JP2003192603A - 抗ガン剤および健康食品 - Google Patents

抗ガン剤および健康食品

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JP2003192603A
JP2003192603A JP2001398354A JP2001398354A JP2003192603A JP 2003192603 A JP2003192603 A JP 2003192603A JP 2001398354 A JP2001398354 A JP 2001398354A JP 2001398354 A JP2001398354 A JP 2001398354A JP 2003192603 A JP2003192603 A JP 2003192603A
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cancer
food
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anticancer agent
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JP2001398354A
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Hideki Oba
英樹 大庭
Kinya Takagaki
欣也 高垣
Shinjiro Maruyama
真二郎 丸山
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Toyo Shinyaku Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Toyo Shinyaku Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】正常細胞に対して毒性が少なく、造血障害など
の副作用を引き起こしにくい抗ガン剤、及び、これをを
含む健康食品を提供することを目的とする。 【解決手段】 クマザサエキス、プロポリス、霊芝エキ
ス、大豆エキスからなる群から選択される少なくとも1
種以上の食品素材を含有し、ガン細胞増殖抑制機能を有
する抗ガン剤であり、松樹皮抽出物、クマザサエキス、
フコイダン、ヤーコン葉エキス、ブドウ果皮エキス、エ
ルダーベリーエキスからなる群から選択される少なくと
も1種以上の食品素材を含有し、副作用を起こさず、か
つ正常細胞に対して毒性を示さずにガン細胞増殖抑制作
用、及び/又は、免疫賦活機能を有する抗ガン剤であ
る。また、これらの抗ガン剤を含有する健康食品であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、天然の食品素材を
含有し、ガン細胞増殖抑制機能、及び/又は、免疫賦活
機能を有する抗ガン剤、及び、これを含有する健康食品
に関する。より詳細には、特に白血病に対して効果があ
る抗ガン剤、及び、これを含有する健康食品に関する。
【0002】
【従来の技術】ガンは、生活習慣病の中でも依然として
死亡率が最も高く、特効薬がないため、ガンの予防、治
療に関する研究は以前にも増して活発に行われている。
現在、ガン患者に対して用いられている医薬品には、ナ
イトロジェンマスタードやシクロホスファミドのような
アルキル化剤、6−メルカプトプリンやアザチオプリン
のようなプリン代謝拮抗物質、5−フルオロウラシルや
シラビタンのようなピリミジン代謝拮抗物質、メトトレ
キサートやアミノプテリンのような葉酸代謝拮抗物質、
マイトマイシンCやブレオマイシンのような抗腫瘍性抗
生物質などがあるが、いずれも核酸合成系を抑制するこ
とから、正常細胞に対して毒性を示し、造血障害などの
副作用を引き起こす。また、抗ガン作用がある食品とし
て、アガリクス茸やメシマコブのような免疫賦活作用を
有する多糖類を多く含有する健康食品が市販されてお
り、世間的にもガンの予防、治療に対する意識は高く、
高い抗ガン作用を有する医薬品や健康食品の開発が望ま
れている。
【0003】ガンは、その発生部位により、胃ガン、肝
臓ガン、肺ガンのように種々の名前で呼ばれるが、白血
病は、骨髄の白血病細胞が自立増殖する疾患、いわゆる
血液のガンであって、貧血、白血球増多症、血小板減少
症などを起こし、しばしば肝、脾、リンパ節などの他の
臓器に二次的浸潤病巣(転移)又は二次的造血病巣を造
ることが知られている。
【0004】このような白血病の治療薬としては、上記
したようにアミノプテリン、メトトレキサート、8−ア
ザグアニン、6−メルカプトプリン、5−フルオウラシ
ル、1−(2−テトラヒドロフリル)―5−フルオウラ
シルなどの合成物質、マイトマイシンC、クロモマイシ
ン、ブレオマイシンなどの抗生物質、インターフェロ
ン、CSF抑制物質、CBF、TNFなどのバイオ製品
が知られており、これらはいずれも白血病細胞に対し
て、その増殖を阻害して壊死させ、疾病を治療するもの
である。しかしながら、その作用は、往々にして病態細
胞のみでなく、周囲の正常細胞にもおよび、新たな疾患
を惹起することがある。また、これらの白血病治療薬は
原料が入手しにくい上に、製造方法が煩雑であることか
ら、製造コストは不可避的に高くなってしまう。
【0005】これらの治療薬の他、細胞毒性を誘導する
ことにより、特定の細胞に対して細胞増殖阻害を惹起さ
せるものとして、細胞増殖阻害剤が知られている。具体
的には、トウアズキ(Abrus precatori
us)の種子から分離されたレクチン蛋白質、ヒノキ科
植物から抽出されるヒノキチオールなどが知られてい
る。この細胞毒性発現機構は非常に複雑であり、どのよ
うな物質がどのような細胞に対して細胞毒性を生じさせ
るかは、全く予測不可能であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、正常細胞に対
して毒性が少なく、造血障害などの副作用を引き起こし
にくい抗ガン剤、特に白血病に対して効果のある抗ガン
剤、及び、これをを含む健康食品を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記現状
に鑑み、副作用を起こさず、かつ正常細胞に対して毒性
を示さずにガン細胞増殖抑制作用、及び/又は、免疫賦
活作用を示す物質を含有する食品素材を見出すため、天
然の食品素材の中から、スクリーニングを行い、クマザ
サエキス、プロポリスエキス、霊芝エキス、大豆エキ
ス、松樹皮抽出物、フコイダン、ヤーコン葉エキス、ブ
ドウ果皮エキス、エルダーベリーエキスに上記作用があ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわ
ち、請求項1に記載の抗ガン剤は、クマザサエキス、プ
ロポリスエキス、霊芝エキス、大豆エキスからなる群か
ら選択される少なくとも1種以上の食品素材を含有し、
ガン細胞増殖抑制機能を有する、抗ガン剤である。請求
項2に記載の抗ガン剤は、松樹皮抽出物、クマザサエキ
ス、フコイダン、ヤーコン葉エキス、ブドウ果皮エキ
ス、エルダーベリーエキスからなる群から選択される少
なくとも1種以上の食品素材を含有し、免疫賦活機能を
有する、抗ガン剤である。請求項3に記載の抗ガン剤
は、クマザサエキスを含有し、ガン細胞増殖抑制機能と
免疫賦活機能を有する抗ガン剤である。請求項4に記載
の抗ガン剤は、前記ガン細胞が、白血病細胞である、請
求項1から3のいずれかの項に記載の抗ガン剤である。
請求項5に記載の健康食品は、請求項1から4のいずれ
かの項に記載の抗ガン剤を含有する、健康食品である。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態にかか
る抗ガン剤について説明する。なお、以下に説明する構
成は、本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範
囲内で種々改変することができるものである。本発明
は、クマザサエキス、プロポリスエキス、霊芝エキス、
大豆エキスからなる群から選択される少なくとも1種以
上の食品素材を含有し、ガン細胞増殖抑制機能を有する
抗ガン剤、および松樹皮抽出物、クマザサエキス、フコ
イダン、ヤーコン葉エキス、ブドウ果皮エキス、エルダ
ーベリーエキスからなる群から選択される少なくとも1
種以上の食品素材を含有し、免疫賦活機能を有する抗ガ
ン剤、ならびにこれらを含有する健康食品である。本抗
ガン剤及び本抗ガン剤を含む健康食品は、特に白血病に
対し効果を有するものであり、その由来(B細胞、T細
胞等)を問わないが、特にはJurkat、Molt−
4、RPMI8402等に代表されるT細胞由来の白血
病に用いられる。また、これらの食品素材を組み合わせ
ることにより、さらなる抗ガン効果が得られる。なお、
本発明の食品素材にはエキスを用いているが、例えば、
霊芝の乾燥粉末のようにエキス成分を十分に含んでお
り、本発明に用いられるエキスと同様の効果が得られる
場合には、本発明の範囲内である。
【0009】クマザサは、イネ科のササ属に属する単子
葉植物であり、その葉は古来より医薬品として用いられ
てきた。神農本草経には、火傷、吐血、下血、尿利渋滞
に効果があるとされている。日本では、天然の食品・保
存包装剤として用いられているほか、胃腸病、糖尿病、
高血圧、喘息、風邪などの薬として用いられてきた。
【0010】クマザサに含まれる、成分としては、トリ
テルペン、精油、ペプチド、多糖、低重合の多糖、オリ
ゴ糖、サポニン、ビタミン、ミネラルが挙げられる。
【0011】クマザサエキスの製法の例として、以下の
ような製法がある。10kgのクマザサの葉を細切し、
これに50リットルの50%エタノール溶液を加え、5
0℃前後までゆるやかに加温し抽出する。そして、該抽
出液を回収した後、残渣に対して同量の同エタノール溶
液を加え、再抽出を行う。続いて、1、2回目の抽出液
を併せ、減圧濃縮により5倍濃縮し、これを1週間冷所
に保存して不溶物を沈殿させる。そしてこの沈殿物を除
去してクマザサエキスを得る。これらのほかにも、当業
者に公知の方法、例えば、熱水(例えば90℃前後)で
水抽出する熱水抽出、クマザサの葉茎を粉砕し、これに
350kg/cm2程度の圧力を加えて圧搾し、搾汁を
得る方法が用いられる。
【0012】プロポリスは、蜜蜂の巣を構成する成分で
あり、バクテリアの増殖と殺菌、糸状菌の殺菌、鎮痛効
果、創傷治癒効果があるといわれている。
【0013】プロポリスに含まれる成分としては、桂皮
酸、クマリン酸、カフェイン酸のようなフェノール類、
フラボン類、フラボノール類、フラバノン類、フラバノ
ール類のようなフラボノイド、クマリン類、芳香族アル
デヒド、ミネラル、ビタミン、有機酸などが挙げられ
る。
【0014】プロポリスは、そのまま原塊を食すること
もできるが、一般的には、プロポリス(原塊)をエタノ
ール抽出し、脱ワックス、濾過してプロポリスのエキス
を製造する。抽出溶媒としては、エタノールのほかに
も、グリセリン、水、あるいは、液化ガスを抽出溶媒と
する超臨界抽出が用いられる。
【0015】霊芝は、サルノコシカケ科に属する担子菌
の1種であり、血糖降下作用、血小板凝集抑制作用、疲
労回復作用があるといわれている。
【0016】霊芝に含まれる成分としては、ラスタノイ
ド系トリテルペノイド等のテルペノイド、エルゴステロ
ール、ガノデステロン等のステロイド、ペプチドグリカ
ン等の多糖類が挙げられる。
【0017】霊芝エキスは、塩類、アルカリを含有した
水、あるいはエタノール、ジメチルスルホキシドのよう
な有機溶媒を用いて、必要に応じて加温して抽出され
る。
【0018】大豆は、五穀の1つに数えられ古くより食
されており、高血圧、動脈硬化、糖尿病に効果があると
いわれている。
【0019】大豆に含まれる成分としては、サポニン、
オリゴ糖、レシチンのほかに、イソフラボン等が挙げら
れる。
【0020】松樹皮抽出物としては、フランス海岸松
(Pinus Martima)の樹皮抽出物が好まし
く用いられる。このほかにもカラマツ、クロマツ、アカ
マツ、ヒメコマツ、ゴヨウマツ、チョウセンマツ、ハイ
マツ、リュウキュウマツ、ウツクシマツ、ダイオウマ
ツ、シロマツ、カナダのケベック地方のアネダ等の樹皮
抽出物を用いてもよい。
【0021】フランス海岸松とは、南仏の大西洋沿岸の
一部に生育している海洋性松であり、プロアントシアニ
ジン、有機酸並びにその他の生理活性成分等を含有し、
主要成分であるフラボノイド類のプロアントシアニジン
に、活性酸素を除去する強い抗酸化作用があることが知
られている。好ましい実施態様において松樹皮抽出物
は、OPC(オリゴメリック・プロアントシアニジン)
を含有している。OPCとは、フラバン−3−オール、
フラバン−3、4−ジオールを構成単位とした2〜30
量体、あるいはそれ以上の縮合重合体からなるプロアン
トシアニジンのうち、重合度が2〜4である重合度の低
いものをいう。なお、本実施形態では、松樹皮抽出物と
して、フラバン−3−オール、フラバン−3、4−ジオ
ールを構成単位とした2〜4量体のOPCを20重量%
以上含有するものを用いるが、2〜10量体程度の重合
度のプロアントシアニジンを用いてもよい。
【0022】より好ましい実施態様において、松樹皮抽
出物は、カテキン(catechin)類を、1.0重
量%以上含有する。カテキン類とは、ポリヒドロキシフ
ラバン−3−オールの総称であり、狭義のカテキンとい
われている(+)−カテキンのほか、ガロカテキン、ア
フゼレキン、(+)−カテキンまたはガロカテキンの3
−ガロイル誘導体が、天然物から単離されている。カテ
キン類としては、(+)−カテキン、(−)−エピカテ
キン、(+)−ガロカテキン、(−)−エピガロカテキ
ン、エピガロカテキンガレート、エピカテキンガレート
などが知られている。
【0023】松樹皮抽出物は、具体的には、以下のよう
な方法により調製される。フランス海岸松の樹皮1kg
を、塩化ナトリウムの飽和溶液3Lで、100℃にて3
0分間、抽出する抽出工程を行う。その後、抽出工程に
より得られる不溶物を、塩化ナトリウムの飽和溶液50
0mlで洗う、洗い工程を行う。次いで、この洗い工程
により得た溶液と、先の抽出工程で得た抽出液とを合わ
せたものを、松樹皮の粗抽出液とする。次いで、該粗抽
出液に酢酸エチル250mlを添加して分液し、酢酸エ
チル層を回収する酢酸エチル層回収工程を5回行う。な
お、該酢酸エチル層回収工程では、酢酸エチル層を、無
水硫酸ナトリウム200gに直接回収する。その後、こ
の酢酸エチル層を濾過し、濾液を元の5分の1量になる
まで減圧濃縮する。濃縮された酢酸エチル層を2リット
ルのクロロホルムに注ぎ、攪拌して得られる沈殿物を濾
過により回収する。その後、この沈殿物を酢酸エチル1
00mlに溶解した後、再度1Lのクロロホルムに添加
して沈殿させる操作を2回繰り返す洗い工程を行う。以
上の方法により、約5gの松樹皮抽出物が得られる。
【0024】フコイダンは、フコースを主な構成糖と
し、これに硫酸やウロン酸が結合した多糖であり、抗ガ
ン作用、抗潰瘍作用、コレステロール低下作用を有する
ことが知られている。フコイダンは、ノリ、コンブ、ワ
カメ、モズク、ヒジキに含まれるが、中でもモズクに含
量が高く、本発明の抗ガン剤に好ましく用いられる。フ
コイダンの抗ガン作用については、ガン細胞にアポトー
シスを誘導するとされてきたが、免疫賦活作用に関する
報告はなされてなかった。
【0025】ヤーコンは、キク科のサツマイモであり、
塊根は、オリゴ糖とポリフェノールを豊富に含み、糖尿
病に効果があるといわれている。ヤーコンの葉に含まれ
る成分としては、フラボノイド、テルペン、イヌリンの
ほか、ビタミン、ミネラルが挙げられ、さらにインスリ
ン様物質を含むことが知られている。
【0026】ヤーコンの葉を加工した食品としては、ヤ
ーコン葉茶があるが、これまで食される機会がほとどな
かった食品素材である。
【0027】ブドウ果皮は、アントシアニン、フラボノ
イド、リスベラトロールなどを含み、活性酸素消去作
用、血小板凝集抑制作用を有することが知られている。
【0028】エルダーベリーは、アントシアニンとビタ
ミンCを豊富に含有し、疲れ眼予防効果や風邪の予防に
効果があるといわれている。
【0029】上記食品素材は、主としてエキスの形態で
本発明の抗ガン剤に好ましく用いられるが、エキスに限
定されるものではない。エキスの製法につき上述した
が、その他にも、食品素材を圧搾して、搾汁を得ても良
いし、水または所定の有機溶媒を用いて抽出したものを
用いても良い。
【0030】抽出に有機溶媒を用いる場合には、メタノ
ール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノー
ル、1−ブタノール、2−ブタノール、ブタン、アセト
ン、ヘキサン、シクロヘキサン、プロピレングリコー
ル、含水エタノール、含水プロピレングリコール、エチ
ルメチルケトン、グリセリン、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、食用油脂、
1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,2−
トリクロロエテン等の食品に許容されるものを使用す
る。特に、熱水、含水エタノール、含水プロピレングリ
コール等を用いるとより好ましい。
【0031】抽出は、加温抽出により行っても良いし、
超臨界抽出を行ってもよい。超臨界流体抽出とは、物質
の気液の臨界点(臨界温度、臨界圧力)を越えた状態の
流体である超臨界流体を用いて抽出を行う方法である。
超臨界流体として、本実施形態では、二酸化炭素を用い
るが、その他、エタン、エチレン、プロパン、亜酸化窒
素(笑気ガス)等を用いてもよい。また、被抽出物と親
和力が強い物質を5〜20重量%程度添加することによ
って、被抽出物の溶解度を飛躍的に上昇させたり、分離
の選択性を増強させたりするエントレーナー添加法によ
る超臨界流体抽出を行ってもよい。
【0032】超臨界流出抽出プロセスでは、目的成分を
超臨界流体によって抽出する抽出工程と、目的成分と超
臨界流体とを分離する分離工程とを行う。分離工程で
は、圧力変化による抽出分離、温度変化による抽出分
離、吸着剤・吸収剤を用いた抽出分離のいずれを行って
もよい。
【0033】超臨界抽出は、比較的低い温度で操作でき
るため、高温で変質・分解する物質にも適用できるとい
う利点、抽出流体が残留しないという利点、溶媒の循環
利用が可能であり、脱溶媒工程などが省略でき、工程が
簡素化されるという利点がある。また、抽出は、液体二
酸化炭素回分法、液体二酸化炭素貫流法、超臨界二酸化
炭素貫流法等により行ってもよい。
【0034】複数の抽出方法を組み合わせてもよい。複
数の抽出方法を組み合わせると、種々の組成のエキスを
得ることが可能となる。
【0035】これらのエキスのうち、選択された1種以
上のエキスを用い、抗ガン剤が造られる。即ち、選択さ
れた1種以上のエキスをエキスのみで、または選択され
た1種以上のエキスと賦形剤、増量剤、結合剤、増粘
剤、乳化剤、着色料、香料、食品添加物、調味料等を混
合し、液状或は固形の形状としてこれららのエキスを含
有させて、抗ガン剤とする。
【0036】上記の抗ガン剤は、そのまま用いられる
か、あるいは賦形剤、増量剤、結合剤、増粘剤、乳化
剤、着色料、香料、食品添加物、調味料などと混合され
て健康食品として用いることもできる。なお、これら
は、一般的には経口摂取により摂取される。
【0037】例えば、栄養補助剤として、ローヤルゼリ
ー、ビタミン、プロテイン、キトサン、レシチンなどが
配合され、さらに糖液や調味料を加え、味を整えること
ができる。そしてこれらは、そのまま液剤として、ある
いは必要に応じて、ハードカプセル、ソフトカプセルの
ようなカプセル剤、錠剤、もしくは丸剤としてか、また
は粉末状、顆粒状、飴状などの形状に成形され得る。そ
してこれらは、その形状または好みに応じて、そのまま
摂取されても良く、水、お湯、牛乳などに溶解して用い
ても良い。
【0038】
【実施例】下記の食品素材を単独で用いた場合の本発明
の抗ガン剤としてのガン細胞増殖抑制作用、免疫賦活作
用を評価した。クマザサエキス(クマザサエキスパウダ
ーMF:丸善製薬)。プロポリスエキス(水溶性プロポ
リスパウダー、森川健康堂株式会社)。霊芝エキス(霊
芝エキスパウダー、日本粉末薬品株式会社)。大豆エキ
スとして大豆胚芽抽出物(フジフラボンP40:フジッ
コ株式会社)。ヤーコン葉エキス(ヤーコン葉エキスパ
ウダーMF:丸善製薬)。グレープ果皮エキス(グレー
プスキンエキスパウダー:ライオン株式会社)。エルダ
ーベリーエキス(レッドフルーツエキスパウダー:ライ
オン株式会社)。松樹皮抽出物(OPC:インターナシ
ョナル・ニュートリション・カンパニー)。フコイダン
(スポイダン:株式会社マルイ物産)。
【0039】(サンプル溶液の調製)50mgの上記食
品素材を1mlのリン酸塩緩衝生理食塩水(pH−7.
4)に溶解し、0.22μMのろ過フィルター(ミリポ
ア社製)で濾過滅菌したものを1倍溶液とし、必要に応
じてこれを段階希釈してサンプルを調製した。
【0040】(細胞の調製)ヒト急性リンパ性白血病細
胞(T細胞由来)株であるMolt−4、RPMI84
02、ならびに健常人の抹消血からリンホセパールI
(株式会社免疫生物研究所)を用いて調製した白血球画
分を正常細胞として用いた。
【0041】(ガン細胞増殖抑制作用の評価)96穴マイ
クロプレートに細胞密度が4.5×105細胞/mlと
なるようにそれぞれの細胞懸濁液(90μl)とサンプ
ル溶液(10μl)を添加した。そして、これを5%C
2雰囲気下、37℃で24時間培養した後、細胞が産
生したATP生産量をATP測定キット(Cell−T
iter−GloTM Luminescent Cel
l Viability Assay(プロメガ社))
を用いて測定した。また、本発明の食品素材を添加せず
に同量のリン酸緩衝生理食塩水を添加したものを対照と
した。
【0042】RPMI8402に対する結果を表1、M
olt−4に対する結果を表2に示す。表中、添加濃度
とは、添加したサンプル溶液の濃度(mg/ml)であ
り、試験に用いた細胞名の下欄の数値は、対照のATP
生産量を100としたときの相対的なATP生産率
(%)を示す。そしてこのATP生産率の値が100未
満のときは、細胞増殖が抑制されたことを意味し、逆に
100を超えたときは、細胞が賦活化されたことを意味
する。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】表1及び表2の結果は、クマザサエキス
が、正常細胞を賦活化し、かつ白血病細胞であるRPM
I8402に対して細胞増殖抑制すること、プロポリス
エキスが、正常細胞に毒性を示すことなく白血病細胞で
あるRPMI8402の細胞増殖を抑制すること、霊芝
エキスが正常細胞に毒性を示すことなく、白血病細胞で
あるMolt−4に対して細胞増殖を抑制すること、大
豆エキスが、正常細胞に対して毒性を示すことなく、白
血病細胞であるRPMI8402およびMolt−4の
2種に対して細胞増殖を抑制することを示す。
【0046】(免疫賦活作用の評価)クマザサエキス、松
樹皮抽出物、フコイダン、ヤーコン葉エキス、ブドウ果
皮エキス、エルダーベリーエキスでの免疫賦活作用につ
き、正常細胞のATP生産量を測定することにより、免
疫賦活作用の評価をおこなった。96穴マイクロプレー
トに細胞密度が4.5×105細胞/mlとなるように
それぞれの細胞懸濁液(90μl)とサンプル溶液(1
0μl)を添加した。そして、これを5%CO2雰囲気
下、37℃で24時間培養した後、細胞が産生したAT
P生産量をATP測定キット(Cell−Titer−
GloTM Luminescent Cell Via
bility Assay(プロメガ社))を用いて測
定した。また、本発明の食品素材を添加せずに同量のリ
ン酸緩衝生理食塩水を添加したものを対照とした。結果
を図1から図6に示す。
【0047】図1から図6より、クマザサエキス、松樹
皮抽出物、フコイダン、ヤーコン葉エキス、ブドウ果皮
エキス、エルダーベリーエキスを添加した場合は無添加
の場合に比べて、ATP生産率が向上しており、免疫賦
活作用を有することが認められる。従って、これらを含
有する抗ガン剤は、免疫賦活機能を有する抗ガン剤とし
て用いることができる。
【0048】
【発明の効果】クマザサエキス、プロポリス、霊芝エキ
ス、大豆エキスはガン細胞抑制作用を示し、松樹皮抽出
物、フコイダン、ヤーコン葉エキス、ブドウ果皮エキ
ス、エルダーベリーエキスは免疫賦活作用を示すことか
ら、これらを1種以上含有する抗ガン剤はガン、特に白
血病の改善に効果を示す。また、クマザサエキス、プロ
ポリス、霊芝エキス、大豆エキス、松樹皮抽出物、フコ
イダン、ヤーコン葉エキス、ブドウ果皮エキス、エルダ
ーベリーからなる群から選択される少なくとも1種以上
の食品素材を含む健康食品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クマザサエキスの添加量とATP生産率との関
係を示す。
【図2】松樹皮抽出物の添加量とATP生産率との関係
を示す。
【図3】フコイダンの添加量とATP生産率との関係を
示す。
【図4】ヤーコン葉エキスの添加量とATP生産率との
関係を示す。
【図5】ブドウ果皮エキスの添加量とATP生産率との
関係を示す。
【図6】エルダーベリーの添加量とATP生産率との関
係を示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23L 1/30 A23L 1/30 A B A61K 31/737 A61K 31/737 35/64 35/64 35/84 35/84 A A61P 35/00 A61P 35/00 35/02 35/02 37/04 37/04 (72)発明者 大庭 英樹 佐賀県鳥栖市宿町字野々下807番地1 独 立行政法人産業技術総合研究所九州センタ ー内 (72)発明者 高垣 欣也 福岡県福岡市博多区博多駅前2丁目19番27 号 株式会社東洋新薬内 (72)発明者 丸山 真二郎 福岡県福岡市博多区博多駅前2丁目19番27 号 株式会社東洋新薬内 Fターム(参考) 4B018 LE03 MD48 MD53 MD58 MD61 MD78 MD84 ME07 ME08 MF01 4C086 AA01 AA02 EA26 MA01 MA04 ZB09 ZB26 ZB27 4C087 AA01 AA02 BB22 ZB09 ZB26 ZB27 4C088 AA06 AB03 AB26 AB56 AB61 AB76 BA08 MA52 ZB09 ZB26 ZB27

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クマザサエキス、プロポリスエキス、霊
    芝エキス、大豆エキスからなる群から選択される少なく
    とも1種以上の食品素材を含有し、ガン細胞増殖抑制機
    能を有する、抗ガン剤。
  2. 【請求項2】 松樹皮抽出物、クマザサエキス、フコイ
    ダン、ヤーコン葉エキス、ブドウ果皮エキス、エルダー
    ベリーエキスからなる群から選択される少なくとも1種
    以上の食品素材を含有し、免疫賦活機能を有する、抗ガ
    ン剤。
  3. 【請求項3】 クマザサエキスを含有し、ガン細胞増殖
    抑制機能と免疫賦活機能を有する、抗ガン剤。
  4. 【請求項4】 前記ガン細胞が、白血病細胞である、請
    求項1から3のいずれかの項に記載の抗ガン剤。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のいずれかの項に記載の
    抗ガン剤を含有する、健康食品。
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