JPH11145562A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

半導体レーザ装置

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JPH11145562A
JPH11145562A JP30548497A JP30548497A JPH11145562A JP H11145562 A JPH11145562 A JP H11145562A JP 30548497 A JP30548497 A JP 30548497A JP 30548497 A JP30548497 A JP 30548497A JP H11145562 A JPH11145562 A JP H11145562A
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    • H01L2224/48Structure, shape, material or disposition of the wire connectors after the connecting process of an individual wire connector
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ダイボンディング工程時に、アライメントず
れが発生せず、さらには、ショートも防止される、片面
に正負電極が形成されるレーザチップを用いた、半導体
レーザ装置を得る。 【解決手段】 片面に複数の電極203,204を有す
る半導体レーザチップ200が、該各電極に対向する導
電膜パターン102,103を積載面上に有したマウン
ト部材101に、積載されて構成される半導体レーザ装
置であって、各電極と、これに対向する導電膜パターン
とが、それぞれハンダ104,105で接続され、該半
導体レーザチップが、該マウント部材に、樹脂106を
含む絶縁体により固定されるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザチッ
プが、マウント部材に積載されて構成される半導体レー
ザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】GaN系半導体は、紫外ないし緑色領域
における発光素子を実現する材料として注目されてお
り、中でも、これを用いて、従前よりも短波長で発振す
る半導体レーザ装置を実用化することが望まれている。
GaN系半導体の特徴として、基板に絶縁体であるサフ
ァイアを用いる点が挙げられ、よって、このような半導
体を用いた発光素子では、従前と異なり、正負両方の電
極が成長層側に形成されるのが常である。そのため、G
aN系半導体レーザ素子において、成長層側を下にし
た、すなわちジャンクションダウンのダイボンディング
を実施するためには、成長層側に一方の電極しか形成さ
れない従前の半導体レーザ素子用とは異なった構成のマ
ウント部材が必要となる。
【0003】図8は、特開平7−235729号公報に
開示された、このような技術の一例である。図におい
て、1はサブマウント基体、2はサブマウント積載面に
設けられた金属パターン、3はハンダ、4はGaN系半
導体レーザチップ本体、5はGaN系半導体レーザチッ
プの半導体成長層側に設けられた、正負各電極である。
本例においては、絶縁性のサブマウントを用いており、
サブマウント上面に、半導体レーザ正負電極それぞれに
対応した金属膜パターンが設けられ、各々、ハンダによ
り電極に接合されて、ジャンクションダウンのダイボン
ディングが実現されている。
【0004】ここで、ダイボンディングとは、一般的に
は、次のような工程である。通常、ハンダはあらかじめ
サブマウント上に設けられている。これを、融点以上に
加熱し、所定の位置にアライメントしたレーザチップ
を、溶解したハンダに押し付け、その後、ハンダを冷却
固化させる。これにより、レーザチップとサブマウント
とが熱伝導性よく接着される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術に示すような片面に正負電極を有する半導体レ
ーザチップでは、図8に示されたように、正負電極の間
に、接合されない部分があり、ブリッジ状にサブマウン
トと接合することになる。これによって、成長層側に一
方の電極しか形成されない従前の半導体レーザチップで
は生じ得なかった、以下に示すような問題点が発生す
る。
【0006】ダイボンディング工程において、融解した
ハンダが冷却される際には、ハンダの固化・合金化が必
ずしも各部で均一に進行するものではないために、ハン
ダ部分の体積変化や表面張力が領域毎に変化し、接着面
には複雑な力が加わっている。図8のように、接着面が
正負両側に別れている半導体レーザ装置では、このよう
な、接着面毎に加わる力のバランスが崩れることによっ
て、冷却の途中でレーザチップが動き、アライメントず
れが発生してしまう。実際に、本発明者の実験的知見に
よれば、図8に示された半導体レーザ装置でのアライメ
ントずれの発生確率は、成長層側に一方の電極しか形成
されない従前の半導体レーザにおけるものと比べて、5
倍程度高いものであった。このようなアライメントずれ
は、半導体レーザ装置の光学的特性の問題、すなわち、
レーザ光の出射方向ずれを引き起こすだけでなく、片側
に正負電極が形成されているがために、正負間でのショ
ート・リークという問題をも発生させていた。本発明
は、従来の技術における、上述の問題点を解消すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明(請求項1)に
係わる半導体レーザ装置は、片面に複数の電極を有する
半導体レーザチップが、該各電極に対向する導電膜パタ
ーンを積載面上に有したマウント部材に、積載されて構
成される半導体レーザ装置であって、各電極と、これに
対向する導電膜パターンとが、それぞれハンダで接続さ
れ、該半導体レーザチップが、該マウント部材に、樹脂
を含む絶縁体により固定されていることを特徴とする。
【0008】この発明(請求項2)に係わる半導体レー
ザ装置は、片面に複数の電極を有する半導体レーザチッ
プが、該各電極に対向する導電膜パターンを積載面上に
有したマウント部材に、積載されて構成される半導体レ
ーザ装置であって、各電極と、これに対向する導電膜パ
ターンとが、それぞれハンダで接続され、各ハンダの間
には、樹脂を含む絶縁体が設けられていることを特徴と
する。
【0009】好ましくは、前記マウント部材の半導体レ
ーザチップ積載面において、前記樹脂を含む絶縁体に接
する部分には、凹部が設けられることを特徴とする。
【0010】本明細書において、マウント部材とは、半
導体レーザチップを直接積載するための部品を意味して
おり、例えば、半導体レーザチップ用のサブマウント
や、サブマウントを用いず直接ステム、フレームもしく
はパッケージに積載する場合においては、このステム、
フレームもしくはパッケージ自身を指している。
【0011】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕図1は、本発明
の実施の形態1における半導体レーザ装置を示す断面模
式図である。図において、10は本実施の形態の半導体
レーザ装置、100はサブマウント、101は絶縁性サ
ブマウント基体、102は正側金属パターン、103は
負側金属パターン、104および105はハンダ、10
6は絶縁性の樹脂であり、また、200はGaN系半導
体レーザチップ、201はサファイア基板、202は半
導体成長層、203は正電極、204は負電極である。
図示されるように、サブマウント積載面のハンダおよび
金属パターンは、適宜パターン形成されることにより、
それぞれが絶縁分離されており、よって、片面に正負電
極を有する半導体レーザ素子の積載を可能としている点
は、従来の技術と同様である。ただし、各ハンダの間
に、樹脂106を設けた点が異なる。
【0012】図2は、上記GaN系半導体レーザチップ
の構成を、より詳しく示した断面図であり、これを参照
して、以下にその構成を説明する。
【0013】サファイア基板201表面に、AlNもし
くはGaNからなるバッファ層210、n−GaN層2
11、n−AlGaNクラッド層212、多層のInG
aNからなる量子井戸活性層213、半導体レーザの共
振器方向に沿ったリッジストライプ形状のp−AlGa
Nクラッド層214が順次形成されている。さらに、該
ストライプ外部には、さらにn−AlGaN電流阻止層
215が積層され、電流阻止層表面およびリッジストラ
イプ部p−AlGaNクラッド層表面には、p−GaN
キャップ層216が積層形成されている。バッファ層2
10からキャップ層216の各層により、半導体成長層
202が構成される。半導体成長層202の一部には、
リッジストライプに平行して、表面からn−GaN層に
達する溝が設けられ、各p型の成長層が、二分される。
リッジストライプの存在する側のp−GaNキャップ層
表面には、正電極203が設けられ、さらに、溝底部に
露出したn−GaN層に接触して、負電極204が設け
られて、これは反対側のp−GaNキャップ層表面にま
で、延長される。これにより、半導体レーザチップの成
長層側表面に正負電極が露出している。
【0014】また、溝内部にはSiO2等からなる絶縁
体205が設けられ、ダイボンディング工程におけるシ
ョートを防止する役割を果たしている。上記構成により
図2において記号206で示すストライプ状部分が半導
体レーザの発光部となる。本実施の形態においては、一
例として、レーザチップのサイズを、長さ0.5×幅
0.6×高さ0.1mmとし、電極間の距離を90μm
とした。このような半導体レーザチップは、公知技術の
組み合わせにより容易に構成できるので、その製造方法
の説明は省略する。
【0015】次に、本実施の形態の半導体レーザ装置の
製造方法について、説明する。図3は、半導体レーザチ
ップ200積載前の、サブマウント100を示す図であ
る。各記号は図1と同一である。本図に示されるよう
に、ダイボンディング工程に先立って、あらかじめ、サ
ブマウント積載面上には、樹脂106が塗布され、ハン
ダ104・105が形成されている。本実施の形態にお
いて、樹脂には、熱硬化性で、硬化温度がハンダの融点
付近であるようなエポキシ樹脂を用いた。この時点で、
樹脂106は未硬化であり、ある程度の流動性をもった
様態を示している。ハンダ104・105には融点が1
56℃であるInを用い、サブマウント基体101に
は、絶縁体であるAlNを用い、金属パターン102お
よび103には、Au(0.1μm)/Pt(0.1μ
m)/Ti(0.1μm)(Au オン Pt オン
Ti、以下同様)を用いた。一例として、サブマウント
基体101のサイズを、長さ1.5×幅2.0×高さ
0.2mmとし、ハンダ間の距離を100μm、ハンダ
の厚さを1μmとした。各金属パターンおよび各ハンダ
の成膜は、真空蒸着法、CVD法、スパッタ法、メッキ
法、熱転写法、印刷法、焼結法等の公知技術を適宜用い
て行うことができる。
【0016】このようなサブマウントを、ハンダの融点
以上に加熱し、ハンダを融解させた。続いて、図2に示
した半導体レーザチップを、適切にアライメントし、レ
ーザチップ電極形成面とサブマウント積載面とが突き合
わされるように、サブマウント上に積載し、半導体レー
ザチップに約20gの荷重を加えつつ、約1分間温度を
保持した。このとき、樹脂の上端は、半導体レーザチッ
プ表面に接触した。本過程において、樹脂106が次第
に硬化した。
【0017】ここで、アライメントは、次の要領でなさ
れる。正電極と正側金属パターン、負電極と負側金属パ
ターンとが、それぞれ接着されるように、すなわち、図
1に示されるように、また、半導体レーザチップのスト
ライプ方向が、サブマウントの端面と垂直の関係にな
り、光出射面がサブマウントの端面とほぼ一致するよう
に、方向および位置合わせされる。
【0018】次に、サブマウントおよび半導体レーザチ
ップ全体を冷却し、ハンダが固化した後、荷重を加える
ことをやめた。こうして、ダイボンディング工程が終了
し、図1に示す半導体レーザ装置が完成した。
【0019】チップを積載する過程において、樹脂10
6は硬化しておらず、適度に柔らかいので、上記工程に
よって、半導体レーザチップに無用の歪みが引き起こさ
れることがなく、よって完成した半導体レーザ装置の特
性を悪化させることがない。
【0020】また、上記冷却過程において、ハンダが固
化する際には、既に、半導体レーザチップが樹脂106
で適度に固定されているので、ハンダ冷却の途中でレー
ザチップが動き、アライメントずれが発生してしまう従
来の技術の問題が回避された。
【0021】比較のために、本実施の形態の半導体レー
ザ装置における樹脂106を省略した、対象半導体レー
ザ装置を作製した。サブマウントの端面垂直方向から±
2°以内にレーザビーム中心がくることをダイボンディ
ング工程のアライメントに関する良品条件と規定したと
き、本実施の形態の半導体レーザ装置においては、良品
の得られる率が96%だったのに対し、対象半導体レー
ザ装置においては、70%であった。このように、本実
施の形態によれば、従来の技術の場合と比較して、半導
体レーザ装置の生産性が向上した。
【0022】また、本実施の形態の半導体発光装置にお
いては、樹脂106を、図3に示されるように、各ハン
ダの間のスペースのほぼ全体に設けたが、上述のよう
に、ダイボンディング工程時に半導体レーザチップとサ
ブマウントとを固定するための目的では、必ずしもこの
ようにする必要はなく、その一部にのみ設けても良い。
あるいは、樹脂を正負両電極に挟まれるように配置する
必要はなく、チップの端の領域に設けても良い。ただ
し、後者の場合、チップの片側のみに樹脂が配置される
ようにすると、チップが傾いて積載されやすくなるの
で、樹脂量をより厳密に制御するか、もしくは、チップ
の両側に対称になるように樹脂を配置するなどの工夫が
必要となることがある。しかし、本実施の形態の半導体
レーザ装置においては、本構成により、ダイボンディン
グ工程中に、加熱されて融解し押し広げられたハンダ
が、他方のハンダや電極、金属パターンと接触してしま
い、ショートが発生することが防止される効果も奏す
る。
【0023】さらに、本実施の形態においては、ハンダ
間に絶縁体が存在することにより、半導体レーザ装置へ
の通電時に、ハンダ間での、電界の大きさが、絶縁性樹
脂のない場合よりも減少し、さらに、ハンダ間が樹脂で
充填されているので、サブマウントに沿ったハンダ層の
マイグレーションが生じにくくなり半導体レーザ装置の
寿命特性を向上させる効果も奏する。このような効果を
生じさせるに当たっては、上述のように、半導体レーザ
チップに無用の歪み生じさせることが無い。
【0024】なお、本実施の形態において、樹脂とし
て、熱硬化性のものを用いた例を示したが、これに変え
て、熱可塑性樹脂を用いても良い。この場合、ダイボン
ディング工程の高温過程において、適度な柔らかさまで
軟化する樹脂を用いることが必要である。あるいは、樹
脂として、光硬化性のものを用いても良い。この場合、
ダイボンディング工程の冷却過程において、適度な柔ら
かさを保持するものを用いることが必要である。光硬化
性樹脂の硬化処理は、ダイボンディング工程終了後、半
導体レーザチップを通じて、光を照射することによって
可能である。特に、GaN系半導体レーザチップにおい
ては、基板及び成長層を可視ないし紫外光が透過しうる
ので、このような処理が容易に行えるのである。
【0025】〔実施の形態2〕図4は、本発明の実施の
形態2の半導体レーザ装置を示す部分断面図であり、図
1における各ハンダ間付近の部分を拡大したものに相当
する。図において、30は、実施の形態2の半導体レー
ザ装置、300はサブマウント、301は溝であり、そ
の他実施の形態1と同一の部分については、同一の符号
で記載した。本実施の形態は、実施の形態1の変形例で
あり、図示されるように、サブマウントの積載面には、
ハンダ104・105の間に溝301が形成されている
点が異なるほかは、実施の形態1と同様である。本実施
の形態において、溝のサイズは、幅30μm・深さ10
0μmとした。このような、溝の形成は、スクライビン
グ、ダイシング、ワイヤーソー加工、放電加工、エッチ
ング、スパッタリング、レーザ加工、FIB加工、サン
ドブラスト加工などの、公知の溝入れ技術を適宜選択し
て行うことができる。
【0026】図5は、本実施の形態の半導体レーザ装置
に用いたサブマウントの部分断面図であり、図4に相当
する部分の拡大図である。本図に示されるように、サブ
マウントには上述の場所に溝が設けられており、その上
に、絶縁性の樹脂106が設けられている。本サブマウ
ントを用い、図2の半導体レーザチップを、実施の形態
1と同様のダイボンディング工程にて積載すると、図4
の半導体レーザ装置が完成する。
【0027】本実施の形態においては、ダイボンディン
グ工程により、樹脂の一部は、サブマウントと半導体レ
ーザ素子の接続のための上下からの押し付けによって、
溝301の中に入り込んである。このように、樹脂の逃
げを設けたので、ダイボンディング工程によって、半導
体レーザチップに歪みが導入されることが実施の形態1
の場合に比べて、さらに良好に防止され、半導体レーザ
装置の高性能化に貢献する。
【0028】また、本実施の形態においても、実施の形
態1と同様に、ダイボンディング工程におけるアライメ
ントずれ、ショート防止、通電中のハンダのマイグレー
ション防止が実現された。
【0029】なお、本実施の形態において、樹脂の逃げ
のために設けた溝301は、図5に示された如く、あら
かじめ樹脂106の下方にある必要はなく、若干横に設
けられても、樹脂の拡がりにより上記同様の結果となる
ことは明らかである。
【0030】また、上記記載の趣旨からして、溝301
の変わりに、樹脂の逃げとなり得るような任意の形状の
凹部としても、溝を設けた場合と同様の効果を奏するこ
とも明らかである。
【0031】さらに、本実施の形態の半導体発光装置に
おいても、ダイボンディング工程時に半導体レーザチッ
プとサブマウントとを固定する目的に限れば、必ずしも
樹脂を、各ハンダの間のスペースに設ける必要はないこ
とは、実施の形態1に記載した通りである。
【0032】〔実施の形態3〕図6は、本発明の実施の
形態3の半導体レーザ装置を示す部分断面図であり、図
4に相当する部分の拡大図である。図において、40
は、実施の形態3の半導体レーザ装置、400はサブマ
ウントであり、その他実施の形態1と同一の部分につい
ては、同一の符号で記載した。
【0033】本実施の形態は、実施の形態1の変形例で
あり、次に、本実施の形態の半導体レーザ装置の製造方
法を説明しつつ、相違点を述べる。
【0034】図7は、本発明の実施の形態3に用いられ
るサブマウントを示す部分断面図である。本図で示され
るのは、図6に相当する部分である。図において、40
1は絶縁性樹脂球であり、熱可塑性のノボラック樹脂を
用いた。このような、絶縁性樹脂球の設置は、保持液体
に球を混合したものを塗布することにより行うことがで
きる。樹脂球のサイズは一例として5μmとすることが
できる。このような、サブマウント400を用いて、実
施の形態1と類似のダイボンディング工程により、図2
に示す半導体レーザチップを積載して、図6に示す半導
体レーザ装置が完成した。本ダイボンディング工程にお
いては、高温過程において、樹脂球が軟化し、さらに、
サブマウントと半導体レーザ素子の接続のために上下か
ら押し付けられることにより樹脂球が一体化し、樹脂1
06で、ハンダ間のスペースが充填される。このような
工程により、実施の形態1と同様の半導体レーザ装置を
製造することができた。
【0035】本実施の形態においても、実施の形態1と
同様に、ダイボンディング工程におけるアライメントず
れ、ショート防止、通電中のハンダのマイグレーション
防止が実現された。
【0036】なお、上記の記載から明らかなように、樹
脂球の形状は、必ずしも完全な球体である必要はなく、
直方体、柱体、コンペイトウ型など、適宜変更され得る
ものであり、また、そのサイズにしても、適宜変更され
得るものである。さらに、本実施の形態においても、実
施の形態2と同様に、樹脂の余分の部分を逃がすための
溝もしくは凹部を設けても良いことは、言うまでもな
い。
【0037】なお、本実施の形態の半導体発光装置にお
いても、ダイボンディング工程時に半導体レーザチップ
とサブマウントとを固定する目的に限れば、必ずしも樹
脂を、各ハンダの間のスペースに設ける必要はないこと
は、実施の形態1に記載した通りである。
【0038】以上、本発明の構成を特定の例を挙げて説
明したが、本発明の適用範囲はこれに限られるものでは
なく、当然ながら、各構成要素をそれぞれ用途を同じく
する材料に置換し得るし、他の技術を組み合わせて用い
ることもできる。
【0039】上述の樹脂は、エポキシ樹脂、ノボラック
樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド
樹脂、熱可塑性エストラマー等を用いても良く、その性
質としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、光硬化性樹
脂、接着剤等を用いても良い。また、樹脂中に、フィラ
ー等が混合されていても良い。
【0040】上述の絶縁性サブマウント基体は、ダイヤ
モンド、Si、SiC、cBN、BeO、Al23等の
他の絶縁材料や、さらには、ダイヤモンド/Si、Si
2/Siに代表されるように、それら各絶縁材料の積
層構造からなる、他の絶縁性サブマウント基体に置き換
えることができる。また、必ずしもサブマウント基体は
絶縁性である必要はなく、正負両金属パターンの間を電
気的に絶縁する工夫を行ったうえで、導電性サブマウン
ト基体を用いることができる。導電性サブマウント基体
としては、Si、Ge、SiC、Cu、CuW、Mo等
の材料や、それら各物質の積層構造を用いることができ
る。
【0041】上述のハンダは、Sn、Pb、InAl、
SnAg、PbIn、PbSn、AuSn、AuSi、
AuGe等の他の金属性ろう材に置き換えることができ
る。
【0042】上述の半導体レーザチップは、図2に示し
た特定の例に限られるものではなく、基板としてGa
N、SiC、Si、SiO2/サファイア等の他の材料
を用いることが可能であり、また、半導体成長層の材料
系として、例えば、InGaAsP系、InGaAlP
系、AlGaN系、CdZnSe系等の他のもの用いて
も本発明の本質を逸脱するものではない。あるいは、半
導体レーザチップを、高出力LED、スーパールミネッ
センスダイオード等の他の発光素子チップにも置換し得
る。
【0043】また、上記実施の形態のサブマウントにお
いて、各ハンダおよび各金属パターンの形状を、図3に
特定の例で示したが、本発明はこれに限られるものでは
なく、適宜変更され得るものである。例えば、必ずし
も、金属パターンがサブマウントのほぼ全面を覆うよう
に設けられる必要はない。あるいは、同一半導体チップ
に複数の発光部をもつ、いわゆるマルチビーム半導体レ
ーザチップを用いる場合のように、金属パターンが3以
上に分割されてもよい。また、サブマウント積載面上
に、さらに、ワイヤボンディング用のパッド部を設ける
ことや、ダイボンディング時の位置合わせのための印を
設けることは、当業者には、容易に想定し得る事項であ
る。
【0044】さらに、ハンダ層とサブマウント基体との
間には、公知のごとく、種々の膜を介在させることが可
能であり、例えば、サブマウントとハンダ間の密着性を
向上させるための膜、サブマウントとハンダ間の反応を
防止するための膜、さらには、これらの膜の間の密着性
を高めたり、酸化を防止するための膜が適宜積層形成さ
せてもよい。上記実施の形態に示した金属パターンAu
/Pt/Tiに置換し得るものとして、Pt/Cr、A
u/Mo、Au/Pt/Cr、Au/Mo/Ti等も用
いることが可能である。ハンダ、絶縁膜、ボンディング
パッド、サブマウント基体相互の間に、同様の目的で種
々の膜を介在させることも想定される。
【0045】またさらに、上記実施の形態に示した本発
明の半導体レーザ装置の製造方法では、樹脂とハンダ
を、ダイボンディング工程前に、あらかじめサブマウン
ト上に設けたが、これら両方またはいずれか片方を、あ
らかじめ半導体レーザチップ表面に設けるようにして
も、本発明の半導体レーザ装置を製造できることは明ら
かである。
【0046】上述の各実施の形態においては、マウント
部材として、サブマウントを用いた場合について説明し
たが、本発明の適用は、これに限られるものでなく、他
のマウント部材を用いても良い。すなわち、任意のマウ
ント部材において、レーザチップのダイボンディングさ
れる部分が、上述の各実施の形態と同様の構成であれ
ば、他のマウント部材においても上述同様の効果を奏す
ることは、明白である。したがって、レーザチップを、
サブマウントを用いず直接ステム、フレーム、もしくは
パッケージに積載する場合においては、このステム、フ
レームもしくはパッケージに、上記本発明の構成を適用
することができる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、上記構成により、ダイ
ボンディング工程時におけるアライメントずれが防止さ
れて、所定の光学特性を有する半導体レーザ装置の生産
性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の半導体レーザ装置を示
す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1の半導体レーザチップを
示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1のサブマウントを示す部
分断面図である。
【図4】本発明の実施の形態2の半導体レーザ装置を示
す部分断面図である。
【図5】本発明の実施の形態2のサブマウントを示す部
分断面図である。
【図6】本発明の実施の形態3の半導体レーザ装置を示
す部分断面図である。
【図7】本発明の実施の形態3のサブマウントを示す部
分断面図である。
【図8】従来の技術の半導体レーザ装置を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
10、30、40 半導体レーザ装置 100、300、400 サブマウント 101 サブマウント基体 102 正側金属パターン 103 負側金属パターン 104、105 ハンダ 106 樹脂 200 半導体レーザチップ 201 基板 202 半導体成長層 203 正電極 204 負電極 301 溝 401 樹脂球

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片面に複数の電極を有する半導体レーザ
    チップが、該各電極に対向する導電膜パターンを積載面
    上に有したマウント部材に、積載されて構成される半導
    体レーザ装置であって、各電極と、これに対向する導電
    膜パターンとが、それぞれハンダで接続され、該半導体
    レーザチップが、該マウント部材に、樹脂を含む絶縁体
    により固定されていることを特徴とする半導体レーザ装
    置。
  2. 【請求項2】 片面に複数の電極を有する半導体レーザ
    チップが、該各電極に対向する導電膜パターンを積載面
    上に有したマウント部材に、積載されて構成される半導
    体レーザ装置であって、各電極と、これに対向する導電
    膜パターンとが、それぞれハンダで接続され、各ハンダ
    の間には、樹脂を含む絶縁体が設けられていることを特
    徴とする半導体レーザ装置。
  3. 【請求項3】 前記マウント部材の半導体レーザチップ
    積載面において、前記樹脂を含む絶縁体に接する部分に
    は、凹部が設けられることを特徴とする、請求項1、2
    のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
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