JPH11148405A - エンジンの吸入空気量の制御方法及びその制御装置 - Google Patents

エンジンの吸入空気量の制御方法及びその制御装置

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JPH11148405A
JPH11148405A JP9317443A JP31744397A JPH11148405A JP H11148405 A JPH11148405 A JP H11148405A JP 9317443 A JP9317443 A JP 9317443A JP 31744397 A JP31744397 A JP 31744397A JP H11148405 A JPH11148405 A JP H11148405A
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rotor
throttle valve
intake air
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度の位置検出器を用いることなく、モー
タの回転子の磁極位置学習値を精度よく求めることによ
り、モータの通電電流の制御特性を向上させたエンジン
の吸入空気量制御装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 ブラシレスモータ18の各固定子巻線1
7に複数の通電パターンに従って所定の通電時間通電し
てブラシレスモータ18をステップ駆動し、回転子16
の第1ステップ位置検出時において、上記第1ステップ
の通電時間を上記所定の通電時間よりも長く設定して、
上記回転子16のステップ動作の位置整定がなされた状
態で回転子磁極位置学習を行うようにし、この回転子磁
極位置学習で得られた回転子磁極位置学習値VSnとスロ
ットル開度センサの出力VTPSとに基づいて上記固定子
巻線17に通電する電流Isを制御するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、スロットルバル
ブの開閉を制御することによりエンジンの吸入空気量を
制御するエンジンの吸入空気量制御装置に関するもの
で、特に、モータを用いてスロットルバルブの開閉を制
御するエンジンの吸入空気量制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般の自動車のエンジン制御装置におい
ては、エンジンへの供給空気を吸入する吸入通路中にス
ロットルバルブを設け、このスロットルバルブが運転者
によるアクセルペダルの操作に連動して開閉し、アクセ
ルペダルの操作量に応じて、エンジンへの吸入空気の空
気量を制御するものである。エンジンへの吸入空気量の
制御は、スロットルバルブとアクセルペダルとを、リン
クやワイヤ等の機械的連結手段により連動することで達
成される。しかし、このような機械的連結手段を用いた
連結方法では、アクセルの踏み込み量とスロットル開度
との関係が一義的に決まってしまい、スロットルバルブ
の制御に自由度がないだけでなく、スロットルバルブと
アクセルペダルとの位置関係が制約されるため、上記連
結手段を自動車に搭載する場合の搭載位置が制限される
という問題点があった。近年では、自動車に定速走行制
御装置やトラクション制御装置等を設けて自動車の走行
を制御するようにしているため、運転者のアクセル操作
とは無関係にスロットルバルブを制御する必要があり、
スロットルバルブの制御は、スロットルバルブをモータ
などで電気的に連結して制御する方法が採用されてい
る。例えば、特開平1−315641号公報には、ブラ
シレスモータによりスロットルバルブの開閉度を制御す
る方法が開示されている。これは、ブラシ整流子を有す
るモータを使用すると、ブラシ整流器の押圧により、回
転子の正転方向と逆転方向とでヒステリシストルクが生
じてスロットルバルブの位置制御が困難となるため、ブ
ラシレスモータをステップ駆動してスロットルバルブの
開閉度を制御するようにしたものである。また、特開平
5−240070号公報には、ブラシレスモータの回転
子とスロットルバルブの回転軸とを減速器やギアを介し
て連結することにより、スロットルバルブの制御性を向
上させる技術が開示されている。更に、この公報には、
ブラシレスモータの固定子巻線(以下、相という)で発
生する逆起電圧を検出する逆起電圧検出器や電流切換検
出器を設けることで、高精度の回転検出器を備えること
なく、ブラシレスモータの相に供給する電流を切り換え
る技術が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のスロットルバルブの制御を行うエンジンの吸入
空気量制御装置においては、ブラシレスモータの通電相
を切り換えるために、逆起電圧検出器や電流切換検出器
が必要であるため、スロットルバルブやその駆動源であ
るブラシレスモータから構成されるスロットルアクチュ
エータが複雑化、大型化するだけでなく、上記モータを
制御する制御装置の信号入力インターフェイス部も増加
してしまうという問題点があった。また、スロットル開
度センサの出力のみを用いて通電相の切り換えを行う
と、減速器やスロットル開度センサの特性公差による通
電相の切り換え位置のずれが生じるという問題点があっ
た。更に、ブラシレスモータの駆動において、逆起電圧
検出器や電流切換検出器の出力に基づいて、ある通電相
から次の通電相へ切る換える際には、相に流れる電流が
急激に変化するため、上記検出器の信号が、相に加わる
磁界の変化に対してずれがあった場合には、モータの発
生トルクが不連続となってスロットル開度が急変すると
いう問題点があった。この問題に関しては、ブラシレス
モータのU,V,Wの各相への通電電流を独立した正弦
波で供給する3相通電方式を採用することにより対応す
る方法が考えられるが、この3相通電方式では、モータ
の回転角を精密に測定するための検出器が必要となり、
スロットルアクチュエータが複雑化、大型化してしま
う。
【0004】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、高精度の位置検出器を用いることなく、
モータの回転子の磁極位置学習値を精度よく求めること
により、モータの通電電流の制御特性を向上さることの
できるエンジンの吸入空気量の制御方法とエンジンの吸
入空気量制御装置とを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係わ
るエンジンの吸入空気量の制御方法は、モータの各固定
子巻線に複数の通電パターンに従って所定の通電時間通
電して上記モータをステップ駆動し、スロットル開度セ
ンサの出力に基づいて上記モータの回転子に設けられた
磁極の位置を検出し学習する回転子磁極位置学習を行う
際に、回転子ステップ位置の第1ステップ位置検出時に
おいて、上記第1ステップの通電時間を上記所定の通電
時間よりも長く設定して、上記回転子のステップ動作の
位置整定がなされた状態で回転子磁極位置学習を行うよ
うにし、この回転子磁極位置学習で得られた回転子磁極
位置学習値とスロットル開度センサの出力とに基づいて
上記固定子巻線に通電する電流を制御するようにしたこ
とを特徴とする。
【0006】本発明の請求項2に係わるエンジンの吸入
空気量制御装置は、モータをステップ駆動するための複
数の通電パターンを設定するステップ駆動パターン設定
手段と、上記通電パターンの通電時間を設定するステッ
プ駆動通電時間設定手段と、上記モータが上記複数の通
電パターンのうちどの通電パターンでステップ動作した
かを検出する回転子ステップ位置検出手段と、スロット
ル開度センサの出力に基づいて上記モータの回転子に設
けられた磁極の位置を検出し学習する回転子磁極位置学
習手段とを備え、回転子ステップ位置の第1ステップ位
置検出時において、上記第1ステップの通電時間を上記
所定の通電時間よりも長く設定して、上記回転子のステ
ップ動作の位置整定がなされた状態で回転子磁極位置学
習を行うようにしたものである。
【0007】本発明の請求項3に係わるエンジンの吸入
空気量制御装置は、点火スイッチがオフ状態にある場合
に回転子磁極位置学習の実施が開始可能であると判定す
る学習開始判定手段を設け、学習開始判定手段が学習開
始可能と判定したときに、上記回転子磁極位置学習を実
施するようにしたものである。
【0008】本発明の請求項4に係わるエンジンの吸入
空気量制御装置は、回転子磁極位置学習の学習開始判定
手段が、点火スイッチがオフ状態にあり、かつ、エンジ
ンが停止状態にある場合に、回転子磁極位置学習の実施
が開始可能であると判定するようにしたものである。
【0009】本発明の請求項5に係わるエンジンの吸入
空気量制御装置は、スロットル開度センサの出力に基づ
いてスロットルバルブの全閉位置を学習するスロットル
バルブ全閉位置学習手段を設け、回転子磁極位置学習実
施前にスロットルバルブ全閉位置の学習を実施するよう
にしたものである。
【0010】本発明の請求項6に係わるエンジンの吸入
空気量制御装置は、回転子ステップ位置検出手段は、通
電パターン出力直後から所定時間経過後のスロットル開
度電圧が、上記スロットル全閉学習値と予め設定された
所定電圧値との加算値以上になった場合、上記通電パタ
ーンを第1ステップ動作の通電パターンであると判定す
るようにしたものである。
【0011】本発明の請求項7に係わるエンジンの吸入
空気量制御装置は、回転子ステップ位置検出手段による
第1ステップ動作検出時には、上記モータの各固定子巻
線に通電される通電パターンを所定時間更新しないよう
にしたものである。
【0012】本発明の請求項8に係わるエンジンの吸入
空気量制御装置は、回転子ステップ位置検出手段による
第1ステップ動作検出時には、上記モータの各固定子巻
線に通電される通電パターンを予め設定された第1のス
テップ通電時間だけ維持するとともに、上記通電状態に
おいて、スロットル開度電圧が予め設定された変動幅以
下となった場合には、上記スロットル開度電圧を第1ス
テップ位置の回転子磁極位置とするようにしたものであ
る。
【0013】本発明の請求項9に係わるエンジンの吸入
空気量制御装置は、初期値記憶手段を設け、上記通電パ
ターンの第1ステップ動作検出時において、上記第1ス
テップでの回転子磁極学習位置と通電パターンとを上記
初期値記憶手段に記憶するようにしたものである。
【0014】本発明の請求項10に係わるエンジンの吸
入空気量制御装置は、第1ステップ位置の回転子磁極位
置検出時以降は、上記モータの各固定子巻線に通電され
る通電パターンの通電時間を、ステップ駆動通電時間設
定手段で予め設定された所定のステップ通電時間とする
ようにしたものである。
【0015】本発明の請求項11に係わるエンジンの吸
入空気量制御装置は、スロットル開度センサの出力によ
りスロットルバルブ全開位置の学習を行うスロットルバ
ルブ全開位置学習手段を備え、回転子ステップ位置検出
手段により検出したステップ位置が所定のステップ位置
範囲にあり、かつ、上記ステップ位置での回転子磁極位
置学習値と、上記ステップ位置検出の直前に行ったステ
ップ位置での回転子磁極位置学習値との差が所定値内で
ある場合には、スロットルバルブ全開位置の学習を実施
するようにしたものである。
【0016】本発明の請求項12に係わるエンジンの吸
入空気量制御装置は、回転子磁極位置学習手段によって
算出された学習値を、バックアップ用のRAMに記憶す
るとともに、EEPROMにも記憶するようにしたもの
である。上記バックアップ用のRAM及びEEPROM
は、エンジンの吸入空気量制御装置内またはエンジンの
吸入空気量制御装置を備えた自動車の電子制御装置内に
設けられる。また、このバックアップ用のRAMを、請
求項9に記載の初期値記憶手段として共用して使用して
も良い。
【0017】本発明の請求項13に係わるエンジンの吸
入空気量制御装置は、バッテリ外し直後の回転子磁極位
置学習値を、EEPROMにに記憶されている学習値を
上記EEPROMから読込みバックアップ用のRAMに
格納した学習値とするようにしたものである。
【0018】本発明の請求項14に係わるエンジンの吸
入空気量制御装置は、学習開始判定手段の学習開始判定
動作の所定回数毎に、回転子磁極位置学習手段によって
算出された学習値をEEPROMに書き込むようにした
ものである。
【0019】本発明の請求項15に係わるエンジンの吸
入空気量制御装置は、スロットル開度センサの出力に基
づいてスロットルバルブの全閉位置を学習するスロット
ルバルブ全閉位置学習手段を備え、回転子磁極位置学習
実施後にスロットルバルブ全閉位置の学習を実施するよ
うにしたものである。
【0020】本発明の請求項16に係わるエンジンの吸
入空気量制御装置は、スロットル開度センサの出力に基
づいてスロットルバルブの全閉位置を学習するスロット
ルバルブ全閉位置学習手段を備え、回転子磁極位置学習
実施前後にスロットルバルブ全閉位置の学習を実施し、
回転子磁極位置学習実施前後のスロットルバルブ全閉位
置学習値の平均値をスロットルバルブの全閉位置学習値
とするようにしたものである。
【0021】本発明の請求項17に係わるエンジンの吸
入空気量制御装置は、学習開始判定手段の学習開始可能
判定時においてスロットルバルブ開度が所定の開度以上
の場合には、スロットルバルブの開度が上記所定の開度
以下に到達するまで目標開度をスロットルバルブ全閉位
置学習手段の全閉学習値とし、開度フィードバック制御
により、スロットルバルブを全閉位置に戻すようにした
ものである。
【0022】本発明の請求項18に係わるエンジンの吸
入空気量制御装置は、学習開始判定手段の学習開始可能
判定時においてスロットルバルブ開度が所定の開度以下
の場合には、モータ駆動手段の駆動信号の出力を停止す
るようにしたものである。
【0023】本発明の請求項19に係わるエンジンの吸
入空気量制御装置は、スロットルバルブ全閉位置学習手
段が、スロットルバルブ開度が所定の開度以下で、か
つ、開度電圧変化が所定値以下である時点から所定時間
経過後のスロットル開度センサの出力値を、スロットル
バルブ全閉位置学習値として記憶するようにしたもので
ある。
【0024】本発明の請求項20に係わるエンジンの吸
入空気量制御装置は、スロットルバルブ全閉位置学習が
完了していない場合には、回転子磁極位置学習しないよ
うにしたものである。
【0025】本発明の請求項21に係わるエンジンの吸
入空気量制御装置は、学習値補正手段を設け、回転子磁
極位置学習手段により学習した回転子磁極位置学習値
を、スロットルバルブに設けられたリターンスプリング
付勢力による回転子磁極位置誤差に基づいて補正するよ
うにしたものである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面に基づき説明する。
【0027】実施の形態1.図1は、本発明の実施の形
態1に係わるエンジンの吸入空気量制御装置を用いたス
ロットルバルブの制御システム構成図で、10は図外の
エンジンへの吸入空気量を調整するスロットルアクチュ
エータ、20は上記スロットルアクチュエータ10を制
御するエンジンの吸入空気量制御装置である。スロット
ルアクチュエータ10は、吸入空気通路Pの開口面積を
可変にするスロットルバルブ11と、スロットルバルブ
11を支持する回転軸12と、回転軸12の一方の軸端
12aに設けられ、上記回転軸12の回転角(スロット
ル開度)を検出するスロットル開度センサ(TPS)1
3と、上記軸端12aに設けられ、スロットルバルブを
閉方向に付勢するリターンスプリング14と、回転軸1
2のもう一方の軸端12bと機械的に連結された減速器
15と、固定子巻線17と上記減速器15と連結された
回転子16とを有するブラシレスモータ18とを備えて
いる。一方、エンジンの吸入空気量制御装置20は、図
外のアクセルペダルの踏み込み量を表わすアクセル開度
センサ(APS)から出力値VAPSや、エンジン回転数
Ne,エンジン冷却水温Ta等の各種車両情報に基づい
て目標スロットル開度θoを演算する目標開度設定手段
21と、この目標スロットル開度θoとスロットル開度
センサ(TPS)13からの入力信号であるスロットル
バルブの実開度θrとの開度偏差Δθからモータ相電流
を演算するモータ相電流演算手段22と、上記ブラシレ
スモータ18をステップ的に駆動することにより上記回
転子16の磁極位置をスロットル開度センサ13により
検出して学習する回転子磁極位置学習手段23と、スロ
ットル開度センサ13の出力と上記回転子磁極位置学習
手段23による学習値とから回転子16の回転角を求め
る回転子回転角検出手段24と、上記回転子回転角検出
手段24から得られた回転子回転角に基づいて各通電固
定子巻線17の通電比率を各巻線毎に独立して演算する
モータ通電位相演算手段25と、上記モータ相電流演算
手段22からの電流値と上記モータ通電位相演算手段2
5からの通電比率に基づいて各通電固定子巻線17の電
流値に相当するPWMデューティを出力するモータ制御
手段26と、上記モータ制御手段26からの駆動信号に
基づいて上記ブラシレスモータ10に電流を供給するモ
ータ駆動手段27と、ブラシレスモータ18をステップ
駆動する際に各固定子巻線17に供給される電流の通電
パターンを設定するステップ駆動通電パターン設定手段
28と、上記ステップ駆動通電パターンの通電時間を設
定するステップ駆動通電時間設定手段29と、ブラシレ
スモータ18がいずれの通電パターンで第1ステップ位
置にステップ動作したかを検出する回転子ステップ位置
検出手段30と、点火スイッチ(IG SW)信号とエ
ンジン回転速度Neデータとに基づいて、回転子磁極位
置学習の開始が可能である(Key SW OFF判
定)か不可である(Key SW ON判定)かを判断
する学習開始判定手段としてのKeySW ON/OF
F判定手段31と、回転子磁極位置学習値を記憶するE
EPROM32とを備えている。上記回転子磁極位置学
習手段23は、スロットルバルブ全閉位置での回転子1
6の磁極位置を検出して学習するスロットル全閉位置学
習手段23aと、ステップ駆動時の回転子16の磁極位
置を検出して学習する磁極位置学習手段23bと、スロ
ットルバルブ全開位置での回転子16の磁極位置を検出
して学習するスロットル全開位置学習手段23cと、ス
ロットルバルブの磁極位置等を一時的に記憶するバック
アップ用のRAM23dとを備え、上記Key SW
ON/OFF判定手段31の判定結果がOFFの場合
に、ステップ駆動通電パターン設定手段28から通電パ
ターンと、ステップ駆動通電時間設定手段29からの通
電時間とに基づいてブラシレスモータ18を駆動した際
に、ブラシレスモータ18の回転子16の磁極位置を学
習するものである。なお、上記バックアップ用RAM2
3dは初期値記憶手段でもあり、回転子ステップ位置検
出手段30による通電パターンの第1ステップ動作検出
時における回転子磁極位置学習位置と当該通電パターン
とを記憶する。
【0028】図2は、モータ駆動手段27の詳細を示す
構成図で、モータ駆動手段27は、モータ制御手段26
からの駆動電流により、U相,V相,W相から成る固定
子巻線17の3相ブリッジ回路の上流側駆動段をドライ
ブする前段スイッチング素子群27a及び最終段スイッ
チング素子群27bと、下流側駆動段をドライブするス
イッチング素子群27cと、固定子巻線17に流れる電
流を検出する電流検出器27d及び過電流検出器27e
とを備えている。上記過電流検出器27eの出力は、モ
ータ制御手段26に入力されており、過電流検出時には
モータ制御手段26からのモータ駆動信号をOFFと
し、ブラシレスモータ18に対する過電流保護を行って
いる。なお、固定子巻線17のU相,V相,W相は、上
記最終段スイッチング素子群27bとスイッチング素子
群27cを介してバッテリBとグランドG間に接続され
ている。すなわち、モータ駆動手段27は、モータ制御
手段26から出力されるPWMデューティにより上記ス
イッチング素子27aを制御することにより、固定子巻
線17の各相へ流れる電流の位相を制御して回転子16
を回転させるものである。
【0029】上記構成のエンジンの吸入空気量制御装置
20の動作について説明する。まず、スロットル全閉位
置学習動作について説明する。IG SW信号がOFF
でエンジン回転数Neが0であるときには、KeySW
ON/OFF判定手段31は、Key SW ON判
定する。そして、このKey SW OFF判定時にお
いて、全閉位置学習手段23aは、スロットル開度電圧
が所定開度電圧(例えば、0.7V)以上の場合には、
目標開度電圧を全閉位置学習値に設定してスロットルバ
ルブ11を開度フィードバック制御により全閉位置に戻
し、スロットル開度電圧が上記所定開度電圧以下に達し
た時点で、モータ制御手段26の駆動信号をOFFして
スロットルバルブ11をリターンスプリング14の付勢
力により全閉位置に戻し、スロットルバルブ11が全閉
位置で十分に安定した状態になったとき(例えば、開度
電圧変化がサンプリング周期15ms前後で20mV以
下になった時点から所定の時間、例えば、0.5秒経過
した後)、スロットル開度センサ13からの出力電圧
(スロットル開度電圧)を全閉位置学習値としてRAM
23dに記憶する。スロットル開度電圧が所定開度電圧
以下の場合には、スロットルバルブ11が全閉位置で上
述した安定状態であることを確認した後、スロットル開
度センサ13からの出力電圧を全閉位置学習値としてR
AM23dに記憶する。なお、回転子磁極位置学習は、
上記全閉位置学習の完了後に行うので、全閉位置学習が
完了していない場合には、回転子磁極位置学習動作への
移行を禁止する。
【0030】次に、回転子磁極位置の学習動作について
説明する。IG SW信号がOFFでエンジン回転数N
eが0で、Key SW ON/OFF判定手段31が
Key SW ON判定し、全閉位置学習手段23aに
よる全閉位置学習が完了した場合には、エンジンの吸入
空気量制御装置20は、磁極位置学習手段23bによる
回転子磁極位置学習動作へ移行する。まず、モータ制御
手段26はスロットルアクチュエータ10の回転子16
をステップ動作するのに必要な駆動トルクに相当するモ
ータ相電流を供給するために一定のデューティ(例え
ば、50%)と、モータ制御手段26から呼び出した、
例えば、6通りの通電パターンにより決まる通電比率と
に基づいて、各通電固定子巻線17の相電流に相当する
PWMデューティをモータ駆動手段27に出力し、上記
通電パターンをスロットルバルブ11が開く方向に順次
切り換える指令を出す。この操作により、ブラシレスモ
ータ18の回転子16は、各通電パターン出力の切り換
えに応じてステップ動作(例えば、回転子16の回転子
回転角で30deg毎のステップ動作)を繰り返す。
【0031】図3は、3相4極のブラシレスモータ18
の回転子16をステップ駆動する場合の通電パターン
〜と、固定子巻線17の各相(U相,V相,W相)の
発生磁極と、スロットルバルブ11の駆動方向との関係
を示したものである。通電固定子巻線17に相電流を流
し込む通電相をS極(上流側)、流し出す通電相をN極
(下流側)で示す。また、図4は、スロットル全閉位置
(組み付け初期位置)にあったスロットルバルブ11
が、上記通電パターン〜により、スロットルバルブ
11の回転子16がステップ動作して位置整定したとき
の、固定子巻線17と回転子16との磁極位置関係を示
すもので、固定子巻線17の白ぬきの磁極はS極を示
し、斜線を施した磁極はN極を示す。なお、上記組み付
け初期位置は、ブラシレスモータ18の固定子巻線17
が無通電で、スロットルバルブ11が全閉状態に戻され
た状態であり、固定子巻線16と回転子17との位置関
係として、回転子磁界境界線M1と固定子巻線U相基準
線M2とが一致した組み付け状態にある場合をいう。な
お、図4において、実線で示した回転子回転角は、スロ
ットルバルブ開駆動において、回転方向がCWでの回転
角を示し、点線で示した回転子回転角は回転方向がCC
Wでの回転角を示す。通電パターンでは、回転子16
は、図4(a)に示すように、組み付け初期位置(スロ
ットル全閉位置)からスロットル全開方向に回転子回転
角で15degステップ動作し位置整定する。続いて通
電パターンにより、回転子16は、図4(b)に示す
ように、スロットル全開方向に、更に30degステッ
プ動作し、組み付け初期位置からは45deg回転した
位置に整定する。同様に、通電パターンを、通電パター
ンから通電パターンまで順次切り換えると、回転子
16は、図4(c)〜図4(f)に示すように、回転子
回転角で30deg毎にステップ動作し、スロットルバ
ルブ11を全開側に駆動する。
【0032】図5は、回転子磁極位置学習時にブラシレ
スモータ18の回転子16をステップ駆動する場合の、
上記固定子巻線のU相(△),V相(□),W相(○)
への通電パターンと各相電流及び各相磁極パターンと、
上記各通電パターンでの回転子16のステップ位置とス
ロットル開度及びTPS電圧との関係を示す図である。
同図において、△はU相、□はV相、○はW相を示し、
上記各相の磁極パターンとしては、白ぬきはS極を、斜
線を施したものはN極を表わすものとする。無通電状態
では、スロットルバルブ11は全閉位置にあり、そのと
きのTPS電圧値VTPSは値VTPS=VS0である。通電パ
ターンにより、V相に相電流が流れ込みS極を形成
し、W相とU相からは相電流が流れ出してそれぞれN極
を形成する。上記固定子巻線17の磁極と回転子16の
磁極との吸引力により、回転子16はステップ動作し、
TPS電圧がVTPS=VS1の位置で整定する(図4
(a)参照)。同様に、通電パターンでは、V相,W
相に相電流が流れ込みそれぞれS極を形成し、U相から
は相電流が流れ出してN極を形成するので、固定子巻線
17の磁極と回転子16の磁極との吸引力により、回転
子16はステップ動作し、TPS電圧がVTPS=VS2
位置で整定する(図4(b)参照)。このように、通電
パターンが,,‥‥と切り換わる毎に、回転子16
はステップ動作して順次整定して回転子回転角が増加
し、スロットル開度を示すTPS電圧は、VTP S
S3,VS4,‥,‥と、順次、ステップ的に増加する。
【0033】ところで、ブラシレスモータ18の回転子
16の磁極位置と固定子巻線17との位置関係は組付け
調整されていないため、初期ステップ動作においては、
ステップ駆動通電パターン設定手段28からどの通電パ
ターンでステップ動作を開始するのか不定である。例え
ば、図6(a)に示すように、ブラシレスモータ18の
固定子巻線17が無通電で、かつ、スロットルバルブ1
1がリターンスプリング14により全閉位置に戻された
状態において、固定子巻線17と回転子16との位置関
係が、上述した組み付け初期位置のように、回転子磁界
境界線M1と固定子巻線U相基準線M2とが一致する位
置に組み付けられた場合(組付け状態A)には、ステッ
プ駆動通電パターン設定手段28からの通電パターン
により、回転子16は、図6(b)に示すように、回転
子回転角で15degだけステップ動作して位置整定す
る。続いて、通電パターンを順次切り換えていくと、図
7のグラフに示すように、通電パターンが切り換わる毎
に、スロットル開度センサ13の出力電圧はステップ状
に増加する。すなわち、無通電状態では、スロットルバ
ルブ11は全閉位置にあり、そのときのTPS電圧値V
TPSはVTPS=VS0を示す。次に、ステップ駆動通電時間
設定手段29から所定の通電時間t1で通電パターン
により、回転子16をステップ角15degだけステッ
プ動作させ、回転子16を第1ステップの整定位置V
TPS=VS1に整定する。回転子磁極位置学習手段24
は、上記TPS電圧値VS1を整定位置VS1を回転子磁極
位置学習値として読み取る。同様に、通電パターン〜
では、回転子16は、ステップ角30deg毎にステ
ップ動作し、TPS電圧がVS2〜VS6の位置で整定する
ので、回転子磁極位置学習手段24は、上記TPS電圧
値VS2〜VS6を、順次、各ステップ位置での回転子磁極
位置学習値として読み取る。このように、図6(a)に
示す組付け状態においては、初回ステップ位置の回転子
磁極位置学習値は、全閉位置からの回転子回転角で15
degの位置となる。
【0034】一方、例えば、図8(a)に示すように、
ブラシレスモータ18の固定子巻線17が無通電で、か
つ、スロットルバルブ11がリターンスプリング14に
より全閉位置に戻された状態において、固定子巻線17
と回転子16との位置関係が、回転子磁界境界線M1が
固定子巻線U相基準線M2に対して反時計方向に45d
egずれた位置に組付けられた場合(組付け状態B)に
は、ステップ駆動通電時間設定手段29からの所定の通
電時間t1で、ステップ駆動通電パターン設定手段28
からの通電パターンにより回転子16をステップ駆動
すると、上記回転子16にステップ動作遅れが生じ、回
転子16のステップ位置が整定しない状態で通電パター
ンに切り換わるため、図8(b)に示すように、通電
パターンでは、回転子16が回転子回転角で90de
gステップ動作して位置整定する。図9は、初期状態が
上記図8(a)に示した状態の場合のステップ動作にお
ける通電パターンとTPS電圧との関係を示すグラフで
ある。無通電状態では、スロットルバルブ11は全閉位
置にあり、そのときのTPS電圧値VTPSはVTPS=VK0
を示す。次に、ステップ駆動通電時間設定手段29から
所定の通電時間t1で通電パターンにより回転子16
を駆動すると、回転子磁界境界線M1が固定子巻線U相
基準線M2に対してずれているため、ステップ動作遅れ
が生じ、ステップ角が60deg以上ステップした位置
で、通電パターンが通電パターンに切り換わる(図8
(b)参照)。したがって、回転子磁極位置学習手段2
4は、回転子磁極位置学習値として上記TPS電圧値V
S1よりも高い電圧値であるVK1 を回転子磁極位置学習値
として読み取る。次に、回転子16は、通電パターン
により、ステップ角30degだけステップ動作し、T
PS電圧がVK2の位置に整定する。通電パターン〜
では、回転子16は、ステップ角30deg毎にステッ
プ動作し、TPS電圧がVK3〜VK6の位置にそれぞれで
位置整定する。このように、図8(a)に示す組付け状
態(組付け状態B)においては、初回ステップ位置が、
全閉位置からの回転子回転角で15deg以上の不安定
な位置を回転子磁極位置学習値として読み込むために、
磁極位置検出誤差(VS1−VK1)が生じる。スロットル
バルブ11の全閉位置の演算は、上記第1及び第2の回
転子磁極位置学習値(VK1及びVK2)を用いて外挿補間
法により行うので、図9に示すように、スロットル全閉
位置での磁極位置検出誤差(ERO)は著しく大きくな
ってしまう。したがって、上記スロットル全閉位置近傍
では、磁極位置検出誤差(ERO)によるモータ発生ト
ルクの低下が大きくなり、最悪の場合、スロットル制御
不能状態に陥る恐れがある。
【0035】そこで、本実施の形態1においては、図1
0に示す回転子磁極位置学習値の読み取り判定処理のた
めの回転子ステップ駆動制御フローチャートにしたがっ
て回転子磁極位置学習値を求めるようにした。まず、回
転子16をステップ駆動する通電パターンnが〜ま
で一周したかどうかを判定する(ステップS101)。
通電パターンが一周したのであれば、通電パターン〜
において第1ステップ位置の検出が行えなかったので
あるから、ステップS106に進み、回転子磁極位置学
習動作不良の判定をして処理を終了する。通電パターン
nが一周していない場合には、予め、第1の所定電圧値
SC1(例えば、50mV)と、第2の所定電圧値VSC2
(例えば、30mV)とを設定しておき、当該通電パタ
ーンnによるステップ駆動時のTPS電圧VSn1を測定
し、このTPS電圧VSn1が、条件VSn1≧(VS0+V
SC1)を満たしているかどうかを判定し(ステップS1
02)、上記VSn1が上記条件を満たしていない場合に
は、ステップS108に進み、通電パターンを更新(n
=n+1)して処理を終了する。上記TPS電圧VSn1
が、上記条件を満たしている場合には、上記通電パター
ンnを所定時間、例えば上記通電時間t1と同時間だけ
維持した後、上記通電パターンnによるステップ駆動時
のTPS電圧VSn2を測定し、このTPS電圧VS n2が、
条件VSn2≧(VS0+VSC1)を満たしているかどうかを
判定する(ステップS103)。TPS電圧VSn2が、
上記条件を満たしていない場合には、ステップS108
に進み、通電パターンを更新(n=n+1)して処理を
終了する。上記TPS電圧VSn2が、上記条件を満たし
ている場合には、上記通電パターンnを更に所定時間t
1維持した後、上記通電パターンnによるステップ駆動
時のTPS電圧VSn3を測定し、このTPS電圧V
Sn3が、条件VSn3≧(VS0+VS C1)を満たしているか
どうかを判定する(ステップS104)。TPS電圧V
Sn 2が、上記条件を満たしていない場合には、ステップ
S108に進み、通電パターンを更新(n=n+1)し
て処理を終了する。上記TPS電圧VSn3が、上記条件
を満たしている場合には、上記TPS電圧VSn2とVSn3
との差が、条件|VSn2−VSn3|≦VSC2 を満たしてい
るかどうかを判定する(ステップS105)。TPS電
圧VSn2とVSn3との差が上記条件を満たしていない場合
には、ステップS106に進み、回転子磁極位置学習動
作不良の判定をして処理を終了する。TPS電圧
Sn1,VSn2,VSn3が上記各条件を全て満たした場合
には、通電パターンnにおいて、ステップ動作の位置整
定が充分なされたと判断し、上記TPS電圧VSn3を第
1ステップ位置の回転子磁極位置学習値としてRAM2
3dに記憶するとともに、回転子磁極位置学習値を特定
した上記通電パターンnも記憶し、パターンを更新(n
=n+1)して処理を終了する(ステップS107)。
なお、上記第1ステップ位置の回転子磁極位置学習値と
上記通電パターンnとは、Key SW ON時におけ
るスロットル開度電圧入力による回転子回転角演算及び
上記回転子回転角に応じたモータ通電位相演算(各層の
通電比率演算)での基準値として使用する。
【0036】図11は、上述した回転子組付け状態Bで
のステップ動作の1例を示すタイムチャートである。ま
ず、全閉位置のTPS電圧値VS0を測定した後、回転子
16を所定の通電時間t1で通電パターンによりステ
ップ駆動し、TPS電圧VS11を測定する。上記V
S11は、条件VS11≧(VS0+VSC1)を満たしていない
ので、通電パターンを更新して回転子16を所定の通
電時間t1で通電パターンによりステップ駆動し、所
定の通電時間t1後に、通電パターンでのTPS電圧
S21を測定する。上記TPS電圧VS21は、条件VS21
≧(VS0+VSC1)を満たしているので、通電時間を更
にt1だけ維持した後、通電パターンによるステップ
駆動時のTPS電圧VS22を測定する。このVS22も、条
件VS22≧(VS0+VSC1)を満たしているので、通電時
間を更にt1だけ維持した後、TPS電圧VS23を測定す
る。このVS23も、条件VS23≧(VS0+VSC1)を満た
している場合には、更に、条件|VS22−VS23|≦V
SC2 を満たしているかどうかを判定し、VS22とVS23
が上記条件を満たしている場合には、通電パターンに
おいて、ステップ動作の位置整定が充分なされたと判断
し、上記TPS電圧,VS23を第1ステップ位置の回転
子磁極位置学習値(初期値)としてRAM23dに記憶
するとともに、回転子磁極位置学習値を特定した上記通
電パターンも記憶し、通電パターンを通電パターン
とする。回転子磁極位置は、上述したように、ステップ
の整定位置VS23で位置整定したので、通電パターン
〜では、回転子16は、ステップ角30deg毎にス
テップ動作し、TPS電圧がVS3〜VS6の位置にそれぞ
れで位置整定する。したがって、上記第1及び第2の回
転子磁極位置学習値(VS23及びVS3)を用いて外挿補
間法により求めたスロットルバルブ11の全閉位置の演
算結果は、上記全閉位置のTPS電圧値VS0とほぼ等し
くなり、スロットル全開位置での磁極位置検出誤差(E
RO)は極めて小さくなる。
【0037】次に、Key SW OFF時のスロット
ル全閉位置学習と回転子磁極位置学習処理について、図
12に示すフローチャートと図13に示すタイムチャー
トに基づいて説明する。まず、Key SW ON/O
FF判定手段31により、Key SW OFFかどう
かを判定し(ステップS201)、Key SW OF
Fでなければ、ステップS210に進み、スロットル開
度が目標開度に一致するようにスロットル開度位置のフ
ィードバック制御を行う(図13の処理フェーズA)。
Key SW OFFであれば、スロットル開度電圧V
TPSが所定の開度電圧Vr1以下かどうかを判定し(ステ
ップS202)、VTPS>Vr1であれば、ステップS2
09に進み、前回のスロットル全閉位置学習値を目標開
度に設定した後、ステップS210に進み、スロットル
開度位置のフィードバック制御を行う(図13の処理フ
ェーズB)。スロットル開度電圧VTPSが所定の開度電
圧Vr1以下である場合には、スロットル全閉位置学習が
完了したかどうかを判定し(ステップS203)、完了
していない場合には、ステップS210に進み、モータ
駆動信号をOFFしてリターンスプリング14の付勢力
によりスロットルバルブ11を全閉位置に戻し、スロッ
トル全閉位置でのスロットル開度電圧VTPSをスロット
ル全閉位置VS0sとしてRAM23dに記憶するスロッ
トル全閉位置学習(図13の処理フェーズC)を行う。
【0038】上記ステップS203で、スロットル全閉
位置学習が完了していると判断した場合には、上述した
回転子磁極位置学習(図13の処理フェーズD)におけ
る、スロットル開側への、回転子ステップ駆動時の第1
ステップ位置VS20の検出を行う(ステップS20
5)。次に、ステップ駆動通電時間設定手段29からの
所定通電時間t1(例えば、75ms)毎に、ステップ
駆動通電パターン設定手段28からの通電パターンに従
って回転子16をスロットル全開側に駆動し、各ステッ
プ位置をスロットル開度電圧値(VS20,VS30,VS40
‥)としてRAM23dに記憶する(ステップS20
6)。更に、検出された回転子16のステップ位置V
wotと、上記ステップ位置Vwotの直前のステップ位置V
Sn0との差であるステップ位置変化量(Vwot−VSn0
を求め、このステップ位置変化量が所定値Vr2以下で、
かつ、全閉位置からステップ数が所定のステップ範囲内
にある場合には、スロットルバルブ11が全開位置であ
ると判定して、上記ステップ位置Vwotをスロットル全
開位置学習値としてRAM23dに記憶する(ステップ
S207)。スロットル全開位置の学習が終了すると、
ステップ駆動通電パターン設定手段28は、回転子16
をスロットル全開位置からスロットル全閉方向にステッ
プ駆動するため、通電パターンを逆方向(→→→
‥‥→)に順次切り換え、回転子16をスロットル全
閉方向にステップ駆動するとともに、各ステップ位置を
スロットル開度電圧値(VSnc,‥‥VS4C,VS3C,V
S2C)としてRAM23dに記憶する(ステップS20
8)。上記ステップ駆動により、スロットルバルブ11
が再び全閉位置に戻されたときには、上記全閉位置での
スロットル開度電圧VTPSを回転子磁極位置学習動作後
のスロットル全閉位置VS0eとしてRAM23dに記憶
するとともに、スロットル開側のステップ位置VSn0
スロットル閉側のステップ位置VSncの平均値VSn
(VSn0+VSnc)/2を、各ステップ位置のステップ位
置学習値として演算し、上記ステップ位置学習値VSn
回転子磁極位置学習値としてバックアップ用のRAM2
3dに記憶するとともにEEPROM32に書き込み
(ステップS211)、回転子磁極位置学習処理を終了
する。なお、上記ステップS205〜上記ステップS2
08が図12における処理フェーズDに相当し、上記ス
テップS211が処理フェーズEに相当する。また、図
12において、図示しない電源リレーは、エンジンの吸
入空気量制御装置20への電源供給用リレーであり、K
ey SW OFF後、所定時間(例えば、7sec)
でオフするように設定されている。なお、エンジンの吸
入空気量制御装置20への電源供給がオフ状態になる
と、上記RAM23dはクリアされるので、バッテリ外
し直後、すなわち、エンジンの吸入空気量制御装置20
への電源供給再開直後の回転子磁極位置学習値は、EE
PROM32から前回の回転子磁極位置学習値を読み込
み、RAM23dに格納するようにしている。更に、学
習開始判定手段としてのKey SW ON/OFF判
定手段31のKey SW ON/OFF動作の所定回
数毎、すなわち、上記回転子磁極位置学習値の読み込み
動作の所定回数毎に、回転子磁極位置学習手段23によ
って算出された学習値をEEPROM32に書き込み、
上記学習値を更新するようにしている。
【0039】次に、上述した回転子磁極位置学習が完了
した状態でのKey SW ON時、の動作について説
明する。回転子磁極位置学習が完了した状態でKey
SW ONになると、エンジンの吸入空気量制御装置2
0は、スロットル開度が目標開度に一致するようにスロ
ットル開度位置のフィードバック制御を行う。すなわ
ち、目標開度設定手段21は、アクセル開度センサ(A
PS)から出力値Vapsや、エンジン回転数Ne,車速
Va,エンジン冷却水温Ta等の各種車両情報に基づい
て目標スロットル開度θoを演算し設定する。モータ電
流演算手段22は、目標開度設定手段21から入力され
た上記目標スロットル開度θoと、スロットル開度セン
サ(TPS)13から入力されたスロットルバルブの実
開度θrとから、開度偏差Δθ=(θo−θr)を算出
し、上記Δθが正の場合には、目標スロットル開度θo
に対する実際のスロットル開度θrが不足しているとし
て、ブラシレスモータ18の相電流を増加させるような
モータ相電流の演算を行い、上記Δθが負の場合には、
目標スロットル開度θoに対する実際のスロットル開度
θrが過剰であるとして、ブラシレスモータ18の相電
流を減少させるようなモータ相電流の演算を行う。上記
開度偏差Δθからモータ相電流を求める演算としては、
一般に、PID制御法が用いられる。モータ相電流Im
のPID制御は、下記の演算式(5)で表わされ、上記
Δθが0になるように、相電流Imを制御するように働
く。 Im=Im0+KP・Δθ+KI・ΣΔθdt+KD・Δθ/dt‥‥(5) Im:PID演算されたモータ相電流 Im0:目標スロットル開度θoに対する相電流 KP:比例ゲイン KI:積分ゲイン KD:微分ゲイン 上記式(5)で求められたモータ相電流Imの演算結果
は、モータ制御手段26に入力される。一方、回転子回
転角演算手段24は、スロットル開度センサ13からの
スロットル開度信号出力VTPSと回転子磁極位置学習手
段23からの上記回転子磁極位置学習値VSnに基づい
て、回転子16の回転子回転角を演算し、モータ通電位
相演算手段25に出力する。モータ通電位相演算手段2
5は、上記回転子回転角に基づいて各通電固定子巻線1
7の通電比率を各巻線毎に独立して演算する。モータ通
電位相演算手段25は、上記モータ相電流演算手段22
からの電流値Imと上記モータ通電位相演算手段25か
らの通電比率とに基づいて各通電固定子巻線17の電流
値Isに相当するPWMデューティをモータ駆動手段2
7に出力する。モータ駆動手段27は、上記各通電固定
子巻線17の電流値Isに相当するPWMデューティ駆
動信号により、モータ駆動手段27の当該スイッチング
素子をON/OFF制御し、ブラシレスモータ18の所
望の相に電流を供給する。
【0040】図14は、正弦波通電方式におけるブラシ
レスモータ18の回転子16の回転子回転角と、各相の
電流波形,磁束波形,出力トルク(回転子トルク)との
関係を示す図である。通電固定子巻線17内で回転子1
6が回転することにより、各通電固定子巻線17が、図
14(a)に示すような、正弦波的に変化する磁束密度
Φと交差するときに、通電固定子巻線17の各相に、図
14(b)に示すような、上記磁束密度Φと同位相で相
似の正弦波電流Isを供給すると、この通電による各相
の発生トルクTsは次式で表わせる。 Ts=k・Φ・Is (kは定数) ブラシレスモータの回転子トルクは、各相U,V,Wの
発生トルクTsの合成ベクトルで表わされ、理論上は、
図14(c)に示すような、回転子回転角に対してトル
クリップルのない出力トルクが得られる。このような正
弦波通電方式においては、各相へ供給する通電電流を、
回転子回転角に対して正弦波で変化させる必要があるた
め、回転子16の回転子回転角を精密に検出しなければ
ならない。本実施の形態1においては、上述したよう
に、回転子16の回転子回転角γを、スロットル開度信
号出力VTPSと回転子磁極位置学習手段23からの上記
回転子磁極位置学習値VSnを用い、外挿補間法により演
算して各通電固定子巻線17の通電比率を求め、各通電
固定子巻線17の電流値Isに相当するPWMデューテ
ィをモータ駆動手段27に出力することにより、各相へ
供給する通電電流を回転子回転角に対して正弦波的に変
化させるようにしている。なお、回転子回転角γと各相
のPWMデューティとの関係は、下記の式(6)〜
(8)で表わせる。 PWMデューティ1=PWMデューティ×sin2γ ‥‥(6) PWMデューティ2=PWMデューティ×sin2(γ−60°)‥‥(7) PWMデューティ3=PWMデューティ×sin2(γ+60°)‥‥(8) γ:回転子回転角(deg)
【0041】このように、本実施の形態1によれば、ブ
ラシレスモータ18の各固定子巻線17に複数の通電パ
ターンに従って所定の通電時間通電してブラシレスモー
タ18をステップ駆動し、回転子16の第1ステップ位
置検出時において、上記第1ステップの通電時間を上記
所定の通電時間よりも長く設定して、上記回転子16の
ステップ動作の位置整定がなされた状態で回転子磁極位
置学習を行うようにし、この回転子磁極位置学習で得ら
れた回転子磁極位置学習値VSnとスロットル開度センサ
の出力VTPSとに基づいて上記固定子巻線17に通電す
る電流Isを制御するようにしたので、ブラシレスモー
タ18の回転子16の磁極位置と固定子巻線17との位
置関係の組付け調整を行わなくとも、正確な回転子磁極
位置学習を行うことができ、固定子巻線17の各相へ供
給する通電電流を回転子回転角に対して正確に正弦波的
に変化させることができる。したがって、高精度の位置
検出器を用いることなく、固定子巻線17を切換えると
きに生じるブラシレスモータ18の急激なトルク変動を
抑えることができるとともに、通電電流の制御特性を向
上させることができる。
【0042】実施の形態2.上記実施の形態1において
は、スロットル全閉位置でのスロットル開度電圧V
S0を、回転子磁極位置学習動作前の処理フェーズC(図
12参照)において求めたスロットル全閉位置VS0s
したが、本実施の形態2は、スロットル全閉位置学習値
S0を、回転子磁極位置学習動作前後のスロットル全閉
位置(VS0sとVS 0e)の平均値としてRAM23dに記
憶するようにしたもので、回転子16のステップ動作の
前後でのスロットル全閉位置を検出したことにより、ス
ロットル全閉位置学習値VS0の精度を向上させることが
できる。
【0043】実施の形態3.本実施の形態3は、リター
ンスプリング14の付勢力により生じる磁極位置検出誤
差量を予め求めておき、上記実施の形態1において、K
ey SW OFF時に回転子磁極位置学習手段23に
より得られた回転子磁極位置学習値VSnを、上記磁極位
置検出誤差量に相当する所定値vspを用いて補正したも
のである。すなわち、回転子磁極位置学習時の初期化動
作を行った場合、回転子16にはリターンスプリング1
4の付勢力による負荷トルクが働くため、回転子16
は、初期動作時のブラシレスモータ18の発生トルクと
上記負荷トルクとが釣り合う位置で位置整定する。この
整定位置は、回転子16の無負荷時の整定位置と異なる
ため、この整定位置の差を、整定位置の差に相当するT
PS出力電圧vspとして予め求めておき、回転子磁極位
置学習値VSnを上記vspで補正することにより、回転子
磁極位置学習値の精度を向上させ、ブラシレスモータの
応答性を高めることができる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載のエ
ンジンの吸入空気量の制御方法は、モータの各固定子巻
線に複数の通電パターンに従って所定の通電時間通電し
て上記モータをステップ駆動し、回転子ステップ位置の
第1ステップ位置検出時において、上記第1ステップの
通電時間を上記所定の通電時間よりも長く設定して、上
記回転子のステップ動作の位置整定がなされた状態で回
転子磁極位置学習を行うようにし、この回転子磁極位置
学習で得られた回転子磁極位置学習値とスロットル開度
センサの出力とに基づいて上記固定子巻線に通電する電
流を制御するようにしたので、正確な回転子磁極位置学
習を行うことができ、固定子巻線の各相へ供給する通電
電流を回転子回転角に対して正確に正弦波的に変化させ
ることができる。したがって、高精度の位置検出器を用
いることなく、モータの通電電流の制御特性を向上させ
ることができる。
【0045】また、請求項2記載のエンジンの吸入空気
量制御装置は、モータをステップ駆動するための複数の
通電パターンを設定するステップ駆動パターン設定手段
と、上記通電パターンの通電時間を設定するステップ駆
動通電時間設定手段と、上記モータが上記複数の通電パ
ターンのうちどの通電パターンでステップ動作したかを
検出する回転子ステップ位置検出手段と、スロットル開
度センサの出力に基づいて上記回転子に設けられた磁極
の位置を検出し学習する回転子磁極位置学習手段とを備
え、回転子ステップ位置の第1ステップ位置検出時にお
いて、上記第1ステップの通電時間を上記所定の通電時
間よりも長く設定して、上記回転子のステップ動作の位
置整定がなされた状態で回転子磁極位置学習を行うよう
にしたので、正確な回転子磁極位置学習を行うことがで
きる。
【0046】請求項3記載のエンジンの吸入空気量制御
装置は、点火スイッチがオフ状態にある場合に回転子磁
極位置学習の実施が開始可能であると判定する学習開始
判定手段を設け、学習開始判定手段が学習開始可能と判
定したときに、上記回転子磁極位置学習を実施するよう
にしたので、エンジン運転中の回転子磁極位置学習動作
を防止することができ、異常なエンジン回転速度上昇や
車両の異常加速等による危険を防止することができる。
【0047】また、請求項4記載のエンジンの吸入空気
量制御装置は、回転子磁極位置学習の学習開始判定手段
が、点火スイッチがオフ状態にあり、かつ、エンジンが
停止状態にある場合に、回転子磁極位置学習の実施が開
始可能であると判定するようにしたので、エンジン運転
中の回転子磁極位置学習動作を更に確実に防止すること
ができる。
【0048】請求項5記載のエンジンの吸入空気量制御
装置は、スロットル開度センサの出力に基づいてスロッ
トルバルブの全閉位置を学習するスロットルバルブ全閉
位置学習手段を設け、回転子磁極位置学習実施前にスロ
ットルバルブ全閉位置の学習を実施するようにしたの
で、スロットル全閉位置を正確に検出することができる
とともに、回転子ステップ位置検出手段による第1ステ
ップの動作検出を容易に行うことができる。
【0049】また、請求項6記載のエンジンの吸入空気
量制御装置は、回転子ステップ位置検出手段は、通電パ
ターン出力直後から所定時間経過後のスロットル開度電
圧が、上記スロットル全閉学習値と予め設定された所定
電圧値との加算値以上になった場合、上記通電パターン
を第1ステップ動作の通電パターンであると判定するよ
うにしたので、スロットル全閉時の回転子磁極位置と固
定子巻線との位置関係に係わらず回転子のステップ動作
の位置整定を確実に行うことができる。
【0050】請求項7記載のエンジンの吸入空気量制御
装置は、回転子ステップ位置検出手段による第1ステッ
プ動作検出時には、モータの各固定子巻線に通電される
通電パターンを所定時間更新しないようにしたので、ス
ロットル全閉時の回転子磁極位置と固定子巻線との位置
関係が整合する通電パターンが継続するので、回転子の
ステップ動作の位置整定を確実に行うことができる。
【0051】また、請求項8記載のエンジンの吸入空気
量制御装置は、回転子ステップ位置検出手段による第1
ステップ動作検出時には、モータの各固定子巻線に通電
される通電パターンを予め設定された第1のステップ通
電時間だけ維持するとともに、上記通電状態において、
スロットル開度電圧が予め設定された変動幅以下となっ
た場合には、上記スロットル開度電圧を第1ステップ位
置の回転子磁極位置とするようにしたので、スロットル
全閉時の回転子磁極位置と固定子巻線との位置関係に係
わらず正確な回転子磁極位置学習を行うことができ、高
精度の位置検出器を用いることなく、モータの通電電流
の制御特性を向上させることができるとともに、固定子
巻線の切換え時に生じるモータの急激なトルク変動を防
止することができる。
【0052】請求項9記載のエンジンの吸入空気量制御
装置は、初期値記憶手段を設け、上記通電パターンの第
1ステップ動作検出時において、上記第1ステップでの
回転子磁極学習位置と通電パターンとを上記初期値記憶
手段に記憶し,スロットル開度入力による回転子回転角
演算等の基準値として使用するようにしたので、回転子
のステップ動作の位置整定を確実に行うことができる。
【0053】また、請求項10記載のエンジンの吸入空
気量制御装置は、第1ステップ位置の回転子磁極位置検
出時以降は、モータの各固定子巻線に通電される通電パ
ターンの通電時間を、ステップ駆動通電時間設定手段で
予め設定された所定のステップ通電時間とするようにし
たので、回転子磁極位置学習を効率よく行うことができ
る。
【0054】請求項11記載のエンジンの吸入空気量制
御装置は、スロットル開度センサの出力によりスロット
ルバルブ全開位置の学習を行うスロットルバルブ全開位
置学習手段を備え、回転子ステップ位置検出手段により
検出したステップ位置が所定のステップ位置範囲にあ
り、かつ、上記ステップ位置での回転子磁極位置学習値
と、上記ステップ位置検出の直前に行ったステップ位置
での回転子磁極位置学習値との差が所定値内である場合
には、スロットルバルブ全開位置の学習を実施するよう
にしたので、スロットル全開位置を学習することがで
き、目標スロットル開度設定手段からのスロットル全開
指示値が正確となり、モータに必要以上の電流を流すこ
とを避けることができる。
【0055】また、請求項12記載のエンジンの吸入空
気量制御装置は、回転子磁極位置学習手段によって算出
された学習値を、バックアップ用のRAMに記憶すると
ともに、EEPROMにも記憶するようにしたので、バ
ッテリ外し後も回転子磁極位置学習値を記憶・保存して
おくことができる。
【0056】請求項13記載のエンジンの吸入空気量制
御装置は、バッテリ外し直後の回転子磁極位置学習値
を、EEPROMにに記憶されている学習値を上記EE
PROMから読込みバックアップ用のRAMに格納した
学習値とし、上記RAMより前回の回転子磁極位置学習
値を読み出すことができるようにしたので、常に、学習
開始判定の直後からスロットル制御を行うことができ
る。
【0057】また、請求項14記載のエンジンの吸入空
気量制御装置は、学習開始判定手段の学習開始判定動作
の所定回数毎、回転子磁極位置学習手段によって算出さ
れた学習値をEEPROMに書き込み回転子磁極位置学
習値を更新するようにしたので、EEPROMへの書き
込み量が限定され、EEPROMの耐久性を確保するこ
とができる。
【0058】請求項15記載のエンジンの吸入空気量制
御装置は、スロットル開度センサの出力に基づいてスロ
ットルバルブの全閉位置を学習するスロットルバルブ全
閉位置学習手段を備え、回転子磁極位置学習実施後にス
ロットルバルブ全閉位置の学習を実施するようにしたの
で、スロットル全閉位置の学習精度を向上させることが
できる。
【0059】また、請求項16記載のエンジンの吸入空
気量制御装置は、スロットル開度センサの出力に基づい
てスロットルバルブの全閉位置を学習するスロットルバ
ルブ全閉位置学習手段を備え、回転子磁極位置学習実施
前後にスロットルバルブ全閉位置の学習を実施し、回転
子磁極位置学習実施前後のスロットルバルブ全閉位置学
習値の平均値をスロットルバルブの全閉位置学習値とす
るようにしたので、スロットル全閉位置学習値の精度を
更に向上させることができる。
【0060】請求項17記載のエンジンの吸入空気量制
御装置は、学習開始判定手段の学習開始可能判定時にお
いてスロットルバルブ開度が所定の開度以上の場合に
は、スロットルバルブの開度が上記所定の開度以下に到
達するまで目標開度をスロットルバルブ全閉位置学習手
段の全閉学習値とし、開度フィードバック制御により、
スロットルバルブを全閉位置に戻すようにしたので、リ
ターンスプリングの付勢力によるスロットルバルブの全
閉位置でのバウンシングを抑制でき、学習時間の短縮と
スロットル全閉位置学習精度の向上を図ることができ
る。
【0061】また、請求項18記載のエンジンの吸入空
気量制御装置は、学習開始判定手段の学習開始可能判定
時においてスロットルバルブ開度が所定の開度以下の場
合には、モータ駆動手段の駆動信号の出力を停止してリ
ターンスプリングの付勢力により、スロットルバルブを
全閉位置に戻すようにしたので、リターンスプリングの
付勢力によるスロットルバルブの全閉位置でのバウンシ
ングを抑制でき、学習時間の短縮とスロットル全閉位置
学習精度の向上を図ることができる。
【0062】請求項19記載のエンジンの吸入空気量制
御装置は、スロットルバルブ全閉位置学習手段が、スロ
ットルバルブ開度が所定の開度以下で、かつ、開度電圧
変化が所定値以下である時点から所定時間経過後のスロ
ットル開度センサの出力値を、スロットルバルブ全閉位
置学習値として記憶するようにしたので、スロットル全
閉位置学習精度を更に向上させることができる。
【0063】また、請求項20記載のエンジンの吸入空
気量制御装置は、スロットルバルブ全閉位置学習が完了
していない場合には、回転子磁極位置を学習しないよう
にしたので、スロットル全閉位置を正確に検出すること
ができるとともに、回転子ステップ位置検出手段による
第1ステップ動作検出が容易に行うことができ、更に、
第1ステップ位置での回転子磁極位置の誤学習を回避す
ることができる。
【0064】また、請求項21記載のエンジンの吸入空
気量制御装置は、学習値補正手段を設け、回転子磁極位
置学習手段により学習した回転子磁極位置学習値を、ス
ロットルバルブに設けられたリターンスプリング付勢力
による回転子磁極位置誤差に基づいて補正するようにし
たので、回転子磁極位置学習値の精度が更に向上し、ブ
ラシレスモータを高能率で運転することができるととも
に、応答性の向上とモータ消費電力の抑制を図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のエンジンの吸入空気量制御装置の構
成を示す図である。
【図2】 モータ駆動手段の詳細を示す図である。
【図3】 各通電パターンにおける各相の磁極を示す図
表である。
【図4】 各通電パターンでの固定子と回転子との磁極
位置関係を示す図である。
【図5】 モータステップ駆動時の通電パターンとTP
S電圧との関係を示す図である。
【図6】 回転子組付け状態Aでのステップ位置を示す
図である。
【図7】 回転子組付け状態Aでのステップ動作を示す
タイムチャートである。
【図8】 回転子組付け状態Bでのステップ位置を示す
図である。
【図9】 回転子組付け状態Bでのステップ動作を示す
タイムチャートである。
【図10】 実施の形態1に係わる回転子ステップ駆動
の制御フローチャートである。
【図11】 実施の形態1に係わる回転子組付け状態B
でのステップ動作を示すタイムチャートである。
【図12】 実施の形態1に係わる回転子磁極位置学習
の制御フローチャートである。
【図13】 実施の形態1に係わる回転子磁極位置学習
の制御タイムチャートである。
【図14】 実施の形態1に係わる正弦波通電方式にお
ける回転子回転角と各相電流波形,磁束波形,出力トル
ク波形との関係を示す図である。
【符号の説明】
10 スロットルアクチュエータ、11 スロットルバ
ルブ、13 スロットル開度センサ(TPS)、14
リターンスプリング、15 減速器、16 回転子、1
7 固定子巻線、18 ブラシレスモータ、20 エン
ジンの吸入空気量制御装置、21 目標開度設定手段、
22 モータ電流演算手段、23 回転子磁極位置学習
手段、23a スロットル全閉位置学習手段、23b
磁極位置学習手段、23c スロットル全開位置学習手
段、23d RAM、24 回転子回転角演算手段、2
5 モータ通電位相演算手段、26 モータ制御手段、
27 モータ駆動手段、28 ステップ駆動通電パター
ン設定手段、29 ステップ駆動通電時間設定手段、3
0 回転子ステップ位置検出手段、31 KeySW
ON/OFF 判定手段、32 EEPROM
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 45/00 390 F02D 45/00 390Z // G05D 7/06 G05D 7/06 Z

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転子と固定子巻線とを有するモータの
    上記固定子巻線に通電する電流を制御し、スロットルバ
    ルブの開閉度を調整してエンジンへの供給空気量を制御
    するエンジンの吸入空気量の制御方法において、上記モ
    ータの各固定子巻線に複数の通電パターンに従って所定
    の通電時間通電してこのモータをステップ駆動し、スロ
    ットル開度センサの出力に基づいて上記回転子に設けら
    れた磁極の位置を検出し学習する回転子磁極位置学習を
    行う際に、回転子ステップ位置の第1ステップ位置検出
    時において、上記第1ステップの通電時間を上記所定の
    通電時間よりも長く設定して、上記回転子のステップ動
    作の位置整定がなされた状態で回転子磁極位置学習を行
    うようにし、この回転子磁極位置学習で得られた回転子
    磁極位置学習値とスロットル開度センサの出力とに基づ
    いて上記固定子巻線に通電する電流を制御するようにし
    たことを特徴とするエンジンの吸入空気量の制御方法。
  2. 【請求項2】 エンジンの吸入空気通路に設けられたス
    ロットルバルブの開閉度を検出するスロットル開度セン
    サの出力に基づいて、回転子と固定子巻線とを有するモ
    ータの上記固定子巻線に通電する電流を制御し、スロッ
    トルバルブの開閉度を調整してエンジンへの供給空気量
    を制御するエンジンの吸入空気量の制御方法において、
    上記モータをステップ駆動するための複数の通電パター
    ンを設定するステップ駆動パターン設定手段と、上記通
    電パターンの通電時間を設定するステップ駆動通電時間
    設定手段と、上記モータが上記複数の通電パターンのう
    ちどの通電パターンでステップ動作したかを検出する回
    転子ステップ位置検出手段と、スロットル開度センサの
    出力に基づいて上記回転子に設けられた磁極の位置を検
    出し学習する回転子磁極位置学習手段とを備え、回転子
    ステップ位置の第1ステップ位置検出時において、上記
    第1ステップの通電時間を上記所定の通電時間よりも長
    く設定して、上記回転子のステップ動作の位置整定がな
    された状態で回転子磁極位置学習を行うようにしたこと
    を特徴とするエンジンの吸入空気量制御装置。
  3. 【請求項3】 点火スイッチがオフ状態にある場合に回
    転子磁極位置学習の実施が開始可能であると判定する学
    習開始判定手段を設け、学習開始判定手段が学習開始可
    能と判定したときに、上記回転子磁極位置学習を実施す
    るようにしたことを特徴とする請求項2記載のエンジン
    の吸入空気量制御装置。
  4. 【請求項4】 回転子磁極位置学習の学習開始判定手段
    は、点火スイッチがオフ状態にあり、かつ、エンジンが
    停止状態にある場合に、回転子磁極位置学習の実施が開
    始可能であると判定するようにしたことを特徴とする請
    求項3記載のエンジンの吸入空気量制御装置。
  5. 【請求項5】 スロットル開度センサの出力に基づいて
    スロットルバルブの全閉位置を学習するスロットルバル
    ブ全閉位置学習手段を設け、回転子磁極位置学習実施前
    にスロットルバルブ全閉位置の学習を実施するようにし
    たことを特徴とする請求項2記載のエンジンの吸入空気
    量制御装置。
  6. 【請求項6】 回転子ステップ位置検出手段は、通電パ
    ターン出力直後から所定時間経過後のスロットル開度電
    圧が、上記スロットル全閉学習値と予め設定された所定
    電圧値との加算値以上になった場合、上記通電パターン
    を第1ステップ動作の通電パターンであると判定するよ
    うにしたことを特徴とする請求項5記載のエンジンの吸
    入空気量制御装置。
  7. 【請求項7】 回転子ステップ位置検出手段による第1
    ステップ動作検出時には、上記モータの各固定子巻線に
    通電される通電パターンを更新しないようにしたことを
    特徴とする請求項2記載のエンジンの吸入空気量制御装
    置。
  8. 【請求項8】 回転子ステップ位置検出手段による第1
    ステップ動作検出時には、上記モータの各固定子巻線に
    通電される通電パターンを予め設定された第1のステッ
    プ通電時間だけ維持するとともに、上記通電状態におい
    て、スロットル開度電圧が予め設定された変動幅以下と
    なった場合には、上記スロットル開度電圧を第1ステッ
    プ位置の回転子磁極位置とするようにしたことを特徴と
    する請求項7記載のエンジンの吸入空気量制御装置。
  9. 【請求項9】 初期値記憶手段を設け、上記通電パター
    ンの第1ステップ動作検出時において、上記第1ステッ
    プでの回転子磁極学習位置と通電パターンとを上記初期
    値記憶手段に記憶するようにしたことを特徴とする請求
    項8記載のエンジンの吸入空気量制御装置。
  10. 【請求項10】 第1ステップ位置の回転子磁極位置検
    出時以降は、上記モータの各固定子巻線に通電される通
    電パターンの通電時間を、ステップ駆動通電時間設定手
    段で予め設定された所定のステップ通電時間とするよう
    にしたことを特徴とする請求項2記載のエンジンの吸入
    空気量制御装置。
  11. 【請求項11】 スロットル開度センサの出力によりス
    ロットルバルブ全開位置の学習を行うスロットルバルブ
    全開位置学習手段を備え、回転子ステップ位置検出手段
    により検出したステップ位置が所定のステップ位置範囲
    にあり、かつ、上記ステップ位置での回転子磁極位置学
    習値と、上記ステップ位置検出の直前に行ったステップ
    位置での回転子磁極位置学習値との差が所定値内である
    場合には、スロットルバルブ全開位置の学習を実施する
    ようにしたことを特徴とする請求項2記載のエンジンの
    吸入空気量制御装置。
  12. 【請求項12】 回転子磁極位置学習手段によって算出
    された学習値を、バックアップ用のRAMに記憶すると
    ともに、EEPROMにも記憶するようにしたことを特
    徴とする請求項2または請求項3または請求項4記載の
    エンジンの吸入空気量制御装置。
  13. 【請求項13】 バッテリ外し直後の回転子磁極位置学
    習値を、EEPROMに記憶された学習値を上記EEP
    ROMから読込みバックアップ用のRAMに格納した学
    習値とするようにしたことを特徴とする請求項12記載
    のエンジンの吸入空気量制御装置。
  14. 【請求項14】 学習開始判定手段の学習開始判定動作
    の所定回数毎に、回転子磁極位置学習手段によって算出
    された学習値をEEPROMに書き込むようにしたこと
    を特徴とする請求項12記載のエンジンの吸入空気量制
    御装置。
  15. 【請求項15】 スロットル開度センサの出力に基づい
    てスロットルバルブの全閉位置を学習するスロットルバ
    ルブ全閉位置学習手段を備え、回転子磁極位置学習実施
    後にスロットルバルブ全閉位置の学習を実施するように
    したことを特徴とする請求項2記載のエンジンの吸入空
    気量制御装置。
  16. 【請求項16】 スロットル開度センサの出力に基づい
    てスロットルバルブの全閉位置を学習するスロットルバ
    ルブ全閉位置学習手段を備え、回転子磁極位置学習実施
    前後にスロットルバルブ全閉位置の学習を実施し、回転
    子磁極位置学習実施前後のスロットルバルブ全閉位置学
    習値の平均値をスロットルバルブの全閉位置学習値とす
    るようにしたことを特徴とする請求項2記載のエンジン
    の吸入空気量制御装置。
  17. 【請求項17】 学習開始判定手段の学習開始可能判定
    時においてスロットルバルブ開度が所定の開度以上の場
    合には、スロットルバルブの開度が上記所定の開度以下
    に到達するまで目標開度をスロットルバルブ全閉位置学
    習手段の全閉学習値とし、開度フィードバック制御によ
    り、スロットルバルブを全閉位置に戻すようにしたこと
    を特徴とする請求項5または請求項15または請求項1
    6記載のエンジンの吸入空気量制御装置。
  18. 【請求項18】 学習開始判定手段の学習開始可能判定
    時においてスロットルバルブ開度が所定の開度以下の場
    合には、モータ駆動手段の駆動信号の出力を停止するよ
    うにしたことを特徴とする請求項2または請求項3また
    は請求項4記載のエンジンの吸入空気量制御装置。
  19. 【請求項19】 スロットルバルブ全閉位置学習手段
    は、スロットルバルブ開度が所定の開度以下で、かつ、
    開度電圧変化が所定値以下である時点から、所定時間経
    過後のスロットル開度センサの出力値をスロットルバル
    ブ全閉位置学習値として記憶するようにしたことを特徴
    とする請求項5または請求項15または請求項16記載
    のエンジンの吸入空気量制御装置。
  20. 【請求項20】 スロットルバルブ全閉位置学習が完了
    していない場合には、回転子磁極位置学習しないように
    したことを特徴とする請求項5または請求項15または
    請求項16記載のエンジンの吸入空気量制御装置。
  21. 【請求項21】 学習値補正手段を設け、回転子磁極位
    置学習手段により学習した回転子磁極位置学習値を、ス
    ロットルバルブに設けられたリターンスプリング付勢力
    による回転子磁極位置誤差に基づいて補正するようにし
    たことを特徴とする請求項2記載のエンジンの吸入空気
    量制御装置。
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