JP2000351728A - 抗炎症剤 - Google Patents

抗炎症剤

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JP2000351728A
JP2000351728A JP11163402A JP16340299A JP2000351728A JP 2000351728 A JP2000351728 A JP 2000351728A JP 11163402 A JP11163402 A JP 11163402A JP 16340299 A JP16340299 A JP 16340299A JP 2000351728 A JP2000351728 A JP 2000351728A
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Shigehiro Kataoka
茂博 片岡
Yukihiko Iwai
幸彦 岩井
Norio Yamaguchi
典男 山口
Minoru Saito
實 斉藤
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 皮膚炎症に対する抑制活性が強く、しかも安
全性が高い物質を有効成分として含有させ、抗炎症効果
が期待できる薬剤を提供する。 【解決手段】ポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導
体、例えばオトギリソウ科植物の有機溶媒抽出由来のガ
ルシノール(カルボジノール)を有効成分として含有さ
せて、抗炎症剤とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗炎症剤、さらに
詳しくは、ポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導体を
有効成分として含有させた、抗炎症剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、アトピー性皮膚炎、化学物質過敏
症、花粉症など、炎症性疾患の患者数が増大し、社会問
題にもなっている。従来皮膚炎などの炎症性疾患にはス
テロイド系の薬剤が多用され、一定の治療効果が認めら
れてきた。しかし、最近ではむしろ、ステロイド剤の過
剰使用による副作用が問題とされるようになってきてい
る。また、非ステロイド系の抗炎症剤であるアスピリン
や、インドメタシンは、多量に服用することにより、急
性の胃潰瘍を発症するなど深刻な副作用を有している。
一方、漢方薬など伝統的な医薬にも穏やかな抗炎症作用
を持つもの、例えば甘草のグリチルリチンなどが知られ
ている。しかし、そのような生薬、天然物由来成分は、
副作用が少ない一方、効果の点では必ずしも満足すべき
ものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、皮膚炎、例
えば化学物質などによって誘導される皮膚炎の予防治療
に有効で、副作用が無く、植物中などに多量に含有し、
その抽出、加工、或いは誘導体化処理が容易で、しかも
安全性が高い物質を求め、その物質を有効成分として含
有させた抗炎症剤を提供することを目的としてなされた
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記した
課題を解決するため、鋭意研究した結果、インド各地に
おいて伝統的に食用にされている、オトギリソウ科植物
の抽出液に、化学物質によって誘導される炎症の予防、
治療に強い活性があること、その活性本体がポリイソプ
レニル化ベンゾフェノン誘導体類であることを初めて明
らかにし、そしてポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘
導体を有効成分として含有させれば、抗炎症剤として有
用であることなどを見出し、これらの知見に基づき本発
明を完成するに至った。すなわち、本発明は、ポリイソ
プレニル化ベンゾフェノン誘導体を含有してなる、抗炎
症剤である。以下、本発明を詳細に説明する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるポリイソプレ
ニル化ベンゾフェノン誘導体とは、ベンゾフェノン(b
enzophenone)の骨格におけるベンゼン核の
水素原子が水酸基、カルボニル基、及び複数のイソプレ
ニル基などの炭化水素鎖などに置換された誘導体類であ
って、それらは水溶性、脂溶性のどちらでもよく、また
その生産手段は特に問われず、化学合成法で得られるも
の、ポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導体を含有す
る植物体などから抽出した抽出物、その精製物などいず
れでもよい。そして、ポリイソプレニル化ベンゾフェノ
ン誘導体類の具体例としては、例えばガルシノール
[(Garcinol);別名 カンボジノール(Ca
mboginol)]、イソガルシノール[(Isog
arcinol);別名 カンボジン(Cambogi
n)]、キサントチモール(Xanthochymo
l)、イソキサントチモール(Isoxanthoch
ymol)、グッチフェロン(Guttiferon
e)などを挙げることができる。それらの中でも、特に
好適なものとして抗炎症活性が強く、しかも、原料植物
体の生産量が多く、その植物体中の含有率も高い、ガル
シノールを挙げることができる。なお、前記のポリイソ
プレニル化ベンゾフェノン誘導体の内でも、特に脂溶性
であるものは、製剤化の上での利便性、生体に対する吸
収効率、作用部位への局在化効率などが大いに期待され
る。
【0006】本発明に用いられるポリイソプレニル化ベ
ンゾフェノン誘導体としては、該誘導体を含有している
前記したような植物体自体、もしくはその粉砕物(それ
らは生、乾燥物どちらでもよい)の抽出物、その精製物
又は部分精製物などを挙げることができる。前記のポリ
イソプレニル化ベンゾフェノン誘導体を含有している植
物としては、オトギリソウ科に属する植物、例えば、熱
帯性植物であるGarcinia cambogia
(英名:Goraka)、Garcinia indi
ca(英名:Kokam)、Garcinia pur
pureaなどを挙げることができる。そしてポリイソ
プレニル化ベンゾフェノン誘導体を得るには、その植物
体の果実、果皮、樹木、樹皮、樹液などいずれでも用い
られる。前記Garcinia cambogia、G
arcinia indicaの乾燥果実は、インド各
地において料理の酸味料として大量に生産されているの
で、それを用いてもよい。また近年では、これらの乾燥
果実から、ヒドロキシクエン酸の抽出が工業的に大規模
に行われており、その際に生ずる廃棄物であるその抽出
残渣を用いてもよい。
【0007】ポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導体
は、合成法でも得ることができるが、ポリイソプレニル
化ベンゾフェノン誘導体を含有している前記の各種植物
体から慣用技術を用いて抽出することにより得るのが好
適である。その抽出においては、有機溶媒を用いると当
該物質を効率よく抽出できる。その有機溶媒としては、
例えばメタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチ
ル、又はそれらの含水物、クロロホルム、ジクロロメタ
ン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンを挙げることができ
る。本発明において用いられるポリイソプレニル化ベン
ゾフェノン誘導体は、これら有機溶媒の中でも、エタノ
ール、アセトン、ヘキサンなどにより抽出したものが好
ましく用いられる。また、超臨界ガスを用いて抽出する
には、例えば超臨界ガスとして炭酸ガスなどが用いら
れ、これにエントレーナーとしてエタノール、水などを
加え、温度;0〜100℃、好ましくは20〜40℃、
圧力;5〜2000kg/cm2、好ましくは20〜8
00kg/cm2、時間;5分〜4日間、好ましくは3
0分〜20時間などの条件を適宜組み合わせて行なうこ
とができる。本発明においては、いずれの抽出物も使用
することができる。
【0008】前記した有機溶媒を用いて抽出物を得るに
は、前記したごとく公知の方法に従えばよく、例えば前
記した植物の果実、果皮、樹木、樹皮を適当に破砕した
後、それらの粉砕物、また該植物の樹液を前記した有機
溶媒で公知の方法を用いて処理する。具体的には、原料
の1〜100倍(重量比)、好ましくは3〜20(重量
比)の有機溶媒で、温度0℃以上、好ましくは10℃か
らその有機溶媒の沸点以下の温度の条件下で、1分〜8
週間、好ましくは10分〜1週間抽出処理をする。
【0009】また、上記のごとくして得られる抽出処理
物自体を本発明に用いてもよいが、好ましくは有機溶媒
を通常の方法、例えばロータリーエバポレーターなどを
使用して除去するのがよい。この有機溶媒除去物に、凍
結乾燥、加熱乾燥などの慣用技術処理を施してもよい。
【0010】上記抽出物からポリイソプレニル化ベンゾ
フェノン誘導体を精製するには、公知の天然有機化合物
類の分離・精製法を採用すればよい。例えば、活性炭、
シリカ、化学修飾シリカ、ポリマ−系担体などを用いた
吸脱着、あるいはクロマトグラフィー、液−液抽出、分
別沈澱などの手法により、不純物を除き精製する。具体
的には、本発明の抽出物をODS−カラムクロマトグラ
フィーに供し、60〜100%(v/v)エタノール溶
液(または適宜の濃度のメタノール或いはアセトニトリ
ルでもよい。)で溶出・分画する。これらのクロマトグ
ラフィーによって分離される成分を集め、濃縮・結晶化
するとポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導体が得ら
れる。なお、得られた当該物は、合成法によって別の誘
導体類に変えることもでき、このようにして得られたポ
リイソプレニル化ベンゾフェノン誘導体もまた本発明に
おいて有効に使用することができる。
【0011】前記した抽出物、その抽出物の精製物、す
なわちポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導体自体
(これを原料として新に合成されたポリイソプレニル化
ベンゾフェノン誘導体も含む)、あるいは前記抽出物の
中間精製物は、後述するごとく、代表的な皮膚炎症惹起
物質であるホルボールエステルによる皮膚炎症を抑制す
る活性が極めて強いことが確認された。そしてこのポリ
イソプレニル化ベンゾフェノン誘導体は、後述のごとく
安全性も極めて高い。
【0012】したがって、前記のポリイソプレニル化ベ
ンゾフェノン誘導体を含んだ、抽出物、精製物あるいは
中間精製物などいずれかを有効成分として含有させるこ
とにより、前記した効果が期待できる本発明の抗炎症剤
とすることができる。そして、必要により、前記のポリ
イソプレニル化ベンゾフェノン誘導体に、薬剤に通常用
いられている適当な賦形剤、例えば乳糖、澱粉、油脂な
どを添加して本発明の抗炎症剤とすることもできる。ま
た、必要により、ポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘
導体の1種又は2種以上を併用することもできる。
【0013】本発明の抗炎症剤は、ポリイソプレニル化
ベンゾフェノン誘導体を、例えば0.00001〜10
%(w/w)、好ましくは、0.0001〜5%(w/
w)含有させて用いられる。また、ポリイソプレニル化
ベンゾフェノン誘導体単独か、もしくは他の薬剤との合
剤とするかして、それらに乳化剤、安定化剤、増量剤な
どを混合してもよい。本抗炎症剤は、経口、外用、注射
の何れの方法によっても投与しうる。経口剤としては散
剤、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤など任意の
剤形を採用しうる。外用剤としては、乳剤、軟膏剤など
が好適である。注射剤としては、ポリイソプレニル化ベ
ンゾフェノン誘導体に、界面活性剤、プロピレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセル
ロースなどを加えた乳濁液が好適に用いられる。
【0014】本発明の抗炎症剤の投与量は、治療すべき
症状、年令、体重などにより異なるが、例えば通常、成
人1日あたり、ポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導
体として1〜5000mg、好ましくは10〜2000
mg程度である。また、本発明の抗炎症剤を皮膚炎症な
どに局所的に外用する場合は、1回につきポリイソプレ
ニル化ベンゾフェノン誘導体として0.001μg〜1
00mg、好ましくは0.1μg〜10mgを患部に塗
布して用いられる。
【0015】
【実施例】以下に、参考例、実験例および実施例を示
し、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、それ
らの例によってなんら限定されるものではない。 参考例1(ガルシノールの調製) ガルシノールは、インド産の食用果実であるGarci
nia indicaの乾燥果皮(Kokam)より、
以下の方法で抽出、精製した。Garcinia in
dicaの乾燥果皮から、先ずヒドロキシクエン酸を抽
出した。その方法は、Y.S.Lewisの方法(Me
thods in Enzymology、77巻、6
15頁参照)によった。すなわち、上記果皮200gに
600mlの水を加え、115℃、15分間、オ−トク
レ−ブ処理した。ブッフナ−漏斗上(ト−ヨ−のろ紙N
o.2を使用)で吸引ろ過し、更に、ろ液が全量で60
0mlになるまで水で洗った。かくのごとくして、抽出
残渣を得た。
【0016】次いで、この抽出残渣の湿重量50gに対
して500mlのエタノールを添加し、室温(20℃)
で3時間撹拌しながら抽出を行った。残渣をろ別し、抽
出液をロータリーエバポレーターにて減圧乾固し、抽出
エキスを得た。これをメタノール10mlに溶解し、不
溶物をろ別後、YMCゲルODS−AM120−S50
(YMC Co.Ltd.製)の内径32mm×35c
mのカラムクロマトグラフィーに供した。アセトニトリ
ル90%溶液にて溶出される成分のうち、365nmに
吸収を有する2つの主たる画分を集めた。このうち、後
半に溶出した黄色の画分をロータリーエバポレーターに
てアセトニトリルを溜去して淡黄色の乳濁液を得た。こ
の乳濁液に、3倍容の酢酸エチルを添加して抽出を行
い、有機溶媒層を無水硫酸ナトリウムで脱水した後、ロ
ータリーエバポレーターにて濃縮乾固した。その乾固物
を少量のアセトニトリルに加温溶解し、冷却すると淡黄
色の針状結晶が得られた。この結晶をろ別し、少量の冷
アセトニトリルで洗浄した後、真空デシケーター中で乾
燥させた。最終的に150mgの結晶が得られた。この
結晶の融点は120℃、比旋光度は−135°、紫外部
吸収は250nm及び365nm、マススペクトル測定
による分子量は602であった。これらの値から、この
物質は、A.V.Rama Raoら(Tetrahe
dronLett.、21巻、1975−1978頁、
1980年 参照)及びN.Krishnamurth
yら(Tetrahedron Lett.、22巻、
793−769頁、1981年 参照)によって報告さ
れたポリイソプレニル化ベンゾフェノンの一種であるガ
ルシノール(カンボジノール)と一致した。
【0017】参考例2(イソガルシノールの調製) 参考例1に記載した操作によって、ODSカラムクロマ
トグラフィーで得られた、前半に溶出された無色の画分
を集めた。これをロータリーエバポレーターにて濃縮乾
固し、エタノールによって加温溶解した。これを穏やか
に冷却し、無色の板状結晶を得た。この結晶をろ別、乾
燥し、最終的に15mgの結晶を得た。この結晶の融点
は218℃、比旋光度は−203°、紫外部吸収は23
2nm及び278nm、マススペクトル測定による分子
量は602であった。これらの値から、この物質は、前
記文献によって報告されたポリイソプレニル化ベンゾフ
ェノンの一種であるイソガルシノール(カンボジン)と
一致した。
【0018】実験例 (ホルボールエステルにより惹起
される皮膚炎症抑制活性試験) ガルシノールの抗炎症効果を評価するため、10週齢以
上のddy雄マウスを用いて、以下のようにして行なっ
た。なお、ガルシノールは、参考例1に記載したと同様
の方法で得たガルシノール標品を用いた。先ず、任意の
ガルシノール濃度(0.5w/v%、0.25w/v
%)のアセトン溶液を調製した。試験群においては、マ
ウスの右耳に、前記したガルシノールを含むアセトン溶
液を40μl/ear塗布し、左耳にはアセトンのみを
塗布し、30分後、マウスの右耳(外側内側両面)にT
PA(12−O−テトラデカノイルホルボール−13−
アセテート)溶液(200μg/mlアセトン)20μ
l又は40μl/earを塗布して耳浮腫を発生させ、
また、左耳にはTPA溶液の代わりにアセトンのみを塗
布した。一方、対照群においては、マウスの右耳に、ガ
ルシノールを含まないアセトンのみを塗布し、30分後
に前記したTPA溶液を塗布して耳浮腫を発生させ、ま
た、左耳にはTPA溶液の代わりにアセトンのみを塗布
した。
【0019】4時間後に、試験群及び対照群について、
両耳を切り離し、直径6mmのパンチで打ち抜いてそれぞ
れ左右一対のサンプルを取り出し、直ちにその重量を測
定した。試験群及び対照群の各同一群における左右の耳
の重量差(右重量−左重量;同一マウス)によって、浮
腫の重量増加抑制率(抑制率)を算出した。すなわち、
浮腫の抑制率(%)は、次式によって算出した。 抑制率(%)=(1−重量差[試験群]÷重量差[対照
群])×100 上記の式によって求めた耳浮腫抑制率の結果を表1に示
す。
【0020】 表1 ガルシノールによるTPA誘導マウス耳浮腫抑制効果 ガルシノール濃度(%) TPA塗布量(μl) 抑制率(%) 0.5 20 70 0.25 40 20
【0021】表1に示すとおり、ガルシノールは、0.
5%(w/v)アセトン溶液として用い、TPAを20
μl塗布して浮腫を発生させたとき、70%の重量増加
抑制率を示した。また、ガルシノール濃度を0.25%
に下げ、TPA溶液の塗布量を40μlとした場合で
も、20%の抑制率を示した。このことから、ガルシノ
ールなどのポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導体
が、強い抗炎症活性を有することがわかる。したがっ
て、ポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導体を有効成
分として含有させれば、抗炎症効果が期待できる医薬
品、すなわち抗炎症剤として利用することができる。
【0022】実験例2(単回投与毒性試験) 体重29〜32gのICR/crj雄マウス(5週齢)
(一群5匹)を使用して、医薬品のための毒性試験法ガ
イドライン(昭和59年2月15日薬審第118号、都
道府県衛生主管部局長宛厚生省薬務局審査第2課長通
知)に準じ、単回投与毒性試験を行った。すなわち、生
理食塩水にガルシノールを30mg/mlの濃度となる
よう懸濁し、この懸濁液をマウスに、体重30gあたり
0.5ml(500mg/体重kg)の割合で経口投与
し、14日間観察した。その結果、全例とも死亡動物は
なく、また副作用も認められず、14日目の剖検におい
ても、組織、臓器の顕微鏡的異常はなんら観察されなか
ったことから、本発明に用いられるガルシノールは、き
わめて毒性が低いことがわかる。
【0023】実施例1<ガルシノールを含有させた抗炎
症剤(シロップ剤)の調製> 参考例1に記載したと同様にして得たガルシノールを乳
鉢で微粉末とし、これを滅菌精製水に懸濁し、この懸濁
液にチェリーシロップを穏やかに撹拌しながら添加して
1200mlとする下記組成のシロップ剤を調製した。
このシロップ剤は、1日当たり1〜3回服用でき、1回
当たり5mlの服用でガルシノール200mgを含有し
た、シロップ状の抗炎症剤である。 <シロップ剤の組成> ガルシノール 48g チェリーシロップ 1000ml 滅菌精製水 残余
【0024】実施例2<ガルシノールを含有させた抗炎
症剤(散剤)の調製> 参考例1に記載したと同様にして得たガルシノール標品
と、乳糖、結晶セルロースとを下記組成で混合し、これ
を精製水で練合した後、常法により粉末状または細粒状
とした散剤1kgを調製した。この散剤は、1包を1g
として、1包の服用でガルシノール200mgを含有し
た抗炎症剤(散剤)である。 <散剤の組成> ガルシノール 200g 乳糖 600g 結晶セルロース 200g
【0025】実施例3<ガルシノールを含有させた抗炎
症剤(チンキ)の調製> 参考例1に記載したと同様にして得たガルシノール標品
をエタノールに溶解し、これを精製水で希釈して下記組
成のチンキを調製した。 <チンキの組成> ガルシノール 0.1g エタノール 70mL 精製水 30mL
【0026】実施例4<ガルシノールを含有させた抗炎
症剤(軟膏)の調製> 参考例1に記載したと同様にして得たガルシノール標品
をエタノールに溶解し、これを白色ワセリンに混練し、
ガルシノールを0.5%含有する、下記組成の軟膏を調
製した。 <軟膏の組成> ガルシノール 0.5g エタノール 2.0mL 白色ワセリン 97.5g
【0027】
【発明の効果】 本発明に用いられるポリイソプレニル
化ベンゾフェノン誘導体は、皮膚炎症に対する抑制活性
が強く、植物中などに多量に含有し、その抽出、加工、
或いは誘導体化処理が容易で、しかも安全性が高い物質
である。したがって、この物質を有効成分として含有さ
せた、本発明の抗炎症剤は、炎症の予防、治療などの効
果が期待できるので、極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07D 311/74 C07D 311/74 (72)発明者 斉藤 實 千葉県野田市野田339番地 キッコーマン 株式会社内 Fターム(参考) 4C062 FF13 HH01 4C086 AA01 AA02 BA08 MA01 MA04 NA14 ZB11 4C088 AB12 AC04 BA10 CA06 CA07 CA08 CA09 CA10 CA14 MA04 MA17 MA23 MA43 MA52 MA63 ZA89 ZB11 4C206 AA01 AA02 CB24 CB25 KA08 MA01 MA04 NA14 ZA89 ZB11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導
    体を含有してなる、抗炎症剤。
  2. 【請求項2】 ポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導
    体がオトギリソウ科植物の植物体の有機溶媒抽出物由来
    のポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導体である、請
    求項1記載の抗炎症剤。
  3. 【請求項3】 ポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導
    体が、ガルシノール(カンボジノール)である、請求項
    1記載の抗炎症剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011158806A1 (ja) * 2010-06-14 2011-12-22 日産化学工業株式会社 造血幹細胞の製造方法

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