JPH11140011A - 4−アルケニルベンズアルデヒド及びその製造方法 - Google Patents
4−アルケニルベンズアルデヒド及びその製造方法Info
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- JPH11140011A JPH11140011A JP30267997A JP30267997A JPH11140011A JP H11140011 A JPH11140011 A JP H11140011A JP 30267997 A JP30267997 A JP 30267997A JP 30267997 A JP30267997 A JP 30267997A JP H11140011 A JPH11140011 A JP H11140011A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 液晶化合物に有用な新規化合物等を容易に製
造するために、4位にアルケニル基を置換基として有す
るベンズアルデヒド誘導体及びその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 【化1】 (R:H又はC数1〜5のアルキル、m:0〜4)で表
される化合物及びこの化合物の製造方法。
造するために、4位にアルケニル基を置換基として有す
るベンズアルデヒド誘導体及びその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 【化1】 (R:H又はC数1〜5のアルキル、m:0〜4)で表
される化合物及びこの化合物の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機電子材料や医農
薬、特に電気光学的液晶表示用ネマチック液晶材料の製
造中間体として有用な4−アルケニルベンズアルデヒド
及びその製造方法に関する。
薬、特に電気光学的液晶表示用ネマチック液晶材料の製
造中間体として有用な4−アルケニルベンズアルデヒド
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、時計、電卓をはじめと
して、各種測定機器、自動車用パネル、ワードプロセッ
サー、電子手帳、プリンター、コンピューター、テレビ
等に用いられるようになっている。液晶表示方式として
は、その代表的なものにTN(捩れネマチック)型、S
TN(超捩れネマチック)型、DS(動的光散乱)型、
GH(ゲスト・ホスト)型あるいはFLC(強誘電性液
晶)等があり、また駆動方式としても従来のスタティッ
ク駆動からマルチプレックス駆動が一般的になり、さら
に単純マトリックス方式、最近ではアクティブマトリッ
クス方式が実用化されている。これらの表示方式や駆動
方式に応じて、液晶材料としても種々の特性が要求され
ており、非常に多くの液晶化合物が用いられている。
して、各種測定機器、自動車用パネル、ワードプロセッ
サー、電子手帳、プリンター、コンピューター、テレビ
等に用いられるようになっている。液晶表示方式として
は、その代表的なものにTN(捩れネマチック)型、S
TN(超捩れネマチック)型、DS(動的光散乱)型、
GH(ゲスト・ホスト)型あるいはFLC(強誘電性液
晶)等があり、また駆動方式としても従来のスタティッ
ク駆動からマルチプレックス駆動が一般的になり、さら
に単純マトリックス方式、最近ではアクティブマトリッ
クス方式が実用化されている。これらの表示方式や駆動
方式に応じて、液晶材料としても種々の特性が要求され
ており、非常に多くの液晶化合物が用いられている。
【0003】液晶化合物は、構造的には分子中央のコア
部分と両側の側鎖部分に分けることができるが、この側
鎖としては通常アルキル基が最もよく用いられている。
最近、側鎖としてこのアルキル基に換えて、アルケニル
基を有する液晶材料も用いられるようになってきてお
り、粘性の低下や温度範囲の拡大あるいは屈折率異方性
の増大等に効果があることが確認されている。
部分と両側の側鎖部分に分けることができるが、この側
鎖としては通常アルキル基が最もよく用いられている。
最近、側鎖としてこのアルキル基に換えて、アルケニル
基を有する液晶材料も用いられるようになってきてお
り、粘性の低下や温度範囲の拡大あるいは屈折率異方性
の増大等に効果があることが確認されている。
【0004】ところで、これらアルケニル系の液晶化合
物において、多くはそのアルケニル基がシクロヘキサン
環に連結した化合物であり、それと比較するとアルケニ
ル基がベンゼン環に結合した構造を有するアルケニルベ
ンゼン誘導体の液晶化合物の例はあまり多くない。この
原因として、アルケニルベンゼン誘導体を合成するため
の製造中間体があまり知られていないか、あるいは得難
かったことがあげられる。
物において、多くはそのアルケニル基がシクロヘキサン
環に連結した化合物であり、それと比較するとアルケニ
ル基がベンゼン環に結合した構造を有するアルケニルベ
ンゼン誘導体の液晶化合物の例はあまり多くない。この
原因として、アルケニルベンゼン誘導体を合成するため
の製造中間体があまり知られていないか、あるいは得難
かったことがあげられる。
【0005】本発明者らはこれまでに公知の化合物であ
る4−ブロモ−1−(3−ブテニル)ベンゼン(Quelet
t, Compt. Rend., 186, p765)から、4−ヨード−
1−(3−ブテニル)ベンゼンや1−エチニル−4−
(3−ブテニル)ベンゼン等のアルケニルベンゼン誘導
体を製造し、これらを中間体としてアルケニルビフェニ
ル誘導体(A)
る4−ブロモ−1−(3−ブテニル)ベンゼン(Quelet
t, Compt. Rend., 186, p765)から、4−ヨード−
1−(3−ブテニル)ベンゼンや1−エチニル−4−
(3−ブテニル)ベンゼン等のアルケニルベンゼン誘導
体を製造し、これらを中間体としてアルケニルビフェニ
ル誘導体(A)
【0006】
【化3】
【0007】(式中、R1は炭素原子数1〜5のアルキ
ル基を表し、kは0〜4の整数を表し、R2はアルキル
基またはアルケニル基を表す。)や、アルケニルトラン
誘導体(B)
ル基を表し、kは0〜4の整数を表し、R2はアルキル
基またはアルケニル基を表す。)や、アルケニルトラン
誘導体(B)
【0008】
【化4】
【0009】(式中、R1は炭素原子数1〜5のアルキ
ル基を表し、kは0〜4の整数を表し、R2はアルキル
基またはアルケニル基を表す。)等の液晶化合物を製造
し、これらが優れた特性を有し、液晶材料として有用で
あることを報告してきた。 しかしながら、アルケニル
基がベンゼン環に直結した構造を有する、フェニルジオ
キサン誘導体やアジン誘導体あるいはベンジリデンアミ
ノベンゼン誘導体等の有用と考えられる化合物群は、そ
の製造が容易でないこともあって未だ報告例がない。
ル基を表し、kは0〜4の整数を表し、R2はアルキル
基またはアルケニル基を表す。)等の液晶化合物を製造
し、これらが優れた特性を有し、液晶材料として有用で
あることを報告してきた。 しかしながら、アルケニル
基がベンゼン環に直結した構造を有する、フェニルジオ
キサン誘導体やアジン誘導体あるいはベンジリデンアミ
ノベンゼン誘導体等の有用と考えられる化合物群は、そ
の製造が容易でないこともあって未だ報告例がない。
【0010】従って、これらの新規液晶化合物を容易に
製造するために、これらの製造中間体として利用可能な
化合物が求められていた。
製造するために、これらの製造中間体として利用可能な
化合物が求められていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、上記の目的に応じるため、4位にアルケニ
ル基を置換基として有するベンズアルデヒド誘導体を提
供することにあり、さらに既存公知の化合物からその簡
便な製造方法を提供するものである。
する課題は、上記の目的に応じるため、4位にアルケニ
ル基を置換基として有するベンズアルデヒド誘導体を提
供することにあり、さらに既存公知の化合物からその簡
便な製造方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、 1.一般式(I)
決するために、 1.一般式(I)
【0013】
【化5】
【0014】(式中、Rは水素原子または炭素原子数1
〜5のアルキル基を表し、mは0〜4の整数を表す。)
で表される化合物。 2.一般式(I)において、mが0であるところの上記
1記載の化合物。 3.一般式(I)において、Rが水素原子を表すところ
の上記1または2記載の化合物。 4.一般式(II)
〜5のアルキル基を表し、mは0〜4の整数を表す。)
で表される化合物。 2.一般式(I)において、mが0であるところの上記
1記載の化合物。 3.一般式(I)において、Rが水素原子を表すところ
の上記1または2記載の化合物。 4.一般式(II)
【0015】
【化6】
【0016】(式中、Rは水素原子または炭素原子数1
〜5のアルキル基を表し、mは0〜4の整数を表し、W
はMgBr、MgIまたはLiを表す。)で表される有
機金属反応剤をホルミル化剤と反応させることを特徴と
する上記1記載の一般式(I)で表される化合物の製造
方法。 5.ホルミル化剤がN,N−ジメチルホルムアミドであ
るところの上記4記載の製造方法。 を前記課題の解決手段として見出した。
〜5のアルキル基を表し、mは0〜4の整数を表し、W
はMgBr、MgIまたはLiを表す。)で表される有
機金属反応剤をホルミル化剤と反応させることを特徴と
する上記1記載の一般式(I)で表される化合物の製造
方法。 5.ホルミル化剤がN,N−ジメチルホルムアミドであ
るところの上記4記載の製造方法。 を前記課題の解決手段として見出した。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の4−アルケニルベ
ンズアルデヒド及びその製造方法の一例について説明す
る。
ンズアルデヒド及びその製造方法の一例について説明す
る。
【0018】即ち、一般式(I)
【0019】
【化7】
【0020】で表される4−アルケニルベンズアルデヒ
ドは、式中、Rは水素原子または炭素原子数1〜5のア
ルキル基を表すが、水素原子またはメチル基が好まし
く、水素原子が特に好ましい。また、Rがアルキル基で
ある場合、二重結合はトランス配置が好ましい。mは0
〜4の整数を表すが、0〜2が好ましく、0が特に好ま
しい。
ドは、式中、Rは水素原子または炭素原子数1〜5のア
ルキル基を表すが、水素原子またはメチル基が好まし
く、水素原子が特に好ましい。また、Rがアルキル基で
ある場合、二重結合はトランス配置が好ましい。mは0
〜4の整数を表すが、0〜2が好ましく、0が特に好ま
しい。
【0021】従って、一般式(I)の化合物としては以
下の(Ia)〜(Id)
下の(Ia)〜(Id)
【0022】
【化8】
【0023】が好ましく、特に4−(3−ブテニル)ベ
ンズアルデヒド(Ia)が最も好ましい。(I)の4−
アルケニルベンズアルデヒドは以下のようにして製造す
ることができる。即ち、一般式(II)
ンズアルデヒド(Ia)が最も好ましい。(I)の4−
アルケニルベンズアルデヒドは以下のようにして製造す
ることができる。即ち、一般式(II)
【0024】
【化9】
【0025】(式中、R及びmは一般式(I)における
と同じ意味を表し、WはMgBr、MgIまたはLiを
表す。)で表される有機金属反応剤にホルミル化剤を反
応させ、必要に応じて酸処理等を行うことにより容易に
得ることができる。ここで、ホルミル化剤としてはN,
N−ジメチルホルムアミド(DMF)等のホルムアミド
誘導体やオルトぎ酸メチル、オルトぎ酸エチル等のぎ酸
オルトエステル等を用いることができるが、DMFが特
に好ましい。また、一般式(II)の有機金属反応剤は
そのWに応じてそれぞれ以下のようにして製造すること
ができる。
と同じ意味を表し、WはMgBr、MgIまたはLiを
表す。)で表される有機金属反応剤にホルミル化剤を反
応させ、必要に応じて酸処理等を行うことにより容易に
得ることができる。ここで、ホルミル化剤としてはN,
N−ジメチルホルムアミド(DMF)等のホルムアミド
誘導体やオルトぎ酸メチル、オルトぎ酸エチル等のぎ酸
オルトエステル等を用いることができるが、DMFが特
に好ましい。また、一般式(II)の有機金属反応剤は
そのWに応じてそれぞれ以下のようにして製造すること
ができる。
【0026】W=MgBrの場合:公知の4−ブロモ−
1−アルケニルベンゼン(IIIa)
1−アルケニルベンゼン(IIIa)
【0027】
【化10】
【0028】(式中、R及びmは一般式(I)における
と同じ意味を表す。)をマグネシウムと反応させること
により調製できる。 W=MgIの場合:(IIIa)から調製した4−ヨー
ド−1−アルケニルベンゼン(IIIb)
と同じ意味を表す。)をマグネシウムと反応させること
により調製できる。 W=MgIの場合:(IIIa)から調製した4−ヨー
ド−1−アルケニルベンゼン(IIIb)
【0029】
【化11】
【0030】(式中、R及びmは一般式(I)における
と同じ意味を表す。)を(IIIa)の場合と同様にし
てマグネシウムと反応させることにより調製できる。 W=Liの場合:(IIIa)あるいは(IIIb)を
n−ブチルリチウム等のアルキルリチウムと反応させる
か、あるいは直接リチウム金属と反応させることにより
調製できる。
と同じ意味を表す。)を(IIIa)の場合と同様にし
てマグネシウムと反応させることにより調製できる。 W=Liの場合:(IIIa)あるいは(IIIb)を
n−ブチルリチウム等のアルキルリチウムと反応させる
か、あるいは直接リチウム金属と反応させることにより
調製できる。
【0031】以上のうち、WとしてMgBrを用いるこ
とが全体としての工程も少なく、コストも少なくてすむ
ので最も好ましい。反応は溶媒中で行われ、溶媒として
はテトラヒドロフラン(THF)等のエーテル系溶媒、
トルエン等の炭化水素系溶媒あるいはこれらの混合溶媒
を用いることができるが、通常、THF等のエーテル系
溶媒が好ましい。反応は−78℃から溶媒の還流温度ま
での広い温度範囲で可能であるが、−20℃か50℃程
度の範囲内が好ましい。
とが全体としての工程も少なく、コストも少なくてすむ
ので最も好ましい。反応は溶媒中で行われ、溶媒として
はテトラヒドロフラン(THF)等のエーテル系溶媒、
トルエン等の炭化水素系溶媒あるいはこれらの混合溶媒
を用いることができるが、通常、THF等のエーテル系
溶媒が好ましい。反応は−78℃から溶媒の還流温度ま
での広い温度範囲で可能であるが、−20℃か50℃程
度の範囲内が好ましい。
【0032】斯くして一般式(I)の4−アルケニルベ
ンズアルデヒドを製造することができるが、本発明はこ
の製造方法をも提供するものである。また、斯くして得
られた一般式(I)の4−アルケニルベンズアルデヒド
はアルケニルアジン誘導体をはじめとする各種液晶化合
物の合成中間体として好適に使用することができる。
ンズアルデヒドを製造することができるが、本発明はこ
の製造方法をも提供するものである。また、斯くして得
られた一般式(I)の4−アルケニルベンズアルデヒド
はアルケニルアジン誘導体をはじめとする各種液晶化合
物の合成中間体として好適に使用することができる。
【0033】例えば、(I)の化合物をヒドラジンと反
応させることにより一般式(III)
応させることにより一般式(III)
【0034】
【化12】
【0035】(式中、R及びmは前述の意味を表す。)
で表されるジアルケニルアジン誘導体を製造することが
できる。あるいは(I)を大過剰のヒドラジンと反応さ
せて一般式(IV)
で表されるジアルケニルアジン誘導体を製造することが
できる。あるいは(I)を大過剰のヒドラジンと反応さ
せて一般式(IV)
【0036】
【化13】
【0037】(式中、R及びmは前述の意味を表す。)
で表されるヒドラゾンを単離し、これを一般式(V)
で表されるヒドラゾンを単離し、これを一般式(V)
【0038】
【化14】
【0039】(式中、R3はアルキル基を表す。)で表
される4−アルキルベンズアルデヒドと反応させること
により、一般式(VI)
される4−アルキルベンズアルデヒドと反応させること
により、一般式(VI)
【0040】
【化15】
【0041】(式中、R、m及びR3は前述の意味を表
す。)で表されるアルケニルアジン誘導体を得ることが
できる。この一般式(III)及び(VI)の化合物の
代表的な例を第1表及び第2表にそれぞれ示す。
す。)で表されるアルケニルアジン誘導体を得ることが
できる。この一般式(III)及び(VI)の化合物の
代表的な例を第1表及び第2表にそれぞれ示す。
【0042】
【表1】
【0043】(表中、Crは結晶相を、Nはネマチック
相を、Iは等方性液体相をそれぞれ示す。)
相を、Iは等方性液体相をそれぞれ示す。)
【0044】
【表2】
【0045】この(III)及び(VI)の化合物は本
発明の(I)の化合物を中間体として用いることによ
り、本発明者らが初めて合成することに成功した化合物
であり、対応するアルキルアジン誘導体(C)
発明の(I)の化合物を中間体として用いることによ
り、本発明者らが初めて合成することに成功した化合物
であり、対応するアルキルアジン誘導体(C)
【0046】
【化16】
【0047】(式中、R3は前述の意味をを表す。)と
比較して、従来の液晶材料との相溶性に優れ、粘性が低
く、かつ液晶相温度範囲が高温域まで広いという特徴を
有する。従って、高速応答性が必要とされる液晶組成物
の構成成分として極めて適したものである。
比較して、従来の液晶材料との相溶性に優れ、粘性が低
く、かつ液晶相温度範囲が高温域まで広いという特徴を
有する。従って、高速応答性が必要とされる液晶組成物
の構成成分として極めて適したものである。
【0048】あるいは(I)の化合物を一般式(VI
I)
I)
【0049】
【化17】
【0050】で表される置換アニリンと反応させること
により、一般式(VIII)
により、一般式(VIII)
【0051】
【化18】
【0052】で表される(4−アルケニルベンジリデ
ン)アミノベンゼン誘導体を製造することができる。一
般式(VII)及び(VIII)において、R及びmは
前述の意味を表し、X1及びX2はそれぞれ独立的に水素
原子またはフッ素原子を表い、nは0または1を表し、
n=1の場合に環Aはフッ素原子により置換されていて
もよい1,4−フェニレン基またはトランス−1,4−
シクロへキシレン基を表し、Z1はフッ素原子により置
換されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基ま
たはアルコキシル基またはアルケニルオキシ基、フッ素
原子、塩素原子またはシアノ基を表すが、n=1であっ
てかつ環Aがトランス−1,4−シクロへキシレン基を
表す場合、Z1はフッ素原子により置換されていてもよ
い炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。
ン)アミノベンゼン誘導体を製造することができる。一
般式(VII)及び(VIII)において、R及びmは
前述の意味を表し、X1及びX2はそれぞれ独立的に水素
原子またはフッ素原子を表い、nは0または1を表し、
n=1の場合に環Aはフッ素原子により置換されていて
もよい1,4−フェニレン基またはトランス−1,4−
シクロへキシレン基を表し、Z1はフッ素原子により置
換されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基ま
たはアルコキシル基またはアルケニルオキシ基、フッ素
原子、塩素原子またはシアノ基を表すが、n=1であっ
てかつ環Aがトランス−1,4−シクロへキシレン基を
表す場合、Z1はフッ素原子により置換されていてもよ
い炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。
【0053】一般式(VIII)の化合物の代表的な例
を第3表に示す。
を第3表に示す。
【0054】
【表3】
【0055】この(VIII)の化合物は対応する一般
式(D)
式(D)
【0056】
【化19】
【0057】(式中、R3、X1、X2、n、環A及びZ1
は一般式(VIII)及び(C)におけると同じ意味を
表す。)で表される(4−アルキルベンジリデン)アミ
ノベンゼン誘導体と比較して、溶解性に優れ、液晶相転
移温度も高いという優れた特徴を示す。
は一般式(VIII)及び(C)におけると同じ意味を
表す。)で表される(4−アルキルベンジリデン)アミ
ノベンゼン誘導体と比較して、溶解性に優れ、液晶相転
移温度も高いという優れた特徴を示す。
【0058】また、(I)の化合物を一般式(IX)
【0059】
【化20】
【0060】で表される2−置換−1,3−ジオールと
反応させることにより、一般式(X)
反応させることにより、一般式(X)
【0061】
【化21】
【0062】で表される5−置換−2−(4−アルケニ
ルフェニル)ジオキサン誘導体を製造することができ
る。一般式(IX)及び(X)において、R及びmは前
述の意味を表し、lは0または1を表し、l=1の場合
に環Bはフッ素原子により置換されていてもよい1,4
−フェニレン基またはトランス−1,4−シクロへキシ
レン基を表し、Z2はフッ素原子により置換されていて
もよい炭素原子数1〜10のアルキル基またはアルコキ
シル基またはアルケニルオキシ基、フッ素原子、塩素原
子またはシアノ基を表すが、l=0の場合及びl=1で
あってかつ環Bがトランス−1,4−シクロへキシレン
基を表す場合、Z2はフッ素原子により置換されていて
もよい炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。
ルフェニル)ジオキサン誘導体を製造することができ
る。一般式(IX)及び(X)において、R及びmは前
述の意味を表し、lは0または1を表し、l=1の場合
に環Bはフッ素原子により置換されていてもよい1,4
−フェニレン基またはトランス−1,4−シクロへキシ
レン基を表し、Z2はフッ素原子により置換されていて
もよい炭素原子数1〜10のアルキル基またはアルコキ
シル基またはアルケニルオキシ基、フッ素原子、塩素原
子またはシアノ基を表すが、l=0の場合及びl=1で
あってかつ環Bがトランス−1,4−シクロへキシレン
基を表す場合、Z2はフッ素原子により置換されていて
もよい炭素原子数1〜10のアルキル基を表す。
【0063】一般式(X)の化合物の代表的な例を第4
表に示す。
表に示す。
【0064】
【表4】
【0065】これら(X)の化合物は対応する一般式
(E)
(E)
【0066】
【化22】
【0067】(式中、R3、l、環B及びZ2は一般式
(X)及び(D)におけると同じ意味を表す。)で表さ
れる5−置換−2−(4−アルキルフェニル)ジオキサ
ン誘導体と比較して、溶解性に優れ、粘性が低いという
特徴を示す。
(X)及び(D)におけると同じ意味を表す。)で表さ
れる5−置換−2−(4−アルキルフェニル)ジオキサ
ン誘導体と比較して、溶解性に優れ、粘性が低いという
特徴を示す。
【0068】以上のように本発明により得られた(I)
の化合物を用いることにより種々の有用な液晶性化合物
を製造できることがわかる。
の化合物を用いることにより種々の有用な液晶性化合物
を製造できることがわかる。
【0069】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に
説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0070】化合物の構造は、核磁気共鳴スペクトル
(NMR)、質量スペクトル(MS)及び赤外吸収スペ
クトル(IR)により確認した。また、組成物における
%は重量%を表す。 (実施例1) 4−(3−ブテニル)ベンズアルデヒド
(Ia)の合成
(NMR)、質量スペクトル(MS)及び赤外吸収スペ
クトル(IR)により確認した。また、組成物における
%は重量%を表す。 (実施例1) 4−(3−ブテニル)ベンズアルデヒド
(Ia)の合成
【0071】
【化23】
【0072】マグネシウム7.8gを乾燥したTHF1
0mL中に懸濁させ、これに4−ブロモ−1−(3−ブ
テニル)ベンゼン(この化合物は4−ブロモベンジルブ
ロミドにグリニヤール反応剤(塩化アリルマグネシウ
ム)を反応させることにより製造した。)64.5gの
THF250mL溶液を溶媒が穏やかに還流を続ける速
度で滴下した。滴下終了後、1時間攪拌し、室温まで放
冷した。これにN,N’−ジメチルホルムアミド(DM
F)26.8gのTHF60mL溶液を10℃で1時間
で滴下した。滴下終了後、1時間攪拌した後、水次いで
希塩酸を加え、水層を弱酸性に調整した後、ヘキサンで
抽出した。有機層を水、次いで飽和食塩水で洗滌し無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜去して得られた粗
生成物を減圧蒸留(95℃/1.5mmHg)して、4
−(3−ブテニル)ベンズアルデヒド44.9gを得
た。 NMR:δ=2.3〜2.8(m,4H),4.9〜
5.2(m,1H),7.4(d,2H,J=7.9H
z),7.8(d,2H,J=7.9Hz),10.0
(S,1H) MS:m/e=160(M+) 同様にして以下の化合物を得た。 4−(トランス−3−ペンテニル)ベンズアルデヒド
(Ib) 4−(4−ペンテニル)ベンズアルデヒド(Ic) 4−(5−ヘキセニル)ベンズアルデヒド(Id) (応用例1) 1−[4−(3−ブテニル)ベンジリデ
ン]−2−(4−メチルベンジリデン)ヒドラジン(I
Va−1)の合成
0mL中に懸濁させ、これに4−ブロモ−1−(3−ブ
テニル)ベンゼン(この化合物は4−ブロモベンジルブ
ロミドにグリニヤール反応剤(塩化アリルマグネシウ
ム)を反応させることにより製造した。)64.5gの
THF250mL溶液を溶媒が穏やかに還流を続ける速
度で滴下した。滴下終了後、1時間攪拌し、室温まで放
冷した。これにN,N’−ジメチルホルムアミド(DM
F)26.8gのTHF60mL溶液を10℃で1時間
で滴下した。滴下終了後、1時間攪拌した後、水次いで
希塩酸を加え、水層を弱酸性に調整した後、ヘキサンで
抽出した。有機層を水、次いで飽和食塩水で洗滌し無水
硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を溜去して得られた粗
生成物を減圧蒸留(95℃/1.5mmHg)して、4
−(3−ブテニル)ベンズアルデヒド44.9gを得
た。 NMR:δ=2.3〜2.8(m,4H),4.9〜
5.2(m,1H),7.4(d,2H,J=7.9H
z),7.8(d,2H,J=7.9Hz),10.0
(S,1H) MS:m/e=160(M+) 同様にして以下の化合物を得た。 4−(トランス−3−ペンテニル)ベンズアルデヒド
(Ib) 4−(4−ペンテニル)ベンズアルデヒド(Ic) 4−(5−ヘキセニル)ベンズアルデヒド(Id) (応用例1) 1−[4−(3−ブテニル)ベンジリデ
ン]−2−(4−メチルベンジリデン)ヒドラジン(I
Va−1)の合成
【0073】
【化24】
【0074】ヒドラジン1水和物15.6gに4−(3
−ブテニル)ベンズアルデヒド5.0g(この化合物は
1−(3−ブテニル)−4−ブロモベンゼンをマグネシ
ウムと反応させてグリニヤール反応剤とし、ついでDM
Fと反応させることにより合成した。)をエタノール2
0mLに溶解して加えた。室温で30分間攪拌した後、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20mLを加えた。ジク
ロロメタン10mLを加えた後、10mLの飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液で2回洗滌した。有機層にトリエチ
ルアミン3.5mLを加え、無水硫酸ナトリウムで脱水
乾燥させた。減圧下に溶媒を溜去し、トリエチルアミン
3.5mLを追加し、エタノール20mL及び4−メチ
ルベンズアルデヒド3.75gを加え、室温でさらに3
時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20mL
を加えた後、ジクロロメタン10mLを加え、次いで1
0mLの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗滌後、減圧
下に溶媒を溜去した。残渣をアルミナ(塩基性)カラム
クロマトグラフィー(ジクロロメタン)を用いて精製
し、さらにメタノールから再結晶させて、1−[4−
(3−ブテニル)ベンジリデン]−2−(4−メチルベ
ンジリデン)ヒドラジン7.0gを得た。この化合物の
融点は82℃であり、103℃までネマチック相を示し
た。 (応用例2) 1,2−ビス[4−(3−ブテニル)ベ
ンジリデン]ヒドラジン(III−1)の合成
−ブテニル)ベンズアルデヒド5.0g(この化合物は
1−(3−ブテニル)−4−ブロモベンゼンをマグネシ
ウムと反応させてグリニヤール反応剤とし、ついでDM
Fと反応させることにより合成した。)をエタノール2
0mLに溶解して加えた。室温で30分間攪拌した後、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20mLを加えた。ジク
ロロメタン10mLを加えた後、10mLの飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液で2回洗滌した。有機層にトリエチ
ルアミン3.5mLを加え、無水硫酸ナトリウムで脱水
乾燥させた。減圧下に溶媒を溜去し、トリエチルアミン
3.5mLを追加し、エタノール20mL及び4−メチ
ルベンズアルデヒド3.75gを加え、室温でさらに3
時間攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20mL
を加えた後、ジクロロメタン10mLを加え、次いで1
0mLの飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗滌後、減圧
下に溶媒を溜去した。残渣をアルミナ(塩基性)カラム
クロマトグラフィー(ジクロロメタン)を用いて精製
し、さらにメタノールから再結晶させて、1−[4−
(3−ブテニル)ベンジリデン]−2−(4−メチルベ
ンジリデン)ヒドラジン7.0gを得た。この化合物の
融点は82℃であり、103℃までネマチック相を示し
た。 (応用例2) 1,2−ビス[4−(3−ブテニル)ベ
ンジリデン]ヒドラジン(III−1)の合成
【0075】
【化25】
【0076】ヒドラジン1水和物8.4g及び4−(3
−ブテニル)ベンズアルデヒド45gをメタノール18
0mLに溶解し、室温で2時間攪拌した。ジクロロメタ
ン150mLを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で
2回洗滌した後、無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥させ
た。溶媒を溜去して得られた粗生成物を塩基性アルミナ
カラムクロマトグラフィーを用いて精製し、次いでメタ
ノールから再結晶させて、1,2−ビス[4−(3−ブ
テニル)ベンジリデン]ヒドラジン42gを得た。この
化合物の融点は57℃で116℃までネマチック相を示
した。 (応用例3) 4−メチル−1−[4−(3−ブテニ
ル)ベンジリデン]アミノベンゼン(VIIIa−1)
の合成
−ブテニル)ベンズアルデヒド45gをメタノール18
0mLに溶解し、室温で2時間攪拌した。ジクロロメタ
ン150mLを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で
2回洗滌した後、無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥させ
た。溶媒を溜去して得られた粗生成物を塩基性アルミナ
カラムクロマトグラフィーを用いて精製し、次いでメタ
ノールから再結晶させて、1,2−ビス[4−(3−ブ
テニル)ベンジリデン]ヒドラジン42gを得た。この
化合物の融点は57℃で116℃までネマチック相を示
した。 (応用例3) 4−メチル−1−[4−(3−ブテニ
ル)ベンジリデン]アミノベンゼン(VIIIa−1)
の合成
【0077】
【化26】
【0078】実施例1で得られた4−(3−ブテニル)
ベンズアルデヒド20.0g及び4−メチルアニリン1
3.4gをトルエン80mLに溶解し、室温で3時間攪
拌した。ヘキサン及び水を加え、水層を分離後、ヘキサ
ン層を水で2回洗滌した。無水硫酸水素ナトリウムで脱
水乾燥後、減圧下に溶媒を溜去し、得られた粗生成物4
3gをメタノールから2回再結晶させて、4−メチル−
1−[4−(3−ブテニル)ベンジリデン]アミノベン
ゼンの淡黄色結晶18.6gを得た。この化合物の融点
は45℃であった。 (応用例4) トランス−5−プロピル−2−[4−
(3−ブテニル)フェニル]−1,3−ジオキサン(X
a−1)の合成
ベンズアルデヒド20.0g及び4−メチルアニリン1
3.4gをトルエン80mLに溶解し、室温で3時間攪
拌した。ヘキサン及び水を加え、水層を分離後、ヘキサ
ン層を水で2回洗滌した。無水硫酸水素ナトリウムで脱
水乾燥後、減圧下に溶媒を溜去し、得られた粗生成物4
3gをメタノールから2回再結晶させて、4−メチル−
1−[4−(3−ブテニル)ベンジリデン]アミノベン
ゼンの淡黄色結晶18.6gを得た。この化合物の融点
は45℃であった。 (応用例4) トランス−5−プロピル−2−[4−
(3−ブテニル)フェニル]−1,3−ジオキサン(X
a−1)の合成
【0079】
【化27】
【0080】実施例1で得られた4−(3−ブテニル)
ベンズアルデヒド10g及び2−プロピルプロパン−
1,3−ジオール14.8gをトルエン40mLに溶解
し、硫酸水素カリウム100mgを加え、80℃で5時
間攪拌した。ヘキサン及び水を加え、水層を分離後、ヘ
キサン層を水で2回洗滌した。無水硫酸ナトリウムで脱
水乾燥後、減圧下に溶媒を溜去し、得られた粗生成物1
8.7gをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキ
サン)で精製し,さらにエタノールから2回再結晶させ
て、トランス−5−プロピル−2−[4−(3−ブテニ
ル)フェニル]−1,3−ジオキサンの無色結晶8.1
gを得た。この化合物の融点は34℃であった。 (応用例5) 液晶組成物の調製及びその電気光学的特
性(1) 低粘性で液晶相温度範囲の広いホスト液晶(H)
ベンズアルデヒド10g及び2−プロピルプロパン−
1,3−ジオール14.8gをトルエン40mLに溶解
し、硫酸水素カリウム100mgを加え、80℃で5時
間攪拌した。ヘキサン及び水を加え、水層を分離後、ヘ
キサン層を水で2回洗滌した。無水硫酸ナトリウムで脱
水乾燥後、減圧下に溶媒を溜去し、得られた粗生成物1
8.7gをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキ
サン)で精製し,さらにエタノールから2回再結晶させ
て、トランス−5−プロピル−2−[4−(3−ブテニ
ル)フェニル]−1,3−ジオキサンの無色結晶8.1
gを得た。この化合物の融点は34℃であった。 (応用例5) 液晶組成物の調製及びその電気光学的特
性(1) 低粘性で液晶相温度範囲の広いホスト液晶(H)
【0081】
【化28】
【0082】は116.7℃以下でネマチック相を示
し、その融点は11℃である。これを厚さ6.0μmの
TNセルに充填して液晶素子を作製し、20℃で測定し
た応答時間は32.5m秒であった(立ち下がり時間と
立ち上がり時間が等しくなる電圧印加時)。
し、その融点は11℃である。これを厚さ6.0μmの
TNセルに充填して液晶素子を作製し、20℃で測定し
た応答時間は32.5m秒であった(立ち下がり時間と
立ち上がり時間が等しくなる電圧印加時)。
【0083】このホスト液晶(H)80%及び応用例2
で得た式(IVa−1)
で得た式(IVa−1)
【0084】
【化29】
【0085】の化合物20%からなる組成物(M−1)
を調製したところ、ネマチック相上限温度(TN-I)は
118℃であり、わずかではあるがホスト液晶(H)よ
り上昇した。次に、この組成物を0℃で24時間以上放
置したが、結晶の析出等は観察できなかった。さらに−
20℃で長時間放置して固化させ、次いで昇温して再び
均一なネマチック相となる温度(T-N)を測定したとこ
ろ、−12℃と低温であった。また、この組成物を用い
てホスト液晶(H)の場合と同様にして素子を作製し、
20℃でその応答時間を測定したところ、30.1m秒
と大幅に高速化することができた。
を調製したところ、ネマチック相上限温度(TN-I)は
118℃であり、わずかではあるがホスト液晶(H)よ
り上昇した。次に、この組成物を0℃で24時間以上放
置したが、結晶の析出等は観察できなかった。さらに−
20℃で長時間放置して固化させ、次いで昇温して再び
均一なネマチック相となる温度(T-N)を測定したとこ
ろ、−12℃と低温であった。また、この組成物を用い
てホスト液晶(H)の場合と同様にして素子を作製し、
20℃でその応答時間を測定したところ、30.1m秒
と大幅に高速化することができた。
【0086】従って、式(IIIa)の化合物を添加す
ることにより、ホスト液晶のネマチック相温度範囲を拡
大し、同時にその応答時間を低減できることがわかる。 (応用例6) 液晶組成物の調製及びその電気光学的特
性(2) 次に、ホスト液晶(H)80%及び応用例1で得た式
(III−1)
ることにより、ホスト液晶のネマチック相温度範囲を拡
大し、同時にその応答時間を低減できることがわかる。 (応用例6) 液晶組成物の調製及びその電気光学的特
性(2) 次に、ホスト液晶(H)80%及び応用例1で得た式
(III−1)
【0087】
【化30】
【0088】の化合物20%からなる液晶組成物(M−
2)を調製した。この(M−2)のネマチック相上限温
度(TN-I)は119℃で(M−1)よりさらに上昇し
た。この組成物も0℃で24時間以上放置したが、結晶
の析出等は観察できなかった。(M−1)と同様にして
固化させ、そのT-Nを測定したところ5℃であった。
2)を調製した。この(M−2)のネマチック相上限温
度(TN-I)は119℃で(M−1)よりさらに上昇し
た。この組成物も0℃で24時間以上放置したが、結晶
の析出等は観察できなかった。(M−1)と同様にして
固化させ、そのT-Nを測定したところ5℃であった。
【0089】また、これを用いて同様にして素子を作製
し、その応答時間を測定したところ、29.7m秒とさ
らに高速化することができた。 (応用比較例1)ホスト液晶(H)80%及び一般式
(C)で表されるアルキルアジン誘導体であり、(II
I−1)と側鎖炭素原子数の等しい式(C−1)
し、その応答時間を測定したところ、29.7m秒とさ
らに高速化することができた。 (応用比較例1)ホスト液晶(H)80%及び一般式
(C)で表されるアルキルアジン誘導体であり、(II
I−1)と側鎖炭素原子数の等しい式(C−1)
【0090】
【化31】
【0091】(相転移温度(℃):Cr 60.5 N
84 I)の化合物20%からなる液晶組成物(MC
−1)を調製した。(MC−1)のネマチック相上限温
度(TN-I)は110.6℃であり、応用例6で調製し
た(M−1)と比較すると9°近く低下した。さらに、
この組成物を同様にして固化させ、そのT-Nを測定した
ところ約15℃とであり、応用例5で調製した(M−
1)や応用例6で調製した(M−2)よりかなり高くな
った。
84 I)の化合物20%からなる液晶組成物(MC
−1)を調製した。(MC−1)のネマチック相上限温
度(TN-I)は110.6℃であり、応用例6で調製し
た(M−1)と比較すると9°近く低下した。さらに、
この組成物を同様にして固化させ、そのT-Nを測定した
ところ約15℃とであり、応用例5で調製した(M−
1)や応用例6で調製した(M−2)よりかなり高くな
った。
【0092】次に、同様にして液晶素子を作製しその応
答時間を測定したところ、31.1m秒と(M−1)や
(M−2)には及ばなかった。以上から、一般式(II
I)及び(IV)の化合物が従来液晶との相溶性とその
応答時間の改善効果に優れており、温度範囲が広く且つ
高速応答性の液晶組成物を調製するうえにおいて、非常
に有効であることがわかる。 (応用例7) 液晶組成物の調製及びその電気光学的特
性(3) ホスト液晶(H)80%及び応用例3で得た4−メチル
−1−[4−(3−ブテニル)ベンジリデン]アミノベ
ンゼン(VIIIa−1)
答時間を測定したところ、31.1m秒と(M−1)や
(M−2)には及ばなかった。以上から、一般式(II
I)及び(IV)の化合物が従来液晶との相溶性とその
応答時間の改善効果に優れており、温度範囲が広く且つ
高速応答性の液晶組成物を調製するうえにおいて、非常
に有効であることがわかる。 (応用例7) 液晶組成物の調製及びその電気光学的特
性(3) ホスト液晶(H)80%及び応用例3で得た4−メチル
−1−[4−(3−ブテニル)ベンジリデン]アミノベ
ンゼン(VIIIa−1)
【0093】
【化32】
【0094】20%からなる液晶組成物(M−3)を調
製した。(M−3)の20℃における物性値及び電気光
学的特性は以下の通りであった。 TN-I: 97.0℃ 応答時間(τr=τd): 13.5m秒 このように応答時間は約3/5となり大幅に改善されて
いることがわかる。この(VIIIa−1)は単独では
結晶であり液晶性を示さないが、その添加によるTN-I
の低下は比較的小さいことがわかる。 (応用比較例2)応用例7において、(VIIIa−
1)の化合物に換えて、同じベンジリデンアミノベンゼ
ン骨格を有するが両側鎖がアルキル基である化合物(D
−1)
製した。(M−3)の20℃における物性値及び電気光
学的特性は以下の通りであった。 TN-I: 97.0℃ 応答時間(τr=τd): 13.5m秒 このように応答時間は約3/5となり大幅に改善されて
いることがわかる。この(VIIIa−1)は単独では
結晶であり液晶性を示さないが、その添加によるTN-I
の低下は比較的小さいことがわかる。 (応用比較例2)応用例7において、(VIIIa−
1)の化合物に換えて、同じベンジリデンアミノベンゼ
ン骨格を有するが両側鎖がアルキル基である化合物(D
−1)
【0095】
【化33】
【0096】(相転移温度(℃):Cr 48 I)を
ホスト液晶(H)に20%添加して、比較用液晶組成物
(MD−1)を調製した。同様にして測定した物性値及
び電気光学的特性は以下の通りであった。
ホスト液晶(H)に20%添加して、比較用液晶組成物
(MD−1)を調製した。同様にして測定した物性値及
び電気光学的特性は以下の通りであった。
【0097】 TN-I: 95.0℃ 応答時間(τr=τd): 14.8m秒 従って、(M−3)よりネマチック相上限温度は2°低
くなり、応答時間は(H)と比較すると改善はされてい
るものの(M−3)には及ばないことがわかる。
くなり、応答時間は(H)と比較すると改善はされてい
るものの(M−3)には及ばないことがわかる。
【0098】以上のように、本発明により得られる
(I)の4−アルケニルベンズアルデヒドを中間体とし
て、製造される4−アルケニルベンゼン誘導体である液
晶性合物は液晶性に優れるうえ低粘性であり、高速応答
性に優れた液晶組成物を調製する上において、極めて有
用であることがわかる。
(I)の4−アルケニルベンズアルデヒドを中間体とし
て、製造される4−アルケニルベンゼン誘導体である液
晶性合物は液晶性に優れるうえ低粘性であり、高速応答
性に優れた液晶組成物を調製する上において、極めて有
用であることがわかる。
【0099】
【発明の効果】本発明により提供される4−アルケニル
ベンズアルデヒドを中間体として用いることにより、4
−アルケニルベンゼン誘導体である各種液晶化合物を工
業的にも容易に製造することができる。これらの液晶化
合物は、その減粘効果及び応答性の改善効果に優れるた
め、これらを含有する液晶組成物は実用的液晶として特
に高速応答を必要とする液晶表示用として極めて有用で
ある。
ベンズアルデヒドを中間体として用いることにより、4
−アルケニルベンゼン誘導体である各種液晶化合物を工
業的にも容易に製造することができる。これらの液晶化
合物は、その減粘効果及び応答性の改善効果に優れるた
め、これらを含有する液晶組成物は実用的液晶として特
に高速応答を必要とする液晶表示用として極めて有用で
ある。
Claims (5)
- 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは水素原子または炭素原子数1〜5のアルキ
ル基を表し、mは0〜4の整数を表す。)で表される化
合物。 - 【請求項2】 一般式(I)において、mが0であると
ころの請求項1記載の化合物。 - 【請求項3】 一般式(I)において、Rが水素原子を
表すところの請求項1または2記載の化合物。 - 【請求項4】 一般式(II) 【化2】 (式中、Rは水素原子または炭素原子数1〜5のアルキ
ル基を表し、mは0〜4の整数を表し、WはMgBr、
MgIまたはLiを表す。)で表される有機金属反応剤
をホルミル化剤と反応させることを特徴とする請求項1
記載の一般式(I)で表される化合物の製造方法。 - 【請求項5】 ホルミル化剤がN,N−ジメチルホルム
アミドであるところの請求項4記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30267997A JPH11140011A (ja) | 1997-11-05 | 1997-11-05 | 4−アルケニルベンズアルデヒド及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30267997A JPH11140011A (ja) | 1997-11-05 | 1997-11-05 | 4−アルケニルベンズアルデヒド及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11140011A true JPH11140011A (ja) | 1999-05-25 |
Family
ID=17911888
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30267997A Pending JPH11140011A (ja) | 1997-11-05 | 1997-11-05 | 4−アルケニルベンズアルデヒド及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11140011A (ja) |
-
1997
- 1997-11-05 JP JP30267997A patent/JPH11140011A/ja active Pending
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---|---|---|---|
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20071025 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20080306 |