JPH1113883A - 等速ジョイントブーツ及びその製造方法 - Google Patents

等速ジョイントブーツ及びその製造方法

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JPH1113883A
JPH1113883A JP18073497A JP18073497A JPH1113883A JP H1113883 A JPH1113883 A JP H1113883A JP 18073497 A JP18073497 A JP 18073497A JP 18073497 A JP18073497 A JP 18073497A JP H1113883 A JPH1113883 A JP H1113883A
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JP
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constant velocity
velocity joint
outer peripheral
inner peripheral
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JP18073497A
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Inventor
Taido Ogawa
泰道 小川
Hiroyuki Fujioka
洋行 藤岡
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Marugo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Marugo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い強度や耐久性を有しつつ、装着部の
秀逸なシール性を有する等速ジョイントブーツ及びその
製造方法を提供する。 【解決手段】 被装体に取り付けられる円筒状の装着部
を蛇腹状ブーツ本体の両端部に有する等速ジョイントブ
ーツにおいて、該装着部の少なくとも一つが、該装着部
の内周面を形成する内周層と、該内周層の外側に密接し
該装着部の外周面を形成する外周層と、を有し、該内周
層が、該外周層を形成している材料よりも低硬度の材料
によって形成されており、そして該外周層の一部に切り
欠きが形成されていることを特徴とする、等速ジョイン
トブーツである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として自動車の
車輪軸等に使用される等速ジョイントを被うための等速
ジョイントブーツ及びその製造方法に関し、より詳細に
は、等速ジョイントブーツ両端に位置する円筒状装着部
の装着性及びシール性を改善した等速ジョイントブーツ
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の車輪軸を駆動する駆動軸の回転
軸と該車輪軸の回転軸とがなす角度が自由に変化するこ
とができる様に、通常、駆動軸と車輪軸との間に自在継
手が設けられる。自在継手は、機械的摺動を行う部品を
多く有しており、このため小石や砂等の異物の侵入を防
止しグリース等の潤滑剤を封入するために、自在継手を
被う等速ジョイントブーツが取り付けられる。
【0003】図10に、従来取り付けられていた等速ジ
ョイントブーツの断面図を示す。図10は、駆動軸4と
車輪軸1とが一直線になるように配置し、駆動軸4の中
心軸と車輪軸1の中心軸とを含む平面で切断した場合の
断面を示している。駆動軸4が、継手ケース2の内部に
収納された自在継手の一方に連結されている。さらに、
自在継手の他方には車輪軸1が連結されており、これに
よって駆動軸4から自在継手を経て車輪軸1へと動力が
伝達される。この継手ケース2から駆動軸4までを等速
ジョイントブーツ6が被っている。即ち、継手ケース2
の外周に嵌着された大口径部(装着部)3と、駆動軸4
の外周に嵌着された小口径部(装着部)5と、該大口径
部(装着部)3と該小口径部(装着部)5との間に形成
された蛇腹状ブーツ本体(以下、「蛇腹部」という。)
7と、によって等速ジョイントブーツ6が構成されてい
る。この状態で、等速ジョイントブーツ6を確実かつ十
分に固定するため、金属製バンド等の締着部材8a、8
bによって小口径部(装着部)5と大口径部(装着部)
3とが締めつけられている。
【0004】等速ジョイントブーツ6は、駆動軸4と共
に高速で回転することからそれによって発生する大きな
遠心力に十分耐える強度と、駆動軸4と車輪軸1との間
の変角運動に伴って要求される可撓性と、を併せ持つも
のでなければならない。従って、強度が高い比較的高硬
度の樹脂材料を用いて等速ジョイントブーツ6が形成さ
れることが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような高硬度の樹
脂材料を用いて形成された等速ジョイントブーツは高い
強度や耐久性を有しているものの、該樹脂材料の弾力性
の低さから装着部(小口径部や大口径部)におけるシー
ル性の低さが問題になっていた。そこで蛇腹部の形成は
高硬度樹脂を用いて行うが、装着部の少なくともシール
部(継手ケースや駆動軸に接する部分)は、やや強度が
低いものの十分な弾力性を有する材料を使用して形成す
ることが検討されてきた。例えば、装着部の内周層が、
ブーツ本体を形成する素材と同一の素材であって、比較
的低硬度のエラストマーによって形成することが知られ
ている(実開平2−22463号公報)。
【0006】しかしながら、この方法では低硬度のエラ
ストマーによって装着部内周層が形成されるものの、該
内周層の周囲全てが、ブーツ本体を形成する高硬度の素
材によって形成された装着部外周層によって被われてい
る。このため装着部外周を締着部材等で締め込んでも、
高硬度の素材によって形成された円筒部(装着部外周
層)による反発によって締着力が減じられ、装着部内周
層を十分に締着することができず、十分なシール性を確
保できないのが現状である。そこで本発明では、高い強
度や耐久性を有しつつ、装着部の秀逸なシール性を有す
る等速ジョイントブーツ及びその製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の等速ジョイントブーツにおいては、蛇腹部
と装着部の外周層とを高硬度材料で形成する一方、装着
部の内周層を低硬度の材料で形成し、そして装着部の外
周層の一部に切り欠きを設けることで、該装着部を外側
から締着部材等で締め込んだとき該内周層全周を十分に
締めつけることができるようにしたものである。
【0008】即ち、本発明の等速ジョイントブーツは、
被装体に取り付けられる円筒状の装着部を蛇腹状ブーツ
本体の両端部に有する等速ジョイントブーツにおいて、
該装着部の少なくとも1つが、該装着部の内周面を形成
する内周層と、該内周層の外側に密接し該装着部の外周
面を形成する外周層と、を有し、該内周層が、該外周層
を形成している材料よりも低硬度の材料によって形成さ
れており、そして該外周層の一部に切り欠きが形成され
ていることを特徴とする、等速ジョイントブーツであ
る。
【0009】本発明の等速ジョイントブーツは、蛇腹状
ブーツ本体(蛇腹部)と、蛇腹部の両端に配置された2
つの、円筒状の装着部と、を有する。装着部は、通常い
ずれか一方(継手ケース等に装着される方)が大きく、
他の一方(駆動軸等に装着される方)が小さいが、両方
の装着部が同じ大きさのものも本発明の等速ジョイント
ブーツに含まれる。装着部の内周面を形成する内周層と
該内周層の外側に密接し該装着部の外周面を形成する外
周層とを有し、該内周層が該外周層を形成している材料
よりも低硬度の材料によって形成されており、そして該
外周層の一部に切り欠きが形成されているものである装
着部が、2つの装着部のうちいずれか一方のみの場合で
あっても、又は2つの装着部両方の場合であってもよ
い。しかしながら、2つの装着部両方の場合の方が、本
発明の効果を十分発揮できる点では好ましい。装着部と
蛇腹部とは、一体的に形成されたものでもそれぞれを別
個に形成した後に接合されたものでもよく、さらに後者
の場合ではいずれの接合方法によって接合されてもよ
く、例えば、圧接されたものや接着されたもの等であっ
てもかまわない。
【0010】装着部は円筒形状即ち、上下の両底面を取
り除いた中空の円柱形をしており、その円筒壁は内周層
と外周層とを有している。内周層は円筒の中心軸からの
半径が小さい位置に存在し、一方、外周層はその半径が
大きい位置に存在する。内周層の外側と外周層の内側と
は密接しているが、内周層と外周層とを接着剤によって
接着するような場合に、両層の間に接着剤層が形成され
ているものであってもかまわない。
【0011】内周層は、外周層を形成している材料より
も低い硬度を有する材料によって形成されている。これ
によって等速ジョイントブーツを取り付けた際の、内周
層によるシール性が格段に向上する。こうすることで、
内周層の外側には、高硬度の材料によって形成された外
周層が存在するので、内周層と外周層とによって構成さ
れる装着部の全体としての強度は十分に確保されつつ、
シール性を大幅に向上させることができ、極めて好都合
である。内周層を形成する低硬度材料は、硬度が低いも
のほどシール性が向上するが、あまり硬度が低いと強度
が低下するので、両者を満足する範囲の硬度を有するも
のでなければならない。外周層を形成する材料は、等速
ジョイントブーツを通常形成するのに用いる材料を使用
することができるが、使用材料の種類の減少や製造工程
の簡略化等の観点からは蛇腹部を形成する材料と同一で
あることが好ましい。例えば、外周層及び蛇腹部は熱可
塑性ポリエステルによって形成し、内周層は熱可塑性ポ
リエステルと熱可塑性ウレタンとのアロイによって形成
することができる。
【0012】外周層の一部に切り欠きが形成されてい
る。これによって装着部の円筒の全周にわたっては外周
層が連続しないことになる。即ち、切り欠き部分で外周
層が寸断され、切り欠き部分の装着部は内周層のみで形
成される。このため、装着部外部からバンド等の締着部
材によって装着部を締め込んだとき、高硬度材料によっ
て形成された外周層の、該締め込み力に対する反発力が
減少し、該締め込み力が十分内周層へと加えられること
によって、シール性を著しく向上させることができる。
外周層を連続した円筒形に形成した場合では、円筒側面
の接線中心方向への圧縮強度に打ち勝って締め込む必要
があり、極めて大きな力が必要になる。この問題を解消
するため、本発明では外周層に切り欠きを形成する。従
って、切り欠きを設けない場合では装着部を極めて大き
な締着力で締め込む必要があるので装着部を締め込む締
着部材の構造を板厚の増加等によって頑丈なものにする
必要があるが、本発明の特徴である切り欠きを設けるこ
とによって該締着力を小さくすることができるので締着
部材をあまり頑丈にする必要がなくなる。これは締着部
材の製造コストを大幅に低減すると共に、締着作業を簡
略化し生産効率を増加させる。また、外周層に設けられ
た切り欠きは、装着部を嵌着する際の、装着部内周層の
一時的な拡大を容易にし、該嵌着作業を円滑に行うこと
ができる点からも好ましい。
【0013】切り欠きの形状は、装着部を締め込んだ時
に外周層が発生する反発力を十分減少させることができ
ると共に、外周層の必要な強度を維持することができる
ものであればいかなるものであってもかまわない。例え
ば、装着部が形成する円筒の中心軸に沿って細長く形成
すれば良い。外周層が発生する反発力を減少する観点か
らは、形成される切り欠きが完全に閉じられた孔状(切
り欠きの外郭が連続しているもの)ではなく、等速ジョ
イントブーツ端部となる外周層端部(外周層が形成する
円筒底面のうち、蛇腹部と接していない部分)から連続
した入り江状に形成されることが好ましい。さらに、連
続した入り江の最も奥の部分を他の部分よりも広くすれ
ばより反発力を減少させることができることから好まし
い。この場合では、例えば連続した入り江の最も奥の部
分にそれ以外の部分の切り欠きの幅(装着部の円筒側面
の接線方向の寸法をいう)よりも大きな直径を有する円
形の切り欠きを形成すればよい。このように連続した入
り江の最も奥の部分を一層大きな円形状とすれば応力集
中を避けられることからも好ましい。1本の切り欠き
が、該中心軸方向に装着部全体を貫くものであってよ
く、また、そうでないものであってもよい。しかしなが
ら、装着部を締め込んだ場合、外周層の端部に近づくに
つれて歪が増大し反発力が大きくなるので、切り欠きを
少なくとも外周層端部付近に設けることが好ましい。切
り欠きの幅は、あまり小さいと装着部を締め込んだ際
の、外周層の反発を十分に低滅できないので、等速ジョ
イントブーツが該被装体に取り付けられ、そして装着部
がその外部から締着された際にも切り欠きの外郭が互い
に重ならないものであることが好ましく、さらに該外郭
が互いに接さないものであることが好ましい。一方、該
幅があまり大きいと、内周層を十分な強度で保持できな
くなる。なお、切り欠きは、通常、その部分に全く外周
層が存在しないが、外周層の反発を十分に減少させるこ
とができる程度にまで外周層の厚みを減少させた場合も
本発明にいう「切り欠き」に含まれる。従って、製造工
程等の都合で切り欠き部分に薄膜状の外周層が残ってい
る様な場合であっても本発明の範囲に含まれる。また、
切り欠きの外郭部分はできる限り尖った部分をなくする
ように丸くすることが望ましい。尖った部分には応力が
集中し、強度を低下させる場合があるからである。
【0014】切り欠き部分は、外周層の成型時に形成し
ても、また、切り欠きが形成されていない外周層を成型
した後に機械加工して形成してもよい。しかしながら、
製造コストや機械加工の悪影響等を低減する観点から
は、外周層の成型と同時に形成することが好ましい。
【0015】シール性を向上させるためには、内周層の
内周に沿って(装着部の円筒形状中心軸に対して垂直な
面が内周と交わる部分に連続して)シールリップを突設
してもよい。シールリップの形状及び形成方法は、既知
のいずれのものであってもかまわない。
【0016】本発明の等速ジョイントブーツは既知のい
かなる方法によって製造されてよい。例えば、両側の装
着部とその間の蛇腹部とを別々に製造して後で接着等に
よって取り付けて製造する方法や両側の装着部の外周層
と蛇腹部とを一体的に形成したものに別に形成した装着
部内周層を接着等によって取り付けて製造する方法等の
種々の方法で製造することができる。しかしながら、等
速ジョイントブーツの強度向上及び経済性等を考慮する
と、両側の装着部の外周層を形成する材料と蛇腹状ブー
ツ本体(蛇腹部)を形成する材料とを同じものとして、
両側の装着部の外周層と蛇腹状ブーツ本体(蛇腹部)と
を一体的に成形することと、装着部の内周層を成形する
こととをそのうちいずれか先に成形されたものが熱いう
ちに行うようにして成形することが望ましく、本発明で
はこの製造方法を連続成型法という。即ち、本発明の等
速ジョイントブーツの製造方法は、外周層が蛇腹状ブー
ツ本体と同一の材料によって形成されている等速ジョイ
ントブーツの製造方法であって、該外周層と該蛇腹状ブ
ーツ本体とからなる第1の部分と、該内周層からなる第
2の部分とのうち、いずれか一方の部分の形状に対応し
た部分型を該等速ジョイントブーツ全体の形状に対応し
た全体型の内部に挿入した後に該全体型内部に該いずれ
か一方の部分以外の部分を形成すべき材料を注入して成
型し、それに続けて該部分型を該全体型の内部から取り
出した後に該全体型の内部に該いずれか一方の部分を形
成すべき材料を注入して成型することを特徴とするもの
である、等速ジョイントブーツの製造方法である。こう
することで、成形された後の冷却時間を要さず、さら
に、特別な操作なしに外周層と内周層との確実な接合を
行うことができる。
【0017】以上説明した本発明の等速ジョイントブー
ツの製造方法において、該第一の部分を形成すべき材料
がフィルムゲート方式によって該第一の部分全周に注入
されるようにしてもよい。これによって、周囲に樹脂の
融合面が形成されず、部分的に弱い部分を生じないこと
から好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を実施例に基
づき図面を参照して詳述するが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。
【0019】図1は本発明の一実施例の等速ジョイント
ブーツの断面図である。図1は両端の装着部円筒の中心
軸を一直線上になるようにして、該中心軸を含む平面に
よって切断した等速ジョイントブーツの断面を示したも
のである。等速ジョイントブーツ6は、二つの装着部で
ある大口径部3と小口径部5とをその両端に有してお
り、さらに大口径部3と小口径部5との間には蛇腹部7
を有している。大口径部3は円筒形状をしており、蛇腹
部7から連続する外周層3aと円筒内周面を形成する内
周層3bとを有している。外周層3aの外側には締着部
材(図示せず)を受け入れる凹部9aが形成されてい
る。内周層3bは円筒内周に沿って形成されており、内
周層3bの表面(円筒内壁)には円筒内周に沿ってシー
ルリップ3cが2本形成されている。外周層3aは蛇腹
部7と同じ比較的高硬度の材料で形成されているが、内
周層3bは該比較的高硬度の材料よりも硬度の低い材料
で形成されている。本発明の連続成形法を用いて等速ジ
ョイントブーツを製造していることから、内周層3bと
外周層3aとは接着剤等を用いることなく確実に接合さ
れている。一方、小口径部5は円筒形状をしており、蛇
腹部7から連続する外周層5aと円筒内周面を形成する
内周層5bとを有している。外周層5aの外側には締着
部材(図示せず)を受け入れる凹部9bが形成されてい
る。内周層5bは円筒内周に沿って形成されており、内
周層5bの表面(円筒内壁)には円筒内周に沿ってシー
ルリップ5cが2本形成されている。外周層5aは蛇腹
部7と同じ比較的高硬度の材料で形成されているが、内
周層5bは該比較的高硬度の材料よりも硬度の低い材料
で形成されている。本発明の連続成形法を用いて等速ジ
ョイントブーツを製造していることから、内周層5bと
外周層5aとは接着剤等を用いることなく確実に接合さ
れている。なお、本発明の等速ジョイントの特徴の一つ
である、外周層の一部に形成された切り欠きは本図には
示されていないが、大口径部3の外周層3aと小口径部
5の外周層5aとの両方に図中左右方向に細長く形成さ
れている。なお、図1に示された等速ジョイントブーツ
は両方の装着部とも本発明の構成にされているが、いず
れか一方のみをそうしたものでもかまわない。
【0020】図2は、図1に示された等速ジョイントブ
ーツを図1中右側から(図1中矢印Bの方向から)見た
ときの大口径部3を示したものである。理解しやすくす
るために、蛇腹部7、小口径部5、シールリップ3c、
及び凹部9aを省略している。大口径部3は内周層3b
と外周層3aとを有している。外周層3aには、等間隔
に切り欠き3dが6箇所形成されている。切り欠き3d
は、内周層3bが形成する円筒形の中心軸から離れるに
つれてその幅が広がる断面形状(いわゆる放射状の断面
形状)を有しており、さらに切り欠き3dの外郭部分は
尖った部分をできる限り有さないように丸められてい
る。切り欠き3dは、内周層3bが形成する円筒形の中
心軸方向に沿って(ほぼ平行方向に)即ち、本図に対し
てほぼ垂直方向に伸びている。
【0021】図3は、図1及び図2に示された等速ジョ
イントブーツを図2中のC−Cの位置で切断したところ
の大口径部3の断面を示したものであり、図2に対して
5倍に拡大して表されている。図2中のC−C断面にお
いては外周層3aに切り欠き3dが形成されていない。
大口径部3は蛇腹部7から連続した外周層3aと内周層
3bとを有している。外周層3aの外側には締着部材
(図示せず)を受け入れる凹部9aが形成されており、
内周層3bの表面にはシールリップ3cが2本平行に形
成されている。
【0022】図4は、図1及び図2に示された等速ジョ
イントブーツを図2中のE−Eの位置で切断したところ
の大口径部3の断面を示したものであり、図2に対して
5倍に拡大して表されている。図2中のE−E断面にお
いては外周層3aに切り欠き3dが形成されている。大
口径部3は外周層3aと内周層3bとを有している。外
周層3aには図中左右方向に細長い切り欠き3dが形成
されている。外周層3aの切り欠かれた端部3eは丸め
られて角をとられている。内周層3bの表面にはシール
リップ3cが2本平行に形成されている。
【0023】図5は、図1に示された等速ジョイントブ
ーツを図1中左側から(図中矢印Aの方向から)見たと
きの小口径部5を示したものである。理解しやすくする
ために、シールリップ5c及び凹部9bを省略してい
る。小口径部5は内周層5bと外周層5aとを有してい
る。外周層5aには、等間隔に切り欠き5dが4箇所形
成されている。切り欠き5dは、内周層5bが形成する
円筒形の中心軸から離れるにつれてその幅が広がる断面
形状(いわゆる放射状の断面形状)を有しており、さら
に切り欠き5dの外郭が尖った部分を有さないように角
を丸められている。切り欠き5dは、内周層5bが形成
する円筒形の中心軸方向即ち、本図に対して垂直方向に
伸びている。
【0024】図6は、図1及び図5に示された等速ジョ
イントブーツを図5中のD−Dの位置で切断したところ
の小口径部5の断面を示したものであり、図5に対して
5倍に拡大して表されている。図5中のD−D断面にお
いては外周層5aに切り欠き5dが形成されていない。
小口径部5は蛇腹部7から連続した外周層5aと内周層
5bとを有している。外周層5aの外側には締着部材
(図示せず)を受け入れる凹部9bが形成されており、
内周層5bの表面にはシールリップ5cが2本平行に形
成されている。
【0025】図7は、図1及び図5に示された等速ジョ
イントブーツを図5中のF−Fの位置で切断したところ
の小口径部5の断面を示したものであり、図5に対して
5倍に拡大して表されている。図5中のF−F断面にお
いては外周層5aに切り欠き5dが形成されている。小
口径部5は外周層5aと内周層5bとを有している。外
周層5aには図中左右方向に細長い切り欠き5dが形成
されている。外周層5aの切り欠かれた端部5eは丸め
られて角をとられている。内周層5bの表面にはシール
リップ5cが2本平行に形成されている。
【0026】図8は、大口径部に形成された切り欠き部
分の拡大図である。図8は、切り欠き3dの内側に存在
する内周層3bの表面に対して垂直方向であって等速ジ
ョイントブーツ外側から切り欠き3dを見たところを示
している。内周層3bの外側には外周層3aが存在して
いるが、外周層3aに切り欠き3dが形成されている部
分以外は内周層3bは外周層3aに隠れて見えない。切
り欠き3dは、装着部が形成する円筒の中心軸に沿って
細長く形成されており、等速ジョイントブーツ端部とな
る外周層3aの端部から図中上方へと連続した入り江状
に形成されている。切り欠き3dの外郭部分は丸められ
ており、特に入り江の最も奥の部分(外周層3aの切り
欠かれた端部)3eは半円状の形状を有している。な
お、図8では大口径部に形成された切り欠きを示した
が、小口径部に形成された切り欠きもこれと同様な形状
を有している。
【0027】図9は、大口径部に形成された、他の実施
例の切り欠き部分の拡大図である。図9は、切り欠き3
dの内側に存在する内周層3bの表面に対して垂直方向
であって等速ジョイントブーツ外側から切り欠き3dを
見たところを示している。内周層3bの外側には外周層
3aが存在しているが、外周層3aに切り欠き3dが形
成されている部分以外は内周層3bは外周層3aに隠れ
て見えない。切り欠き3dは、装着部が形成する円筒の
中心軸に沿って細長く形成されており、等速ジョイント
ブーツ端部となる外周層3aの端部から図中上方へと連
続した入り江状に形成されている。切り欠き3dの外郭
部分は丸められている。連続した入り江の最も奥の部分
にそれ以外の部分の切り欠きの幅よりも大きな直径を有
する円形の切り欠き3eを形成している。なお、図9で
は大口径部に形成された切り欠きを示したが、小口径部
に形成された切り欠きもこれと同様な形状を有してよ
い。
【0028】次に図1乃至9に示された等速ジョイント
ブーツの製造方法を説明する。まず、外周層と蛇腹状ブ
ーツ本体とから成る第一の部分と、内周層から成る第二
の部分とのうち、いずれを先に成形するかを決定する。
これは工程の都合等によって自由に決定してよい。先に
形成しない部分(例えば、第一の部分を先に成形する場
合であれば第二の部分)の形状に対応した部分型を等速
ジョイントブーツ全体の形状に対応した全体型内に該先
に形成しない部分の位置に挿入し固定する。ここでいう
「形状に対応した」とは、成形した際に得られるものが
その形状と実質的に同じことをいう。これによって、先
に成形する部分の形状に対応した空間が全体型内に形成
される。この状態で先に形成する部分を形成すべき材料
を該全体型内に注入して成形し、先に形成する部分を形
成する。それに続けて、該部分型を該全体型内から取り
出し、該全体型内に先に形成しない部分の形状に対応す
る空間を形成する。該全体型内に存在する、先に形成し
ない部分の形状に対応する該空間へと先に形成しない部
分を形成すべき材料を注入して成形する。その後、全体
型内から、形成された等速ジョイントブーツを取り出
す。以上のようにして、外周層と蛇腹状ブーツ本体とか
ら成る第一の部分と、内周層から成る第二の部分とを有
する本発明の等速ジョイントブーツを製造することがで
きる。以上説明した本発明の等速ジョイントブーツの製
造方法において、該第一の部分を形成すべき材料がフィ
ルムゲート方式によって該第一の部分全周に注入される
ようにしてもよい。
【0029】なお、本発明は上記した実施例に限定され
るものでないことは言うまでもなく、さらに、特許請求
の範囲と実質的に均等の範囲のものまで含む。
【0030】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成されている
ので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0031】等速ジョイントブーツの両端の装着部を内
周層と外周層との二重層構造とし、内周層を低硬度の材
料で形成し、そして内周層を包囲する外周層に切り欠き
を形成することにより、装着部を締め込んだときの外周
層の反発を該切り欠きが低減して、低硬度の内周層を被
着体に十分密着させ、高い強度及び耐久性を有しつつ、
際だって高いシール性を有する等速ジョイントブーツと
することができる。
【0032】両側の装着部の外周層と蛇腹状ブーツ本体
とを一体的に成形することと、装着部の内周層を成形す
ることとをそのうちいずれか先に成形されたものが熱い
うちに行うようにして成形することにより、成形された
後の冷却時間を要さず、さらに、特別な操作なしに外周
層と内周層との確実な接合を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の等速ジョイントブーツを示
す断面図である。
【図2】図1に示した等速ジョイントブーツの大口径部
の正面図である。
【図3】図2に示した大口径部のC−C断面を示す断面
図である。
【図4】図2に示した大口径部のE−E断面を示す断面
図である。
【図5】図1に示した等速ジョイントブーツの小口径部
の正面図である。
【図6】図5に示した小口径部のD−D断面を示す断面
図である。
【図7】図5に示した小口径部のF−F断面を示す断面
図である。
【図8】切り欠きの形状を示す拡大図である。
【図9】他の実施例の切り欠きの形状を示す拡大図であ
る。
【図10】従来の等速ジョイントブーツが被装体に取り
付けられたところの断面図である。
【符号の説明】
1 車輪軸 2 継手ケース 3 大口径部(装着部) 3a,5a 外周層 3b,5b 内周層 3c,5c シールリップ 3d,5d 切り欠き 3e,5e 切り欠きの端部 4 駆動軸 5 小口径部(装着部) 6 等速ジョイントブーツ 7 蛇腹状ブーツ本体(蛇腹部) 8a,8b 締着部材 9a,9b 締着部材を受け入れるための凹部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被装体に取り付けられる円筒状の装着部を
    蛇腹状ブーツ本体の両端部に有する等速ジョイントブー
    ツにおいて、 該装着部の少なくとも1つが、該装着部の内周面を形成
    する内周層と、該内周層の外側に密接し該装着部の外周
    面を形成する外周層と、を有し、 該内周層が、該外周層を形成している材料よりも低硬度
    の材料によって形成されており、そして該外周層の一部
    に切り欠きが形成されていることを特徴とする、等速ジ
    ョイントブーツ。
  2. 【請求項2】該装着部の両方ともが、該装着部の内周面
    を形成する内周層と、該内周層の外側に密接し該装着部
    の外周面を形成する外周層と、を有し、 該内周層が、該外周層を形成している材料よりも低硬度
    の材料によって形成されており、そして該外周層の一部
    に切り欠きが形成されていることを特徴とするものであ
    る、請求項1に記載の等速ジョイントブーツ。
  3. 【請求項3】該切り欠きが、該円筒の中心軸に沿って細
    長く形成されたものである、請求項1又は2に記載の等
    速ジョイントブーツ。
  4. 【請求項4】該装着部が該被装体に取り付けられ、該装
    着部の外部から締着された際にも、該切り欠きの外郭が
    互いに重ならないものである、請求項1乃至3のいずれ
    かに記載の等速ジョイントブーツ。
  5. 【請求項5】該装着部が該被装体に取り付けられ、該装
    着部の外部から締着された際にも、該切り欠きの外郭が
    互いに接さないものである、請求項4に記載の等速ジョ
    イントブーツ。
  6. 【請求項6】該内周層の内周に沿ってシールリップが突
    設されたものである、請求項1乃至5のいずれかに記載
    の等速ジョイントブーツ。
  7. 【請求項7】該外周層が該蛇腹状ブーツ本体と同一の材
    料によって形成されているものである、請求項1乃至6
    のいずれかに記載の等速ジョイントブーツ。
  8. 【請求項8】該外周層と該蛇腹状ブーツ本体とからなる
    第1の部分と、該内周層からなる第2の部分とのうち、
    いずれか一方の部分の形状に対応した部分型を該等速ジ
    ョイントブーツ全体の形状に対応した全体型の内部に挿
    入した後に該全体型内部に該いずれか一方の部分以外の
    部分を形成すべき材料を注入して成型し、それに続けて
    該部分型を該全体型の内部から取り出した後に該全体型
    の内部に該いずれか一方の部分を形成すべき材料を注入
    して成型することを特徴とする、請求項7に記載の等速
    ジョイントブーツの製造方法。
  9. 【請求項9】該第一の部分を形成すべき材料が、フィル
    ムゲート方式によって該全体型内の該第一の部分全周に
    注入されるものである、請求項8に記載の等速ジョイン
    トブーツの製造方法。
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