JP4763139B2 - 新規な多価フェノール重合体及びその用途 - Google Patents

新規な多価フェノール重合体及びその用途 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な多価フェノール(ポリフェノール)重合体及びその重合体を有効成分として含有する医薬組成物に関する。
より詳しくは、カテキン及び/またはエピカテキンを構成単位とする新規多価フェノール重合体、及びその多価フェノール重合体を有効成分とする、生体の脂質過酸化抑制、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)活性上昇、脳機能改善効果等を有する医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
高齢化社会に向い、痴呆症、アルツハイマ−症候群等の脳疾患患者の増加が危惧されている。脳疾患に罹患していなくとも、モノ忘れが激しい、度忘れする、等は人々が日常経験する事象であり、これを脳疾患の予兆と見る場合もある。
脳疾患を始めとする各種疾病の要因には、生体内で生成される活性酸素種が関与すると言われるが、疾病との関連は完全には解明されておらず、活性酸素種の生成を抑制、制御する技術も開発されていない。脳疾患等の有効な予防、治療技術は、現状では存在しないに等しいと言える。
【0003】
一方、食品、特に植物性の食品に含まれる天然の生理活性物質の作用を活かして生活習慣病等の疾病の予防や治療を試みる方法への関心が近年高まっている。しかし、植物体成分による生理活性化作用は、植物体のどのような成分が有効成分なのか未解明なまま利用されているケースが多く、その作用を確実に実現したり、新たな機能を探求する段階には至っていない場合が多い。
【0004】
蕎麦についても高血圧症予防、中性脂肪低下等の民間療法的効用が知られており、蕎麦種子がルチン、ケルセチン等のフラボノイド類、プロアントシアニジン等の多価フェノール類等を成分として含有することが着目されている。このうち、ルチン、ケルセチン等のフラボノイド類については検討が進んでいる。しかし、蕎麦含有多価フェノール類については、具体的にどのような構造の化合物が含まれ、それによりどのような生理活性作用が発揮されるかについての検討は殆どなされていない。
【0005】
本発明者らは従来より蕎麦に着目して研究を続け、既に蕎麦殻より抽出したエキスあるいはその分画物を有効成分とする過酸化脂質抑制剤、コレステロ−ル低下剤、中性脂肪低下剤及び高脂血症改善剤(特開平10-218786号)、蕎麦種子、蕎麦種子の抽出物または蕎麦種子抽出物の分画物を含有する老化の予防及び/または治療用組成物(特開2000-53575号)を提案しているが、その有効成分の具体的構造の解明には至っていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は蕎麦種子に含まれる生理活性を示す成分を分離同定し、その生理活性作用を把握して医薬品等への利用を図ることを目的とするものである。
【0007】
【課題解決の手段】
本発明者らは、蕎麦種子の抽出物に含まれる多種多様な成分から生理活性成分を探索し、カテキン及びエピカテキンを構成単位とする生理活性作用を有する新規な多価フェノール重合体が、生体の脂質過酸化抑制、SOD活性低下、脳機能改善等の効果を有することを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は以下の新規な多価フェノール重合体、これを含有する生理活性物質及び前記多価フェノール重合体を有効成分とする医薬組成物を提供する。
1.式(I)
【化3】
Figure 0004763139
(式中、クロマン環の3位の水酸基の立体配置は、α配置、β配置またはそれらの混合物を表わし、nは0または1以上の整数である。)で示される多価フェノール重合体。
2.式(I)で示される多価フェノール重合体における各クロマン環の3位の水酸基の立体配置を、式(II)
【化4】
Figure 0004763139
(式中、nは前記に同じ。)のX1及びX2で表わしたとき、X1のα配置/β配置比が約2であり、X2のα配置/β配置比が約0.5である前項1記載の多価フェノール重合体。
3.nが0または1〜7の整数である前項または2記載の多価フェノール重合体。
4.蕎麦抽出物から得られる前項1乃至3のいずれかに記載の多価フェノール重合体。
5.生理活性作用を有する前項1乃至4のいずれかに記載の多価フェノール重合体。
6.生理活性作用が脂質過酸化抑制作用である前項5に記載の多価フェノール重合体。
7.生理活性作用がスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)活性上昇作用である前項5に記載の多価フェノール重合体。
8.前項5に記載の多価フェノール重合体を有効成分とする医薬組成物。
9.脳機能改善作用を有する前項8に記載の医薬組成物。
10.脂質過酸化抑制作用及び/またはSOD活性上昇作用を有する前項8に記載の医薬組成物。
【0009】
【発明の実施の態様】
以下、本発明を詳細に説明する。
(A)多価フェノール重合体
本発明の新規多価フェノール重合体は、蕎麦抽出物に含まれる生理活性作用を有する物質であり、下記式(I)
で示される基本構造を有する。
【化5】
Figure 0004763139
【0010】
式中、クロマン環の3位の水酸基の結合を示す波線は、
【化6】
Figure 0004763139
すなわち、紙面の手前側に結合しているβ配置を表わすか、
【化7】
Figure 0004763139
すなわち、紙面の向う側に結合しているα配置を表わすか、またはそれらの混合物を表わし、nは0または1以上の整数である。
式(I)中のベンゼン環及びクロマン環は水酸基、アルコキシル基、アシル基、O−グリコシル基、及びC−グリコシル基等の置換基で修飾されていてもよい。
【0011】
後述の実施例により蕎麦抽出液から得られた式(I)で示される本発明の多価フェノール重合体の具体例では、式(I)を下記式(II)
【化8】
Figure 0004763139
(式中、nは前記に同じ。)で表わした場合において、X1ではα配置/β配置比が約2(1.75〜2.25)であり、X2ではα配置/β配置比が約0.5(0.4〜0.6)であったが、本発明化合物のX1及びX2のα配置/β配置の比はこの範囲に限定されるものではない。
【0012】
式(I)の基本単位化合物であるX1がα配置の化合物:
【化9】
Figure 0004763139
はエピカテキン(epicatechin)として知られ、X1がβ配置の化合物:
【化10】
Figure 0004763139
はカテキン(catechin)として知られている化合物であり、本発明の多価フェノール重合体はカテキン−エピカテキン重合体である。
【0013】
蕎麦抽出物から得られる本発明のカテキン−エピカテキン重合体の中でも、2量体(式(I)でn=0)から9量体(式(I)でn=7)の範囲のものに優れた生理活性作用が認められた。
【0014】
(B)製造方法
上記の多価フェノール重合体は蕎麦、特に蕎麦種子から抽出分離して得ることができる。
蕎麦種子は薄膜で被覆された子実、すなわち蕎麦粉を採取する部分の外側を、蕎麦殻と呼ばれる表皮で覆った構造からなるが、本発明では、このような構造の種子全体、あるいはその一部(子実、薄膜、あるいは殻等)を指し、必要によりこれらを単独で、あるいは2種以上を併用する。蕎麦種子それ自体または必要により適宜粉末化したもの、あるいは蕎麦種子を水、アルコールその他の溶媒で抽出して得たエキス、あるいはこのエキスを更に適宜の手段により分画、精製して得た特定の画分が利用できる。
【0015】
蕎麦種子それ自体を用いる場合は、適宜粉砕、篩別等の処理を施した粉末として用いる。粉砕、篩別処理の前後には、必要により加熱、加圧その他の物理的処理を行ってもよい。粉砕、篩別その他の処理には、通常一般的に使用される機器類を、通常の条件で使用すればよい。
【0016】
蕎麦種子からのエキス抽出に用いる溶媒としては、通常、水系溶媒(水、または酸、塩、塩基、アルコール等の水溶液)、有機溶媒、あるいはこれらの混合物が用いられる。エキス抽出は常圧または加圧下で、常温ないし60℃程度で1〜3時間程度行われるが、必要により70〜150℃程度としてもよく、時間も1時間以下に短縮、あるいは3〜5時間程度に延長してもよい。いずれの条件でも所要の品質の抽出エキスの回収が可能であり、抽出条件は作業性や経済性等を考慮して適宜選択すればよい。抽出処理後、ろ過、遠心分離等適宜の手段で抽出液を回収し、必要により溶媒除去、エキス分の濃縮、乾燥、粉末化等の処理を行う。濃縮エキスの乾燥、粉末化に際し、適宜の賦形剤を使用してもよい。
【0017】
蕎麦種子の抽出エキスを、限外ろ過、逆浸透等の膜処理、または各種クロマトグラフィー処理することにより、目的とする活性画分が得られる。吸着剤としては、スチレン・ジビニルベンゼン系やメタクリル酸系等の吸着剤、親水性ビニルポリマー、修飾デキストランゲル、ポリアクリルアミドゲル、逆相系シリカゲル、イオン交換樹脂等が用いられる。吸着画分は、含水アルコール、アルコール、アセトン等で溶出して回収される。画分の主成分は多価フェノール化合物である。
【0018】
(C)生理活性作用及び用途
本発明の多価フェノール重合体は、分画した各分画成分でも、また混合物〔式(I)のでn=0〜7の混合物〕でも血中の過酸化脂質の低下、SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)活性の上昇等の効果を有する。
【0019】
本発明の多価フェノール重合体による生理活性作用としては、脳機能改善効果が挙げられる。脳機能改善効果の例としては、痴呆症やアルツハイマー症候群等の脳の病的障害を予防・治療・改善する効果、学習能力、記憶・思考能力、言語・時空間・抽象的事象等を認知、弁別する能力等、脳の活動機能の活性化・向上作用が含まれる。また、ここに挙げた知的作用の改善と同時に、イライラ感の減少、不眠の解消、落着き回復その他、脳機能の不調に関連すると考えられる諸状態についての改善効果も含まれる。本発明の多価フェノール重合体による脳機能改善効果については、例えば、脳中のプロテインキナーゼC(PKC)の活性向上作用等が関与していると考えられる。
【0020】
また、本発明の多価フェノール重合体は、活性酸素種により生じる生体内物質の酸化的変性を抑えるため、酸化脂質の生成抑制、SOD活性の上昇等の効果が含まれる。従って、生体内での過酸化脂質の生成が引金となると考えられる高脂血症や糖尿病等を改善し、中性脂肪やコレステロール等を低下させる効果をも有する。
【0021】
本発明の多価フェノール重合体は上記の効果を有する一方、慢性毒性も急性毒性も全く認めらない。従って、これを食品や飲料の添加物として用いたり医薬組成物として用いることが可能である。また、化粧品中の脂質の酸化を抑えこれを安定化したり、飼料等に添加することも可能である。
医薬組成物として用いる場合の構成は任意であり、経口または非経口で用いられる。投与量は年齢、体重、症状、目的の治療効果、投与方法等により広い範囲で用いることができる。経口的使用の場合は、例えば、成人一人あたり一回につき、1mg〜1g程度が適当である。一般に、錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、シロップ剤等の形で投与されるが、必要により注射剤、塗布剤等で用いる場合もある。更に、造粒、錠剤化あるいはシロップ剤、塗布剤等調製の際、必要により適宜の補助資材(澱粉類、デキストリン、甘味料類、色素、香料等)を使用することもできる。
【0022】
【実施例】
実施例1
本発明者らは、蕎麦種子の水抽出物から得た50%アセトン画分が生理活性作用を示すことを確認しているが(特開2000-53575号)、これをさらにセファデックスLH−20により、(a)分子量が約500以下の画分、(b)分子量が約500以上の画分に分画し、それぞれについて老化促進マウス(SAM)を用いた試験により有効成分が後者に含有されていることを示す結果を得たが、その有効成分の構造を以下の方法により検討した。
【0023】
(1)蕎麦抽出成分の分画
夾雑物を除去した蕎麦全粒種子(北海道産)を水洗、乾燥した後、全体を40メッシュ以下に粉砕し、篩別した粉末1kgに水20リットルを加え、加圧下で120℃、1時間撹拌抽出処理して得た抽出液50gを、水、及び水−アセトン(アセトン50%)を用いてMCIゲル(三菱化学(株))により分離し、水で平衡化したセファデックスLH−20(ファルマシア製、修飾デキストランゲル)に吸着させ、水、メタノール画分、50%アセトン画分に分画した。メタノール画分(6.6g)は、更にエタノールで平衡化したセファデックスLH−20(ファルマシア製、修飾デキストランゲル)に吸着させ、エタノール、水−エタノール(エタノール80%、エタノール70%、エタノール60%)及び、水−アセトン(アセトン50%)を用いて5画分に分画した。
【0024】
得られた画分は、次のとおりである(括弧内は溶離溶媒留去後の乾燥物の残存量)。
▲1▼エタノール画分(0.71g)
▲2▼80%エタノール画分(1.19g)
▲3▼70%エタノール画分(1.99g)
▲4▼60%エタノール画分(1.29g)
▲5▼50%アセトン画分(エタノール平衡化セファデックスLH−20)(1.41g)
▲6▼50%アセトン画分(水平衡化セファデックスLH−20)(3.3g)
【0025】
(2)蕎麦抽出成分の構造解析
チオリシス法(Y.Kashiwada, et al., Chem Pharm. Bull. 38(4) 856-860 (1990))により、各画分中の多価フェノールの単位構造、重合度等を調べた。この方法の基本原理を次式に示す。
【化11】
Figure 0004763139
フェノール(単位構造)のn量体を酸(酢酸または塩酸)、ベンジルメルカプタン(Ph−CH2−SH)の存在下で加熱還流すると式中点線で示した結合部位が切断され、(n−1)個のベンジルチオエーテル結合ユニット(チオエーテル体)と、1個の末端の多価フェノール(単位構造)が生成する。チオリシスによる反応生成物を回収してその構造を分析することにより、多価フェノールの単位構造が、またチオエーテル体と非チオエーテル体の収量の比から重合度が明らかになる。
【0026】
前記(1)でた6画分▲1▼〜▲6▼について各試料100mgをそれぞれエタノール10mLに溶解し、これらの試料溶液それぞれに酢酸3mL、ベンジルメルカプタン2mLを滴下して窒素気流下95℃で撹拌しながら還流した。一定時間ごとに反応混合液の一部を取出し、HPLCで分析して反応の終結を確認した。
HPLC条件は、次のとおりである。
【0027】
Figure 0004763139
【0028】
チオリシス反応終了時点のHPLCチャートを図1(60%エタノール画分のもの)に示す。図中、保持時間9.48分及び12.55分のピーク成分は、標準品との対比からそれぞれカテキン、及びエピカテキン(ピーク比が約2:1)であることが確認された。
【0029】
また、ベンジルチオエーテル結合ユニット(チオエーテル体)について、同様に構造を確認したところ、カテキン及びエピカテキンのベンジルチオエーテル結合ユニットの含有比は約1:2であることが確認された。
この結果から、蕎麦由来の多価フェノール重合体はカテキン、及びエピカテキンを構成単位とする重合体であることが判明した。なお、保持時間14.62分のピークは、開環体等の副生成物と考えられる。
また、これらのピークとベンジルチオエーテル結合ユニット(チオエーテル体)である保持時間18.83分のピークの面積比から、下記式に従って平均重合度を算出した。
【数1】
Figure 0004763139
式中の記号は以下の意味を表わす。
T:チオエーテル化合物ピーク面積
T:チオエーテル化合物のモル吸光係数
C:カテキンピーク面積
C:カテキンのモル吸光係数
E:エピカテキンピーク面積
E:エピカテキンのモル吸光係数
【0030】
その結果、各画分の平均重合度は以下のとおりであった。
▲1▼エタノール画分:単純多価フェノール(重合してないカテキン、ルチン等)
▲2▼80%エタノール画分:平均重合度3のカテキン・エピカテキン重合体
▲3▼70%エタノ−ル画分:平均重合度5のカテキン・エピカテキン重合体
▲4▼60%エタノール画分:平均重合度7のカテキン・エピカテキン重合体
▲5▼50%アセトン画分 :平均重合度8のカテキン・エピカテキン重合体
▲6▼50%アセトン画分 :平均重合度9のカテキン・エピカテキン重合体
以上の結果から、重要な効果を有する多価フェノール重合体は下記の基本構造で示されるカテキンとエピカテキンを構成単位とするポリマーないしオリゴマーであると考えられる。
【化12】
Figure 0004763139
【0031】
(3)構造と活性の相関
リノール酸の自動酸化阻害作用に関するPrattらの方法(Natural antioxidants from plant material. In Phenolic Compounds in Food and their effect on Health II:Antioxidants and Cancer Prevention:Huang, M-T, Ho, C-T., Lee,C.Y., Eds.;American Chemical Society: Washington, DC, 1992; pp54-71)に従って測定した。
【0032】
リノール酸20mg及びトゥイーン20(Tween 20)を200mgを秤量して遮光三角フラスコに入れ、これに0.2mg/mLのβ−カロチン・クロロホルム溶液1mLを加えて窒素ガスを吹込みながら濃縮した。これに(i)▲1▼〜▲6▼の画分のそれぞれの乾燥試料を500μg/mLの濃度となるように蒸留水に溶解して得た試料1mL、及び(ii)0.5L/minの割合で1時間空気を送り込んで調製した50mLの空気飽和蒸留水を加えて混合し、50℃でインキュベートした。
【0033】
その後、β−カロチンの退色を観察するため、30分後及び90分後に上記試験液を取出し、その吸光度(470nm)を測定し、阻害活性(抗脂質過酸化活性)を次式により求めた。
【数2】
Figure 0004763139
式中、退色比は30分後の吸光度(a)と90分後の吸光度(b)との比の自然対数値(ln(a/b))である。
【0034】
結果を図2に示す。図中の破線は分画処理を経ていない蕎麦抽出液の活性値であり、図に示すように本発明の蕎麦抽出液の主成分と考えられるカテキン・エピカテキン重合体では平均重合度3〜7で強い活性を示すことが明らかである。抗酸化活性が水酸基の数に依存するのであれば、質量基準で比較する限り単量体でも重合体でも結果は同じになる筈であるが、重合体の方が活性が高いという結果は、単量体分子が数多く含まれているより、これらが重合していることが重要であることを示すものである。
【0035】
実施例2:多価フェノール重合体の生理活性効果のin vivo確認試験
実施例1記載の方法に従って蕎麦種子抽出液から調製した、低分子多価フェノール(平均重合度4)、高分子多価フェノール(平均重合度8)を試料として、マウスに対するin vivoの活性を調べた。
【0036】
生後7週齢、雄性のICRマウスを1群6〜7匹とし、0.75%の鉄粉(和光純薬)を配合した標準飼料(CE−2)を4週間投与して脂質過酸化モデルを作成した。試料投与群には鉄配合飼料に試料0.75%を添加して投与し、飼料と水は自由摂取とした。解剖時に血液を採取し、血液から血清を分離した。市販のキット(SODテストワコー、LPOテストワコー)を用いて抗酸化指標を測定した。結果を図3に示す。図中、SODはスーパーオキシドジスムターゼ活性であり、LPOは過酸化脂質であり、低分子及び高分子は、それぞれ低分子多価フェノール(平均重合度4)及び高分子多価フェノール(平均重合度8)を示す。
【0037】
図3から明らかなように、鉄配合飼料を投与した脂質過酸化モデル・マウスでは、血中の脂質過酸化物が増加していたが、高分子蕎麦多価フェノール分画物の投与によってほぼ正常値まで低下した。また、鉄投与が原因で低下していた血清中のSOD活性も、正常値に回復した。
【0038】
【発明の効果】
本発明のカテキン・エピカテキンを構成単位とする多価フェノール重合体は、脂質過酸化の抑制、SOD活性の上昇等の生理活性作用を示すので、これを医薬品組成物、食品、飼料等に利用することが可能である。特に脂質過酸化抑制、SOD活性上昇等は生体内の活性酸素種の生成抑制に関連し脳機能に悪影響を及ぼす物質の除去に繋がることから、生体の脂質過酸化抑制、SOD活性上昇と共に、脳機能改善、脳の病的障害の予防・改善等にも有用と考えられる。
また、本発明の多価フェノール重合体の原料は、長期間の食経験のある蕎麦であり、急性、慢性いずれの毒性もなく、また蕎麦種子抽出液を分画した製品であることから、蕎麦アレルギーの問題もないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 蕎麦抽出成分のチオリシス反応終了時点でのHPLCチャートである。
【図2】 本発明の多価フェノール重合体と抗酸化活性の関係を示すグラフである。
【図3】 マウス過酸化モデルに本発明の多価フェノール重合体を投与した際における血清中の過酸化脂質(LPO)の変化(A)とSOD活性の変化(B)を示す。

Claims (8)

  1. 式(II)
    Figure 0004763139
    (式中、クロマン環の3位の水酸基X1及びX2の立体配置は、α配置及びβ配置の混合物を表わし、X1のα配置/β配置比が1.75〜2.25、X2のα配置/β配置比が0.4〜0.6であり、nは3〜7の整数である。)で示され、平均重合度が8である多価フェノール重合体。
  2. 蕎麦抽出物から得られる請求項1に記載の多価フェノール重合体。
  3. 生理活性作用を有する請求項1または2に記載の多価フェノール重合体。
  4. 生理活性作用が脂質過酸化抑制作用である請求項3に記載の多価フェノール重合体。
  5. 生理活性作用がスーパーオキシドジスムターゼ活性上昇作用である請求項3に記載の多価フェノール重合体。
  6. 請求項3に記載の多価フェノール重合体からなる医薬組成物。
  7. 脳機能改善作用を有する請求項6に記載の医薬組成物。
  8. 脂質過酸化抑制作用及び/またはスーパーオキシドジスムターゼ活性上昇作用を有する請求項6に記載の医薬組成物。
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