明 細 書 育毛剤 技術分野
本発明は、 植物体から抽出された抽出物 (植物体抽出物) を有効成分とす る育毛剤に関する。 さらに詳しくは、 上記植物体抽出物が、 プロアントシァ 二ジンおよびプロアントシァニジン以外の成分を含む育毛剤に関する。 背景技術
プロアントシァニジンは、 植物界において広く分布しているフラバン一 3 —オールを構成単位とする単純縮合型タンニンである。 近年になって、 プロ アントシァニジンの頭髪に対する作用が明らかにされ、 その用途が提案され つつある。
特に、 育毛効果については、 精製されたプロアントシァニジン、 特定の分 子構造を有するプロアントシァニジンなどを含む育 などが開示されてい る (特開昭 5 9 - 1 0 1 4 1 3号公報、 国際公開第 9 6 / 0 0 0 5 6 1号パ ンフレット、 特開 2 0 0 0— 2 0 1 6 5 0号公報、 および特開 2 0 0 1— 1 3 1 0 2 7号公報) 。
しかし、 これらの育毛剤は、 一定の育毛効果が認められるが、 その育毛効 果は十分ではないという問題点がある。 つまり、 さらに効果の高い育毛剤が 望まれている。 発明の開示
本発明は、 上記問題点に鑑みてなされたものであって、 その目的は、 精製 されたプロアントシァニジンを用いた育毛剤よりも育毛効果に優れ、 十分な
育毛効果を有する育毛剤を提供することにある。
本発明者は、 育毛効果を有する植物体抽出物について鋭意検討した。 その 結果、 育毛剤にプロアントシァ-ジンだけでなく、 プロアントシァニジン以 外の成分をも含有させた場合に、 優れた育毛効果が得られることを見出した。 さらに、 植物体抽出物のうち、 樹皮抽出物 (特に松樹皮抽出物) を用いれば、 経皮投与によっても、 または経口投与によっても、 極めて優れた育毛効果が 得られることを見出して、 本発明を完成させるに至った。
すなわち、 本発明の育毛剤は、 植物体から抽出された植物体抽出物を有効 成分とする育毛剤であって、 該有効成分が、 プロアントシァニジンおょぴプ 口アントシァニジン以外の成分であり、 該プロアントシァニジン以外の成分 ヽ 該植物体抽出物の固形分中に、 1 0質量%以上の割合で含まれる。
好ましい実施態様においては、 前記植物体が、 樹皮である。
好ましい実施態様においては、 前記植物体が、 松樹皮である。
好ましい実施態様においては、 前記植物体抽出物の固形分中に、 オリゴメ リック 'プロアントシァニジンが 2 0質量%以上の割合で含まれる。
さらに、 本発明は、 前記育毛剤を含む育毛用外用剤に関する。
さらに、 本発明は、 前記育毛剤を含む育毛用経口剤に関する。
さらに、 本発明は、 前記育毛用外用剤と前記育毛用経口剤とを含む育毛用 キットに関する。
本発明によれば、 プロアントシァニジン以外の成分が育毛効果を有し、 プ 口アントシァニジンとプロアントシァニジン以外の成分との相乗効果により 、 極めて高い育毛効果が得られる。 その結果、 精製されたプロアントシァニ ジンを用いた育毛剤よりも育毛効果に優れ、 十分な育毛効果を有する育毛剤 を提供することができる。 すなわち、 プロアントシァニジンの純度を高める ことなく、 優れた育毛効果を有する育毛剤を得ることができる。::'
発明を実施するための最良の形態
以下、 本発明の育毛剤について説明する。 なお、 以下に説明する構成は、 本発明を限定するものでなく、 特許請求の範囲の記載における範囲内で、 種々の変更が可能である。
(植物体抽出物)
本発明の育毛剤は、 植物から抽出された植物体抽出物を有効成分として含 む。 まず、 植物体抽出物について説明する。
本発明において、 植物体抽出物を得るための植物体には、 プロアントシァ 二ジンを含む植物体を用いる。 このような植物体としては、 例えば、 植物の 菜、 樹皮、 種子、 果物の皮、 果物の種などが挙げられ、 具体的には、 プドウ の種子、 松の樹皮、 ピーナッツの皮、 イチヨウの葉、 ニセアカシアの果実、 コケモモの果実、 西アフリカのコーラナッツ、 ペルーのラタニアの根、 日本 の緑茶などが挙げられる。 本発明においては、 このような植物体として、 樹 皮を用いることが好ましく、 松樹皮を用いることがさらに好ましい。 特に、 フランス海岸松の榭皮を用いることが好ましい。
(プロアントシァニジン)
次に、 本発明の育毛剤に使用される植物体抽出物に含まれるプロアントシ ァニジンについて説明する。 プロアントシァニジンは、 各種植物中に存在す る縮合または重合 (以下、 縮重合という) したタンニンであり、 ブラバン一 3一オールまたはフラバン一 3, 4—ジオールを構成単位として縮重合した 化合物群である。 これらは、 酸処理によりシァニジン、 デルフィ二ジン、 ぺ ラルゴニジンなどのアントシァニジンを生成することから、 その名称が与え られている。
プロアントシァニジンは、 ポリフエノール類の一種で、 植物が作り出す強
力な抗酸化物質であり、 上記のように、 植物の葉、 樹皮、 果物の皮もしくは 種の部分に集中的に含まれている。
プロアントシァニジンは、 ヒトの体内では、 生成することのできない物質 である。 また近年になって、 プロアントシァニジンの中でも、 重合度が低い プロアントシァニジン、 特に重合度が 2〜4の縮重合体 (2〜4量体) 力 抗酸ィヒ作用に優れていることが報告されている。 本発明では、 この重合度が 2〜4の縮重合体を、 オリゴメリック ·プロアントシァニジン (o 1 i g o me r i c p r o a n t h o c y a n i d i n といつ。 オリコメリツ ク 'プロアントシァェジン (以下、 適宜 「OPC」 と記す) は、 抗酸化作用 のほか、 チロシナーゼ、 コラゲナーゼ、 エラスターゼ、 ヒアル口ニダーゼな どの酵素反応を阻寄する効果、 血流を改善する効果を有することが知られて いる。
本発明の育毛剤に用いる植物体抽出物としては、 例えば、 プロアントシァ 二ジンを含む樹皮、 果実または種子の粉碎物のような食品原料となり得る原 料由来の植物体抽出物を使用することができる。
(プロアントシァニジン以外の成分)
' 次に、 本発明の育毛剤に使用される植物体抽出物に含まれるプロアントシ ァニジン以外の成分について説明する。 プロアントシァニジン以外の成分に ついては、 用いる植物体によって異なる。 したがって、 本明細書では、 植物 体として松樹皮を用いた場合を例にして説明する。
松榭皮は、 プロアントシァニジンの中でも O PCに富むため、 プロアント シァニジンの原料として好ましく用いられる。 し力 し、 松樹皮には、 ブロア ントシァニジンだけでなく、 プロアントシァニジン以外の成分も含まれてい る。 例えば、 プロアントシァ-ジンを植物体より抽出する工程により、 様々 な有機酸おょぴフラボノィドも抽出される。 このような有機酸およびフラボ
ノイドは、 プロアントシァニジン以外の成分である。 このような有機酸およ びフラボノイドとしては、 例えば、 カフェ一酸、 フマル酸、 キナ酸、 没食子 酸、 パニリン酸、 フェルラ酸、 カテキン類などが挙げられる。 このようなプ 口アントシァニジンとともに抽出される有機酸、 フラボノイド、 および有機 酸とフラボノイドとの混合物は、 それ自体で育毛効果を発揮する。
プロアントシァニジン以外の成分として代表的な成分は、 カテキン類が挙 げられる。 カテキン (c a t e c h i n ) 類とは、 ポリヒドロキシフラバン 一 3 _オールの総称であり、 プロアントシァニジンの構成単位である。 カテ キン類としては、 (+ ) —力テキン、 (一) 一ェピカテキン、 (+ ) —ガロ カテキン、 (-) ーェピガロカテキン、 ェピガロカテキンガレート、 ェピカ テキンガレートなどが知られている。 天然物からは、 狭義のカテキンといわ れる (+ ) —力テキンの他、 ガロカテキン、 ァフゼレキン、 および (+ ) 一 カテキンまたはガロカテキンの 3—ガロイル誘導体が単離されている。 カテ キン類は、 通常単独では水溶性が乏しく、 その生理活性が低いが、 O P Cお よび他の植物中に見られる有機酸の存在下では水溶性が増すと同時に、 活性 化する性質があり、 O P Cとともに投与することで効果的に作用する。 なお、 カテキン類は、 植物体抽出物に、 5質量%以上の割合で含有されていること が好ましい。 (植物体抽出物の調製方法)
以下、 植物体として松樹皮を用いた方法を例に、 植物体抽出物 (つまり松 樹皮抽出物) の調製方法について説明する。
抽出に用いることが可能な松樹皮としては、 例えば、 フランス海岸松 (P i n u s M a r t i m a ) 、 カラマツ、 クロマツ、 ァカマツ、 ヒメコマツ、 ゴヨウマツ、 チョウセンマツ、 ハイマツ、 リュウキユウマツ、 ゥックシマツ、 ダイォゥマツ、 シロマツ、 カナダのケベック地方のァネダなどのマツ目に属
する植物の樹皮が挙げられる。
本発明においては、 フランス海岸松 (P i n u s M a r t i m a ) の樹 皮を用いて、 抽出物を得るのが好ましい。 フランス海岸松からの抽出物は、 プロアントシァニジン (特に O P C) とプロアントシァニジン以外の成分と を含有しており、 下記実施例に示すように、 より優れた育毛効果を有するか らである。
フランス海岸松は、 南仏の大西洋沿岸の一部に生育している海洋性松をい う。 このフランス海岸松の樹皮は、 プロアントシァニジン、 有機酸、 その他 の生理活性成分などを含有し、 その主要成分であるプロアントシァニジン (特に O P C) には、 活性酸素を除去する強い抗酸ィ匕作用があることが知ら れている。
松樹皮抽出物は、 上記の松樹皮を溶媒で抽出して得られる。 ここで用いる ことができる溶媒としては、 例えば、 水、 有機溶媒、 および含水有機溶媒 (含水エタノールのような含水アルコールなど) が挙げられる。 水を溶媒に 用いる場合には、 温水または熱水を用いてもよい。 抽出に用いる有機溶媒と しては、 食品あるいは薬剤の製造に許容される有機溶媒が用いられ、 例えば、 メタノーノレ、 エタノーノレ、 1一プロパノーノレ、 2—プロパノー/レ、 1ーブタ ノーノレ、 2—ブタノ一ノレ、 アセトン、 へキサン、 シク口へキサン、 プロピレ ングリコール、 含水エタノール、 含水プロピレングリコール、 ェチルメチル ケトン、 グリセリン、 酢酸メチノレ、 酢酸ェチル、 ジェチルエーテノレ、 ジクロ ロメタン、 食用油脂、 1, 1, 1 , 2—テトラフルォロェタン、 および 1, 1, 2—トリクロロェテンが挙げられる。 これらの水および有機溶媒は単独 で用いてもよいし、 組合せて用いてもよい。 特に、 熱水、 含水エタノール、 およぴ含水プロピレングリコールが好ましく用いられる。
松樹皮からプロアントシァニジンを抽出する方法は、 特に限定されないが、 例えば、 加温抽出法、 超臨界流体抽出法などが用いられる。
超臨界流体抽出法は、 物質の気液の臨界点 (臨界温度、 臨界圧力) を超え た状態の流体である超臨界流体を用いて抽出を行う方法である。 超臨界流体 としては、 二酸化炭素、 エチレン、 プロパン、 亜酸化窒素 (笑気ガス) など が用いられ、 二酸化炭素が好ましく用いられる。
超臨界流体抽出法は、 目的成分を超臨界流体によって抽出する抽出工程お よび目的成分と超臨界流体とを分離する分離工程からなる。 分離工程では、 圧力変化による抽出分離、 温度変化による抽出分離、 または吸着剤 ·吸収剤 を用いた抽出分離のいずれを行ってもよい。
また、 ェントレーナー添加法による超臨界流体抽出を行ってもよい。 この 方法は、 超臨界流体に、 例えば、 エタノール、 プロパノール、 n—へキサン、 アセトン、 トルエン、 その他の脂肪族低級アルコール類、 脂肪族炭化水素類、 芳香族炭化水素類、 またはケトン類を 2〜2 0 WZV%程度添加し、 得られ た抽出流体で超臨界流体抽出を行うことによって、 O P C、 カテキン類 (後 述) などの目的とする被抽出物の抽出流体に対する溶解度を飛躍的に上昇さ せる、 あるいは分離の選択性を増強させる方法であり、 効率的に松樹皮抽出 物を得る方法である。
超臨界流体抽出法は、 比較的低い温度で操作できるため、 高温で変質 ·分 解する物質にも適用できるという利点;抽出流体が残留しないという利点; および溶媒の循環利用が可能であり、 脱溶媒工程などが省略でき、 工程がシ ンプルになるという利点がある。
また、 松樹皮からの抽出は、 上記の方法以外でもよく、 例えば、 液体二酸 化炭素回分法、 液体二酸化炭素還流法、 超臨界二酸化炭素還流法などの方法 で行ってもよレ、。
松樹皮からの抽出は、 複数の抽出方法を組み合わ てもよい。 複数の抽出 方法を組み合わせることにより、 種々の組成の松樹皮抽出物を得ることが可 食 となる。
抽出の具体例について説明する。 まず、 フランス海岸松の樹皮 1 k gを、 塩化ナトリゥムの飽和溶液 3 Lに入れ、 1 0 0 °Cにて 3 0分間抽出し、 抽出 液を得る (抽出工程) 。 その後、 抽出液を濾過し、 得られる不溶物を塩化ナ トリウムの飽和溶液 5 0 O m Lで洗浄し、 洗浄液を得る (洗浄工程) 。 この 抽出液と洗浄液とを合わせて、 松樹皮の粗抽出液を得る。
次いで、 この粗抽出液に酢酸ェチル 2 5 O m Lを添カ卩して分液し、 酢酸ェ チル層を回収する工程を 5回行う。 回収した酢酸ェチル溶液を合わせて、 無 水硫酸ナトリウム 2 0 0 gに直接添加して脱水する。 その後、 この酢酸ェチ ル溶液を濾過し、 濾液を元の 5分の 1量になるまで減圧濃縮する。 濃縮され た酢酸ェチル溶液を 2 Lのクロ口ホルムに注ぎ、 攪拌して得られる沈殿物を 濾過により回収する。 その後、 この沈殿物を酢酸ェチル 1 0 O m Lに溶解し た後、 再度 1 Lのクロ口ホルムに添加して沈殿させる操作を 2回繰り返す洗 浄工程を行う。 この方法により、 例えば、 2〜 4量体の O P Cを 2 0質量% 以上、 そしてプロアントシァニジン以外の成分を 1 0質量%以上の割合で含 有する、 約 5 gの松樹皮抽出物を得ることができる。
本発明においては、 育毛剤の安全性の観点から、 松榭皮をエタノールまた は水、 これらの混合物などを用いて、 より好ましくは加温しながら松榭皮か らプロアントシァニジンを抽出することが好ましい。
なお、 溶媒による抽出後、 吸着性の樹脂 (ダイアイオン H P— 2 0、 S e p h a d e x— L H 2 0、 キチン) などや限外濾過膜を用いれば、 プロアン トシァニジンとプロアントシァニジン以外の成分とを分取すること、 および、 プロアントシァニジンとプロアントシァニジン以外の成分との混合比を調整 することが可能となる。 (含有量)
次に、 本発明の育毛剤において、 プロアントシァニジン、 O P C、 プロア
ントシァュジン以外の成分、 および植物体抽出物の好ましい含有量 (配合 量) について説明する。
本発明の育毛剤において、 プロアントシァニジンは、 植物体抽出物 (例え ば樹皮抽出物または松樹皮抽出物) の固形分中に、 2 0質量%以上、 好まし くは 3 0質量%、 より好ましくは 4 0質量%以上、 さらに好ましくは 4 5質 量%以上、 さらに好ましくは 7 5質量%以上の割合で含まれる。
なお、 育毛剤全体に対して、 プロアントシァニジンの配合量は、 0 . 0 0 0 0 0 2質量%以上、 好ましくは 0 . 0 0 0 0 2質量%以上、 より好ましく は 0 . 0 0 0 2質量%以上、 さらに好ましくは 0 . 0 0 2質量%以上、 さら に好ましくは 0 . 0 2質量%以上、 さらに好ましくは 0 . 2質量%以上であ る。 また、 育毛剤全体に対して、 プロアントシァニジンの配合量は、 3 0質 量。 /0以下、 好ましくは 1 0質量。 /0以下である。
また、 本発明の育毛剤において、 O P Cは、 植物体抽出物 (例えば榭皮抽 出物または松樹皮抽出物) の固形分中に、 2 0質量%以上、 好ましくは 2 5 質量%以上、 より好ましくは 3 0質量%以上、 さらに好ましくは 3 5質量% 以上、 さらに好ましくは 4 0質量%以上の割合で含まれる。 O P Cを多く含 有すると、 経皮投与によって投与部の血流改善効果が得られ、 育毛効果をさ 'らに高めることができるからである。
なお、 育毛剤全体に対して、 O P Cは、 0 . 0 0 2質量%以上、 好ましく は 0 . 0 1質量%以上、 より好ましくは 0 . 1質量%以上、 さらに好ましく は 0 . 2質量%以上、 さらに好ましくは 0 . 2 5質量%以上、 さらに好まし くは 1質量%以上、 さらに好ましくは 2質量%以上の割合で含まれる。 本発明の育毛剤において、 プロアントシァニジン以外の成分は、 植物体抽 出物 (例えば樹皮抽出物または松樹皮抽出物) の固形分中に、 1 0質量%以 上、 好ましくは 2 0質量%以上の割合で含まれる。 他の成分との組み合わせ によっては、 プロアントシァニジン以外の成分が、 植物体抽出物 (例えば榭
皮抽出物または松樹皮抽出物) の固形分中に、 5 0質量%以上の割合で含ま れていても良い場合もある。 プロアントシァ-ジン以外の成分が 1 0質量0 /0 未満である場合は、 1 0質量%以上含む場合と比べ、 育毛効果が低下する。 つまり、 プロアントシァニジン以外の成分を含有させることにより、 より優 れた育毛効果を発揮する。
また、 育毛剤全体に対して、 プロアントシァニジン以外の成分は、 0 . 0 0 0 0 0 1質量%以上、 好ましくは 0 . 0 0 0 0 1質量。 /0以上、 より好まし くは 0 . 0 0 0 1質量%以上、 さらに好ましくは 0 . 0 0 1質量%以上、 さ らに好ましくは 0 . 0 1質量%以上、 さらに好ましくは 0 . 1質量%以上の 割合で含まれる。
また、 植物体抽出物の量 (すなわち、 プロアントシァニジンとプロアント シァニジン以外の成分とを合わせた量) は、 育毛剤全体に対して、 0 . 0 0 0 0 1質量%以上、 好ましくは 0 . 0 0 0 1質量%以上、 より好ましくは 0 . 0 1質量%以上、 さらに好ましくは 0 . 1質量%以上、 さらに好ましくは 1 質量%以上の割合で含まれる。
このように、 本発明の育毛剤は、 上記のような植物体抽出物を用いるため、 プロアントシァニジン以外の成分でもプロアントシァニジンのみと同等の育 毛効果を得ることができる。 さらに、 プロアントシァニジンとプロアントシ ァニジン以外の成分とを含む植物体抽出物を用いることにより、 プロアント シァニジンのみでは得ることのできない優れた育毛効果を有する育毛剤を調 製することができる。 (育毛剤)
本発明の育毛剤の剤型は、 プロアントシァニジンおよびプロアントシァニ ジン以外の成分を含む植物体抽出物を有効成分として配合することができる 剤型であれば、 特に制限されない。 剤型としては、 例えば、 外用剤および経
口剤が挙げられる。 (育毛用外用剤)
本発明の育毛用外用剤は、 例えば、 上記の育毛剤と適当な外用剤の基剤と を配合して、 液状または固体状の育毛用外用剤とすることができる。
液状または固体状の育毛用外用剤としては、 例えば、 へヤーリキッド、 へ ヤートニック、 へヤーローション、 軟膏、 へャクリーム、 エアーゾノレなどが 挙げられる。 もちろん、 各々好適な基剤にプロアントシァニジンを添加した 後、 常法により製造することができる。
育毛用外用剤に用いられる基剤としては、 外用剤に通常使用されている基 剤、 例えば、 精製水、 エタノール、 多価アルコール類、 油脂などが挙げられ る。 多価アルコールとしては、 グリセリン、 1 , 3—プチレングリコール、 プロピレングリコールなどが挙げられる。 油脂類としては椿油、 ホホパ油、 ォリーブ油、 スクヮラン、 サフラワー油、 マカデミアナッツ油、 乳化剤の大 豆水添レシチンなどが挙げられる。
本発明の育毛用外用剤においては、 必要に応じて、 添加剤を添加してもよ い。 添加剤としては、 例えば、 香料、 界面活性剤、 殺菌剤、 酸化防止剤、 紫 外線吸収剤、 消炎剤、 清涼剤、 保湿剤、 ビタミン類、 生薬エキスなどが挙げ られる。
香料としては、 通常、 化粧料などに使用される香料を用いることができる。 界面活' I·生剤としては、 例えば、 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、 ポリオ キシエチレンォレイルエーテノレ、 モノォレイン酸ポリオキシエチレン、 ポリ ォキシエチレングリセリルモノステアレート、 モノステアリン酸ソルビタン、 モノォレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、 ショ糖脂肪酸エステル、 モ ノラウリン酸へキサグリセリン、 ポリオキシエチレン還元ラノリン、 N—ァ セチルグルタミンィソステアリルエステルなどが挙げられる。
殺菌剤としては、 例えば、 ヒノキチオール、 トリク口サン、 クロルへキシ ジングノレコン酸塩、 フエノキシエタノー/レ、 レゾノレシン、 イソプロピノレメチ ルフエノール、 ァズレン、 サリチル酸、 ジンクピリチオンなどが挙げられる。 酸化防止剤として、 エリソルビン酸、 B HAなどが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、 ジヒドロキシベンゾフエノンなどのべンゾフエノ ン類、 メラユン、 パラアミノ安息香酸ェチル、 パラジメチルァミノ安息香酸 2—ェチルへキシルエステル、 シノキサート、 パラメ トキシ桂皮酸 2—ェチ ルへキシルエステル、 2— (2—ヒドロキシ一 5—メチルフエニル) ベンゾ トリアゾール、 ゥロカ二ン酸、 酸化チタンなどの金属酸化物微粒子などが挙 げられる。
消炎剤としては、 グリチルリチン酸ジカリウム、 アラントインなどが挙げ られる。 清涼剤としては、 トウガラシチンキ、 1—メントールなどが挙げら れる。 保湿剤としては、 ピロリ ドンカルボン酸、 ヒアル口ン酸ナトリゥム、 コンドロイチン硫酸、 コラーゲン、 シルクペプチドなどが挙げられる。 ビタ ミン類としては、 ビタミン Eおよびその誘導体、 ニコチン酸ベンジル、 D— ノ ントテュルアルコール、 パントテュルェチルエーテル、 ピオチン、 塩酸ピ リ ドキシン、 リボフラビン、 ビタミン Aおよびその誘導体などが挙げられる。 生薬エキスとしては、 センプリエキス、 ユンジンエキス、 アロエエキスなど が挙げられる。'
固体状剤型の基剤としては、 ワセリン、 固形パラフィン、 植物油、 鉱物油、 ラノリン、 ろう類、 マクロゴールなどが挙げられる。
なお、 必要により、 乳化剤、 低級アルコールなどを育毛剤に添カ卩してもよ い。 乳化剤としては、 例えばレシチンが挙げられる。 低級アルコールとして は、 例えば、 エタノール、 イソプロピルアルコールなどが挙げられる。
(育毛用経口剤)
本発明の育毛用経口剤は、 例えば、 上記の育毛剤と用途に応じて必要な原 料とを配合して得られる。 育毛剤と配合され得る原料としては、 具体的には、 賦形剤、 増量剤、 結合剤、 増粘剤、 乳化剤、 着色料、 香料、 その他の食品原 料、 調味料、 医薬品原料などが挙げられる。 さらに、 本発明の育毛用経口剤 の剤形については、 用途に応じてハードカプセル、 ソフトカプセルなどの力 プセル剤、 錠剤、 丸剤、 粉末状、 顆粒状、 茶状、 ティーバッグ状、 飴状など の形態に成形したり、 そのまま飲料として用いたりすることができる。 これ らの形状または好みに応じて、 そのまま食してもよく、 あるいは水、 湯、 牛 乳などに溶いて飲んでも良い。 また、 粉末化してティーバッグ状などの場合、 成分を浸出させてから飲んでも良い。
本発明の育毛用経口剤に添加可能な食品原料としては、 例えば、 ローヤル ゼリー、 プロポリス、 ビタミン類 (A、 B群、 C、 D、 E、 K、 葉酸、 パン トテン酸、 ビォチン、 これらの誘導体など) 、 ミネラル (鉄、 マグネシウム、 カルシウム、 亜 :、など) 、 α—リポ酸、 セレン、 キチン.キトサン、 レシチ ン、 ポリフエノール (カテキン類、 アントシァニン類、 ガロタンニンなどの 加水分解型タンニン、 イソフラボン類、 フラポノイド類、 これらの誘導体な ど) 、 カロテノイド (リコピン、 ァスタキサンチン、 ゼアキサンチン、 ルテ インなど) 、 サポニン (ジンセサノイド、 グリチルリチン酸など) 、 キサン チン誘導体 (カフヱインなど) 、 脂肪酸、 アミノ酸、 タンパク質 (コラーゲ ン、 エラスチンなど) 、 ムコ多糖類 (ヒアルロン酸、 コンドロイチン、 デル マタン、 へパラン、 へパリン、 ケタラン、 これらの塩など) 、 アミノ糖 (グ ルコサミン、 ァセチルダルコサミン、 ガラクトサミン、 ァセチルガラタトサ ミン、 ノィラミン酸、 ァセチルノイラミン酸、 へキソサミン、 それらの塩な ど) 、 食物繊維 (難消化性デキストリン、 アルギン酸、 グァガム、 ぺクチン、 ダルコマンナンなど) 、 オリゴ糖 (イソマルトオリゴ糠、 環状オリゴ糖な ど) 、 リン脂質とスフインゴ脂質およびそれらの誘導体 (フォスファチジル
コリン、 スフインゴミエリン、 セラミ ドなど) 、 含硫化合物 (ァリイン、 セ パェン、 タウリン、 グルタチオン、 メチルスルホエルメタンなど) 、 糖アル コール、 キノン類 (コェンザィム Q 1 0など) 、 リグナン類 (セサミンな ど) 、 これらを含有する動植物抽出物、 根菜類 (ゥコン、 ショウガなど) 、 麦若葉末などのイネ科植物の緑葉、 ケールなどのアブラナ科植物の緑葉など が挙げられる。
さらに、 例えば、 植物発酵ジュース、 野菜ジュース (例えば、 人参ジユー スなど) 、 植物抽出物、 果汁などに本発明の育毛用経口剤を添カ卩して、 本発 明の育毛用経口剤を含む飲料という形態として利用することも可能である。 このような形態によれば、 嗜好性を良くすることが可能であるだけでなく、 機能性または栄養価の高レ、飲料とすることもできる。
上記のほかにも調味料として、 例えば、 グラニュー糖、 蜂蜜、 ソルビット などの甘味料、 アルコール、 クェン酸、 リンゴ酸、 酒石酸などの酸味料、 お よび香料が挙げられる。
(育毛用キット)
本発明の育毛用キットは、 本発明の育毛用外用剤と育毛用経口剤とを含む。 本発明の育毛用キットは、 この育毛用外用剤と育毛用経口剤とを組合わせて、 キットとして 1つの製品形態にしてもよい。 製品形態にしなくても、 育毛用 外用剤と育毛用経口剤とを組合わせて使用すること明示するなどして、 併用 することを目的とする形態でもよい。 本発明の育毛用キットは、 育毛用外用 剤または育毛用経口剤を単独で使用する場合よりも、 より優れた育毛効果を 発揮する。 (投与量)
次に、 本発明の育毛剤の投与量について説明する。 本発明の育毛剤の投与
量は、 特に限定されないが、 育毛用外用剤の場合、 成人 1人当り 1回の投与 において、 好ましい投与量は、 投与された育毛用外用剤に含まれる植物体抽 出物の量 (すなわち、 プロアントシァニジンとプロアントシァニジン以外の 成分とを合わせた量) を基準に決定すればよい。 具体的には、 育毛用外用剤 の成人 1人当り 1回の投与において、 育毛用外用剤に含まれる植物体抽出物 の量は、 0. lmg以上、 好ましくは lmg以上である。 植物体抽出物の量 は、 60 Omg以下、 好ましくは 30 Omg以下である。
育毛用経口剤の場合、 含まれる植物体抽出物の量は、 0. lmg以上であ る。 また、 成人 1日あたりにおける植物体抽出物の摂取量は、 2000mg 以下、 好ましくは 100 Omg以下である。
実施例
以下に実施例を挙げて、 本発明を説明する。 なお、 本発明は、 下記実施例 の記載により制限されない。
(実施例 1 :成分の分離)
松樹皮抽出物 (商品名 : フラパンジェノール、 株式会社東洋新薬) を用い て、 プロアントシァニジンとその他め成分とを、 下記の方法で分離した。 な お、 ここで用いた松樹皮抽出物は、 プロアントシァニジンを 70質量0 /0、 力 テキンを 10質量%含有する抽出物であり、 そして OPCを 40質量%含有 している。
まず、 水で彭潤させたセフアデックス LH—20 (アマシャムバイオテツ ク株式会社製) 25 mLをカラム (15 X 300mm) に充填し、 50mL のエタノールで洗净した。 次いで、 10 Omgの松樹皮抽出物を 2mLのェ タノールに溶解させ、 その溶液をカラムに通液して、 プロアントシァニジン などの成分を LH_ 20に吸着させた。 次いで、 100〜80% (V/V)
エタノール一水混合溶媒でグラジェント溶出させ、 1 OmLずつ分取した。 なお、 上記分取の際には、 カテキン (R f値: 0. 8) およびプロアント シァ-ジン B— 2 (R f値: 0. 6) の標品を指標として、 各画分中のカテ キンおよびプロアントシァニジンの有無を、 薄層クロマトグラフィー (TL C) により検出した。 この TLCにより、 プロアントシァニジンよりも先に 流出する画分 (プロアントシァニジン以外の成分を含む画分) とプロアント シァニジンを含む画分とを検出することができる。 なお、 TLCの展開条件 および検出方法は下記の通りである。
• TLC :シリカゲルプレート (Me r c k&CO. , I n c . 製) ·展開溶媒:ベンゼン/t酸ェチル /蟻酸 ( 2 Z 7 / 1 )
•検出試薬:硫酸おょぴァニスアルデヒド硫酸
•サンプル量:各 10 L
次に、 TLCにより、 カテキンおよびその他の成分の溶出が完了したこと を確認後、 300mLの 50% (V/V) 水一アセトン混合溶媒を通液し、 カラムに吸着した残りの吸着物を溶出させた。
上記方法により、 プロアントシァニジン含有画分 (画分 1) とプロアント シァニジン非含有画分 (画分 2) とを得た。 このプロアントシァニジン非含 有画分には、 プロアントシァニジン以外の成分 (カテキンおよびその他の成 分) が含まれていた。 そして、 プロアントシァニジン含有画分には、 2量体 以上のプロアントシァニジンが含まれていた。
各溶出画分を凍結乾燥し、 乾燥質量を測定したところ、 l O Omgに対し て 99. 2mgであり、 ほぼ全量回収されていることを確認した。 この操作 を繰り返して、 画分 1 (3. 9 g) および画分 2 (1. 8 g) の乾燥粉末を 得た。
次に、 20 Omgの画分 1を用いて、 再度同様にしてセフアデックス一 L
H20にて分離を行い、 プロアントシァニジン以外の成分、 OPC画分、 お
よび 5量体以上のプロアントシアンジン画分を取得して、 乾燥質量を測定し た。 なお、 2量体の O PCの標品 (プロアントシァニジン B— 2 (R f値: 0. 6) ) および 4量体の O PCの標品 (シンナムタンニン A 2 (R f値: 0. 2) ) の TLCの結果を用いて、 これらの画分を取得した。 これらの画 分の乾燥質量は、 OPC画分が 101mg、 5量体以上のプロアントシァニ ジン画分が 83mg、 そしてプロアントシァニジン以外の成分が 1 Omgで あった。 したがって、 O PC画分と 5量体以上の画分との合計から、 画分 1 のプロアントシァニジン含有量は 95質量% (OPCは 52質量%) である ことが分かった。
また、 画分 2については、 TLCにより、 プロアントシァニジンは検出さ れなかった。 したがって、 画分 2には、 画分 1および 2に分離する前に、 松 樹皮抽出物に含まれていた全ての量のカテキンが含まれていると考えられる t つまり、 画分 2 (1. 8 g) に対して、 0. 57 gのカテキンが含まれおり, 画分 2には、 カテキンが約 30質量%含まれているものと考えられる。 なお、 ここでいぅカテキン量 「0. 57 g」 は、 画分 1および 2の合計 (3. 9 g + 1. 8 g = 5. 7 g) の 10%から算出した値である。
(実施例 2 :育毛試験試料の調製)
上記の方法によって得られた各画分の乾燥粉末を、 下記表 1に記載の質量 で混合し、 各混合物をそれぞれ 50容量%ェタノール水溶液に溶解させて、 試料 1〜5を調製した。 なお、 陽性対照としてミノキシジルを含有する試料 (試料 6) を調製した。 そして陰性対照として、 何も添加しない 50容量% エタノール水溶液を試料 7とした。 これら試料 1〜 7の処方などについて、 表 1に示す。
試料 1 試料 2 § 料 o 試料 4 試料 5 画分 1 (g) 0.5 一 0.5 0.1 0.8 画分 2 (g) 一 0.5 0.5 0.1 0.2 ミノキシジル (g) 一 ― ― _ ―
50容量%エタノール水溶液(g) 19.5 19.5 19.0 19.8 19.0 合計 ) 20.0 20.0 20.0 20.0 20.0 全プロアン卜シァニジン 95.0 一 47.5 47.5 76.0 固形分中の組成(%) OPC 52.0 一 26.0 26.0 41.6 その他の成分 5.0 100.0 52.5 52.5 24.0 全プロアントシァニジン 2.38 一 2.38 0.48 3.8
OPC 1.3 一 1.3 0.26 2.08 試料中の組成(%)
その他の成分 0.13 2.5 2.63 0.53 1.2 固形分 2.5 2.5 5.0 1.0 5.0
(実施例 3 :育毛効果 (外用剤) の評価)
上記の調製した試料 1〜試料 7の育毛効果を、 以下の方法で評価した。 まず、 7週齢の C 3Hマウス (日本チャールズリパー株式会社) 42匹を、 基本飼料 (MF飼料、 オリエンタル酵母工業株式会社) で 1週間馴化した。 次に、 マウスの背部をバリカンおよびシェーバーで刈り取り、 剃毛後に 1群 6匹の 7群に分けた。 そして、 それら群別に試料 1〜試料 7を塗布して、 試 料 1〜 7の育毛効果を評価した。 具体的には、 1日 1回、 0. 2mLの各試 料をガラス棒で均一に塗布する操作を、 2週間行った。 その後、 塗布開始か ら 2週間後の各マウスを写真撮影し、 画像処瑾装置 (N IH Ima g e) を 用いて、 背部皮膚全面積に対する発毛部の面積の割合 (発毛率) を算出した。 結果を表 2に示す。 表 2
表 2の結果から、 試料 2は、 試料 1と同等の育毛活性 (育毛効果) がある ことが分かる。 すなわち、 プロアントシァニジン以外の成分のみからなる画 分 (画分 2) のみを含む試料 (試料 2) 力 植物体抽出物中のプロアントシ ァニジンを 95質量%以上含む画分 (画分 1) のみを含む試料 (試料 1) と 同等の育毛活性を有し、 プロアントシァュジン以外の成分 (画分 2) が一定 の育毛効果を有していることが分かる。
また、 画分 1と画分 2との両方を含む試料 (試料 3、 試料 4、 試料 5) の
うち、 試料 4は、 試料 1および 2と同等程度の育毛活性を示すことが分かる。 試料 4は、 画分 1および 2の乾燥粉末の添加量が合計で 0 . 2 gであり、 他 の試料 (試料:!〜 3および試料 5 ) よりも添カ卩された乾燥粉末の量が少ない。 それにもかかわらず、 試料 4は、 試料 1および 2と同等程度の育毛活性を示 すことから、 画分 1と画分 2とを組み合わせることにより、 育毛活性の増強 が可能であることが分かる。 つまり、 プロアントシァニジンと一定量のプロ アントシァニジン以外の成分とを含有させることにより、 育毛効果を高める ことができる。
さらに、 表 2によれば、 画分 1と画分 2との両方を含む試料のうち、 試料 3および試料 5は、 試料 1およぴ試料 2よりも高レ、育毛活性を示しているこ と、 および試料 6と同等の育毛活性を示していることが分かる。
上記結果によれば、 プロアントシァニジンとプロアントシァニジン以外の 成分とを含む植物体抽出物を有効成分とする育毛剤は、 優れた育毛効果を有 することがわかる。
(実施例 4 :育毛効果 (経口剤) の評価)
プロアントシァニジンを 4 0質量% (O P Cとして 2 0質量0 /0) 含有し、 かつカテキンを 1 3質量%含有する松樹皮抽出物 (商品名:フラパンジェノ ール、 株式会社東洋新薬) を用いて、 以下のように育毛剤の育毛効果の評価 を行った。
7週齢の C 3 Hマウス (九動株式会社) 1 2匹を一週間馴化し、 背部を剃 毛し、 2群に分けた。 1群には、 松樹皮抽出物濃度が 1 . 0質量%となるよ うに調製した水溶液を、 自由飲水させ、 2 1日間継続した (試験群 1とす る) 。 もう 1群には、 水のみを試験群 1と同様に自由飲水させた (対照群 1 とする) 。
投与開始日を 0日目とし、 投与直前および投与 2 1日目に、 マウスの背部
を目視し、 育毛状態を表 3のようにスコア化し、 各群の平均値を求めた。 対 照群 1の数値を 1 0 0 %として育毛率を求めた。 結果を表 4に示す。 表 3
表 4
値は平均値土標準偏差(%)
表 4の結果から、 松樹皮抽出物を含む水溶液を摂取したマウス (試験群 1 ) は、 水のみを摂取したマウス (対照群 1 ) と比較して、 育毛率が 2倍以 上高いことがわかる。 したがって、 本発明の育毛剤は、 経口摂取しても、 優 れた育毛効果を有することがわかる。
(実施例 5 :育毛用キットの育毛効果の評価)
プロアントシァニジンを 40質量% (OPCとして 20質量。 /0) 含有し、 かつカテキンを 13質量%含有する松樹皮抽出物 (商品名:フラパンジェノ ール、 株式会社東洋新薬) を用いて、 以下のように育毛用キットの育毛効果 の評価を行った。
7週齢の C 3Hマウス (九動株式会社) 10匹を一週間馴化し、 背部を剃 毛し、 2群に分けた。 1群には、 松樹皮抽出物濃度が 0. 5質量。 /0となるよ うに調製した水溶液を自由飲水させると同時に、 松樹皮抽出物濃度が 0. 0 5質量%となるように調製した 50 %エタノール溶液を、 剃毛した背部に一 日 0. 2mL塗布した (試験群 2とする) 。 もう 1群には、 水のみを試験群 1と同様に自由飲水させると同時に、 50%エタノール溶液のみを剃毛した 背部に一日 0. 2mL塗布した (対照群 2とする) 。 それぞれ 21日間継続 した。
投与開始日を 0日目とし、 投与直前おょぴ投与 21日目に、 マウスの背部 を目視し、 育毛状態を表 3のようにスコア化し、 実施例 4と同様にして育毛 率を求めた。 結果を表 5に示す。 表 5
値は平均値土標準偏差 (%)
表 5の結果から、 本発明の外用剤と経口剤とを組み合わせた育毛用キット
を使用したマウス (試験群 2 ) は、 水のみを自由飲水させ、 かつ 5 0 %エタ ノール溶液のみを塗布したマウス (対照群 2 ) と比較して、 育毛率が約 2倍 高いことがわかる。
したがって、 本発明の育毛剤は、 外用剤として用いても、 経口剤として用 いても、 優れた育毛効果を有することがわかる。 さらに、 外用剤と経口剤と を組み合わせた育毛用キットとしても、 優れた育毛効果を有することがわか る。 産業上の利用可能性
本発明の育毛剤は、 植物体から抽出された植物体抽出物を有効成分とする 育毛剤であって、 上記植物体抽出物は、 プロアントシァ-ジンとプロアント シァニジン以外の成分とを含有しており、 上記プロアントシァニジン以外の 成分は、 植物体抽出物 (例えば樹皮抽出物または松樹皮抽出物) の固形分中 に、 1 0質量%以上含まれている。 このような育毛剤は、 育毛効果が高く、 有用である。 また、 この育毛剤を外用剤として用いても、 経口剤として用い ても高い育毛効果を有する。