JPH11149872A - プラズマディスプレイ - Google Patents

プラズマディスプレイ

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JPH11149872A
JPH11149872A JP9312477A JP31247797A JPH11149872A JP H11149872 A JPH11149872 A JP H11149872A JP 9312477 A JP9312477 A JP 9312477A JP 31247797 A JP31247797 A JP 31247797A JP H11149872 A JPH11149872 A JP H11149872A
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JP
Japan
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electrode
photosensitive
weight
glass frit
glass
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Pending
Application number
JP9312477A
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English (en)
Inventor
Yoshiki Masaki
孝樹 正木
Junji Sanada
淳二 真多
Akiko Okino
暁子 沖野
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】白色電極を有する高輝度プラズマディスプレイ
を提供する。 【解決手段】プラズマディスプレイを、ガラス基板上に
電極を設けたプラズマディスプレイであって、該電極の
XYZ表色系における刺激値Yを70以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、輝度の高いプラズ
マディスプレイパネルに関し、特に高精細、低抵抗であ
り、基板に対する接着強度および反射率の高い電極を有
するプラズマディスプレイパネル(プラズマディスプレ
イともいう、以下PDPと略す)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】PDPは、液晶パネルに比べて高速の表
示が可能であり、かつ大型化が容易であることから、O
A機器および情報表示装置などの分野に浸透している。
また、高品位テレビの分野などでの進展が非常に期待さ
れている。中でも微細で多数の表示セルを有するカラー
PDPが注目されている。
【0003】PDPは前面ガラス基板と背面ガラス基板
との間に設けられた隔壁で仕切られた放電空間内で対向
する電極間にプラズマ放電を生じさせ、この空間内に封
入されているガスから発生する紫外線を放電空間内に塗
布された蛍光体に当てることにより表示を行うものであ
る。この場合、ガラス基板上のアノード電極およびカソ
ード電極は、複数本の線状電極を平行に配置されてお
り、互いの電極が僅少な間隙を介して対向し、かつ互い
の線状電極が交差する方向に重ね合わせて構成されてい
る。
【0004】カラー表示に適した3電極構造の面放電型
PDPの場合は、前面ガラス基板に互いに平行に隣接し
た一対の表示電極からなる複数の電極対を有し、各電極
対と直交する複数のアドレス電極を背面ガラス基板上に
有する。
【0005】通常前記アドレス電極は、対応するパター
ンを有するスクリーン印刷版を用いたスクリーン印刷法
でガラス基板上に銀ペーストなどを印刷した後、焼成す
ることにより形成されてきた。しかしながら、スクリー
ン印刷法ではメッシュの大きさ、パターン精度、印刷条
件などの最適化を図っても、電極パターンの幅を100
μm以下に細くすることができず、電極断面形状がかま
ぼこ形状になり、ファインパターン化には限界があっ
た。
【0006】前記スクリーン印刷法の欠点を改良する方
法として、特開平1−206538号公報および特開昭
63−205255号公報には、絶縁ペーストを焼成
後、導電ペーストを印刷し焼成して電極形成の改良を図
る方法や、アノード電極形成にフォトリソグラフィ技術
を用いる方法、フォトレジストを用いて導電ペーストを
パターニングする方法が提案されている。しかしなが
ら、これらの公報では微細パターン形成に加えて、低抵
抗と白色電極を有するPDPを製造するには十分な方法
ではなかった。
【0007】また特開平3−163727号公報、特開
平5−271576号公報では、プラズマディスプレイ
用の電極として、感光性導電ペースト法で形成されたも
のが提案されているが、やはり、低抵抗と白色電極を有
するPDP基板は得られず、加えて接着強度の点で十分
なものは得られなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、白色電極を有する高輝度PDPを提供することにあ
り、第2の目的は、低抵抗でガラス基板に対する接着強
度の高い電極を有するPDPを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、ガラス基板上に電極を設けたPDPであって、該電
極のXYZ表色系における刺激値Yが70以上であるこ
とを特徴とするPDPによって達成される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のPDPにおいて、電極の
XYZ表色系における刺激値Yが70以上であることが
必要である。Yが70未満では、白色度が低下し、灰色
を帯びるようになり、電極表面からの直進反射率が低下
し輝度が低下する。
【0011】なお本発明においてXYZ表色系における
刺激値は、JIS Z8722(物体色の測定方法)お
よびJIS Z8701(XYZ表色系およびX10Y10
Z10表色系による色の表示方法)に規定された方法で求
めた値とする。
【0012】具体的には、スガ試験機(株)カラーコン
ピューターSM−7−CH(光学条件45゜照明、0゜
受光)を用いて測定した値とする。
【0013】この時、80mm角、厚さ1.3mmの高
歪み点ガラス基板(旭硝子社製、PD−200)上に、
電極を形成するための感光性導電ペーストをスクリーン
印刷で10μmに塗布し、590℃で15分焼成したも
のを電極膜試料とし、C光(北窓光)2度視野、基準と
して白色板(標準品として硫酸バリウム、X=91.0
6、Y=93.01、Z=106.90のものを使用)
を用いて測定した。
【0014】測定は、零点合わせ(測定孔に試料押さえ
板をおいてチェック)−標準合わせ(測定孔に白色板を
おいてチェック)を行った後、12mmφの測定孔を有
する試料台に電極膜試料面を光照射方向にして置き、そ
のガラス基板側に白色板を重ね、位置を変えて3回行
い、平均値を測定値とする。
【0015】放電空間を仕切る隔壁において反射率の高
い白色を示すものが輝度の向上に有利であるが、電極に
ついて同様であり、刺激値Yが70以上である電極を有
するPDPは、放電空間内で発光される表示の反射率が
高く、特に表面からの直進反射率が高いため明るい画面
のものとなる。
【0016】電極は、例えば感光性導電ペーストをガラ
ス基板上に塗布し、露光、現像焼成する方法により形成
することができる。
【0017】この時、使用される感光性導電ペーストと
しては、導電性粉末、ガラスフリットおよび感光性有機
成分を主成分とするものであり、導電性粉末の粒子サイ
ズ・形状・粒度分布・含有量、ガラスフリットの金属酸
化物の種類・添加量、ガラスフリットの粒子サイズ・粒
度分布、感光性有機成分中に含有される感光性成分の種
類・含有量および有機成分の種類・量、電極膜の焼成条
件などを厳密に制御することによって本発明における条
件を満足する電極が得られる。
【0018】さらには、白色度は、焼成時の有機成分の
蒸発(脱バインダー性)および焼成後の電極膜表面の気
孔のサイズ・状態などの影響を受けるものであり、導電
性粉末、ガラスフリットおよび感光性有機成分を選択
し、焼成条件を選ぶ必要がある。
【0019】本発明においては導電性粉末、すなわち電
極の材料としては、Ag、Pd、NiおよびPtの群か
ら選ばれた少なくとも1種を含むものが好ましく挙げら
れ、さらにガラス基板上に550〜610℃の温度で焼
き付けできる低抵抗の導体粉末が好ましく使用される。
これらは、単独または2元系あるいは3元系の混合粉末
として用いることができる。
【0020】導電性粉末が前記したものであると、焼き
付け後の電極厚みが3〜10μm、好ましくは3〜6μ
m、最小線幅10〜50μm、電極間の最小線間隔10
〜50μmの高解像度のパターンが形成できる。電極厚
みがこの範囲にあると白色を有する電極膜が得られる。
【0021】また導電性粉末の平均粒子径は、0.5〜
4.0μm、より好ましくは1.0〜3.0μmであ
る。粒子径が0.5μm未満であるとパターン形成の際
の光の透過性が低下する傾向があり、線幅60μm以下
の微細パターンを形成しにくい。また、4.0μmより
大きくなると、ペースト塗布膜表面が粗くなり、厚さ6
μm以下の電極膜のパターン精度や厚さ・寸法精度が低
下する。
【0022】さらに導電性粉末の比表面積は、0.2〜
1.5m2 /gであることが、電極パターンの精度の点
や、露光の際に紫外線がペースト塗布膜の下部まで届
き、光反応を十分行え、現像時に剥がれ等の欠点が生じ
ない点で好ましく、0.2〜0.65m2 /gであるこ
とがより好ましい。
【0023】導電性粉末のタップ密度は、2.5〜5.
5g/cm3が好ましく、より好ましくは3.0〜5.
0g/cm3 の範囲である。タップ密度がこの範囲にあ
ると露光に用いる紫外線の透過率がよく、電極パターン
の精度が向上する。さらに、ペーストの塗布後の膜のレ
ベリング性がよく、緻密な膜が得られる。
【0024】なおタップ密度とは、JIS Z2500
(2045)に記載されるように、粉末の充填性を表す
指標で、振動させた容器内の粉末の単位体積あたりの質
量である。本発明においてタップ密度の測定は、筒井科
学装置製のA.B.D粉末テスターを使用して行うもの
とする。
【0025】導電性粉末の形状は、粒状、多面体状、球
状のものが使用できるが、単分散粒子で、凝集がなく、
球状であることが好ましい。この場合、球状とは球形率
が90個数%以上が好ましい。なお球形率は、粉末を光
学顕微鏡で300倍の倍率で撮影し、このうち計数可能
な粒子を計数し、球形のものの比率を表すものである。
球状であると、露光時に紫外線の散乱が少なくなり、高
精度のパターンが得られる。
【0026】また感光性導電ペーストはガラスフリット
を含有することが好ましく、0.5〜4重量%含有する
ことが好ましい。より好ましくは1〜3重量%であり、
さらに好ましくは1〜2重量%である。形成される電極
の低抵抗化・薄膜化を図るにはガラスフリットの量は少
ないほうが好ましい。ガラスフリットは電気絶縁性であ
るので含有量が4重量%を超えると電極の抵抗が増大
し、また4μm以下の薄膜の導体では、導電性粉末とガ
ラスフリットの熱膨張係数の違いによる膜剥がれが起こ
る点で好ましくない。また0.5重量%未満では、電極
膜とガラス基板との強固な接着強度が得られ難い。ガラ
スフリットを添加しなくとも電極パターンを基板上に形
成できるが、接着力が弱く振動、衝撃などで剥離しやす
くなる。特に、ガラス基板は低温焼成基板であり600
℃以下で焼成するため、導電性粉末が完全に焼結しない
ので、接着力の点で好ましくない。ガラスフリットは、
電極とガラス基板界面での接着力を高める効果を有する
とともに、導電性粉末を焼結するための焼結助剤や導体
抵抗を下げる効果がある重要な成分といえる。さらに、
白色度を促進する点でも効果を有する。
【0027】ガラスフリットのガラス転移点(Tg)お
よび軟化点(Ts)は、それぞれ400〜500℃、4
50〜550℃であることが好ましく、より好ましく
は、それぞれが440〜500℃、460〜530℃で
ある。ガラス転移点および軟化点がそれぞれ400℃、
450℃未満では、ポリマやモノマなどの感光性有機化
合物が熱分解する前にガラスの焼結が始まり、有機化合
物の脱バインダーがうまくいかず、焼結後に残留炭素と
なり、白色度が低下したり、電極剥がれの原因となるこ
とがある。このため、緻密で低抵抗かつ白色を有する電
極膜を得るためには好ましくない。また、ガラス転移
点、軟化点がそれぞれ500℃、550℃を超えるガラ
スフリットでは、600℃以下の温度で焼き付ける場合
の電極膜とガラス基板の接着強度の点や膜の緻密性の点
で好ましくない。
【0028】ガラスフリットの粉末粒子径は、平均粒子
径が0.5〜1.4μmおよびトップサイズが4.5μ
m以下であることが好ましい。平均粒子径0.5μm未
満では、紫外線が未露光部まで散乱され、電極膜のエッ
ジ部・端部の光硬化が起こることがあり、電極膜のパタ
ーンの切れ・解像度が低下する傾向がある。平均粒子径
およびトップサイズがそれぞれ1.4μmおよび4.5
μmを超えると、粗大なガラスフリットと導電性粉末と
の熱膨張係数が異なることにより、特に6μm以下の薄
膜では、電極膜の接着強度が低下し膜剥がれが起こるこ
とがある。また、粗大ガラスフリットが電極膜中に残留
し、接着強度が低下する傾向がある。
【0029】さらにガラスフリットの50〜400℃の
温度範囲での熱膨張係数α50400は、75〜90×1
-7/Kであることが好ましい。電極が形成されるガラ
ス基板の熱膨張係数は80〜90×10-7/Kであるの
で、ガラスフリットのα50400が前記範囲にあること
が、ガラス基板上に焼き付けた電極膜が基板とガラスフ
リットとの熱膨張係数の違いによる膜剥がれを防止する
点で好ましい。
【0030】またガラスフリットが酸化物換算表記でB
23を30〜95重量%含有することが好ましく、さ
らには次の組成を有することが好ましい。
【0031】すなわち酸化物換算表記で、 Bi23 30〜85重量% SiO2 5〜30重量% B23 8〜20重量% ZrO2 2〜20重量% Al23 2〜20重量% ZnO 2〜20重量% の組成範囲からなるものを80重量%以上含有するもの
であり、かつアルカリ金属を実質的に含有しないアルカ
リフリーのガラスフリットであることがより好ましい。
【0032】本発明において、アルカリ金属を実質的に
含有しないとは、アルカリ金属の合計含有量がガラスフ
リット中に0.5重量%以下、好ましくは、0.1重量
%以下であることを意味する。
【0033】ガラスフリット中にアルカリ金属、例えば
Na(ナトリウム)、Li(リチウム)、K(カリウ
ム)等の含有量が0.5重量%を超える場合は、ガラス
フリット中のアルカリイオンと電極(銀、錫等)あるい
はガラス基板に含まれる金属(錫等)との反応が原因で
電極が着色し、白色度が低下するので好ましくない。
【0034】ガラスフリットが上記組成であると、感光
性導電ペースト中の感光性有機成分のゲル化反応を起こ
し易い酸化鉛などを用いることなく好ましいガラスフリ
ットが製造でき、ゲル化反応によるペーストの粘度上昇
やパターン形成ができない等の問題を生じることなく、
安定な感光性導電ペーストとすることができる。
【0035】特に酸化ビスマスの含有量が30〜85重
量%であると、ガラス転移点や軟化点を制御し易く、ガ
ラスフリットが溶融する前に感光性導電ペースト中のバ
インダーを熱分解でき、感光性導電ペーストの脱バイン
ダー性が良好となり、電極膜の焼結性が向上しガラス基
板との接着強度に優れる。
【0036】また酸化珪素の含有量が5〜30重量%で
あると、基板上に焼き付けた時の接着強度やガラスフリ
ットの安定性の点で好ましく、また600℃以下でガラ
ス基板上に焼き付けるに適当な耐熱温度とできる。
【0037】酸化ホウ素の含有量が8〜20重量%であ
ると、密着強度やガラスフリットの安定性の点で好まし
い。酸化ホウ素を含有すると感光性導電ペーストの電気
絶縁性、接着強度、熱膨張係数などの特性を損なうこと
なく、焼き付け温度を550〜600℃の範囲に制御す
ることができる。
【0038】また上記のガラスフリットの成分で、酸化
ジルコニウム(ZrO2 )、酸化アルミニウム(Al2
3)および酸化亜鉛(ZnO)は、電極の白色度を増
加させるのに効果があり、含有量は、2〜20重量%が
好ましい。
【0039】中でも酸化ジルコニウムの含有量が2〜2
0重量%であると、感光性導電ペーストのゲル化の抑制
効果やガラスの耐熱温度をガラス基板上への焼き付けが
容易な範囲に制御することができる点で好ましい。ま
た、前記したような好ましいガラスフリット組成を採用
するとガラスフリットが感光性有機成分と反応し、感光
性導電ペーストがゲル化反応を起こし易くなる。しか
し、酸化ジルコニウムはガラスフリットの耐酸性を向上
させるので、酸化ジルコニウムを添加するとゲル化が抑
制され、さらには電極の白色度を上げるのに効果があ
る。
【0040】酸化アルミニウムの含有量が2〜20重量
%であると、ペーストのゲル化に対する安定性、白色度
の向上、ガラスフリットの熱安定性、熱膨張係数、ガラ
ス転移点、軟化点を制御できる点で好ましい。
【0041】酸化亜鉛の含有量が2〜20重量%である
と、感光性導電ペーストをガラス基板上に焼き付けする
温度の制御や白色度を向上させる点で好ましい。
【0042】次に感光性導電ペーストに用いられる感光
性有機成分について説明する。
【0043】感光性有機成分には、光不溶化型のものと
光可溶化型のものがあり、本発明において、いずれも使
用可能であるが、取り扱いの容易さや品質設計の容易さ
から光不溶化型が好ましい。
【0044】本発明において好ましく使用される感光性
導電ペーストにおいて、感光性有機成分は、感光性モノ
マ、感光性オリゴマ、感光性ポリマのうち少なくとも1
種から選ばれた感光性成分の他に、バインダー、光重合
開始剤、増感剤、可塑剤、増粘剤、分散剤、その他の添
加剤を必要に応じて加えたものを使用できる。
【0045】感光性成分としては分子内に不飽和基など
を1つ以上有する官能性のモノマ、オリゴマ、ポリマを
含有するタイプを用いるのが好ましい。感光性成分およ
び各種の有機成分からなる添加剤は、電極の白色度に大
きな影響を与えるので、各成分の種類および量は、熱分
解性を考慮して選択される。
【0046】次に各成分について具体的に述べる。感光
性モノマとしては、活性な炭素−炭素二重結合を有する
化合物が挙げられ、官能基として、ビニル基、アリル
基、アクリレート基、メタクリレート基、アクリルアミ
ド基を有する単官能および多官能化合物が挙げられる。
上記した多官能アクリレート化合物および/または多官
能メタクリレート化合物は、感光性有機成分中に10〜
80重量%含有されることが好ましい。多官能アクリレ
ート化合物および/または多官能メタクリレート化合物
としては多様な種類の化合物が開発されているので、そ
れらから反応性、現像性、熱分解性などを考慮して選択
することが可能である。
【0047】さらに感光性有機成分には、光反応で形成
される硬化物の物性の向上やペーストの粘度の調整など
の役割を果たすと共に、未露光部の溶解性をコントロー
ルする機能を果たす成分としてオリゴマもしくはポリマ
を用いることが好ましい。
【0048】これらのオリゴマもしくはポリマとして
は、炭素ー炭素二重結合を有する化合物から選ばれた成
分の重合または共重合により得られた炭素連鎖の骨格を
有するものが挙げられる。共重合するモノマとしては、
不飽和カルボン酸などが感光後に未露光部分をアルカリ
水溶液で現像できる点で好ましく挙げられる。
【0049】不飽和カルボン酸の具体的な例として、ア
クリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マ
レイン酸、フマル酸、ビニル酢酸またはこれらの酸無水
物などが挙げられる。
【0050】こうして得られた側鎖にカルボキシル基な
どの酸基を有するオリゴマもしくはポリマの酸価は30
〜150mgKOH/g、好ましくは50〜120mgKOH/gの範
囲になるようにコントロールするのがよい。酸価が15
0mgKOH/gを越えると、現像許容幅が狭くなる。また、
酸価が30mgKOH/g未満になると未露光部の現像液に対
する溶解性が低下する傾向がある。
【0051】さらに本発明には、感光性オリゴマもしく
はポリマ成分として、分子内にカルボキシル基と不飽和
二重結合を含有する重量平均分子量500〜5万のオリ
ゴマもしくはポリマを用いることが好ましいが、不飽和
二重結合を導入するには、前記のようなカルボキシル基
を側鎖に有するオリゴマもしくはポリマに、グリシジル
基やイソシアネート基を有するエチレン性不飽和化合物
やアクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドまた
はアリルクロライドを付加反応させる方法により得られ
たものを使用することができる。アルカリ水溶液現像性
のためのカルボキシル基数と、オリゴマもしくはポリマ
を感光性にするエチレン性不飽和基数とは、反応条件に
より自由に選択することができる。
【0052】またこの時バインダーとして、重量平均分
子量500〜10万のオリゴマもしくはポリマであるポ
リビニルアルコール、ポリビニルブチラール、メタクリ
ル酸エステル重合体、アクリル酸エステル重合体、アク
リル酸エステル−メタクリル酸エステル共重合体、α−
メチルスチレン重合体、ブチルメタクリレート樹脂など
を使用してもよい。
【0053】前記した感光性モノマ、感光性オリゴマも
しくはポリマ、バインダーはいずれも活性光線のエネル
ギー吸収能力はないので、光反応を開始するために感光
性導電ペースト中にはさらに光重合開始剤や増感剤を加
える必要がある。
【0054】感光性導電ペーストによるパターン形成
は、露光された部分の感光性成分(モノマ、オリゴマ、
ポリマ)を重合および架橋させて現像液に不溶性にする
ことによるものであり、感光性導電ペーストに好ましく
用いられる感光性を示す官能基はラジカル重合性である
ため、光重合開始剤も活性ラジカル種を発生するものか
ら選ぶことが好ましい。
【0055】光重合開始剤には、1分子系直接開裂型、
イオン対間電子移動型、水素引き抜き型、2分子複合系
など機構的に異なる種類があるが、本発明において用い
られる感光性導電ペーストにおいては、1分子系直接開
裂型から選ばれた化合物が好ましい。例えば、ベンゾイ
ンアルキルエーテルやα,α−ジメトキシ−α−モルフ
ォリノアセトフェノン、α,α−ジメトキシ−α−フェ
ニルアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチル
チオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン
などが挙げられる。また、過酸化物、ホスフィンオキシ
ド、硫黄化合物、ハロゲン化合物なども用いることがで
き、前記化合物を1種または2種以上使用することがで
きる。
【0056】光重合開始剤の添加量は、感光性成分に対
して1〜30重量%が好ましく、より好ましくは、5〜
20重量%である。
【0057】さらに、光重合開始剤と共に増感剤を使用
することにより、感度を向上させたり(化学増感)、反
応に有効な波長範囲を拡大する(分光増感)ことができ
る。増感剤の作用機構にも種々のものがあるが、三重項
増感剤と称されるものが好ましく挙げられる。具体的に
は、炭化水素系化合物、アミノ・ニトロ化合物、キノン
類、キサントン類、アンスロン類、ケトン類、有機色素
類であり、これらの中には光重合開始剤としての作用を
有するものも含まれている。本発明で用いられる感光性
導電ペーストにおいては、キサントン類から選ばれた化
合物が好ましく使用され、2,4−ジエチルチオキサン
トン、イソプロピルチオキサントンなどが例示される。
これらは1種または2種以上使用することができる。
【0058】増感剤の添加量は感光性成分に対して0.
1〜10重量%が好ましく、より好ましくは2〜10重
量%である。
【0059】光重合開始剤および増感剤が、少な過ぎる
と十分な感度が得られない一方で、多くすることによっ
て感度を高めることは可能であるが、多すぎると硬化し
た部分の重合度合いが十分に高くならず、露光部の残存
率が小さくなるおそれがあり、また、パターン間での不
要な硬化が発生して残膜が形成されるなどの不都合が起
こる。光重合開始剤と増感剤を適量ずつ使用することが
適度の感度で優れた形状を示すパターンを形成するため
に重要である。
【0060】また、感光性導電ペーストの現像に際し
て、アルカリ水溶液を現像液に用いることが可能なこと
は、工程上好都合であるが、そのために感光性導電ペー
スト中に存在するオリゴマもしくはポリマ中のカルボキ
シル基とガラスフリットに微量存在する酸化カルシウ
ム、酸化バリウム、二三酸化鉄、酸化マグネシウムなど
とが反応し、ペーストを短時間にゲル化し、粘度が上昇
したり、塊になってペーストの塗布ができなくなったり
するということがある。
【0061】これはポリマのイオン架橋反応によるゲル
化と推定されるが、このような反応を防止するために、
他に影響を与えない範囲で安定剤を添加し、ゲル化防止
を図ることが好ましい。具体的には、ゲル化反応を引き
起こす金属あるいは金属酸化物を含むガラスフリット
を、金属あるいは金属酸化物の錯体形成あるいは酸官能
基との塩形成などに効果のある化合物で表面処理し用い
ることが好ましい。そのような安定剤としては、トリア
ゾール化合物が好ましく挙げられ、トリアゾール化合物
の中でも特にベンゾトリアゾールが有効である。
【0062】ベンゾトリアゾールによるガラスフリット
の表面処理は次のように行われる。すなわち、ガラスフ
リットに対し0.2〜4重量%、より好ましくは0.4
〜3重量%のベンゾトリアゾールを有機溶媒に溶解した
後、これにガラスフリットを十分に浸し3〜24時間浸
漬する。その後、20〜30℃で自然乾燥して溶媒を蒸
発させた後、50〜80℃で5〜12時間真空乾燥す
る。
【0063】さらに感光性導電ペーストに含まれる微量
水分もペーストのゲル化を促進する要因となる。これを
防止するため感光性有機成分として加えられるすべての
成分を完全に脱水した上で用いることが好ましい。水分
の除去は、固体か液体かにより異なるが、真空乾燥、モ
レキュラーシーブ処理、ロータリーエバポレータなどで
行う。さらに、ガラスフリットの場合は、150〜40
0℃で5〜15時間乾燥して水分を十分除去するとゲル
化が防止できるので好ましい。
【0064】感光性導電ペーストの好ましい組成範囲を
例示すると、導電性粉末80〜92重量%、ガラスフリ
ット1〜4重量%、感光性成分の合計量が16〜17重
量%であり、光重合開始剤は感光性成分に対して5〜2
0重量%となる。このような範囲の組成を有する感光性
導電ペーストは、露光時において紫外線がよく透過し、
光硬化の機能が十分に発揮され、現像時における露光部
の膜強度が高くなり、微細な解像度を有する電極パター
ンが形成できる。さらに焼成後の電極膜の白色度が向上
し、低抵抗で、接着強度が高くなる。
【0065】前記感光性導電ペーストは、例えば上記導
電性粉末、ガラスフリット、感光性有機成分、光重合開
始剤、増感剤、必要に応じて可塑剤、分散剤、安定化
剤、チキソトロピー剤(増粘剤)、有機または無機の沈
殿防止剤などを添加し、混合物のスラリーとし、ホモジ
ナイザなどの攪拌機で均質に混合した後、3本ローラや
混練機で均質に分散し、作製される。
【0066】さらに感光性導電ペーストの粘度は導電性
粉末、ガラスフリットの組成・種類、感光性成分、チキ
ソトロピー剤、有機溶媒、可塑剤などの添加割合により
調整され、塗布方法に応じた粘度に調整された上で使用
される。その範囲は、2000〜15万cps(センチ
・ポイズ)であり、例えば、ガラス基板への塗布をスク
リーン印刷法やバーコータ、ローラコータ、アプリケー
タで1〜2回塗布して膜厚6〜20μmを得るには30
00〜1万cpsが好ましい。
【0067】この時用いられる有機溶媒としては、メチ
ルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、
メチルエチルケトン、ジオキサン、アセトン、シクロヘ
キサノン、シクロペンタノン、イソブチルアルコール、
イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、ジメチ
ルスルフォキシド、γ−ブチロラクトンなどであり、こ
れらの有機溶媒を単独あるいは2種以上混合して用いる
ことができる。
【0068】本発明のPDPの電極パターンは、例え
ば、前記した感光性導電ペーストをガラス基板上に塗布
した膜を70〜120℃で20〜60分加熱して乾燥し
て溶媒類を蒸発させてから、フォトリソグラフィ法によ
り、電極パターンを有するネガフィルムまたはクロムマ
スクなどのマスクを介して紫外線を照射して露光し、感
光性導電ペーストを光硬化させた後、現像することによ
り形成される。
【0069】なお感光性導電ペーストをガラス基板上に
塗布する前に、基板と塗布膜との密着性を高めるために
基板の表面処理を行うとよい。表面処理液としてはシラ
ンカップリング剤や有機金属類を有機溶媒で希釈したも
のが用いられる。このような表面処理液をスピナーなど
で基板上に均一に塗布した後、80〜140℃で10〜
60分間乾燥することによって表面処理できる。
【0070】また露光に使用される活性光線は、紫外線
が最も好ましく、その光源として、例えば、低圧水銀
灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプなどが
使用される。露光条件は感光性導電ペーストの塗布厚み
によって異なるが、5〜100mW/cm2 の出力の超
高圧水銀灯を用いて1〜20分間露光を行うのが好まし
い。
【0071】露光後に行われる現像は、露光部分と未露
光部分の現像液に対する溶解度差を利用して行うが、こ
の場合、浸漬法、スプレー法、ブラシ法などが用いられ
る。現像液には、感光性導電ペースト中の感光性有機成
分、特にオリゴマもしくはポリマが溶解可能な溶液を用
いる。前記したように本発明に用いられる感光性導電ペ
ースト中に含まれるオリゴマもしくはポリマは、カルボ
キシル基を側鎖に有するものが好ましく、この場合アル
カリ水溶液で現像することができる。
【0072】アルカリ水溶液としては水酸化ナトリウ
ム、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウムの水溶液などが
使用できるが、有機アルカリ水溶液を用いた方が焼成時
にアルカリ成分を除去し易いので好ましい。
【0073】有機アルカリとしては、一般的なアミン化
合物を用いることができる。具体的には、テトラメチル
アンモニウムヒドロキサイド、トリメチルベンジルアン
モニウムヒドロキサイド、モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミンなどが挙げられる。アルカリ水溶液の濃
度は0.05〜2重量%が好ましく、より好ましくは
0.1〜0.5重量%である。アルカリ濃度が低すぎれ
ば可溶部が完全に除去されず、アルカリ濃度が高すぎれ
ば、露光部のパターンを剥離させたり、侵食したりする
おそれがある。現像時の温度は、20〜50℃で行うこ
とが工程管理上好ましい。
【0074】さらに電極パターンを焼成炉で焼成し、有
機成分を熱分解して除去し、同時にガラスフリットを溶
融させてガラス基板との密着性を確保し電極が形成され
る。
【0075】焼成は、例えば速度150〜300°C/
hで加熱し、560〜610℃の温度で15〜60分間
行う。560℃未満では、焼成が不十分となり電極膜の
緻密性が低下し、比抵抗が高くなり、また、ガラス基板
との接着強度が低下する傾向があり好ましくない。61
0℃を超えるとガラス基板が熱変形し、パターンの平坦
性が損なわれる傾向がある。
【0076】以下、本発明を実施例を用いて具体的に説
明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではな
い。なお、実施例中の濃度は断りのない場合は重量%で
ある。
【0077】
【実施例】実施例1 導電性粉末Iとして、平均粒子径2.0μm、比表面積
1.3m2/g、タップ密度4.15g/cm3 の銀粉
末を用意した。次に、銀粉末88重量部、感光性有機成
分として、感光性ポリマ:7.3重量部、感光性モノ
マ:3.7重量部、光重合開始剤:2.2重量部、可塑
剤:0.6重量部、増粘剤(チキソトロピィ性剤):4
重量部およびガラスフリットI:3.0重量部を配合し
た。感光性銀ペーストの粘度は、溶媒としてγ−ブチル
ラクトンを用い、適宜加えて調整した。
【0078】用いた感光性有機成分およびガラスフリッ
トの詳細を下記のA〜DおよびEにそれぞれ示した。
【0079】A.感光性ポリマ(1) 40%メタクリル酸、30%メチルメタクリレート、3
0%スチレンからなる共重合体のカルボキシル基に対し
て0.4当量のグリシジルメタクリレートを付加重合さ
せ、ポリマを合成した。ポリマーは、重量平均分子量3
0000、酸価95mgKOH/gであった。
【0080】B.感光性モノマ(1) モノマとして、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト(TPA)を用いた。
【0081】C.光重合開始剤 2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2
−モルフォリノ−1−プロパノンを感光性ポリマと感光
性モノマの合計量に対して20%添加して用いた。
【0082】D.可塑剤 可塑剤として、ジブチルフタレートを添加した。
【0083】E.増粘剤 2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセテートに溶解
したSiO2(濃度15%)を用いた。
【0084】F.ガラスフリットI ガラスフリットとして、組成(分析値)が、酸化ビスマ
ス(66.9)、酸化珪素(10.0)、酸化ホウ素
(11.8)、酸化ジルコニウム(4.8)、酸化亜鉛
(2.6)、酸化アルミニウム(2.8)のものを用い
た。このガラスフリットは、ガラス転移点455℃、軟
化点484℃、平均粒子径0.8μm、トップサイズ
3.9μm、10体積%粒子径(以下D10とする)
0.5μm、90体積%粒子径(以下D90とする)
1.7μm、比表面積6.0m2/g、比重5.35g
/cm3 であり、熱膨張係数α50400=77×10-7
/Kであった。
【0085】次に、下記の手順に従ってガラス基板に電
極を形成しPDPを作製した。
【0086】a.有機ビヒクルの作製 溶媒および感光性ポリマ(1)を混合し、攪拌しながら
60℃まで加熱し全てのポリマーを均質に溶解させ、溶
液を室温まで冷却し、感光性モノマ、光重合開始剤、可
塑剤、および増感剤を加えて溶解させた。この溶液を4
00メッシュのフィルターを用いて濾過し、有機ビヒク
ルを作製した。
【0087】b.ペーストの作製 上記の有機ビヒクルに銀粉末、感光性有機成分および溶
媒を所定の組成となるように添加し、3本ローラで混合
・分散して感光性銀ペーストを作製した。ペーストの組
成を表1に示す。
【0088】c.ペーストの塗布 上記の感光性銀ペーストを380メッシュのポリエステ
ル製スクリーン印刷版を用いて、ガラス基板(120m
m角で厚さ1.2mm)上に100mm角の大きさにベ
タに塗布し、80℃で40分乾燥した。乾燥後の塗布膜
の厚さは、7.5μmであった。
【0089】d.露光・現像 上記で作製した塗布膜に、ピッチ150μm、線幅50
μmのストライプ状パターンを有するクロムマスクを介
して、上面から15mW/cm2の出力の超高圧水銀灯
で60秒間露光した。次に25℃に保持したモノエタノ
ールアミンの0.1%水溶液に浸漬して現像し、その後
スプレーを用いて水洗した。
【0090】e.焼成 ガラス基板上に形成された電極パターン膜を空気中、1
50℃/時の昇温速度で加熱し、590℃で15分間焼
成を行い、厚み4.4μmの電極膜を作製した。
【0091】f.評価 得られた電極膜のY値を、スガ試験機(株)製カラーコ
ンピューターSM−7−CHを用いて、光学条件45°
照明、0°受光方式で測定した。Y値は87であった。
シート抵抗を測定し、膜厚から計算して比抵抗を求め
た。なお接着強度は、2mm角パッドサイズに形成した
電極膜に長さ5cmの銅線を半田付けし、90度で引っ
張り試験を行い測定した。結果を表1にまとめて示し
た。
【0092】次に、電極が形成された基板上に、誘電体
および隔壁を形成し、さらに隔壁の底面および側面に赤
・緑・青の蛍光体層を形成し、前面板と合わせた後、封
着、ガス封入し駆動回路を接続してPDPを作製した。
このパネルに電圧を印加し、表示を行った。全面点灯時
の輝度を大塚電子製の測光機MCPD−200を用いて
測定した。輝度は150cd/m2 であった。
【0093】実施例2 導電性粉末IIとして、平均粒子径2.9μm、比表面積
0.44m2/g、タップ密度5.22g/cm3 の銀
粉末を用いた以外は実施例1と同様にPDPを製造、評
価した。電極のY値は81で、それ以外の結果を表1に
まとめた。PDPの輝度は180cd/m2であった。
【0094】実施例3 導電性粉末III として、球形率95個数%、平均粒子径
1.4μm、比表面積1.1m2/g、タップ密度4.
2g/cm3 の銀粉末を用いた以外は、実施例1と同様
にPDPを製造、評価した。電極のY値は90で、それ
以外の結果を表1にまとめて示した。PDPの輝度は1
50cd/m2であった。
【0095】実施例4 導電性粉末IVとして、球形率95個数%、平均粒子径
2.1μm、比表面積1.0m2/g、タップ密度3.
72g/cm3の銀粉末を用いた以外は、実施例1と同
様にPDPを製造、評価した。電極のY値は92で、そ
れ以外の結果を表1にまとめて示した。PDPの輝度は
170cd/m2であった。
【0096】実施例5 実施例1の導電性粉末Iを82重量部用い、感光性ポリ
マ(1)の反応条件を変えて重量平均分子量1500
0、酸価80mgKOH/gの感光性ポリマ(2)を用い、感光
性ポリマと感光性モノマの量を表1の通り変更し、焼成
時の昇温速度を250℃/時間とした以外は、実施例1
と同様にPDPを製造、評価した。電極のY値は90
で、それ以外の結果を表1にまとめて示した。PDPの
輝度は120cd/m2であった。
【0097】実施例6 実施例1の導電性粉末Iを92重量部用い、ガラスフリ
ットIIとして、組成が、酸化ビスマス(47.9)、酸
化珪素(7.0)、酸化ホウ素(14.3)、酸化亜鉛
(15.4)、酸化バリウム(15.4)で、ガラス転
移点470℃、軟化点495℃、平均粒子径:0.6μ
m、トップサイズ3.3μm、D10:0.4μm、D
90:1.4μm、比表面積5.9m2/g、比重5.
20g/cm3 および熱膨張係数α50400=85×1
-7/Kのものを3重量部用い、感光性ポリマ(1)の
量を8重量部とした以外は、実施例1と同様にPDPを
製造、評価した。電極のY値は88で、それ以外の結果
を表1にまとめて示した。PDPの輝度は150cd/
2であった。
【0098】実施例7 感光性モノマ(2)として、下記の化学式のモノマD−
400を用い、
【化1】 ガラスフリットIII として、組成が酸化ビスマス(8
0)、酸化珪素(6.5)、酸化ホウ素(7.6)、酸
化ジルコニウム(3.5)、酸化アルミニウム(2.
4)で、ガラス転移点450℃、軟化点480℃、D5
:0.5μm、トップサイズ 1.9μm、D10;
0.4μm、D90;0.8μm、比表面積7.0m2
/g、比重5.72、熱膨張係数α50400=82×1
-7/Kのものを用いた以外は、実施例1と同様にPD
Pを製造、評価した。電極のY値は91で、それ以外の
結果を表1にまとめて示した。PDPの輝度は140c
d/m2であった。
【0099】実施例8 実施例3の導電性粉末III を用い、感光性モノマとして
感光性モノマ(2)であるD−400を、ガラスフリッ
トとしてガラスフリットIII を用い、ガラスフリトの添
加量を1.5重量部とした以外は、実施例1と同様にP
DPを製造、評価した。電極のY値は94で、それ以外
の結果を表1に示した。PDPの輝度は140cd/m
2であった。
【0100】実施例9 導電性粉末Vとして、平均粒子径2.2μm、比表面積
3.5m2/g、タップ密度4.0g/cm3のニッケル
粉末を用意した。次に、ガラスフリットの添加量を2.
5重量%とし、感光性モノマとしてD−400を用いた
以外は、実施例1と同様に感光性ニッケルペーストを作
製し、PDPを製造、評価した。電極のY値は85で、
それ以外の結果を表1に示した。PDPの輝度は100
cd/m2であった。
【0101】実施例10 導電性粉末VIとして、平均粒子径2.3μm、比表面積
1.5m2/g、タップ密度3. 3g/cm3の1%パラ
ジウム(Pd)含有の銀粉末を用い、ガラスフリットの
添加量を2.5重量%にし、感光性モノマとしてD−4
00を用いた以外は、実施例1と同様に感光性銀ーPd
ペーストを作製し、PDPを製造、評価した。電極のY
値は88で、それ以外の結果を表1に示した。PDPの
輝度は120cd/m2であった。
【0102】実施例11 導電性粉末VIIとして、平均粒子径2.1μm、比表面
積1.2m2/g、タップ密度4.5g/cm3の2%白
金(Pt)含有の銀粉末を用い、ガラスフリットの添加
量を2.5重量%にし、感光性モノマとしてD−400
を用いた以外は、実施例1と同様に感光性銀ー白金ペー
ストを作製し、PDPを製造、評価した。電極のY値は
86で、それ以外の結果を表1に示した。PDPの輝度
は110cd/m2であった。
【表1】 比較例1 導電性粉末Vとして、平均粒子径4.7μm、比表面積
0.46m2/g、タップ密度4.91g/cm3の銀粉
末を用い、焼成を昇温速度100℃/時間で行った以外
は、実施例1と同様にPDPを製造、評価した。得られ
た電極のY値は68で、それ以外の結果を表2に示し
た。プラズマディスプレイの輝度は70cd/m2であ
った。
【0103】比較例2 モノマ(3)として下記の化学式のGXモノマを用い、
焼成を昇温速度100℃/時間で行った以外は、実施例
1と同様にPDPを製造、評価した。電極のY値は42
で、それ以外の結果を表2に示した。プラズマディスプ
レイの輝度は80cd/m2であった。
【0104】
【化2】 比較例3 ガラスフリットIVとして、組成が酸化ビスマス(44.
1)、酸化珪素(26.5)、酸化ホウ素(11.
8)、酸化ジルコニウム(4.8)、酸化亜鉛(2.
6)、酸化アルミニウム(2.8)、酸化ナトリウム
(6.3)で、ガラス転移点461℃、軟化点513
℃、平均粒子径:0.9μm、トップサイズ3.3μ
m、D10;0.5μm、D90;1.7μm、比表面
積8.32m2/g、比重3.24g/cm3、熱膨張係
数α50400=82×10-7/Kのものを用いた以外は
実施例1と同様にPDPを製造、評価した。電極のY値
は63で、それ以外の結果を表2に示した。PDPの輝
度は80cd/m2であった。
【0105】比較例4 ガラスフリットVとして、組成、ガラス転移点、軟化点
および熱膨張係数はガラスフリットIと同じで、粒子サ
イズの異なる、平均粒子径;2.0μm、D10;0.
9μm、D90;4.1μm、トップサイズ 5.8μ
mのものを用い、その添加量を1.5重量部とした以外
は、実施例1と同様にPDPを製造、評価した。電極の
Y値は65で、それ以外の結果を表2に示した。PDP
の輝度は90cd/m2であった。
【0106】
【表2】
【0107】
【発明の効果】本発明のPDPは、ガラス基板上に電極
を設けたPDPであって、該電極のXYZ表色系におけ
る刺激値Yが70以上であるため、白色の電極を有し、
輝度の高いPDPとなる。
【0108】特に電極がAg、Ni、PdおよびPtの
群から選ばれた少なくとも1種と、酸化物換算表記で以
下の組成からなるものを80重量%以上含有しかつアル
カリ金属を実質的に含有しないガラスフリットとを含有
するものであると、電極が低抵抗でガラス基板に対する
接着強度の高いPDPが得られる。
【0109】 Bi23 30〜85重量% SiO2 5〜30重量% B23 8〜20重量% ZrO2 2〜20重量% Al23 2〜20重量% ZnO 2〜20重量%

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス基板上に電極を設けたプラズマディ
    スプレイであって、該電極のXYZ表色系における刺激
    値Yが70以上であることを特徴とするプラズマディス
    プレイ。
  2. 【請求項2】電極が、Ag、Ni、PdおよびPtの群
    から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とす
    る請求項1記載のプラズマディスプレイ。
  3. 【請求項3】電極が、ガラスフリットを含有することを
    特徴とする請求項1または2記載のプラズマディスプレ
    イ。
  4. 【請求項4】ガラスフリットが、酸化物換算表記でBi
    23を30〜95重量%含有することを特徴とする請求
    項3記載のプラズマディスプレイ。
  5. 【請求項5】ガラスフリットが、酸化物換算表記で、 Bi23 30〜85重量% SiO2 5〜30重量% B23 8〜20重量% ZrO2 2〜20重量% Al23 2〜20重量% ZnO 2〜20重量% の組成範囲からなるものを80重量%以上含有し、かつ
    アルカリ金属を実質的に含有しないことを特徴とする請
    求項3または4記載のプラズマディスプレイ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030010415A (ko) * 2001-07-27 2003-02-05 학교법인대우학원 무연 무알칼리 저융점 유리
KR20030010416A (ko) * 2001-07-27 2003-02-05 학교법인대우학원 Ac-pdp용 투명 유전체 및 이의 제조 방법

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KR20030010415A (ko) * 2001-07-27 2003-02-05 학교법인대우학원 무연 무알칼리 저융점 유리
KR20030010416A (ko) * 2001-07-27 2003-02-05 학교법인대우학원 Ac-pdp용 투명 유전체 및 이의 제조 방법

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