JPH11135235A - 発熱体及びヘアーセット器及び発熱装置 - Google Patents

発熱体及びヘアーセット器及び発熱装置

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JPH11135235A
JPH11135235A JP29583697A JP29583697A JPH11135235A JP H11135235 A JPH11135235 A JP H11135235A JP 29583697 A JP29583697 A JP 29583697A JP 29583697 A JP29583697 A JP 29583697A JP H11135235 A JPH11135235 A JP H11135235A
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current
heat
heating element
carrying
heating
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JP29583697A
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English (en)
Inventor
Satoru Yamauchi
哲 山内
Keiji Azuma
啓二 東
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 形状に制限が少なく、安価な発熱体を提供す
る。 【解決手段】 発熱部1に少なくとも一対の通電部2を
設ける。通電部2から発熱部1に通電することによって
発熱部1を発熱させる発熱体Aに関する。低融点金属と
フラックスと合成樹脂の混合物で通電部2を成形する。
通電部2を発熱部1の形状に対応した所望の形状に成形
して形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通電することによ
り発熱する発熱体、及びこの発熱体を用いて形成される
ヘアーセット器、及びこの発熱体を用いて形成される発
熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、通電することにより発熱する
発熱体として種々のものが提案されている。例えば特開
昭54−232235号公報には、カーボン粉末を充填
した高分子材料で電気的抵抗を有する発熱部を形成し、
この発熱部にメッキにより通電部を形成するようにした
面状の発熱体が記載されている。また特開昭53−12
2942号公報には、カーボンブラック等の導電性付与
剤が配合された熱可塑性樹脂で電気的抵抗を有する発熱
部を形成し、この発熱部の外層に通電部としてアルミニ
ウム等の金属箔電極を加圧積層するようにした発熱体が
記載されている。さらに特開昭63−307683号公
報には、カルボキシル基を含有する金属接着性結晶性重
合体組成物中に導電性粉末を分散して発熱部組成物を調
製し、この発熱部組成物から電気的抵抗を有する発熱部
を形成すると共に、この発熱部に通電部として金属板で
形成される電極を設けるようにした発熱体が記載されて
いる。このように従来の発熱体は、メッキ等による金属
薄膜で通電部を形成したり、加圧積層などによる金属箔
や金属板の一体化などで通電部を形成したりしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来例の発
熱体では、メッキ等による金属薄膜で通電部を形成した
り、加圧積層などによる金属箔や金属板の一体化などで
通電部を形成したりしているので、発熱部が平板状や棒
状などの単純な形状であれば、その形状に応じた形状の
通電部を簡単に形成することができるが、発熱部が複雑
な三次元形状である場合には、その形状に応じた複雑な
形状の通電部を形成することが困難であり、形状に制限
が多いという問題があった。
【0004】また通電部をメッキで形成する場合には、
洗浄や塗布や乾燥などの多くの工程が必要であり、しか
も廃液などの処理も必要となって、製造コストが高くな
るという問題があった。本発明は上記の点に鑑みてなさ
れたものであり、形状に制限が少なく、安価な発熱体を
提供することを目的とするものである。また本願発明
は、上記発熱体を用いた安価で形状に制限が少ないヘア
ーセット器及び発熱装置を提供することを目的とするも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の発熱体Aは、発熱部1に少なくとも一対の通電部2を
設け、通電部2から発熱部1に通電することによって発
熱部1を発熱させる発熱体Aにおいて、低融点金属とフ
ラックスと合成樹脂の混合物で通電部2を成形して成る
ことを特徴とするものである。
【0006】また本発明の請求項2に記載の発熱体A
は、請求項1の構成に加えて、鉄、アルミニウム、銅、
カーボン等の導電性を有する導電性材料と合成樹脂の混
合物で発熱部1を形成して成ることを特徴とするもので
ある。また本発明の請求項3に記載の発熱体Aは、請求
項1又は2の構成に加えて、発熱部1が自己温度制御機
能を有して成ることを特徴とするものである。
【0007】また本発明の請求項4に記載の発熱体A
は、請求項2又は3の構成に加えて、ほぼ同一の線膨張
係数を有する合成樹脂を用いて発熱部1と通電部2を形
成して成ることを特徴とするものである。また本発明の
請求項5に記載の発熱体Aは、請求項2乃至4のいずれ
かの構成に加えて、同一の合成樹脂を用いて発熱部1と
通電部2を形成して成ることを特徴とするものである。
【0008】また本発明の請求項6に記載の発熱体A
は、請求項1乃至5のいずれかの構成に加えて、通電部
2を伸縮自在な形状に形成して成ることを特徴とするも
のである。また本発明の請求項7に記載の発熱体Aは、
請求項1乃至6のいずれかの構成に加えて、通電部2の
発熱部1側の面の表面積を発熱部1の通電部2側の面の
表面積よりも小さく形成して成ることを特徴とするもの
である。
【0009】また本発明の請求項8に記載の発熱体A
は、請求項1乃至7のいずれかの構成に加えて、発熱部
1をゴム弾性を有する合成樹脂を用いて形成して成るこ
とを特徴とするものである。また本発明の請求項9に記
載の発熱体Aは、請求項1乃至8のいずれかの構成に加
えて、通電部2を発熱部1の厚み方向に並設して成るこ
とを特徴とするものである。
【0010】また本発明の請求項10に記載の発熱体A
は、請求項1乃至9のいずれかの構成に加えて、発熱部
1に補強部材3を設けて成ることを特徴とするものであ
る。また本発明の請求項11に記載の発熱体Aは、請求
項1乃至10のいずれかの構成に加えて、軟化点、融
点、熱変形温度の少なくとも一つが発熱部1よりも大き
い絶縁性材料で補強部材3を形成し、この補強部材3を
発熱部1の内部に設けて成ることを特徴とするものであ
る。
【0011】また本発明の請求項12に記載の発熱体A
は、請求項1乃至11のいずれかの構成に加えて、通電
部2に電気を給電するための端子部4を通電部2に設け
て成ることを特徴とするものである。また本発明の請求
項13に記載の発熱体Aは、請求項12の構成に加え
て、低融点金属とフラックスと合成樹脂の混合物で端子
部4を形成して成ることを特徴とするものである。
【0012】また本発明の請求項14に記載の発熱体A
は、請求項12又は13の構成に加えて、端子部4に銅
やアルミニウムなどの金属材料で形成される芯材5を埋
設して成ることを特徴とするものである。また本発明の
請求項15に記載の発熱体Aは、請求項12乃至14の
いずれかの構成に加えて、通電部2と端子部4を同一の
合成樹脂を用いて形成して成ることを特徴とするもので
ある。
【0013】また本発明の請求項16に記載の発熱体A
は、請求項1乃至15のいずれかの構成に加えて、発熱
部1と通電部2を剥離防止手段6で結合して成ることを
特徴とするものである。また本発明の請求項17に記載
の発熱体Aは、請求項16の構成に加えて、通電部2に
凹凸形状の剥離防止手段6を設けて成ることを特徴とす
るものである。
【0014】また本発明の請求項18に記載の発熱体A
は、請求項16又は17の構成に加えて、発熱部1に凹
凸形状の剥離防止手段6を設けて成ることを特徴とする
ものである。また本発明の請求項19に記載の発熱体A
は、請求項1乃至18のいずれかの構成に加えて、発熱
部1の表面及び通電部2の少なくとも一部の表面を絶縁
性材料で被覆して成ることを特徴とするものである。
【0015】本発明の請求項20に記載のヘアーセット
器Bは、請求項1乃至19のいずれかに記載の発熱体A
を用いて成ることを特徴とするものである。本発明の請
求項21に記載の発熱装置Cは、請求項1乃至19のい
ずれかに記載の発熱体Aを用いて成ることを特徴とする
ものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1に本発明の発熱体Aの一例を示す。発熱体A
は発熱部1と一対の通電部2とで構成されている。発熱
部1はニクロム線の集合体やセラミックなどの電気的抵
抗を有する材料で板状やシート状に形成されるものであ
って、その一方の表面の端部には通電部2がそれぞれ設
けられている。通電部2は発熱部1の全長に亘って形成
されており、互いに略平行に配置されている。また通電
部2の一方の端面は端子部4として形成されており、こ
の端子部4は配線12を介して電源11に接続されてい
る。
【0017】この発熱体Aを発熱させるにあたっては、
電源11から配線12を通じて通電部2へ給電すると共
に通電部2から発熱部1へと給電することによって発熱
部1を発熱させるようにして行う。またこの発熱体Aで
は通電部2に電気を流し始めるのとほぼ同時に発熱部1
の温度上昇が始まるが、発熱部1に電気を流したまま長
時間放置するとその温度は上がり続け、所望の温度域を
超えて発熱する可能性がある。そこで発熱部1の温度を
センシング(監視)し、発熱部1が所望の温度域を超え
ないように電源11からの通電部2へ給電量を調節する
ような制御装置を配線12等の発熱体Aの外部に設ける
のが好ましい。
【0018】通電部2を形成する材料は所望の形状に成
形可能な材料であって、低融点金属とフラックスおよび
合成樹脂の混合物である通電部成形材料から構成されて
いる。低融点金属としては、通電部2の成形温度(加工
温度)より20℃以上低い融点をもつ、Sn/Pb系の
一般ハンダ、Sn/Pb/Ag系やPb/Ag系の高温
ハンダ、Sn/Pb/Bi系の低温ハンダを用いること
ができるが、後述の通電部成形材料の合成樹脂が、熱硬
化性樹脂である場合には、成形温度で溶融するものと成
形硬化温度で溶融するものとを適宜混合使用することが
望ましい。また低融点金属としては、繊維状、粒状のい
ずれも可能であるが、粒状のものは通電部成形材料の混
練時に分散しやすいので特に適している。また低融点金
属の配合割合は、通電部成形材料の全量に対して20〜
40Vol%(体積%)の範囲が好ましく、27〜33
Vol%の範囲が流動性、導電率のいずれの特性にも優
れた通電部成形材料が得られるので特に適している。配
合量が20Vol%より少ないと成形時の流動性が悪い
上に十分な導電率が得られなくなり、逆に40Vol%
より多くなると低融点金属が分離したり脱落するように
なるので好ましくない。
【0019】フラックスとしては、次の化学式を持つビ
フェニル化合物を用いることができる。
【0020】
【化1】
【0021】このようなビフェニル化合物としては、三
光化学社製のHCA(商品名)を例示することができ
る。このフラックスは、低融点金属を後述の金属繊維や
金属粉末に吸着させて両者の通電部成形材料中での分散
性を向上させると共に、低融点金属と金属繊維や金属粉
末とを機械的、電気的に連結させて低融点金属の通電部
2からの脱落を防止し、さらに金属による合成樹脂の酸
化劣化を防止する作用をするものである。そしてこのた
めにはフラックスの配合割合は、通電部成形材料の全量
に対して0.5〜5重量%の範囲とするのが好ましい。
【0022】合成樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂のいずれも使用可能であるが、通電部2の成形時
の作業性の点からは熱可塑性樹脂の方が好適である。熱
可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレ
ン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ナイロン樹
脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート
樹脂(PBT)、液晶性ポリマーなどを例示することが
できる。また熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、
エポキシ樹脂等を例示することができる。これらは、単
一または複数種類混合したポリマーアロイとして用いる
ことができる。合成樹脂の形状は、ペレット状、粒状、
粉末等どのような形態であってもよいが、粉末状のもの
は混合時の分散性が良好であるので特に好適である。
【0023】また上記低融点金属、フッラクス、合成樹
脂の他に、金属繊維や金属粉末を必要に応じて通電部成
形材料に配合することができる。金属繊維としては、銅
繊維、黄銅繊維、アルミニウム繊維、ステンレス繊維、
鉄繊維等が例示されるが、銅繊維は導電率が高く、延性
に優れて屈曲を繰返しても断線し難く、しかもハンダ付
け性にも優れているので特に好適に用いることができ
る。また金属繊維としては、直径が20〜150μm、
繊維長が0.5〜8mmの範囲のものを用いるのが好ま
しい。さらに金属繊維の配合割合は、良好な成形性と高
い導電率を得るために、通電部成形材料の全量に対して
5〜15Vol%、特に8〜12Vol%の範囲とする
のが好ましい。金属繊維の配合割合が5Vol%未満で
あると、通電部2が十分な導電率を得ることができず、
しかも発熱部1へ取り付ける際の必要な量のハンダを保
持するのが困難になる。逆に配合割合が15Vol%よ
り多くなると成形性が低下するようになるので、いずれ
も好ましくない。また金属粉末としては金属繊維と同様
の金属材料で粉末状に形成されているものを用いること
ができる。
【0024】そして通電部成形材料を調製するにあたっ
ては、低融点金属、フッラクス、合成樹脂、及び金属繊
維や金属粉末を所定の配合割合で混練機に投入して十分
に混練するようにして行う。このとき、合成樹脂の酸化
劣化を防止するため、アルゴンガス、窒素ガス等の不活
性ガスを注入しながら混練を行うのが好ましい。混練
は、使用材料にもよるが、通常200〜220℃の温度
(合成樹脂が熱硬化性樹脂の時は90〜130℃が好ま
しい)で10分間程度行われる。またこのように調製さ
れる通電部成形材料をペレット状に成形するにあたって
は、上記混合物を可塑化温度以上に加熱した圧縮ダイス
に入れ、200℃程度の温度で1ton/cm2 程度の
面圧で圧縮してペレット状に成形する。あるいは上記の
ように混練した後、押出しながら所定形状に切断してペ
レット状にすることができる。
【0025】このような通電部成形材料を用いて発熱体
Aを形成するにあたっては、種々の方法を採用すること
ができる。一つの方法としては、通電部成形材料を射出
成形や圧縮成形などで成形して発熱部1の形状に対応し
た所望の形状の通電部2を形成し、この通電部2を発熱
部1の表面に導電性接着剤や導電性ペーストやハンダで
接着して発熱体Aを形成する。また別の方法としては、
上記のようにして通電部成形材料から形成された通電部
2を金属製の取付部品を用いてかしめ等により発熱部1
に一体化して発熱体Aを形成する。さらに別の方法とし
ては、金型内に発熱部1を予め挿入してセットし、この
金型内に上記通電部成形材料を射出してインサート成形
して金型内で発熱部1と通電部2を一体化して発熱体A
を形成する。これらのうち、三番目のインサート成形す
る方法が、手間をかけずに安価に発熱体Aを製造するこ
とができるので好適である。
【0026】この発熱体Aは、低融点金属とフラックス
と合成樹脂、及び金属繊維や金属粉末の混合物である成
形可能な通電部成形材料で通電部2を形成するので、従
来のようにプレス機や金型等を用いて曲げ加工や打抜き
加工して通電部2を形成する場合に比べて、通電部2を
発熱部1の形状に対応した所望の形状に形成することが
できる。従って、発熱部1が三次元的な複雑な形状であ
っても容易に通電部2を成形により発熱部1の表面など
に形成することができ、形状の制限が少なく自由な形状
でしかも安価にすることができるものである。また従来
の通電部2をメッキで形成する場合のように、洗浄や塗
布や乾燥などの多くの工程が必要でなく、しかも廃液な
どの処理も必要でないので、製造コストを低くすること
ができると共に環境汚染も低減することができるもので
ある。
【0027】上記発熱体Aにおいてニクロム線やセラミ
ックの代わりに、導電性を有する導電性材料と合成樹脂
の混合物である発熱部成形材料で発熱部1を形成するこ
とができる(請求項2)。導電性材料としては鉄、アル
ミニウム、銅、カーボンブラック、銀等の繊維状あるい
は粉状のものを用いることができ、その配合割合は、良
好な成形性と高い導電率を得るために、さらには後述の
自己温度制御機能を発熱部1に発揮させるために、発熱
部成形材料の全量に対して5〜70Vol%の範囲とす
るのが好ましい。導電性材料の配合割合が5Vol%未
満であると、発熱部1が十分な導電率を得ることができ
ず、逆に配合割合が70Vol%より多くなると成形性
が低下するようになるので、いずれも好ましくない。
【0028】合成樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂のいずれも使用可能であるが、発熱部1の成形時
の作業性の点からは熱可塑性樹脂の方が好適である。熱
可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレ
ン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ナイロン樹
脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンサルファイド
樹脂(PPS)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(P
BT)、液晶性ポリマーなどを例示することができる。
また熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂、ポリエステル樹脂等を例示することができる。こ
れらは、単一または複数種類混合したポリマーアロイと
して用いることができる。合成樹脂の形状は、ペレット
状、粒状、粉末等どのような形態であってもよいが、粉
末状のものは混合時の分散性が良好であるので特に好適
である。
【0029】そして発熱部成形材料を調製するにあたっ
ては、導電性材料と合成樹脂を所定の配合割合で混練機
に投入して十分に混練するようにして行う。このとき、
合成樹脂の酸化劣化を防止するため、アルゴンガス、窒
素ガス等の不活性ガスを注入しながら混練を行うのが好
ましい。混練は、使用材料にもよるが、通常200〜2
20℃の温度(合成樹脂が熱硬化性樹脂の時は90〜1
30℃が好ましい)で10分間程度行われる。またこの
ように調製される発熱部成形材料をペレット状に成形す
るにあたっては、上記混合物を可塑化温度以上に加熱し
た圧縮ダイスに入れ、200℃程度の温度で1ton/
cm2 程度の面圧で圧縮してペレット状に成形する。あ
るいは上記のように混練した後、押出しながら所定形状
に切断してペレット状にすることができる。
【0030】このような発熱部成形材料を用いて発熱部
1を形成するにあたっては、射出成形や圧縮成形や押出
成形などを採用することができ、この成形方法で所望の
形状に成形された発熱部1に上記の方法で通電部2を一
体化して設けることによって、発熱体Aを形成すること
ができる。また発熱部成形材料と通電部成形材料の両方
を射出成形により二色成形することによって、発熱部1
と通電部2を同時に成形して発熱体Aを形成することも
でき、このことで、製造工程が少なくなって製造コスト
をさらに低減することができる。
【0031】この発熱体Aは、導電性材料と合成樹脂の
混合物である成形可能な発熱部成形材料で発熱部1を形
成するので、セラミックなどで発熱部1を形成するより
も軽量化を図ることができるものである。また成形によ
り発熱部1を形成するので、発熱部1を三次元的な複雑
な形状に容易に形成することができ、形状の制限が少な
く自由な形状にすることができるものである。
【0032】上記のように発熱部成形材料で形成された
発熱部1は、自己温度制御機能を有するものとなる(請
求項3)。つまり、発熱部1は導電性材料を含有してい
るので、これを構成する合成樹脂よりも電気的な抵抗値
が小さくなって通電部2から供給される電気が導電性材
料に流れていくことにより発熱するが、このように発熱
して温度が高くなっていくと発熱部1の合成樹脂が熱に
より膨張することになり、この合成樹脂の膨張のために
発熱部1内での導電性材料の結合状態が部分的に途切
れ、図2に示すように発熱部1の抵抗値が大きくなって
電流が流れにくくなり、この結果、発熱部1の発熱が抑
制されることになる。また発熱部1の発熱が抑制されて
温度が低くなっていくと、発熱部1の合成樹脂が収縮す
ることになり、この合成樹脂の収縮のために発熱部1内
での導電性材料の結合状態が密になって図2に示すよう
に発熱部1の抵抗値が小さくなり、この結果、発熱部1
に多量の電流が流れて発熱部1が再び発熱することにな
る。
【0033】この発熱体Aは、発熱部成形材料で自己温
度制御機能を有する発熱部1を形成するので、発熱部1
が熱膨張や収縮によりその抵抗値を増減させて自己に流
れる電流量を調節することによって発熱量を調節するこ
とができ、配線12等の外部に温度制御装置を設けるこ
となく、所望の温度で一定に保つことができるものであ
る。
【0034】上記のように発熱部成形材料で発熱部1が
形成される発熱体Aにおいて、ほぼ同一の線膨張係数を
有する合成樹脂を用いて発熱部1と通電部2を形成する
のが好ましい(請求項4)。このように発熱部1の合成
樹脂と通電部2の合成樹脂をほぼ同一の線膨張係数を有
する合成樹脂を用いて形成することによって、発熱時
(高発熱時)の発熱部1と通電部2の熱膨張量(長さ)
と不発熱時(低発熱時)の発熱部1と通電部2の収縮量
をほぼ同じにすることができ、発熱部1と通電部2の界
面にクラックなどが発生しにくくなって部分的に剥離が
生じないようにすることができる。従って、通電部2か
ら発熱部1への給電量を長期に亘って一定にすることが
できて発熱特性を劣化させずに初期のまま維持すること
ができるものであり、また発熱部1と通電部2の間で放
電現象が生じないようにして発火しないようにすること
ができるものであり、信頼性及び安全性を高くすること
ができるものである。
【0035】尚、発熱部1と通電部2に用いる合成樹脂
の線膨張係数の差が1.0×10-5/℃であれば、これ
ら合成樹脂の線膨張係数はほぼ同一であると言え、具体
的な合成樹脂の組み合わせを例示すると、ポリプロピレ
ンとポリエチレン、及びPBT樹脂とポリエチレンテレ
フタレート樹脂(PET樹脂)などを挙げることができ
る。
【0036】次に具体例を示す。具体例の発熱体Aは図
3に示すように発熱部1の両表面のそれぞれに通電部2
を形成したものであって、発熱部1を一対の通電部2で
厚み方向に挟んで形成されている。そして発熱部1と通
電部2を構成する合成樹脂としてはPBT樹脂を用い
た。比較の対象として発熱部1を構成する合成樹脂とし
てPBT樹脂、通電部2を構成する合成樹脂としてPB
T樹脂にガラス繊維を30重量%配合したものをそれぞ
れ用いた具体例と同形の発熱体Dを形成した。尚、PB
T樹脂の線膨張係数は8.1×10-5/℃であり、PB
T樹脂にガラス繊維を配合したものの線膨張係数は6.
0×10-5/℃となった。
【0037】これらの発熱体A、DにAC100Vの電
圧を電源11から通電部2に印加して通電した。通電の
仕方は10分間の通電状態と30分間の不通電状態を1
サイクルとして、これを300サイクル繰り返した。こ
の時、発熱体A、Dは通電時に100℃の状態となり、
不通電時に常温の約25℃となるような温度変化をし
て、熱膨張と収縮を繰り返すことになるが、発熱体Aの
方は300サイクル経過後であっても、外観上の変化も
なく発熱部1と通電部2の界面にクラックの発生が見ら
れず、しかも通電時に100℃まで昇温して一定の温度
を保持している。一方、発熱体Dの方は約120サイク
ル経過後に発熱部1と通電部2の界面にクラックの発生
が見られ、しかも通電時に発熱温度の低下(約85℃)
が見られた。そして発熱体A、Dの発熱部1と通電部2
の接合界面を観察したところ、発熱体Aにはクラックな
どの異常は観察されなかったが、発熱体Dには界面にて
微小なクラックが界面に沿って水平方向に発生してい
た。
【0038】つまり、発熱体Dでは通電部2の合成樹脂
にガラス繊維を配合することによって、通電部2の線膨
張係数が低下して発熱部1の線膨張係数と大きく異なる
ようになり、よって、発熱部1と通電部2の膨張量や収
縮量が大きく異なって発熱部1と通電部2の接合界面に
クラックが発生して部分的に剥離して隙間ができたため
に、通電部2から発熱部1への給電量を一定にすること
ができなくなり、発熱温度が低下したものと考えられ
る。
【0039】また、上記のように発熱部成形材料で発熱
部1が形成される発熱体Aにおいて、発熱部1の合成樹
脂と通電部2の合成樹脂は同一のものを用いるのが好ま
しい(請求項5)。このように発熱部1の合成樹脂と通
電部2の合成樹脂を同一にすることによって、発熱部1
と通電部2の界面での接着力を充分に得ることができ、
熱負荷がかかっても発熱部1と通電部2の界面にクラッ
クなどが発生しにくくなって部分的に剥離が生じないよ
うにすることができる。従って、通電部2から発熱部1
への給電量を長期に亘って一定にすることができて発熱
特性を劣化させずに初期のまま維持することができるも
のであり、また発熱部1と通電部2の間で放電現象が生
じないようにして発火しないようにすることができるも
のであり、信頼性及び安全性を高くすることができるも
のである。
【0040】次に具体例を示す。具体例の発熱体Aは図
3に示すように発熱部1の両表面のそれぞれに通電部2
を形成したものであって、発熱部1を一対の通電部2で
厚み方向に挟んで形成されている。そして発熱部1と通
電部2を構成する合成樹脂としてはPBT樹脂を用い
た。比較の対象として発熱部1を構成する合成樹脂とし
てポリプロピレン樹脂、通電部2を構成する合成樹脂と
してPBT樹脂をそれぞれ用いた具体例と同形の発熱体
Dを形成した。
【0041】これらの発熱体A、DにAC100Vの電
圧を電源11から通電部2に印加して連続的に通電し
た。この時の発熱体A、Dの温度変化を図4に示す。図
4から判るように、発熱体A、Dのいずれもが通電直後
から発熱して100℃に達し、ほぼ一定の温度(100
℃)を維持するようになる。また100時間の通電後に
おいては、発熱体A、Dのいずれもが外観上の変化もな
く100℃で一定の温度を保持している。しかしながら
300時間の通電後においては、発熱体Aは外観上の変
化もなく100℃で一定の温度を保持しているが(曲線
イを参照)、発熱体Dは85℃程度で一定の温度となっ
ていた(曲線ロを参照)。そして発熱体A、Dの発熱部
1と通電部2の接合界面を観察したところ、発熱体Aに
はクラックなどの異常は観察されなかったが、発熱体D
には界面にて微小なクラックが界面に沿って水平方向に
発生していた。つまり、発熱体Dでは300時間連続通
電すると、発熱部1と通電部2の接合界面にクラックが
発生して部分的に剥離して隙間ができたために、通電部
2から発熱部1への給電量を一定にすることができなく
なり、発熱温度が低下したものと考えられる。
【0042】図5に本発明の請求項6に対応する実施の
形態を示す。この発熱体Aは、発熱部1の両表面のそれ
ぞれに通電部2を全面に亘って形成したものであって、
発熱部1を一対の通電部2で厚み方向に挟んで形成され
ている。また発熱部1の表面はその厚み方向に波打つ波
形状に形成されていると共に通電部2は発熱部1の波形
状に対応させた厚み方向に波打つ波板状に形成されてお
り、通電部2は発熱部1の表面に沿わせて密着させてあ
る。
【0043】このように通電部2を伸縮自在な柔軟性の
ある波板状に形成するので、発熱部1の熱膨張や収縮に
追従させて通電部2を膨張させたり収縮させたりするこ
とができ、発熱部1と通電部2の界面にクラックなどが
発生しにくくなって部分的に剥離が生じないようにする
ことができる。従って、通電部2から発熱部1への給電
量を長期に亘って一定にすることができて発熱特性を劣
化させずに初期のまま維持することができるものであ
り、また発熱部1と通電部2の間で放電現象が生じない
ようにして発火しないようにすることができるものであ
り、信頼性及び安全性を高くすることができるものであ
る。さらに発熱部1と通電部2を同一の合成樹脂で形成
する必要もなく、やむをえず発熱部1と通電部2を異な
る合成樹脂で形成する場合に有効である。尚、通電部2
の形状は伸縮自在な柔軟性のある形状であればよく、例
えば、通電部2をコイル状に形成してもよい。
【0044】図6に請求項7に対応する実施の形態の一
例を示す。この発熱体Aは、発熱部1の側面の全面が接
続面13として形成されており、この接続面13の全面
に亘って通電部2が設けられている。通電部2の発熱部
側の面(内側面)は接続面13と接触する通電面15と
して形成されており、通電部2にはこの通電面15から
反対側の面(外側面)にまで至る貫通孔14が多数個形
成されている。従って、発熱部1の接続面13の表面積
は通電部2の通電面15の表面積よりも大きくなってお
り、言い換えれば、発熱部1の接続面13の表面積は発
熱部1と通電部2の接触面積よりも大きくなっている。
【0045】このように通電部2に多数個の貫通孔14
を設けて発熱部1の接続面13の表面積を通電部2の通
電面15の表面積よりも大きく形成するので、貫通孔1
4により通電部2の膨張や収縮を吸収することによっ
て、発熱部1の熱膨張や収縮に追従させて通電部2を膨
張させたり収縮させたりすることができ、発熱部1と通
電部2の界面にクラックなどが発生しにくくなって部分
的に剥離が生じないようにすることができる。従って、
通電部2から発熱部1への給電量を長期に亘って一定に
することができて発熱特性を劣化させずに初期のまま維
持することができるものであり、また発熱部1と通電部
2の間で放電現象が生じないようにして発火しないよう
にすることができるものであり、信頼性及び安全性を高
くすることができるものである。さらに発熱部1と通電
部2を同一の合成樹脂で形成する必要もなく、やむをえ
ず発熱部1と通電部2を異なる合成樹脂で形成する場合
に有効である。
【0046】図7に請求項7に対応する実施の形態の他
例を示す。この発熱体Aは、発熱部1の側面の全面が接
続面13として形成されており、この接続面13の全面
に亘って通電部2が設けられている。通電部2は複数個
の通電体2aで構成されており、隙間2bを介して通電
体2aをその厚みと直交する方向に並べると共に通電体
2aを接続面13に接触させるようにして通電部2が形
成されている。従って、発熱部1の接続面13の表面積
は通電部2の通電面15の表面積(通電体2aの発熱部
1側の面の合計)よりも大きくなっており、言い換えれ
ば、発熱部1の接続面13の表面積は発熱部1と通電部
2の接触面積よりも大きくなっている。
【0047】このように隙間2bを介して通電体2aを
その厚みと直交する方向に並べて通電部2を形成して発
熱部1の接続面13の表面積を通電部2の通電面15の
表面積よりも大きく形成するので、隙間2bにより通電
部2(通電体2a)の膨張や収縮を吸収することによっ
て、発熱部1の熱膨張や収縮に追従させて通電部2を膨
張させたり収縮させたりすることができ、発熱部1と通
電部2の界面にクラックなどが発生しにくくなって部分
的に剥離が生じないようにすることができる。従って、
通電部2から発熱部1への給電量を長期に亘って一定に
することができて発熱特性を劣化させずに初期のまま維
持することができるものであり、また発熱部1と通電部
2の間で放電現象が生じないようにして発火しないよう
にすることができるものであり、信頼性及び安全性を高
くすることができるものである。さらに発熱部1と通電
部2を同一の合成樹脂で形成する必要もなく、やむをえ
ず発熱部1と通電部2を異なる合成樹脂で形成する場合
に有効である。
【0048】図8に請求項7に対応する実施の形態の他
例を示す。この発熱体Aは、発熱部1の側面の全面が接
続面13として形成されており、この接続面13の全面
に亘って通電部2が設けられている。通電部2の発熱部
側の面(内側面)は接続面13と接触する通電面15と
して形成されており、通電部2にはこの通電面15から
反対側の面(外側面)にまで至る菱形状の通孔16が多
数個形成されている。つまり、通電部2は網状に形成さ
れるものであって、発熱部1の接続面13の表面積は通
電部2の通電面15の表面積よりも大きくなっており、
言い換えれば、発熱部1の接続面13の表面積は発熱部
1と通電部2の接触面積よりも大きくなっている。
【0049】このように通電部2に多数個の通孔16を
設けて発熱部1の接続面13の表面積を通電部2の通電
面15の表面積よりも大きく形成するので、通孔16に
より通電部2の膨張や収縮を吸収することによって、発
熱部1の熱膨張や収縮に追従させて通電部2を膨張させ
たり収縮させたりすることができ、発熱部1と通電部2
の界面にクラックなどが発生しにくくなって部分的に剥
離が生じないようにすることができる。従って、通電部
2から発熱部1への給電量を長期に亘って一定にするこ
とができて発熱特性を劣化させずに初期のまま維持する
ことができるものであり、また発熱部1と通電部2の間
で放電現象が生じないようにして発火しないようにする
ことができるものであり、信頼性及び安全性を高くする
ことができるものである。さらに発熱部1と通電部2を
同一の合成樹脂で形成する必要もなく、やむをえず発熱
部1と通電部2を異なる合成樹脂で形成する場合に有効
である。
【0050】上記のような発熱体Aにおいて、発熱部1
を構成する合成樹脂としてはエラストマーと言われる弾
性体を用いることができる(請求項8)。つまり、常温
で加流ゴムと同様のゴム弾性を有する合成樹脂を用いて
発熱部1を形成するのであって、その特性としては硬さ
がショアA5からD80までのものが好ましい。具体的
にはポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリエステル
系、ポリウレタン系、ポリアミド系などの合成樹脂を用
いることができるが、この限りではない。また発熱体A
の形状は図1、図3、図5、図6乃至8に示すもののい
ずれであってもよく、これら以外の形状であってもよ
い。
【0051】このように発熱部1をゴム弾性を有する合
成樹脂を用いて形成することによって、発熱部1の熱膨
張や収縮を通電部2に追従させることができ、発熱部1
と通電部2の界面にクラックなどが発生しにくくなって
部分的に剥離が生じないようにすることができる。従っ
て、通電部2から発熱部1への給電量を長期に亘って一
定にすることができて発熱特性を劣化させずに初期のま
ま維持することができるものであり、また発熱部1と通
電部2の間で放電現象が生じないようにして発火しない
ようにすることができるものであり、信頼性及び安全性
を高くすることができるものである。
【0052】図9に本発明の他の実施の形態を示す。こ
の発熱体Aは、通電部2を発熱部1の厚み方向に並設し
たものである(請求項9)。つまり発熱部1の両表面
(短軸方向と垂直な面)のそれぞれに通電部2を全面に
亘って形成したものであって、発熱部1を一対の通電部
2で厚み方向に挟んで形成されている。そしてこのよう
に通電部2を発熱部1の厚み方向に並設するので、通電
部2を発熱部1の側面(長軸と垂直な面)に設けるより
も通電部2の間隔を小さくすることができ、発熱部1を
均一に昇温することができるものである。
【0053】発熱部1は複数の抵抗体が直列に接続され
たものと考えられるため、通電部2と近接する部分は通
電と同時に発熱するが、発熱部1の通電部2から離れた
部分(略中央部)は通電よりも少し遅れて発熱する。従
って、自己温度制御機能により通電部2と近接する部分
の抵抗値が高くなって発熱部1に電流が流れにくくなる
と、発熱部1の通電部2から離れた部分が通電部2と近
接する部分の温度と同じになる前に、発熱部1の通電部
2から離れた部分が発熱しにくくなる。つまり、通電部
2の間隔が大きくなるにしたがって、発熱部1に発熱す
る部分と発熱しない部分による温度差が生じることにな
る。そこで図9の実施の形態では、通電部2の間隔をで
きるかぎり小さくして発熱部1を均一に昇温して発熱さ
せるようにしたのである。
【0054】図10に本発明の他の実施の形態を示す。
この発熱体Aは図9のものにおいて、発熱部1の内部に
補強部材3を埋設して形成されている(請求項10)。
補強部材3は薄い板状であって、補強部材3は発熱部1
の内部に設けるだけでなく、通電部2内、あるいは通電
部2と発熱部1の界面、あるいは発熱部1や通電部2の
外周に設けてもよい。また補強部材3は発熱時に発熱部
1や通電部2よりも剛性の高い材料であればよく、抵抗
値の高い非導電性材料を用いて形成することができる
が、抵抗値の小さい導電性材料を用いて形成するのが好
ましく、例えば、銅やアルミニウムや鉄やニッケルなど
の金属材料、あるいはチタン酸バリウムなどの無機材
料、あるいはブタジエンゴムなどの有機材料を挙げるこ
とができる。さらに補強部材3は発熱部1に一つだけ設
けてもよいし、複数個設けてもよく、複数個の補強部材
3を用いる場合は、それらの材料を異ならせて形成して
もよい。発熱部1や通電部2を合成樹脂をベースとする
発熱部成形材料や通電部成形材料で形成した場合、通電
により所定の温度にまで発熱体Aが発熱すると、外部か
らの応力や自重により発熱部1や通電部2が容易に変形
したり破壊したりする恐れがあるが、この発熱体Aでは
発熱部1に補強部材3を設けるので、補強部材3で発熱
部1や通電部2を補強することができ、発熱時における
発熱部1や通電部2の変形や破壊を起こりにくくするこ
とができる。
【0055】図10に示すように、補強部材3を発熱部
1の内部に設けた発熱体Aにおいて、補強部材3を軟化
点、融点、熱変形温度の少なくとも一つの値が発熱部1
の合成樹脂よりも大きい電気絶縁性を有する材料で形成
することができる(請求項11)。発熱部1の合成樹脂
としてポリプロピレン樹脂を用いた場合は、この樹脂よ
りも熱変形温度の値が高いABS樹脂やポリカーボネー
ト樹脂(PC)やポリフェニレンサルファイド(PP
S)樹脂などを用いることができ、その他チタン酸バリ
ウムなどの無機材料やブタジエンゴムなどの有機材料を
用いることができる。
【0056】上記のように、発熱時において発熱部1や
通電部2の変形や破壊を起こした場合、通電部2が接触
状態となることがあり、このまま通電されていると短絡
によって発火して火災等を引き起こすことがある。そこ
で上記発熱体Aでは、軟化点、融点、熱変形温度の少な
くとも一つの値が発熱部1の合成樹脂よりも大きく、し
かも電気絶縁性を有する材料で形成される補強部材3
を、発熱部1の内部において一対の通電部2の間に設け
たので、発熱部1が熱変形しても補強部材3を熱変形し
ないようにして初期の形状を保持させることができ、し
かも発熱部1が熱変形しても補強部材3によって通電部
2の接触を防止することができ、通電部2の短絡による
発火が起こらないようにすることができる。
【0057】図11に本発明の他の実施の形態を示す。
この発熱体Aは図9のものにおいて、通電部2とは別体
に形成される端子部4を設けて形成されている(請求項
12)。端子部4は固着片4aと端子片4bとで断面略
L字状に形成される金具であって、固着片4aが導電性
接着剤による接着や熱融着やかしめ等の機械的方法など
で各通電部2に取り付けられている。そして各端子片4
bは通電部2の一方の端部から外側に突出すると共に上
下に互いに対向するように配置されている。尚、複数個
の端子部4を一つの通電部2に対して設けてもよく、ま
た端子部4の取付位置や形状には特に制限はない。
【0058】この発熱体Aでは、100Vのコンセント
などの外部給電端子に端子部4を差し込んで接続するよ
うにして通電部2に給電することができ、給電を簡単に
行うことができるものである。端子部4は低融点金属と
フラックスと合成樹脂、及び必要に応じて配合される金
属繊維や金属粉末の混合物である端子部成形材料で成形
して形成することができる(請求項13)。端子部成形
材料は上記の通電部成形材料と同様にして調製したり成
形したりすることができる。従って、発熱部1や通電部
2を同時成形する際に端子部4も同時に成形することが
でき、発熱体Aの製造を容易に、且つ安価に行うことが
でき、しかも通電部2と同様に複雑な三次元形状の端子
部4も簡単に形成することができる。
【0059】図12(a)(b)に端子部4の他例を示
す。この端子部4は、銅やアルミニウムやニッケルや鉄
などの金属材料で形成される芯材5を上記の端子部成形
材料の硬化物である外被層18で全面に亘って被覆して
埋設したものである(請求項14)。芯材5は棒状の基
材部5aに複数本の突出片5bを両側に突出させて形成
されている。尚、芯材5を全面に亘って完全に被覆する
必要はなく、一部は露出していてもよい。また芯材5の
形状は端子部4の形状と相似形でなくてもよい。
【0060】この端子部4は、端子部成形材料の成形物
よりも強度の大きい芯材5を埋設して形成するので、端
子部成形材料の成形物のみで端子部4を形成するよりも
曲げ強度などの機械的強度を大きくすることができ、破
損しにくくすることができる。図12(a)(b)の端
子部4において、通電部2と端子部4の外被層18を同
一の合成樹脂を用いて形成するのが好ましい(請求項1
5)。このように通電部2と端子部4の外被層18を同
一の合成樹脂を用いて形成することによって、通電部2
と端子部4の接着力を充分に得ることができ、熱や外部
からの応力などで通電部2と端子部4の界面にクラック
などが発生しにくくなって部分的に剥離が生じないよう
にすることができる。従って、端子部4から通電部2へ
の給電量を長期に亘って一定にすることができて発熱特
性を劣化させずに初期のまま維持することができるもの
であり、また通電部2と端子部4の間で放電現象が生じ
ないようにして発火しないようにすることができるもの
であり、信頼性及び安全性を高くすることができるもの
である。
【0061】図13に請求項16に対応する実施の形態
を示す。この発熱体Aでは、発熱部1と通電部2の接触
部分の全長に亘って発熱部1と通電部2の剥離を防止す
るための剥離防止手段(図13に点々模様で示す)6を
設けて形成されている。従って、発熱部1と通電部2を
剥離防止手段6で強固に接合することができ、長期間の
使用により発熱部1が熱膨張収縮を繰り返しても、発熱
部1と通電部2の界面で部分的に剥離が発生しないよう
にすることができるものであり、よって、通電部2から
発熱部1への給電量を長期に亘って一定にすることがで
きて発熱特性を劣化させずに初期のまま維持することが
できるものであり、また発熱部1と通電部2の間で放電
現象が生じないようにして発火しないようにすることが
できるものであり、信頼性及び安全性を高くすることが
できるものである。尚、通電部2を導電性の網線等の集
合体で形成して、その下面の凹凸を剥離防止手段6とし
てもよい。
【0062】図14に上記剥離防止手段6の一例を示
す。この剥離防止手段6は、通電部2の裏面に形成され
る凹凸形状の係止部25と、発熱部1の表面に形成され
る凹凸形状の嵌合部37とで構成されている(請求項1
7)。係止部25は凹状係止部25bと凸状係止部25
aとで、また嵌合部37は凹状嵌合部37bと凸状嵌合
部37aでそれぞれ構成されている。そして凹状係止部
25bを凸状嵌合部37aに、凸状係止部25aを凹状
嵌合部37bにそれぞれ係止することによって、発熱部
1に通電部2が一体化された発熱体Aを形成することが
できる。
【0063】図15に上記剥離防止手段6の他例を示
す。この剥離防止手段6は図14のものにおいて、係止
部25の凸状係止部25aを断面略台形状のアンダーカ
ット形状に形成すると共に嵌合部37の凹状嵌合部37
bを凸状係止部25aの形状に対応した断面略台形状の
アンダーカット形状に形成し、さらに嵌合部37の凸状
嵌合部37aを断面略台形状のアンダーカット形状に形
成すると共に係止部25の凹状係止部25bを凸状嵌合
部37aの形状に対応した断面略台形状のアンダーカッ
ト形状に形成したものである。そしてこの発熱体Aでは
図14のものよりも発熱部1と通電部2の剥離をより一
層防止することができる。
【0064】図16に上記剥離防止手段6の他例を示
す。この発熱体Aは剥離防止手段6として、発熱部1の
表面に開口する凹溝の保持部26を発熱部1に形成した
ものである(請求項18)。そしてこの保持部26に通
電部2を嵌め込むことによって、発熱部1に通電部2が
一体化された発熱体Aを形成することができる。尚、保
持部26はアンダーカット形状に形成してもよい。
【0065】図17に請求項19に対応する実施の形態
を示す。この発熱体Aは、発熱部1の表面及び通電部2
の表面を絶縁性材料で形成される絶縁部20で全面に亘
って被覆して形成されるものであって、端子部4を絶縁
部20から突出させたものである。絶縁部20を形成す
る絶縁性材料としては、体積抵抗値が1010Ω・cm以
上のものを用いることができ、具体的にはポリプロピレ
ン樹脂、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂を好適に使用
することができる。また発熱部1の表面及び通電部2の
表面に絶縁部20を形成するにあたっては、絶縁性材料
を塗布して硬化させたり、発熱部1と通電部2を絶縁性
材料でインサート成形したりして行うことができる。
【0066】このように発熱部1の表面及び通電部2の
表面を絶縁性材料で被覆することによって、発熱部1や
通電部2に直接触れないようにすることができ、感電を
防止することができるものである。図18に請求項20
に係るヘアーセット器Bの実施の形態の一例を示す。こ
のヘアーカール器Bは円筒状に形成されるヘアーカーラ
ーであって、絶縁物で形成される円筒状の毛髪巻胴部4
5の内部に上記いずれかの発熱体Aを設けて形成されて
いる。この発熱体Aは円筒状の発熱部1の外面と内面の
それぞれに通電部2を設けて形成されており、外側の通
電部2の外面が毛髪巻胴部45の内面に接触させてあ
る。また各通電部2には端子部4が発熱部1の端部より
突出するように設けられている。この毛髪巻胴部45の
両端部は毛髪巻胴部45の中央部よりも太くなった毛髪
巻胴端部46として形成されており、毛髪が巻きやすく
なっている。また毛髪巻胴部45にはその円周に沿って
複数本の毛髪巻胴リブ部47が突設されており、毛髪が
巻きやすいと同時に毛髪巻胴部45を触った際の熱さを
低減することができるようになっている。また毛髪巻胴
部45が柔軟性を有した材料であれば使用時の感触を向
上させることができる。
【0067】このヘアーカーラーでは、発熱体Aに給電
して発熱させることによって、毛髪巻胴分45を発熱体
Aで温めることができるものである。そして上記のよう
な形状に制限が少なく、安価な発熱体Aを用いているの
で、毛髪巻胴部45に対応した形状に形成された発熱体
Aを用いることができ、複雑な形状の毛髪巻胴部45で
あっても容易に且つ安価に形成することができるもので
ある。
【0068】図19(a)(b)に請求項20に係るヘ
アーセット器Bの実施の形態の他例を示す。このヘアー
カール器Bはヘアーブラシであって、図19(b)に示
すように、ブラシ本体48の発熱体保持部49の外面の
全面に発熱部1を一対の通電部2で上下に(厚み方向)
に挟んで形成される発熱体Aを設け、発熱体Aの外面に
ブリスル台52を配設すると共にブリスル台52の外面
に複数本のブリスル53を設け、ブリスル台52の端部
に形成されるブリスル台凸部50をブラシ凹部51に係
合することによって形成されている。そして発熱体Aは
ブリスル台52と密着し、このブリスル台52と発熱体
保持部49とで狭持されて保持されている。またブラシ
本体48の後部は握持部60として形成されており、先
端にプラグ57を設けたコード56が握持部60から導
出されている。
【0069】このヘアーブラシでは、プラグ57をコン
セントに差して発熱体Aに給電して発熱させることによ
って、ブリスル台52を発熱体Aで温めることができる
ものである。そして上記のような形状に制限が少なく、
安価な発熱体Aを用いているので、ブラシ本体48やブ
リスル台52に対応した形状に形成された発熱体Aを用
いることができ、複雑な形状のブラシ本体48やブリス
ル台52であっても容易に且つ安価に形成することがで
きるものである。
【0070】図20(a)(b)に請求項20に係るヘ
アーセット器Bの実施の形態の他例を示す。このヘアー
セット器Bはドライヤーであって、ドライヤー本体62
の先端面には空気吐出口66が形成されていると共にド
ライヤー本体62の後部には金網等で形成される空気吸
引部68が形成されている。またドライヤー本体62に
は下方に突出する把手部64が設けられており、先端に
プラグ57を設けたコード56が把手部64から導出さ
れている。また、図20(b)に示すようにドライヤー
本体62には、上記いずれかの発熱体Aと、ファン70
を設けたモーター71が内蔵されており、それぞれコー
ド56と電気的に接続される電源装置(図示省略)に接
続されている。
【0071】このようなドライヤーは、プラグ57をコ
ンセントに差した状態でスイッチをオンにすると、発熱
体Aが給電されて発熱すると共にモーター71が作動し
てファン70が回転する。このファン70の回転によっ
て、空気吸引部68からドライヤー本体62内に空気が
導入されると共に導入された空気が発熱体Aで暖めら
れ、さらに暖められた空気が空気吐出口66から導出さ
れる。
【0072】このドライヤーでは、上記のような形状に
制限が少なく、安価な発熱体Aを用いているので、ドラ
イヤー本体62に対応した形状に形成された発熱体Aを
用いることができ、複雑な形状のドライヤー本体62で
あっても容易に且つ安価に形成することができるもので
ある。図21(a)(b)に請求項21に係る発熱装置
Cの実施の形態の一例を示す。この発熱装置Cは便座で
あって、合成樹脂等で形成される便座本体30は、その
略中央部に孔部31を表裏に開口させて形成してあり、
孔部31の周囲は座部32として形成されている。また
便座本体30の後側には、発熱体Aと電気的に接続され
るコード56が導出してあり、コード56の先端にはプ
ラグ57が取り付けてある。また便座本体30は、上カ
バー30aの下面に下カバー30bを設けて形成されて
おり、上カバー30aの下面に突設した連結片33を下
カバー30bの上面に設けた連結凹部34に差し込むこ
とによって、上カバー30aと下カバー30bが結合さ
れている。そして上カバー30aと下カバー30bの間
において、発熱部1を一対の通電部2で上下(厚み方
向)に挟んで形成される発熱体Aを座部32のほぼ全長
に亘って設けることによって、便座が形成されている。
【0073】この便座は、プラグ57をコンセントに差
して発熱体Aに給電して発熱させることによって、便座
本体30の座部32(上カバー30a)を発熱体Aで温
めて冬場などに腰掛けても冷たさを感じないようにする
ことができるものである。そしてこの便座は上記のよう
な形状に制限が少なく、安価な発熱体Aを用いているの
で、便座本体30に対応した形状に形成された発熱体A
を用いることができ、複雑な形状の便座本体30であっ
ても容易に且つ安価に形成することができるものであ
る。
【0074】図22(a)(b)に請求項21に係る発
熱装置Cの実施の形態の一例を示す。この発熱装置Cは
ホットカーペットであって、カーペット本体38内に上
記いずれかの発熱体Aを埋設することによって形成され
ている。カーペット本体38の上面の隅部には、発熱体
Aと電気的に接続される制御部39が設けてあり、この
制御部39からコード56が導出してあると共にコード
56の先端にはプラグ57が設けてある。カーペット本
体38は、多数本の毛部35を植毛した上カーペット布
36と下カーペット布37で構成されており、上カーペ
ット布36と下カーペット布37の間に、発熱部1を一
対の通電部2で上下(厚み方向)に挟んで形成される発
熱体Aを挟み込んで全面に亘って埋設することによって
ホットカーペットが形成されている。
【0075】このホットカーペットは、プラグ57をコ
ンセントに差して制御部39で給電量を調節しながら発
熱体Aに給電して発熱させることによって、上カーペッ
ト布36を発熱体Aで温めて身体を温めるものである。
そしてこのホットカーペットは上記のような形状に制限
が少なく、安価な発熱体Aを用いているので、ホットカ
ーペット本体38に対応した形状に形成された発熱体A
を用いることができ、複雑な形状のホットカーペット本
体38であっても容易に且つ安価に形成することができ
るものである。
【0076】図23(a)(b)に請求項21に係る発
熱装置Cの実施の形態の一例を示す。この発熱装置Cは
パネルヒーターであって、プラスチック等で形成される
平面視で略コ字状のパネル本体40内に上記いずれかの
発熱体Aを埋設することによって形成されている。パネ
ル本体40の後側には、発熱体Aと電気的に接続される
コード56が導出してあり、コード56の先端にはプラ
グ57が取り付けてある。またパネル本体40は、板状
の表面パネル40aと背面パネル40bで構成されてお
り、表面パネル40aと背面パネル40bの間に、発熱
部1を一対の通電部2で前後(厚み方向)に挟んで形成
される発熱体Aを挟み込んで全面に亘って埋設すること
によってパネルヒーターが形成されている。
【0077】このパネルヒーターは、プラグ57をコン
セントに差して発熱体Aに給電して発熱させることによ
って、表面パネル40aを発熱体Aで温めて室内を温め
るものである。そしてこのパネルヒーターは上記のよう
な形状に制限が少なく、安価な発熱体Aを用いているの
で、パネル本体40に対応した形状に形成された発熱体
Aを用いることができ、複雑な形状のパネル本体40で
あっても容易に且つ安価に形成することができるもので
ある。
【0078】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に記載の
発明は、発熱部に少なくとも一対の通電部を設け、通電
部から発熱部に通電することによって発熱部を発熱させ
る発熱体において、低融点金属とフラックスと合成樹脂
の混合物で通電部を成形したので、プレス機や金型等を
用いて曲げ加工や打抜き加工して通電部を形成する場合
に比べて、通電部を発熱部の形状に対応した所望の形状
に容易に成形して形成することができ、発熱部が三次元
的な複雑な形状であっても容易に通電部を形成すること
ができ、形状の制限が少なく自由な形状でしかも安価に
することができるものである。また通電部をメッキで形
成する場合のように、洗浄や塗布や乾燥などの多くの工
程が必要でなく、しかも廃液などの処理も必要でないの
で、製造コストを低くすることができると共に環境汚染
も低減することができるものである。
【0079】また本発明の請求項2に記載の発明は、
鉄、アルミニウム、銅、カーボン等の導電性を有する導
電性材料と合成樹脂の混合物で発熱部を形成したので、
セラミックなどで発熱部を形成するよりも軽量化を図る
ことができるものである。また成形により発熱部を形成
するので、発熱部を三次元的な複雑な形状に容易に形成
することができ、形状の制限が少なく自由な形状にする
ことができるものである。しかも通電部と発熱部を同時
に成形して形成することができ、製造工程が少なくなっ
てコストを低くすることができるものである。
【0080】また本発明の請求項3に記載の発明は、発
熱部が自己温度制御機能を有しているので、発熱部が熱
膨張や収縮によりその抵抗値を増減させて自己に流れる
電流量を調節することによって発熱量を調節することが
でき、外部に温度制御装置を設けることなく、所望の温
度で一定に保つことができるものである。また本発明の
請求項4に記載の発明は、ほぼ同一の線膨張係数を有す
る合成樹脂を用いて発熱部と通電部を形成するので、発
熱時の発熱部と通電部の熱膨張量と不発熱時の発熱部と
通電部の収縮量をほぼ同じにすることができ、発熱部と
通電部の界面にクラックなどが発生しにくくなって部分
的に剥離が生じないようにすることができ、従って、通
電部から発熱部への給電量を長期に亘って一定にするこ
とができて発熱特性を劣化させずに初期のまま維持する
ことができるものであり、また発熱部と通電部の間で放
電現象が生じないようにして発火しないようにすること
ができるものであり、信頼性及び安全性を高くすること
ができるものである。
【0081】また本発明の請求項5に記載の発明は、同
一の合成樹脂を用いて発熱部と通電部を形成したので、
発熱部と通電部の界面での接着力を充分に得ることがで
き、熱負荷がかかっても発熱部と通電部の界面にクラッ
クなどが発生しにくくなって部分的に剥離が生じないよ
うにすることができ、従って、通電部から発熱部への給
電量を長期に亘って一定にすることができて発熱特性を
劣化させずに初期のまま維持することができるものであ
り、また発熱部と通電部の間で放電現象が生じないよう
にして発火しないようにすることができるものであり、
信頼性及び安全性を高くすることができるものである。
【0082】また本発明の請求項6に記載の発熱体A
は、請求項1乃至5のいずれかの構成に加えて、通電部
を伸縮自在な形状に形成するので、発熱部の熱膨張や収
縮に追従させて通電部を膨張させたり収縮させたりする
ことができ、発熱部と通電部の界面にクラックなどが発
生しにくくなって部分的に剥離が生じないようにするこ
とができ、従って、通電部から発熱部への給電量を長期
に亘って一定にすることができて発熱特性を劣化させず
に初期のまま維持することができるものであり、また発
熱部と通電部の間で放電現象が生じないようにして発火
しないようにすることができるものであり、信頼性及び
安全性を高くすることができるものである。
【0083】また本発明の請求項7に記載の発明は、通
電部の発熱部側の面の表面積を発熱部の通電部側の面の
表面積よりも小さく形成するので、発熱部の熱膨張や収
縮に追従させて通電部を膨張させたり収縮させたりする
ことができ、発熱部と通電部の界面にクラックなどが発
生しにくくなって部分的に剥離が生じないようにするこ
とができ、従って、通電部から発熱部への給電量を長期
に亘って一定にすることができて発熱特性を劣化させず
に初期のまま維持することができるものであり、また発
熱部と通電部の間で放電現象が生じないようにして発火
しないようにすることができるものであり、信頼性及び
安全性を高くすることができるものである。
【0084】また本発明の請求項8に記載の発明は、発
熱部をゴム弾性を有する合成樹脂を用いて形成するの
で、発熱部の熱膨張や収縮を通電部に追従させることが
でき、発熱部と通電部の界面にクラックなどが発生しに
くくなって部分的に剥離が生じないようにすることがで
き、従って、通電部から発熱部への給電量を長期に亘っ
て一定にすることができて発熱特性を劣化させずに初期
のまま維持することができるものであり、また発熱部と
通電部の間で放電現象が生じないようにして発火しない
ようにすることができるものであり、信頼性及び安全性
を高くすることができるものである。
【0085】また本発明の請求項9に記載の発明は、通
電部を発熱部の厚み方向に並設するので、通電部を発熱
部1の側面に設けるよりも通電部の間隔を小さくするこ
とができ、発熱部を均一に昇温することができるもので
ある。また本発明の請求項10に記載の発明は、発熱部
に補強部材を設けるので、補強部材で発熱部を補強する
ことができ、発熱時における発熱部の変形や破壊を起こ
りにくくすることができる。
【0086】また本発明の請求項11に記載の発明は、
軟化点、融点、熱変形温度の少なくとも一つが発熱部よ
りも大きい絶縁性材料で補強部材を形成し、この補強部
材を発熱部の内部に設けるので、発熱部が熱変形しても
補強部材を熱変形しないようにして初期の形状を保持さ
せることができ、しかも発熱部が熱変形しても補強部材
によって通電部の接触を防止することができ、通電部の
短絡による発火が起こらないようにすることができるも
のである。
【0087】また本発明の請求項12に記載の発明は、
通電部に電気を給電するための端子部を通電部に設ける
ので、外部給電端子に端子部を差し込んで接続するよう
にして通電部に給電することができ、給電を簡単に行う
ことができるものである。また本発明の請求項13に記
載の発明は、低融点金属とフラックスと合成樹脂の混合
物で端子部を形成するので、発熱部や通電部を同時成形
する際に端子部も同時に成形することができ、製造を容
易に、且つ安価に行うことができ、しかも通電部と同様
に複雑な三次元形状の端子部も簡単に形成することがで
きるものである。
【0088】また本発明の請求項14に記載の発明は、
端子部に銅やアルミニウムなどの金属材料で形成される
芯材を埋設するので、芯材により端子部の機械的強度を
大きくすることができ、端子部を破損しにくくすること
ができるものである。また本発明の請求項15に記載の
発明は、通電部と端子部を同一の合成樹脂を用いて形成
するので、通電部と端子部の接着力を充分に得ることが
でき、熱や外部からの応力などで通電部と端子部の界面
にクラックなどが発生しにくくなって部分的に剥離が生
じないようにすることができ、従って、端子部から通電
部への給電量を長期に亘って一定にすることができて発
熱特性を劣化させずに初期のまま維持することができる
ものであり、また通電部と端子部の間で放電現象が生じ
ないようにして発火しないようにすることができるもの
であり、信頼性及び安全性を高くすることができるもの
である。
【0089】また本発明の請求項16に記載の発明は、
発熱部と通電部を剥離防止手段で結合するので、発熱部
と通電部を剥離防止手段で強固に接合することができ、
長期間の使用により発熱部が熱膨張収縮を繰り返して
も、発熱部と通電部の界面で部分的に剥離が発生しない
ようにすることができるものであり、よって、通電部か
ら発熱部への給電量を長期に亘って一定にすることがで
きて発熱特性を劣化させずに初期のまま維持することが
できるものであり、また発熱部と通電部の間で放電現象
が生じないようにして発火しないようにすることができ
るものであり、信頼性及び安全性を高くすることができ
るものである。
【0090】また本発明の請求項17に記載の発明は、
通電部に凹凸形状の剥離防止手段を設けるので、発熱部
と通電部を剥離防止手段で強固に接合することができ、
長期間の使用により発熱部が熱膨張収縮を繰り返して
も、発熱部と通電部の界面で部分的に剥離が発生しない
ようにすることができるものであり、よって、通電部か
ら発熱部への給電量を長期に亘って一定にすることがで
きて発熱特性を劣化させずに初期のまま維持することが
できるものであり、また発熱部と通電部の間で放電現象
が生じないようにして発火しないようにすることができ
るものであり、信頼性及び安全性を高くすることができ
るものである。
【0091】また本発明の請求項18に記載の発明は、
発熱部に凹凸形状の剥離防止手段を設けるので、発熱部
と通電部を剥離防止手段で強固に接合することができ、
長期間の使用により発熱部が熱膨張収縮を繰り返して
も、発熱部と通電部の界面で部分的に剥離が発生しない
ようにすることができるものであり、よって、通電部か
ら発熱部への給電量を長期に亘って一定にすることがで
きて発熱特性を劣化させずに初期のまま維持することが
できるものであり、また発熱部と通電部の間で放電現象
が生じないようにして発火しないようにすることができ
るものであり、信頼性及び安全性を高くすることができ
るものである。
【0092】また本発明の請求項19に記載の発明は、
発熱部の表面及び通電部の少なくとも一部の表面を絶縁
性材料で被覆するので、発熱部や通電部に直接触れない
ようにすることができ、感電を防止することができるも
のである。本発明の請求項20に記載の発明は、請求項
1乃至19のいずれかに記載の発熱体Aを用いるので、
上記のような形状に制限が少なく、安価な発熱体を用い
ていることによって、複雑な形状のものであっても容易
に且つ安価に形成することができるものである。
【0093】本発明の請求項21に記載の発明は、請求
項1乃至19のいずれかに記載の発熱体Aを用いるの
で、上記のような形状に制限が少なく、安価な発熱体を
用いていることによって、複雑な形状のものであっても
容易に且つ安価に形成することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す斜視図であ
る。
【図2】同上の温度と比抵抗値の関係を示すグラフであ
る。
【図3】同上の他の実施の形態の一例を示す断面図であ
る。
【図4】同上の時間と温度の関係を示すグラフである。
【図5】同上の他の実施の形態の一例を示す斜視図であ
る。
【図6】同上の他の実施の形態の一例を示す斜視図であ
る。
【図7】同上の他の実施の形態の一例を示す斜視図であ
る。
【図8】同上の他の実施の形態の一例を示す斜視図であ
る。
【図9】同上の他の実施の形態の一例を示す斜視図であ
る。
【図10】同上の他の実施の形態の一例を示す断面図で
ある。
【図11】同上の他の実施の形態の一例を示す斜視図で
ある。
【図12】同上の端子部の一例を示し、(a)は斜視
図、(b)は断面図である。
【図13】同上の他の実施の形態の一例を示す斜視図で
ある。
【図14】同上の他の実施の形態の一例を示す断面図で
ある。
【図15】同上の他の実施の形態の一例を示す断面図で
ある。
【図16】同上の他の実施の形態の一例を示す断面図で
ある。
【図17】同上の他の実施の形態の一例を示す斜視図で
ある。
【図18】同上のヘアーセット器の実施の形態の一例を
示す断面図である。
【図19】同上のヘアーセット器の実施の形態の他例を
示し、(a)は斜視図、(b)は一部の断面図である。
【図20】同上のヘアーセット器の実施の形態の他例を
示し、(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【図21】同上の発熱装置の実施の形態の一例を示し、
(a)は斜視図、(b)はa−aの断面図である。
【図22】同上の発熱装置の実施の形態の他例を示し、
(a)は斜視図、(b)は一部の断面図である。
【図23】同上の発熱装置の実施の形態の他例を示し、
(a)は斜視図、(b)は一部の断面図である。
【符号の説明】
1 発熱部 2 通電部 3 補強部材 4 端子部 5 芯材 6 剥離防止手段 A 発熱体 B ヘアーセット器 C 発熱装置

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発熱部に少なくとも一対の通電部を設
    け、通電部から発熱部に通電することによって発熱部を
    発熱させる発熱体において、低融点金属とフラックスと
    合成樹脂の混合物で通電部を成形して成ることを特徴と
    する発熱体。
  2. 【請求項2】 鉄、アルミニウム、銅、カーボン等の導
    電性を有する導電性材料と合成樹脂の混合物で発熱部を
    形成して成ることを特徴とする請求項1に記載の発熱
    体。
  3. 【請求項3】 発熱部が自己温度制御機能を有して成る
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の発熱体。
  4. 【請求項4】 ほぼ同一の線膨張係数を有する合成樹脂
    を用いて発熱部と通電部を形成して成ることを特徴とす
    る請求項2又は3に記載の発熱体。
  5. 【請求項5】 同一の合成樹脂を用いて発熱部と通電部
    を形成して成ることを特徴とする請求項2乃至4のいず
    れかに記載の発熱体。
  6. 【請求項6】 通電部を伸縮自在な形状に形成して成る
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の発
    熱体。
  7. 【請求項7】 通電部の発熱部側の面の表面積を発熱部
    の通電部側の面の表面積よりも小さく形成して成ること
    を特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の発熱
    体。
  8. 【請求項8】 発熱部をゴム弾性を有する合成樹脂を用
    いて形成して成ることを特徴とする請求項1乃至7のい
    ずれかに記載の発熱体。
  9. 【請求項9】 通電部を発熱部の厚み方向に並設して成
    ることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の
    発熱体。
  10. 【請求項10】 発熱部に補強部材を設けて成ることを
    特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の発熱体。
  11. 【請求項11】 軟化点、融点、熱変形温度の少なくと
    も一つが発熱部よりも大きい絶縁性材料で補強部材を形
    成し、この補強部材を発熱部の内部に設けて成ることを
    特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の発熱
    体。
  12. 【請求項12】 通電部に電気を給電するための端子部
    を通電部に設けて成ることを特徴とする請求項1乃至1
    1のいずれかに記載の発熱体。
  13. 【請求項13】 低融点金属とフラックスと合成樹脂の
    混合物で端子部を形成して成ることを特徴とする請求項
    12に記載の発熱体。
  14. 【請求項14】 端子部に銅やアルミニウムなどの金属
    材料で形成される芯材を埋設して成ることを特徴とする
    請求項12又は13に記載の発熱体。
  15. 【請求項15】 通電部と端子部を同一の合成樹脂を用
    いて形成して成ることを特徴とする請求項12乃至14
    のいずれかに記載の発熱体。
  16. 【請求項16】 発熱部と通電部を剥離防止手段で結合
    して成ることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか
    に記載の発熱体。
  17. 【請求項17】 通電部に凹凸形状の剥離防止手段を設
    けて成ることを特徴とする請求項16に記載の発熱体。
  18. 【請求項18】 発熱部に凹凸形状の剥離防止手段を設
    けて成ることを特徴とする請求項16又は17に記載の
    発熱体。
  19. 【請求項19】 発熱部の表面及び通電部の少なくとも
    一部の表面を絶縁性材料で被覆して成ることを特徴とす
    る請求項1乃至18のいずれかに記載の発熱体。
  20. 【請求項20】 請求項1乃至19のいずれかに記載の
    発熱体を用いて成ることを特徴とするヘアーセット器。
  21. 【請求項21】 請求項1乃至19のいずれかに記載の
    発熱体を用いて成ることを特徴とする発熱装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011029088A (ja) * 2009-07-28 2011-02-10 Harison Toshiba Lighting Corp セラミックヒータ、加熱装置、画像形成装置
JP2012521795A (ja) * 2009-04-03 2012-09-20 ブラウン ゲーエムベーハー 毛ホルダー及びそれを備えるブラシ

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