JP2000355536A - 発癌予防薬 - Google Patents

発癌予防薬

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JP2000355536A
JP2000355536A JP11163403A JP16340399A JP2000355536A JP 2000355536 A JP2000355536 A JP 2000355536A JP 11163403 A JP11163403 A JP 11163403A JP 16340399 A JP16340399 A JP 16340399A JP 2000355536 A JP2000355536 A JP 2000355536A
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Takuji Tanaka
卓二 田中
Shigehiro Kataoka
茂博 片岡
Norio Yamaguchi
典男 山口
Minoru Saito
實 斉藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 化学物質により惹起される発癌に対して抑制
活性が強く、しかも安全性が高い物質を有効成分として
含有させ、結腸癌などの発癌予防効果が期待できる薬剤
を提供する。 【解決手段】ポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導体
を有効成分として含有させて、発癌予防薬とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発癌予防薬、さら
に詳しくは、ポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導体
を含有させた発癌予防薬に関する。
【0002】
【従来の技術】結腸癌は主要な癌の一つであり、特に欧
米においてその頻度が高いことが知られている。その原
因は食生活すなわち動物性脂肪の過剰摂取と関係が深い
と考えられている。日本を含むアジア諸国に於いては、
その頻度が低く、これらの地域での食生活には危険因子
を低減させる物質が含まれているのではないかと考えら
れる。しかし、特に日本においては、近年の食生活習慣
の欧米化に伴い、その発症頻度の増加が危惧されてい
る。このようなことから、欧米諸国を中心に日本におい
ても、結腸癌抑制因子の探索が試みられてきた。その結
果、プロポリス中のカフェ酸誘導体(CancerRe
search誌、53巻、4482頁、1993年)
や、非ステロイド性抗炎症剤(Cancer Rese
arch 誌、56巻、4566頁、1996年)等
に、発癌抑制に有効な化合物が見いだされてきている。
しかしそれら成分を得るには、その原料となるものが希
少であったり、原料中の含有量が少なかったり、或いは
発癌予防の効果が十分でなかったり、副作用があるなど
の問題を有していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、発癌の予防
に有効で、副作用が無く、植物中などに多量に含有し、
その抽出、加工、或いは誘導体化処理が容易で、しかも
安全性が高い物質を求め、その物質を有効成分として含
有させた発癌予防薬を提供することを目的としてなされ
たものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記した
課題を解決するため、鋭意研究した結果、インド各地に
おいて伝統的に食用にされている、オトギリソウ科植物
の抽出液に、化学物質によって誘導される結腸癌の予防
に強い活性があること、その活性本体がポリイソプレニ
ル化ベンゾフェノン誘導体類であることを初めて明らか
にし、このポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導体を
有効成分として含有させれば、発癌予防薬として有用で
あることなどを見出し、これらの知見に基づき本発明を
完成するに至った。すなわち、本発明は、ポリイソプレ
ニル化ベンゾフェノン誘導体を含有してなる、発癌予防
薬である。
【0005】なお、ポリイソプレニル化ベンゾフェノン
誘導体の腫瘍細胞への作用については、飯沼らによる特
許出願(特開平10−203968号公報)の抗腫瘍剤
が知られている。しかし、この中では腫瘍細胞の細胞分
裂抑制活性(トポイソメラーゼ阻害活性)が開示されて
いるのみである。したがって、この抗腫瘍剤は、既に腫
瘍化した細胞の増殖を阻止することを目的としたもので
ある。一方、本発明の発癌予防薬は、全くの正常細胞が
化学物質の暴露等により悪性腫瘍化することの防止を目
的としているので、前述の飯沼らの発明とは区別される
べきものである。また、本発明者らは、先にポリイソプ
レニル化ベンゾフェノン誘導体が、エプスタイン・バー
ウイルス早期抗原誘導抑制活性を有することを明らかに
し、この誘導体を有効成分とする抗腫瘍薬を提案してい
る(特願平9−319188号)。この提案は、既に遺
伝子に欠陥を有する細胞が悪性腫瘍へ発展することの阻
止を目的としているものであり、全くの正常細胞の悪性
腫瘍化阻止を目的とする本発明の発癌予防薬とは区別さ
れるべきものである。以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるポリイソプレ
ニル化ベンゾフェノン誘導体とは、ベンゾフェノン(b
enzophenone)の骨格におけるベンゼン核の
水素原子が水酸基、カルボニル基、及び複数のイソプレ
ニル基などの炭化水素鎖などに置換された誘導体類であ
って、それらは水溶性、脂溶性のどちらでもよく、また
その生産手段は特に問われず、化学合成法で得られるも
の、ポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導体を含有す
る植物体などから抽出した抽出物などいずれでもよい。
そして、そのような植物体から得られるポリイソプレニ
ル化ベンゾフェノン誘導体類の具体例としては、例えば
ガルシノール[(Garcinol);別名 カンボジ
ノール(Camboginol)]、イソガルシノール
[(Isogarcinol);別名 カンボジン(C
ambogin)]、キサントチモール(Xantho
chymol)、イソキサントチモール(Isoxan
thochymol)、グッチフェロン(Guttif
erone)などを挙げることができる。それらの中で
も、特に好適なものとして、発癌予防活性が強く、しか
も、原料植物体の生産量が多く、その植物体中の含有率
も高い、ガルシノールを挙げることができる。なお、前
記のポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導体の内で
も、特に脂溶性であるものは、製剤化の上での利便性、
生体に対する吸収効率、作用部位への局在化効率などが
大いに期待される。
【0007】本発明に用いられるポリイソプレニル化ベ
ンゾフェノン誘導体としては、該誘導体を含有している
植物体自体、もしくはその粉砕物(それらは生、乾燥物
どちらでもよい)の抽出物、その精製物又は部分精製物
などを挙げることができる。前記のポリイソプレニル化
ベンゾフェノン誘導体を含有している植物としては、オ
トギリソウ科に属する植物、例えば、熱帯性植物である
Garcinia cambogia(英名:Gora
ka)、Garcinia indica(英名:Ko
kam)、Garcinia purpureaなどを
挙げることができる。そしてポリイソプレニル化ベンゾ
フェノン誘導体を得るには、その植物体の果実、果皮、
樹木、樹皮、樹液などいずれでも用いられる。前記Ga
rcinia cambogia、Garcinia
indicaの乾燥果実は、インド各地において料理の
酸味料として大量に生産されているので、それを用いて
もよい。また近年では、これらの乾燥果実から、ヒドロ
キシクエン酸の抽出が工業的に大規模に行われており、
その際に生ずる廃棄物であるその抽出残渣を用いてもよ
い。
【0008】ポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導体
は合成法でも得ることができるが、ポリイソプレニル化
ベンゾフェノン誘導体を含有している前記の各種植物体
から慣用技術を用いて抽出することにより得るのが好適
である。その抽出においては、有機溶媒を用いると当該
物質を効率よく抽出できる。その有機溶媒としては、例
えばメタノ−ル、エタノ−ル、アセトン、酢酸エチル、
又はそれらの含水物、クロロホルム、ジクロロメタン、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタンを挙げることができる。
本発明において用いられるポリイソプレニル化ベンゾフ
ェノン誘導体は、これら有機溶媒の中でも、エタノ−
ル、アセトン、ヘキサンなどにより抽出したものが好ま
しく用いられる。また、超臨界ガスを用いて抽出するに
は、例えば超臨界ガスとして炭酸ガスなどが用いられ、
これにエントレーナーとしてエタノール、水などを加
え、温度;0〜100℃、好ましくは20〜40℃、圧
力;5〜2000kg/cm2、好ましくは20〜80
0kg/cm2、時間;5分〜4日間、好ましくは30
分〜20時間などの条件を適宜組み合わせて行なうこと
ができる。本発明においては、いずれの抽出物も使用す
ることができる。
【0009】前記した有機溶媒を用いて抽出物を得るに
は、前記したごとく公知の方法に従えばよく、例えば前
記した植物の果実、果皮、樹木、樹皮を適当に破砕した
後、それらの粉砕物、また該植物の樹液を前記した有機
溶媒で公知の方法を用いて処理する。具体的には、原料
の1〜100倍(重量比)、好ましくは3〜20(重量
比)の有機溶媒で、温度0℃以上、好ましくは10℃か
らその有機溶媒の沸点以下の温度の条件下で、1分〜8
週間、好ましくは10分〜1週間抽出処理をする。
【0010】また、上記のごとくして得られる抽出処理
物自体を本発明に用いてもよいが、好ましくは有機溶媒
を通常の方法、例えばロータリーエバポレーターなどを
使用して除去するのがよい。この有機溶媒除去物に、凍
結乾燥、加熱乾燥などの慣用技術処理を施してもよい。
【0011】上記抽出物からポリイソプレニル化ベンゾ
フェノン誘導体を精製するには、公知の天然有機化合物
類の分離・精製法を採用すればよい。例えば、活性炭、
シリカ、化学修飾シリカ、ポリマー系担体などを用いた
吸脱着、あるいはクロマトグラフィー、液−液抽出、分
別沈澱などの手法により、不純物を除き精製する。具体
的には、本発明の抽出物をODS−カラムクロマトグラ
フィーに供し、60〜100%(v/v)エタノール溶
液(または適宜の濃度のメタノール或いはアセトニトリ
ルでもよい。)で溶出・分画する。これらのクロマトグ
ラフィーによって分離される成分を集め、濃縮・結晶化
するとポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導体が得ら
れる。なお、得られた当該物は、合成法によって別の誘
導体類に変えることもでき、このようにして得られたポ
リイソプレニル化ベンゾフェノン誘導体もまた本発明に
おいて有効に使用することができる。
【0012】前記した抽出物、その抽出物の精製物、す
なわちポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導体自体
(これを原料として新に合成されたポリイソプレニル化
ベンゾフェノン誘導体も含む)、あるいは前記抽出物の
中間精製物は、後述するごとく、代表的な癌惹起物質で
あるアゾキシメタン(AOM)による発癌を抑制する活
性が極めて強いことが確認された。そしてこのポリイソ
プレニル化ベンゾフェノン誘導体は、後述のごとく安全
性も極めて高い。
【0013】したがって、前記のポリイソプレニル化ベ
ンゾフェノン誘導体を含んだ、抽出物、精製物あるいは
中間精製物などいずれかを含有させることにより、前記
した効果が期待できる本発明の発癌予防薬とすることが
できる。そして、本発明においては、必要により、前記
のポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導体に、薬剤に
通常用いられている適当な賦形剤、例えば乳糖、澱粉、
油脂などを添加して本発明の発癌予防薬とすることもで
きる。また、必要により、ポリイソプレニル化ベンゾフ
ェノン誘導体の1種又は2種以上を併用することもでき
る。
【0014】本発明の発癌予防薬は、ポリイソプレニル
化ベンゾフェノン誘導体を、例えば0.00001〜1
0%(w/w)、好ましくは、0.0001〜5%(w
/w)含有させて用いられる。また、ポリイソプレニル
化ベンゾフェノン誘導体単独か、もしくは他の薬剤との
合剤とするかして、それらに乳化剤、安定化剤、増量剤
などを混合してもよい。本発癌予防薬は、経口、外用、
注射の何れの方法によっても投与しうる。経口剤として
は散剤、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤など任
意の剤形を採用しうる。外用剤としては、乳剤、軟膏剤
などが好適である。注射剤としては、ポリイソプレニル
化ベンゾフェノン誘導体に、界面活性剤、プロピレング
リコール、ポリエチレングリコール、カルボキシメチル
セルロースなどを加えた乳濁液が好適に用いられる。
【0015】本発明の発癌予防薬の投与量は、症状、年
令、体重などにより異なるが、例えば通常、成人1日あ
たり、ポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導体として
1〜5000mg、好ましくは10〜2000mg程度
である。また、健康食品、飲食品、食品添加剤などとし
て食する際の通常の摂取量は、例えば成人1日当たり、
ポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導体として、1m
g〜5000mg程度、好ましくは20mg〜1000
mg程度である。
【0016】
【実施例】以下に、参考例、実験例および実施例を示
し、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、それ
らの例によってなんら限定されるものではない。 参考例1(ガルシノールの調製) インド産の食用果実であるGarcinia indi
caの乾燥果皮(Kokam)より、以下の方法でガル
シノールを調製した。Garcinia indica
の乾燥果皮から、先ずヒドロキシクエン酸を抽出した。
その方法は、Y.S.Lewisの方法(Method
s in Enzymology、77巻、615頁参
照)によった。すなわち、上記果皮200gに600m
lの水を加え、115℃、15分間、オ−トクレ−ブ処
理した。ブッフナ−漏斗上(ト−ヨ−のろ紙No.2を
使用)で吸引ろ過し、更に、ろ液が全量で600mlに
なるまで水で洗った。かくのごとくして、抽出残渣を得
た。
【0017】次いで、この抽出残渣の湿重量50gに対
して500mlのエタノールを添加し、室温(20℃)
で3時間撹拌しながら抽出を行った。残渣をろ別し、抽
出液をロータリーエバポレーターにて減圧乾固し、抽出
エキスを得た。これをメタノール10mlに溶解し、不
溶物をろ別後、YMCゲルODS−AM120−S50
(YMC Co.Ltd.製)の内径32mm×35c
mのカラムクロマトグラフィーに供した。アセトニトリ
ル90%溶液にて溶出される成分のうち、365nmに
吸収を有する2つの主たる画分を集めた。このうち、後
半に溶出した黄色の画分をロータリーエバポレーターに
てアセトニトリルを溜去して淡黄色の乳濁液を得た。こ
の乳濁液に、3倍容の酢酸エチルを添加して抽出を行
い、有機溶媒層を無水硫酸ナトリウムで脱水した後、ロ
ータリーエバポレーターにて濃縮乾固した。その乾固物
を少量のアセトニトリルに加温溶解し、冷却すると淡黄
色の針状結晶が得られた。この結晶をろ別し、少量の冷
アセトニトリルで洗浄した後、真空デシケーター中で乾
燥させた。最終的に150mgの結晶が得られた。この
結晶の融点は120℃、比旋光度は−135°、紫外部
吸収は250nm及び365nm、マススペクトル測定
による分子量は602であった。これらの値から、この
物質は、A.V.Rama Raoら(Tetrahe
dronLett.、21巻、1975−1978頁、
1980年 参照)及びN.Krishnamurth
yら(Tetrahedron Lett.、22巻、
793−769頁、1981年 参照)によって報告さ
れたポリイソプレニル化ベンゾフェノンの一種であるガ
ルシノール(カンボジノール)と一致した。
【0018】参考例2(イソガルシノールの調製) 参考例1に記載した操作によって、ODSカラムクロマ
トグラフィーで得られた、前半に溶出された無色の画分
を集めた。これをロータリーエバポレーターにて濃縮乾
固し、エタノールによって加温溶解した。これを穏やか
に冷却し、無色の板状結晶を得た。この結晶をろ別、乾
燥し、最終的に15mgの結晶を得た。この結晶の融点
は218℃、比旋光度は−203°、紫外部吸収は23
2nm及び278nm、マススペクトル測定による分子
量は602であった。これらの値から、この物質は、前
記文献によって報告されたポリイソプレニル化ベンゾフ
ェノンの一種であるイソガルシノール(カンボジン)と
一致した。
【0019】実験例 (ガルシノールの発癌予防活性試
験) ガルシノールの結腸癌の予防効果を評価するため、AC
Fの生成抑制効果試験を、以下に示すようにして行なっ
た。F344雄性ラット(4週齢、日本SLC社)を1
週間にわたり、標準飼料(日本クレア社製CE−2)を
与えて馴化飼育した後、発癌誘導剤であるアゾキシメタ
ン(AOM)を、体重1kg当たり15mgづつ一週間
に一度皮下注射することを3週間続けた。試験中は水と
飼料は自由に摂取させた。また飼育環境は23±2℃、
湿度50±10%、12時間毎の明暗サイクルとした。
試験群には馴化飼育終了時から、被検物質であるガルシ
ノールを100ppm、及び500ppm添加した標準
飼料を試験終了まで与えた。また、対照群にはガルシノ
ールを含まない標準飼料を与えた。最初のアゾキシメタ
ン注射から4週間飼育後、試験群、対照群について解剖
を行った。結腸を摘出し、生理食塩水で洗浄後、盲腸か
ら肛門の方向に切り開いた。これに10%ホルマリン固
定を行い、メチレンブルー染色後、aberrant
crypt foci〔ACF(異型腺か巣):結腸癌
に至る前段階の特異的な病理変化であるaberran
t crypt(異型腺か)が、更に進行して細胞の集
中に至ったもの〕を倍率40倍の顕微鏡下で観察、計数
した。結腸当りのACFの平均個数、標準偏差値の結果
を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】表1に示すように、ガルシノール給餌によ
り、結腸におけるACF発生を抑制することがわかり、
ガルシノール100ppm給餌群では1%、500pp
m給餌群では0.1%の危険率で有意差が認められた。
さらにガルシノール給餌群では、細胞の集中に至らない
異型腺かの生成時点から既に有意な抑制効果が認められ
た。これらのことから、ポリイソプレニル化ベンゾフェ
ノン誘導体であるガルシノールが、強い結腸癌予防活性
を有することがわかる。また試験中の体重増加も、ガル
シノール給餌群と対照とで差が認められず、その他の臓
器の病理所見においても異常が認められなかった。従っ
てガルシノールを有効成分として含有させれば、化学物
質などにより惹起される結腸癌を予防することができ
る。そして、ガルシノールなどのポリイソプレニル化ベ
ンゾフェノン誘導体は、前記した活性を有することか
ら、これを有効成分として含有させれば、発癌予防効果
が期待できる医薬品、すなわち発癌予防薬として利用す
ることができる。
【0022】実験例2(単回投与毒性試験) 体重29〜32gのICR/crj雄マウス(5週齢)
(一群5匹)を使用して、医薬品のための毒性試験法ガ
イドライン(昭和59年2月15日薬審第118号、都
道府県衛生主管部局長宛厚生省薬務局審査第2課長通
知)に準じ、単回投与毒性試験を行った。すなわち、生
理食塩水にガルシノールを30mg/mlの濃度となる
よう懸濁し、この懸濁液をマウスに、体重30gあたり
0.5ml(500mg/体重kg)の割合で経口投与
し、14日間観察した。その結果、全例とも死亡動物は
なく、また副作用も認められず、14日目の剖検におい
ても、組織、臓器の顕微鏡的異常はなんら観察されなか
ったことから、本発明に用いられるガルシノールは、き
わめて毒性が低いことがわかる。
【0023】実施例1<ガルシノールを含有させた発癌
予防薬(シロップ剤)の調製> 参考例1に記載したと同様にして得たガルシノールを乳
鉢で微粉末とし、これを滅菌精製水に懸濁し、この懸濁
液にチェリーシロップを穏やかに撹拌しながら添加して
1200mlとする下記組成のシロップ剤を調製した。
このシロップ剤は、1日当たり1〜3回服用でき、1回
当たり5mlの服用でガルシノール200mgを含有し
た、シロップ状の発癌予防薬である。 <シロップ剤の組成> ガルシノール 48g チェリーシロップ 1000ml 滅菌精製水 残余
【0024】実施例2<ガルシノールを含有させた発癌
予防薬(散剤)の調製> 参考例1に記載したと同様にして得たガルシノール標品
と、乳糖、結晶セルロースとを下記組成で混合し、これ
を精製水で練合した後、常法により粉末状または細粒状
とした散剤1kgを調製した。この散剤は、1包を1g
として、1包の服用でガルシノール200mgを含有し
た発癌予防薬(散剤)である。 <散剤の組成> ガルシノール 200g 乳糖 600g 結晶セルロース 200g
【0025】
【発明の効果】 本発明に用いられるポリイソプレニル
化ベンゾフェノン誘導体は、化学物質などによって惹起
される癌、例えば結腸癌に対する抑制活性が強く、か
つ、植物中などに多量に含有し、その抽出、加工、或い
は誘導体化処理が容易で、しかも安全性が高い物質であ
る。したがって、この物質を有効成分として含有させ
た、本発明の発癌予防薬は、産業上極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 實 千葉県野田市野田339番地 キッコーマン 株式会社内 Fターム(参考) 4C086 AA01 AA02 BA07 MA01 MA04 NA14 ZB26 4C088 AB12 AC02 CA03 NA14 ZB26 4C206 AA01 AA02 CB19 MA01 MA04 NA14 ZB26

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導
    体を含有してなる、発癌予防薬。
  2. 【請求項2】 ポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導
    体がオトギリソウ科植物の植物体の有機溶媒抽出物由来
    のポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導体である、請
    求項1記載の発癌予防薬。
  3. 【請求項3】 ポリイソプレニル化ベンゾフェノン誘導
    体が、ガルシノール(カンボジノール)である、請求項
    1記載の発癌予防薬。
  4. 【請求項4】 癌が結腸癌である、請求項1記載の発癌
    予防薬。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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