JPH07176369A - ヒーター - Google Patents

ヒーター

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Publication number
JPH07176369A
JPH07176369A JP5321987A JP32198793A JPH07176369A JP H07176369 A JPH07176369 A JP H07176369A JP 5321987 A JP5321987 A JP 5321987A JP 32198793 A JP32198793 A JP 32198793A JP H07176369 A JPH07176369 A JP H07176369A
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JP
Japan
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heating element
sheet
heating
heater
heat generating
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Application number
JP5321987A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Yamaguchi
哲生 山口
Masatoshi Ishibashi
正敏 石橋
Naoyuki Ashida
直幸 芦田
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Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 正温度係数サーミスターからなる面状発熱体
51と、面状発熱体51の片面に接触するように設けら
れ、流動性熱媒体53が注入されたフレキシブルな容器
52とが備えられているヒーター。 【効果】 正温度係数サーミスターからなる面状発熱体
51を備えたので、温度制御回路を設けなくても、ヒー
ターの発熱温度を一定にすることができる。面状発熱体
51からの熱は、容器52の中の流動性熱媒体53に伝
導する。このため、容器52を被加熱物に接触させれ
ば、被加熱物の形状にかかわらず、効率よく加熱するこ
とが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、様々な形状の被加熱物
を加熱するためのヒーターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】道路の急カーブには、事故防止のため、
カーブミラーが設置されている。
【0003】上記カーブミラーの曇り防止するため、特
開平1−169008号公報では、カーブミラーの裏面
に面状発熱体を貼り付けた、着霜および曇り防止装置が
開示されている。
【0004】面状発熱体は、カーブミラーの湾曲した裏
面に沿うように、綿糸あるいは、ポリエステル等の合成
繊維にアルミニウムの極細線を織り込んだ繊維を布状に
織った構造になっている。この面状発熱体により、カー
ブミラーが加熱されるので、カーブミラーの表面に霜が
付着しにくくなり、曇りを防止できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、カーブミラーと面状発熱体との熱接触が
不充分であり、したがって、カーブミラーを効率よく加
熱できないという問題点を有している。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係るヒーター
は、上記の課題を解決するために、正温度係数サーミス
ターからなる面状発熱体と、面状発熱体の片面に接触す
るように設けられ、流動性熱媒体が注入されたフレキシ
ブルな容器とが備えられていることを特徴としている。
【0007】
【作用】上記の構成によれば、正温度係数サーミスター
からなる面状発熱体を備えたので、温度制御回路を設け
なくても、ヒーターの発熱温度を一定にすることができ
る。面状発熱体からの熱は、容器の中の流動性熱媒体に
伝導する。このため、容器を被加熱物に接触させれば、
流動性熱媒体を介して、被加熱物を加熱することができ
る。しかも、流動性熱媒体が注入された容器はフレキシ
ブルであるので、被加熱物の形状に沿う。したがって、
ヒーターと被加熱物との熱接触が良好になる。このた
め、被加熱物の形状にかかわらず、効率よく加熱するこ
とが可能である。
【0008】
【実施例】本発明の一実施例について図1ないし図12
に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0009】本実施例のヒーターは、図1に示すよう
に、正温度係数サーミスターからなる面状発熱体51
と、面状発熱体51の上面に接触するように設けられ、
流動性熱媒体53が注入されているフレキシブルな容器
52とを備えている。
【0010】容器52は、具体的には例えば、塩化ビニ
ール等の樹脂製の袋体からなっており、この中に、流動
性熱媒体53を注入して、注入口を熱融着により封止し
た構造になっている。
【0011】流動性熱媒体53には、シリコンオイル・
水・グリース等が使用されるが、熱伝導性が高ければ、
いかなる流動体でも使用できる。
【0012】面状発熱体51と流動性熱媒体53とが効
率よく熱接触するように、面状発熱体51と容器52と
は、接着材54あるいは両面テープにより接着される
か、あるいは、図2に示すように、クリップ等のクラン
プ56…により機械的に固定させられる。
【0013】上記の構成において、面状発熱体51の電
極端子55・55に電源を接続すると、面状発熱体51
は発熱し、正温度係数サーミスターの自己温度制御機能
により、一定温度になる。
【0014】面状発熱体51からの熱は、容器52の中
の流動性熱媒体53に伝導する。このため、容器52を
被加熱物に接触させれば、流動性熱媒体53を介して、
被加熱物を加熱することができる。しかも、流動性熱媒
体53が注入されている容器52はフレキシブルである
ので、被加熱物の形状に沿う。したがって、ヒーターと
被加熱物との熱接触が良好になる。このため、被加熱物
の形状にかかわらず、効率よく加熱することが可能であ
る。
【0015】このため、例えば、カーブミラーを加熱す
る場合、カーブミラーの裏面にヒーターの容器52側を
押しつけると、容器52はカーブミラーの湾曲した裏面
に沿って密着する。このため、面状発熱体51からの熱
を流動性熱媒体53を介してカーブミラーに効率よく伝
えることができる。しかも、本ヒーターは自己温度制御
機能を有しているので、外部に温度制御回路を設けなく
てもよい。したがって、安全に、かつ、低コストにカー
ブミラーの曇り防止を行うことができる。
【0016】本ヒーターの発熱カーブの結果を図3に示
す。
【0017】図3のグラフは、容器52の上面の3か所
で測定した温度を時間に対してプロットしたものであ
る。
【0018】なお、加熱テストで用いたヒーターの容器
52は、塩化ビニール製であり、面状発熱体51に両面
テープにより接着された。流動性熱媒体53には、信越
シリコーン社製の粘度が100CPのシリコンオイルが
用いられた。
【0019】測定の結果、正温度係数サーミスターから
なる面状発熱体51を使用しているため、3か所の温度
は、いずれも約45分でほぼ一定となり、流動性熱媒体
53を使用しているため、容器52上における温度分布
も小さいことが分かる。
【0020】次に、上記ヒーターに用いられる面状発熱
体51の具体的な構造について説明する。
【0021】面状発熱体51は、例えば、5個の発熱部
材を内部に備えている。ただし、発熱部材の個数は5個
に限定されるものではない。
【0022】図4に示すように、本実施例にかかる面状
発熱体51は、扁平な略円盤状をなしており、図5およ
び図6に示すように、扁平な円盤状の発熱部材2…、円
板状の金属端子3・3、給電線としてのリード線4・
4、および電気絶縁性被覆部材5で構成されている。上
記の発熱部材2…は、面状発熱体51における中心位
置、および、この中心位置から四方に向かってそれぞれ
所定間隔離れた位置の合計五箇所に配されており、金属
端子3・3と密着状態となっている。また、発熱部材2
…は、その上面および下面に、例えば銀塗料を塗布して
形成された電極2a・2aを備えている。
【0023】発熱部材2は、正温度係数(Positive Tem
perature Coefficient)を有する素材、例えばチタン酸
バリウム等を主原料としたセラミックス半導体からな
り、室温からキュリー温度Tc (抵抗急変温度)までは
低抵抗であるが、キュリー温度Tc を越えると急峻に抵
抗値が増大する特性を有する感熱素子としての正特性サ
ーミスターである。この特性により、発熱部材2は、電
圧が印加されると、最初は、低温であるために抵抗値が
小さくて大電流が流れ、この結果、急激に温度が上昇す
る一方、温度がキュリー温度Tc を越えると抵抗値が急
峻に増大することにより、一定温度以上には温度が上が
らず、一定温度を安定に保つこととなる。
【0024】即ち、発熱部材2は自己温度制御機能を備
える。従って、面状発熱体51は、消費電力が少なく、
温度制御回路や過熱防止回路を省くことができ、小型化
が可能となっている。また、局部過熱による発火等の虞
れもない。尚、この発熱部材2は、材料組成によりキュ
リー温度Tc が、およそ30〜250 ℃の範囲で任意に設定
できるので、本実施例における発熱部材2では、被加熱
物の加熱に有効な電気絶縁性被覆部材5の表面温度が実
現でき、かつ、安全性や省電力化を考慮してキュリー温
度Tc を設定すればよい。
【0025】上記の金属端子3・3は、熱伝導性に優れ
た金網もしくは有孔金属板(但し、図6中、説明の便宜
上、金属端子3・3を金網として示す)を用いるとき
は、面状発熱体51本体よりも若干小さい大きさに形成
されている。そして、金属端子3・3は、発熱部材2…
に通電する電極板としての機能と、発熱部材2…で発生
する熱を電気絶縁性被覆部材5の表面全体に伝達する伝
熱板としての機能とを兼ね備えている。
【0026】上記の金網は、例えば鉄や銅、ステンレス
等で形成されている。金網のメッシュ、即ち網目の大き
さは、例えば、オープニング(目開き)が数十ミクロン
〜数mmとすればよい。また、円板状に形成された金網
の周縁部に、リード線4を半田付けし易いように、例え
ば金網と同一の材料で枠を設けてもよい。さらに、金網
の厚みは、面状発熱体51を軽量化・薄型化することが
できるように、薄くされている。尚、網目の大きさや、
金網の厚みおよび形成方法等は、特に限定されるもので
はない。
【0027】上記の有孔金属板は、例えば銅板やリン青
銅板、アルミニウム板、ステンレス板等を金型等で打ち
抜き、多数の孔を開口することにより形成されている。
有孔金属板の孔の直径は、発熱部材2…の直径よりも小
さければよく、例えば数mm程度とすればよい。また、有
孔金属板の厚みは、面状発熱体51を軽量化・薄型化す
ることができるように、薄くされている。尚、有孔金属
板の厚みや、孔の直径・形成方法・形成位置等は、特に
限定されるものではない。
【0028】各金属端子3は、例えば面状発熱体51の
用途や大きさ、形状等により、金網と有孔金属板もしく
は線状の端子、細長い偏平状の端子等を使い分ければよ
く、表面側の金属端子3と裏面側の金属端子3を必ずし
も同じものにする必要はない。例えば、一方の金属端子
3を金網とし、他方の金属端子3を有孔金属板としても
よい。
【0029】発熱部材2…と金属端子3・3との電気的
な接続は、発熱部材2の電極2aと金属端子3とを、互
いに圧接することにより行われている。また、金属端子
3・3とリード線4・4との電気的な接続は、金属端子
3・3の端面側もしくは内面側にそれぞれ対応するリー
ド線4を例えば半田付けすることにより行われている。
尚、発熱部材2…と金属端子3・3との電気的な接続
を、例えばエポキシ樹脂/銀混合の導電性接着剤で貼着
することにより行ってもよい。
【0030】電気絶縁性被覆部材5は、長繊維を含む充
填材が配合された合成樹脂で一体的に形成されており、
発熱部材2…および金属端子3・3を被覆して密封、即
ち、シールしている。また、電気絶縁性被覆部材5は、
リード線4と金属端子3との半田付け部分に力学的負荷
が掛かって断線等が起こらないように、リード線4・4
の金属端子3側末端部も覆うようになっている。
【0031】なお、ガラス繊維は、一般に、製法により
長繊維と短繊維に分類される。上記の長繊維とは、この
意味で使用されており、長い繊維という意味ではない。
【0032】上記の合成樹脂は、熱収縮率が小さく、電
気絶縁性、機械的強度に優れると共に、発熱部材2…の
発熱温度に耐え得る耐熱性、水蒸気等の水分を内部に通
さない防水性、空気を内部に通さない気密性を備えてい
ること、および、リード線4・4の被覆材料との密着性
が良好であることが必要であり、例えば、不飽和ポリエ
ステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェ
ノール樹脂等の熱硬化性樹脂、あるいは、ポリプロピレ
ン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート
樹脂等の熱可塑性樹脂が用いられる。尚、合成樹脂は、
例えば、価格、使用する充填材との親和性、電気絶縁性
被覆部材5の成形方法、面状発熱体51の用途や大き
さ、形状、面状発熱体51に要求される強度や諸物性等
に応じて、適宜選択すればよい。また、合成樹脂は、硬
化剤や離型剤、低収縮剤、着色剤、増粘剤等を含有して
いてもよい。
【0033】上記の充填材(以下、フィラーと称する)
は、熱伝導性、電気絶縁性および機械的強度に優れると
共に、発熱部材2…の発熱温度に耐え得る耐熱性を備え
ていること、および、合成樹脂との親和性が良好である
ことが必要であり、例えば、有機繊維、無機繊維、有機
粉末、無機粉末等が用いられる。
【0034】有機繊維としては、例えば、木綿、羊毛、
麻等からなる天然繊維、レーヨン等からなる化学繊維、
ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、全芳香族ポリア
ミド樹脂、飽和ポリエステル樹脂等からなる合成繊維等
が用いられる。無機繊維としては、例えば、ガラス繊
維、チタン酸カリウム、ボロン、炭化ケイ素、アルミ
ナ、ポリチタノカルボシラン等が用いられる。
【0035】また、有機粉末としては、例えば、スチレ
ン−ブタジエンゴム等のゴム等が用いられる。無機粉末
としては、例えば、炭酸カルシウム、カオリン、クレ
ー、アルミナ、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、リ
トポン、カットファイバー状やミルドファイバー状のガ
ラスパウダ、ガラスフレーク、ガラスビーズ、ガラスマ
イクロバルーン、アルミノシリケートマイクロバルー
ン、シリカマイクロバルーン、ワラストナイト、ボロン
ナイトライド、微粒子ケイ素、超微粒子状無水シリカ、
石英粉末、タルク、マイカ、三酸化アンチモン等が用い
られる。
【0036】上記の有機粉末および無機粉末の粒子径
は、特に限定されるものではない。尚、有機粉末および
無機粉末の形態は、特に限定されるものではない。
【0037】上記のフィラーは、例えば、価格、使用す
る合成樹脂との親和性、電気絶縁性被覆部材5の成形方
法、面状発熱体51の用途や大きさ、形状、面状発熱体
51に要求される強度や諸物性等に応じて、適宜選択す
ればよい。また、合成樹脂に対するフィラーの配合量
は、特に限定されるものではない。尚、上記のフィラー
は、それぞれを単独で合成樹脂に配合してもよいが長繊
維を含むことが必要である。また、必要に応じて二種類
以上を混合して合成樹脂に配合してもよい。さらに、合
成樹脂とフィラーとの混合方法は、特に限定されるもの
ではない。
【0038】上記の電気絶縁性被覆部材5、即ち面状発
熱体51は、例えば、SMC(SheetMolding Compoun
d)、BMC(Bulk Molding Compound) 等の熱硬化性樹脂
に対しては、加熱圧縮成形法により成形・製造される。
また長繊維強化されたポリプロピレン樹脂やポリアミド
樹脂等の熱可塑性樹脂(スタンパブルシート)に対して
は、加熱した樹脂を冷却、圧縮する圧縮成形法により成
形・製造される。
【0039】上記のSMCによる面状発熱体51の成形
・製造は、以下の手順により行われる。即ち、先ず、フ
ィラーが配合された合成樹脂(以下、コンポジットと称
する)を、所定形状・大きさの3枚のシートに成形し、
このうちの2枚を上面シートおよび下面シートとする一
方、残りの1枚のシートの所定位置に発熱部材2…を収
容可能な大きさの孔を開口して有孔シートとする。尚、
これらシートの厚みや成形方法は、特に限定されるもの
ではない。
【0040】次に、下面シート上に、金属端子3、発熱
部材2…を孔に嵌合した有孔シート、もう一方の金属端
子3をこの順序で所定位置に載置し、さらに金属端子3
上に上面シートを載置する。その後、この積層物をプレ
ス成形機上の金型(図示せず)に設置し、所定条件、即
ち所定の温度・圧力・時間等でプレスすることにより、
コンポジットを熱硬化させ、3枚のシートを一体化して
電気絶縁性被覆部材5を形成する。これにより、発熱部
材2…および金属端子3・3は電気絶縁性被覆部材5内
部に密封され、固定されて面状発熱体51が成形・製造
される。
【0041】また、上記のBMCによる面状発熱体51
の成形・製造は、以下の手順により行われる。即ち、先
ず、コンポジットをペースト状にした後、このペースト
状コンポジットを所定量拡げる。次に、上記のペースト
状コンポジット上に、金属端子3、発熱部材2…とペー
スト状コンポジット、もう一方の金属端子3をこの順序
で所定位置に配置し、さらに金属端子3上にペースト状
コンポジットを所定量拡げる。その後、この積層物を所
定条件でプレスすることにより、コンポジットを熱硬化
させ、電気絶縁性被覆部材5を形成し、面状発熱体51
とする。
【0042】さらに、上記の熱可塑性樹脂による面状発
熱体51の成形・製造は、以下の手順により行われる。
即ち、先ず、コンポジットを所定形状・大きさの3枚の
シートに成形し、このうちの2枚を上面シートおよび下
面シートとする一方、残りの1枚のシートに孔を開口し
て有孔シートとする。尚、これらシートの厚みや成形方
法は、特に限定されるものではない。
【0043】次に、上記3枚のシートを所定温度に加熱
して充分に融かし、下面シート上に、金属端子3、発熱
部材2…を孔に嵌合した有孔シート、もう一方の金属端
子3をこの順序で所定位置に載置し、さらに金属端子3
上に上面シートを載置する。
【0044】あるいは、上述の順序で重ね合わせた後に
加熱してシートを充分に融かしてもよい。その後、この
積層物をプレス成形機上の金型に設置し、所定条件でプ
レスすることにより、コンポジットを融着・冷却させ、
3枚のシートを一体化して電気絶縁性被覆部材5を形成
し、面状発熱体51とする。
【0045】尚、SMC、BMC、および、長繊維強化
された熱可塑性樹脂(スタンパブルシート)による面状
発熱体51の成形・製造の手順は、上記の手順に限定さ
れるものではなく、電気絶縁性被覆部材5により、発熱
部材2…および金属端子3・3が被覆・密閉されて面状
発熱体51が成形・製造される手順であればよい。ま
た、圧縮成形においては、プレスする際に金属端子3・
3同士が接触する虞れが無ければ、有孔シートを省略し
てもよい。この場合、発熱部材2および金属端子3・3
間には、金属端子3・3の孔を通過した合成樹脂が満た
されることとなる。
【0046】ところが、フィラーの繊維長が、金属端子
3の孔の大きさよりも短くなっている場合には、金属端
子3・3の上下にコンポジットを載置してプレスする
と、その圧力により合成樹脂およびフィラーの大部分が
金属端子3の孔を通過して金属端子3・3間に入り込ん
でしまい、金属端子3・3の上下にコンポジットが殆ど
残らなくなる。従って、金属端子3・3の上下には、極
めて薄い電気絶縁性被覆部材5しか形成されなくなり、
金属端子3・3の一部は、電気絶縁性被覆部材5表面に
露出する。即ち、発熱部材2…および金属端子3・3の
電気絶縁性は確保されなくなり、面状ヒーターとして使
用することが不可能となる。
【0047】また、上記の金属端子3・3においては、
金属端子3・3の端面側あるいは内面側にそれぞれリー
ド線4を接続していることにより、金属端子3・3の外
面側にはリード線4・4の接続による凹凸が生じない。
従って、この凹凸を吸収するための厚みを電気絶縁性被
覆部材5に設ける必要がなく、電気絶縁性被覆部材5、
即ち面状発熱体51を薄く形成することができる。これ
により、面状発熱体51を小型化・軽量化・薄型化する
ことができると共に、発熱部材2…で発生した熱を効率
良く被加熱物に伝達することができる。さらに、電気絶
縁性被覆部材5表面(発熱面)が平滑となっており、被
加熱物に密着させることができるので、熱の伝達効率を
より一層向上させることができる。
【0048】上記のリード線4・4は、図示しない電源
コードと接続されており、この電源コードを通じて外部
電源と電気的に接続されている。また、各発熱部材2
は、互いに並列に接続されている。尚、リード線4・4
および電源コードの長さは、特に限定されるものではな
い。
【0049】上記構成の面状発熱体51は、正特性サー
ミスターからなる発熱部材2…を発熱手段としているの
で、通電後に迅速に温度上昇し、所定の温度に達する
と、その温度を保つことになる。よって、電気絶縁性被
覆部材5表面が所定の温度まで迅速に上昇し、被加熱物
を素早く加熱することができる。
【0050】次に、具体例により、上記構成の面状発熱
体51の製造方法を詳細に説明するが、本発明はこれら
により何ら限定されるものではない。尚、以下の具体例
においては、面状ヒーターの形状を扁平な方形状として
いる。
【0051】具体例: SMCによる面状ヒーターの
成形・製造を行った。先ず、昭和高分子株式会社製SM
C(品番:H8D6H ,組成:ポリエステル樹脂33wt%、1
インチ長ガラス繊維32wt%、その他のフィラー35wt%,
密度:1.8g/cm3)を、14.5cm四方に切断して3枚のシー
ト(1枚の重量約73g)とし、このうちの2枚を上面シ
ートおよび下面シートとする一方、残りの1枚のシート
の所定位置に直径15mmの孔を五箇所開口して有孔シート
とした。また、キュリー温度Tc が70℃、抵抗値が 150
Ω、直径が15mm、厚みが 2.5mmの発熱体を用い、網目の
大きさが2mmの金網にリード線を半田付けしたものを金
属端子として用いた。
【0052】次に、下面シートを設置し、この下面シー
ト上に、金属端子および有孔シートをこの順序で載置
し、有孔シートの孔に発熱体を嵌合した後、さらに金属
端子および上面シートをこの順序で載置した。その後、
この積層物を温度 160℃、圧力100kg/cm2にて4分間プ
レスし、ポリエステル樹脂を熱硬化させ、3枚のシート
を一体化して、15cm×15cm×約5mmt の電気絶縁性被覆
部材、即ち面状ヒーターを得た。得られた面状ヒーター
の電気絶縁性は良好であった。
【0053】また、圧力を80kg/cm2に変更した以外は同
一の条件でプレスし、ポリエステル樹脂を熱硬化させた
ところ、同じく15cm×15cm×約5mmt の面状ヒーターを
得た。
【0054】具体例: 長繊維強化された熱可塑性樹
脂(スタンパブルシート)による面状ヒーターの成形・
製造を行った。先ず、ケープラシート株式会社製スタン
バブルシート(品番:C8010-N ,組成:ポリプロピレン
樹脂60wt%、ガラス繊維40wt%,厚み:0.85mm)を、1
4.5cm四方に切断して2枚のシートとし、上面シートお
よび下面シートとした。また、同社製スタンバブルシー
ト(品番:C8040-N ,組成:同上,厚み: 3.3mm)を、
14.5cm四方に切断した後、所定位置に直径15mmの孔を五
箇所開口して有孔シートとした。また、直径が15mm、厚
みが 2.5mmの発熱体を用い、網目の大きさが2mmの金網
にリード線を半田付けしたものを金属端子として用い
た。
【0055】次に、赤外線ヒーターを用いて、上記の上
面シートおよび下面シートを2分30秒間加熱する一方、
有孔シートを4分30秒間加熱して、それぞれ約 200℃に
した後、下面シートを設置し、この下面シート上に、金
属端子および有孔シートをこの順序で載置し、有孔シー
トの孔に発熱体を嵌合した後、さらに金属端子および上
面シートをこの順序で載置した。その後、この積層物を
温度50℃、圧力 100kg/cm2にて40秒間プレスし、ポリプ
ロピレン樹脂を融着・冷却させ、3枚のシートを一体化
して、15cm×15cm×約5mmtの電気絶縁性被覆部材、即ち
面状ヒーターを得た。得られた面状ヒーターの電気絶縁
性は良好であった。
【0056】以上のように、上記構成の面状発熱体51
は、正特性サーミスターからなる扁平な円盤状の発熱部
材2…の上面および下面に設けられた電極2a・2a
に、一対の円板状の金属端子3・3がそれぞれ電気的に
接続され、これら金属端子3・3に一対のリード線4・
4がそれぞれ電気的に接続され、さらに、電気絶縁性被
覆部材5にて全体が被覆されて外部と電気的に絶縁され
ている。このため、電気絶縁性被覆部材5の表面温度
は、発熱部材2…の通電後に所定温度まで迅速に上昇
し、所定温度に達すると、その温度を安定に保つことに
なるので、発熱部材2…で発生する熱を電気絶縁性被覆
部材5を介して被加熱物に効率良く伝達することが可能
となる。
【0057】また、電気絶縁性被覆部材5は、強化用長
繊維を含むフィラーが配合された合成樹脂からなり、圧
縮成形により一体的に形成されている。このため、表
面、即ち発熱面を平滑にすることができると共に、電気
絶縁性被覆部材5による被覆を薄くすることが可能とな
る。
【0058】さらに、金属端子3・3が金網もしくは有
孔金属板もしくは線状端子、細長い偏平状端子等からな
っているので、電気絶縁性被覆部材5を圧縮成形により
一体的に形成する際に、発熱部材2…は、金属端子3・
3の孔を通過した合成樹脂によって固定される。このた
め、部品点数および工程数を削減することができ、低コ
スト化が可能となると共に、小型化・軽量化・薄型化が
可能となる。また、いわゆるユニット化が可能となり、
量産することができる。尚、面状発熱体51の厚みは、
発熱部材2…の厚みにもよるが、例えば3mm程度にする
ことが可能である。
【0059】尚、発熱部材2…の配設位置は、勿論、上
記の位置に限定されるものではなく、例えば、発熱部材
2のキュリー温度Tc や、面状発熱体51の表面温度等
に応じた最適の位置となるように適宜配設すればよい。
【0060】また、上記の実施例では、面状発熱体51
について、発熱部材2を5個用いた場合を例に挙げて説
明したが、発熱部材2の個数は、勿論、上記の5個に限
定されるものではなく、面状発熱体51の大きさや形
状、用途、あるいは発熱部材2の大きさやキュリー温度
Tc 等に応じて適宜変更すればよい。そして、発熱部材
2の形状は、上記の扁平な円盤状に限定されるものでは
なく、扁平な方形状や三角形状等の種々の形状であって
もよく、さらに、必要に応じて、貫通穴を有する円筒状
としてもよい。また、金属端子3・3の形状も、上記の
円板状に限定されるものではなく、楕円状や三角形状、
四角形状、線状等の種々の形状であってもよい。
【0061】また、電気絶縁性被覆部材5、即ち面状発
熱体51の形状や大きさ、厚みも、上記の扁平な略円盤
状に限定されるものではなく、被加熱物の大きさや形状
等に応じて最適の形状や大きさ、厚みとなるように種々
変更することが可能であり、例えば、扁平な方形状や三
角形状、楕円状等の種々の形状であってもよい。その
上、金属端子3・3を円板状に形成する一方、電気絶縁
性被覆部材5を扁平な方形状に形成してもよい。
【0062】次に、上記ヒーターに用いられる面状発熱
体51の他の具体的な構造について説明する。
【0063】図7に示すように、本実施例にかかる面状
発熱体51は、金属端子3・3間に、絶縁部材としての
スペーサ11が挾装されている。上記のスペーサ11
は、熱収縮率が小さく、電気絶縁性、機械的強度に優れ
ると共に、発熱部材2の発熱温度に耐え得る耐熱性を備
えていることが必要であり、例えば、セラミックスや、
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、あるいは電気絶縁性被覆
部材5となる合成樹脂等からなっている。尚、金属端子
3・3により、発熱部材2…で発生する熱が電気絶縁性
被覆部材5の表面全体に充分に伝達される場合には、ス
ペーサ11を合成樹脂の発泡体で形成してもよい。
【0064】上記のスペーサ11は、図8に示すよう
に、金属端子3・3と略等しい大きさおよび形状を有す
る円板状に形成されており、スペーサ11における中心
位置、および、この中心位置から四方に向かってそれぞ
れ所定間隔離れた位置の合計五箇所に孔11a…が開口
されている。これら孔11a…は、それぞれ発熱部材2
を収容可能な大きさとなっており、また、スペーサ11
の厚みは、発熱部材2…の厚みと等しくなっている。上
記のスペーサ11は、面状発熱体51の成形・製造時に
金属端子3・3間に挾装されることにより、金属端子3
・3同士が互いに接触することを防止すると共に、発熱
部材2…の位置決めを行うようになっている。その他の
構成部材、および面状発熱体51の成形・製造方法は、
前記の実施例の面状発熱体51と同一である。
【0065】尚、上述のように、スペーサ11は、金属
端子3・3同士が互いに接触することを防止するために
設けられている。従って、上記の実施例においては、ス
ペーサ11の厚みは、発熱部材2…の厚みと等しくなっ
ているが、スペーサ11の厚みは上記の実施例に限定さ
れるものではなく、発熱部材2…の厚みと等しいか、そ
れよりも薄くなっていればよい。即ち、図9に示すよう
に、例えば、スペーサ11の厚みが、発熱部材2…の厚
みの凡そ半分となるようにしてもよい。この場合、スペ
ーサ11は、金属端子3・3の何れか一方と接触してい
てもよく、金属端子3・3と非接触であってもよい。
【0066】尚、スペーサ11の材料の密度が電気絶縁
性被覆部材5のコンポジットの密度よりも小さい場合に
は、スペーサ11の厚みを発熱部材2…の厚みと等しく
することにより、面状発熱体51をより一層軽量化する
ことが可能となる。さらに、スペーサ11の孔11a…
の直径は、発熱部材2の直径と等しいか、それよりも大
きければ特に限定されるものではなく、また、スペーサ
11は、金属端子3・3よりも若干大きくてもよく、あ
るいは若干小さくてもよい。その上、スペーサ11は、
電気絶縁性被覆部材5となるコンポジットの合成樹脂と
親和性を有していてもよく、また、親和性を有していな
くてもよい。
【0067】次に、上記ヒーターに用いられる面状発熱
体51のその他の具体的な構造について説明する。
【0068】本実施例の面状ヒーターは、金属端子3・
3の代わりに、図10に示すように、カーボンクロスか
らなる導電性端子23・23を採用している点で、前記
実施例とは異なっている。カーボンクロスからなる導電
性端子23は、金属端子3と比較して、軽量であり、熱
膨張係数も小さい。したがって、軽くて、壊れにくい面
状ヒーターを実現できる。しかも、カーボンクロスから
なる導電性端子23は、薄くでき、安価であるため、面
状ヒーターをより一層薄型にでき、安価にすることがで
きる。
【0069】さらに、導電性端子23とリード線4と
を、カーボンクロスで一体とすることもできる。
【0070】導電性端子23用のカーボンクロスには、
例えば、日本カーボン社製のカーボロンZクロスやカー
ボロンクロスGF−8P−21Eを使用できる。
【0071】これらのカーボンクロスからなる導電性端
子23・23を用い、前記実施例の具体例で示した製
造方法と同じ方法で面状ヒーターを試作したところ、1
5cm×15cm×2.9mmtの良好な面状ヒーター
が得られた。すなわち、前記実施例の具体例よりも薄
い面状ヒーターが得られた。なお、導電性端子23を除
く部材には、前記実施例の具体例で示した材料と同一
の材料を用いた。
【0072】さらに、日本カーボン社製のカーボロンク
ロスGF−8P−21Eからなる導電性端子23・23
を用い、前記実施例の具体例で示した製造方法で面状
ヒーターを試作したところ、15cm×15cm×2.
9mmtの良好な面状ヒーターが得られた。すなわち、
前記実施例の具体例よりも薄い面状ヒーターが得られ
た。なお、導電性端子23を除く部材には、前記実施例
の具体例で示した材料と同一の材料を用いた。
【0073】次に、上記ヒーターに用いられる面状発熱
体51のさらにその他の具体的な構造について説明す
る。
【0074】本実施例の面状ヒーターは、図11および
図12に示すように前記実施例とほぼ同じ構成を有して
いる。ただし、図12では、リング状の発熱部材2…が
使用されている。
【0075】本実施例の面状ヒーターはRTM( Resin
Transfer Molding )法で製造されるため、前記実施例
のSMC法やBMC法と比較して、成形圧力が小さくて
済む。このため、PTCサーミスターからなる発熱部材
2や、金属端子3あるいはカーボンクロスからなる導電
性端子23を傷めない。また、金属端子3の網目や打抜
き孔のオープニングの大きさに左右されない。さらに、
型締めにより発熱部材2…を固定し、低粘度の樹脂を注
入するため、スペーサー11なしで、一定した厚さの面
状ヒーターを製造できる。しかも、表面に均一な絶縁性
表層を形成することが可能である。
【0076】以下、RTM法による面状ヒーターの製造
方法について、具体例に基づいて説明する。
【0077】まず、5個の発熱部材2…をステンレス製
メッシュからなる金属端子3・3で挟んだ。発熱部材2
には、積水化成品工業株式会社製のPTCサーミスター
を用いた。このPTCサーミスターのキュリー温度Tc
は70℃、抵抗値は 150Ω、外径は15mm、内径は 5mm、厚
みは 2.5mmである。ステンレス製メッシュのサイズは、
145mm ×145mm であり、オープニングは2mmである。
【0078】次に、上下のステンレス製メッシュをガラ
スマットでさらに挟み、型にセットし型を閉じた。ガラ
スマットには、富士ファイバーグラス社製のガラスチョ
ップトストランドマットを用いた。これのサイズは、15
0mm ×150mm であり、坪量300g/m2 である。型はFRP
からなり、型の内側サイズは150mm ×150mm ×6mm であ
る。
【0079】それから、210gの低粘度の樹脂混合液をレ
ジンインジェクションマシンで 3kg/cm2の圧力で型内に
注入した。樹脂混合液は、不飽和ポリエステル樹脂(昭
和高分子社製リゴラック140R)100 部に対し、水酸化ア
ルミニウムが30部、BPO(ベンゾイルパーオキサイ
ド)が0.7 部、DMA(ジメチルアニリン)が0.3 部か
らなっている。
【0080】樹脂混合液を注入した型を80℃のオーブン
に10分間保持することにより、ガラスマットおよびポリ
エステル樹脂を主成分とする電気絶縁性被覆部材5が形
成された。型から成形品を取り出すことにより、電圧印
加後2分で表面温度が60℃に到達する、厚さ6mm の優れ
た薄型面状ヒーターが得られた。
【0081】なお、樹脂を含浸したガラスマットが絶縁
性表層を形成する。
【0082】次に、RTM法による大型の薄型面状ヒー
ターの製造方法について、具体例に基づいて説明する。
【0083】まず、81個の発熱部材2…をパンチアルミ
板からなる金属端子3・3の間に、100mm 間隔で碁盤目
状に挟んだ。発熱部材2は上記と同一である。パンチア
ルミ板のサイズは、1000mm×1000mm×1mm であり、オー
プニング12mmである。
【0084】次に、上下のパンチアルミ板をロービング
クロスでさらに挟み、型にセットし型を閉じた。ロービ
ングクロスには、セントラル硝子社の製品を用いた。こ
れのサイズは、1000mm×1000mmであり、面密度は320g/m
2 である。型はFRPからなり、型の内側サイズは1000
mm×1000mm×5.2mm である。
【0085】それから、低粘度の樹脂混合液をレジンイ
ンジェクションマシンで 2kg/cm2の圧力で型内に注入し
た。樹脂混合液は、不飽和ポリエステル樹脂(昭和高分
子社製リゴラック162R)100 部に対し、炭酸カルシウム
が20部、メチルエチルケトンパーオキサイド(MEKP
O 55%)が1.4 部、ナフテン酸コバルト(NAPCO0.
6% )が0.6 部からなっている。
【0086】樹脂混合液を注入した型を室温25℃で40分
間放置することにより、ロービングクロスおよびポリエ
ステル樹脂を主成分とする電気絶縁性被覆部材5が形成
された。型から成形品を取り出すことにより、電圧印加
後1分45秒で表面温度が60℃に到達する、厚さ5.2mm の
優れた大型薄型面状ヒーターが得られた。
【0087】本発明に対応するヒーターは、正温度係数
サーミスターからなる面状発熱体51と、面状発熱体5
1の片面に接触するように設けられ、流動性熱媒体53
が注入されたフレキシブルな容器52とが備えられてい
る構造である。
【0088】これによれば、正温度係数サーミスターか
らなる面状発熱体51を備えたので、温度制御回路を設
けなくても、ヒーターの発熱温度を一定にすることがで
きる。面状発熱体51からの熱は、容器52の中の流動
性熱媒体53に伝導する。このため、容器52を被加熱
物に接触させれば、流動性熱媒体53を介して、被加熱
物を加熱することができる。しかも、流動性熱媒体53
が注入された容器はフレキシブルであるので、被加熱物
の形状に沿う。したがって、ヒーターと被加熱物との熱
接触が良好になる。このため、被加熱物の形状にかかわ
らず、効率よく加熱することが可能である。
【0089】
【発明の効果】本発明に係るヒーターは、以上のよう
に、正温度係数サーミスターからなる面状発熱体と、面
状発熱体の片面に接触するように設けられ、流動性熱媒
体が注入されたフレキシブルな容器とが備えられている
ので、温度制御回路を設けなくても、ヒーターの発熱温
度を一定にすることができる。面状発熱体からの熱は、
容器の中の流動性熱媒体に伝導する。このため、容器を
被加熱物に接触させれば、流動性熱媒体を介して、被加
熱物を加熱することができる。しかも、流動性熱媒体が
注入された容器はフレキシブルであるので、被加熱物の
形状に沿う。したがって、ヒーターと被加熱物との熱接
触が良好になる。このため、被加熱物の形状にかかわら
ず、効率よく加熱することが可能であるという効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るヒーターの概略構成を示す正面図
である。
【図2】図1のヒーターのバリエーションを示すもので
あり、ヒーターの概略構成を示す平面図である。
【図3】図1のヒーターの加熱テストの結果を示すグラ
フである。
【図4】図1のヒーターに使用される面状発熱体の外観
を示す斜視図である。
【図5】上記の面状ヒーターの要部の断面図である。
【図6】上記の面状ヒーターの内部構造を示すものであ
り、発熱部材および金属端子の斜視図である。
【図7】図1のヒーターに使用される他の面状発熱体の
要部の断面図である。
【図8】図7の面状発熱体に用いられているスペーサの
斜視図である。
【図9】スペーサの厚みが発熱部材の厚みよりも薄く形
成されている面状発熱体の要部の断面図である。
【図10】図1のヒーターに使用されるその他の面状発
熱体の概略の分解斜視図である。
【図11】図1のヒーターに使用される、さらにその他
の面状発熱体の概略の分解斜視図であり、同図(a)は
面状発熱体の概略の分解斜視図であり、同図(b)は面
状発熱体の概略の構成を示す縦断面図である。
【図12】図11の発熱部材をリング状にしたものであ
り、同図(a)は面状発熱体の概略の分解斜視図であ
り、同図(b)は面状発熱体の概略の構成を示す縦断面
図である。
【符号の説明】
2 発熱部材 51 面状発熱体 52 容器 53 流動性熱媒体 54 接着材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正温度係数サーミスターからなる面状発熱
    体と、面状発熱体の片面に接触するように設けられ、流
    動性熱媒体が注入されたフレキシブルな容器とが備えら
    れていることを特徴とするヒーター。
JP5321987A 1993-12-21 1993-12-21 ヒーター Pending JPH07176369A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012011295A1 (ja) * 2010-07-21 2012-01-26 Taguchi Koshiro 液体流路内蔵式高効率温水発生車載用ヒータ
WO2013179836A1 (ja) * 2012-05-30 2013-12-05 株式会社デンソー 発熱装置
JP2021153036A (ja) * 2020-03-19 2021-09-30 株式会社クラベ ヒータユニット及びその応用品

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