JPH11265782A - 発熱体および発熱体の固定方法 - Google Patents

発熱体および発熱体の固定方法

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JPH11265782A
JPH11265782A JP10082443A JP8244398A JPH11265782A JP H11265782 A JPH11265782 A JP H11265782A JP 10082443 A JP10082443 A JP 10082443A JP 8244398 A JP8244398 A JP 8244398A JP H11265782 A JPH11265782 A JP H11265782A
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JP
Japan
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fiber
heating element
heating
conductive
resin
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Application number
JP10082443A
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English (en)
Inventor
Atsushi Nanjo
敦 南條
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Mitsubishi Oil Corp
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Publication date
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発熱線部分や電極部分に釘等を打ち込むこと
を防止し、釘を誤って打ち発熱線を切断することがあっ
ても即座に施工者に切断を知らせる。 【解決手段】 導電性繊維と電極を接続するように配置
した発熱部の上部および/あるいは下部に繊維強化樹脂
プリプレグシートを積層して成形した発熱体用の繊維強
化樹脂成形体の下部に均熱材と断熱材を固定した発熱
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保温・暖房用とし
て住宅、建築物、家畜用建物、植物栽培用温室、乗り物
の床、壁、窓、天井などの構造物および毛布、ソファ、
絨毯、マット、シートなどの衣類、家具、家電製品、恒
温槽用などの業務用電気製品あるいは凍結防止、除雪用
としてアスファルト、コンクリート、建築物の屋根、軒
などの基材に固定される発熱体および発熱体の設置方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の発熱体は、均熱のためアルミ箔な
どの金属箔を表面に配する構造になっている。このた
め、発熱線や電極がどの部分にあるかが表面から見えな
いため、住宅、建築物、家畜用建物、植物栽培用温室、
乗り物の床、壁、窓、天井などの構造物および毛布、ソ
ファ、絨毯、マット、シートなどの衣類、家具、家電製
品、恒温槽用などの業務用電気製品あるいは凍結防止、
除雪用としてアスファルト、コンクリート、建築物の屋
根、軒などの基材に固定する際に、固定用の釘やネジな
どを配線部分や電極部分に打ち込んでしまい、漏電や局
所的な加熱を生じる問題があった。
【0003】また、均熱板表面に釘うちやネジ止めなど
が可能な位置を明示しても、実際に施工する施工者は、
釘うちやネジ止めが可能な部分と不可能な部分の違いの
理由が表面から見た限りはわからず、しばしば釘うちや
ネジ止めが不可能な部分に釘うちやネジ止めする原因と
なっている。さらには表面が金属面であると、施工者に
金属板と勘違いされ、乱雑に扱われたりする原因にもな
っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、発熱
体下部に均熱材を配する構造にすることによって、均熱
材の熱を均などに拡散させる本来の特性を損なわずか
つ、発熱線や電極などが表面から見え、発熱線部分や電
極部分に釘などを打ち込むことを防止するとともに発熱
体であることが一見してわかる発熱体を提供するもので
ある。また本発明の他の目的は、万が一釘を誤って打ち
発熱線を切断することがあっても即座に施工者に切断を
知らせる方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、非導電性
繊維および導電性繊維の交点を接合してなる発熱体用の
網目状構造体の両端において、該導電性繊維と電極を接
続するように配置した発熱部を樹脂に包埋した発熱体用
の繊維強化樹脂成形体の下部に均熱材と断熱材を固定し
た発熱体、あるいは該発熱部の上部および/あるいは下
部に繊維強化樹脂プリプレグシートを積層して成形した
発熱体用の繊維強化樹脂成形体の下部に均熱材と断熱材
を固定した発熱体に関する。
【0006】また本発明は、電気導通報知装置を発熱体
内部の均熱材と発熱部に接続した電気回路を形成し、次
いで発熱体を固定することを特徴とする発熱体の固定方
法に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で使用する非導電性繊維と
しては導電率10-5S/m以下、好ましくは10-9S/
m以下の絶縁性に優れた非導電性繊維であればどのよう
な繊維でも用いることができ、ガラス繊維、アラミド繊
維、セラミック繊維、アルミナ繊維、ナイロン繊維など
が該非導電性繊維として好ましく用いられる。また該非
導電性繊維は通常耐熱温度が80℃以上、好ましくは1
00℃以上、より好ましくは150℃以上の繊維が用い
られる。非導電性繊維は好ましくは連続繊維であり、1
0〜100,000フィラメント、好ましくは500〜
12,000フィラメントから構成される。
【0008】本発明で用いられる導電性繊維としては発
熱体として利用可能な導電性の繊維であればいずれの繊
維でも良く、通常導電率10〜107 S/m、好ましく
は103 〜107 S/m、より好ましくは104 〜10
6 S/mの繊維が用いられる。
【0009】該導電性繊維としてカーボンブラックや銅
粉などの金属粒子を分散した樹脂などからなる導電性繊
維、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリピリジン自体
あるいはこれに金属をドープした導電性高分子繊維、
鉄、銅、ニッケル、クロムなどの金属やステンレス、N
i−Cr、Ni−Cu−Fe、Ni−Cuなどの合金を
原料とした金属繊維および炭素繊維などが挙げられる
が、特に入手しやすさ、軽量性、可撓性、耐食性、引張
強度の優れる点から炭素繊維が好ましく用いられる。
【0010】炭素繊維はピッチ系、ポリアクリロニトリ
ル(PAN)系、セルロース系炭素繊維などあらゆる種
類の炭素繊維が導電性繊維として用いられる。該炭素繊
維は配向性があり高い温度で焼成した繊維ほど導電率は
良くなるが、該焼成温度は800〜3300℃、好まし
くは1100℃〜2800℃で処理した炭素繊維および
/あるいは0.5〜10g/フィラメント、好ましくは
1〜5g/フィラメントの張力をかけて焼成した炭素繊
維が好ましく用いることができる。
【0011】導電性繊維は好ましくは連続繊維であり、
それぞれ10〜100,000フィラメント、好ましく
は500〜12,000フィラメントからなる導電性繊
維束で構成することができる。
【0012】導電性繊維および非導電性繊維は少なくと
も一方の繊維を熱可塑性樹脂あるいは熱可塑性樹脂繊維
を任意の割合で、好ましくは熱可塑性樹脂繊維を5〜7
0mass%、より好ましくは10〜60mass%の
割合で混成することができる。ここで混成とは、上記
導電性繊維あるいは非導電繊維の100〜100,00
0フィラメントからなる1本の繊維束が熱可塑性樹脂で
被覆されていること、導電性繊維あるいは非導電性繊
維および熱可塑性繊維が100〜100,000フィラ
メントの1本の繊維束として混繊されていること、導
電性繊維あるいは非導電性繊維の表面に熱可塑性樹脂繊
維が規則的あるいはランダムに付着して1本の繊維束と
なっていることをいう。
【0013】被覆方法は押出法、熱可塑性樹脂を熱溶融
あるいはエマルジョン化して浸漬法、スプレー法、静電
塗装法など繊維束内外部、特に繊維束外部を樹脂で被覆
する方法であればどのような方法でも良く、また融点、
分子量、化学的組成など物理的・化学的構造の異なる2
種類の樹脂を用いて2層以上に被覆しても良い。この場
合外側の熱可塑性樹脂は内側の熱可塑性樹脂よりも低融
点のものを使用すると繊維の被覆が十分に行えかつ繊維
同士の交点で接合も容易である。また、混繊方法は各々
の繊維100〜100,000フィラメントを空気流
(エアージェット)などで均一に混ぜ合わせる方法が好
ましく用いられる。
【0014】上記導電性繊維および非導電性繊維は撚り
をかけてもかけなくても良い。撚りをかける時期は混繊
繊維であれば混繊後、その他の場合はいずれの工程で撚
りをかけても良い。撚りをかけた場合は特に導電性繊
維、特に炭素繊維の毛羽の発生を少なくできる。撚りを
かける程度はどのような程度でもよいが、網目状構造の
交点で押しつぶされ偏平になって良好な接合を有する程
度が好ましい。
【0015】熱可塑性樹脂および熱可塑性樹脂繊維は熱
可塑性樹脂として通常知られる樹脂であればどのような
樹脂でも用いることができ、好ましくはナイロン樹脂、
液晶性芳香族ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、液晶
性芳香族ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ
エーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹
脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリスルホン樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ビニロン樹脂、アラミド樹
脂、フッ素樹脂などの樹脂が用いられる。
【0016】上記熱可塑性樹脂の融点は導電性繊維およ
び非導電性繊維に含浸されるマトリックス樹脂の熱硬化
温度あるいは熱溶融温度よりも高いことが好ましいが、
高くなくても網目状構造体の形状を保持することは可能
であり、問題ない。耐熱温度は80℃以上、好ましくは
100℃以上、より好ましくは150℃以上ある熱可塑
性樹脂および熱可塑性樹脂繊維が用いられる。
【0017】また、導電性繊維と混成する熱可塑性樹脂
および熱可塑性樹脂繊維の場合はカーボンブラックや
銀、銅などの金属粒子を分散した熱可塑性樹脂および熱
可塑性樹脂繊維などからなる導電性樹脂あるいは導電性
樹脂繊維を用いてもよい。該導電性樹脂あるいは導電性
樹脂繊維の導電率は10-2〜105 S/mあることが好
ましい。
【0018】導電性繊維および非導電性繊維は任意の目
開きの網目状に形成し、次いで加熱処理することにより
導電性繊維および非導電性繊維各々の交点で熱可塑性樹
脂あるいは熱可塑性樹脂繊維が融着することによって接
合する。加熱温度は導電性繊維および非導電性繊維が融
着できる温度以上であれば良く、好ましくは熱可塑性樹
脂あるいは熱可塑性樹脂繊維の溶融温度以上、通常10
0〜400℃の範囲で行う。
【0019】加熱融着方法は加熱したプレスや熱ロール
による圧着、張力下あるいは無張力下での高温槽や熱風
の吹き付けによる熱溶融などどのような方法を用いても
良い。
【0020】該融着工程で熱可塑性樹脂および熱可塑性
樹脂繊維は少なくとも交点で熱溶融して融着しているこ
とが必要であるが、交点の融着が完全であれば交点部分
の熱可塑性樹脂および熱可塑性樹脂繊維内部あるいは一
部が未溶融であっても問題ない。また該融着工程で交点
部分以外で熱可塑性樹脂あるいは熱可塑性樹脂繊維の全
体が熱溶融してもあるいは一部分が未溶融のままであっ
ても問題ない。
【0021】上記網目状構造は平織り、綾織り、朱子織
り、絡み織り、模しゃ織りなどの織物、井桁状組布、3
軸組布、多軸組布などの織機を用いないで造った組布と
いわれるメッシュ状の不織布など任意の構造とすること
ができるが、製造工程の簡単なことなどから組布が好ま
しく用いられる。
【0022】このときの各繊維の配置方向は、網目状構
造を形成すればどのような配置でも良いが、例えば
[a]導電性繊維を経糸方向など一方向に配置し、非導
電性繊維を導電繊維と実質的に直交する方向に配置して
織物状あるいは組布状に形成する方法(図1(a))、
[b]導電性繊維を経糸方向など一方向に配置し、非導
電性繊維を導電繊維と同じ方向および異なった一方向以
上の複数の方向に配置し織物状あるいは組布状に形成す
るような方法(図1(b))などを用いることができ
る。
【0023】なお、組布状に形成するときは導電性繊維
の上下に非導電性繊維を配置する方法、導電性繊維の上
部のみあるいは下部のみに非導電性繊維を配置する方法
何れの方法も用いることができるが、導電性繊維を保護
するため組布状あるいは目開きの大きな織物状の非導電
性繊維を導電性繊維の上下方向から挟んで融着する方法
が好ましく採用される。
【0024】上記のように配置した導電性繊維は繊維の
交点が熱溶融して融着したとき偏平な断面形状となる
が、偏平な繊維の方が表面積が大きくなり発熱効率は向
上する。
【0025】上記導電性繊維は必ずしも網目状構造体内
に均等に配置させる必要はなく、上記[a]、[b]の
配置の場合であれば導電性繊維束を2本以上、好ましく
は5〜15本を1組とした2以上の複数のブロックに分
け、各ブロック間の間を開けて配置することもできる。
【0026】各ブロック内の導電性繊維は各導電性繊維
同士が接触しない距離で、好ましくは1〜100mm、
好ましくは3〜50mmの間隔で平行に配置され、さら
に各ブロック間は10〜300mm、好ましくは30〜
150mmの間隔を開けて平行に配置することができ
る。
【0027】該導電性繊維同士および該非導電性繊維同
士の目開きは目的に応じて任意の範囲で行うことができ
るが、好ましくは上記交点を融着したときに繊維束同士
が該交点以外で融着しない範囲であればよく、目開きの
下限が1mm以上、好ましくは2mm以上、より好まし
くは5mm以上、最も好ましくは10mm以上であり、
上記範囲の上限は500mm以下、好ましくは100m
m以下、最も好ましくは50mm以下のものが適用され
る。
【0028】ここで目開きとは、上記ブロック以外の繊
維で、実質的に平行に配置された相隣り合う導電性繊維
同士の間隔および導電性繊維を挟んで同じ側に実質的に
平行に配置された非導電性繊維維同士の間隔をいう。
【0029】上記下限以下であれば繊維同士が交点以外
で融着し網目状構造体の可撓性が失われ、加工性低下や
ロール巻きなどにして運搬しにくくなったり、導電性繊
維の露出面積が小さかったり、脱気が不十分で気泡の層
ができたりするため導電性繊維と電極とが接続しにくく
なってしまい、上記上限以上であれば網目状構造体の強
度や発熱体の発熱効率、補強効果が低下するため好まし
くない。
【0030】融着後は雰囲気温度に冷却し端部を設計寸
法にトリミングして巻き取り機にて巻き取ることも好ま
しく採用される。
【0031】また、該網目状構造体を適当な幅・長さに
切断、成形しても良い。このとき該網目状構造体の交点
は融着しているため、任意の形状に加工することは容易
である。該網目状構造体は任意の位置に配置し、繊維強
化樹脂成形体に成形することができる。該繊維強化樹脂
成形体は該網目状構造体に銅線などの電極を接続してお
り、マトリックス樹脂を含浸するかあるいは繊維強化プ
リプレグを積層することができる(図2)。
【0032】該繊維強化プリプレグの強化繊維はガラス
繊維などの非導電性繊維で構成されていることが好まし
く、これにより補強効果だけでなく絶縁効果を増すこと
ができる。
【0033】該非導電性繊維には任意の繊維が利用でき
るがガラス繊維、アラミド繊維、セラミック繊維、アル
ミナ繊維、ナイロン繊維などが好ましく用いられる。該
強化繊維は一方向材、織物、不織布などどのような繊維
形態でもよい。
【0034】該繊維強化プリプレグ層の厚さは0.05
〜0.5mmであることが均熱材に熱を伝えやすく好ま
しい。該繊維強化プリプレグの樹脂としては用途に応じ
て任意の樹脂を用いることができるが、好ましくは熱可
塑性樹脂および熱硬化性樹脂が用いられ、さらに好まし
くはポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレン
サルファイド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂などを用いることができ
る。
【0035】該樹脂は耐熱性があることが好ましく、8
0℃以上、好ましくは100℃、より好ましくは150
℃以上の耐熱性のある樹脂を用いることができる。さら
に、該繊維強化樹脂成形体は断熱材および均熱材を下面
に固定して発熱体にすることができる(図2)。
【0036】該発熱体を床に固定するために、網目状構
造体上面から針、釘、ボルト、ネジなどを打ち込む印を
付けるが本発明の発熱体は形状保持性、寸法安定性に優
れるため該印の範囲を精度良く付けることができかつ導
電性繊維を釘などによって切断してしまうことがなくか
つ漏電防止性に優れた発熱体を製造することができる。
【0037】該発熱体は具体的には以下のように製造す
る。適当な長さの網目状構造体を1枚あるいは複数枚の
場合は任意の間隔あるいは等間隔で平行に配置させるこ
とができる。
【0038】上記のように配置した発熱体用の網目状構
造体の導電性繊維の両端部は銅、アルミなどの金属製箔
片を用いて導電性繊維と接続するように固定するかある
いはカーボンペースト、銀ペーストなどの導電性樹脂、
はんだ、金属製ホルダー、黒鉛製ホルダーなどを用いて
固定して電極を作製することができる。電極の大きさは
幅5〜100mm、好ましくは幅10〜50mmの電極
が採用される。このときの金属性箔片、導電性樹脂およ
びはんだの融点はマトリックス樹脂の樹脂硬化温度ある
いは熱溶融温度より高いことかつ耐熱性があることが望
ましい。電極は温度分布が均一になるように両端だけで
なく、導電性繊維の中間に1つ以上の補助電極を作製し
てもよい。
【0039】また、各導電性繊維は電気回路として並列
配置および/あるいは直列配置することができるが、例
えば2以上の導電性繊維を1ブロックとして、各ブロッ
ク間が直列配置になるように電極を配置すれば各導電性
繊維にかけられる電圧を低くすることができ、導電性繊
維の過熱を防止することができ好ましい(図3)。
【0040】上記電極を付与した網目状構造体の電極側
に該リード線貫通孔を開けた繊維強化プリプレグを、電
極側と反対側には貫通孔のない繊維強化プリプレグを積
層し、さらにその両面をポリエステルフィルムで包み加
圧・加熱して繊維強化樹脂成形体を成形する。
【0041】該繊維強化プリプレグの貫通孔は直径5〜
50mmの範囲であり、孔を開けた後はシリコン製蓋を
埋め込むと成形後容易に蓋を取り除くことができる。上
記成形体の成形は、繊維強化プリプレグを用いる方法で
はなく網目状構造体を型に入れて強化繊維を積層後、樹
脂を含浸させる方法も別な成形法として用いることがで
きる。
【0042】該成形体の成形後はリード線貫通孔のシリ
コン製蓋を取り除き耐熱用リード線の一方を上記電極に
接続することができる。リード線の他方は複数の過熱防
止装置(サーモスタット、温度フューズ、熱電対など)
を接続し上記成形体下部の所定の位置に配置、固定する
ことができる。上記繊維強化樹脂成形体においてリード
線および過熱防止・暖房制御装置を配した面は断熱材で
覆い、該断熱材を熱硬化樹脂などで固定することができ
る。
【0043】断熱材はどのようなものでも良いが、通常
ポリエステルフェルトなどが好ましく用いられる。ま
た、該断熱材はリード線、過熱防止装置部分を打ち抜い
てから固定することもできる。本発明では上記成形体に
おいてリード線などを配した面に金属板あるいは金属箔
を均熱材として配置し、発熱部である導電性繊維が釘打
ちのときに上部から見えるようにする。
【0044】該金属板あるいは金属箔は任意の金属が用
いられるが、熱伝導性に優れる銅、アルミ製のものを好
ましく使用することができる。リード線の端部は圧着端
子を取付ける。
【0045】このようにして網目状構造体に断熱材およ
び均熱材を配した発熱体を製造することができる。上記
繊維強化樹脂成形体および発熱体は網目状構造体を切断
後製造する方法を開示したが、連続的な網目状構造体を
用いて繊維強化樹脂成形体あるいは発熱体を製造し任意
の長さ、幅に切断しても良い。
【0046】上記発熱体は上部から導電性繊維が見える
ので導電性繊維を切断することなく床表面材ごと釘打ち
固定することができ、かつ環境温度に左右されず安定し
て設定温度に制御することができる。
【0047】また、発熱体の集中応力時の体荷重は20
0MPa以上、好ましくは300MPa以上、より好ま
しくは400MPa以上を有している。耐漏電性につい
ても該発熱体を25℃の水中に24時間浸漬しても均熱
材と電極間の絶縁抵抗は1MΩ以上、より好ましくは1
0MΩ以上を有しているため実用上全く問題がない。
【0048】また本発明における電気導通報知装置は導
通があった場合、音、光、メータの針、振動などの手段
によって導通を作業者に知らせる装置手段であればよ
く、市販の導通チェッカーを用いることができる。
【0049】該装置を発熱体内部の均熱材と発熱部とに
接続した電気回路からなる釘打ち失敗報知システムを形
成することにより作業者が釘打ちミスにより導電性繊維
を切断した場合に直ちにブザーなどにより作業者に知ら
せることができる。
【0050】なお電気回路を形成するのに複数の導通
線、例えばリード線、ニクロム線などを用いることがで
きる。該導通線の一端は均熱材あるいは均熱材に接続し
たアース線に接続することができ他端は電気導通報知装
置に接続することができ、また他の導通線の一端は導電
性繊維、発熱部の電極あるいは該電極の電源線に接続す
ることができ、他端を電気導通報知装置に接続すること
ができる(図5、6)。
【0051】発熱体を建築物あるいは構造物に固定、設
置した後は該電気導通報知装置、導通線を取り外すこと
ができる。
【0052】
【実施例】以下に具体的な実施例を挙げるが本発明はこ
れらの実施例に限定されないことはいうまでもない。 [実施例1]撚った炭素繊維(東レ(株)製T300、
導電率5×104 S/m)の3000フィラメントを1
本の導電性繊維の経糸として該経糸9本を1ブロックと
した。該ブロックを4ブロック作り、各ブロック内の炭
素繊維束間を1.5cm開け、さらに各ブロック間を1
3cm開けた配置で平行に並べ、該炭素繊維束を幅3m
mに開繊し、上下からガラス繊維と熱可塑性樹脂からな
るガラス繊維組布(格子状、目開き1cm、日東紡績
(株)製KC0505B、40g/m2 )を積層して加
熱し組布と導電性繊維の交点を融着し、発熱体用の網目
状構造体を製造した。
【0053】該網目状構造体を長さ1m、幅1mに切断
し、切り出した網目状構造体には炭素繊維が4ブロック
形成された。該網目状構造体の炭素繊維の両端部を幅1
5mmの導電性粘着剤付き銅箔片(寺岡製作所(株)製
MFT−No.8321)で該導電性繊維と銅箔片が接
合するように固定し、かつ該網目状構造体内の炭素繊維
が各ブロック毎に電気回路的に直列つなぎになるように
電極を接続した(図3)。該網目状構造体の上下からエ
ポキシ樹脂を含浸させたガラス繊維クロスプリプレグ
(GF/エポキシ)を積層し、さらにポリエステルフィ
ルムを該積層物の上下から挟んでオートクレーブ中で1
50℃、10kgf/cm2 で1時間加圧加熱して繊維
強化樹脂成形体を製造した。但し、該成形体の直列配置
した両端の電極部分はリード線を固定できるように予め
穴を開けておいた。
【0054】該成形体下部に電極部分を円形に切り抜い
て加工したアルミ箔(東海アルミ箔(株)製、厚さ0.
1mm)を均熱材として貼り合わせ、さらにリード線一
端を該電極に接続固定し、他端は過熱防止装置(ウチヤ
・サーモスタット(株)製UP72)を接続して該アル
ミ箔下部に固定しその下部にポリエステルフェルト(東
洋紡(株)製エクシランHP−21)を断熱材として貼
り合わせた。但し、リード線および過熱防止装置は断熱
材で覆わなかった。このようにして、125Wのシート
状発熱体を作製した。
【0055】該発熱体を床表面材(段谷産業(株)製ホ
ットベースFGB−008使用)で覆い、釘打ちして固
定し、サーミスタをセンサとして使った温度制御システ
ムを接続し、床材システムに組み込んだ。
【0056】上記の床材について発熱試験を行ったとこ
ろ環境温度が0、5、10、15、20、25℃のいず
れの温度でも床材の表面温度を30℃に制御できた。
【0057】また、床温30℃での温度分布について赤
外線画像温度解析装置(NEC三栄(株)製サーモトレ
ーサTH3100MR)を使用して測定したところ図4
(a)に示す温度分布が得らた。同図中、左側には床材
の表面温度分布を示す赤外線画像が示され、右側には床
材の温度分布を示すヒストグラムが示される。該ヒスト
グラムの結果から明らかなように本実施例の発熱体は正
規分布に近い好適な均熱性を示し、これは発熱体上部に
均熱アルミ箔を使用した場合と同等の均熱性であること
がわかった。
【0058】発熱体の集中応力時の耐荷重を測定したと
ころ400MPaを有していた。該発熱体を25℃の水
中に24時間浸漬したところ電極とアルミ均熱材との間
の絶縁抵抗は10MΩ以上を有していた。
【0059】[比較例1]実施例1と同様の工程で繊維
強化樹脂成形体を製造した。リード線一端を該成形体の
電極に接続固定し、他端は過熱防止装置(ウチヤ・サー
モスタット(株)製UP72)を接続して該成形体下部
に固定しその上からポリエステルフェルト(東洋紡
(株)製エクシランHP−21)を断熱材として貼り合
わせた。但し、リード線および過熱防止装置は断熱材で
覆わなかった。
【0060】該繊維強化樹脂成形体の断熱材を貼り合わ
せた面とは反対側の面にアルミ箔(東海アルミ箔(株)
製、厚さ0.1mm)を均熱材として貼り合わせて12
5Wのシート状発熱体を作製した。該発熱体を床表面材
(段谷産業(株)製ホットベースFGB−008使用)
で覆い、釘打ちして固定し、サーミスタをセンサーとし
て使った温度制御システムを接続し、床材システムに組
み込んだが、炭素繊維が表の釘打ち面側からは見ること
ができず、釘打ちが困難であった。
【0061】床温30℃での温度分布について赤外線画
像温度解析装置(NEC三栄(株)製サーモトレーサT
H3100MR)を使用して測定したところ図4(b)
に示す温度分布が得られた。
【0062】[実施例2]導通チェッカー((株)サン
デン製サンチェッカーSP−01)と実施例1で得た発
熱体の均熱材と電極を図5、6のように導通線で結んで
釘打ち失敗報知システムを形成した。該発熱体を床表面
材(段谷産業(株)製ホットベースFGB−008使
用)で覆い、釘打ちによる固定作業を行った。釘打ちに
失敗し、炭素繊維を切断したときにブザーが鳴り釘打ち
の失敗に気づくことができた。
【0063】[比較例2]導通チェッカーを接続しない
以外は実施例2と同様の作業を行った。釘打ちに失敗
し、炭素繊維を切断したときに釘打ちの失敗に気づくこ
とができず、そのまま作業をつづけてしまい発熱体の局
所的な加熱を招いてしまった。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、発熱体下部に均熱材を
配することによって、均熱材の熱を均等に拡散させる本
来の特性を損なわず、かつ発熱体内部の発熱線や電極な
どが表面から見える発熱体を提供することができた。ま
た、発熱体を釘打ち固定する際電気導通報知装置を均熱
材と発熱部とに接続することによって、釘打ちミスによ
る導電性繊維の切断を作業者に知らせることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 導電性繊維と非導電性繊維の配置パターンを
示す図。
【図2】 本発明の発熱体の一例を示す断面図(一
部)。
【図3】 本発明の発熱体の回路図。
【図4】 (a)は実施例1の床材の温度分布を示す赤
外線画像、(b)は比較例1の床材の温度分布を示す赤
外線画像。
【図5】 本発明に係る電気導通報知システムの回路を
示す断面図。
【図6】 本発明に係る電気導通報知システムの回路を
示す正面図。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非導電性繊維および導電性繊維の交点を
    接合してなる網目状構造体の両端において、該導電性繊
    維と電極を接続するように配置した発熱部を樹脂に包埋
    した繊維強化樹脂成形体の下部に均熱材と断熱材を固定
    した発熱体、あるいは該発熱部の上部および/あるいは
    下部に繊維強化樹脂プリプレグシートを積層して成形し
    た繊維強化樹脂成形体の下部に均熱材と断熱材を固定し
    た発熱体。
  2. 【請求項2】 電気導通報知装置を発熱体内部の均熱材
    と発熱部とに接続して電気回路を形成し、次いで発熱体
    を固定することを特徴とする発熱体の固定方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007051540A (ja) * 2005-07-19 2007-03-01 Toshiba Henden Kiki Technology Kk 霧解消装置
JP2007227384A (ja) * 2006-02-24 2007-09-06 Sefar Ag 表面加熱部材及び表面加熱部材の製造方法
JP2007285581A (ja) * 2006-04-14 2007-11-01 Nippon Oil Corp 床暖房の施工方法
JP2009543288A (ja) * 2006-06-27 2009-12-03 ナオス カンパニー リミテッド カーボンマイクロファイバーを用いた面状発熱体及びその製造方法
JP2018081864A (ja) * 2016-11-18 2018-05-24 有限会社高城電気製作所 炭素繊維面状ヒーター

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