JPH11147221A - 厚肉シートモールディングコンパウンド及びその成形品 - Google Patents

厚肉シートモールディングコンパウンド及びその成形品

Info

Publication number
JPH11147221A
JPH11147221A JP9317545A JP31754597A JPH11147221A JP H11147221 A JPH11147221 A JP H11147221A JP 9317545 A JP9317545 A JP 9317545A JP 31754597 A JP31754597 A JP 31754597A JP H11147221 A JPH11147221 A JP H11147221A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
compound
fiber reinforced
reinforced material
sheet molding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9317545A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideki Shione
英樹 塩根
Juichi Yamada
寿一 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP9317545A priority Critical patent/JPH11147221A/ja
Publication of JPH11147221A publication Critical patent/JPH11147221A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、成型時における巣・ピンホ
ール発生の減少するSMC成形材料及びその成形品を得
ることにある。 【解決手段】 2枚の熱可塑性フィルムにサンドイッチ
状に包まれたシートモールディングコンパウンド(SM
Cと略す)において、その単位重量が6〜30Kg/m2
繊維強化材含有量が13〜70重量%、厚みが4〜30
mm、成形品比重1.5〜2.1、熱可塑性フィルムにサ
ンドイッチ状に包まれるものが少なくとも樹脂コンパウ
ンド/繊維強化材/樹脂コンパウンド/繊維強化材/樹
脂コンパウンドからなる多層構造を成し、その樹脂コン
パウンドは、中空充填剤を含まないもので、該樹脂コン
パウンドが同一の樹脂からなり、繊維強化材に含浸して
おり、繊維強化材の向きがランダムであることを特徴と
する厚肉シートモールディングコンパウンド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形時のピンホー
ルの発生数の改善されたシートモールディングコンパウ
ンド及び成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】不飽和ポリエステル樹脂をマトリックス
としたシート・モールディング・コンパウンド(SMC
と略す)は生産性に優れ、浴槽、水タンク、浄化槽等の
住設部材や自動車外板等の自動車部材に使用されてい
る。
【0003】最近では、浴室ユニット、合併浄化槽に代
表されるようにSMC成形品の大型化により、成形品1
個当たりのSMC使用量が増え、成形時のSMC積層枚
数が増えている。現行のSMCでは、プレス成形前のS
MC準備作業工数の増大や廃棄フィルム量の増加が起き
るため、より厚肉のSMCが望まれている。そこで出願
人は、特開平5−220742号公報として、厚肉SM
Cの製造装置及びそれを用いる組成物について出願し
た。しかしながら、現行SMCの配合および製造方法で
は、ガラス含有率にもよるが1m2当たりのシートの重
量、即ち単位重量が5〜6kg/m2未満が上限であ
る。これは現状のSMC製造装置では単位重量6kg/
2以上ではガラス繊維層中心部まで樹脂コンパウンド
が十分含浸することができないためである。
【0004】よって、従来技術による厚肉成形材料は、
どうしても巣・ピンホール欠陥が発生しやすい、SMC
浴槽等の成形品では流動末端でのいわゆるガラス焼け、
墨汚れにより外観不良が発生しやすい等の欠点があり成
形品用途に制約があった。
【0005】また、通常のSMCは、複数枚積層して使
用すると、成形条件によりピンホール、巣等の成形欠陥
が生じる場合が多かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、成型
時における巣・ピンホール発生の減少するSMC成形材
料及びその成形品を得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を重ねた結果、特定の厚肉SMCにすることによって、
上記課題を解決できる事を見い出し本発明を完成するに
至った。
【0008】即ち、本発明は、2枚の熱可塑性フィルム
にサンドイッチ状に包まれたシートモールディングコン
パウンド(SMCと略す)において、その単位重量が6
〜30Kg/m2、繊維強化材含有量が13〜70重量%、
厚みが4〜30mm、成形品比重1.5〜2.1、熱可塑
性フィルムにサンドイッチ状に包まれるものが少なくと
も樹脂コンパウンド/繊維強化材/樹脂コンパウンド/
繊維強化材/樹脂コンパウンドからなる多層構造を成
し、その樹脂コンパウンドは、中空充填剤を含まないも
ので、該樹脂コンパウンドが同一の樹脂からなり、繊維
強化材に含浸しており、繊維強化材の向きがランダムで
あることを特徴とする厚肉シートモールディングコンパ
ウンド、好ましくは繊維強化材が、その繊維の方向を平
面とほぼ平行方向として積層され、繊維強化材の向きが
90%以上異なる形で樹脂コンパウンドにサンドイッチ
されて製造されるものであること、これら厚肉シートモ
ールディングコンパウンドを加熱加圧成型してなる成形
品を提供する。
【0009】次に、本発明を詳細に説明する。
【0010】
【発明の実施の形態】このSMCは、単位重量が6〜3
0Kg/m2で、好ましくは8〜25Kg/m2、繊維強化材含有
量13〜70重量%、好ましくは20〜60重量%、そ
の厚みが4〜30mm、好ましくは6〜25mm、比重1.
5〜2.1であり、好ましくは強化繊維材を780g〜
10Kg/m2有するものである。その断面構造は、熱可塑
性フィルム/樹脂コンパウンド/繊維強化材/樹脂コン
パウンド/繊維強化材/樹脂コンパウンド/熱可塑性フ
ィルムからなる多層構造を成し、繊維強化材の向きがラ
ンダムである。樹脂コンパウンドは繊維強化材に含浸し
ており、その樹脂コンパウンドは、同一樹脂コンパウン
ドである。中心の樹脂コンパウンド層は、軽量充填剤を
含まないものである。好ましくは繊維強化材の繊維の方
向が、平面とほぼ平行方向で層をなし、繊維強化材の向
きが90%以上異なる形で樹脂コンパウンドにサンドイ
ッチされて製造されるものである。
【0011】本発明のSMCとは、加熱加圧成形方法で
成形されるシート状成形材料で、好ましくはラジカル硬
化性不飽和樹脂(A)、不飽和重合性単量体(B)、硬化剤
(C)、必要により硬化促進剤(D)、充填剤(E)からなるラ
ジカル硬化性不飽和樹脂組成物(樹脂コンパウンドとも
言う)に、繊維強化材(F)を含浸して製造されるもので
ある。
【0012】本発明で用いられるラジカル硬化性不飽和
樹脂とは、好ましくは不飽和ポリエステル(I)もしく
はエポキシアクリレート(II)である。
【0013】不飽和ポリエステル(I)とは、α,β−
不飽和二塩基酸を含む二塩基酸類と多価アルコ−ル類と
のエステル反応物、もしくはこれらとジシクロペンタジ
エン系化合物との縮合反応で得られるものである。好ま
しくは分子量500〜5000の範囲のものである。
【0014】不飽和ポリエステルを製造するにあたって
使用されるα,β−不飽和二塩基酸としては、マレイン
酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタ
コン酸等を挙げることができる。飽和二塩基酸として
は、フタル酸、無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル
酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル
酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロテレフタ
ル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、コハク酸、マロン
酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−
ドデカン2酸,2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,
7−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカ
ルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、
4,4’−ビフェニルジカルボン酸、またこれらのジア
ルキルエステル等を挙げることができる。
【0015】多価アルコ−ル類としては、例えばエチレ
ングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエチレング
リコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、プロピレングリコ
−ル、ジプロピレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ
−ル、2−メチル−1,3−プロパンジオ−ル、1,3
−ブタンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、水素化ビ
スフェノ−ルA、1,4−ブタンジオ−ル、ビスフェノ
−ルAとプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドの
付加物、1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、グ
リセリン、トリメチロ−ルプロパン、1,3−プロパン
ジオ−ル、1,2−シクロヘキサングリコ−ル、1,3
−シクロヘキサングリコ−ル、1,4−シクロヘキサン
グリコ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、パ
ラキシレングリコ−ル、ビシクロヘキシル−4,4’−
ジオ−ル、2,6−デカリングリコ−ル、2,7−デカ
リングリコ−ル等を挙げることができる。
【0016】ジシクロペンタジエン系化合物とは、例え
ばジシクロペンタジエン、及びその誘導体が挙げられ
る。ジシクロ系不飽和ポリエステルは、ジシクロペンタ
ジエンと無水マレイン酸に水を滴下反応して得られる反
応生成物を更に多価アルコールとを反応して得る方法
や、不飽和二塩基酸と多価アルコール類の反応生成物に
ジシクロペンタジンエンを反応する方法で製造される。
【0017】本発明のエポキシ(メタ)アクリレート
(II)とは、例えば、ビスフェノール・タイプのエポキ
シ樹脂の単独を、あるいは、ビスフェノール・タイプの
エポキシ樹脂とノボラック・タイプのエポキシ樹脂との
併用、1,6−ナフタレン型エポキシ樹脂のジ(メタ)
アクリレート等になるものを指称し、その平均エポキシ
当量が、好ましくは150〜450なる範囲内にあるよ
うなエポキシ樹脂と、不飽和一塩基酸とを、エステル化
触媒の存在下で、反応せしめて得られるものである。
【0018】上記したビスフェノール・タイプのエポキ
シ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ
樹脂のジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールA
型エポキシ樹脂のジ(メタ)アクリレート、ビスフェノ
ールAエチレンオキシド付加型エポキシ樹脂のジ(メ
タ)アクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキシ
ド付加型エポキシ樹脂のジ(メタ)アクリレート、ビス
フェノールF型エポキシ樹脂のジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ナフタレン型エポキシ樹脂のジ(メタ)ア
クリレート等を挙げることができる。
【0019】また、上記したノボラックタイプのエポキ
シ樹脂としては、例えば、フェノール・ノボラックまた
はクレゾール・ノボラックと、エピクロルヒドリンまた
はメチルエピクロルヒドリンとの反応によって得られる
エポキシ樹脂などである。
【0020】さらに、上記した不飽和一塩基酸として
は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、桂皮酸、クロト
ン酸、ソルビン酸、モノメチルマレート、モノプロピル
マレート、モノブチルマレート、またはモノ(2−エチ
ルヘキシル)マレートなどがある。
【0021】なお、これらの不飽和一塩基酸は、単独使
用でも2種以上の併用でもよい。上記したエポキシ樹脂
と不飽和一塩基酸との反応は、好ましくは、60〜14
0℃、特に好ましくは、80〜120℃なる範囲内の温
度において、エステル化触媒を用いて行われる。
【0022】エステル化触媒としては、公知慣用の化合
物が、そのまま使用できるが、そのうちでも特に代表的
なもののみを挙げるにとどめれば、トリエチルアミン、
N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルア
ニリンもしくはジアザビシクロオクタンの如き、各種の
3級アミン類;またはジエチルアミン塩酸塩などであ
る。
【0023】かかるエポキシ(メタ)アクリレート(II)
の数平均分子量としては、好ましくは、450〜2,5
00、特に好ましくは500〜2,200なる範囲内が
適切である。分子量が450よりも小さい場合には、得
られる硬化物に粘着性が生じたり、強度物性が低下した
りするようになるし、一方、2,500よりも大きい場
合には、硬化時間が長くなり、生産性が劣って来るよう
になる。
【0024】本発明に使用される重合性不飽和単量体
(B)は、本発明の効果を損なわない範囲で通常不飽和
ポリエステル樹脂組成物に使用される、例えば、スチレ
ン、α-メチルスチレン、クロルスチレン、ジクロルス
チレン、ジビニルベンゼン、t-ブチルスチレン、ビニル
トルエン、酢酸ビニル、ジアリールフタレ-ト、トリア
リールシアヌレ-ト、さらにアクリル酸エステル、メタ
クリル酸エステル等;(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル
酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸
シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メ
タ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸トリデ
シル、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)
アクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテル
(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノブチル
エーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモ
ノヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、エチレング
リコールモノ2ーエチルヘキシルエーテル(メタ)アク
リレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチ
ルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコー
ルモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレ
ングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールモノ2ーエチルヘキシルエー
テル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコ-ルジ
(メタ)アクリレ-ト、PTMGのジメタアクリーレー
ト、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシ1,3ジメタクリロキシプロパン、2,
2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル〕
プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・ジエ
トキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メ
タクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパン、テ
トラエチレングリコールジアクリレート、ビスフェノー
ルAEO変性(n=2)ジアクリレート、イソシアヌル
酸EO変性(n=3)ジアクリレート、ペンタエリスリ
トールジアクリレートモノステアレート、等を併用で
き、樹脂と架橋可能な不飽和単量体或いは不飽和オリゴ
マー等が挙げられる。
【0025】更に、硬化物表面の耐摩耗性、耐さっ傷
性、耐煽動性、耐薬品性等を向上する必要がある場合に
は、多官能不飽和モノマー、好ましくは、3官能以上の
(メタ)アクリル酸エステルモノマーが好ましく併用さ
れる。具体的には、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、テトラメチロールメタルトリアクリ
レート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、
ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロー
ルプロパンPO変性(n=1)トリアクリレート、イソ
シアヌール酸EO変性(n=3)トリアクリレート、イ
ソシアヌール酸EO(n=3)・ε−カプロラクトン変
性トリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンター
及びヘキサーアクリレート、、ペンタエリスリト-ルテ
トラ(メタ)アクリレ-ト等の重合性単量体を併用する
こともできる。
【0026】充填剤(E)としては、例えば、水酸化アル
ミニウム、水硬性ケイ酸塩材料、炭酸カルシウム粉、ク
レー、アルミナ粉、硅石粉、タルク、硫酸バリウム、シ
リカパウダー、ガラス粉、ガラスビーズ、マイカ、セル
ロース糸等が挙げられる。
【0027】樹脂組成物には、重合禁止剤が好ましく使
用され、例えばトリハイドロベンゼン、トルハイドロキ
ノン、1,4−ナフトキノン、パラベンゾキノン、トル
ハイドロキノン、ハイドロキノン、ベンゾキノン、ハイ
ドロキノンモノメチルエーテル、p−tert−ブチル
カテコール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチ
ルフェノール等を添加できる。好ましくは樹脂組成物
に、10〜1000ppm添加しうるものである。
【0028】樹脂組成物には、その硬化を速めるために
硬化剤(C)を含有することも好ましく、これには有機過
酸化物が挙げられる。具体的には、ジアシルパーオキサ
イド系、パーオキシエステル系、ハイドロパーオキサイ
ド系、ジアルキルパーオキサイド系、ケトンパーオキサ
イド系、パーオキシケタール系、アルキルパーエステル
系、パーカーボネート系等公知のものが使用される。
【0029】硬化剤(C)の添加量は、好ましくは不飽和
樹脂(A)と不飽和重合性単量体(B)の合計量100重量部
に対して、0.01〜5重量部である。上記硬化剤は2
種以上組み合わせて使用しても良い。
【0030】必要により用いる硬化促進剤(D)とは、金
属石鹸類、例えばナフテン酸コバルト、オクテン酸コバ
ルト、オクテン酸バナジル、ナフテン酸銅、ナフテン酸
バリウムが挙げられ、金属キレート化合物としては、バ
ナジルアセチルアセテート、コバルトアセチルアセテー
ト、鉄アセチルアセトネートがある。またアミン類には
N,N−ジメチルアミノ−p−ベンズアルデヒド、N,
N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、
N,N−ジメチル−p−トルイジン、N−エチル−m−
トルイジン、トリエタノールアミン、m−トルイジン、
ジエチレントリアミン、ピリジン、フェニルモルホリ
ン、ピペリジン、ジエタノールアニリン等がある。
【0031】硬化促進剤(D)の添加量は、不飽和樹脂
(A)と不飽和重合性単量体(B)の合計量100重量
部に対して、好ましくは0.001〜5重量部使用す
る。本発明においてはアミン系促進剤が好ましい。な
お、硬化促進剤は予め樹脂(A)に添加しておいても良
いし、使用時に添加しても良い。
【0032】本発明で使用する繊維強化材(F)とは、例
えばガラス繊維、アミド、アラミド、ビニロン、ポリエ
ステル、フェノール等の有機繊維、カーボン繊維、金属
繊維、セラミック繊維或いはこれらを組合わせて用いら
れる。経済性を考慮した場合、特に好ましいのはガラス
繊維である。また、繊維の形態は、平織り、朱子織り、
不織布、マット状等があるが、ガラスロービングを好ま
しくは5〜100mmにカットしてチョップドストラン
ドにて使用する。
【0033】本発明では、各種添加剤、例えば、充填
剤、紫外線吸収剤、顔料、増粘剤、減粘剤、低収縮剤、
老化防止剤、可塑剤、骨材、難燃剤、抗菌剤、安定剤、
補強材、光硬化剤等を使用してもよい。
【0034】
【実施例】以下本発明を実施例によって詳細に説明す
る。
【0035】実施例1〜4 出願人は、本発明に係る多層構造のSMCの製造装置
を、特開平5−220742号公報として、出願してい
る。本製造装置を用いて、実施例1〜4の浴室ユニット
用厚肉SMCを作成した。
【0036】表1のようにSMCの単位重量が6.4か
ら14.3Kg/m2なる厚肉SMCを未含浸部なく製造す
ることができた。比較例1は従来のSMC製造装置で作
成した同一組成のSMCであり、シート物性、強度物性
の比較試験を行った結果、厚肉SMCの物性値は従来の
SMCに比べ同等の強度特性を持つことがわかる。
【0037】実施例4 SMCの型内流動特性よりSMC成形欠陥の一つである
ピンホール発生数を定量的に解析する方法として、濱田
らがSPI conferense、Sec.11-C(1997)で発表してい
る。SMCの金型内流動・賦形中のずり速度γ、みかけ
粘度ηから求まる構造粘性指数nが、その材料のピンホ
ール発生数と相関があることを述べており、その値が小
さいほどピンホール発生数は少ない材料である。同様の
測定法で、厚肉SMCのピンホール発生度合いを検討し
た。
【0038】成形装置は、概略図を図1に示した。プレ
スは200トン、金型は400φ円板金型を用いた。材
料は実施例4、比較例1を使用した。実施例4の単位重
量は比較例1の2倍であり、比較例1が4枚チャージで
あれば実施例4は2枚チャージとすることで、チャージ
形状・重量を同じにして比較した。成形条件は表2の7
通りの成形条件を選択した。成形後、成形品表面のピン
ホールを目視検視し、その発生個数を数えた。
【0039】成形過程における流動挙動の解析は、濱田
らの文献に従い式1、2にてずり速度γ、みかけ粘度η
を算出した。 γ=3h'(t)r / h(t)2 …式1 η=h(t)3 / (6h'(t)r) x (P0-P1) / r …式2 (t:時間、h(t):時間tでの型実間隔、h'(t):実型締
速度、r:金型中心からの距離、P0:金型中心での型内
圧力、P1:rの位置での型内圧力、γ:rの位置でのずり
速度、η:rの位置でのみかけ粘度) 一般的に高分子の流動の多くに対しては、式3のように
ずり速度γ、ずり応力σと構造粘性指数nを用いて表さ
れるべき乗則が成り立つといわれている。
【0040】σ= a x γn …式3 ( a = const. ) 一方、みかけ粘度ηは式4で表される。
【0041】η = σ / γ …式4 式3、4より式5が導かれ、この両対数をとると式6が
得られる。 η = a x γn-1 …式5 Logη = ( n-1 ) x Logγ + Log a …式6 式6より得られた構造粘数指数nを表3に示す。構造粘
数指数nは実施例4の方が小さく、これは厚肉SMCが
従来のSMCよりピンホールの発生しにくい材料である
ことを示す。表4に示す通り、実際に成形品表面のピン
ホールを目視検視し、その発生個数を数えた結果も一致
する。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
【発明の効果】本発明は、特定構造のSMC成形材料と
することで、成形品の成型時のピンホール数を減少可能
としたものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 33:04 105:06 B29L 7:00 9:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚の熱可塑性フィルムにサンドイッチ
    状に包まれたシートモールディングコンパウンド(SM
    Cと略す)において、その単位重量が6〜30Kg/m2
    繊維強化材含有量が13〜70重量%、厚みが4〜30
    mm、成形品比重1.5〜2.1、熱可塑性フィルムにサ
    ンドイッチ状に包まれるものが少なくとも樹脂コンパウ
    ンド/繊維強化材/樹脂コンパウンド/繊維強化材/樹
    脂コンパウンドからなる多層構造を成し、その樹脂コン
    パウンドは、中空充填剤を含まないもので、該樹脂コン
    パウンドが同一の樹脂からなり、繊維強化材に含浸して
    おり、繊維強化材の向きがランダムであることを特徴と
    する厚肉シートモールディングコンパウンド。
  2. 【請求項2】 繊維強化材が、その繊維の方向を平面と
    ほぼ平行方向として積層され、繊維強化材の向きが90
    %以上異なる形で樹脂コンパウンドにサンドイッチされ
    て製造されるものであることを特徴とする請求項1記載
    の厚肉シートモールディングコンパウンド。
  3. 【請求項3】 請求項1もしくは2記載の厚肉シートモ
    ールディングコンパウンドを加熱加圧成型してなる成形
    品。
JP9317545A 1997-11-18 1997-11-18 厚肉シートモールディングコンパウンド及びその成形品 Pending JPH11147221A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9317545A JPH11147221A (ja) 1997-11-18 1997-11-18 厚肉シートモールディングコンパウンド及びその成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9317545A JPH11147221A (ja) 1997-11-18 1997-11-18 厚肉シートモールディングコンパウンド及びその成形品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11147221A true JPH11147221A (ja) 1999-06-02

Family

ID=18089458

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9317545A Pending JPH11147221A (ja) 1997-11-18 1997-11-18 厚肉シートモールディングコンパウンド及びその成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11147221A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017195607A1 (ja) 2016-05-13 2017-11-16 三菱ケミカル株式会社 成形材料、シートモールディングコンパウンド及び繊維強化複合材料
CN112724608A (zh) * 2021-01-29 2021-04-30 河北铭特环保设备科技有限公司 一种双酚a型smc模压树脂组合物及其制备方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017195607A1 (ja) 2016-05-13 2017-11-16 三菱ケミカル株式会社 成形材料、シートモールディングコンパウンド及び繊維強化複合材料
US10899856B2 (en) 2016-05-13 2021-01-26 Mitsubishi Chemical Corporation Molding material, sheet molding compound and fiber-reinforced composite material
CN112724608A (zh) * 2021-01-29 2021-04-30 河北铭特环保设备科技有限公司 一种双酚a型smc模压树脂组合物及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09241496A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物およびシート状成形材料
JP4470792B2 (ja) 加熱硬化成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物、成形材料、及びその成形品
JPH11147221A (ja) 厚肉シートモールディングコンパウンド及びその成形品
JPH10110048A (ja) 模様付きプリプレグ及びそれを用いるfrp成形品
JP2005139221A (ja) シートモールディングコンパウンド及び成形品
JP2001279077A (ja) シートモールディングコンパウンド及びそれを用いた成形品
JP3738462B2 (ja) 人工大理石、およびその製造法
JP3435424B2 (ja) 不飽和ポリエステル樹脂成形体の製造方法
JP2001115000A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂組成物、シートモールディングコンパウンド及びそれを用いた成形品
JP2001146452A (ja) 人工石板
JP2004346151A (ja) リサイクルポリエチレンテレフタレートを原材料とした、高分子量不飽和ポリエステル、不飽和ポリエステル樹脂組成物、この不飽和ポリエステル樹脂組成物を使用した成形材料、及びその製造方法
JPH11147222A (ja) ハイブリッドシートモールディングコンパウンド及びその成形品
JP3837788B2 (ja) 成形材料
JP2005154457A (ja) シートモールディングコンパウンド
JPH11106452A (ja) 引き抜き成形用樹脂組成物及び引き抜き成形品
JPH0632920A (ja) 熱硬化性樹脂プリプレグ
JP2001011200A (ja) 成形材料及びそれを用いるfrp成形品
JP2001115001A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂材料、シートモールディングコンパウンド及びそれを用いた成形品
JP2001150434A (ja) シートモールディングコンパウンドの製造方法、この方法により得られるシートモールディングコンパウンド及びこれを用いたシートモールディングコンパウンド成形品
JP2001152001A (ja) バルクモールディングコンパウンド及びそれを用いた成形品
JP2003105111A (ja) 不飽和ポリエステル樹脂成形品の製造方法
JP2002167448A (ja) シートモールディングコンパウンドを用いた成形品
JP2003192810A (ja) シートモールディングコンパウンド及びそれを用いた成形品
JP2001152002A (ja) バルクモールディングコンパウンド及びそれを用いた成形品
JP2003292648A (ja) シートモールディングコンパウンド

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041101

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041109

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050107

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050329