JPH11139965A - 抗腫瘍薬 - Google Patents

抗腫瘍薬

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JPH11139965A
JPH11139965A JP9319188A JP31918897A JPH11139965A JP H11139965 A JPH11139965 A JP H11139965A JP 9319188 A JP9319188 A JP 9319188A JP 31918897 A JP31918897 A JP 31918897A JP H11139965 A JPH11139965 A JP H11139965A
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benzophenone derivative
garcinol
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benzophenone
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Norio Yamaguchi
典男 山口
Shigehiro Kataoka
茂博 片岡
Toshiaki Ariga
敏明 有賀
Akira Murakami
明 村上
Koichi Koshimizu
弘一 小清水
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Kikkoman Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エプスタイン・バーウィルス早期抗原(EB
V−EA)誘導抑制活性が強く、しかも安全性が高い物
質を有効成分として含有させ、発ガン予防効果が期待で
きる抗腫瘍薬を提供する。 【解決手段】 ベンゾフェノン誘導体を有効成分として
含有させて、抗腫瘍薬とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗腫瘍薬、さらに
詳しくは、ベンゾフェノン誘導体を含有させた、発ガン
プロモーション抑制機能を有する抗腫瘍薬に関する。
【0002】
【従来の技術】近年提唱されている発ガン過程の2段階
仮説において、発ガン物質も2種類に分類されて考えら
れている。すなわち、その2種類とは、DNAに損傷を
与え、正常細胞を潜在的腫瘍細胞に変化させるもの(イ
ニシエーター)と、この潜在的腫瘍細胞を腫瘍へ発展さ
せるもの(プロモーター)である。前者の代表例は多環
芳香族炭化水素などであり、また後者の代表例にはホル
ボールエステル類などが挙げられる。これらのイニシエ
ーターやプロモーターの発ガン関連物質は、空気中、飲
食品中などに多数存在し、それらを完全に除去するのは
困難である。そこでこの2段階のいずれか一方、又は両
方の作用を化学的に抑制することで、発ガンのリスク低
減を目指す方法が注目されている(Lee W.Wat
tenberg,Cancer Research,4
5巻,1−8頁,1985年など参照)。特に成人にお
いては、既にイニシエーションを受けた潜在的腫瘍細胞
を持っていると考えられるので、プロモーション過程の
抑制がより実効的である。そして、発ガンプロモーショ
ンの抑制効果を評価する方法として、発ガンプロモータ
ーであるホルボールエステルで誘導されるエプスタイン
・バーウイルス早期抗原(Epstein−Barr
virus early antigen、以下EBV
−EAということがある)の誘導抑制を調べる簡易試験
法(Y.Ito,S.Yanase,J.Fujit
a,T.Harayama,M.Takashima
and H.Imanaka,Cancer Lett
ers,13巻,29−37頁,1981年参照)が開
発されている。上述の様な観点から、特に日常的に摂取
しうる食品中の成分で、EBV−EA誘導抑制活性を有
する物質、すなわち発ガンプロモーションの抑制活性を
有する抗腫瘍性物質の検索が現在行なわれている。とり
わけ、EBV−EA誘導抑制活性が高く、かつ原料中の
含有量も多く、工業的生産、加工によって容易に得るこ
とができる物質が期待されている。しかし、これまでに
このような条件を十分に満たす抗腫瘍性物質はまだ見出
されてない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、エプスタイ
ン・バーウィルス早期抗原誘導抑制活性が強く、植物中
などに多量に含有し、その抽出、加工、或いは誘導体化
処理が容易で、しかも安全性が高い物質を求め、その物
質を有効成分として含有させ、発ガンプロモーション抑
制効果が期待できる抗腫瘍薬を提供することを目的とし
てなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記した
課題を解決するため、鋭意研究した結果、インド各地に
おいて伝統的に食用にされている、オトギリソウ科植物
の抽出液に、前記したエプスタイン・バーウィルス早期
抗原誘導抑制に強い活性があること、その活性本体がベ
ンゾフェノン誘導体類であることを初めて明らかにし、
そしてベンゾフェノン誘導体を有効成分として含有させ
れば、抗腫瘍薬として有用であることなどを見出し、こ
れらの知見に基づき本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、ベンゾフェノン誘導体を含有してなる抗
腫瘍薬である。以下、本発明を詳細に説明する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるベンゾフェノ
ン誘導体とは、ベンゾフェノン(benzopheno
ne)の骨格におけるベンゼン核の水素原子が水酸基、
カルボニル基、又はイソプレニル基などの炭化水素鎖な
どに置換された誘導体類であって、それらは水溶性、脂
溶性のどちらでもよく、またその生産手段は特に問われ
ず、化学合成法で得られるもの、ベンゾフェノン誘導体
を含有する植物体などから抽出した抽出物などいずれで
もよい。そして、前記誘導体の一例として、ポリイソプ
レニル化ベンゾフェノン誘導体類を挙げることができ
る。そして、ポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導体
類の具体例としては、例えばガルシノール[(Garc
inol);別名 カンボジノール(Cambogin
ol)]、イソガルシノール[(Isogarcino
l);別名 カンボジン(Cambogin)]、キサ
ントチモール(Xanthochymol)、イソキサ
ントチモール(Isoxanthochymol)、グ
ッチフェロン(Guttiferone)などを挙げる
ことができる。それらの中でも、特に好適なものとし
て、EBV−EA誘導抑制活性が強く、しかも、原料植
物体の生産量が多く、その植物体中の含有率も高い、ガ
ルシノールを挙げることができる。なお、前記のベンゾ
フェノン誘導体の内でも、特に脂溶性であるものは、製
剤化の上での利便性、生体に対する吸収効率、作用部位
への局在化効率などが大いに期待される。
【0006】本発明に用いられるベンゾフェノン誘導体
としては、該誘導体を含有している前記したような植物
体自体、もしくはその粉砕物(それらは生、乾燥物どち
らでもよい)の抽出物、その精製物又は部分精製物など
を挙げることができる。前記のベンゾフェノン誘導体を
含有している植物としては、オトギリソウ科に属する植
物、例えば、熱帯性植物であるGarcinia ca
mbogia(英名:Goraka)、Garcini
a indica(英名:Kokam)、Garcin
ia purpureaなどを挙げることができる。そ
してベンゾフェノン誘導体を得るには、その植物体の果
実、果皮、樹木、樹皮、樹液などいずれでも用いられ
る。前記Garcinia cambogia、Gar
ciniaindicaの乾燥果実は、インド各地にお
いて料理の酸味料として大量に生産されているので、そ
れを用いてもよい。また近年では、これらの乾燥果実か
ら、ヒドロキシクエン酸の抽出が工業的に大規模に行わ
れており、その際に生ずる廃棄物であるその抽出残渣を
用いてもよい。
【0007】ベンゾフェノン誘導体は合成法でも得るこ
とができるが、ベンゾフェノン誘導体を含有している前
記の各種植物体から慣用技術を用いて抽出することによ
り得るのが好適である。その抽出においては、有機溶媒
を用いると当該物質を効率よく抽出できる。その有機溶
媒としては、例えばメタノ−ル、エタノ−ル、アセト
ン、酢酸エチル、又はそれらの含水物、クロロホルム、
ジクロロメタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンを挙げ
ることができる。本発明において用いられるベンゾフェ
ノン誘導体は、これら有機溶媒の中でも、エタノ−ル、
アセトン、ヘキサンなどにより抽出したものが好ましく
用いられる。また、超臨界ガスを用いて抽出するには、
例えば超臨界ガスとして炭酸ガスなどが用いられ、これ
にエントレーナーとしてエタノール、水などを加え、温
度;0〜100℃、好ましくは20〜40℃、圧力;5
〜2000kg/cm2、好ましくは20〜800kg
/cm2、時間;5分〜4日間、好ましくは30分〜2
0時間などの条件を適宜組み合わせて行なうことができ
る。本発明においては、いずれの抽出物も使用すること
ができる。
【0008】前記した有機溶媒を用いて抽出物を得るに
は、前記したごとく公知の方法に従えばよく、例えば前
記した植物の果実、果皮、樹木、樹皮を適当に破砕した
後、それらの粉砕物、また該植物の樹液を前記した有機
溶媒で公知の方法を用いて処理する。具体的には、原料
の1〜100倍(重量比)、好ましくは3〜20(重量
比)の有機溶媒で、温度0℃以上、好ましくは10℃か
らその有機溶媒の沸点以下の温度の条件下で、1分〜8
週間、好ましくは10分〜1週間抽出処理をする。
【0009】また、上記のごとくして得られる抽出処理
物自体を本発明に用いてもよいが、好ましくは有機溶媒
を通常の方法、例えばロ−タリエバポレタ−などを使用
して除去するのがよい。この有機溶媒除去物に、凍結乾
燥、加熱乾燥などの慣用技術処理を施してもよい。
【0010】上記抽出物からベンゾフェノン誘導体を精
製するには、公知の天然有機化合物類の分離・精製法を
採用すればよい。例えば、活性炭、シリカ、化学修飾シ
リカ、ポリマ−系担体などを用いた吸脱着、あるいはク
ロマトグラフィ−、液−液抽出、分別沈澱などの手法に
より、不純物を除き精製する。具体的には、本発明の抽
出物をODS−カラムクロマトグラフィ−に供し、60
〜100%(v/v)エタノ−ル溶液(または適宜の濃
度のメタノ−ル或いはアセトニトリルでもよい。)で溶
出・分画する。これらのクロマトグラフィーによって分
離される成分を集め、濃縮・結晶化するとベンゾフェノ
ン誘導体が得られる。なお、得られた当該物は、合成法
によって別の誘導体類に変えることもでき、このように
して得られたベンゾフェノン誘導体もまた本発明におい
て有効に使用することができる。
【0011】前記した抽出物、その抽出物の精製物、す
なわちベンゾフェノン誘導体自体(これを原料として新
に合成されたベンゾフェノン誘導体も含む)、あるいは
前記抽出物の中間精製物は、後述するごとく、EBV潜
在感染ヒトリンパ芽球細胞(Raji)に対し、プロモ
ーターであるホルボールエステル類を同時に細胞に作用
させたとき、いずれも強いEBV−EA誘導抑制活性を
有することが確認された。そしてこのベンゾフェノン誘
導体は、後述のごとく安全性も極めて高い。
【0012】したがって、前記のベンゾフェノン誘導体
を含んだ、抽出物、精製物あるいは中間精製物などいず
れかを含有させることにより、前記した効果が期待でき
る本発明の抗腫瘍薬とすることができる。そして、必要
により、前記のベンゾフェノン誘導体に、薬剤に通常用
いられている適当な賦形剤、例えば乳糖、澱粉、油脂な
どを添加して本発明の抗腫瘍薬とすることもできる。ま
た、必要により、ベンゾフェノン誘導体の1種又は2種
以上を併用することもできる。なお、前記のベンゾフェ
ノン誘導体を含んだ、抽出物、精製物あるいは中間精製
物などいずれかを含有させて、前記した効果が期待でき
る健康食品素材とすることもできる。
【0013】本発明の抗腫瘍薬は、ベンゾフェノン誘導
体を、例えば0.00001〜10%(w/w)、好ま
しくは、0.0001〜5%(w/w)含有させて用い
られる。また、ベンゾフェノン誘導体単独か、もしくは
他の薬剤との合剤とするかして、それらに乳化剤、安定
化剤、増量剤などを混合してもよい。本抗腫瘍薬は、経
口、外用、注射の何れの方法によっても投与しうる。経
口剤としては散剤、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、シロッ
プ剤など任意の剤形を採用しうる。外用剤としては、乳
剤、軟膏剤などが好適である。注射剤としては、ベンゾ
フェノン誘導体に、界面活性剤、プロピレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロ
ースなどを加えた乳濁液が好適に用いられる。なお、健
康食品素材として用いるときの前記ベンゾフェノン誘導
体の含有量も前記した抗腫瘍薬のときと同様である。
【0014】本発明の抗腫瘍薬の投与量は、治療すべき
症状、年令、体重などにより異なるが、例えば通常、成
人1日あたり、ポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導
体として1〜5000mg、好ましくは10〜2000
mg程度である。また、健康食品、飲食品、食品添加剤
などとして食する際の通常の摂取量は、例えば成人1日
当たり、ベンゾフェノン誘導体として、1mg〜500
0mg程度、好ましくは20mg〜1000mg程度で
ある。
【0015】
【実施例】以下に、参考例、実験例および実施例を示
し、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、それ
らの例によってなんら限定されるものではない。 参考例1(ガルシノールの調製) ガルシノールの調製は、インド産の食用果実であるGa
rcinia indicaの乾燥果皮(Kokam)
より、以下の方法で抽出精製した。Garcinia
indicaの乾燥果皮から、先ずヒドロキシクエン酸
を抽出した。その方法は、Y.S.Lewisの方法
(Methods in Enzymology、77
巻、615頁参照)によった。すなわち、上記果皮20
0gに600mlの水を加え、115℃、15分間、オ
−トクレ−ブ処理した。ブッフナ−ろ斗上(ト−ヨ−の
濾紙No.2を使用)で吸引ろ過し、更に、ろ液が全量
で600mlになるまで水で洗った。かくのごとくし
て、抽出残渣を得た。
【0016】次いで、この抽出残渣の湿重量50gに対
して500mlのエタノールを添加し、室温(20℃)
で3時間撹拌しながら抽出を行った。残渣を濾別し、抽
出液をロータリーエバポレーターにて減圧乾固し、抽出
エキスを得た。これをメタノール10mlに溶解し、不
溶物をろ別後、YMCゲルODS−AM120−S50
(YMC Co.Ltd.製)の内径32mm×35c
mのカラムクロマトグラフィーに供した。アセトニトリ
ル90%溶液にて溶出される成分のうち、365nmに
吸収を有する2つの主たる画分を集めた。このうち、後
半に溶出した黄色の画分をロータリーエバポレーターに
てアセトニトリルを溜去して淡黄色の乳濁液を得た。こ
の乳濁液に、3倍容の酢酸エチルを添加して抽出を行
い、有機溶媒層を無水硫酸ナトリウムで脱水した後、ロ
ータリーエバポレーターにて濃縮乾固した。その乾固物
を少量のアセトニトリルに加温溶解し、冷却すると淡黄
色の針状結晶が得られた。この結晶を濾別し、少量の冷
アセトニトリルで洗浄した後、真空デシケーター中で乾
燥させた。最終的に150mgの結晶が得られた。この
結晶の融点は120℃、比旋光度は−135°、紫外部
吸収は250nm及び365nm、マススペクトル測定
による分子量は602であった。これらの値から、この
物質は、A.V.Rama Raoら(Tetrahe
dronLett.、21巻、1975−1978頁、
1980年 参照)及びN.Krishnamurth
yら(Tetrahedron Lett.、22巻、
793−769頁、1981年 参照)によって報告さ
れたポリイソプレニル化ベンゾフェノンの一種であるガ
ルシノール(カンボジノール)と一致した。
【0017】参考例2(イソガルシノールの調製) 参考例1に記載した操作によって、ODSカラムクロマ
トグラフィーで得られた、前半に溶出された無色の画分
を集めた。これをロータリーエバポレーターにて濃縮乾
固し、エタノールによって加温溶解した。これを穏やか
に冷却し、無色の板状結晶を得た。この結晶をろ別、乾
燥し、最終的に15mgの結晶を得た。この結晶の融点
は218℃、比旋光度は−203°、紫外部吸収は23
2nm及び278nm、マススペクトル測定による分子
量は602であった。これらの値から、この物質は、前
記文献によって報告されたポリイソプレニル化ベンゾフ
ェノンの一種であるイソガルシノール(カンボジン)と
一致した。
【0018】実験例1(EBV−EA誘導抑制作用の測
定) 発ガンプロモーションの抑制効果を評価する方法とし
て、前述したY.ItoらによるEBV−EA誘導抑制
試験法に準じて、以下のように行なった。まず、EBV
潜在感染ヒトリンパ芽球細胞(Raji)を5×105
cell/mlに調製し、n−酪酸3mM(インデュー
サー)、TPA(12−O−tetradecanoy
lphorbol−13−acetate)50nM
(プロモーター)を添加したRPMI−1640培地中
で、5%二酸化炭素、95%空気、37℃の条件下で4
8時間培養した。この時、EBV−EAが誘導された細
胞を、上喉頭ガン(nasopharyngeal c
arcinoma,NPC)患者血清を用いた間接蛍光
抗体法にて、顕微鏡下で検出した。この系において、D
MSO(ジメチルスルフォキシド)に溶解した被検物質
(ガルシノール)を各種の濃度(8μg/ml、40μ
g/ml、120μg/ml)でプロモーターと同時に
細胞に作用させた。このときのEBV−EAが誘導され
た細胞の減少率をもって、EBV−EA誘導抑制活性と
した。なお、ガルシノールは、参考例1に記載したと同
様の方法で得たガルシノール標品を用いた。
【0019】その結果、ガルシノールは、培地中に8μ
g/mlの添加でEBV−EA誘導を58.2%抑制し
た。この時、細胞の生存率は80%以上であった。この
ことから、ベンゾフェノン誘導体であるガルシノール
が、強いEBV−EA誘導抑制活性を有することがわか
り、これを有効成分として含有させれば、発ガンプロモ
ーションを抑制することができる。そして、前記した活
性を有することから、発ガン予防効果が期待できる医薬
品、すなわち抗腫瘍薬、又は健康保持用の食品素材とし
て、利用することができる。
【0020】実験例2(単回投与毒性試験) 体重29〜32gのICR/crj雄マウス(5週齢)
(一群5匹)を使用して、医薬品のための毒性試験法ガ
イドライン(昭和59年2月15日薬審第118号、都
道府県衛生主管部局長宛厚生省薬務局審査第2課長通
知)に準じ、単回投与毒性試験を行った。すなわち、生
理食塩水にガルシノールを30mg/mlの濃度となる
よう懸濁し、この懸濁液をマウスに、体重30gあたり
0.5ml(500mg/体重kg)の割合で経口投与
し、14日間観察した。その結果、全例とも死亡動物は
なく、また副作用も認められず、14日目の剖検におい
ても、組織、臓器の顕微鏡的異常はなんら観察されなか
ったことから、本発明に用いられるガルシノールは、き
わめて毒性が低いことがわかる。
【0021】実施例1<ガルシノールを含有させた抗腫
瘍薬(シロップ剤)の調製> 参考例1に記載したと同様にして得たガルシノールを乳
鉢で微粉末とし、これを滅菌精製水に懸濁し、この懸濁
液にチェリーシロップを穏やかに撹拌しながら添加して
1200mlとする下記組成のシロップ剤を調製した。
このシロップ剤は、1日当たり1〜3回服用でき、1回
当たり5mlの服用でガルシノール200mgを含有し
た、シロップ状の抗腫瘍薬である。 <シロップ剤の組成> ガルシノール 48g チェリーシロップ 1000ml 滅菌精製水 残余
【0022】実施例2<ガルシノールを含有させた抗腫
瘍薬(散剤)の調製> 参考例1に記載したと同様にして得たガルシノール標品
と、乳糖、結晶セルロースとを下記組成で混合し、これ
を精製水で練合した後、常法により粉末状または細粒状
とした散剤1kgを調製した。この散剤は、1包を1g
として、1包の服用でガルシノール200mgを含有し
た抗腫瘍薬(散剤)である。 <散剤の組成> ガルシノール 200g 乳糖 600g 結晶セルロース 200g
【0023】実施例3<抽出物を含有させた発ガンプロ
モーション抑制機能を有する健康食品(散剤状)の調製
> 参考例1に記載したと同様にして得た抽出エキス(ガル
シノール25w/w%、イソガルシノール5w/w%含
有)を含有させて、下記組成(単位:g)の発ガンプロ
モーション抑制機能を有する健康食品(散剤状)1kg
を調製した。なお、組成中の大豆分離蛋白は、フジピュ
リナプロテイン社製の「ニューフジプロ1200」を使
用した。 <健康食品の組成(1kgあたり)> Garcinia indica抽出エキス 50.0 大豆分離蛋白 904.446 含水結晶ブドウ糖 30.3 デキストリン 3.0 ビタミンB1 0.05 ビタミンB2 0.06 ビタミンB6 0.15 ビタミンB12 0.00018 葉酸 0.024 ビタミンA 0.22 アスコルビン酸 2.0 α−dl−トコフェロール 0.75 乳酸カルシウム 9.0 この健康食品を1日30g食することにより、ポリイソ
プレニル化ベンゾフェノン誘導体(ガルシノール及びイ
ソガルシノール)を450mg摂取することができる。
【0024】実施例4<抽出物を含有させた発ガンプロ
モーション抑制機能を有する健康食品(ソフトカプセル
体)の調製> 参考例1と同様にして得た抽出エキス(ガルシノール2
5w/w%、イソガルシノール5w/w%含有)を含有
させて、下記組成(単位:mg)の、発ガンプロモーシ
ョン抑制機能を有する健康食品(ソフトカプセル体)を
調製した。 <健康食品の組成(1カプセル当たり)> Garcinia indica抽出エキス 50.0 β−カロチン 20.0 α−dl−トコフェロール 0.75 DHA 30.0 オリーブ油 899.25 このソフトカプセル体の健康食品を1日1〜30個を食
することにより、ポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘
導体(ガルシノール及びイソガルシノール)を15〜4
50mg摂取することができる。
【0025】
【発明の効果】 本発明に用いられるベンゾフェノン誘
導体は、エプスタイン・バーウィルス早期抗原誘導抑制
活性が強く、植物中などに多量に含有し、その抽出、加
工、或いは誘導体化処理が容易で、しかも安全性が高い
物質である。したがって、この物質を有効成分として含
有させた、本発明の抗腫瘍薬は、ガンの発症予防、治療
などの効果が期待できるので、極めて有用である。ま
た、前記誘導体を含有させた食品素材は、発ガンプロモ
ーション抑制機能を有するので健康食品素材としても用
いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村上 明 尼崎市南塚口町2−34−16 (72)発明者 小清水 弘一 奈良市法蓮山添西町856−10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベンゾフェノン誘導体を含有してなる、
    抗腫瘍薬。
  2. 【請求項2】 ベンゾフェノン誘導体がポリイソプレニ
    ル化ベンゾフェノン誘導体である、請求項1記載の抗腫
    瘍薬。
  3. 【請求項3】 ベンゾフェノン誘導体がオトギリソウ科
    植物の植物体の有機溶媒抽出物に含まれるポリイソプレ
    ニル化ベンゾフェノン誘導体である、請求項1記載の抗
    腫瘍薬。
  4. 【請求項4】 ベンゾフェノン誘導体が、ガルシノール
    (カンボジノール)である、請求項1記載の抗腫瘍薬。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4に記載のいずれ
    かのベンゾフェノン誘導体を含有してなる、発ガンプロ
    モーション抑制剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008110996A (ja) * 2000-08-17 2008-05-15 Sabinsa Corp 体脂肪低減用組成物
JP2020525425A (ja) * 2017-06-22 2020-08-27 サミ ラブズ リミテッド 小胞体ストレスの治療管理のためのガルシノール組成物

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