JP2004002361A - 抗インフルエンザウイルス剤 - Google Patents
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Abstract
【解決する手段】出雲在来種の蕎麦の抽出物、好ましくは蕎麦の葉及び果皮よりなる群から選択される少なくとも一つの蕎麦植物体部位の溶媒抽出物を抗インフルエンザウイルス剤の有効成分として用いる。また、食品、飼料、医薬品、医薬部外品または日用品等の各種製品に上記出雲在来種の蕎麦(特に葉又は果皮)の溶媒抽出物を配合することによってインフルエンザの感染や発症の予防に有効な製品を調製する。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗インフルエンザウイルス剤に関する。より詳細には、本発明はインフルエンザウイルスの感染を抑制し、また感染したウイルスの増殖を抑制する作用を有することによってインフルエンザの予防及び改善(治療)に有用な抗インフルエンザウイルス剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
インフルエンザはインフルエンザウイルスの感染によって生じるウイルス感染性疾患の一つである。特にA型インフルエンザウイルスは、亜型がいくつもあるうえにこれらは遺伝子交雑や点変異等による抗原性の変化に伴って種々変化するという特徴を有するため、有効な予防・治療薬がなく、世界的規模で周期的に大流行を繰り返しているのが実情である。
【0003】
従来、インフルエンザの治療には、塩酸アマンタジン、塩酸リマンタジン、インターフェロン、またはリバビリンなどの化学療法剤が使用されている。しかし、これらの化学療法剤については、副作用、耐性ウイルスの出現の危険性、血清型相違による効果の喪失といった問題が指摘されている(例えば、非特許文献1等参照のこと)。
【0004】
このため、副作用がなく人体に安全でしかも効果の高い抗インフルエンザウイルス剤の開発が求められている。
【0005】
このような観点から今まで検討提案されている抗インフルエンザウイルス剤としては、茶ポリフェノールを有効成分とするもの(例えば、特許文献1等参照のこと)、茶サポニンを有効成分とするもの(例えば、特許文献2等参照のこと)、桂枝二越婢一湯などの特定の生薬を有効成分とするもの(例えば、特許文献3等参照のこと)を挙げることができる。
【0006】
【特許文献1】特開平3−101623号公報
【0007】
【特許文献2】特開平11−193242号公報
【0008】
【特許文献3】特開平6−199680号公報
【0009】
【非特許文献1】三淵一二編、微生物学、改訂第2版、151−175頁、南江堂、1993
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
蕎麦には、果実(内皮)に含まれるルチンの効果に基づいて血圧調整作用、毛細血管の強化作用、出血防止作用、酸化防止作用、老化防止作用等の各種の薬理作用があることが知られており、麺蕎麦やその他の蕎麦粉を利用した各種の食品が生理機能活性食品として注目されている。その一方で、蕎麦殻(果皮、外皮)や蕎麦植物体(葉や茎)などは、農業廃棄物として多量に排出されており、その有効利用の途を検討し開発する必要性が指摘されている。
【0011】
本発明は、このような通常廃棄されてしまう蕎麦殻や蕎麦植物体(葉)の有効利用方法(用途)を提供することを目的とするものである。より具体的には、本発明の目的は、かかる蕎麦殻(以下、本発明において蕎麦の「果皮」という)や葉の溶媒抽出物について抗インフルエンザウイルス剤としての新規用途を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく、日夜鋭意研究を重ねていたところ、蕎麦の果皮及び葉の溶媒抽出物に高い抗インフルエンザウイルス作用があることを見いだし、さらにその効果は、数ある蕎麦種の中でも特に出雲地方で採取される出雲在来種の蕎麦の抽出物に顕著であることを見いだした。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
【0013】
すなわち、本発明は下記に掲げる抗インフルエンザウイルス剤である:
項1.出雲在来種の蕎麦の抽出物を有効成分とすることを特徴とする抗インフルエンザウイルス剤。
項2.蕎麦の抽出物が、蕎麦の葉の抽出物または果皮の抽出物の少なくとも一方を含むものである項1記載の抗インフルエンザウイルス剤。
項3.蕎麦の抽出物が、蕎麦植物体を水、アルコールまたはそれらの混合物で抽出して得られるものである項1または2に記載の抗インフルエンザウイルス剤。
項4.A型インフルエンザウイルス及びB型インフルエンザウイルスの両方に対して、感染抑制作用と増殖抑制作用を発揮することを特徴とする項1乃至3のいずれかに記載の抗インフルエンザウイルス剤。
項5.A型インフルエンザウイルスが、AH1N1型またはAH3N2型である項4に記載の抗インフルエンザウイルス剤。
項6.インフルエンザウイルス感染の抑制またはインフルエンザ発症の予防に用いられる項1乃至5のいずれかに記載の抗インフルエンザウイルス剤。
項7.項1乃至6のいずれかに記載する抗インフルエンザウイルス剤を含有する食品、飼料、医薬品、医薬部外品または日用品。
項8.項2に記載する抗インフルエンザウイルス剤を含有する食品、飼料、医薬品、医薬部外品または日用品。
項9.インフルエンザウイルス感染の抑制またはインフルエンザ発症の予防に用いられるものである項7または8に記載の食品、飼料、医薬品、医薬部外品または日用品。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の抗インフルエンザウイルス剤は、出雲在来種の蕎麦の抽出物を有効成分とするものである。
【0015】
ここで「出雲在来種」とは、島根県の出雲地方で古くから作られてきた蕎麦の品種である。なお、蕎麦はヘテロスタイリー(異型花柱性)に起因する自家不和合性現象のため、現在まで組織的な育種、つまり新品種の改良や育成が少しも進展していない植物である。このため蕎麦については、特別な品種名のついたものは少ない。また、日本で現存する蕎麦の品種はその地方に古くから作られてきた「在来種」で、土地の名を冠して、通常十勝在来(北海道十勝地方)とか鹿屋在来(鹿児島県鹿屋地方)などと呼んだり、山形在来や島根在来などと、地方名や県名をそのまま頭につけて呼ぶのが通例となっている。これは蕎麦植物体が生育環境条件に極めて鋭敏であり、たとえ当初は遺伝的に不純なものであっても、同一環境で代を重ねることによってそれぞれの地方に適応したいわゆる「生態型」を生じやすいという特徴を有するためと思われる(「ソバの科学」著者永友大、新潮社、昭和59年発行、第302−303頁)。
【0016】
なお、本発明の「出雲在来種」の蕎麦植物体または種子は、島根県出雲地方の蕎麦生産業者や蕎麦栽培農家が所有しており、また島根県立保健環境科学研究所(島根県松江市西浜佐陀町582−1)において保存されているため、必要に応じてこれらの業者や機関等から入手することが可能である。
【0017】
本発明の抗インフルエンザウイルス剤の有効成分には、上記出雲在来種の蕎麦植物体の溶媒抽出物、具体的には出雲在来種蕎麦の果皮(外皮・そば殻)または葉の溶媒抽出物が用いられる。なお、蕎麦植物体の溶媒抽出物は、上記果皮または葉の溶媒抽出物のいずれか少なくとも一方を含むものであればよく、その限りにおいて蕎麦全植物体(全草)や蕎麦の実(内皮と外皮を含む)の溶媒抽出物等のように外皮又は葉を一部に含む植物部位の溶媒抽出物であってもよい。好ましくは果皮単独若しくは葉単独の溶媒抽出物またはこれらの混合物、または果皮と葉の混合物の溶媒抽出物である。
【0018】
当該蕎麦植物体はそのまま(生)若しくは破砕物として抽出操作に付してもよいし、また乾燥後、必要に応じて粉砕して粉体状として抽出操作に付してもよい。
【0019】
上記抽出に用いられる溶媒としては、特に制限されず、低級アルコール、多価アルコール、非極性溶媒および極性溶媒を広く用いることができる。より具体的には低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール及びイソプロピルアルコール、ブタノール等の炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜4のアルコール;多価アルコールとしては、グリセリン、ポリエチレングリコール等;非極性溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の飽和炭化水素あるいはヘキセン、ヘプテン等の不飽和炭化水素等;極性溶媒としては、水、アセトン、酢酸エチル、酢酸メチル等が使用される。これら溶媒は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて使用することもできる。例えば脂肪分の多い原料などの場合は、非極性溶媒で脱脂抽出処理した後、各種任意の溶媒で抽出処理してもよいし、また含水有機溶媒を用いて抽出処理することもできる。好ましくは水性溶媒または極性溶媒であり、より好ましくはエタノールなどの低級アルコール、水またはこれらの混合物(含水アルコール)を挙げることができる。なお、低級アルコールと水との混合物(例えば含水エタノール)を使用する場合のアルコールの含有割合としては50〜80容量%の範囲を例示することができる。
【0020】
抽出方法としては、一般に用いられる方法を採用することができる。制限はされないが、例えば溶媒中に上記植物体(そのまま若しくは粗末、細切物)、又はそれらの乾燥破砕物(粉末など)を冷浸、温浸等によって浸漬する方法、加温し攪拌しながら抽出を行い、濾過して抽出液を得る方法、またはパーコレーション法等を挙げることができる。
【0021】
得られた抽出物(抽出液)は、必要に応じてろ過または遠心分離によって固形物を除去した後、使用の態様に応じて、そのまま用いるか、または溶媒を留去して一部濃縮若しくは乾燥して用いてもよい。また濃縮乃至は乾燥後、該濃縮乃至は乾燥物を非溶解性溶媒で洗浄して精製して用いても、またこれを更に適当な溶剤に溶解もしくは懸濁して用いることもできる。また、抽出物を、慣用されている精製法、例えば向流分配法や液体クロマトグラフィー等を用いて、抗インフルエンザウイルス活性を有する画分を取得、精製して使用することも可能である。更に、本発明においては、例えば、上記のようにして得られた溶媒抽出物を、減圧乾燥、凍結乾燥等の通常の手段により植物エキス乾燥物として使用することもできる。
【0022】
上記の溶媒抽出物は、後記の実施例に示すようにインフルエンザウイルスに対して優れた増殖抑制作用並びに感染抑制作用を発揮する。また当該溶媒抽出物は古来より食されている蕎麦の植物部位であることから動物や人に対する安全性が高い。これらのことから、上記出雲在来種蕎麦の果皮抽出物または葉抽出物は、抗インフルエンザウイルス剤として、食品、飼料、医薬部外品又は医薬品などの成分として配合して用いることができ、これによりインフルエンザウイルス感染を抑制したり、該感染によって生じるインフルエンザの発症を予防したり、またその症状の改善に有効に使用することができる。
【0023】
また上記の溶媒抽出物は、後記の実施例に示すようにA型インフルエンザウイルス及びB型インフルエンザウイルスのいずれに対しても優れた増殖抑制作用並びに感染抑制作用を発揮する。さらに、大規模な流行を繰り返すA型インフルエンザウイルスの亜型(ロシア型[AH1N1型]、香港型[AH3N2型])のいずれに対しても優れた増殖抑制作用並びに感染抑制作用を発揮する。このことから、上記出雲在来種蕎麦の果皮抽出物または葉抽出物は、インフルエンザウイルスの型に関わらず広くインフルエンザウイルスの感染抑制や該感染によって生じるインフルエンザの発症を予防しまたその症状を改善することができ、抗インフルエンザウイルス剤の有効成分として、また上記効果を有する食品、飼料、医薬部外品、医薬品、その他の製品(日用品)の成分として有用である。
【0024】
これらの食品、飼料、医薬部外品、医薬品、その他の製品(日用品)に配合される上記蕎麦溶媒抽出物の割合は、抗インフルエンザウイルス作用を有することを限度として特に制限されない。例えば食品、飼料、医薬部外品または医薬品の場合、通常、その単位投与(単位摂取)あたりに蕎麦溶媒抽出物が原料固形乾燥物に換算して(原料として使用する蕎麦の果皮や葉の乾燥重量)、少なくとも0.01g含まれるような割合を目安として適宜調整配合することができる。
【0025】
特に蕎麦溶媒抽出物を有効成分とする医薬品は、抗インフルエンザウイルス剤(インフルエンザの予防剤及び/または治療剤)として、インフルエンザウイルス感染の予防またはインフルエンザ発症の予防、並びに発症後はインフルエンザの症状の改善や治療に使用される。その投与量は、投与目的、患者の年齢や症状に応じて適宜選択されるが、例えば成人1日あたりの投与量として、原料固形乾燥物0.01〜10gから抽出される蕎麦溶媒抽出物を挙げることができ、これを1〜数回に分けて投与することができる。また、鼻や喉に直接噴霧する場合は、原料固形乾燥物0.1〜10gから抽出される蕎麦溶媒抽出物1mlの1/100〜1/1000の希釈液を数回噴霧することによって使用することができる。
【0026】
食品または飼料は、食品または飼料の通常の製造過程において本発明の蕎麦の溶媒抽出物を一成分として添加配合することによって製造することができる。また、医薬品または医薬部外品は、本発明の蕎麦の溶媒抽出物を有効成分として用い、必要に応じて薬学的に許容される担体や添加剤を配合して、常法に従って錠剤、粉末剤、カプセル剤、シロップ剤、舌下錠、トローチ、点鼻薬、うがい薬または噴霧剤などの各種の形態に製剤化することができる。
【0027】
食品、飼料、医薬部外品又は医薬品等の形態または種類としては、特に制限されず、任意の形態または種類をとることができるが、口や鼻孔から侵入してくるインフルエンザウイルスによる感染を抑制する目的で使用する場合は、有効成分として使用する蕎麦抽出物が口内や喉粘膜に接触するような態様で使用されることが好ましい。かかる観点から、食品としてはドリンクなどの飲料形態、キャンディー、トローチまたはチューインガムなどのように口腔内で長く留まる態様の食品が好ましく、また医薬品または医薬部外品等としてはシロップ剤、舌下錠、トローチ、洗口液、口内清涼剤、うがい液、うがい薬、点鼻薬、喉噴霧剤、歯磨剤等といった形態のものが好ましい。
【0028】
また、本発明の蕎麦の溶媒抽出物は、上記食品、飼料、医薬部外品又は医薬品以外にも、抗インフルエンザウイルス効果を期待して、特にインフルエンザウイルス感染の抑制またはインフルエンザ発症の予防を目的として、日用品の成分に用いることもできる。例えば、加湿器の水への添加液として使用しても、またマスク、ガーゼ、包帯、タオル、ハンカチ、おしぼり、ティッシュ、ウエットティッシュ、手袋、下着、白衣、手術着、オムツ、寝装用品(布団、枕、シーツ、枕カバー、寝間着)に含浸または練り込んで使用することもできる。また、居間やトイレなどの生活空間に消臭や抗菌等を目的として噴霧されるスプレーに配合して使用することも可能である。
【0029】
これら各種製品中における蕎麦の溶媒抽出物の含有量も、これらの製品が抗インフルエンザウイルス作用を有することを限度として特に制限されず、前述する医薬品への配合割合を基準にして調整することができる。
【0030】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明は当該実施例によって何ら制限されるものではない。
実施例1 蕎麦果皮抽出物のインフルエンザウイルスに対する増殖抑制作用
出雲在来種、横田産(信濃1号)、信州産及び北海道産の蕎麦の果皮(殻)を用いて、インフルエンザウイルスに対する増殖抑制作用を調べた。なお、インフルエンザウイルスとして、A型のAH1N1型(ロシア型、A/USSR/92/77株)及びAH3N2型(香港型、A/島根/10/78株)、並びにB型(B/島根/1/94株)を用いた(「臨床とウイルス」7(1),89−92(昭和54年);「日本医事新報」3730,45−50(平成7年))。
【0031】
具体的には、上記各種の蕎麦の果皮(殻)の乾燥物2gをそれぞれ70容量%エタノール40ml(25±5℃)に一晩浸漬静置して、得られたエタノール抽出液を遠心分離(2,000rpm、10分間)した後、上清を濾紙で濾過し、蕎麦果皮抽出物を取得し、当該抽出物を被験試料として下記の実験に使用した。
【0032】
<インフルエンザウイルス増殖抑制作用>
12穴の組織培養プレートの穴に、MDCK細胞(Madin−Darby Canine Kidney)を単層培養し、これを5%炭酸ガス孵卵器で37℃、72時間培養した後、各種のインフルエンザウイルスをそれぞれ20PFU/穴の割合で接種し、35℃で60分間培養して、MDCK細胞にインフルエンザウイルスを吸着させた。その後、穴の該MDCK細胞をリン酸緩衝食塩水(pH7.4)で2回洗浄し、洗浄後、インフルエンザウイルス維持培地1.5mlを添加した。なお、当該インフルエンザウイルス維持培地として、インフルエンザウイルスA型(AH1N1型、AH3N2型)に関しては、7%炭酸水素ナトリウム5ml、5%牛血清アルブミン8ml、トリプシン(2000単位)1ml及び30%グルコース2mlをMEMダルベッコ培地に配合して200mlに調製した培地(維持培地1)を、またインフルエンザウイルスB型に関しては、トリプシン(2000単位)1mlを配合しない以外は上記維持培地1と同様にして調製した培地(維持培地2)を使用した。
【0033】
これに、上記で調製した各種の蕎麦果皮抽出物(被験試料)をそれぞれ10μl/穴の割合で添加し、5%炭酸ガス孵卵器で35℃、72時間培養した。次いで、凍結融解を2回行い、得られたプレートの各穴の試料に含まれるインフルエンザウイルスの力価をプラーク法を用いて計測した。
【0034】
また、比較対照実験として、上記蕎麦果皮抽出物10μl/穴に代えて70容量%エタノール液(対照液)10μl/穴を用いて培養した試料(最終エタノール濃度0.45%)についても同様にしてインフルエンザウイルス力価をプラーク法を用いて計測した(コントロール)。
【0035】
被験試料の添加によるインフルエンザウイルスの増殖抑制率(%)を下式より求め、各種の蕎麦果皮抽出物のインフルエンザウイルスに対する増殖抑制活性を評価した。
【0036】
【数1】
【0037】
出雲在来種、横田産(信濃1号)、信州産及び北海道産の蕎麦の果皮抽出物についての結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
この結果からわかるように、蕎麦の果皮抽出物にはインフルエンザウイルスに対する増殖抑制作用があることが示された。またこれから蕎麦の果皮抽出物にはインフルエンザウイルスの活性を低減・抑制する作用があることが示唆された。さらに上記の結果から、蕎麦の果皮抽出物にはインフルエンザウイルスのA型及びその亜型(ロシア型[AH1N1型]、香港型[AH3N2型])並びにB型の別を問わず、広範囲に亘ってインフルエンザウイルスの増殖を抑制する作用があることがわかった。そして、上記に示すようにその作用は出雲在来種の蕎麦の果皮抽出物に特に顕著であった。これらのことから、出雲在来種の蕎麦の果皮抽出物はインフルエンザウイルスの型を問わず、広くインフルエンザウイルスの感染または感染による発症を予防しまたは治療する抗インフルエンザウイルス剤の有効成分として有用であると思われる。
【0040】
実施例2 蕎麦葉抽出物のインフルエンザウイルスに対する増殖抑制作用
出雲在来種の蕎麦の葉抽出物について、実施例1と同様にして、インフルエンザウイルス(A型:ロシア型[A/USSR/92/77株]、香港型[A/島根/10/78株]、B型:B/島根/1/94株)に対する増殖抑制作用を調べた。なお、被験試料として使用する蕎麦の葉抽出物は、実施例1の果皮抽出物と同様に、出雲在来種の蕎麦の葉(乾燥物)2gをそれぞれ70容量%エタノール40ml(25±5℃)に一晩浸漬静置して、得られたエタノール抽出液を遠心分離(2,000rpm、10分間)した後、上清を濾紙で濾過して調製した。結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
表2に示すように、出雲在来種の蕎麦の葉の抽出物にも果皮抽出物と同様に、強いインフルエンザウイルス(A型、B型)に対する増殖抑制作用があることがわかった。また、比較のために横田産(信濃1号)及び北海道産の蕎麦の葉抽出物について同様にしてインフルエンザウイルスに対する増殖抑制作用を調べたところ、その作用は果皮抽出物の結果(実施例1)と同様に、出雲在来種の蕎麦葉抽出物の作用よりも格段に劣っていた。
【0043】
これらのことから、出雲在来種蕎麦の果皮や葉の抽出物は、インフルエンザウイルスの型を問わず、広くインフルエンザを予防しまたは治療・改善するための抗インフルエンザウイルス剤の有効成分として極めて有用であるといえる。
【0044】
実施例3 蕎麦の果皮及び葉の抽出物のインフルエンザウイルスに対する感染抑制作用
実施例1及び2で調製した出雲在来種蕎麦の果皮抽出物及び葉抽出物をそれぞれMEMダルベッコ液体培地(MEMダルベッコ液体培地200mlに7%炭酸水素ナトリウム5mlを含む)で100倍及び300倍に希釈し、該蕎麦の果皮抽出物及び葉抽出物について、インフルエンザウイルス(A型:ロシア型[A/USSR/92/77株]、香港型[A/島根/10/78株]、B型:B/島根/1/94株)の感染抑制作用を調べた。具体的には、各インフルエンザウイルス(40PFU/ml)と果皮抽出物又は葉抽出物とを等量混合して37℃で60分間反応させ、その後これをインフルエンザウイルス試料として、12穴組織培養用プレートの穴に単層培養したMDCK細胞に0.2ml/穴の割合で接種し、35℃で60分間培養して該細胞に吸着させた。次いで、リン酸緩衝食塩水(pH7.4)で洗浄し、洗浄後、実施例1と同様に調製したインフルエンザ維持培地(維持培地1又は維持培地2)を2ml/穴の割合で添加し、5%炭酸ガス孵卵器で35℃で培養した。そして、細胞変性(CPE)の出現状況を観察し、当該CPEの出現を指標としてインフルエンザウイルスの感染性を評価した。なお、比較対照試験として、MDCK細胞に接種するインフルエンザウイルス試料として上記のインフルエンザウイルス試料に代えて各インフルエンザウイルス(40PFU/ml)とMEMダルベッコ液体培地(MEMダルベッコ液体培地200mlに7%炭酸水素ナトリウム5mlを含む)との等量混合物を用いて、同様にしてインフルエンザウイルスの感染性を評価した。
【0045】
その結果、蕎麦の果皮抽出物または葉抽出物を配合しないインフルエンザウイルス試料を用いた場合は、5%炭酸ガス孵卵器(35℃)での培養3日目にはCPEが出現したのに対し、蕎麦の果皮抽出物(100〜300倍希釈物)または葉抽出物(100〜300倍希釈物)を配合したインフルエンザウイルス試料を用いた場合は、いずれものケースも培養3日目でもCPEの出現は観察されなかった。このことから、出雲在来種の蕎麦の果皮抽出物及び葉抽出物には、インフルエンザウイルスの型(A型:AH1N1型、AH3N2型、及びB型)の別にかかわらず、広範囲にわたってインフルエンザウイルスの感染を抑制すること、すなわち出雲在来種の蕎麦の果皮抽出物及び葉抽出物は広範囲の型にわたりインフルエンザウイルスの感染を予防する作用があることがわかった。
【0046】
実施例4 最近の流行株に対する増殖抑制作用
実施例1及び2でそれぞれ調製した出雲在来種蕎麦の果皮抽出物及び葉抽出物について、最近(2001/2002年シーズン)流行したインフルエンザウイルス株(A型:ロシア型[A/島根/48/2002株]、香港型[A/島根/122/2002株]、B型[B/島根/2/2002株])に対する増殖抑制作用を、実施例1及び2と同様にして調べた。結果を表3に示す。
【0047】
【表3】
【0048】
上記の結果からわかるように、出雲在来種蕎麦の果皮(殻)や葉の抽出物には、最近の流行株に対しても高い増殖抑制作用があることがわかった。
【0049】
実施例5 最近の流行株に対する感染抑制作用
実施例1及び2でそれぞれ調製した出雲在来種蕎麦の果皮抽出物及び葉抽出物について、上記インフルエンザウイルス株(A型:ロシア型[A/島根/48/2002株]、香港型[A/島根/122/2002株]、B型[B/島根/2/2002株])に対する感染性を実施例3に準じて実験した。その結果、上記インフルエンザウイルスに対して果皮抽出物(100〜300倍希釈物)および葉抽出物(100〜300倍希釈物)を配合した試料を用いた場合は、いずれの場合も培養3日目でもCPEの出現は観察されなかった。このことから、出雲在来種の蕎麦の果皮抽出物及び葉抽出物には、最近の流行株に対してもインフルエンザウイルスの感染を抑制する作用があることがわかった。
【0050】
インフルエンザウイルスはシーズン毎にHA抗原構造に変異が見られることが多い。このため、ワクチンと同じ型でもHA抗原構造が異なる場合は、爆発な流行を生じる場合があり、ワクチンによる予防効果が危惧されているのは周知の事実である。上記の本発明の実施例1〜5の結果から、出雲在来種の蕎麦の果皮抽出物及び葉抽出物は、インフルエンザウイルスの型や亜型の別に関わらず(インフルエンザウイルスのHA抗原の変異に関わらず)、広くインフルエンザウイルスの感染を抑制する作用(感染予防作用)を有しており、さらに感染した場合でもウイルスの増殖を抑制する作用があることが判明した。これは出雲在来種の蕎麦の果皮抽出物及び葉抽出物がインフルエンザウイルスの感染抑制(感染予防)または発症予防に有効に用いることができることを示すものである。
【0051】
参考例1
実施例1で調製した出雲在来種蕎麦の果皮抽出物及び実施例2で調製した出雲在来種蕎麦の葉抽出物に含まれるルチンの含有量を下記の条件の高速液体クロマトグラフィーにて定量した。
【0052】
<HPLC条件>
固定相:逆相カラム(STR ODS2:島津製作所製)
移動相: 0.2%トリフルオロ酢酸水溶液/メタノール=1/1
検出器: 吸光度測定計(測定波長:370nm)。
【0053】
その結果、実施例1で調製した出雲在来種蕎麦の果皮抽出物中のルチンの含有量は0μg/ml、実施例2で調製した出雲在来種蕎麦の葉抽出物中のルチンの含有量は0.03μg/mlであった。このことから、出雲在来種蕎麦の果皮抽出物及び葉抽出物が奏する抗インフルエンザウイルス活性は、ルチンに起因するものではなく、ルチン以外の成分に起因するものであること、すなわち本発明の抗インフルエンザウイルス剤はルチンを有効成分とするものでないことが確認された。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、出雲在来種の蕎麦の果皮(外皮・そば殻)または葉の溶媒抽出物を、抗インフルエンザウイルス剤として有効利用することができる。当該抗インフルエンザウイルス剤は、古来より飲食されている蕎麦の植物体抽出物であるため動物や人体に対して安全性が高く、副作用の心配なく使用できる。このため、本発明の抗インフルエンザウイルス剤はインフルエンザの感染及び発症の予防または治療・改善を目的として、広く食品、飼料、医薬品、医薬部外品、日用品(雑品)等の製品に利用することができる。また、抗インフルエンザウイルス剤及び該抗インフルエンザウイルス剤を含有する上記各種製品は、A型およびその亜型(ロシア型や香港型等のHA抗原変異株)、並びにB型といったインフルエンザウイルスの型の別を問わず、広く抗インフルエンザウイルス活性を有するため、インフルエンザの感染予防及び発症予防により有効に利用することができる。
Claims (5)
- 出雲在来種の蕎麦の抽出物を有効成分とすることを特徴とする抗インフルエンザウイルス剤。
- 蕎麦の抽出物が、蕎麦の葉の抽出物または果皮の抽出物の少なくとも一方を含むものである請求項1記載の抗インフルエンザウイルス剤。
- A型インフルエンザウイルス及びB型インフルエンザウイルスの両方に対して、感染抑制作用と増殖抑制作用を有することを特徴とする請求項1または2に記載の抗インフルエンザウイルス剤。
- A型インフルエンザウイルスがAH1N1型またはAH3N2型である請求項3に記載の抗インフルエンザウイルス剤。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載する抗インフルエンザウイルス剤を含有する食品、飼料、医薬品、医薬部外品または日用品。
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