JP2000072665A - ヒアルロニダーゼ阻害剤 - Google Patents

ヒアルロニダーゼ阻害剤

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JP2000072665A
JP2000072665A JP10245945A JP24594598A JP2000072665A JP 2000072665 A JP2000072665 A JP 2000072665A JP 10245945 A JP10245945 A JP 10245945A JP 24594598 A JP24594598 A JP 24594598A JP 2000072665 A JP2000072665 A JP 2000072665A
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hyaluronidase
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polyisoprenylated benzophenone
benzophenone derivative
garcinol
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JP10245945A
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Norio Yamaguchi
典男 山口
Toshiaki Ariga
敏明 有賀
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Kikkoman Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒアルロニダーゼ阻害活性が強く、しかも安
全性が高い物質を有効成分として含有させ、ヒアルロニ
ダーゼ分解抑制効果が期待できるヒアルロニダーゼ阻害
剤を提供する。 【解決手段】 ポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導
体を有効成分として含有させて、ヒアルロニダーゼ阻害
剤とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なヒアルロニ
ダーゼ阻害剤、さらに詳しくはポリイソプレニル化ベン
ゾフェノン誘導体を有効成分として含有してなるヒアル
ロニダーゼ阻害剤に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒアルロン酸は、コラーゲン、エラスチ
ンと並ぶ哺乳動物の結合組織に広く存在するマトリック
ス成分の一つである。ヒアルロン酸の機能は細胞の保
持、皮膚の保水、関節の潤滑など物理的なものから、近
年では血管内皮細胞、多形核白血球、マクロファージな
どの細胞機能の制御など、生化学的なものも注目されき
ている。生体内のヒアルロン酸は、比較的短期間で代謝
回転していることが確認されており、通常の状態ではヒ
アルロン酸合成酵素と分解酵素の活性の平衡が保たれて
いる。しかし、老化に伴いこの平衡が失われヒアルロン
酸合成に対して分解酵素(ヒアルロニダーゼ)活性が亢
進すると、組織の柔軟性や潤滑性も失われ、皮膚のしわ
等の老人性変化を引き起こす。また、ヒアルロニダーゼ
は起炎酵素としても知られており、炎症部位で活性の亢
進が確認されている(酒井ら、フレグランスジャーナ
ル、1998年、4号、49頁参照)。更にガン細胞が
血管新生を誘導する際に、ヒアルロニダーゼ活性が亢進
することも報告されている(D.Liuら、Proc.
Natl. Acad. Sci. USA、199
6年、93巻、7832頁参照)。このように皮膚老
化、炎症、腫瘍の成長に際してヒアルロニダーゼ活性の
亢進が認められるため、ヒアルロニダーゼを阻害する薬
剤がこれらの老化に伴う変化や疾患を抑制することが期
待され、これまでに、例えばT.Furuyaらによる
グリチルリチン(Biol. Pharm. Bul
l. 1997年、20巻、973頁参照)、GODタ
イプのエラジタンニン(特開平9−124497号公報
参照)、インドセンダン、コウスイガヤなどの植物の溶
媒抽出物(特開平7−138180号公報参照)などが
提案されている。しかしこれらは高価な生薬を原料とし
ていたり、有効成分が特定されていない等の問題を有し
ていた。そこで人体に対して安全な天然物であって、強
いヒアルロニダーゼ阻害活性を有し、工業的にも安価に
大量に製造し得るヒアルロニダーゼ阻害剤が望まれてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ヒア
ルロニダーゼ阻害活性が強く、植物中などに多量に含有
し、その抽出、加工、或いは誘導体化処理が容易で、し
かも安全性が高い物質を求め、その物質を有効成分とし
て含有させ安全性の高い、皮膚老化防止、抗炎症、抗腫
瘍等の効果が期待できる、ヒアルロニダーゼ阻害剤を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記した
課題を解決するため、鋭意研究した結果、インド各地に
おいて伝統的に食用にされている、Garcinia属
植物の抽出液に、ヒアルロニダーゼ阻害に強い活性があ
ること、その活性本体がポリイソプレニル化ベンゾフェ
ノン誘導体類であることを初めて明らかにし、そしてポ
リイソプレニル化ベンゾフェノン誘導体を有効成分とし
て含有させれば、ヒアルロニダーゼ阻害剤として有用で
あることなどを見出し、これらの知見に基づき本発明を
完成するに至った。すなわち、本発明は、ポリイソプレ
ニル化ベンゾフェノン誘導体を有効成分として含有して
なる、ヒアルロニダーゼ阻害剤であり、また、ポリイソ
プレニル化ベンゾフェノン誘導体、オトギリソウ科Ga
rcinia属植物の植物体に含有されるポリイソプレ
ニル化ベンゾフェノン誘導体、ガルシノール又はイソガ
ルシノールからなる群より選ばれるうちの1種又は2種
以上を有効成分として含有させてなる、皮膚老化防止
剤、抗炎症剤又は抗腫瘍剤である。以下、本発明を詳細
に説明する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるポリイソプレ
ニル化ベンゾフェノン誘導体(以下、本誘導体と言うこ
とがある)とは、ベンゾフェノン(benzophen
one)の骨格におけるベンゼン核の水素原子が複数の
イソプレニル基及び水酸基、カルボニル基などに置換さ
れた誘導体類であって、それらは水溶性、脂溶性のどち
らでもよく、またその生産手段は特に問われず、化学合
成法で得られるもの、ポリイソプレニル化ベンゾフェノ
ン誘導体を含有する植物体などから抽出した抽出物など
いずれでもよい。そして、本誘導体の一例として、例え
ばガルシノール[(Garcinol);別名 カンボ
ジノール(Camboginol)]、イソガルシノー
ル[(Isogarcinol);別名 カンボジン
(Cambogin)]、キサントチモール(Xant
hochymol)、イソキサントチモール(Isox
anthochymol)、グッチフェロン(Gutt
iferone)などを挙げることができる。それらの
中でも、特に好適なものとして、ヒアルロニダーゼ阻害
活性が強く、しかも、原料植物体の生産量が多く、その
植物体中の含有率も高い、ガルシノールを挙げることが
できる。なお、前記のポリイソプレニル化ベンゾフェノ
ン誘導体の内でも、特に脂溶性であるものは、製剤化の
上での利便性、生体に対する吸収効率、作用部位への局
在化効率などが大いに期待される。
【0006】本発明に用いられるポリイソプレニル化ベ
ンゾフェノン誘導体としては、本誘導体を含有している
前記したような植物体自体若しくはその粉砕物(それら
は生、乾燥物どちらでもよい)の抽出物、その精製物又
は部分精製物などを挙げることができる。本誘導体を含
有している植物としては、Garcinia属に属する
植物、例えば、熱帯性植物であるGarcinia c
ambogia(英名:Goraka)、Garcin
ia indica(英名:Kokam)、Garci
nia purpureaなどを挙げることができる。
そして本誘導体を得るには、その植物体の果実、果皮、
樹木、樹皮、樹液などいずれでも用いられる。前記Ga
rcinia cambogia、Garcinia
indicaの乾燥果実は、インド各地において料理の
酸味料として大量に生産されているので、それを用いて
もよい。また近年では、これらの乾燥果実から、ヒドロ
キシクエン酸の抽出が工業的に大規模に行われており、
その際に生ずる廃棄物であるその抽出残渣を用いてもよ
い。
【0007】本誘導体は合成法でも得ることができる
が、本誘導体を含有している前記の各種植物体から慣用
技術を用いて抽出することにより得るのが好適である。
その抽出においては、有機溶媒を用いると当該物質を効
率よく抽出できる。その有機溶媒としては、例えばメタ
ノ−ル、エタノ−ル、アセトン、酢酸エチル、又はそれ
らの含水物、クロロホルム、ジクロロメタン、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタンを挙げることができる。本発明
において用いられる本誘導体は、これら有機溶媒の中で
も、エタノ−ル、アセトン、ヘキサンなどにより抽出し
たものが好ましく用いられる。また、超臨界ガスを用い
て抽出するには、例えば超臨界ガスとして炭酸ガスなど
が用いられ、これにエントレーナーとしてエタノール、
水などを加え、温度;0〜100℃、好ましくは20〜
40℃、圧力;5〜2000kg/cm2、好ましくは
20〜800kg/cm2、時間;5分〜4日間、好ま
しくは30分〜20時間などの条件を適宜組み合わせて
行なうことができる。本発明においては、いずれの抽出
物も使用することができる。
【0008】前記した有機溶媒を用いて抽出物を得るに
は、前記したごとく公知の方法に従えばよく、例えば前
記した植物の果実、果皮、樹木、樹皮を適当に破砕した
後、それらの粉砕物、また該植物の樹液を前記した有機
溶媒で公知の方法を用いて処理する。具体的には、原料
の1〜100倍(重量比)、好ましくは3〜20(重量
比)の有機溶媒で温度0℃以上、好ましくは10℃から
その有機溶媒の沸点以下の温度条件下で1分〜8週間、
好ましくは10分〜1週間抽出処理をする。
【0009】また、上記のごとくして得られる抽出処理
物自体を本発明に用いてもよいが、好ましくは有機溶媒
を通常の方法、例えばロータリエバポレーターなどを使
用して除去するのがよい。この有機溶媒除去物に、凍結
乾燥、加熱乾燥などの慣用技術処理を施してもよい。
【0010】上記抽出物から本誘導体を精製するには、
公知の天然有機化合物類の分離・精製法を採用すればよ
い。例えば、活性炭、シリカ、化学修飾シリカ、ポリマ
ー系担体などを用いた吸脱着、あるいはクロマトグラフ
ィー、液−液抽出、分別沈澱などの手法により、不純物
を除き精製する。具体的には、本発明の抽出物をODS
−カラムクロマトグラフィーに供し、60〜100%
(v/v)エタノール溶液(または適宜の濃度のメタノ
ール或いはアセトニトリルでもよい。)で溶出・分画す
る。これらのクロマトグラフィーによって分離される成
分を集め、濃縮・結晶化するとポリイソプレニル化ベン
ゾフェノン誘導体が得られる。なお、得られた当該物
は、合成法によって別の誘導体類に変えることもでき、
このようにして得られたポリイソプレニル化ベンゾフェ
ノン誘導体もまた本発明において有効に使用することが
できる。
【0011】前記した抽出物、その抽出物の精製物、す
なわちポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導体自体
(これを原料として新に合成されたポリイソプレニル化
ベンゾフェノン誘導体も含む)、あるいは前記抽出物の
中間精製物は、後述するごとく、いずれも強いヒアルロ
ニダーゼ阻害抑制活性を有することが確認された。そし
て本誘導体は、後述のごとく安全性も極めて高い。
【0012】したがって、前記の本誘導体を含んだ、抽
出物、精製物あるいは中間精製物などいずれかを適宜な
量含有させることにより、前記した効果が期待できる本
発明のヒアルロニダーゼ阻害剤とすることができる。そ
して、必要により、本誘導体に、薬剤に通常用いられて
いる適当な賦形剤、例えば乳糖、澱粉、油脂などを添加
して本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤とすることもでき
る。また、必要により、ポリイソプレニル化ベンゾフェ
ノン誘導体の1種又は2種以上を併用することもでき
る。なお、本誘導体を含んだ、抽出物、精製物あるいは
中間精製物などいずれかを含有させて、前記した効果が
期待できる健康食品素材とすることもできる。
【0013】本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤の投与量
は、治療すべき症状、年令、体重などにより異なるが、
例えば通常、成人1日あたり、本誘導体として10mg
〜10g、好ましくは50mg〜5g程度である。ま
た、ポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導体単独か、
もしくは他の薬剤との合剤とするかして、それらに乳化
剤、安定化剤、増量剤などを混合してもよい。また、本
発明のヒアルロニダーゼ阻害剤は、経口剤、皮膚外用
剤、注射剤として用いることができる。
【0014】
【実施例】以下に、参考例、実験例および実施例を示
し、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、それ
らの例によってなんら限定されるものではない。 参考例1(ガルシノールの調製) ガルシノールの調製は、インド産の食用果実であるGa
rcinia indicaの乾燥果皮(Kokam)
より、以下の方法で抽出精製した。Garcinia
indicaの乾燥果皮から、先ずヒドロキシクエン酸
を抽出した。その方法は、Y.S.Lewisの方法
(Methods in Enzymology、77
巻、615頁参照)によった。すなわち、上記果皮20
0gに600mlの水を加え、115℃、15分間、オ
−トクレ−ブ処理した。ブッフナーろ斗上(トーヨーの
濾紙No.2を使用)で吸引ろ過し、更に、ろ液が全量
で600mlになるまで水で洗った。かくのごとくし
て、抽出残渣を得た。
【0015】次いで、この抽出残渣の湿重量50gに対
して500mlのエタノールを添加し、室温(20℃)
で3時間撹拌しながら抽出を行った。残渣を濾別し、抽
出液をロータリーエバポレーターにて減圧乾固し、抽出
エキス(以下単に抽出エキスと称する場合、この物を指
す)を得た。この物には、後述する精製ガルシノール及
びイソガルシノールを標品とした高速液体クロマトグラ
フ分析により、ガルシノール25%、イソガルシノール
5%(何れもw/w)を含有する。これをメタノール1
0mlに溶解し、不溶物をろ別後、YMCゲルODS−
AM120−S50(YMC Co.Ltd.製)の内
径32mm×35cmのカラムクロマトグラフィーに供
した。アセトニトリル90%溶液にて溶出される成分の
うち、365nmに吸収を有する2つの主たる画分を集
めた。このうち、後半に溶出した黄色の画分をロータリ
ーエバポレーターにてアセトニトリルを溜去して淡黄色
の乳濁液を得た。この乳濁液に、3倍容の酢酸エチルを
添加して抽出を行い、有機溶媒層を無水硫酸ナトリウム
で脱水した後、ロータリーエバポレーターにて濃縮乾固
した。その乾固物を少量のアセトニトリルに加温溶解
し、冷却すると淡黄色の針状結晶が得られた。この結晶
を濾別し、少量の冷アセトニトリルで洗浄した後、真空
デシケーター中で乾燥させた。最終的に150mgの結
晶が得られた。
【0016】この結晶の融点は120℃、比旋光度は−
135°、紫外部吸収は250nm及び365nm、マ
ススペクトル測定による分子量は602であった。これ
らの値から、この物質は、A.V.Rama Raoら
(TetrahedronLett.、21巻、197
5−1978頁、1980年 参照)及びN.Kris
hnamurthyら(Tetrahedron Le
tt.、22巻、793−769頁、1981年 参
照)によって報告されたポリイソプレニル化ベンゾフェ
ノンの一種であるガルシノール(カンボジノール)と一
致した。
【0017】参考例2(イソガルシノールの調製) 参考例1に記載した操作によって、ODSカラムクロマ
トグラフィーで得られた、前半に溶出された無色の画分
を集めた。これをロータリーエバポレーターにて濃縮乾
固し、エタノールによって加温溶解した。これを穏やか
に冷却し、無色の板状結晶を得た。この結晶をろ別、乾
燥し、最終的に15mgの結晶を得た。
【0018】この結晶の融点は218℃、比旋光度は−
203°、紫外部吸収は232nm及び278nm、マ
ススペクトル測定による分子量は602であった。これ
らの値から、この物質は、前記文献によって報告された
ポリイソプレニル化ベンゾフェノンの一種であるイソガ
ルシノール(カンボジン)と一致した。
【0019】参考例3(単回投与毒性試験) 体重29〜32gのICR/crj雄マウス(5週齢)
(一群5匹)を使用して、医薬品のための毒性試験法ガ
イドライン(昭和59年2月15日薬審第118号、都
道府県衛生主管部局長宛厚生省薬務局審査第2課長通
知)に準じ、単回投与毒性試験を行った。すなわち、生
理食塩水にガルシノールを30mg/mlの濃度となる
よう懸濁し、この懸濁液をマウスに、体重30gあたり
0.5ml(500mg/体重kg)の割合で経口投与
し、14日間観察した。その結果、全例とも死亡動物は
なく、また副作用も認められず、14日目の剖検におい
ても、組織、臓器の顕微鏡的異常はなんら観察されなか
ったことから、本発明に用いられるガルシノールは、き
わめて毒性が低いことがわかる。
【0020】実施例1(ヒアルロニダーゼ阻害活性試
験) 本発明の効果を確認するため、前記参考例1及び2に記
載のガルシノール又はイソガルシノールのヒアルロニダ
ーゼ阻害活性を評価するために、これらを被検物質と
し、ウシ睾丸ヒアルロニダーゼを用い、ヒト臍帯ヒアル
ロン酸ナトリウムを基質とし、各種濃度の被検物質を添
加し、その阻害活性を調べた。なお、活性の測定は、M
ethods in Enzymology,8巻(1
966年)、661頁の記載に準じて行なった。まずヒ
ト臍帯ヒアルロン酸ナトリウム(シグマ社製)100m
gを0.3Mリン酸カリウム緩衝液(pH5.5)に溶
解した。これを同緩衝液で20〜30倍に希釈して基質
液とした。酵素液はウシ睾丸ヒアルロニダーゼ(シグマ
社製)を0.45%NaClと0.01%ウシ血清アル
ブミン(BSA)を含有する0.02Mリン酸カリウム
緩衝液に、0.6N.F.U(National Fo
rmulary Unit)/mlの濃度で溶解し調製
した。反応は、上記酵素液と基質液をそれぞれ0.25
ml混合し、38℃で50分間行った。この際、ガルシ
ノールを0.3125%、0.625%、1.25%、
2.5%(何れもw/v)の濃度でDMSO(ジメチル
スルホキシド)に溶解し、反応系に5μlづづ添加し
た。また、イソガルシノールは、0.0625%、0.
125%、0.25%、0.5%の濃度で、前記したと
同様にDMSOに溶解して用いた。反応終了時に酸性ア
ルブミン溶液(酢酸ナトリウム1.63g、酢酸2.3
ml、ウシ血清アルブミン0.5gを水500mlに溶
解し、濃塩酸でpHを3.72〜3.78に調製)を
2.5ml混合し、室温に10分間放置後の600nm
の濁度を測定した。そして、酵素反応によるヒアルロン
酸の低分子化に伴う、ヒアルロン酸−アルブミン複合体
の濁度の減少(ΔOD600nm)を抑制する活性をも
って、ヒアルロニダーゼ阻害活性とした。ガルシノール
を用いたときの実験結果を図1に、また、イソガルシノ
ールを用いたときの実験結果を図2に示す。
【0021】図1から計算により、ガルシノールが酵素
1N.F.Uに対して50%の阻害を示す量(IC5
0)は0.40mgと求められた。また図2から計算に
より、イソガルシノールが酵素1N.F.Uに対して5
0%の阻害を示す量(IC50)は0.28mgと求め
られた。なお、比較のためグリチルリチンを前記と同様
に試験した結果、酵素1N.F.Uに対して50%の阻
害を示す量は0.33mgであった。このことから、ポ
リイソプレニル化ベンゾフェノン誘導体が、強いヒアル
ロニダーゼ阻害活性を有することがわかる。したがっ
て、これを有効成分として含有させれば、ヒアルロニダ
ーゼによるヒアルロン酸の分解を抑制することができ、
ヒアルロン酸分解の亢進によって引き起こされる皮膚老
化、炎症性疾患、腫瘍の成長等に対する予防・治療薬或
いは化粧品等に利用することができる。
【0022】実施例2(ガルシノールを含有する皮膚外
用剤の調製) 参考例1に記載したと同様にして得たガルシノール結晶
を乳鉢で微粉末とし、以下の組成で配合して全量を10
0mlとし、皮膚外用剤を調製した。
【0023】 ガルシノール 1.0g ポリエチレングリコール 10.0g ヒドロキシエチルセルロース 0.1g トリエタノールアミン 2.0g エチルアルコール 20.0ml 防腐剤 適量 水 残余
【0024】実施例3(イソガルシノールを含有する経
口用散剤の調製) 参考例2に記載したと同様にして得たイソガルシノール
結晶を乳鉢で微粉末とし、この粉末と乳糖、結晶セルロ
ースとを下記組成で混合し、これを精製水で練合した
後、常法により粉末状または細粒状とした散剤1kgを
調製した。この散剤を1包1gとして調剤し、1包の服
用でイソガルシノール200mgを含有した経口用ヒア
ルロニダーゼ阻害剤(散剤)とした。
【0025】 イソガルシノール粉末 200g 乳糖 600g 結晶セルロース 200g
【0026】
【発明の効果】本発明に用いられるポリイソプレニル化
ベンゾフェノン誘導体は、強いヒアルロニダーゼ阻害活
性を有し、安全性が高い物質であり、しかも植物中など
に多量に含有し、その抽出、加工が容易である。したが
って、この物質を有効成分として含有させた本発明のヒ
アルロニダーゼ阻害剤は、ヒアルロン酸分解抑制能を有
するので、皮膚老化防止、抗炎症、腫瘍成長抑制などの
効果が期待でき、ヒアルロン酸分解が原因となる疾患の
予防・治療薬として極めて有用である。また、本誘導体
は、前記した活性を有するので、健康食品の素材とした
り、あるいは皮膚化粧料に含有させることにより、ヒア
ルロン酸分解に伴う皮膚老化を抑制する効果が期待でき
る化粧料とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ガルシノールの濃度と、ヒアルロニダーゼ阻
害によるヒアルロン酸−アルブミン複合体の濁度減少量
低下の関係を示すグラフ。
【図2】 イソガルシノールの濃度と、ヒアルロニダー
ゼ阻害によるヒアルロン酸−アルブミン複合体の濁度減
少量低下の関係を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/00 A61K 7/00 K 35/78 ADA 35/78 ADAC AED AEDC Fターム(参考) 4C083 AA111 AC102 AC211 AC212 AC542 AD042 AD212 AD262 AD282 BB51 CC03 DD17 DD23 DD27 EE11 EE12 4C088 AB12 BA08 BA11 MA01 MA63 NA14 ZA89 ZB11 ZB26 ZC20 4C206 AA01 AA02 CB11 KA18 MA01 MA02 MA03 MA04 MA83 NA14 ZA89 ZB11 ZB26 ZC20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導
    体を有効成分として含有してなる、ヒアルロニダーゼ阻
    害剤。
  2. 【請求項2】 ポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導
    体がオトギリソウ科Garcinia属植物の植物体に
    含有されるポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導体で
    ある、請求項1記載のヒアルロニダーゼ阻害剤。
  3. 【請求項3】 ポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導
    体がガルシノール又はイソガルシノールである、請求項
    1記載のヒアルロニダーゼ阻害剤。
  4. 【請求項4】 ポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導
    体、オトギリソウ科Garcinia属植物の植物体に
    含有されるポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導体、
    ガルシノール又はイソガルシノールからなる群より選ば
    れるうちの1種又は2種以上を有効成分として含有させ
    てなる、皮膚老化防止剤、抗炎症剤又は抗腫瘍剤。
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