JPH11149117A - カメラの駆動力伝達装置 - Google Patents

カメラの駆動力伝達装置

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JPH11149117A
JPH11149117A JP9315483A JP31548397A JPH11149117A JP H11149117 A JPH11149117 A JP H11149117A JP 9315483 A JP9315483 A JP 9315483A JP 31548397 A JP31548397 A JP 31548397A JP H11149117 A JPH11149117 A JP H11149117A
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JP
Japan
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gear
camera
driving force
shaft
rotation
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP9315483A
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English (en)
Inventor
Gohachi Katagiri
護八 片桐
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Priority to US09/192,661 priority patent/US6106164A/en
Priority to CNB981224776A priority patent/CN1177253C/zh
Publication of JPH11149117A publication Critical patent/JPH11149117A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03BAPPARATUS OR ARRANGEMENTS FOR TAKING PHOTOGRAPHS OR FOR PROJECTING OR VIEWING THEM; APPARATUS OR ARRANGEMENTS EMPLOYING ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ACCESSORIES THEREFOR
    • G03B17/00Details of cameras or camera bodies; Accessories therefor
    • G03B17/42Interlocking between shutter operation and advance of film or change of plate or cut-film
    • G03B17/425Interlocking between shutter operation and advance of film or change of plate or cut-film motor drive cameras

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Details Of Cameras Including Film Mechanisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】駆動力の伝達効率を悪化させず、カメラ内部の
機構部材の配置に影響を及ぼさずにカメラの小型化に寄
与する駆動力伝達装置を提供する。 【解決手段】回転力を入力する入力部材18(19)
と、入力部材18とは回転中心が異なるように配置され
た出力部材50a(51a)と、入力部材18から出力
部材50aに回転力を伝達する駆動軸50(51)とを
具備し、入力部材18(19)又は出力部材50a(5
1a)の少なくとも一方と駆動軸50(51)との連結
部は、互いの傾きを許容しながら互いに揺動可能に配設
され、異なる回転中心を有して一体的に回転する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、カメラの駆動力
伝達装置、詳しくはカメラ内部に設けられる各種の駆動
機構に駆動源の駆動力を伝達するカメラの駆動力伝達装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、カメラ内部に配設されるフイ
ルム給送機構やレンズ駆動機構等の各種の駆動機構にモ
ータ等の駆動源から駆動力を伝達する手段については、
例えば特開平8−304894号公報、特開平6−34
7876号公報等によって種々の提案がなされ、また実
用化されている。
【0003】上記特開平8−304894号公報に開示
されているカメラには、複数枚の平ギアーを並べて配置
すると共に、巧みに工夫されたクラッチ機構を利用し
て、カメラ内部に配設されたロール状フイルムの巻上動
作や巻戻動作、撮影レンズ鏡筒のズームミング動作等を
行わしめるために、各駆動機構へモータ等の駆動源の駆
動力を伝達する駆動力伝達装置が記載されている。
【0004】また、上記特開平6−347876号公報
に開示されいているカメラの給送装置は、長軸形状の駆
動シャフトの両端にウォームギアーを形成し、同駆動シ
ャフトをモータ等の駆動源によって回転駆動させること
で、上記ウォームギアーに噛合させる平ギアーを介して
フイルムを巻き上げるスプール軸や、同フイルムをパト
ローネ内から送出したりパトローネ内部へ巻き戻すフォ
ーク等からなる各種の駆動機構へモータ等の駆動源の駆
動力を伝達するようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開平
8−304894号公報に開示されているカメラにおけ
る駆動力伝達装置には、駆動力の伝達手段として複数枚
の平ギアーからなるギアー列を利用している。このよう
な平ギアーによるギアー列を利用した駆動力伝達手段
は、従来より一般的に使用されているものであるが、駆
動力を伝達する際の伝達距離が長い場合、使用する平ギ
アーの数が増加するという問題がある。したがって、こ
のような場合においては、その伝達効率が悪化するとい
う傾向がある。
【0006】また、上記特開平8−304894号公報
に開示されているように、複数の駆動機構に対して単一
の駆動源から駆動力を切り換えて伝達するようにした場
合、複数の伝達系を構成するために平ギアーの数がさら
に増加してしまうこととなる。したがって、このような
駆動力伝達装置をカメラ等の小型装置に採用すると、多
数のギアーを収納するための空間が必要となり、装置自
体が大型化してしまうことになる。また、これを避ける
ために伝達手段を構成する各平ギアーを小さくした場合
には、さらに同平ギアーの数が増加してしまうので、駆
動力の伝達効率が悪化することになる等の問題点があ
る。
【0007】一方、上記特開平6−347876号公報
に開示されている手段によれば、長軸形状の駆動シャフ
トの両端に設けられたウォームギアー(入力ギアー及び
出力ギアー)とシャフト部とは同軸で一体的に構成され
ている。このような構成の駆動力伝達手段では、駆動力
を入力する入力側のギアー同士の噛合状態や、駆動力を
出漁する出力側のギアー同士の噛合状態を厳密に行わし
めようとすると、カメラ内部における駆動シャフトの配
置が制約され、よってカメラ自体の小型化を阻害してし
まう要因となっているという問題点があった。
【0008】本発明は、上述した点に鑑みてなされたも
のであって、その目的とするところは、駆動力の伝達効
率を悪化させることなく、またカメラ内部に配設される
各種の機構部材の配置に影響を及ぼすことなくカメラの
小型化に寄与することができるカメラの駆動力伝達装置
を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明によるカメラの駆動力伝達装置は、回転
力を入力する入力部材と、この入力部材とは回転中心が
異なるように配置された出力部材と、上記入力部材から
上記出力部材に回転力を伝達する駆動軸とを具備し、上
記入力部材又は上記出力部材の少なくとも一方と上記駆
動軸との連結部は、互いの傾きを許容しながら互いに揺
動可能に配設され、異なる回転中心を有して一体的に回
転することを特徴とする。
【0010】また、第2の発明は、上記第1の発明によ
るカメラの駆動力伝達装置において、上記入力部材と上
記駆動軸との連結部又は上記出力部材と上記駆動軸との
連結部の少なくとも一方は、多角形状の凸状部とこの多
角形状に対応する錐状の凹部とによって形成されている
か、又はプラスドライバー形状の凸状部とこの凸状部を
余裕を持って受け入れる凹部とによって形成されている
ことを特徴とする。
【0011】そして、第3の発明によるカメラの駆動力
伝達装置は、回転を与えるか又は回転を受ける第1の回
転部材と、この第1の回転部材の回転を受けるか又は回
転を与える第2の回転部材と、上記第1の回転部材の回
転軸中心と上記第2の回転部材の回転軸中心とが互いに
交差する状態で回転を授受する連結部とを具備したこと
を特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図示の実施の形態によって
本発明を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の
カメラの駆動力伝達装置を有するカメラ本体の分解斜視
図を示し、図2は、同カメラの駆動力伝達装置の縦断面
図を示している。また図3は、同カメラの駆動力伝達装
置における遊星歯車機構の近傍を軸方向から見た際の断
面図である。そして、図4、図5、図6は同カメラの駆
動力伝達装置におけるフイルム給送機構部近傍の各動作
状態を示す斜視図であり、図7は同フイルム給送機構部
をカメラ本体の底面側から見た際の分解斜視図である。
なお、図4〜図6では、カメラ本体と歯車部のカバーで
あるエンドプレート等は、図面の繁雑化を避けるために
省略している。
【0013】また図8、図9、図10は、本実施形態の
カメラの駆動力伝達装置を示す詳細図であって、図8
は、同駆動力伝達装置の主要部となる動力伝達部の縦断
面図を示している。図9は、同駆動力伝達装置における
巻戻軸の連結部を軸方向から見た際の端面図を、図10
は、同駆動力伝達装置における入力部材である平歯車と
出力部材であるネジ歯車の連結部を軸方向から見た際の
端面図をそれぞれ示している。
【0014】本実施形態のカメラの駆動力伝達装置は、
主に単一の駆動源であるモータ1を含むモータ部と、上
記モータ1により駆動され、2つの出力歯車を有する差
動歯車機構21と、上記出力歯車の1つで駆動される第
1の被駆動系としてのアイドルギアー9等を含む駆動歯
車列及びレンズ鏡筒駆動機構23(図2参照)と、上記
駆動力伝達装置を構成し、上記出力歯車の他の1つで駆
動される第2の被駆動系であってフイルム巻上駆動機構
25及びフイルム巻戻駆動機構26で構成されるフイル
ム給送機構と、上記差動歯車機構21により駆動される
被駆動系を選択する遊星クラッチ機構である遊星歯車機
構22と、上記第1の被駆動系、第2の被駆動系とは別
の被駆動系である第3の被駆動系としてのシャッタ機構
24(図2参照)と、上記各被駆動系への駆動力の伝達
の切り換えと上記第3の被駆動系の駆動とを行う電磁駆
動源のプランジャユニット27及びこのプランジャユニ
ット27で駆動されるクラッチレバー20等によって構
成されている。
【0015】上述の各駆動機構を内部に有するカメラ
は、図1に示すように両側縁部にフイルムカートリッジ
室57aとスプール室57bとが配設されたカメラ本体
57と、このカメラ本体57の略中央部に装着され、レ
ンズ鏡筒装着開口部56cを有する前板56とを具備し
ている。
【0016】そして、上記カメラ本体57の底面側に
は、上記フイルム給送機構部が配設される。また、前板
56の底面側には上記モータ1とソレノイドユニット2
7等が配設され、さらに差動歯車機構21及び遊星歯車
機構22も同様に上記前板56の底面側に配設されてい
る。また、上記前板56の開口部56cには、シャッタ
機構24を内蔵したレンズ鏡筒34とレンズ鏡筒駆動機
構23が装着されている。
【0017】ここで、上述の各要素の構成について説明
する。まず、上記モータ部を構成する回転駆動源である
モータ1は、その両端面から出力軸が突出していて、一
方の出力軸には同モータ1の回転を制御するために、光
を透過する孔と光を遮断する面を連続的に並べたスリッ
ト円板1bが固着されている。このスリット円板1bを
挟むように、投光素子と受光素子とをユニットで配置し
たフォトインタラプタ61が配置されている。そして、
同フォトインタラプタ61からモータの回転角に対応し
たパルス信号が出力される。また、モータ1の他方の出
力軸にはピニオンギアー1aが固着されており、このピ
ニオンギアー1aは、上記差動歯車機構21を構成する
複数の歯車、例えば3つの遊星歯車4と噛合している。
【0018】上記差動歯車機構21は、図1、図2に示
すように二段の遊星歯車機構を構成し、各三つの遊星歯
車4,6を有するキャリア2,5と、内歯ギアー3と、
前板56に固定され、内歯ギアー7a及び内歯セクタギ
アー7bを内部に有する歯車機構カバー用のエンドプレ
ート7等によって主に構成されている。
【0019】上記遊星歯車4は、回転する歯車部2bを
有するキャリア2に設けられた複数の軸2aに回転可能
に支持され、同軸2aを中心に回転自在となっている。
また、遊星歯車4は、さらに回転可能な内歯ギアー3の
内歯3aと噛合している。この内歯ギアー3は、外周に
1つの出力歯車としての外歯歯車3bを有しており、カ
メラ前板56の軸部56bと同軸部56bにより支持さ
れるアイドルギアー9に対して偏芯した軸部56aに支
持される平歯部10aと傘歯部10bを持つ歯車10か
らなる歯車列を介して、後述するレンズ鏡筒駆動機構2
3の駆動用傘歯車31に噛合している。
【0020】また、上記キャリア2の歯車部2bは、さ
らにキャリア5の複数の歯車、例えば3つの遊星歯車6
と噛合している。この遊星歯車6は、キャリア2と同様
のキャリア5に設けられた回転用の軸5aに支持され、
カメラ前板56に固定された上記エンドプレート7うち
の内歯ギアー7aと噛合している。上記キャリア5は、
さらに、他の1つの出力歯車としての歯車部5bを有し
ており、図示しない歯車列を介して後述する歯車12の
二段の歯車部12aと噛合し、遊星歯車機構22を駆動
するようになっている。なお、上述のピニオンギアー1
a、内歯ギアー3、キャリア2、キャリア5、内歯ギア
ー7aの軸芯は、モータ1の出力軸に対して同軸上に配
置されているものとする。
【0021】また、上記差動歯車機構21によってモー
タ1からの出力は、クラッチレバー20により2つの駆
動系統へ切り換えて出力することができるようになって
いる。この2つの駆動出力のうちの一方は、上述のよう
にレンズ鏡筒を進退駆動するレンズ鏡筒駆動機構23の
駆動出力となり、他方の駆動出力は、遊星歯車機構22
の遊星歯車14を駆動し、後述するフイルム給送機構の
駆動出力となる。
【0022】上記レンズ鏡筒駆動機構23は、図2に示
すように撮影レンズ群35,36を保持するレンズ鏡筒
34を光軸O方向に沿って非撮影領域の沈胴位置P34
Aから撮影領域の後端部の撮影可能位置P34Bに繰り
出し、さらにこの撮影可能位置P34B と前端部の撮
影可能位置P34Cとの間で焦点調節のために進退駆動
を行う機構であって、上記歯車10の傘歯部10aと噛
合する傘歯車31と、この傘歯車31が一体的に固着さ
れ上記レンズ鏡筒34を撮影レンズ群35,36の光軸
O方向に沿って進退させるネジ軸32と、レンズ鏡筒3
4に摺動自在に嵌合しネジ軸32に平行に配置されたガ
イド軸33と、上記ネジ軸32に螺合するレンズ鏡筒3
4の雌ねじ34aと、レンズ鏡筒34の進退位置を検出
するエンコーダ部(詳細は後述する)等により構成され
る。
【0023】また、レンズ鏡筒34は、上述したように
上記撮影レンズ群35,36を保持していると共に、シ
ャッタ機構24を内部に有している。上記シャッタ機構
24は、主にレンズ鏡筒34に対して回動可能な回動操
作部38が設けられた駆動部材としての矢車37と、こ
の矢車37の回動動作に伴ってシャッタの開閉動作、即
ち露光及び遮光を行うセクタ39と、セクタ39を開方
向に付勢する付勢手段としてのバネ47(図3参照)等
により構成されている。なお、上記回動操作部38は、
先端部がシャッタ閉位置P38A(又はP38Aa。図
3参照)からシャッタ開位置P38Bに回動可能となっ
ている。
【0024】上記矢車37は、レンズ鏡筒34と共に進
退移動するが、同レンズ鏡筒34が沈胴位置P34Aに
あるときに矢車37の回動操作部38をシャッタ閉位置
P38Aに保持するための制限部材として、図2、図3
に示すようにカメラ前板56側にはストッパ部56fが
設けられている。そして、レンズ鏡筒34が撮影可能位
置P34B,P34C間の撮影領域に繰り出されると矢
車37の回動操作部38は、位置P38Aaに移動し開
放準備状態となり、シャッタ開位置P38Bへ回動可能
な状態となる。
【0025】上記エンコーダ部は、レンズ鏡筒34自身
の位置を検出するためのエンコーダであり、カメラ本体
57に設けられているエンコードパターン43a,43
b,43cを有するエンコーダ基板43と、同パターン
43a,43b,43cにそれぞれ接触可能な摺動接片
群42を有している。同接片群42は、同一の導電部材
からなる3つの接片からなり、第1の接片42aは上記
コモンパターン43aに常時電気的に接触し、第2の接
片42bはレンズ鏡筒34の合焦を実行するときに、そ
の繰り出し位置を判断するため、フォトインタラプタ6
1の出力パルス信号のカウント開始点を検出するカウン
ト開始位置検出パターン43bと摺接している。実際に
はパターン43aとパターン43bとの切り換わり点が
検出される。また、第3の接片42cは、レンズ鏡筒3
4がカメラに対して沈胴した位置にあるかどうかを判断
するための沈胴検出用パターン43cと摺接している。
実際にはパターン43aとパターン43cとの切り換わ
り点が検出される。
【0026】上記遊星歯車機構22は、キャリア5の歯
車部5bと噛合する歯車12の歯車部12aと、この歯
車12の軸に回動自在に支持される遊星歯車腕13と、
この遊星歯車腕13に設けられた軸に回転自在に支持さ
れ、太陽歯車部12bと噛合する遊星歯車14等によっ
て構成されている。
【0027】したがって、上記遊星歯車14は自転する
と共に、歯車12を軸中心とする公転を行う。その公転
軌跡上にはカメラ前板56に固定されたエンドプレート
7内の固定用の内歯セクタギアー7b、後述するフイル
ム巻戻駆動用の被選択噛合ギアーとして支持軸8a(図
3参照)に軸支された平歯車8及びフイルム巻上用の被
選択噛合ギアーとしての後述する巻上軸50(図2、図
3参照)に軸支された平歯車19が配設されており、遊
星歯車腕13を図3に示す回動位置P13A,P13B
,P13C に停止させることによって遊星歯車14を
上記歯車7b,8,19にそれぞれ噛合させ得るように
なっている。遊星歯車腕13の回動位置の選択は、後述
するプランジャユニット27で制御されるクラッチレバ
ー20の移動位置によって行われる。
【0028】なお、図3に示すように遊星歯車腕13の
遊星歯車14が設けられている反対側の端部には光を反
射するための反射板13aが設けられている。そして、
上記遊星歯車14と平歯車8とが噛合する位置P13B
で、上記反射板13aに対向する位置にクラッチ用の
フォトリフレクタ62(図2も参照)が配置されてい
る。
【0029】上記プランジャユニット27は、図1〜図
3に示すようにソレノイド27aと、上記ソレノイド2
7aのオン/オフによって吸引/突出が可能な可動コア
27bと、同コア27bを突出方向に付勢する戻しバネ
27c等により構成される。
【0030】上記クラッチレバー20は、図3では平行
移動する状態で示されているが、実際は図1に示すよう
にカメラの固定部材(図示せず)に支持軸孔20eで回
動可能に支持されており、その回動によって遊星歯車腕
13の位置を制御する回動部材として設けられている。
【0031】そして、上記クラッチレバー20には、図
1に示すように遊星歯車腕13の移動平面に対して垂直
に出入りする腕部20a及び腕部20bが設けられ、ま
た矢車37の回動操作部38に対して係止位置と開放位
置に出入りする腕部20cが設けられている。そして、
上記クラッチレバー20には、プランジャユニット27
のコア27bに設けられた溝27dと係合する連結ピン
20dが設けられており、上記プランジャユニット27
によってクラッチレバー20の位置が制御される。
【0032】即ちプランジャユニット27のソレノイド
27aがオフ状態では、上記コア27bが突出してお
り、クラッチレバー20が係止位置P20Aにあり、腕
部20aにより遊星歯車腕13を位置P13Aに挟持
し、また腕部20bにより遊星歯車腕13を位置P13
Bに保持する。さらに、レンズ鏡筒34が撮影可能位置
P34B,P34C(図2参照)にあって、クラッチレ
バー20が係止位置P20Aにあれば、腕部20cによ
りシャッタ開閉用の矢車37の回動操作部38がシャッ
タ閉位置P38Aaに保持される。
【0033】また、上記コア27bが吸引され、クラッ
チレバー20が退避位置P20Bに後退したときは、上
記遊星歯車腕13はその回動動作が可能となり、さらに
腕部20cが後退するのでシャッタ開閉用の矢車37の
回動操作部38が位置P38Aaにあれば、シャッタ開
位置P38Bに移動し露光が実行される。なお、上記ク
ラッチレバー20は、付勢手段である閉じバネ48によ
りシャッタ機構24を閉じる方向であって、コア27b
を突出させる方向に常に付勢されている。つまり、上記
閉じバネ48と上記戻しバネ27cは、その実施態様が
異なるのみであり、その本質は同一の機能を有している
ものである。したがって、上記閉じバネ48と戻しバネ
27cのうち、いずれか一方が配設され機能するように
なっておれば良い。
【0034】上記フイルム巻戻駆動機構26は、図4〜
図6の斜視図、図7の分解斜視図に示されるように、上
記遊星歯車機構22の遊星歯車14と噛合可能な平歯車
8と、モータ1の駆動力をフイルム巻戻駆動機構26へ
出力する出力部材であり第2の回転部材となるネジ歯車
又はウォーム歯車51aと、上記平歯車8と噛合しモー
タ1の駆動力を入力する入力部材であり第2の回転部材
となる平歯車18と、この歯車18と上記ネジ歯車51
aとの回転を伝達するように断面形状が正四角形状から
なる連結部となる両端部が形成された長軸状の連結軸で
あり駆動軸であって第1の回転部材でもある巻戻軸51
と、上記ネジ歯車51aに噛合する被駆動ハスバ歯車5
3a及び上記カートリッジ室57a内に装填されるフイ
ルムカートリッジ(図示せず)のスプール軸と嵌合する
フォーク部53bを有するフォーク軸53等で構成され
ている。なお、上記歯車18とネジ歯車51aとはそれ
ぞれが噛合する相手ギアー、即ちモータ1の駆動力を入
力する入力部材であり第2の回転部材となる平歯車19
と上記被駆動ハスバ歯車53aとの関係上、最適な位置
となるように配置されているので、各ギアーは互いに偏
芯した位置にある。また、上記フォーク軸53は、カメ
ラ本体57の支持軸孔57d(図7参照)で回動自在に
支持され、カートリッジ室57a内に配設される。
【0035】なお、上述のようにネジ歯車又はウォーム
歯車51aと平歯車18とを第2の回転部材とした場合
においては、上記巻戻軸51が第1の回転部材となる
が、これとは別に、上記ネジ歯車又はウォーム歯車51
aと平歯車18とを第1の回転部材という場合には、上
記巻戻軸51が第2の回転部材となる。
【0036】上記フイルム巻上駆動機構25は、図4〜
図6の斜視図、図7の分解斜視図に示されるように、上
記遊星歯車機構22の遊星歯車14が噛合可能な第2の
回転部材である平歯車19と、モータ1の駆動力をフイ
ルム巻上駆動機構25へ出力する出力部材であり第2の
回転部材となるネジ歯車又はウォーム歯車50aと、上
記平歯車19と上記ネジ歯車50aとの回転を伝達する
ように断面形状が正四角形状からなる連結部となる両端
部が形成された長軸状の軸部材であり連結軸であり駆動
軸であって第1の回転部材でもある巻上軸50と、上記
ネジ歯車50aに噛合する被駆動ハスバ歯車52a及び
上記スプール室57b内に配設され、フイルムを巻き上
げるためのスプール筒54(図7参照)への嵌合部52
bを有するスプール軸52で構成されている。なお、上
記平歯車19とネジ歯車50aとはそれぞれが噛合する
相手ギアー、即ち平歯車18及び遊星歯車14と上記被
駆動ハスバ歯車52aとの関係上、最適な位置となるよ
うに配置されているので、各ギアーは互いに偏芯した位
置にある。また、上記スプール軸52は、カメラ本体5
7の支持軸孔57c(図7参照)で回動自在に支持さ
れ、スプール筒54を保持している。
【0037】なお、上記ネジ歯車又はウォーム歯車50
aと平歯車19とを第2の回転部材とした場合において
は、上述のように巻上軸50が第1の回転部材となる
が、これとは別に、上記ネジ歯車又はウォーム歯車50
aと平歯車19とを第1の回転部材という場合には、上
記巻上軸50が第2の回転部材となる。
【0038】上記平歯車18は、図7に示すように上記
前板56の軸嵌合部56jに回転自在に嵌入されてい
る。また、上記ネジ歯車51aは、上記フイルムカート
リッジ室57aの下部側に設けられている軸嵌合部57
h,57iに回転自在に嵌入されている。そして、上記
平歯車18と上記ネジ歯車51aとの各回転中心は、上
述したようにカメラ本体の上下方向に偏芯して配置され
ている。
【0039】また、上記巻戻軸51の両端部は、上記平
歯車18とネジ歯車51aとのそれぞれの回転中心に設
けられた四角形状からなる連結部である孔部(図8、図
9、図10)に嵌合している。これにより、上記平歯車
18とネジ歯車51aとを回転可能に連結している。つ
まり、上記連結部としての孔部は、上記軸部材である巻
戻軸51の回転軸(回転中心)と、上記回転部材である
上記平歯車18又は上記ネジ歯車51aの回転軸(回転
中心)とが互いに交差する状態で、回転を授受すること
を可能としている。ここで、回転軸とは、幾何学的な中
心軸を示しており、回転する部材の回転中心をいうもの
とする(以下の説明においても同様である)。
【0040】なお、上記巻戻軸51の一端部と上記平歯
車18の連結部及び同巻戻軸51の他端部と上記ネジ歯
車51aの連結部は、それぞれ上述したように偏芯して
配置されているので、各連結部の嵌合部には、上記巻戻
軸51の傾き分を許容する錐状の隙間が設けられてい
る。したがって、この隙間により巻戻軸51はスムーズ
に回転することができ、よって駆動力を無理なく伝達す
ることができるようになっている。さらに上記軸嵌合部
56j、57i、57hとネジ歯車51a及びハスバ歯
車53aとが噛合する各歯面には、例えばグリス等の潤
滑材が塗布されており、回転をスムーズに行い得るよう
にしている。
【0041】一方、上記平歯車19は、図7に示すよう
に、上記前板56の嵌合部56kに回転自在に嵌入され
ている。また、上記ネジ歯車50aは、上記スプール室
57bの下部側に設けられている軸嵌合部57e、57
fに回転自在に嵌入されている。そして、上記平歯車1
9と上記ネジ歯車50aとの各回転中心は、上述したよ
うにカメラ本体の上下方向に互いに偏芯して配置されて
いる。
【0042】また、上記巻上軸50の両端部が、上記巻
戻軸51と同様の形態で、上記平歯車19とネジ歯車5
0aとのそれぞれの四角形状からなる孔部(図示せず)
に嵌合している。これにより、上記平歯車19とネジ歯
車50aとを回転可能に連結している。つまり、上記連
結部としての孔部は、上記軸部材である巻上軸50の回
転軸(回転中心)と、上記回転部材である上記平歯車1
9又は上記ネジ歯車50aの回転軸(回転中心)とが互
いに交差する状態で、回転を授受することを可能として
いる。
【0043】なお、上記巻上軸50の一端部と上記平歯
車19の連結部及び同巻上軸50の他端部と上記ネジ歯
車50aの連結部は、それぞれ上述したように偏芯して
配置されているので、上述の巻戻軸51と平歯車18及
びネジ歯車51aの連結部の形態と同様に、上記巻上軸
50の傾き分を許容する錐状の隙間が各連結部の嵌合部
に設けられている。これと同時に、上記嵌合部56k、
57e、57fとネジ歯車50a及びハスバ歯車53a
とが噛合する各歯面には、例えばグリス等の潤滑材が塗
布されている。したがって、これにより巻上軸50もま
たスムーズに回転し得ることができるようになってい
る。
【0044】また、上記各軸嵌合部57e,57f,5
7h,57i,56j,56k等に嵌入し配置される上
記ネジ歯車50a、51a、歯車18、19等は、上記
カメラ本体57にネジ止め等によって取り付けられてい
る金属製の押さえ板55に押さえられている。したがっ
て、上記ネジ歯車50a、51a、歯車18、19等
は、カメラ本体57又は前板56に対して回転自在に支
持されている。同時に上記フォーク軸53とスプール軸
52も上記押さえ板55によって押さえられており、よ
ってカメラ本体57に対して回転自在に支持されてい
る。
【0045】このように上記平歯車18及び平歯車19
とネジ歯車50a、51aとの相対的な位置関係を、そ
れぞれが噛合する相手側の歯車に対して最適に噛合し得
る位置となるように、また各歯車が占有する空間を抑え
得るように配置している。これにより、駆動力の伝達効
率や各部材の耐久性を悪化させることなく、より少ない
占有空間に配置することができ、よってカメラの小型化
に寄与している。
【0046】ここで、上記巻上軸50及び巻戻軸51を
駆動して行われるフイルムの巻上及び巻戻動作を図5、
図6によって、以下に簡単に説明する。図5は、巻上軸
50が駆動されるフイルム巻上動作状態を示している。
この巻上状態では、後述するように右ネジ方向のネジ歯
車50aが図4、図5において、時計回りに回転し、こ
れと噛合するスプール軸52のハスバ歯車52aが図4
において時計回りに回転してフイルムを巻き上げる。
【0047】この場合において、ネジ歯車50aは、自
身の推力により図4において右上方向に付勢される。同
ネジ歯車50aの図4における右上側端部は半球状に形
成されており(図8に示すネジ歯車51aと同形状)、
押さえ板55の図示しない立ち曲げ部に当接する。この
当接部にはグリスが塗布されていて、ネジ歯車50aの
スラスト推力にかかった状態での回転損失を極力減少さ
せている。
【0048】そして、この巻上動作時には、フォーク軸
53はフイルムを介して時計回りの回転力を受ける。こ
れにより巻き戻し側のネジ歯車51aは図4において左
下方向に付勢される。同ネジ歯車51aの図4における
左下側端部は半球状に形成されており(図8参照)、カ
メラ本体57の嵌合部57h(図7も参照)の端部に当
接する。この当接部にはグリスが塗布されていて、ネジ
歯車51aのスラスト推力のかかった状態での回転損失
を極力減少させている。
【0049】なお、本実施形態の駆動力伝達装置におい
ては、上記ハスバ歯車53aと巻戻ネジ歯車51aと
は、より簡単な構造としており、常に噛合している状態
となっている。しかし、ねじれ角の大きいネジ歯車51
aをハスバ歯車53aによって効率良く回転させること
は、一般的には難しい。
【0050】そこで、本実施形態の駆動力伝達装置にお
いては、上述したようにネジ歯車51aのスラスト方向
の当接部を回転中心で点接触させることによって、損失
となる回転モーメントが及ぶ半径を極小としている。ま
た、グリスを塗布することにより摩擦係数を減少させ、
スラスト力の回転方向摩擦力への効力を減少させてい
る。
【0051】なお、ネジ歯車のねじれ角を70゜以下と
して、スラスト当接部を上述のように構成することによ
って、ハスバ歯車側からネジ歯車をスムーズに回転させ
ることができる。一方、ネジ歯車側からハスバ歯車を駆
動させる場合には、ねじれ角が角度60゜近傍でその効
率が最大となり、同ねじれ角の角度20゜以下では駆動
させることが困難となる。したがって、このような機構
におけるネジ歯車のねじれ角としては、角度70゜〜4
5゜程度の設定が望ましい。
【0052】そこで、本実施形態においては、ネジ歯車
51aのねじれ角を角度70゜以下とした歯車仕様、即
ち表1に示すように角度65゜のねじれ角のネジ歯車を
採用することによって、スラスト推力を減少させてい
る。これによってネジ歯車51aとハスバ歯車53aと
の両者を噛合させた状態のままでも同ネジ歯車51aを
スムーズに回転させることができることとなる。
【0053】
【表1】
【0054】次に図6は、巻戻軸51が駆動されるフイ
ルム巻戻動作状態を示している。この巻戻動作時には、
スプール軸52はフイルムを介して反時計回りの回転力
を受ける。上述した巻上状態における動作と同様に、ハ
スバ歯車52aでネジ歯車50aをスムーズに回転でき
るように、巻き上げ側のネジ歯車50aの図6における
右上端部は半球状に形成されており、その当接部にはグ
リスが塗布されている。また、歯車仕様としては表2に
示す通りとなっており、ねじれ角は角度66゜としてい
る。
【0055】
【表2】
【0056】このような構成とすることによって、フイ
ルムの巻戻動作時には、ネジ歯車50aとハスバ歯車5
2aとを噛合させた状態で同ハスバ歯車52aによって
ネジ歯車50aをスムーズに回転させることができるこ
ととなる。
【0057】従来における駆動力を伝達する手段、例え
ば平ギアーを並べて配置した駆動力伝達装置において
は、平ギアーの数が増えることによって伝達効率が劣化
してしまうので、できるだけ構成ギアーの総数を少なく
する必要があった。そのために各ギアーの直径を大きく
することで、構成ギアーの総数を少なくすることができ
る。しかし、このような構成の機構によって複数の動力
伝達系列を配設するためには、より大きな配置空間が必
要となってしまうこととなり、カメラの小型化を阻害す
る要因となっていた。
【0058】そこで、本実施形態の駆動力伝達装置にお
いては、図4〜図7に示すように複数の動力伝達手段、
即ち巻上軸50と巻戻軸51とをカメラの底面側の空間
に略平行に配設している。
【0059】このように構成したことによって本実施形
態では、従来における駆動力伝達手段、即ち平ギアーを
並べて配置した機構によって駆動力を伝達する場合等に
比べて、駆動力を伝達する距離に関らず構成部材を増加
させてしまうことがない。ししたがって、製造コストを
増加させることもなく、また駆動力の伝達効率を劣化さ
せてしまうこともない。さらに、複数の動力伝達系列を
小型化されたカメラ内部におけるより少ない占有空間を
有効に利用して、無理なく駆動力伝達装置を配設するこ
とができる。
【0060】以上説明したように構成された本実施形態
のカメラの駆動力伝達装置の動作について、以下に説明
する。まず、レンズ鏡筒の進退動作においては、上記モ
ータ1を駆動し、上記歯車12の太陽歯車部12bを図
3において時計方向に回転させると、遊星歯車腕13が
回動してカメラ前板56側のストッパ部56dに当接す
る。このとき、遊星歯車14は、カメラ本体に固定のエ
ンドプレート7内に設けられている内歯セクタギアー7
bと噛合する位置P14Aに到達し、回転停止状態とな
る。この状態でクラッチレバー20を係止位置P20A
(図3参照)に移動させ、モータ1のピニオンギアー1
aを反時計方向に回転させると、遊星歯車14は図3に
おいて反時計方向に公転をしようとする。しかし、この
公転軌跡中にクラッチレバー20の腕部20aがあっ
て、遊星歯車腕13と当接しているため、遊星歯車14
の上記反時計回りの公転も阻むこととなる。
【0061】また、上述の状態でモータ1を図1におい
て時計回りに、又は反時計回りに駆動させたとすると歯
車12は回転できないため、キャリア5の回転、遊星歯
車6の自転と公転、さらにキャリア2の回転が不能とな
り、モータ1のピニオンギアー1aの回転は、遊星歯車
4から内歯ギアー3に伝達されることになる。したがっ
て、モータ1は双方向に回転可能であり、ネジ軸32に
固着された傘歯車31が双方向に回転可能であり、レン
ズ鏡筒34を光軸方向に進退駆動させる。このように図
3に示す状態ではレンズ鏡筒34のみを駆動することに
なる。
【0062】次に、レンズ鏡筒におけるシャッタ開閉動
作について説明する。レンズ鏡筒34が沈胴位置P34
Aにあるときは、図3に示すように矢車37の回動操作
部38は、カメラ前板56側のストッパ部56fにその
回動が規制され、シャッタ閉状態を保っている。このと
き、クラッチレバー20は係止位置P20Aにある。
【0063】そこで、図3に示した遊星歯車14の回転
がロックされた状態でモータ1を時計回りに回転させる
と、レンズ鏡筒34が図2、図3において矢印D1方向
に移動し、矢車37の回動操作部38も一体的に同じD
1方向に移動して、ストッパ部56fから開放される。
しかし、回動操作部38は、シャッタを駆動する駆動力
を与えるバネ47によって常時、図3において左方向、
即ちシャッタ開方向に付勢されているもののクラッチレ
バー20が係止位置P20Aにあることから、上記バネ
47の付勢力よりも大きな閉じバネ48の付勢力が腕部
20cの側面を介して作用するのでシャッタ閉状態が保
持される。この状態は、クラッチレバー20が後退すれ
ば、直ちに露光が開始されるシャッタ開準備状態であ
る。
【0064】このシャッタ開準備状態でソレノイド27
aに通電すると、クラッチレバー20は退避位置P20
Bに退避するので、回動操作部38は、当接状態が開放
され、バネ47の付勢力によって位置P38Bに移動す
る。この回動操作部38の移動によって矢車37がシャ
ッタ開方向に回動し、セクタ39が開状態となり露光が
行われる。その後、シャッタ閉状態にするにはソレノイ
ド27aへの通電を断てば、再びクラッチレバー20が
戻しバネ27c又は閉じバネ48の付勢力によって係止
位置P20Aに戻され、腕部20cで回動操作部38を
押圧するので、矢車37がシャッタ閉方向に回動してシ
ャッタ閉状態に戻る。
【0065】次に、フイルムの給送駆動動作について説
明する。図3の状態から歯車12を反時計方向に回すよ
うにモータ1を駆動すると、クラッチレバー20が付勢
手段の閉じバネ48で常時図3において右方向に付勢さ
れているので遊星歯車14は公転できない。なお、図4
は、図3の状態での差動歯車機構とフイルム給送機構の
斜視図を示している。即ち遊星歯車14は、エンドプレ
ート7の内歯セクタギアー7bと噛み合ったままであ
る。
【0066】上記クラッチレバー20には、プランジャ
ユニット27の可動コア27bが連結されていて、ソレ
ノイド27aに電流を流すと、可動コア27bを吸引し
て、クラッチレバー20が係止位置P20Aから図3に
おいて左方向の退避位置P20Bに移動する。
【0067】クラッチレバー20が退避位置P20Bに
移動し、遊星歯車14の公転軌跡上から後退すると、遊
星歯車腕13がクラッチレバー20の腕部20a,20
bで干渉されない状態になる。そこで、ソレノイド27
aの通電状態で、歯車12の太陽歯車部12bを図3に
おいて反時計方向に回転させ、遊星歯車腕13がカメラ
前板56側のストッパ部56eに当接する位置P13C
まで回動すると、遊星歯車14がフイルム巻上駆動機構
25の巻上軸50の平歯車19と噛合する。なお、図5
は、上記遊星歯車14が巻上軸50の平歯車19と噛合
した状態での差動歯車機構とフイルム給送機構の斜視図
を示している。
【0068】上記遊星歯車腕13が上記位置P13Cに
ある状態で太陽歯車部12bが反時計方向に回転を続け
れば、平歯車19も反時計方向に回転を続け、巻上軸5
0のネジ歯車50aを介してハスバ歯車52aを駆動
し、スプール軸52を回転させフイルムの巻上動作が実
行される。上記巻上動作中、フイルムを介してフォーク
軸53に回転力が作用するが、上述したようにハスバ歯
車53aと噛合状態にあるネジ歯車51aがハスバ歯車
53aによりスムーズに駆動されるので、支障なく巻上
動作が行われる。
【0069】また、フイルム巻戻動作を行わせるには、
上記歯車14がクラッチレバー20の腕部20aで係止
された状態から係止を解除して、歯車14を平歯車8に
噛み合わせる必要がある。
【0070】そこで、歯車14を平歯車8に噛合させる
ために、一旦ソレノイド27aに通電して可動コア27
bを吸引させ、クラッチレバー20を歯車14の公転軌
跡上から退避させた状態で、歯車12の太陽歯車部12
bを図3において反時計方向に回動させ、歯車14を平
歯車8の方向に公転させる。歯車14が平歯車8に近づ
いたときに、ソレノイド27aへの通電を断つと、クラ
ッチレバーの腕部20bが歯車14の公転軌跡上に進入
して遊星歯車腕13と当接して、同腕13が位置P13
Bに保持されるので、歯車14は位置P14Bに位置し
その公転が阻止される。
【0071】上記遊星歯車腕13が位置P13Bにある
状態では、遊星歯車14は平歯車8と噛合しており、太
陽歯車部12bを回し続ければ、モータ1の駆動力は歯
車12の太陽歯車部12bから遊星歯車14、さらに平
歯車8と巻戻軸51の平歯車18に伝達される。なお、
この場合、上記平歯車8は、図3において反時計方向の
み回転駆動される。そして、ネジ歯車51aを介してハ
スバ歯車53aが回転し、フォーク軸53が駆動されて
フイルムの巻戻動作が実行される。
【0072】上記巻戻動作中、フイルムを介してスプー
ル軸52に回転力が作用するが、上述したようにハスバ
歯車52aと噛合状態にあるネジ歯車50aがハスバ歯
車52aによりスムーズに駆動されるので、支障なく巻
き戻しが行われる。
【0073】次に、本実施形態の駆動力伝達装置を具備
するカメラの電気制御回路について、図11の電気制御
回路図を用いて説明する。上記電気制御回路は、主にカ
メラに用いられる駆動電源用電池70と、電源電圧を安
定化させるための電源安定化回路71と、カメラの制御
動作を司るCPU72と、種々の制御装置、制御素子と
CPU72との間を信号の受け渡しを行うインターフェ
ース回路73と、上記モータ1やプランジャユニット2
7のソレノイド27aを駆動するためのドライブ回路7
4等により構成されている。
【0074】上記CPU72には、メインスイッチ75
と、カメラのレリーズスイッチ76と、巻戻スイッチ7
7が接続され、エンコーダ基板43の各エンコードパタ
ーン43a、43b、43cも接続されている。また、
フォトリフレクタ62,63及びフォトインタラプタ6
1,64の発光素子端子又は受光素子端子がインタフェ
ース回路73を介してCPU72に接続されている。
【0075】上記フォトリフレクタ62は、クラッチ用
のフォトリフレクタであり、遊星歯車腕13が巻戻位置
P13Bに位置したかどうかを判定し、このリフレクタ
62がオン状態になると遊星歯車14が巻き戻しのため
の平歯車8に噛み合っていることがCPU72で検知さ
れる。また、フォトインタラプタ61は、モータ回転検
出用のフォトインタラプタであり、その受光素子と発光
素子の間で回転するスリット円板1bの動きを検出して
モータ1の回転状態を検知し、これによってレンズ鏡筒
34の進退位置を制御する。
【0076】フォトリフレクタ63は、フイルムのパー
フォレーションを検知するための検出素子であり、フイ
ルムが巻き上げられるとき、フイルムはパーフォレーシ
ョンの数をカウントする。またフォトインタラプタ64
は、レンズ鏡筒34内に設けられていて、矢車37の回
動操作38の動きを検知する。このインタラプタ64が
オン状態になることによってシャッタの開状態を検知
し、これを受けてCPU72はシャッタの秒時を制御す
る。
【0077】このように構成された電気制御回路と本実
施形態のカメラの駆動力伝達装置の動作を含めたカメラ
の撮影シーケンスを図12〜図14のフローチャート、
及び図11の電気制御回路図、図1〜図3の機構構成図
等を用いて説明する。なお、以下の説明においては、モ
ータ1のピニオン側から見た時計回りを正転方向とし、
反時計回りを逆転方向として説明する。
【0078】図12は、通常の撮影シーケンスのフロー
チャートを示しており、まず、メインスイッチ75をオ
ン状態にすると、カメラ内では電池70の電圧が電源安
定化回路71を介して各制御要素に供給され、スリープ
状態にあるCPU72が立ち上がる。そこで、レリーズ
スイッチ76がオン状態にされたかどうかを確認する
(ステップS101)。
【0079】レリーズスイッチ76がオン状態にされて
いなければ、ステップS102にジャンプして、巻戻ス
イッチ77がオン状態にされたかどうかを確認し、オン
状態にされている場合、後述する図13の巻き戻しサブ
ルーチン(ステップS103)を実行した後、撮影動作
を完了する。
【0080】一方、レリーズスイッチ76がオン状態に
されると、ステップS104からS107までの自動焦
点調節(AF処理)が実行される。機構上は図1で示さ
れる位置でモータ1が正転方向の一方向回転を行うと、
モータ1の回転は、キャリア2が回転できないために遊
星歯車4を回転させ、それによって、内歯ギアー3が回
転させられ、結果的にネジ軸32を回転させ、レンズ鏡
筒34を光軸Oの前方方向に繰り出すことになる。
【0081】その後、ステップS105で、AFトリガ
のオン状態をチェックする。即ち常に電気的にグラウン
ドに導通している接片42bがパターン43bと導通し
たかどうかをモニタし、その接片42bが導通するとス
テップS106に移行する。この導通検出位置がAF処
理の繰り出し位置検出のためのトリガ位置となる。続い
て、モータ1は回転し続け、レンズ鏡筒34がさらに前
方に繰り出される。
【0082】上記ステップS106では、上記トリガ位
置からCPU72で予め設定された数だけのパルス信号
がモータ回転検出用のフォトインタラプタ(PI)61
から出力されたかどうかをモニタする。その検出パルス
数が上記所定の設定パルス数と一致すると、レンズ鏡筒
34が焦点調節のための所定位置に達したと判断し、モ
ータ1の回転駆動は停止される(ステップS107)。
この状態で自動焦点調節(AF処理)の完了となる。上
述の自動焦点調節の完了状態で矢車37の回動操作部3
8は、鏡筒内に配置されているために、図3のシャッタ
閉位置である位置P38Aaにある。
【0083】ステップS108でプランジャユニット2
7をオン状態にすると、即ちソレノイド27aに通電す
ると可動コア27bが吸引され、クラッチレバー20が
閉じバネ48の付勢力に抗して図において左方向に退避
位置P20Bまで移動し、回動操作部38はバネ47の
付勢力によって図において左方向にシャッタ開位置P3
8Bへ移動する。この移動によってセクタ39が開放さ
れ、シャッタが開状態となる。
【0084】このシャッタ開動作時に回動操作部38の
移動に連動して、図11のフォトインタラプタ64がオ
ン状態になり、上記シャッタ開状態を検知して自動露出
のための秒時計測がトリガされる。ステップS109
で、シャッタ開時間がCPU72で予め決定された時間
になったかどうかモニタする。シャッタ開の必要時間経
過後、ステップS110でプランジャユニット27をオ
フする。即ちソレノイド27aへの通電を停止する。
【0085】上記ソレノイド通電停止によって、クラッ
チレバー20は、図3の初期状態の係止位置P20Aに
戻り、腕部20cが矢車37の回動操作部38を押圧し
て移動させてシャッタを閉状態とする。上記ステップS
108からS110までの処理によりカメラの自動露出
処理(AE処理)は完了する。
【0086】上述のフイルムへの露出処理が完了する
と、カメラはレンズ鏡筒34を初期位置である沈胴位置
P34Aへの繰り込む。即ちステップS111で、モー
タ1を上述の駆動方向とは異なる逆転方向に回転させる
と、キャリア2が同様に回転しない状態にあるのでレン
ズ鏡筒34が光軸O方向に後退することとなる。ステッ
プS112で沈胴スイッチのオン状態をチェックする。
即ち接片42cがパターン43cからオフ状態にされた
かどうかをモニタし、オフ状態になるとレンズ鏡筒34
が沈胴位置P34Aに位置したと判断し、ステップS1
13でモータ1を停止させて沈胴処理を終了する。
【0087】上述の沈胴処理行程に続いて露出済みフイ
ルムを巻き上げる必要がある。そこで、ステップS11
4でプランジャユニット27をオン状態、即ちソレノイ
ド27aに通電し、クラッチレバー20を遊星歯車14
の公転軌跡上から退避させる。ステップS115でモー
タ1を逆転させる。この逆転駆動により遊星歯車14
は、図3において反時計方向に公転して、フイルム巻上
駆動機構25を駆動する平歯車19と噛み合うことにな
る。
【0088】上記遊星歯車14の駆動時に内歯ギアー3
も回転しようとしてレンズ鏡筒34を沈胴状態からさら
に光軸Oに沿った後方、即ち繰り込み方向に向けて駆動
しようとするが、レンズ鏡筒34は機械的に沈胴位置か
らさらに繰り込み側への移動は規制されているため、レ
ンズ鏡筒34は上記沈胴位置P34Aに停止した状態を
保持する。結果的には内歯ギアー3は回転を停止し、モ
ータ1の回転はキャリア5のみに伝達され、さらに歯車
12の太陽歯車部12bを介して遊星歯車14を公転駆
動する。
【0089】上記遊星歯車14は、上記公転動作により
平歯車19と噛合することになるが、その歯車14と平
歯車19との噛み合いを確実にするために、歯車14の
公転中に、さらに遊星歯車腕13が確実に移動している
かをクラッチ用フォトリフレクタ62で検知させる。そ
のためにステップS116では、遊星歯車腕13の反射
板13aがフォトリフレクタ62と対向する位置から通
過したとき、つまりフォトリフレクタ62がオンの状態
からオフ状態となったことをモニタする。
【0090】上記ステップS116でフォトリフレクタ
62がオン状態からオフ状態になったことを検知する
と、ステップS117でモータ1の回転を一定時間持続
させるため、この所定の一定時間が経過したかどうかモ
ニタする。一定時間の経過があると、ステップS118
でモータ1の回転を一旦停止させる。
【0091】ステップS119でさらにモータ1を逆転
させ、歯車14、19の噛合状態でのフイルムの巻上動
作を開始する。またステップS120でプランジャのソ
レノイド27aへの電流を断ち、クラッチレバー20を
元の係止位置P20Aに復帰させておく。ステップS1
21でフイルムの一駒送りのサブルーチンを実行する。
この一駒送りがが完了すると、ステップS122でモー
タ1を停止する。
【0092】上記フイルムの巻上処理が完了すると、カ
メラを初期状態に戻すため、ステップS123でプラン
ジャのソレノイド27aに通電し、クラッチレバー20
を再度、歯車14の公転軌跡上から退避させ、ステップ
S124でモータを正転させる。このとき、内歯ギアー
3も回転しようとするが、歯車12以降に連結された被
駆動系は、鏡筒駆動系よりも負荷が軽いため、上記差動
歯車の作用で鏡筒駆動系は駆動されず、モータ1の駆動
力はキャリア5側から歯車12に伝達される。
【0093】キャリア5の回転により歯車12の太陽歯
車部12bが時計方向に駆動されると、遊星歯車14が
公転を開始して、同歯車14は内歯セクタギアー7bと
噛み合い、同時に遊星歯車腕13はストッパ部56dと
当接する。この間、この公転が確実に実行されているか
をモニタするため、遊星歯車腕13の反射板13aがク
ラッチ用のフォトリフレクタ62と対向した後、さらに
対向位置を通り過ぎたかを検知する。即ちステップS1
25でフォトリフレクタ62がオン状態からオフ状態に
なったかをモニタする。そのフォトリフレクタ62がオ
ン状態からオフ状態になると、歯車14がセクタギアー
7bと確実に噛み合うためにステップS126で所定時
間経ったかどうかをモニタし、この所定時間経過後にス
テップS127でモータ1を停止する。
【0094】その後、ステップS128でプランジャの
ソレノイド27aへの通電を断ち、クラッチレバー20
を元の係止位置P20Aに復帰させると、初期状態に戻
される。ステップS129ではメインスイッチがオフさ
れているかどうかをモニタし、それがオフ状態とされて
いるとカメラの電源をオフ状態にする。オフ状態にされ
ていなければ、ステップS101にジャンプし、レリー
ズスイッチ76のオン状態を待つ状態となる。
【0095】次に、図13のフローチャートによりサブ
ルーチンのフイルム巻戻処理について説明する。図12
の撮影シーケンス処理中、ステップS102で巻戻スイ
ッチ77(図11参照)がオン状態されたことが検出さ
れると、図13のサブルーチンが呼び出され、フイルム
巻戻処理が実行される。
【0096】即ちステップS201でプランジャユニッ
トのソレノイド27aへ通電し、クラッチレバー20を
遊星歯車14の公転軌跡上から退避させる。ステップS
202でモータ1を逆転させると、遊星歯車14は反時
計方向に公転する。そして、遊星歯車腕13の反射板1
3aがフォトリフレクタ62との対向位置に到達する
と、フォトリフレクタ62はオン状態となる。この状態
をステップS203でモニタして、ステップS204で
モータ1を停止させる。同時にステップS205でプラ
ンジャユニットのソレノイド27aへの通電を断ち、ク
ラッチレバー20を元の係止位置P20Aへ復帰させ
る。
【0097】クラッチレバー20の復帰により遊星歯車
腕13は、クラッチレバー20の腕部20a,20bの
間に位置することとなる。ステップS206でモータ1
を逆転させると歯車14の反時計方向の公転によって、
遊星歯車腕13は、クラッチレバー20の腕部20bと
当接する位置P13Bに位置する。この状態では遊星歯
車14は、フイルム巻戻駆動機構26を駆動する平歯車
18と噛合状態にある平歯車8と噛み合った状態とな
る。したがって、この状態のままモータ1を回転し続け
るとフイルム巻き戻しが続けられる。
【0098】ステップS207でCPU72が巻き戻し
完了をモニタし、巻き戻し完了となると、ステップS2
08でモータ1を停止させる。この後、カメラを初期状
態に戻すために遊星歯車腕13をリセットするクラッチ
リセット処理をステップS209で実行する。このクラ
ッチリセット処理は、図12のフローチャートにおける
ステップS123からステップS128まで処理行程と
同一である。このリセット動作後、カメラのメインスイ
ッチ75をオフ状態としたときと同じ状態にしてカメラ
の撮影シーケンス動作を終了する。
【0099】次に、フイルム巻上処理途中で、一駒分の
巻き上げができず、その途中でフイルム巻上動作が途中
停止したときの処理であるサブルーチンのフイルムエン
ド検出処理を図14のフローチャートを用いて説明す
る。なお、この処理は、上述の図12におけるステップ
S121で呼び出されるサブルーチンの一駒送り処理の
中に含まれるサブルーチンである。
【0100】ステップS301で、フイルムのパーフォ
レーションを検知して、フイルムが正常に送られている
かを観察するために、フォトリフレクタ63の出力をモ
ニタする。所定の時間内にパーフォレーション移動に対
応したパルス出力がなければフイルムエンドに到達した
か、又はフイルムが給送途中で止まっていると判断す
る。上記パルス出力に変化が所定時間内にない場合、ス
テップS302でモータ1を停止させる。
【0101】この後、フイルムを巻き戻さなければなら
ないが、そのために遊星歯車腕13を初期状態に戻す必
要があり、上述の図13のステップS209でのカメラ
を初期状態に戻すための遊星歯車腕13のリセット動作
と同様の動作、即ち図12のステップS123からS1
28までの処理と同一の動作をステップS303のクラ
ッチリセット処理で実行する。そして、ステップS30
4で図13のサブルーチンの巻戻処理を行った後、カメ
ラのメインスイッチ75のオフ状態と同じ状態としてカ
メラの撮影シーケンス動作を終了する。
【0102】以上説明したように本実施形態によれば、
駆動力を伝達する平歯車が装着される軸としてロッド状
の軸部材を適用し、同軸部材を傾けて配設することによ
って、効率の良い配置を可能としていると共に、配置の
自由度を確保している。
【0103】さらにスプール軸、又はカートリッジ軸に
係合するフォーク軸へ駆動力を伝達する歯車としてネジ
歯車とハスバ歯車を組み合わせた駆動機構を適用し、フ
イルムの巻上動作時又は巻戻動作時には、フイルムによ
って駆動される側のネジ歯車とハスバ歯車との噛合状態
を開放することなく、巻上及び巻戻動作を実行可能とし
ている。これによって、より簡単な構成で、確実に駆動
力を伝達することができると同時に、カメラ内部を占有
する空間をより小さくすることができる。したがって、
同装置を内部に設けるカメラ自体の設計の自由度をより
多く確保することができることとなり、よってカメラの
小型化及び軽量化に寄与すると共に、製造コストの低減
化に寄与することができる。
【0104】なお、上記平歯車18とネジ歯車50aと
の連結部や上記平歯車19とネジ歯車51aとの連結部
の各形状については、上述の第1の実施形態における態
様(図8〜図10参照)に限らず、以下に示すような別
の形態が考えられる。
【0105】即ち、図15、図16、図17は、本発明
の第2の実施形態のカメラの駆動力伝達装置における要
部を詳細に示す図であって、図15は同駆動力伝達装置
の主要部となる動力伝達部の要部縦断面図を示してい
る。また、図16は同駆動力伝達装置における巻戻軸の
連結部を軸方向から見た端面図を示し、図17は同駆動
力伝達装置における入力部材である平歯車と出力部材で
あるネジ歯車の連結部を軸方向から見た際の端面図をそ
れぞれ示している。
【0106】本実施形態の駆動力伝達装置における巻戻
軸51Aは、両端にプラスドライバー形状(ビット形
状)の凸状部を有する丸棒部材により形成されており、
同軸51Aに連結される連結部、即ち平歯車18A及び
ネジ歯車51Aa側の連結部は共に、上記巻戻軸51A
のプラスドライバー形状の凸状部を余裕を持って受け入
れ得る溝が形成されている。このために同溝には、巻戻
軸51Aの傾きを許容するような錐状の隙間が設けられ
ている。このように上記連結部を形成することで、巻戻
軸51Aはスムーズに回転し得ることとなる。
【0107】なお、ここではフイルム巻戻駆動機構26
に駆動力を伝達する巻戻軸51A側の構成のみを図示及
び説明をしているが、フイルム巻上駆動機構25に駆動
力を伝達する巻上軸50も同様の構成を適用することが
できる。この場合においても全く同様の効果を得ること
ができる。
【0108】また、図18、図19、図20は、本発明
の第3の実施形態のカメラの駆動力伝達装置の要部を詳
細に示す図であって、図18は同駆動力伝達装置の主要
部となる動力伝達部の要部縦断面図を示している。ま
た、図19は同駆動力伝達装置における巻戻軸の連結部
の要部斜視図を、図20は同駆動力伝達装置における出
力部材であるネジ歯車の連結部の要部斜視図をそれぞれ
示している。
【0109】本実施形態の駆動力伝達装置における巻戻
軸51Bは、多角柱形状である六角柱形状からなる棒部
材であって、その両端部は、六つの面を有する球形状に
成形された六角レンチ状の凸状部によって形成されてい
る。
【0110】そして、同軸51Bに連結される平歯車1
8B及びネジ歯車51Baの連結部には共に、上記巻戻
軸51Bの六角レンチ状の球状の凸状部(多面体;ボー
ルジョイント)を余裕を持って受け入れる六角形状の穴
が設けられている。このために同穴には、巻戻軸51B
の傾きを許容するような錐状の隙間が設けられている。
このように上記連結部を形成することで、巻戻軸51B
はスムーズに回転し得ることとなる。
【0111】[付記]また、以上述べた発明の実施形態
によれば、以下のような構成を有する発明を得ることが
できる。即ち (1) 第1及び/又は第2の入力部材に駆動源からの
駆動力を選択的に切り換える駆動力切換手段と、上記第
1の入力部材とは回転中心が異なるように配置され、巻
上手段に駆動力を伝達する第1の出力部材と、上記第2
の入力部材とは回転中心が異なるように配置され、巻戻
手段に駆動力を伝達する第2の出力部材と、上記第1の
入力部材と上記第1の出力部材のそれぞれに対して揺動
可能であって、これら第1の入力部材及び第1の出力部
材のそれぞれと互いの傾きを許容しつつ異なる回転中心
を有して一体的に回転する第1の駆動軸と、上記第1の
駆動軸とは非直線状に配置されていて、上記第2の入力
部材と上記第2の出力部材のそれぞれに対して揺動可能
であって、これら第2の入力部材及び第2の出力部材の
それぞれと互いの傾きを許容しつつ異なる回転中心を有
して一体的に回転する第2の駆動軸と、を具備したカメ
ラの駆動力伝達装置。
【0112】(2) 付記1に記載のカメラの駆動力伝
達装置において、上記第1又は第2の駆動軸の少なくと
も一方の両端部は多角形状の凸状部を有していて、対応
する上記入力部材及び上記出力部材のそれぞれには、錐
状の凹部が設けられている。
【0113】(3) 付記1に記載のカメラの駆動力伝
達装置において、上記第1又は第2の駆動軸の少なくと
も一方の両端部はプラスドライバー形状の凸状部を有し
ていて、対応する上記入力部材及び上記出力部材のそれ
ぞれには上記凸状部を余裕を持って受け入れる凹部が設
けられている。
【0114】(4) 付記3に記載のカメラの駆動力伝
達装置において、上記凹部は錐状をである。
【0115】(5) カメラの駆動力伝達装置におい
て、回転する若しくは回転を受ける軸部材と、上記軸部
材の回転を受ける若しくは回転を与える回転する回転部
材と、上記軸部材と上記回転部材それぞれに設けられ、
上記軸部材の回転軸と上記回転部材の回転軸とが互いに
交差する状態で、その回転を授受することを可能にした
連結部と、を有するカメラの駆動力伝達装置。
【0116】(6) 付記5に記載のカメラの駆動力伝
達装置において、上記連結部は、一方がプラスドライバ
ーのビット形状の凸状からなり、他方はこの凸状を受け
るプラス状の溝形状からなる。
【0117】(7) 付記5に記載のカメラの駆動力伝
達装置において、上記連結部は、一方が多角形の凸部形
状からなり、他方はこの凸部形状を受ける多角形の穴形
状からなる。
【0118】(8) 付記5に記載のカメラの駆動力伝
達装置において、上記連結部は、一方が多面体の球形の
凸部形状からなり、他方はこの凸部形状を受ける多角形
の穴形状からなる。
【0119】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、駆動
力の伝達効率を悪化させることなく、またカメラ内部に
配設される各種の機構部材の配置に影響を及ぼすことな
くカメラの小型化に寄与することができるカメラの駆動
力伝達装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す駆動力伝達装置
を有するカメラ本体の分解斜視図。
【図2】図1のカメラの駆動力伝達装置の縦断面図。
【図3】図1のカメラの駆動力伝達装置における遊星歯
車機構の近傍を軸方向から見た際の断面図。
【図4】図1のカメラの駆動力伝達装置におけるフイル
ム給送機構部近傍の各動作状態を示す斜視図。
【図5】図1のカメラの駆動力伝達装置におけるフイル
ム給送機構部近傍の各動作状態を示す斜視図。
【図6】図1のカメラの駆動力伝達装置におけるフイル
ム給送機構部近傍の各動作状態を示す斜視図。
【図7】図1のカメラにおけるフイルム給送機構部をカ
メラ本体の底面側から見た際の分解斜視図。
【図8】図1のカメラの駆動力伝達装置の主要部となる
動力伝達部の詳細を示す縦断面図。
【図9】図1のカメラの駆動力伝達装置における巻戻軸
の連結部を軸方向から見た際の端面図。
【図10】図1のカメラの駆動力伝達装置における入力
部材である平歯車と出力部材であるネジ歯車の連結部を
軸方向から見た際の端面図。
【図11】図1のカメラの駆動力伝達装置を具備したカ
メラにおける電気制御回路図。
【図12】図1のカメラの駆動力伝達装置の動作を含め
たカメラの撮影シーケンスのフローチャート。
【図13】図1のカメラにおけるフイルム巻戻処理サブ
ルーチンのフローチャート。
【図14】図1のカメラにおけるフイルムエンド検出処
理サブルーチンのフローチャート。
【図15】本発明の第2の実施形態のカメラの駆動力伝
達装置の主要部となる動力伝達部を示す要部縦断面図。
【図16】図15の駆動力伝達装置における巻戻軸の連
結部を軸方向から見た端面図。
【図17】図15の駆動力伝達装置における入力部材で
ある平歯車と出力部材であるネジ歯車の連結部を軸方向
から見た際の端面図。
【図18】本発明の第3の実施形態のカメラの駆動力伝
達装置の主要部となる動力伝達部の要部縦断面図。
【図19】図18の駆動力伝達装置における巻戻軸の連
結部を示す要部斜視図。
【図20】図19の駆動力伝達装置における出力部材で
あるネジ歯車の連結部を示す要部斜視図。
【符号の説明】
8……平歯車 18,18A,18B,19……平歯車(入力部材、第
1の回転部材又は第2の回転部材) 50……巻上軸(駆動軸、連結軸、軸部材、第1の回転
部材又は第2の回転部材) 50a,51a,51Aa,51Ba……ウォーム歯
車、ネジ歯車(出力部材、第1の回転部材又は第2の回
転部材) 51,51A,51B……巻戻軸(駆動軸、連結軸、軸
部材、第1の回転部材又は第2の回転部材) 52……スプール軸 52a,53a……被駆動ハスバ歯車 53……フォーク軸 56……カメラ前板 57……カメラ本体 56j,56k,57e,57f,57h,57i……
軸嵌合部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転力を入力する入力部材と、 上記入力部材とは回転中心が異なるように配置された出
    力部材と、 上記入力部材から上記出力部材に回転力を伝達する駆動
    軸と、 を具備し、 上記入力部材又は上記出力部材の少なくとも一方と上記
    駆動軸との連結部は、互いの傾きを許容しながら互いに
    揺動可能に配設され、異なる回転中心を有して一体的に
    回転することを特徴とするカメラの駆動力伝達装置。
  2. 【請求項2】 上記入力部材と上記駆動軸との連結部
    又は上記出力部材と上記駆動軸との連結部の少なくとも
    一方は、多角形状の凸状部とこの多角形状に対応する錐
    状の凹部とによって形成されているか、又はプラスドラ
    イバー形状の凸状部とこの凸状部を余裕を持って受け入
    れる凹部とによって形成されていることを特徴とする請
    求項1に記載のカメラの駆動力伝達装置。
  3. 【請求項3】 回転を与えるか又は回転を受ける第1
    の回転部材と、 上記第1の回転部材の回転を受けるか又は回転を与える
    第2の回転部材と、 上記第1の回転部材の回転軸中心と上記第2の回転部材
    の回転軸中心とが互いに交差する状態で回転を授受する
    連結部と、 を具備したことを特徴とするカメラの駆動力伝達装置。
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