JPH11143127A - 電子写真トナー用バインダー樹脂および静電荷像現像用トナー - Google Patents

電子写真トナー用バインダー樹脂および静電荷像現像用トナー

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JPH11143127A
JPH11143127A JP31368997A JP31368997A JPH11143127A JP H11143127 A JPH11143127 A JP H11143127A JP 31368997 A JP31368997 A JP 31368997A JP 31368997 A JP31368997 A JP 31368997A JP H11143127 A JPH11143127 A JP H11143127A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真、静電潜像、静電印刷などにお
ける静電荷像用トナーに関し、低温定着性及びホットオ
フセット性、保存性にすぐれたトナーを提供する。 【解決手段】 バインダー樹脂が、THF不溶分を10
〜30%含有し、そのレオロジー特性が周波数0.01
〜1rad/sec、温度130〜160℃の範囲で周
波数掃引したときの貯蔵弾性率(G´)が1×103
1×105dyne/cm2であるもの。ポリエステル樹
脂が適し、ガラス転移点が55〜65℃、バインダ樹脂
のGPCによる分子量分布において2000〜5000
の領域にメインピークを有しているものが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真、静電記
録、静電印刷などにおける静電荷像を現像するために用
いるトナーに関し、特にそのバインダー樹脂の改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】加熱ローラの定着機構を備えた複写装置
に使用される現像用トナーは、加熱ローラ表面とトナー
像が溶融状態で加圧下で接触するため、トナー像の一部
がローラ表面を介しペーパーオフセット現象を生じさせ
る。
【0003】オフセット現象の生じないトナーを得るこ
とは、定着器に多くの電力を使わず、しかもヒートロー
ルを使用した高速な複写機、いわゆる省力高速複写機へ
の適用を考えるときより困難な問題にあう。即ち、オフ
セット現象が起こらないためには、トナーに使うバイン
ダーポリマーはできるだけ強靭であり、かつ十分な溶融
流動性が要求される。しかし、溶融流動性を持たせるた
めには相当高温までトナーを加熱しなければならず、こ
のことは省力という要請を満たさないことになる。した
がって、省力であるためには、低温で定着することが要
求され、ガラス転移点及び分子量の低い樹脂を使用する
ことが好ましい。しかし、分子量の低い樹脂は当然強靭
性がなく、オフセット現象を生じやすくなり、耐オフセ
ット性と同時に定着性までも満足するものは得られてい
ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以下の諸点を
目的とするものである。
【0005】(1)熱ロール定着方式に適し、低温定着
性及び耐ホットオフセット性に優れたトナー用バインダ
ー樹脂、及びこの樹脂からなるトナーを提供すること。
【0006】(2)保存性のよいトナーを提供するこ
と。
【0007】(3)トナー製造時における粉砕性をあげ
生産性のよいトナーを提供すること。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成より
なる。
【0009】(1)電子写真トナー用バインダー樹脂に
おいて、THF不溶分を10〜30%含有し、そのレオ
ロジー特性が周波数0.01〜1rad/sec、温度
130〜160℃の範囲で周波数掃引したときの貯蔵弾
性率(G´)が1×103〜1×105dyne/cm2
であることを特徴とする電子写真トナー用バインダー樹
脂。
【0010】(2)トナー用バインダー樹脂がポリエス
テル樹脂から構成されていることを特徴とする前記
(1)記載の電子写真トナー用バインダー樹脂。
【0011】(3)バインダー樹脂のガラス転移点が5
5〜65℃であることを特徴とする前記(1)又は
(2)記載の電子写真トナー用バインダー樹脂。
【0012】(4)バインダー樹脂のGPCによる分子
量分布において、2000〜5000の領域にメインピ
ークを有していることを特徴とする前記(1)ないし
(3)のいずれかに記載の電子写真トナー用バインダー
樹脂。
【0013】(5)前記(1)ないし(4)のいずれか
に記載のバインダー樹脂と、少なくとも着色剤、帯電制
御剤を溶融混練することにより得られることを特徴とす
る静電荷像現像用トナー。
【0014】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0015】まず請求項1において規定したレオロジー
特性に関する説明をする。
【0016】トナー用バインダー樹脂は典型的な粘性と
弾性、双方の性質をもつ粘弾性体であり、この粘弾特性
の定量的な解析が必要である。バインダー樹脂のレオロ
ジー特性において、貯蔵弾性率(G´)は組成物の凝集
力に関するものであり、一方損失弾性率(G'')は組成
物の粘性に関するものである。バインダー樹脂のレオロ
ジー特性は、この樹脂と着色剤及び帯電制御剤、必要で
あれば離型剤その他添加剤とともに溶融混練して得られ
る、トナー組成物の定着性、耐ホットオフセット性に密
接な関係がある。
【0017】一般的に高分子樹脂のレオロジー特性は、
ガラス状領域、転移領域、ゴム状領域、流動域の4つの
領域を示す。
【0018】樹脂中のTHF不溶分は架橋による網目構
造を有し、これは1rad/sec以下の低周波数側の
長いタイムスケールにおいてもある一定のレベルの貯蔵
弾性率(G´)が保たれる。
【0019】このときのG´の高さは樹脂の架橋の構造
により決定されるものであり、その架橋構造は該バイン
ダー樹脂を溶融混練したときのトナーの凝集力に大きく
かかわる。
【0020】そこで本発明者はバインダー樹脂のレオロ
ジー特性と該バインダー樹脂を溶融混練して得られるト
ナー組成物の定着性、耐ホットオフセット性との相関性
について研究した結果、以下の新事実を発見した。
【0021】定着性と耐ホットオフセット性に優れたト
ナー用バインダー樹脂を得るためには、THF不溶分を
10〜30%含有し、そのレオロジー特性が周波数0.
01〜1rad/sec、130〜160℃の範囲で周
波数掃引したときの貯蔵弾性率(G´)が1×103
1×105dyne/cm2の範囲であることがよい。
【0022】130〜160℃の範囲で周波数掃引した
ときのバインダー樹脂の貯蔵弾性率(G´)が1×10
3dyne/cm2未満になると、溶融混練時の分子切断
によりトナーの凝集力が急激に低下し、耐ホットオフセ
ット性が悪くなる。(G´)が1×105dyne/c
2より大きくなるとトナーの耐ホットオフセット性は
よくなるが凝集力が増大して定着性が悪くなり、さらに
は他材料との溶融混練時に機械への負荷が大きくなるた
め材料の供給量を少なくしなければならないという問題
が生じる。また、バインダー樹脂のTHF不溶分は10
〜30%含有することがよい。10%未満であれば(G
´)が1×103dyne/cm2未満になり、また30
%を越えると(G´)が1×105dyne/cm2より
大きくなってしまう。
【0023】以下にトナーの動的粘弾性を測定する方法
を示す。
【0024】トナーを熱プレスにて、20mm×20m
m四方で厚みが2mmのシートに成形して試料を作製す
る。(株)レオロジ製のDVE型レオスペクトラーを測
定装置として使用し、前記試料を所定の温度に維持し
て、強制振動非共振法により剪断方向に正弦振動(測定
周波数0.01〜1rad/sec)を加え、超微小変
位下での応力レスポンスを測定し、その動力と動歪とか
ら、公知の算出法で貯蔵弾性率(G´)、損失弾性率
(G'')、及び正接損失(tanδ)を求める。
【0025】次にTHF不溶分の測定法を下記に示す。
【0026】樹脂約1.0gを秤量し、これにTHF約
50gを加えて20℃で24時間静置する。これをまず
遠心分離で分け、JIS規格(P3801)5種Cの定
量瀘紙を用いて常温瀘過する。続いて瀘紙残渣が不溶分
であり、用いた瀘紙と瀘紙残渣の比率(重量%)で表
す。
【0027】本発明においてはポリエステル樹脂から構
成されていることが好ましい。
【0028】また、本発明のトナー用バインダー樹脂の
ガラス転移点は55〜65℃であることがよい。55℃
以下では本バインダー樹脂を使用した時のトナーの保存
性が悪化し、65℃以上では定着性が悪くなるからであ
る。
【0029】さらに本発明のバインダー樹脂を使用した
時のトナーの定着性、及びトナー製造時における粉砕性
を向上するためには、バインダー樹脂のTHF可溶分の
分子量分布を規定することが望ましい。つまり樹脂をT
HFに溶解させ、その溶解成分をGPCで測定した時の
分子量が、2000〜5000の領域にメインピークを
有することにより、トナーの定着性、粉砕性が向上す
る。
【0030】ここで、GPCによる測定法を説明してお
けば次のとおりである。すなわち、40℃のヒートチャ
ンバー中でカラムを安定させ、この温度におけるカラム
に、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、試料
濃度として0.05〜0.6重量%に調製した樹脂のT
HF試料溶液を50〜200μl注入して測定する。試
料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布
を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された
検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検
量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えばP
ressureChemical Co.あるいは東洋
ソーダ工業社製の分子量が6×102、2.1×103
4×103、1.75×104、5.1×104、1.1
×105、3.9×105、8.6×105、2×106
4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度
の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である検出器
にはRI(屈折率)検出器を用いる。
【0031】本発明において、バインダーとして用いる
ポリエステル樹脂は、アルコール成分とカルボン酸成分
との縮重合によって得られるが、用いられるアルコール
成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロ
ピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、
1,4−ブテンジオール等のジオール類、1,4−ビス
(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、及びビスフェノ
ールA、水素添加ビスフェノールA、その他の二価のア
ルコール単量体を挙げることができる。
【0032】また、カルボン酸成分としては、例えばマ
レイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、イ
タコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、
アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらの酸無水物
又は低級アルキルエステル、リノレイン酸の二量体、そ
の他の二価の有機酸単量体を挙げることができる。
【0033】本発明において用いるポリエステル樹脂
は、以上の二官能性単量体のみならず、三官能以上の多
官能性単量体によるカルボン酸成分として三価以上の多
価カルボン酸単量体又はその酸無水物を含有する重合体
である。かかる多官能性単量体である三価以上の多価カ
ルボン酸単量体としては、例えば1,2,4−ベンゼン
トリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン
酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,
5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフ
タレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボ
ン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−
ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシ
ルプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、
1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンボー
ル三量体酸、及びこれらの酸無水物、その他を挙げるこ
とができる。
【0034】本発明に使用される三価以上の多価アルコ
ールは一般に三価以上の多価アルコールとして知られて
いるものであればよい。例えばグリセリン、1,1,1
−トリメチロールエタン、1,1,1−トリメチロール
プロパン、1,1,1−トリメチロールブタン、ペンタ
エリスリトール、1,1,2,2−テトラメチロールエ
タン、1,3,3,3−テトラメチロールプロパン、ソ
ルビトール、及びポリビニルアルコール等が挙げられ
る。これらは1種もしくは2種以上の混合系で使用され
る。
【0035】本発明のポリエステルを得るための製造方
法は特に限定されるものではなく、エステル化反応は公
知の方法によって行うことができる。エステル交換反応
は公知の方法によって行うことができ、この際公知のエ
ステル交換触媒を使用することができる。例えば、酢酸
マグネシウム、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸カルシウ
ム、酢酸スズ、酢酸鉛、チタンテトラブトキシサイド等
が挙げられる。
【0036】重縮合反応は公知の方法によって行うこと
ができ、この際公知の重合触媒を使用できる。具体例と
しては、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム等が挙
げられる。
【0037】本発明によって用いるその他の結着樹脂と
しては、公知のものがすべて使用できる。例えば、ポリ
スチレン、ポリ−p−スチレン、ポリビニルトルエン等
のスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−
クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合
体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ア
クリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル
共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチ
レン−メタアクリル酸エチル教共重合体、スチレン−メ
タアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル
酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル
酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合
体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレ
ン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン
−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル
共重合体等のスチレン系共重合体、ポリメチルメタクリ
レート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、
ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
エステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブ
チラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、
テルペン樹脂、フェノール樹脂脂肪族又は脂肪族炭化水
素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフ
ィンワックス等が単独あるいは混合して使用できる。そ
の中でも更に定着温度領域を広げるためには、ポリエス
テル樹脂を用いることが有効である。
【0038】以上のような結着樹脂、着色剤及び/又は
磁性粉、並びに必要に応じて帯電制御剤、その他の添加
剤と適宜溶融混合して静電荷像現像用トナーとすること
ができる。
【0039】着色剤としては、カーボンブラック、酸化
鉄顔料、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリー
ン、ローダミン6Gケーキ、ウォッチングレッドストロ
ンチウム等、従来公知のものを使用することができる。
トナー中に含まれる着色剤の量は、1〜60重量%の範
囲で適宜選択して使用する。
【0040】帯電制御剤としては、ニグロシン染料、脂
肪酸変性ニグロシン染料、含金属ニグロシン染料、含金
属脂肪酸変性ニグロシン染料、3,5−ジ−tert−
ブチルサリチル酸のクロム錯体等を使用することがで
き、通常、トナー中に0〜20重量%使用する。
【0041】離型剤としては、融点が70℃〜170℃
にあるワックスが用いられる。離型剤の具体例として
は、カルナバワックス、モンタンワックス、サゾールワ
ックス、パラフィンワックス、低分子量ポリエチレン、
低分子量ポリプロピレン、エチレン−酢ビ共重合体等が
挙げられる。これらは、トナー中に1〜10重量%の範
囲で加えられる。
【0042】その他の添加剤としては、シリカ粉末、疎
水性シリカ粉末、ポリオレフィン、パラフィンワック
ス、フルオロカーボン化合物、脂肪酸エステル、部分ケ
ン化脂肪酸エステル、脂肪酸金属塩等を使用することが
でき、これらは通常トナー中に0.1〜5重量%使用さ
れる。
【0043】本発明のトナーは乾式一成分系現像剤及び
二成分系現像剤のいずれにも使用できる。一成分系現像
剤の場合の磁性体としては、フェライト、マグネタイト
等をはじめとする鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性を
示す元素を含む合金、あるいは化合物又は強磁性元素を
含まないが適当に熱処理することによって強磁性を示す
ようになった合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム
あるいはマンガン−銅−スズ等のマンガンと銅とを含む
ホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、又は、二酸化ク
ロム等を挙げることができる。磁性体は平均粒径0.3
〜30μmの微粉末の形でバインダー樹脂中に均一に分
散される。磁性体粒子の含有量は、トナー中20〜70
重量%、好ましくは40〜70重量%が望ましい。
【0044】二成分系現像剤におけるトナーとしては、
一般に用いられているのと同様に着色剤、結着樹脂及び
荷電制御剤を主成分としたもので構成される。
【0045】本発明に係るトナー組成物は任意の周知の
トナー混合法及び粉砕法によって作られる。例えば、全
ての成分をそれぞれ所定量で配合し、混合し、かつ粉砕
することによって全成分を十分に混合し、次いで得られ
た混合物を微粉化する。トナー粉末を形成する他の周知
の方法においては着色剤、樹脂及び溶媒をボールミルに
かけ、そのトナー調合品混合物を噴霧乾燥させる。
【0046】本発明に係るトナー組成物をカスケード現
像法、磁気ブラシ現像法、O−シェル現像法によって使
用するためには、該組成物は重量百分率で表わした平均
粒度が約30μm以下でなければならず、最適結果を生
むためにはこの平均粒度が約4〜20μmの間にあるこ
とが望ましい。粉末現像法において使用するためには1
μmよりも僅かばかり小さい粒径のものが望ましい。
【0047】カスケード現像法、磁気ブラシ現像法で使
用される被覆されたキャリア及び被覆されていないキャ
リアは周知であるが、トナー粉末がキャリア粒子に付着
してそれらを包囲するようにキャリア粒子がトナー粉末
と密接に接触させられる時に、トナー粉末がキャリア粒
子の電荷とは反対極性の電荷を獲得するものであればキ
ャリア粒子は任意の適当な材料で形成されてもよい。し
たがって、本発明に係るトナー組成物は、従来の光導電
性表面を含んだ任意の適当な静電潜像を帯びた表面上で
静電潜像を現像するために通常のキャリアと混合して使
用される。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を更に
具体的に説明する。
【0049】なお、本発明はこれら実施例及び比較例に
限定されるものではない。
【0050】◎ポリエステル樹脂A−1、A−2、A−
3(比較例)を次のように合成した。表1処方の各材料
をガラス製3Lの4つ口フラスコに入れ、温度計、ステ
ンレス製撹拌棒、流化式コンデンサー及びチッ素導入管
を取り付け、マントルヒータ中でチッ素気流化にて所定
温度で6時間反応した結果、増粘し、撹拌トルクが所定
のトルクに到達した時点で反応温度を下げ反応を終了
し、A−1を得た。
【0051】
【表1】
【0052】◎ビニル系樹脂C−1、C−2の合成 冷却管、撹拌器、ガス導入管及び温度計を取り付けた3
Lのフラスコにイオン交換水及びモノマーを仕込む。そ
の処方例は表2に実施例C−1、C−2、比較例C−3
として記す。液は撹拌しながら加熱し、規定の反応温度
まで昇温し反応する時間は全て12時間とした。得られ
た重合物は水洗いし、常温10トールにて乾燥し、揮発
分1%以下の粉状粉体を得た。
【0053】
【表2】
【0054】以下にバインダー樹脂A−1〜3、C−1
〜3の物性を示す。
【0055】
【表3】
【0056】◎トナー実施例T−1〜5及び比較例T−
6〜9の調製及び評価 表4処方量を2本ロールミルで150℃、20分間加熱
混練した。これをハンマーミルで粗粉砕し、ジェット式
エアーミルで微粉砕した。これを分級し粒径10〜11
μmにそろえた。次に、トナー50gとEFV200/
300(日本鉄粉製)950gとを混合し、十分振り混
ぜて現像剤とした。複写機(リコー製、FT7500)
において現像剤の評価を実施した。
【0057】(定着性試験)定着ローラーの設定温度を
100〜150℃まで5℃ずつ段階的に上昇させて、所
定の箇所のマクベス濃度計による画像濃度が1.2とな
る複写画像を形成した。次に、これらの各温度の複写画
像について、砂消しゴムを装着したクロックメーターを
10回擦り、その前後の画像濃度を測定し、以下の式に
よる定着率が70%を越えたときの定着ローラーの最低
設定温度を定着下限温度とした。
【0058】定着率(%)=(砂消しゴム10回後の画
像濃度/前の画像濃度)×100 (耐オフセット試験)定着ローラーの設定温度を160
〜240℃まで5℃ずつ段階的に上昇させることにより
ホットオフセットは発生温度を測定した。オフセット現
象の有無は、各設定温度において、複写画像の形成直後
に白紙の普通紙を通紙し、この普通紙にトナー汚れが生
ずるか否かを目視により判断した。
【0059】また、これらの実施例及び比較例のトナー
について、以下の各種評価を行った。
【0060】(耐熱保存性試験)ガラス容器にトナーを
充填し、60℃の恒温槽にて4時間放置後、24℃に冷
却し、針入度試験(JIS K2 235−1991)
にて針入度を測定した。針入度が大きいほど、熱に対す
る保存性が優れている。
【0061】(粉砕性試験)ジェット粉砕機を用い、混
練物を粉砕する際の混練物の供給量を2.0kg/Hに
固定し、体積平均粒径10.0μmとなるような粉砕圧
力を求めた。
【0062】粉砕圧力が小さいほど、粉砕性が良好であ
り、トナーの生産性が向上する。
【0063】(混練供給性試験)二本ロールミルを用
い、原材料混合物(表4のトナー処方混合物)を供給、
混練し、二本ロールの出口から吐出される混練物の粘度
が105poiseになるときの原材料の供給量を求め
た。供給量が多いほど、トナーの生産性が向上する。こ
のときの結果を表4に示した。
【0064】
【表4】
【0065】
【発明の効果】本発明の効果を列記すると次のとおりで
ある。
【0066】1.請求項1に記載したバインダー樹脂を
使用することにより、トナーの耐ホットオフセット性が
良好なトナーが得られる。
【0067】2.請求項2に記載したバインダー樹脂を
使用することにより、耐ホットオフセット性に優れさら
に低温定着性が良好なトナーを得ることができる。
【0068】3.請求項3に記載したバインダー樹脂を
使用することにより、さらにトナーの保存性を良好にす
ることができる。
【0069】4.請求項4に記載したバインダー樹脂を
使用することにより、さらにトナー製造時の粉砕性を向
上することができる。
【0070】5.請求項5に記載したトナーは定着性、
耐ホットオフセット性、保存性のバランスに優れ、さら
に製造時の粉砕性が向上するという極めてすぐれた効果
を有する。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真トナー用バインダー樹脂におい
    て、THF不溶分を10〜30%含有し、そのレオロジ
    ー特性が周波数0.01〜1rad/sec、温度13
    0〜160℃の範囲で周波数掃引したときの貯蔵弾性率
    (G´)が1×103〜1×105dyne/cm2であ
    ることを特徴とする電子写真トナー用バインダー樹脂。
  2. 【請求項2】 トナー用バインダー樹脂がポリエステル
    樹脂から構成されていることを特徴とする請求項1記載
    の電子写真トナー用バインダー樹脂。
  3. 【請求項3】 バインダー樹脂のガラス転移点が55〜
    65℃であることを特徴とする請求項1又は2記載の電
    子写真トナー用バインダー樹脂。
  4. 【請求項4】 バインダー樹脂のGPCによる分子量分
    布において、2000〜5000の領域にメインピーク
    を有していることを特徴とする請求項1ないし3のいず
    れかに記載の電子写真トナー用バインダー樹脂。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載のバ
    インダー樹脂と、少なくとも着色剤、帯電制御剤を溶融
    混練することにより得られることを特徴とする静電荷像
    現像用トナー。
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