JP4311105B2 - インダン化合物およびそれを含有するネマチック液晶組成物 - Google Patents
インダン化合物およびそれを含有するネマチック液晶組成物 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電気光学的液晶表示材料として有用なネマチック晶組成物、これを用いた液晶表示素子、及びネマチック液晶組成物の構成材料として有用なインダン系化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ツイストネマチック、超ねじれツイストネマチック又はアクティブマトリックスを初めとする液晶表示素子、特に中小型の携帯用液晶表示素子においては、使用環境温度に対する表示の安定性が重要なポイントとなっており、応答性や消費電力を低減できるより低い駆動電圧の液晶材料、あるいは-30〜0℃や40〜80℃の温度域での駆動電圧、急峻性や所望のデューティー駆動の周波数依存性等がより小さいこと等が求められている。
【0003】
特に、液晶相の下限温度(T→ N)と液晶相上限温度(TN-I)の差の絶対値である液晶相温度範囲(ΔT)は、液晶表示素子の低消費電力特性を生かした屋外での使用が増大したため重要である。しかしながら、従来の材料の組み合わせでは、液晶相温度範囲を拡大することは可能でも、それに伴い閾値電圧の増大や応答速度の上昇が起こるため、充分な液晶相温度範囲が得られていないのが現状であった(特許文献1参照)。
そのため、応答速度、閾値電圧等の液晶諸特性を悪化させずに液晶相温度範囲が広い液晶組成物の開発又は、この用途に最適な液晶材料の開発が望まれていた。
【0004】
一方、骨格中にインダンを有する液晶化合物は既に知られており、幾つかの化合物が開示されている(特許文献2参照)。しかしながら、インダン環の5位及び6位にフッ素原子を有する化合物の開示はあるものの、当該化合物をネマチック液晶組成物として使用した場合どのような特徴を有するかは開示されておらず、連結基として1,4-ブチレン基を有する化合物については全く開示されていない。
【0005】
幾つかの化合物についてはインダン系化合物を用いた液晶組成物も既に知られており、好ましい化合物の具体例が開示されている(特許文献3参照)。しかしながら、ここで開示されている化合物はインダン環の2位の置換基も主として特殊な環構造か非環構造を有するものである。しかも、ここで開示される液晶組成物は強誘電性液晶表示素子に使用する液晶組成物であり、ネマチック液晶組成物に関する開示はない。
【0006】
以上より、インダン環の5位及び6位にフッ素原子等の置換基を有する化合物を応用したネマチック液晶組成物は知られておらず、インダン系化合物、特に1,4-ブチレン基を有するインダン系化合物を用いた、液晶相温度範囲の広い、優れた特性を有するネマチック液晶組成物の開発が望まれていた。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−11450号公報(6頁)
【特許文献2】
国際公開第94/18285号パンフレット(26〜31頁)
【特許文献3】
国際公開第99/19420号パンフレット(30〜35頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、1,4-ブチレン基を有する4,5,6-トリ置換インダン系化合物又は5,6-ジ置換インダン系化合物及びそれを用いた、液晶相の下限温度(T→ N)が高く、液晶相上限温度(TN-I)が低く、さらに液晶相温度範囲の広いネマチック液晶組成物及び、当該化合物を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために、4,5,6-トリ置換インダン系化合物あるいは5,6-ジ置換インダン系化合物及びそれを含有するネマチック液晶組成物を検討した結果本件発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に記載の液晶化合物を提供する。
【0010】
一般式(I)
【化6】
(式中R1は、水素原子、炭素数1〜15のアルキル基、少なくとも一つのハロゲンにより置換された炭素数1〜15のアルキル基、炭素数2〜15のアルケニル基又は少なくとも一つのハロゲンにより置換された炭素数2〜15のアルケニル基を表し、これらの基中に存在する1個又は2個以上のCH2基はそれぞれ独立してO原子が相互に直接結合しないものとして -O-、-S-、-CO-、-COO-、-OCO-又は-OCO-O-により置き換えられても良く、
A1は、
(a) トランス-シクロへキサン-1,4-ジイル基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基は-O-及び又は-S-に置き換えられてもよい)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=基又は隣接していない2個以上の-CH=基は -N= に置き換えられてもよい)
(c) シクロヘキセレン-1,4-ジイル基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基及び1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基
からなる群より選ばれる基であり、上記の基(a)、基(b)、基(c)はCN又はハロゲンで置換されていても良く、
nは、1又は2であり、
Yは、
【0011】
【化7】
で表される。)で表される化合物。
【0012】
また、本件発明は一般式(I)で表される化合物を1種又は2種以上を含有することを特徴とするネマチック液晶組成物を提供する。
【0013】
更に、本件発明は一般式(I)で表される化合物及び一般式(II)
【化8】
(式中、R2及びR3はそれぞれ独立的にR1と同じ意味を表し、
B1、B2及びB3はそれぞれ独立的に
(a) トランス-シクロへキサン-1,4-ジイル基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基は-O-及び又は-S-に置き換えられてもよい)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=基又は隣接していない2個以上の-CH=基は -N= に置き換えられてもよい)
(c) シクロヘキセレン-1,4-ジイル基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基及び1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基
からなる群より選ばれる基であり、上記の基(a)、基(b)、基(c)はCN又はハロゲンで置換されていても良く、
oは0、1又は2であり、
L1、L2及びL3はそれぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-(CH2)4-、-OCH2-、-CH2O-又は-C≡C-を表し、L2及びB3が複数存在する場合はそれらは同一でも良く異なっていても良い。)から選ばれる化合物及び/又は一般式(IIIa)、一般式(IIIb)及び一般式(IIIc)からなる群
【0014】
【化9】
【0015】
(式中R4はR1と同じ意味を表し、C1、C2及びC3はそれぞれ独立して、
(d) トランス-シクロへキサン-1,4-ジイル基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基は-O-及び又は-S-に置き換えられてもよい)
(e) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=基又は隣接していない2個以上の-CH=基は -N= に置き換えられてもよい)
(f) シクロヘキセレン-1,4-ジイル基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基及び1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基
からなる群より選ばれる基であり、上記の基(d)、基(e)、基(f)はCN又はハロゲンで置換されていても良いが、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイルを表す場合、無置換であるか、少なくとも2つ以上のハロゲンによって置換されており、
K1、K2及びK3はそれぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-(CH2)4-、-OCH2-、-CH2O-又は-C≡C-を表し、
X1、X3、X4、X5及びX6はそれぞれ独立してH又はFであり、
p及びqはそれぞれ独立して、0、1又は2であるが、p及びqの和は2以下であり、
X2は、-H、-F、-Cl-、CN、-CF3-、-CF2-、-OCH2F、-OCHF2、-OCF3、-CH2CF3又はR1と同じ定義である。)から選ばれる1種又は2種以上の化合物を含有することを特徴とするネマチック液晶組成物を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一例について説明する。
一般式(I)において、R1は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基又は炭素数2〜10のアルケニル基が好ましく、未置換の直鎖状炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数2〜8のアルケニル基がより好ましく、アルケニル基では以下の式(a)〜(e)の構造がさらに好ましい。
【0017】
【化10】
(構造式は右端で環に連結しているものとする。)
A1はトランス-1,4-シクロへキシレン基、1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基又は3,5-ジフルオロ-1,4-フェニレン基が好ましく、トランス-1,4-シクロへキシレン基がより好ましく、nは1が好ましい。
【0018】
一般式(I)で表される化合物は具体的な構造として次の化合物が特に好ましい。
【化11】
(式中、R1は、炭素原子数1〜6のアルキル基又は炭素原子数2〜6のアルケニル基を表す。)
【0019】
一般式(I)の化合物中の一般式(I-a)
【化12】
【0020】
は以下のようにして製造することができる。一般式(IV)
【化13】
(式中、R及びnは一般式(I)におけると同じ定義。)で表されるヘキサン酸誘導体をリチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジドやブチルリチウムなどの強塩基を用いてエノール化した後、3,4,5-トリフルオロベンジルブロミドを反応させることにより一般式(V-a)
【0021】
【化14】
(式中、R及びnは一般式(I)におけると同じ定義。)で表されるエステルを得ることができる。このエステルを水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを用いて加水分解し、得られたカルボン酸を塩化チオニル等を用いて酸塩化物に変換した後、塩化アルミニウムなどのルイス酸と反応させることによって、一般式(VI-a)
【0022】
【化15】
(式中、R及びnは一般式(I)におけると同じ定義。)で表されるインダノン誘導体を得ることができる。これを水素化ホウ素ナトリウムや水素化アルミニウムリチウム等を用いて還元し、得られたアルコールをp-トルエンスルホン酸等の酸触媒存在下、加熱することによって、一般式(VII-a)
【0023】
【化16】
(式中、R及びnは一般式(I)におけると同じ定義。)で表されるインデン誘導体を得ることができる。これをPd-C、Rh-C、Pt-C、Pd(OH)2等の金属触媒存在下、水素添加することによって、目的の一般式(I-a)で表される化合物を得ることができる。
【0024】
また、一般式(I)の化合物中の一般式(I-b)
【化17】
は以下のようにして製造することができる。
【0025】
(I-a)の製造において、3,4,5-トリフルオロベンジルブロミドの代わりに、3,5-ジフルオロベンジルブロミドを用いて、一般式(VIII)
【化18】
(式中、R及びnは一般式(I)におけると同じ定義。)で表される化合物を得ることができる。これに、ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジドなどの強塩基を用いてリチオ化した後、二酸化炭素を反応させ、一般式(IX)
【0026】
【化19】
(式中、R及びnは一般式(I)におけると同じ定義。)で表される化合物を得て、これを塩化チオニル等を用いて、酸塩化物とした後、アンモニアと反応させ、得られたアミドをオキシ塩化リン等で脱水し、目的の一般式(I-b)で表される化合物を得ることができる。
【0027】
また、(I-b)は、(VIII)をリチオ化した後、N,N-ジメチルホルムアミドと反応させて、ホルミル基を導入した後、ヒドロキシアミンを反応させ、さらに脱水する方法や、(VIII)をリチオ化した後、ヨウ素を反応させ、さらにシアン化銅を反応させる方法などによっても製造することができる。
【0028】
また、一般式(I)の化合物中の一般式(I-c)
【0029】
【化20】
(式中、R及びnは一般式(I)におけると同じ定義。)は以下のようにして製造することができる。
【0030】
(I-a)の製造において、3,4,5-トリフルオロベンジルブロミドの代わりに、3,4-ジクロロベンジルブロミドを用いて、一般式(X)
【化21】
(式中、R及びnは一般式(I)におけると同じ定義。)で表される化合物を得て、これに、シアン化銅を反応させる方法によって製造することができる。
【0031】
本発明の液晶組成物において、第一成分として一般式(I)から選ばれる化合物を1種又は2種以上を含有するが、1種〜6種が好ましく、1種〜4種がより好ましく、1種〜3種が特に好ましい。
【0032】
又、一般式(I)の含有率は5〜50質量%の範囲であることが好ましく、10〜40質量%の範囲であることが特に好ましい。
【0033】
一般式(I)から選ばれる化合物のうち少なくとも1種以上の組成物の誘電率異方性(Δε)が1.5以上の化合物を含有することが好ましく、2以上を示すことがより好ましい。
【0034】
第二成分として一般式(II)、一般式(IIIa)、一般式(IIIb)及び一般式(IIIc)からなる群から選ばれる化合物を1種又は2種以上を含有するが、1種〜20種が好ましく、1種〜15種がより好ましく、1種〜10種が特に好ましい。また、これらの含有率は10質量%〜80質量%が好ましい。
【0035】
一般式(II)においてR2及びR3は、未置換の直鎖状炭素数1〜15のアルキル基、直鎖状炭素数1〜15のアルコキシル基又は炭素数2〜15のアルケニル基が好ましく、未置換の直鎖状炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数2〜10のアルケニル基がより好ましく、未置換の直鎖状炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数2〜6のアルケニル基が特に好ましく、アルケニル基では式(a)〜(e)の構造がさらに好ましい。
また、R2及びR3は同一でも異なっていても良いが、同一分子中のR2及びR3は異なっていることがより好ましい。L1及びL2は、-CH2CH2-、-COO-、-OCO-、-CH=CH-、-CH=N-N=CH-、-C≡C-又は単結合が好ましく、-CH2CH2-、-CH=CH-、-CH=N-N=CH-、-C≡C-又は単結合がより好ましく、-CH=N-N=CH-、-C≡C-又は単結合が特に好ましく、L1及びL2が複数存在する場合少なくとも一つは単結合であることが好ましい。oは、0又は1が好ましい。
【0036】
C1、C2及びC3はそれぞれ独立してトランス-シクロへキサン-1,4-ジイル基、1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基又は3,5-ジフルオロ-1,4-フェニレン基が好ましく、トランス-シクロへキサン-1,4-ジイル基又は1,4-フェニレン基がより好ましく、C1、C2及びC3の内少なくとも一つはトランス-1,4-シクロへキシレン基であることが好ましい。
【0037】
一般式(II)は以下の一般式(IIa)で表される構造が好ましい。
【化22】
(式中、R2及びR3は炭素原子数1〜8のアルキル基又はアルコキシル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ基を表し、B3は1,4-フェニレン基又はトランス-シクロへキサン-1,4-ジイル基を表し、rは0又は1を表す。)
【0038】
一般式(IIa)の化合物の含有率は10〜80質量%の範囲であることが好ましい。
又、一般式(II)は具体的な構造として以下の一般式で表される構造も好ましい。
【化23】
【0039】
(式中、R5及びR6はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基又はアルコキシル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基、炭素原子数3〜16のアルケニルオキシ基を表す。)で表される構造が好ましい。
又、一般式(II)から選ばれる化合物を1種又は2種以上を含有するが、1種〜15種が好ましく、1種〜10種が特に好ましい。
【0040】
一般式(IIIa)、一般式(IIIb)及び一般式(IIIc)においてR4は、未置換の直鎖状炭素数1〜15のアルキル基又は炭素数2〜15のアルケニル基が好ましく、未置換の直鎖状炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数2〜10のアルケニル基がより好ましく、未置換の直鎖状炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数2〜6のアルケニル基が特に好ましく、アルケニル基では式(a)〜(e)の構造がさらに好ましい。K1、K2及びK3は、-COO-、-OCO-、-CH2CH2-、-C≡C-、-(CH2)4-又は単結合が好ましく、-CH2CH2-、-C≡C-又は単結合がより好ましく、-CH2CH2-又は単結合が特に好ましく、K1、K2又はK3が複数存在する場合少なくとも一つは単結合であることが好ましい。p及びqは、0又は1が好ましい。C1、C2及びC3はそれぞれ独立してトランス-シクロへキサン-1,4-ジイル基、1,4-フェニレン基、3-フルオロ-1,4-フェニレン基又は3,5-ジフルオロ-1,4-フェニレン基が好ましく、トランス-シクロへキサン-1,4-ジイル基又は1,4-フェニレン基がより好ましく、トランス-1,4-シクロへキシレン基が特に好ましい。
X2は、-H、-F、-Cl-、CN、-CF3-、-OCH2F、-OCHF2、-OCF3、-CH2CF3又はR1と同じ定義であるが、-F、-CN、-CF3-、-OCH2F、-OCHF2、-OCF3が好ましく、-F、-CNが特に好ましい。
【0041】
一般式(IIIa)は、以下の一般式(IIIa-1)で表される構造
【化24】
(式中、R7は炭素原子数1〜8のアルキル基又はアルコキシル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基を表し、L5、L6はそれぞれ独立して、-CH2CH2-、-CH=CH-、-C≡C-、-(CH2)4-又は単結合を表し、環Iは1,4-フェニレン基又はトランス-シクロへキサン-1,4-ジイル基を表し、X6はH又はFを表し、nは0又は1を表し、Y4は-CN、-F、-Cl、-CF3、-OCF3又は-OCHF2を表す。)が好ましく、具体的な構造として以下の一般式
【0042】
【化25】
【0043】
【化26】
【0044】
【化27】
【0045】
【化28】
(式中、R7は炭素原子数1〜8のアルキル基又はアルコキシル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基を表し、X3及びX4はそれぞれ独立してH又はFを表し、Y4はCN、F、Cl、-CF3、-OCF3又は-OCHF2を表す。)で表される構造が特に好ましい。
一般式(IIIb)は具体的な構造として以下の一般式
【0046】
【化29】
【0047】
【化30】
【0048】
(式中、R7は炭素原子数1〜8のアルキル基又はアルコキシル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基を表し、Y4は-CN、-F、−Cl、-CF3、-OCF3又は-OCHF2を表す。)で表される構造が好ましく、一般式(IIIc)は具体的な構造として以下の一般式
【0049】
【化31】
【0050】
【化32】
【0051】
【化33】
【0052】
(式中、R7は炭素原子数1〜8のアルキル基又はアルコキシル基、炭素原子数2〜8のアルケニル基を表し、Y4は-CN、-F、-Cl、-CF3、-OCF3又は-OCHF2を表す。)
一般式(IIIa)、一般式(IIIb)及び一般式(IIIc)からなる群から選ばれる化合物を1種又は2種以上を含有するが、1種〜10種が好ましく、2種〜8種が特に好ましい。
【0053】
本発明のネマチック液晶組成物は一般式(I)から選ばれる化合物を1種又は2種以上を含有し、さらに一般式(IIIa)、一般式(IIIb)及び一般式(IIIc)からなる群から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有することが好ましく、一般式(I)から選ばれる化合物を1種又は2種以上を含有し、さらに一般式(II)から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有することも好ましい。
【0054】
一般式(I)の化合物を1種又は2種以上含有し、さらに一般式(II)の化合物を1種又は2種以上含有し、さらに一般式(IIIa)、一般式(IIIb)及び一般式(IIIc)からなる群から選ばれる化合物を少なくとも1種又は2種以上含有することが好ましく、少なくとも1種以上の一般式(II)の化合物を含有し、さらに一般式(IIIa)、一般式(IIIb)及び一般式(IIIc)からなる群から選ばれる化合物を少なくとも2種以上含有することが好ましい。
【0055】
又、一般式(IIIa)から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般式(IIIb)及び一般式(IIIc)からなる群から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有することが好ましく、一般式(IIIa)、一般式(IIIb)及び一般式(IIIc)からなる群の含有率が10〜50質量%の範囲であることが好ましい。
【0056】
一般式(I)で表される化合物を1種又は2種以上を含有し、その含有率が5〜50質量%の範囲で、なおかつ一般式(IIa)の化合物を1種又は2種以上を含有し、その含有率が10〜60質量%の範囲で、なおかつ一般式(IIIa)、一般式(IIIb)及び一般式(IIIc)からなる群から選ばれる化合物を1種又は2種以上を含有し、その含有率が5〜50質量%の範囲であることが特に好ましい。
【0057】
本発明のネマチック液晶組成物は広い液晶相温度範囲(液晶相下限温度と液晶相上限温度の差の絶対値)を有するが、液晶相温度範囲が80℃以上であることが好ましく、90℃以上であることがより好ましく、100℃以上が特に好ましい。また、液晶相上限温度は70℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。さらに、液晶相下限温度は-20℃以下が好ましく、-30℃以下がより好ましい。
【0058】
上記ネマチック液晶組成物はAM-LCDやSTN-LCDに有用であり、透過型あるいは反射型の液晶表示素子に用いることができる。本発明のネマチック液晶組成物は、上記の化合物以外に、通常のネマチック液晶、スメクチック液晶、コレステリック液晶などを含有していてもよい。
【0059】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
【0060】
実施例中、測定した特性は以下の通りである。
TN-I :ネマチック相−等方性液体相転移温度(℃)を液晶相上限温度とする
T→ N :固体相又はスメクチック相−ネマチック相転移温度(℃)を液晶相下限温度とする
ΔT :ネマチック液晶相温度範囲、|TN-I − T→ N |
化合物記載に下記の略号を使用する。
【0061】
末端のn(数字) CnH2n+1-
E -COO-
e -OCO-
A -CH2CH2-
B -CH2CH2CH2CH2-
t -C≡C-
CN -C≡N
On -OCnH2n+1
F -F
f 末端基のオルト位に結合したF原子
ndm- CnH2n+1-C=C-(CH2)m-1-
【0062】
【化34】
【0063】
(実施例1) 2-[4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)ブチル]-4,5,6-トリフルオロインダンの合成
【化35】
【0064】
ジイソプロピルアミン(57 g)のテトラヒドロフラン(250 ml)溶液に、-60℃でブチルリチウム(1.6 Mヘキサン溶液、360 ml)を加え、30分攪拌後、-20℃まで昇温し、30分攪拌した。反応液を-60℃に冷却し、6-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)ヘキサン酸エチル(120 g)のテトラヒドロフラン(100 ml)溶液を滴下し、1時間攪拌後、3,4,5-トリフルオロベンジルブロミド(106 g)を滴下した。攪拌しながら、0℃まで3時間かけて昇温後、反応液を20%塩化アンモニウム水溶液にあけ、ヘキサンで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮し、6-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)-2-(3,4,5-トリフルオロベンジル)ヘキサン酸エチル粗生成物(195 g)を得た。
【0065】
6-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)-2-(3,4,5-トリフルオロベンジル)ヘキサン酸エチル粗生成物(195 g)のエタノール(300 ml)溶液に20%水酸化ナトリウム水溶液(160 ml)を加え、4時間加熱還流した。反応液を室温まで放冷後、反応液が酸性になるまで3 M塩酸を加えた。有機層を分離し、さらに水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を集め、飽和食塩水で洗い、濃縮し、6-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)-2-(3,4,5-トリフルオロベンジル)ヘキサン酸粗生成物(190 g)を得た。
【0066】
6-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)-2-(3,4,5-トリフルオロベンジル)ヘキサン酸粗生成物(190 g)の1,2-ジクロロエタン(200 ml)溶液に室温で塩化チオニル(125 g)を滴下し、4時間加熱還流した。その後、溶媒と過剰の塩化チオニルを留去し、6-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)-2-(3,4,5-トリフルオロベンジル)ヘキサン酸塩化物の粗生成物(202 g)を得た。
【0067】
無水塩化アルミニウム(100 g)のジクロロメタン(150 ml)懸濁液に、内温を0〜5℃に保ちながら、6-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)-2-(3,4,5-トリフルオロベンジル)ヘキサン酸塩化物の粗生成物(202 g)のジクロロメタン(100 ml)溶液を滴下し、さらに2時間攪拌した。反応液を氷水にあけ、有機層を分離し、さらに水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を集め、飽和食塩水で洗い、濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=20:1)で精製し、2-[4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)ブチル]-5,6,7-トリフルオロインダン-1-オン(132 g)を得た。
【0068】
2-[4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)ブチル]-5,6,7-トリフルオロインダン-1-オン(132 g)のメタノール(250 ml)溶液に激しく攪拌しながら、水素化ホウ素ナトリウム(6 g)を加え、2時間攪拌した。反応液に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出、濃縮した。残渣にトルエン(300 ml)、p-トルエンスルホン酸一水和物(5 g)を加え、4時間加熱還流した。反応液を室温まで放冷後、水を加え、トルエンで抽出後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗い、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、2-[4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)ブチル]-5,6,7-トリフルオロインダン-1-エン(104 g)を得た。
【0069】
オートクレーブに2-[4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)ブチル]-5,6,7-トリフルオロインダン-1-エン(104 g)、5%パラジウム−炭素(50%含水、10 g)、酢酸エチル(300 ml)を加え、水素(0.5MPa)圧下、室温で3時間攪拌した。反応液をセライトでろ過し、ろ液を濃縮、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し、2-[4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)ブチル]-4,5,6-トリフルオロインダン(98 g)を得た。
1H NMR (CDCl3) δ 0.8-1.05 (m, 4 H), 0.89 (t, J = 7.2 Hz, 3 H), 1.1-1.4 (m, 14 H), 1.72-1.88 (m, 4 H), 2.2-2.3 (m, 1 H), 2.5-2.65 (m, 2 H), 2.94 (dd, J = 8.3 and 16 Hz, 1 H), 3.06 (dd, J = 8.2 and 16 Hz, 1 H), 6.74 (broad t, J = 8 Hz, 1 H)
MS m/z 352 (M+)
【0070】
(実施例2) 5-シアノ-4,6-ジフルオロ-2-[4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)ブチル]インダンの合成
【化36】
【0071】
実施例1において、3,4,5-トリフルオロベンジルブロミドの代わりに、3,5-ジフルオロベンジルブロミドを用いて、4,6-ジフルオロ-2-[4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)ブチル]インダン(79 g)を得た。
【0072】
4,6-ジフルオロ-2-[4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)ブチル]インダン(79 g)のテトラヒドロフラン(300 ml)溶液に、-60℃でブチルリチウム(1.6 Mヘキサン溶液、170 ml)を滴下し、1時間攪拌した。その後、二酸化炭素を吹き込み、1時間攪拌した後、室温まで昇温した。反応液を1 M塩酸にあけ、有機層を分離し、さらに水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を集め、飽和食塩水で洗い、濃縮し、4,6-ジフルオロ-2-[4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)ブチル]インダン-5-カルボン酸粗生成物(83 g)を得た。
【0073】
4,6-ジフルオロ-2-[4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)ブチル]インダン-5-カルボン酸粗生成物(83 g)の1,2-ジクロロエタン(150 ml)溶液に室温で塩化チオニル(40 ml)を滴下し、4時間加熱還流した。その後、溶媒と過剰の塩化チオニルを留去した。残渣をジクロロメタン(200 ml)に溶解し、0℃でアンモニアガスを吹き込み、さらに2時間攪拌した。反応液に1 M塩酸を加え、有機層を分離し、さらに水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を集め、飽和食塩水で洗い、濃縮し、4,6-ジフルオロ-2-[4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)ブチル]インダン-5-カルボン酸アミド粗生成物(85 g)を得た。
【0074】
4,6-ジフルオロ-2-[4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)ブチル]インダン-5-カルボン酸アミド粗生成物(85 g)のN,N-ジメチルホルムアミド(200 ml)溶液に、オキシ塩化リン(35 ml)を滴下した。さらに50℃で1時間加熱し、室温まで放冷した。反応液を氷水にあけ、酢酸エチルで抽出、飽和炭酸水ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗った後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン)で精製し、5-シアノ-4,6-ジフルオロ-2-[4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)ブチル]インダン(49 g)を得た。
1H NMR (CDCl3) δ 0.8-1.05 (m, 4 H), 0.88 (t, J = 7.5 Hz, 3 H), 1.1-1.4 (m, 14 H), 1.65-1.86 (m, 4 H), 2.3-2.45 (m, 1 H), 2.57 (dd, J = 16 and 9 Hz, 1 H), 2.70 (dd, J = 16 and 9 Hz, 1 H), 3.0-3.2 (m, 2 H), 6.85 (d, J = 8 Hz, 1 H)
MS m/z 359 (M+)
【0075】
(実施例3) 5,6-ジシアノ-2-[4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)ブチル]インダンの合成
【化37】
【0076】
実施例1において、3,4,5-トリフルオロベンジルブロミドの代わりに、3,4-ジクロロベンジルブロミドを用いて、5,6-ジクロロ-2-[4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)ブチル]インダン(68 g)を得た。
5,6-ジクロロ-2-[4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)ブチル]インダン(68 g)のN,N-ジメチルホルムアミド(300 ml)溶液に、シアン化銅(25 g)を加え、6時間加熱還流した。放冷後、反応液をセライトでろ過し、ろ液に水を加え、トルエンで抽出した。有機層を飽和食塩水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、1 M塩酸、飽和食塩水で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2回、トルエンおよびヘキサン/酢酸エチル=4:1)で精製し、5,6-ジシアノ-2-[4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)ブチル]インダン(17 g)を得た。
1H NMR (CDCl3) δ 0.8-1.06 (m, 4 H), 0.87 (t, J = 7.6 Hz, 3 H), 1.1-1.4 (m, 14 H), 1.64-1.87 (m, 4 H), 2.31-2.47 (m, 1 H), 2.61 (dd, J = 16 and 9 Hz, 2 H), 3.10 (dd, J = 16 and 7 Hz, 2 H), 7.65 (s, 2 H)
MS m/z 348 (M+)
【0077】
(実施例4及び比較例1) 液晶組成物の調整
実施例1で合成された2-[4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)ブチル]-4,5,6-トリフルオロインダンを含有するネマチック液晶組成物(No.1)及び類似の構成を有するネマチック液晶組成物(No.2)を調整しその物性値を測定し、その結果を表1に示す。
【0078】
【表1】
【0079】
表1に示すように、実施例4のネマチック液晶組成物は、液晶相の下限温度(T→ N)が高く、液晶相上限温度(TN-I)が低く、広い液晶温度範囲を有することが解る。
このネマチック液晶組成物を用いて、表示品位の優れたTNおよびSTN液晶表示素子を作成することができた。
【0080】
(実施例5及び比較例2) 液晶組成物の調整
実施例2で合成された5-シアノ-4,6-ジフルオロ-2-[4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)ブチル]インダンを含有するネマチック液晶組成物(No.3)及び類似の構成を有するネマチック液晶組成物(No.4)を調整しその物性値を測定し、その結果を表2に示す。
【0081】
【表2】
【0082】
表2に示すように、実施例5のネマチック液晶組成物は、液晶相の下限温度(T→ N)が高く、液晶相上限温度(TN-I)が低く、広い液晶温度範囲を有することが解る。
このネマチック液晶組成物を用いて、表示品位の優れたTNおよびSTN液晶表示素子を作成することができた。
【0083】
(実施例6及び比較例2) 液晶組成物の調整
実施例6で合成された5,6-ジシアノ-2-[4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)ブチル]インダンを含有するネマチック液晶組成物(No.5)及び類似の構成を有するネマチック液晶組成物(No.4)を調整しその物性値を測定し、その結果を表3に示す。
【0084】
【表3】
【0085】
表3に示すように、実施例5のネマチック液晶組成物は、液晶相の下限温度(T→ N)は比較例2と同等であるが、液晶相上限温度(TN-I)が高く、広い液晶温度範囲を有することが解る。
【0086】
このネマチック液晶組成物を用いて、表示品位の優れたTNおよびSTN液晶表示素子を作成することができた。
【0087】
【発明の効果】
本発明のネマチック液晶組成物により、4,5,6-トリ置換インダン系化合物あるいは5,6-ジ置換インダン系化合物を用いた、液晶相の下限温度が高く、液晶相上限温度が低く、液晶相温度範囲の広いネマチック液晶組成物を提供することが可能となった。本願発明の液晶組成物を用いた液晶表示素子は広い温度範囲で優れた表示品位を有する。
Claims (15)
- 一般式(I)
A1は、
(a) トランス-シクロへキサン-1,4-ジイル基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基は-O-及び又は-S-に置き換えられてもよい)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=基又は隣接していない2個以上の-CH=基は -N= に置き換えられてもよい)
(c) シクロヘキセレン-1,4-ジイル基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基及び1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基
からなる群より選ばれる基であり、上記の基(a)、基(b)、基(c)はCN又はハロゲンで置換されていても良く、
nは、1又は2であり、
Yは、次に記載の式
- 請求項1記載の一般式(I)で表される化合物を1種又は2種以上を含有することを特徴とするネマチック液晶組成物。
- 一般式(II)
B1、B2及びB3はそれぞれ独立的に
(a) トランス-シクロへキサン-1,4-ジイル基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基は-O-及び又は-S-に置き換えられてもよい)
(b) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=基又は隣接していない2個以上の-CH=基は -N= に置き換えられてもよい)
(c) シクロヘキセレン-1,4-ジイル基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基及び1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基
からなる群より選ばれる基であり、上記の基(a)、基(b)、基(c)はCN又はハロゲンで置換されていても良く、
oは0、1又は2であり、
L1、L2及びL3はそれぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-(CH2)4-、-OCH2-、-CH2O-、-COO-、-OCO-、-CH=CH-、-CF=CF-、-CH=N-N=CH-又は-C≡C-を表し、L2及びB3が複数存在する場合はそれらは同一でも良く異なっていても良い。)から選ばれる化合物及び/又は一般式(IIIa)、一般式(IIIb)及び一般式(IIIc)からなる群
(d) トランス-シクロへキサン-1,4-ジイル基(この基中に存在する1個のCH2基又は隣接していない2個以上のCH2基は-O-及び又は-S-に置き換えられてもよい)
(e) 1,4-フェニレン基(この基中に存在する1個の-CH=基又は隣接していない2個以上の-CH=基は -N= に置き換えられてもよい)
(f) シクロヘキセレン-1,4-ジイル基、1,4-ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン-1,4-ジイル基、ナフタレン-2,6-ジイル基、デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基及び1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基
からなる群より選ばれる基であり、上記の基(d)、基(e)、基(f)はCN又はハロゲンで置換されていても良いが、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイルを表す場合、無置換であるか、少なくとも2つ以上のハロゲンによって置換されており、
K1、K2及びK3はそれぞれ独立的に単結合、-CH2CH2-、-(CH2)4-、-OCH2-、-CH2O-又は-C≡C-を表し、
X1、X3、X4、X5及びX6はそれぞれ独立してH又はFであり、
p及びqはそれぞれ独立して、0、1又は2であるが、p及びqの和は2以下であり、
X2は、-H、-F、-Cl-、-CN、-CF3、-CF2H、-OCH2F、-OCHF2、-OCF3、-CH2CF3又はR1と同じ定義である。)から選ばれる1種又は2種以上の化合物を含有する請求項2記載のネマチック液晶組成物。 - 一般式(I)の化合物の含有率が5〜50質量%の範囲である請求項2又は3記載のネマチック液晶組成物。
- 一般式(IIIa)、一般式(IIIb)及び一般式(IIIc)からなる群から選ばれる化合物を少なくとも2種以上含有する請求項3記載のネマチック液晶組成物。
- 少なくとも1種以上の一般式(II)の化合物を含有し、さらに一般式(IIIa)、一般式(IIIb)及び一般式(IIIc)からなる群から選ばれる化合物を少なくとも2種以上含有する請求項3記載のネマチック液晶組成物。
- 一般式(IIa)の化合物の含有率が10〜80質量%の範囲である請求項7記載のネマチック液晶組成物。
- 一般式(IIIa)から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有し、一般式(IIIb)及び一般式(IIIc)からなる群から選ばれる化合物を1種又は2種以上含有する請求項3、5又は6記載のネマチック液晶組成物。
- 一般式(IIIa)、一般式(IIIb)及び一般式(IIIc)からなる群の含有率が10〜50質量%の範囲である請求項9記載のネマチック液晶組成物。
- 一般式(I)で表される化合物を1種又は2種以上を含有し、その含有率が5〜50質量%の範囲で、なおかつ一般式(IIa)の化合物を1種又は2種以上を含有し、その含有率が10〜60質量%の範囲で、なおかつ一般式(IIIa)、一般式(IIIb)及び一般式(IIIc)からなる群から選ばれる化合物を1種又は2種以上を含有し、その含有率が5〜50質量%の範囲である請求項10記載のネマチック液晶組成物。
- 請求項2〜11の何れかに記載のネマチック液晶組成物を用いた液晶表示素子。
- 請求項2〜11の何れかに記載のネマチック液晶組成物を用いたアクティブマトリックス液晶表示素子。
- 請求項2〜11の何れかに記載のネマチック液晶組成物を用い、ねじれ角が180°〜270°であることを特徴とする超捩れネマチック(STN)液晶表示素子。
- 請求項2〜11の何れかに記載のネマチック液晶組成物を用い、ねじれ角が80°〜130°であることを特徴とする捩れネマチック(TN)液晶表示素子。
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