった二成分現像剤層の転動及
    び攪拌が生じるように、前記磁界発生手段が周回駆動さ
    れ、 前記層圧規制部材は、前記転動及び攪拌が前記二成分現
    像剤層の全層厚にわたって生じる程度に、前記層厚を規
    制するものであることを特徴とする現像装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の現像装置において、 前記磁界発生手段の各磁極は、磁極間隔Pが、 0.12mm≦P≦6mm となるように着磁され、 前記層厚規制部材は、これらの磁極に吸着される前記ス
    リーブ上の二成分現像剤の層厚Dが、 D≦P/3 となるように設定されていることを特徴とする現像装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1から請求項4までのいずれかに
    記載の現像装置において、 前記スリーブは、静電電位の差による潜像が表面に形成
    される像担持体と近接対向するように配置され、周面上
    に担持された二成分現像剤層中のトナーを前記像担持体
    上に転移して前記潜像を可視化するものであることを特
    徴とする現像装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項4までのいずれかに
    記載の現像装置において、 前記像坦持体と近接対向し、周面が周回移動するように
    支持され、該周面にS極とN極とが、ほぼ一層のキャリ
    ア層を吸着する間隔で着磁された現像部材を有し、 前記スリーブは、前記現像部材と近接対向するように配
    置されるものであることを特徴とする現像装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項4までのいずれかに
    記載の現像装置において、 周面にトナー層を電気的に吸着して前記像担持体との対
    向位置に搬送する現像部材を有し、 前記スリーブは、前記現像部材と近接対向するように配
    置されるものであることを特徴とする現像装置。
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