JPH11149291A - 能動型騒音振動制御装置 - Google Patents
能動型騒音振動制御装置Info
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- JPH11149291A JPH11149291A JP31737197A JP31737197A JPH11149291A JP H11149291 A JPH11149291 A JP H11149291A JP 31737197 A JP31737197 A JP 31737197A JP 31737197 A JP31737197 A JP 31737197A JP H11149291 A JPH11149291 A JP H11149291A
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Abstract
性等を低減したい。 【解決手段】ステップ201において、伝達関数Cの同
定処理を実行して新たな伝達関数フィルタC^を求め
る。次いで、ステップ202に移行し、ステップ201
で求めた伝達関数フィルタC^の各フィルタ係数C^i
のうちから、絶対値が最大である最大フィルタ係数C^
imaxを選出する。次いで、ステップ203に移行し、最
大フィルタ係数C^imaxと、基準となる伝達関数フィル
タC^L の各フィルタ係数C^Liのうちの絶対値が最大
の最大フィルタ係数C^Limax との比Aを演算する。次
いでステップ204に移行し、ステップ201で求めた
新たな伝達関数フィルタC^の全てのフィルタ係数C^
i を値A2 で割り、その結果をフィルタ係数C^i とし
て使用する。
Description
の騒音源又は振動源から車室や車体等に伝達される騒音
や振動を、アクチュエータ等から発せられる制御音や制
御振動と干渉させることにより低減するようになってい
る能動型騒音振動制御装置に関し、特に、制御音又は制
御振動を発生させる制御音源又は制御振動源と、干渉後
の騒音又は振動を検出する残留騒音検出手段又は残留振
動検出手段との間の伝達関数を利用した適応アルゴリズ
ムに従って制御を実行するようになっているものにおい
て、その伝達関数のバラツキや変化に伴う制御の不安定
性等を低減できるようにしたものである。
出願人が先に提案した特開平5−66783号公報に開
示されたものがある。
ゴリズム等の最急降下アルゴリズムを利用した能動型騒
音制御装置に関するものであり、より具体的には、最急
降下アルゴリズムに従って適応ディジタルフィルタのフ
ィルタ係数を更新し、その適応ディジタルフィルタと騒
音の発生状態を表す基準信号とに基づいて駆動信号を生
成して制御音源を駆動するようになっている。
ィジタルフィルタのフィルタ係数の更新量に基づいて制
御の発散を予測する発散予測手段を備えていて、その発
散予測手段が制御の発散を予測した場合には、発散規制
手段が制御の発散を規制するようになっているから、制
御の安定性を向上することができる、というものであっ
た。
技術によれば、制御の発散を予測した場合に対処を行え
るような構成となっているから、それによって制御の安
定性を向上することはできる。
タ係数の更新量は、制御が発散傾向にないときであって
も、個々の装置毎における伝達関数のバラツキや、各装
置における伝達関数の当初の状態からの変化等によって
も、過大になる又は過少になることが考えられ、その更
新量が過大になれば制御が不安定な傾向になり、逆に更
新量が過少になれば最適値への収束が遅くなってやはり
良好な騒音振動低減効果が得られない可能性がある。
騒音制御装置を搭載した装置毎に同定して伝達関数フィ
ルタを設定する、さらには装置を搭載した後であっても
例えば一定時間経過毎に伝達関数を同定して新たな伝達
関数フィルタを設定することが望ましいのであるが、そ
のように同定された伝達関数のゲインの増減に伴って適
応ディジタルフィルタのフィルタ係数の更新量も増減し
てしまい、適切な更新量に対して過大又は過少となっ
て、上述した不具合を招く可能性が考えられるのであ
る。
のような騒音低減装置に限られたものではなく、同様に
適応アルゴリズムを用いて振動低減制御を実行する能動
型振動制御装置にも当てはまるものである。
未解決の課題に着目してなされたものであって、伝達関
数のバラツキや変化に伴う制御の不安定性等を低減でき
る能動型騒音振動制御装置を提供することを目的として
いる。
に、請求項1に係る発明である能動型騒音振動制御装置
は、騒音源又は振動源から発せられる騒音又は振動と干
渉する制御音又は制御振動を発生可能な制御音源又は制
御振動源と、前記騒音又は振動の発生状態を表す基準信
号を生成し出力する基準信号生成手段と、前記干渉後の
騒音又は振動を検出し残留騒音信号又は残留振動信号と
して出力する残留騒音検出手段又は残留振動検出手段
と、フィルタ係数可変の適応ディジタルフィルタと、前
記基準信号及び前記適応ディジタルフィルタに基づいて
前記制御音源又は制御振動源を駆動する駆動信号を生成
し出力する駆動信号生成手段と、前記制御音源又は制御
振動源と前記残留騒音検出手段又は残留振動検出手段と
の間の伝達関数をモデル化した伝達関数フィルタと、前
記基準信号及び前記伝達関数フィルタに基づき逐次更新
型の適応アルゴリズムに従って前記騒音又は振動が低減
するように前記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数
を更新するフィルタ係数更新手段と、前記伝達関数のゲ
インの増減に伴う前記適応ディジタルフィルタのフィル
タ係数の更新量の増減を相殺するようにそのフィルタ係
数の更新式を調整する更新式調整手段と、を備えた。
る発明である能動型騒音振動制御装置において、前記伝
達関数を同定して前記伝達関数フィルタを設定する伝達
関数同定手段を備えるとともに、前記更新式調整手段
は、前記伝達関数同定手段が同定した新たな伝達関数の
ゲインと、基準となる伝達関数のゲインとの比に応じ
て、前記調整を行うようにした。
2に係る発明である能動型騒音振動制御装置において、
前記更新式調整手段は、前記比を二乗した値に応じて、
前記調整を行うようにした。
項2又は3に係る発明である能動型騒音振動制御装置に
おいて、前記更新式調整手段は、前記伝達関数同定手段
が前記伝達関数の同定を行った際に前記調整を行うよう
にした。
項2〜4に係る発明である能動型騒音振動制御装置を車
両に適用したものであって、前記伝達関数同定手段は、
前記車両のエンジンの始動時に前記伝達関数の同定を行
うようにした。
に係る発明である能動型騒音振動制御装置を車両に適用
したものであって、前記伝達関数同定手段は、前記車両
が停止している際に前記伝達関数の同定を行うようにし
た。
に係る発明である能動型騒音振動制御装置を車両に適用
したものであって、前記伝達関数同定手段は、前記車両
が一定距離走行した際に前記伝達関数の同定を行うよう
にした。
に係る発明である能動型騒音振動制御装置を車両に適用
したものであって、前記伝達関数同定手段は、前記車両
の点検時に前記伝達関数の同定を行うようにした。
項1〜8に係る発明である能動型騒音振動制御装置にお
いて、前記フィルタ係数更新手段は、前記伝達関数フィ
ルタと、前記基準信号と、前記残留騒音信号又は残留振
動信号と、所定の収束係数と、に基づいて前記適応ディ
ジタルフィルタのフィルタ係数の更新量を演算するよう
になっており、前記更新式調整手段は、前記収束係数を
補正することにより前記調整を行うようにした。
記請求項1〜8に係る発明である能動型騒音振動制御装
置において、前記フィルタ係数更新手段は、前記伝達関
数フィルタと、前記基準信号と、前記残留騒音信号又は
残留振動信号と、所定の収束係数と、に基づいて前記適
応ディジタルフィルタのフィルタ係数の更新量を演算す
るようになっており、前記更新式調整手段は、前記伝達
関数フィルタのフィルタ係数を補正することにより前記
調整を行うようにした。
求項1〜8に係る発明である能動型騒音振動制御装置に
おいて、前記フィルタ係数更新手段は、前記伝達関数フ
ィルタと、前記基準信号と、前記残留騒音信号又は残留
振動信号と、所定の収束係数と、に基づいて前記適応デ
ィジタルフィルタのフィルタ係数の更新量を演算するよ
うになっており、前記更新式調整手段は、前記収束係数
及び前記伝達関数フィルタのフィルタ係数を補正するこ
とにより前記調整を行うようにした。
項11に係る発明である能動型騒音振動制御装置におい
て、前記更新式調整手段は、前記伝達関数フィルタのフ
ィルタ係数を優先的に補正して前記調整を行うようにし
た。
求項1〜8に係る発明である能動型騒音振動制御装置に
おいて、前記伝達関数フィルタの各フィルタ係数を記憶
するためのディジタルメモリを有し、前記フィルタ係数
更新手段は、前記伝達関数フィルタと、前記基準信号
と、前記残留騒音信号又は残留振動信号と、所定の収束
係数と、に基づいて前記適応ディジタルフィルタのフィ
ルタ係数の更新量を演算するようになっており、前記更
新式調整手段は、前記補正を行った後の前記伝達関数フ
ィルタの各フィルタ係数が前記ディジタルメモリの最大
ビット数内で記憶可能な場合には、前記伝達関数フィル
タのフィルタ係数を補正することにより前記調整を行
い、前記最大ビット数内で記憶が不可能な場合には、前
記収束係数及び前記伝達関数フィルタのフィルタ係数を
補正することにより前記調整を行うようにした。
求項1に係る発明である能動型騒音振動制御装置におい
て、前記伝達関数を同定して前記伝達関数フィルタを設
定する伝達関数同定手段を備えるとともに、前記伝達関
数フィルタの各フィルタ係数を記憶するためのディジタ
ルメモリを有し、前記更新式調整手段は、前記伝達関数
同定手段が設定した新たな前記伝達関数フィルタの各フ
ィルタ係数を、それらフィルタ係数の絶対値の最大値を
二進数で表現したものの桁数が前記ディジタルメモリの
最大ビット数に一致するように補正することにより、前
記調整を行うようにした。
駆動信号生成手段が、基準信号及び適応ディジタルフィ
ルタに基づいて駆動信号を生成し制御音源又は制御振動
源に供給するから、制御音源又は制御振動源からは、騒
音又は振動と干渉する制御音又は制御振動が発生する。
よって、適応ディジタルフィルタの各フィルタ係数が適
切な値であれば、騒音又は振動レベルを低減することが
できる。そして、適応ディジタルフィルタの各フィルタ
係数は、フィルタ係数更新手段が、基準信号及び伝達関
数フィルタに基づき、逐次更新型の適応アルゴリズムに
従って更新するから、フィルタ係数の更新量が適切に設
定されれば、適応ディジタルフィルタのフィルタ係数は
短時間のうちに最適値に収束することが保証される。
タ係数の更新量は、本発明の場合には基準信号や伝達関
数フィルタ等によって決まるが、伝達関数フィルタは、
制御音源又は制御振動源と残留騒音検出手段又は残留振
動検出手段との間の、音又は振動の伝達特性(位相及び
ゲイン)によって決まるものであり、そのうち、特にゲ
インは伝達関数フィルタの各フィルタ係数の大きさに直
接影響を与えるものである。すると、伝達関数のゲイン
が大きくなれば、更新量を決める他の条件は同一であっ
ても、適応ディジタルフィルタのフィルタ係数の更新量
は大きくなり、逆に、伝達関数のゲインが小さくなれ
ば、更新量を決める他の条件は同一であっても、適応デ
ィジタルフィルタのフィルタ係数の更新量は小さくな
る。
係数の更新式は、その更新量が、制御の不安定性を回避
でき且つ最適値への収束時間がなるべく短くなるよう
に、伝達関数のゲイン等を考慮に入れて適宜設定される
ものであるが、その際に考慮される伝達関数のゲイン
は、能動型騒音振動制御装置が搭載される個々の装置毎
の伝達関数ではなく、実験室等において求められた標準
的な伝達関数のゲインが用いられるのが通常である。
数フィルタは、なるべく良好な制御が行えるように能動
型騒音振動制御装置が搭載される個々の装置毎に設定さ
れることが提案されており、その結果、実際に求めた伝
達関数のゲインが大きいと、更新量が過大になったり、
逆にゲインが小さいと、更新量が過少になったりする懸
念があるのである。
れば、更新式調整手段が、伝達関数のゲインの増減に伴
う適応ディジタルフィルタのフィルタ係数の更新量の増
減を相殺するように、そのフィルタ係数の更新式を調整
するから、能動型騒音振動制御装置を搭載した装置毎
に、伝達関数のゲインにバラツキがあったりしても、更
新量が過大になったり、逆に過少になったりすることが
回避できるのである。
同定手段によって実際の伝達関数が同定されて新たな伝
達関数フィルタが設定されるから、実際の伝達関数のゲ
イン(実伝達関数ゲイン)が求められる。そして、基準
となる伝達関数(例えば、適応ディジタルフィルタのフ
ィルタ係数の更新式を設定する際に考慮した標準的な伝
達関数)のゲイン(基準伝達関数ゲイン)を考え、更新
式調整手段は、それら実伝達関数ゲインと基準伝達関数
ゲインとの比に応じて更新式の調整を行うから、適応デ
ィジタルフィルタのフィルタ係数の更新量は、実伝達関
数ゲインが基準伝達関数ゲインとは異なっていたとして
も、更新量を決める他の条件が同一であれば同じ値にな
る。
整手段は、実伝達関数ゲインと基準伝達関数ゲインとの
比を二乗した値に応じて更新式の調整を行うのである。
二乗した値に応じて調整を行う理由は、次の通りであ
る。即ち、例えば制御音源や制御振動源の特性が基準よ
り2倍になったとすると、制御音源や制御振動源から発
せられる制御音又は制御振動のレベルが、同じ駆動信号
であっても2倍になるため、実伝達関数ゲインも2倍に
なる。また、同じ駆動信号であっても制御音又は制御振
動が2倍になれば、適応ディジタルフィルタのフィルタ
係数の最適値は当初に比較して1/2になるが、駆動信
号を出力しない場合の残留騒音又は残留振動のレベルは
変わらないのであるから、制御の不安定性を回避できる
適切な更新量も1/2になる。すると、実伝達関数ゲイ
ンが2倍になっていることから更新量が2倍になり、制
御の不安定性を回避できる更新量が1/2になっている
ことも加味すると、更新量は、適切な値に比べて4倍
(22 倍)になってしまうのである。同様のことは、残
留騒音検出手段や残留振動検出手段の感度が変化した場
合等にも生じる。よって、この請求項3に係る発明のよ
うに、上記比を二乗した値に応じて更新式の調整が行わ
れれば、更新量が過大になったり、逆に過少になったり
することを、より確実に回避できるのである。
にあっては、伝達関数同定手段によって伝達関数が同定
され伝達関数フィルタが設定される毎に、更新量が過大
に又は過少になる可能性が懸念される。
達関数同定手段が伝達関数の同定を行った際に、更新式
調整手段が更新式の調整を行うようにすることが望まし
いのである。
れも請求項2〜4に係る発明を車両に適用したものであ
り、伝達関数を同定するタイミングを適宜選定したもの
である。
を同定するタイミングを、車両のエンジンの始動時とし
ているから、同定の際に例えば制御音源又は制御振動源
に供給される信号(同定信号)によって発生する音(同
定音)や振動(同定振動)が、エンジン始動時の音や振
動にマスキングされ、乗員に不快感を与える可能性を低
減できる。場合によっては、そのエンジン始動時にエン
ジンから発せられる音や振動を利用して、伝達関数の同
定を行うことも可能である。
関数を同定するタイミングを、車両が停止している際と
しているから、人が乗車していない可能性が高く、不快
感を与える可能性が低減できる。
達関数を同定するタイミングを、車両が一定距離走行し
た際としているから、その一定距離として構成部品等の
特性に変化が生じるような走行距離を設定しておけば、
伝達関数のゲインが変化している可能性の高い状況で同
定処理が行われるようになり、伝達関数のゲインが変化
していない状況で無駄な同定処理を行うことを回避でき
る。
達関数を同定するタイミングを、車両の点検時(例え
ば、法定の定期点検時等)としているから、その車両の
所有者に不快感を与える可能性を低減できる。
ルタ係数更新手段が、伝達関数フィルタと、基準信号
と、残留騒音信号又は残留振動信号と、所定の収束係数
とに基づいて、適応ディジタルフィルタのフィルタ係数
の更新量を演算するようになっていることを前提とした
ものである。
係数を、請求項10に係る発明は伝達関数フィルタのフ
ィルタ係数を、請求項11に係る発明は収束係数及び伝
達関数フィルタのフィルタ係数の両方を、更新式調整手
段が補正するようになっており、いずれの発明であって
も、更新式の調整を確実に行える。
項11に係る発明において、伝達関数フィルタのフィル
タ係数を優先的に補正するようになっているが、その理
由は次の通りである。即ち、請求項11に係る発明にお
いて、更新式調整手段による補正の対象となっているの
は、収束係数と、伝達関数フィルタのフィルタ係数とで
あるが、伝達関数フィルタの各フィルタ係数は、伝達関
数の位相特性やゲイン特性を出来るだけ正確に表現する
ために、なるべく桁数の多いメモリに記憶することが望
ましい。これに対し、収束係数は、そのような要求がな
いため比較的桁数の小さいメモリに記憶される。このた
め、補正演算のための係数を伝達関数フィルタの各フィ
ルタ係数に乗じた結果をそのフィルタ係数用のメモリで
記憶した方が、その係数を収束係数に乗じた結果を収束
係数用のメモリで記憶するよりも、補正演算の結果をよ
り的確に更新式に盛り込むことができるのである。
も、更新式調整手段は、伝達関数フィルタの各フィルタ
係数を記憶するディジタルメモリの最大ビット数と、補
正を行った後の伝達関数フィルタの各フィルタ係数とに
基づいて、伝達関数フィルタのフィルタ係数の補正によ
り調整を行うか、若しくは、そのフィルタ係数と収束係
数とを補正することにより調整を行うかを判断するよう
になっているから、上記請求項12に係る発明と同様
に、補正演算の結果をより的確に更新式に盛り込むこと
ができるのである。
は、更新式調整手段は、伝達関数同定手段が設定した新
たな伝達関数フィルタのフィルタ係数を、ディジタルメ
モリの桁数を出来るだけ多く使用されるように、補正す
るようになっている。よって、その新たな伝達関数フィ
ルタの位相特性は尊重されるが、ゲイン特性は調整され
ることになるから、同定した新たな伝達関数のゲイン特
性が増減していたとしても、それが相殺されるように補
正され、適応ディジタルフィルタのフィルタ係数の更新
量は、更新量を決める他の条件が同一であれば同じ値に
なる。
減に伴う適応ディジタルフィルタのフィルタ係数の更新
量の増減を相殺するように、そのフィルタ係数の更新式
を調整する更新式調整手段を設けたため、伝達関数のバ
ラツキや当初の状態からの変化によってそのゲインが増
減したとしても、更新量が過大又は過少になる可能性を
低減することができるから、制御が不安定になることや
最適値へ収束する速度が極端に遅くなるようなことを防
止できる、という効果がある。
車両に適用した場合に、伝達関数の同定タイミングを適
切に選定しているから、乗員に不快感を与える可能性を
低減できる等の効果もある。
ば、更新式の調整をより確実に行うことができるし、特
に、請求項12,13に係る発明であれば、補正演算の
結果をより的確に更新式に盛り込むことができるから、
本発明による効果をより確実に発揮することができる。
も、伝達関数のバラツキや当初の状態からの変化によっ
てそのゲインが増減したとしても、更新量が過大又は過
少になる可能性を、より確実に低減することができる。
に基づいて説明する。図1乃至図6は本発明の第1の実
施の形態を示す図であって、図1は本発明に係る能動型
騒音振動制御装置の一実施形態である能動型振動制御装
置を適用した車両の概略側面図である。
駆動信号に応じた能動的な支持力を発生可能な能動型エ
ンジンマウント1を介して、サスペンションメンバ等か
ら構成される車体35に支持されている。なお、実際に
は、エンジン30及び車体35間には、能動型エンジン
マウント1の他に、エンジン30及び車体35間の相対
変位に応じた受動的な支持力を発生する複数のエンジン
マウントも介在している。受動的なエンジンマウントと
しては、例えばゴム状の弾性体で荷重を支持する通常の
エンジンマウントや、ゴム状の弾性体内部に減衰力発生
可能に流体を封入してなる公知の流体封入式のマウント
インシュレータ等が適用できる。
ば、図2に示すように構成されている。即ち、この実施
の形態における能動型エンジンマウント1は、エンジン
30への取付け用のボルト2aを上部に一体に備え且つ
内部が空洞で下部が開口したキャップ2を有し、このキ
ャップ2の下部外面には、軸が上下方向を向く内筒3の
上端部がかしめ止めされている。
っていて、その下端部が内側に水平に折り曲げられて、
ここに円形の開口部3aが形成されている。そして、内
筒3の内側には、キャップ2及び内筒3内部の空間を上
下に二分するように、キャップ2及び内筒3のかしめ止
め部分に一緒に挟み込まれてダイアフラム4が配設され
ている。ダイアフラム4の上側の空間は、キャップ2の
側面に孔を開けることにより大気圧に通じている。
体5が配設されている。なお、本実施の形態では、内筒
3内面及びオリフィス構成5間には、薄膜状の弾性体
(ダイアフラム4の外周部を延長させたものでもよい)
が介在していて、これにより、オリフィス構成体5は内
筒3内側に強固に嵌め込まれている。
空間に整合して略円柱形に形成されていて、その上面に
は円形の凹部5aが形成されている。そして、その凹部
5aと、底面の開口部3aに対向する部分との間が、オ
リフィス5bを介して連通するようになっている。オリ
フィス5bは、例えば、オリフィス構成体5の外周面に
沿って螺旋状に延びる溝と、その溝の一端部を凹部5a
に連通させる流路と、その溝の他端部を開口部3aに連
通させる流路とで構成される。
干上方に盛り上がった肉厚円筒状の支持弾性体6の内周
面が加硫接着されていて、その支持弾性体6の外周面
は、上端側が拡径した円筒部材としての外筒7の内周面
上部に加硫接着されている。
円筒形のアクチュエータケース8の上端部にかしめ止め
されていて、そのアクチュエータケース8の下端面から
は、車体35側への取付け用の取付けボルト9が突出し
ている。取付けボルト9は、その頭部9aが、アクチュ
エータケース8の内底面に張り付いた状態で配設された
平板部材8aの中央の空洞部8bに収容されている。
は、円筒形の鉄製のヨーク10Aと、このヨーク10A
の中央部に軸を上下に向けて巻き付けられた励磁コイル
10Bと、ヨーク10Aの励磁コイル10Bに包囲され
た部分の上面に極を上下に向けて固定された永久磁石1
0Cと、から構成される電磁アクチュエータ10が配設
されている。
フランジ状に形成されたフランジ部8Aとなっていて、
そのフランジ部8Aに外筒7の下端部がかしめられて両
者が一体となっているのであるが、そのかしめ止め部分
には、円形の金属製の板ばね11の周縁部(端部)が挟
み込まれていて、その板ばね11の中央部の電磁アクチ
ュエータ10側には、リベット11aによって磁化可能
な磁路部材12が固定されている。なお、磁路部材12
はヨーク10Aよりも若干小径の鉄製の円板であって、
その底面が電磁アクチュエータ10に近接するような厚
みに形成されている。
ジ部8Aと板ばね11とに挟まれるように、リング状の
薄膜弾性体13と、力伝達部材14のフランジ部14a
とが支持されている。具体的には、アクチュエータケー
ス8のフランジ部8A上に、薄膜弾性体13と、力伝達
部材14のフランジ部14aと、板ばね11とをこの順
序で重ね合わせるとともに、その重なり合った全体を外
筒7の下端部をかしめて一体としている。
る短い円筒形の部材であって、その上端部がフランジ部
14aとなっており、その下端部は電磁アクチュエータ
10のヨーク10Aの上面に結合している。具体的に
は、ヨーク10Aの上端面周縁部に形成された円形の溝
に、力伝達部材14の下端部が嵌合して両者が結合され
ている。また、力伝達部材14の弾性変形時のばね定数
は、薄膜弾性体13のばね定数よりも大きい値に設定さ
れている。
の下面及び板ばね11の上面によって画成された部分に
流体室15が形成され、ダイアフラム4及び凹部5aに
よって画成された部分に副流体室16が形成されてい
て、これら流体室15及び副流体室16間が、オリフィ
ス構成体5に形成されたオリフィス5bを介して連通し
ている。なお、これら流体室15,副流体室16及びオ
リフィス5b内には、エチレングリコール等の流体が封
入されている。
る流体マウントとしての特性は、走行中のエンジンシェ
イク発生時、つまり5〜15Hzで能動型エンジンマウン
ト1が加振された場合に高動ばね定数、高減衰力を示す
ように調整されている。
イル10Bは、コントローラ25からハーネス23aを
通じて供給される電流である駆動信号yに応じて所定の
電磁力を発生するようになっている。コントローラ25
は、マイクロコンピュータ,必要なインタフェース回
路,A/D変換器,D/A変換器,アンプ等を含んで構
成され、エンジンシェイクよりも高周波の振動であるア
イドル振動やこもり音振動・加速時振動が車体35に入
力されている場合には、その振動を低減できる能動的な
支持力が能動型エンジンマウント1に発生するように、
能動型エンジンマウント1に対する駆動信号yを生成し
出力するようになっている。
例えばレシプロ4気筒エンジンの場合、エンジン回転2
次成分のエンジン振動が車体35に伝達されることが主
な原因であるから、そのエンジン回転2次成分に同期し
て駆動信号yを生成し出力すれば、車体側低減が可能と
なる。そこで、本実施の形態では、燃焼タイミングに同
期するように、エンジン30のクランク軸の回転に同期
した(例えば、レシプロ4気筒エンジンの場合には、ク
ランク軸が180度回転する度に一つの)インパルス信
号を生成し基準信号xとして出力するパルス信号生成器
26を設けていて、その基準信号xが、エンジン30に
おける振動の発生状態を表す信号としてコントローラ2
5に供給されるようになっている。
0Aの下端面と、アクチュエータケース8の底面を形成
する平板部材8aの上面との間に挟み込まれるように、
エンジン30から支持弾性体6を通じて伝達する加振力
を検出する荷重センサ22が配設されていて、荷重セン
サ22の検出結果がハーネス23bを通じて残留振動信
号eとしてコントローラ25に供給されるようになって
いる。荷重センサ22としては、具体的には、圧電素
子,磁歪素子,歪ゲージ等が適用可能である。
残留振動信号e及び基準信号xに基づき、適応アルゴリ
ズムの一つである同期式Filtered−X LMS
アルゴリズムを実行することにより、能動型エンジンマ
ウント1に対する駆動信号yを演算し、その駆動信号y
を能動型エンジンマウント1に出力するようになってい
る。
タ係数Wi (i=0,1,2,…,I−1:Iはタップ
数)可変の適応ディジタルフィルタWを有していて、最
新の基準信号xが入力された時点から所定のサンプリン
グ・クロックの間隔で、その適応ディジタルフィルタW
のフィルタ係数Wi を順番に駆動信号yとして出力する
一方、基準信号x及び残留振動信号eに基づいて適応デ
ィジタルフィルタWのフィルタ係数Wi を適宜更新する
処理を実行するようになっている。
iltered−X LMSアルゴリズムに従った下記
の(1)式のようになる。 Wi (n+1)=Wi (n)+αRT e(n) ……(1) ここで、(n),(n+1)が付く項はサンプリング時
刻n,n+1における値であることを表し、αは収束係
数である。また、更新用基準信号RT は、理論的には、
基準信号xを、能動型エンジンマウント1の電磁アクチ
ュエータ10及び荷重センサ22間の伝達関数Cを有限
インパルス応答型フィルタでモデル化した伝達関数フィ
ルタC^でフィルタ処理した値であるが、基準信号xの
大きさは“1”であるから、伝達関数フィルタC^のイ
ンパルス応答を基準信号xに同期して次々と生成した場
合のそれらインパルス応答波形のサンプリング時刻nに
おける和に一致する。また、理論的には、基準信号xを
適応ディジタルフィルタWでフィルタ処理して駆動信号
yを生成するのであるが、基準信号xの大きさが“1”
であるため、フィルタ係数Wi を順番に駆動信号yとし
て出力しても、フィルタ処理の結果を駆動信号yとした
のと同じ結果になる。
な適応ディジタルフィルタWを用いた振動低減処理を実
行する一方で、その振動低減制御に必要な伝達関数Cを
同定する処理をも実行するようになっている。
の同定処理を開始するタイミングで操作される同定処理
開始スイッチ28が設けられていて、例えば製造ライン
における最終工程において、或いはディーラーにおける
定期点検時において、作業者がその同定処理開始スイッ
チ28を操作すると、コントローラ25内で伝達関数C
の同定処理が実行される。なお、伝達関数Cの同定処理
実行中には、通常の振動低減処理は実行されない。
ニッションがオンになっている通常の走行状態等には、
同期式Filtered−X LMSアルゴリズムに従
った振動低減処理を実行するが、同定処理開始スイッチ
28が操作されると、振動低減処理を停止して、伝達関
数Cの同定処理を実行するようになっている。
ために、コントローラ25の不揮発性メモリ内には、一
周期分の正弦波を等間隔で所定個数(例えば、8個や1
6個等)に離散化してなる数列が記憶されていて、コン
トローラ25は、その記憶された上記数列の各数値を、
出力サンプリング・クロックSCo に同期して(つま
り、出力サンプリング・クロックSCo の周期To の間
隔で)一つずつ順番に同定信号として能動型エンジンマ
ウント1の電磁アクチュエータ10に供給して同定振動
を発生させ、その同定振動を荷重センサ22によって残
留振動信号eとして検出するようになっている。さら
に、コントローラ25は、同定振動の検出結果であるア
ナログ信号としての残留振動信号eを、入力サンプリン
グ・クロックSCi に同期して(つまり、入力サンプリ
ング・クロックSCi の周期Ti の間隔)ディジタル値
に変換して取り込むようになっており、その入力サンプ
リング・クロックSCi に同期して取り込まれた残留振
動信号eをフーリエ変換(高速フーリエ変換;FFT)
して、出力サンプリング・クロックSCo に同期して出
力された同定信号の周波数に相当する成分を抽出するよ
うになっている。
成分を抽出する処理を、出力サンプリング・クロックS
Co の周期To を切り換え(例えば、周期To を徐々に
短くし)て同定信号の周波数を徐々に変化させることに
より、周波数の異なる複数の同定信号について行うよう
になっていて、そして、各周波数毎の成分を合成し、そ
の合成した結果を逆フーリエ変換して伝達関数Cに相当
するインパルス応答を求めるようになっている。求めら
れたインパルス応答が、新たな有限インパルス応答型の
伝達関数フィルタC^となる。
ィルタC^が、それまでの伝達関数フィルタC^と置き
換えられるのであるが、本実施の形態では、新たな伝達
関数フィルタC^の各フィルタ係数C^i を適宜補正し
てから使用するようになっている。
ィルタC^の各フィルタ係数C^iのうち、絶対値が最
大の最大フィルタ係数C^imaxを選出し、その最大フィ
ルタ係数C^imaxと、基準となる伝達関数フィルタC^
L の各フィルタ係数C^Liのうちの絶対値が最大の最大
フィルタ係数C^Limax との比Aを、下記の(2)式に
従って演算し、そして、新たな伝達関数フィルタC^の
各フィルタ係数C^iのそれぞれを、下記の(3)式に
従って補正する、つまり比Aを二乗した値A2で割るこ
とにより、制御に使用する伝達関数フィルタC^を設定
するようになっている。
験室等で予め求めた標準的な伝達関数をモデル化した伝
達関数フィルタを用いる。
ち、エンジンシェイク発生時には、オリフィス5aの流
路形状等を適宜選定している結果、この能動型エンジン
マウント1は高動ばね定数,高減衰力の支持装置として
機能するため、エンジン30側で発生したエンジンシェ
イクが能動型エンジンマウント1によって減衰され、車
体35側の振動レベルが低減される。なお、エンジンシ
ェイクに対しては、特に可動板12を積極的に変位させ
る必要はない。
ク状態となり流体室15及び副流体室16間での流体の
移動が不可能になるアイドル振動周波数以上の周波数の
振動が入力された場合には、コントローラ25は、所定
の演算処理を実行し、電磁アクチュエータ10に駆動信
号yを出力し、能動型エンジンマウント1に振動を低減
し得る能動的な支持力を発生させる。
時にコントローラ25内で実行される処理の概要を示す
フローチャートである図3に従って具体的に説明する。
先ず、そのステップ101において所定の初期設定が行
われた後に、ステップ102に移行し、伝達関数フィル
タC^に基づいて更新用基準信号RT が演算される。な
お、このステップ102では、一周期分の更新用基準信
号RT がまとめて演算される。
iが零クリアされた後に、ステップ104に移行して、
適応ディジタルフィルタWのi番目のフィルタ係数Wi
が駆動信号yとして出力される。
ら、ステップ105に移行し、残留振動信号eが読み込
まれる。そして、ステップ106に移行して、カウンタ
jが零クリアされ、次いでステップ107に移行し、適
応ディジタルフィルタWのj番目のフィルタ係数Wj が
上記(1)式に従って更新される。
たら、ステップ108に移行し、次の基準信号xが入力
されているか否かを判定し、ここで基準信号xが入力さ
れていないと判定された場合は、適応ディジタルフィル
タWの次のフィルタ係数の更新又は駆動信号yの出力処
理を実行すべく、ステップ109に移行する。
回数Ty (正確には、カウンタjは0からスタートする
ため、出力回数Ty から1を減じた値)に達しているか
否かを判定する。この判定は、ステップ104で適応デ
ィジタルフィルタWのフィルタ係数Wi を駆動信号yと
して出力した後に、適応ディジタルフィルタWのフィル
タ係数Wi を、駆動信号yとして必要な数だけ更新した
か否かを判断するためのものである。そこで、このステ
ップ109の判定が「NO」の場合には、ステップ11
0でカウンタjをインクリメントした後に、ステップ1
07に戻って上述した処理を繰り返し実行する。
S」の場合には、適応ディジタルフィルタWのフィルタ
係数のうち、駆動信号yとして必要な数のフィルタ係数
の更新処理が完了したと判断できるから、ステップ11
1に移行し、カウンタiをインクリメントした後に、上
記ステップ104の処理を実行してから所定のサンプリ
ング・クロックの間隔に対応する時間が経過するまで待
機し、サンプリング・クロックに対応する時間が経過し
たら、上記ステップ104に戻って上述した処理を繰り
返し実行する。
されたと判断された場合には、ステップ112に移行
し、カウンタi(正確には、カウンタiが0からスター
トするため、カウンタiに1を加えた値)を最新の出力
回数Ty として保存した後に、ステップ102に戻っ
て、上述した処理を繰り返し実行する。
結果、コントローラ25から能動型エンジンマウント1
の電磁アクチュエータ10に対しては、基準信号xが入
力された時点から、サンプリング・クロックの間隔で、
適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi が順番に
駆動信号yとして供給される。
に応じた磁力が発生するが、磁路部材12には、既に永
久磁石10Cによる一定の磁力が付与されているから、
その励磁コイル10Bによる磁力は永久磁石10Cの磁
力を強める又は弱めるように作用すると考えることがで
きる。つまり、励磁コイル10Bに駆動信号yが供給さ
れていない状態では、磁路部材12は、板ばね11によ
る支持力と、永久磁石10Cの磁力との釣り合った中立
の位置に変位することになる。そして、この中立の状態
で励磁コイル10Bに駆動信号yが供給されると、その
駆動信号yによって励磁コイル10Bに発生する磁力が
永久磁石10Cの磁力と逆方向であれば、磁路部材12
は電磁アクチュエータ10とのクリアランスが増大する
方向に変位する。逆に、励磁コイル10Bに発生する磁
力が永久磁石10Cの磁力と同じ方向であれば、磁路部
材12は電磁アクチュエータ10とのクリアランスが減
少する方向に変位する。
位可能であり、磁路部材12が変位すれば主流体室15
の容積が変化し、その容積変化によって支持弾性体6の
拡張ばねが変形するから、この能動型エンジンマウント
1に正逆両方向の能動的な支持力が発生するのである。
フィルタWの各フィルタ係数Wi は、同期式Filte
red−X LMSアルゴリズムに従った上記(1)式
によって逐次更新されるため、ある程度の時間が経過し
て適応ディジタルフィルタWの各フィルタ係数Wi が最
適値に収束した後は、駆動信号yが能動型エンジンマウ
ント1に供給されることによって、エンジン30から能
動型エンジンマウント1を介して車体35側に伝達され
るアイドル振動やこもり音振動が低減されるようになる
のである。
処理の動作である。その一方、例えば車両が出荷される
前の製造ラインの最終工程において、作業者が同定処理
開始スイッチ28を操作すると、図4に示すような処理
が実行される。
のステップ201において、伝達関数Cの同定処理が実
行されて、新たな伝達関数フィルタC^が求められる。
この実施の形態では、上述したように、周波数を徐々に
変化させながら正弦波状の同定信号を駆動信号yとして
出力して同定振動を発生させ、そのとき読み込まれる残
留振動信号eに基づいて各周波数毎の位相特性及びゲイ
ン特性を求め、その結果に基づいて新たなインパルス応
答型の伝達関数フィルタC^が設定される。
^は、時間軸に沿ってサンプリング・クロックの間隔で
各フィルタ係数C^i が並んでいるインパルス応答型の
ディジタルフィルタであるから、例えば図5に示すよう
な波形になる。
プ201で求めた伝達関数フィルタC^の各フィルタ係
数C^i のうちから、絶対値が最大である最大フィルタ
係数C^imaxを選出する。最大フィルタ係数C^
imaxは、この伝達関数フィルタC^のゲイン特性を実質
的に表しているものである。
(2)式に従って比Aを演算する。そして、次いでステ
ップ204に移行し、ステップ201で求めた新たな伝
達関数フィルタC^の全てのフィルタ係数C^i を値A
2 で割り、その結果をフィルタ係数C^i として使用す
る。ステップ204において、全フィルタ係数C^i に
ついて補正演算を行ったら、今回の図4の処理を終了
し、図3の処理に戻る。
各車両毎に伝達関数Cが同定されて伝達関数フィルタC
^が設定されるから、各車両毎に伝達関数Cにバラツキ
があったり、或いは、使用頻度等に応じて伝達関数Cが
変化してしまったとしても、新たに設定された伝達関数
フィルタC^が使用されて適応ディジタルフィルタWの
各フィルタ係数Wi が更新されるから、良好な振動低減
制御が実行されるのである。
達関数Cに対応する伝達関数フィルタC^をそのまま用
いるのではなく、そのゲイン特性を補正してから制御に
用いるようにしているので、さらに良好な振動低減制御
が実行されるという利点がある。つまり、上述した
(1)式における収束係数α等は、実験室等で求められ
た標準的な伝達関数Cを考慮して設定されるのである
が、実際の伝達関数Cは車両毎に異なったりするので、
更新式である(1)式は必ずしも最適な式であるとは限
らない。
うに、横軸に適応ディジタルフィルタWをとり、縦軸に
その適応ディジタルフィルタWの評価値E(この実施の
形態であれば、e2 )をとり、基準となる車両における
W−E特性が、X特性であったものとする。また、その
X特性であるときの適応ディジタルフィルタWの最適値
をWopt とする。そして、ある時点において評価値Eが
E1 であるものとし、特性Xにおいてそのときの適応デ
ィジタルフィルタWを最適値Wopt にするための適応デ
ィジタルフィルタWの更新量ΔWを、αRT eとする。
型エンジンマウント1の出力特性だけが2倍になってお
りその他の特性は同一である別の車両を考えると、その
別の車両のW−E特性は、図6中のY特性のようにな
る。つまり、かかる別の車両にあっては、同じ駆動信号
yであっても倍の大きさの制御振動が発生するのである
から、適応ディジタルフィルタWの最適値は、最適値W
opt の半分である最適値Wopt ' となるが、制御振動を
発していないときの評価値Eは同じE2 になるはずであ
るから、W−E特性は特性Yのようになる。
値EがE1 であるものとすると、更新式が特性Xを示す
車両と同じであれば、そのときの更新量ΔWは、α2R
T eになる。なぜならば、能動型エンジンマウント1の
出力特性が倍になっているため、伝達関数フィルタC^
のゲイン特性が倍になり、特性Xを示す車両における更
新用基準信号RT が、2倍の2RT になるからである。
ジタルフィルタWの最適値Wopt 'は、最適値Wopt の
1/2であるから、評価値E1 にあるときに適応ディジ
タルフィルタWを最適値Wopt ' とするための更新量Δ
Wは、特性Xを示す車両における同様の更新量αRT e
の半分であるαRT e/2になる。よって、この更新量
αRT e/2は、実際に演算される更新量α2RT eの
4(22 )倍となってしまうのである。すると、更新量
ΔWが過大になって制御が不安定になってしまうのであ
る。また、特性Yを標準的な車両、特性Xを特定の車両
と考えれば、上述とは逆に、特性Xを示す車両では更新
量が過少になってしまい、最適値への収束速度が遅くな
ってしまうのである。
の処理において、単に伝達関数Cを同定して伝達関数フ
ィルタC^を設定するのではなく、ステップ202〜2
04の処理を実行して全てのフィルタ係数C^i を値A
2 で割って補正するようにしているから、更新量ΔWが
過大又は過少になることを回避できるのである。例え
ば、図6を伴って説明した上述の例であれば、特性Yを
示す車両において、更新用基準信号RT が2RT にはな
らず、その2RT が4で割られてRT /2となるから、
更新量ΔWはαRT e/2になり、最適値Wopt ' への
収束にとって好適な更新量になるのである。
が振動源に対応し、能動型エンジンマウント1が制御振
動源に対応し、パルス信号生成器26が基準信号生成手
段に対応し、荷重センサ22が残留振動検出手段に対応
し、基準信号xに同期して適応ディジタルフィルタWの
フィルタ係数Wi を駆動信号yとして順番に出力する図
3のステップ104の処理が駆動信号生成手段に対応
し、図3のステップ107の処理がフィルタ係数更新手
段に対応し、図4のステップ201の処理が伝達関数同
定手段に対応し、図4のステップ202〜204の処理
が更新式調整手段に対応する。
図であって、上記第1の実施の形態における図4に対応
するフローチャートである。なお、上記第1の実施の形
態と同様の処理を実行するステップには同じ符号を付
し、その重複する説明は省力する。また、その他の構成
及び処理は上記第1の実施の形態と同様であるため、そ
の図示及び重複する説明は省略する。
理が開始されると、上記第1の実施の形態と同様にステ
ップ201〜203の処理が実行され、比Aが求められ
る。そして、ステップ203からステップ301に移行
し、下記の(4)式に従って収束係数αを補正する。ス
テップ301の処理を終えたら、今回のこの図7の処理
を終了する。
i の更新量ΔWは、上記(1)式の右辺第2項に示され
るように、収束係数αと、更新用基準信号RTと、残留
振動信号eとの積で決まり、また、更新用基準信号RT
は、伝達関数フィルタC^と基準信号xとで決まるもの
であるから、上記第1の実施の形態のように伝達関数フ
ィルタC^を補正しても更新量ΔWは増減するし、ま
た、収束係数αを補正しても更新量ΔWは増減する。よ
って、この第2の実施の形態のように、収束係数αを補
正する構成であっても、伝達関数Cのゲインの増減に伴
う更新量ΔWの増減を相殺するように、更新式を調整す
ることができるのであり、これによっても、上記第1の
実施の形態と同様の作用効果が得られる。
を値A2 で割れば済むため、上記第1の実施の形態に比
べて補正のための演算量が少ないという利点がある。こ
こで、本実施の形態では、図7のステップ202,20
3及び301の処理が更新式調整手段に対応する。
図であって、上記第1の実施の形態における図4に対応
するフローチャートである。なお、上記第1の実施の形
態と同様の処理を実行するステップには同じ符号を付
し、その重複する説明は省力する。また、その他の構成
及び処理は上記第1の実施の形態と同様であるため、そ
の図示及び重複する説明は省略する。
理が開始されると、上記第1の実施の形態と同様にステ
ップ201,202の処理が実行され、新たな伝達関数
フィルタC^の各フィルタ係数C^i のうちから、最大
フィルタ係数C^imaxが選出される。そして、ステップ
202からステップ401に移行し、下記の(5)式に
従って値Aが演算される。
設けられている記憶装置における伝達関数フィルタC^
のフィルタ係数C^i の分解能最大値、若しくはその分
解能最大値よりも若干小さな値である。例えば、各フィ
ルタ係数C^iを8ビットで記憶するものとすると、そ
のフィルタ係数C^i は、+127〜−128で表現す
ることができるから、D=127、若しくは120〜1
26内の値とすればよい。
(6)式に従って全てのフィルタ係数C^i を補正する
とともに、次いでステップ403に移行し、下記の
(7)式に従って収束係数αを補正する。ステップ40
3の処理を終えたら、今回のこの図8の処理を終了す
る。
更新式全体で見れば値A2 で補正したことと等価である
から、上記第1の実施の形態と同様の作用効果が得られ
る。
値Dに基づいて比Aを求め、その比Aでフィルタ係数C
^i 及び収束係数αの両方を補正するようにしているか
ら、フィルタ係数C^i の管理にとって好適であるとい
う利点もある。つまり、ステップ402の処理を実行す
る結果、最大フィルタ係数C^i が分解能の最大値で表
現されるようになるから、伝達関数フィルタC^が、元
の伝達関数Cを可能な範囲で最も的確に表現できるよう
になり、特に伝達関数Cの位相特性が正確に制御に用い
られるのである。
プ202及び401〜403の処理が更新式調整手段に
対応する。図9及び図10は本発明の第4の実施の形態
を示す図であって、図9は上記第1の実施の形態におけ
る図4に対応するフローチャートである。なお、その他
の構成及び処理は上記第1の実施の形態と同様であるた
め、その図示及び重複する説明は省略する。
定処理をエンジン30の始動時に図9の処理が開始され
る。なお、図9の処理を実行中には、図3に示す振動低
減処理は停止される。そして、図9のステップ501に
おいて、残留振動信号eが読み込まれ、ステップ502
でエンジンの始動が完了した(例えば、エンジン回転数
が所定値に達した)と判断されるまで、ステップ501
の処理を繰り返し実行し、ステップ502の判定が「Y
ES」となった時点でステップ503に移行する。ステ
ップ503では、ステップ501で繰り返し読み込んだ
残留振動信号eのうちの最大値emax を選出する。
(8)式に従って比Aを演算し、次いでステップ505
に移行し、下記の(3)式に従って現在の伝達関数フィ
ルタC^の各フィルタ係数C^i を補正する。ステップ
505の処理を終えたら、今回のこの図9の処理を終了
し、図3の処理に戻る。
における残留振動信号の基準となる最大値であって、例
えば実験室等で予め求めておく。
振動信号eの波形図であり、これに示すように、エンジ
ンが始動すると、その始動に伴うエンジン振動が徐々に
レベルを上げるから、時間の経過と共に残留振動信号e
のレベルも上昇する。また、図2からも判るように、能
動型エンジンマウント1で発生した制御振動が荷重セン
サ22に到達するまでの経路は、エンジン30で発生し
た振動が荷重センサ22に到達するまでの経路に含まれ
ているから、振動低減制御を実行していないときの残留
振動信号eのレベルは、伝達関数Cのゲインを略表して
いると考えることができる。よって、ステップ501〜
504の処理は、伝達関数Cそのものではないが、伝達
関数Cのゲイン特性を同定する処理であるし、伝達関数
Cの位相特性がゲイン特性に比べて大きく変化しないと
考えれば、そのステップ501〜504の処理が、実質
的に伝達関数Cの同定処理と考えることができる。
比Aは、基準状態に対する伝達関数Cのゲインの変化を
略表していると考えることができるのである。よって、
上記(3)式のような補正演算を行えば、伝達関数フィ
ルタC^のゲインを適宜補正することができるから、上
記第1の実施の形態と同様の作用効果が発揮されるので
ある。
関数フィルタC^の補正が行われるから、伝達関数Cの
変化に対して細やかに対応することができるという利点
もある。
プ501〜504の処理が伝達関数同定手段に対応し、
ステップ505の処理が更新式調整手段に対応する。図
11は、本発明の第5の実施の形態を示す図であって、
上記第1の実施の形態における図4に対応するフローチ
ャートである。なお、上記第各実施の形態と同様の処理
を実行するステップには同じ符号を付し、その重複する
説明は省力する。また、その他の構成及び処理は上記第
1の実施の形態と同様であるため、その図示及び重複す
る説明は省略する。
の実施の形態におけるステップ403を省略したものと
同じである。つまり、補正演算として、上記(6)式の
演算は行うが、上記(7)式の演算は行わないのであ
る。
の増減に伴う更新量ΔWの増減を、完全に相殺するよう
な補正は行えないが、ある程度は相殺されるため、質的
には若干落ちるが上記第1の実施の形態と同様の作用効
果が発揮される。
記第3の実施の形態と同様に、最大フィルタ係数C^i
が分解能の最大値で表現されるようになるから、伝達関
数フィルタC^は、元の伝達関数Cを可能な範囲で最も
的確に表現できるようになるという利点もある。
ップ202,401及び402の処理が更新式調整手段
に対応する。なお、上記各実施の形態では、伝達関数C
を同定するタイミングを、同定処理開始スイッチ28が
操作されたとき、或いは、エンジン始動時としている
が、これに限定されるものではなく、例えば、車両が停
止しているときや、一定距離を走行する毎に行うように
してもよい。
出手段として、能動型エンジンマウント1に内蔵された
荷重センサ22を用いてるから、振動低減制御を実行し
た際にはその能動型エンジンマウント1を通じて車体3
5側に伝搬される振動を低減することができるが、これ
に限定されるものではなく、例えば、乗員足元位置に配
設された加速度センサを残留振動検出手段とすれば、そ
の乗員足元位置に伝搬する振動を低減するように能動型
エンジンマウント1で制御振動を発生させることができ
るようになる。
係る能動型騒音振動制御装置を、エンジン30から車体
35に伝達される振動を低減する車両用の能動型振動制
御装置に適用した場合について説明したが、本発明の適
用対象はこれに限定されるものではなく、例えば騒音源
としてのエンジン30から車室内に伝達される騒音を低
減する能動型騒音制御装置であってもよい。かかる能動
型騒音制御装置とする場合には、車室内に制御音を発生
するための制御音源としてのラウドスピーカと、車室内
の残留騒音を検出する残留騒音検出手段としてのマイク
ロフォンとを設け、上記各実施の形態と同様の演算処理
によって得られる駆動信号yに応じてラウドスピーカを
駆動させるとともに、マイクロフォンの出力を残留騒音
信号eとして適応ディジタルフィルタWの各フィルタ係
数Wi の更新処理に用い、そして経時変化検出処理,発
散検出処理を実行すれば、上記各実施の形態と同様の作
用効果が得られる。
れるものではなく、エンジン30以外で発生する周期的
な振動や騒音を低減するための能動型振動制御装置,能
動型騒音制御装置や、非周期的な振動や騒音(ランダム
・ノイズ)を低減するための能動型振動制御装置,能動
型騒音制御装置であっても本発明は適用可能であり、適
用対象に関係なく上記各実施の形態と同等の作用効果を
奏することができる。例えば、工作機械からフロアや室
内に伝達される振動や騒音を低減する装置等であって
も、本発明は適用可能である。
リズムとして同期式Filtered−X LMSアル
ゴリズムを適用した場合について説明したが、適用可能
な適応アルゴリズムはこれに限定されるものではなく、
例えば、通常のFiltered−X LMSアルゴリ
ズム等であってもよい。
る。
ある。
る。
及び更新式の補正処理を示すフローチャートである。
ィルタC^の波形図である。
び適応ディジタルフィルタWの特性図である。
及び更新式の補正処理を示すフローチャートである。
及び更新式の補正処理を示すフローチャートである。
及び更新式の補正処理を示すフローチャートである。
信号eの波形図である。
理及び更新式の補正処理を示すフローチャートである。
Claims (14)
- 【請求項1】 騒音源又は振動源から発せられる騒音又
は振動と干渉する制御音又は制御振動を発生可能な制御
音源又は制御振動源と、前記騒音又は振動の発生状態を
表す基準信号を生成し出力する基準信号生成手段と、前
記干渉後の騒音又は振動を検出し残留騒音信号又は残留
振動信号として出力する残留騒音検出手段又は残留振動
検出手段と、フィルタ係数可変の適応ディジタルフィル
タと、前記基準信号及び前記適応ディジタルフィルタに
基づいて前記制御音源又は制御振動源を駆動する駆動信
号を生成し出力する駆動信号生成手段と、前記制御音源
又は制御振動源と前記残留騒音検出手段又は残留振動検
出手段との間の伝達関数をモデル化した伝達関数フィル
タと、前記基準信号及び前記伝達関数フィルタに基づき
逐次更新型の適応アルゴリズムに従って前記騒音又は振
動が低減するように前記適応ディジタルフィルタのフィ
ルタ係数を更新するフィルタ係数更新手段と、前記伝達
関数のゲインの増減に伴う前記適応ディジタルフィルタ
のフィルタ係数の更新量の増減を相殺するようにそのフ
ィルタ係数の更新式を調整する更新式調整手段と、を備
えたことを特徴とする能動型騒音振動制御装置。 - 【請求項2】 前記伝達関数を同定して前記伝達関数フ
ィルタを設定する伝達関数同定手段を備えるとともに、 前記更新式調整手段は、前記伝達関数同定手段が同定し
た新たな伝達関数のゲインと、基準となる伝達関数のゲ
インとの比に応じて、前記調整を行うようになっている
請求項1記載の能動型騒音振動制御装置。 - 【請求項3】 前記更新式調整手段は、前記比を二乗し
た値に応じて、前記調整を行うようになっている請求項
2記載の能動型騒音振動制御装置。 - 【請求項4】 前記更新式調整手段は、前記伝達関数同
定手段が前記伝達関数の同定を行った際に前記調整を行
うようになっている請求項2又は請求項3記載の能動型
騒音振動制御装置。 - 【請求項5】 車両に適用され、前記伝達関数同定手段
は、前記車両のエンジンの始動時に前記伝達関数の同定
を行うようになっている請求項2乃至請求項4のいずれ
かに記載の能動型騒音振動制御装置。 - 【請求項6】 車両に適用され、前記伝達関数同定手段
は、前記車両が停止している際に前記伝達関数の同定を
行うようになっている請求項2乃至請求項4のいずれか
に記載の能動型騒音振動制御装置。 - 【請求項7】 車両に適用され、前記伝達関数同定手段
は、前記車両が一定距離走行した際に前記伝達関数の同
定を行うようになっている請求項2乃至請求項4のいず
れかに記載の能動型騒音振動制御装置。 - 【請求項8】 車両に適用され、前記伝達関数同定手段
は、前記車両の点検時に前記伝達関数の同定を行うよう
になっている請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の
能動型騒音振動制御装置。 - 【請求項9】 前記フィルタ係数更新手段は、前記伝達
関数フィルタと、前記基準信号と、前記残留騒音信号又
は残留振動信号と、所定の収束係数と、に基づいて前記
適応ディジタルフィルタのフィルタ係数の更新量を演算
するようになっており、 前記更新式調整手段は、前記収束係数を補正することに
より前記調整を行うようになっている請求項1乃至請求
項8のいずれかに記載の能動型騒音振動制御装置。 - 【請求項10】 前記フィルタ係数更新手段は、前記伝
達関数フィルタと、前記基準信号と、前記残留騒音信号
又は残留振動信号と、所定の収束係数と、に基づいて前
記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数の更新量を演
算するようになっており、 前記更新式調整手段は、前記伝達関数フィルタのフィル
タ係数を補正することにより前記調整を行うようになっ
ている請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の能動型
騒音振動制御装置。 - 【請求項11】 前記フィルタ係数更新手段は、前記伝
達関数フィルタと、前記基準信号と、前記残留騒音信号
又は残留振動信号と、所定の収束係数と、に基づいて前
記適応ディジタルフィルタのフィルタ係数の更新量を演
算するようになっており、 前記更新式調整手段は、前記収束係数及び前記伝達関数
フィルタのフィルタ係数を補正することにより前記調整
を行うようになっている請求項1乃至請求項8のいずれ
かに記載の能動型騒音振動制御装置。 - 【請求項12】 前記更新式調整手段は、前記伝達関数
フィルタのフィルタ係数を優先的に補正して前記調整を
行うようになっている請求項11記載の能動型騒音振動
制御装置。 - 【請求項13】 前記伝達関数フィルタの各フィルタ係
数を記憶するためのディジタルメモリを有し、 前記フィルタ係数更新手段は、前記伝達関数フィルタ
と、前記基準信号と、前記残留騒音信号又は残留振動信
号と、所定の収束係数と、に基づいて前記適応ディジタ
ルフィルタのフィルタ係数の更新量を演算するようにな
っており、 前記更新式調整手段は、前記補正を行った後の前記伝達
関数フィルタの各フィルタ係数が前記ディジタルメモリ
の最大ビット数内で記憶可能な場合には、前記伝達関数
フィルタのフィルタ係数を補正することにより前記調整
を行い、前記最大ビット数内で記憶が不可能な場合に
は、前記収束係数及び前記伝達関数フィルタのフィルタ
係数を補正することにより前記調整を行うようになって
いる請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の能動型騒
音振動制御装置。 - 【請求項14】 前記伝達関数を同定して前記伝達関数
フィルタを設定する伝達関数同定手段を備えるととも
に、 前記伝達関数フィルタの各フィルタ係数を記憶するため
のディジタルメモリを有し、 前記更新式調整手段は、前記伝達関数同定手段が設定し
た新たな前記伝達関数フィルタの各フィルタ係数を、そ
れらフィルタ係数の絶対値の最大値を二進数で表現した
ものの桁数が前記ディジタルメモリの最大ビット数に一
致するように補正することにより、前記調整を行うよう
になっている請求項1記載の能動型騒音振動制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31737197A JP3593866B2 (ja) | 1997-11-18 | 1997-11-18 | 能動型騒音振動制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31737197A JP3593866B2 (ja) | 1997-11-18 | 1997-11-18 | 能動型騒音振動制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11149291A true JPH11149291A (ja) | 1999-06-02 |
JP3593866B2 JP3593866B2 (ja) | 2004-11-24 |
Family
ID=18087512
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31737197A Expired - Fee Related JP3593866B2 (ja) | 1997-11-18 | 1997-11-18 | 能動型騒音振動制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3593866B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7352869B2 (en) | 2003-06-05 | 2008-04-01 | Honda Motor Co., Ltd. | Apparatus for and method of actively controlling vibratory noise, and vehicle with active vibratory noise control apparatus |
JP2010121737A (ja) * | 2008-11-20 | 2010-06-03 | Nissan Motor Co Ltd | 車両伝達関数取得装置 |
US7873173B2 (en) | 2004-09-14 | 2011-01-18 | Honda Motor Co., Ltd. | Active vibratory noise control apparatus |
CN113093826A (zh) * | 2021-03-31 | 2021-07-09 | 歌尔股份有限公司 | 振动电机的控制方法、装置、终端设备及存储介质 |
-
1997
- 1997-11-18 JP JP31737197A patent/JP3593866B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN113093826A (zh) * | 2021-03-31 | 2021-07-09 | 歌尔股份有限公司 | 振动电机的控制方法、装置、终端设备及存储介质 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3593866B2 (ja) | 2004-11-24 |
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