JPH0370355B2 - - Google Patents

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JPH0370355B2
JPH0370355B2 JP57103446A JP10344682A JPH0370355B2 JP H0370355 B2 JPH0370355 B2 JP H0370355B2 JP 57103446 A JP57103446 A JP 57103446A JP 10344682 A JP10344682 A JP 10344682A JP H0370355 B2 JPH0370355 B2 JP H0370355B2
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heat
conductive
polymer
wires
temperature
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Masao Matsui
Hiroshi Naito
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Kanebo Ltd
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Kanebo Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は線状発熱体すなわち通電することによ
り発熱する新しい線状成型物に関する。
線状発熱体は例えば電気毛布、電熱カーペツ
ト、電熱床材、衣類、履物などの電気加熱その他
保温や加熱を要するものに使用される。これらに
用いられる発熱体の多くはニクロム線で代表され
るような金属、金属合金等の細等(抵抗線)であ
る。金属細線は曲げ易いという長所を有するが、
絶縁、保温及びリード線との接続等において不便
で使い難く、故障を生じ易いという欠点がある。
すなわち、保温状態に斑があると温度斑を生じオ
ーバーヒートしたり、絶縁物となじみが悪く絶縁
物が破損し易く、又接続部分においても発熱する
ので接続部が酸化されたりゆるみを生じ故障を生
じ易い。
本発明の目的は上記欠点の改善された故障しに
くゝ使い易く、しかも安全面でもすぐれた線状発
熱体を提供するにある。
本発明の線状発熱体は、導電性充填材を分散し
た熱可塑性ポリマー及び/又は耐熱性ポリマーか
らなり、且つ長さ方向に連続し10mm以下の間隔で
並行する少なくとも2本の導線を埋設した発熱層
と、無機物質の粒子又は繊維を分散した熱可塑性
ポリマー及び/又は耐熱性ポイマーからなり、且
つ体積比抵抗が1010Ω・cm以上で、熱伝導率が1
×10-3cal/cm・秒(℃)以上である絶縁体とを
有することを特徴とするものである。
第1図〜第5図は本発明実施の具体例を示す発
熱体の横断面図であり、斜線部1が発熱層であ
り、2は埋設された導線であり、3は外側の絶縁
層である。
第1図は、発熱層1と2本の導線2のみからな
り、絶縁層を持たない例である。絶縁体中で使用
するときはこのまゝでもよく、必要に応じて絶縁
体で被覆して使用してもよい。第2図は2本の導
線2を埋設した発熱層1の外側を絶縁層3で被覆
した例であり使用し易い便利な型である。第3図
は発熱層1の中に3本の導線2が埋設されてお
り、絶縁層3を有する偏平なものの例である。第
4図は導線2が発熱層と絶縁層との間に埋設され
ている例であるが、このような半埋設の場合も本
発明においては埋設と云う。すなわち導線2の役
割は電力を発熱層1に供給することにあり、半埋
設でも充分な接触が保たれ、電力が安定に発熱層
に供給される状態であれば、完全埋設と同様に有
用である。第5図は2本の導線2の位置(間隔)
を(成型時に)正しく保つ布帛状の保持体4を有
し、2つの発熱層1が保持体4及び導線1を上下
から挟持し、それらの外側を絶縁層3が取囲んで
いる例である。
第6図は本発明の別の具体例を示す斜視図であ
る。第6図では導線の1方(双方でもよい)が筒
状の保持体4を被せられている。この筒は、組物
(組紐)などが適するが、織物、編物、不織布、
など及び単に糸を粗く巻いたものなどとすること
も出来る。しかしながらその組織は或程度粗く、
繊維のすき間などに導電性ポリマー1が成型時に
入り込み導線2と接触出来るものでなくてはなら
ない。第5図〜第6図に示した保持体4は、導線
2の相互の間隔を正しく保つためのものであり、
例えば間隔も一定にして発熱斑を少なくするこ
と、及び導線2の相互接触による短絡事故を防ぐ
重要な効果があり、細い線状の発熱体には好まし
い。特に第6図に示したような筒状のものは導線
相互の間隔を最小限(導線間隔=筒の厚み)とす
ることが出来、小型化の目的に最適である。保持
体4の材質は通常の繊維でもよいが、軟化点200
℃以上、特に250℃以上の耐熱性有機繊維及びガ
ラス繊維その他の無機の絶縁性繊維が好適であ
る。また多孔質の管も同様に有用である。
発熱層は、熱可塑性ポリマー又は/及び耐熱性
ポリマー中に導電性充填材が混合・分散された導
電性ポリマーからなる。発熱層の導電性は目的・
用途によつて適宜選べばよいが、例えば常温での
体積抵抗率(以下比抵抗と記す)107Ω・cm以下、
特に106〜100Ω・cm程度が好適である。細いもの
ほどすなわち導線間隔が小さいものほど比抵抗が
大き目のものが好適であり、例えば導線間隔1mm
のものに対しては、比抵抗106〜102Ω・cm程度が
好適である。発熱体1m当りの発熱量(消費電
力)は、例えば0.1〜1000W、特に1〜100W程度
が好適なことが多く、電源電圧、比抵抗、発熱層
の厚み導線間隔等を調整し、必要な発熱量を得る
ことが出来る。導線の抵抗を無視すれば、発熱層
の単位長さ(例えば1m)当りの消費電力はその
単位長さ当りの導線間抵抗をRとし、電源電圧を
Vとしたとき、V2/Rと計算される。例えば比
抵抗104Ω・cm、導電層の厚み1mm、導線間隔
(実効)1mm、長さ1m当りの導線間抵抗100Ω、
電源100Vのとき、消費電力は1m当り100Wと計
算される(比抵抗の温度変化は後述する)。
第7図は本発明の発熱体を電源に接続して使用
する方法の1例を示す縦断面図である。2本の導
線2と電源とを結合するリード線5は露出された
導線の末端と6において、例えばハンダ付、ロウ
付け、ネジ止め等で接続される。導線2は実質的
に発熱しないからハンダ付は容易である。7は絶
縁チユーブであり、8は接着剤(兼末端絶縁材)
である。第6図から明らかなように本発明発熱体
は、リード線との接続を極めて容易、確実に行な
い得る。導線2及び発熱層1の反対側の露出部は
適宜接着剤等を塗布して絶縁してもよく、電源に
接続して両端から電力を供給してもよい。
導線2は2本でもよく、3本以上でもよいが通
常2〜4本でよい。単線でもよく多数の線を束ね
たものや撚つたものでもよい。断面は円形でもよ
く非円形でもよく、リボン状、テープ状、三角
状、星状その他任意である。材質は電線に用いら
れる材料、例えば銅、アルミニウム、鉄、銀、ニ
ツケル、クロム、コバルト、亜鉛、錫など及びそ
れらの合金やメツキしたものなどを用いることが
出来るが、通常銅又はアルミニウムを主成分とす
るものが実用的である、導線2は電力を発熱層
(導電層)に供給するものであるから、電気抵抗
の低いものが好ましい。電気抵抗が高いと電圧低
下を生じ電源から遠い部分の発熱量が減少し、不
均一になるからである。導線の1m当りの抵抗
は、使用目的により異なるが例えば100Ω以下、
特に10Ω以下、最も多くの場合1Ω以下が好適で
ある。消費電力の大きいものほど、導線の抵抗を
小さくすることが好ましい。また線状発熱体は柔
軟性を要求されることが多いために、細線を束ね
たり撚つたものや薄いテープ状のものが好まし
い。第5図は細線を束ねた導線の例である。
導線2の間隔は10mm以下であり、細いものでは
0.1〜5mm程度、太いものや巾広いテープ状のも
のでは3〜8mm程度が好ましい。導線2の間隔は
実質的に一定であることが好ましい。すなわちこ
の間隔が過度に変化すると発熱斑を生じる。間隔
の変動は±30%以内、特に±20%以内が好まし
く、±10%以内が最も好ましい。成型時にこの間
隔を一定に保つために保持体を用いることも好ま
しい。例えば銅線を一定間隔で織込んだガラス繊
維や耐熱性(軟化点150℃以上)有機繊維等の織
物や、編物、その他の布帛状物を必要に応じて切
断し、導電層の中に埋設することが出来る。第5
図はそのような例で、布帛状の保持体を4で示
す。導線間隔を小さくする目的には筒状保持体が
好ましいことは前記の通りである。
発熱層に用いる導電性充填材としては金属短繊
維、金属微粒子、カーボン繊維、カーボンブラツ
クなどがあげられるが、柔軟性及び伝熱性の点で
金属繊維が最も好ましい。金属繊維としては直径
(D)0.1〜300μm、特に1〜200μm程度、長さ(L)10μ
m〜5mm程度、特に0.1〜3mm程度、L/D=10
以上のものが好ましい。金属繊維の横断面は円形
でも非円形でもよい。非円形の方が接触抵抗が低
く導電性が優れ従つて少量の混合率でよいなど好
ましいことが多い。長さは長い方が導電性、柔軟
性の点から好ましいが、成型性及び短絡の点で5
mm以下、特に3mm以下が好ましく、2mm以下が最
も好ましい。金属粒子も伝熱性に優れ好ましく、
形は球形、針状、フレーク(細片)状、不定形な
どのものがあるが、直径、長さ、厚み等は夫々異
なる。例えば球状のものでは直径0.5mm程度以下、
特に0.3mm以下が好ましく、多くの場合0.1mm〜
0.1μm程度のものが用いられる。針状では直径
0.1mm以下、特に50μm以下、L/Dは3〜100の
ものがよく用いられる。フレーク状では厚み0.1
〜100μm、長さ及び巾0.05〜3mm程度のものが好
ましく用いられる。金属繊維及び金属微粒子を形
成する金属としては、銅、亜鉛、錫、鉄、アルミ
ニウム、銀、ニツケル及びそれらを成分とする合
金例えば黄銅、真チユウ、ステンレス鋼、ジユラ
ルミンなどがあげられる。勿論上記以外にも導電
性に優れ、化学的に安定で毒性等がなく、繊維状
又は微粒子状に成型可能なものであれば本発明に
使用し得る。混合率は形状、大きさ、混合法など
によつて異なるが、繊維状、フレーク状、針状の
充填材では、体積混合率5〜50%、特に5〜30
%、最も多くの場合5〜20%で適切な比抵抗及び
成形性が得られることが多い。粒状の充填材では
体積混合率5〜60%、特に10〜40%で好ましい結
果が得られることが多い。
導電性充填材の他の例はカーボンブラツクであ
る。カーボンブラツクとしては導電性カーボンブ
ラツクが好ましく、例えばバルカンXC−72(米国
キヤポツト社)、アセチレンブラツク、ケツチエ
ンブラツク(オランダ、アクゾ社)などがあげら
れるのが勿論これらに限定されない。混合率が大
きいほど比抵抗が小さくなるが、成型時の流動性
が低下する傾向がある。通常カーボンブラツクの
重量混合率5〜40%、特に15〜35%で適当な比抵
抗及び流動性が得られることが多い。
上記の他、導電性充填材としてはカーボン繊
維、半導体粒子があげられる。カーボン繊維は混
合中に折損し易い欠点があるが、例えば直径10μ
m〜150μm、長さ0.1〜5mmのものを5〜40%
(重量)、特に10〜30%混合することにより適切な
比抵抗と流動性のものが得られることが多い。こ
の他導電性皮膜(金属コーテイング等)を有する
ガラス繊維も利用可能である。また酸化錫、酸化
亜鉛、酸化インジウム、硫化銅その他の無機半導
体微粒子及び金属又は半導体の導電性皮膜を有す
る酸化チタン、シリカ、酸化亜鉛などの粒子も利
用可能である。勿論上記各種導電性充填材を2種
以上組合せて利用することも効果的であり、例え
ば金属繊維/カーボンブラツク、針状又はフレー
ク状金属粒子/カーボンブラツク、金属繊維/金
属粒子、カーボン繊維/カーボンブラツクなどの
組合せがあげられる。
一般に、導電性充填材の導電効果は繊維状が最
も優れ、次に針状であり、粒状のものは劣る傾向
がある。(粒状のものでも連鎖形成性の良いもの
は導電性が良い。)従つて粒状のものは比較的多
量に混合する必要があり、流動性が劣るだけでな
く製品の柔軟性が劣る傾向がある。すなわち製品
に優れた柔軟性を与える見地から、繊維状充填材
が最も好ましく、針状及びフレーク状のものがそ
れについで好ましい。
発熱層を形成する熱可塑性ポリマーはポリアミ
ド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリオレフイ
ン、ポリビニル系、ポリエーテル、ポリカーボネ
ートその他あらゆる熱可塑性のものが用いられ
る。例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン
12、ナイロン610、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテル又は
ポリエステルセグメントを有するポリウレタン、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリブタジエン、及び
それらを成分とする共重合物や混合物などが有用
である。また製品の柔軟性(可撓性)の見地から
可塑成分を混合又は共重合したものやゴム状弾性
を示すものが特に好ましい。例えば可塑剤を含む
塩化ビニル、熱可塑性ポリウレタン(弾性体)天
然ゴム、各種合成ゴム類、ブロツク共重合弾性体
エチレン/酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリ
ル/ブタジエン/スチレン共重体、塩化ビニル/
塩化ビニリデン共重合物、ポリエチレンオキシド
やポリブチレンオキシドなどのようなポリエーテ
ルと芳香族ポリエステルのブロツク共重合物(ポ
リエーテルエステル)、同じくポリアミドとのブ
ロツク共重合物(ポリエーテルアミド)などがあ
げられる。勿論安定剤、流動性改善剤、分散剤、
着色剤などを副次的に添加することが出来る。熱
可塑性ポリマーの利点は溶融成型例えば押出成型
によつて容易且つ能率的に成型可能なことである
が、他方軟化点が低く耐熱性が劣る傾向がある。
しかし必要に応じ、成型後放射線(光を含む)照
射等により架橋させ耐熱性を改善することが可能
である。このため放射線照射により架橋可能なポ
リマーや、架橋成分(ビニル化合物など)を含有
させることも出来る。
耐熱性ポリマーは本発明の目的(発熱層及び絶
縁層用)に最も好ましい。耐熱性ポリマーとは、
軟化点が150℃以上、特に200℃以上のもの、最も
好ましくは250℃以上のものをいう。耐熱性ポリ
マーの代表的なものとしては、熱硬化性樹脂があ
り、例えばエポキシ樹脂、ポリウレタン、不飽和
ポリエステル、フエノール樹脂、尿素樹脂、メラ
ミン樹脂及びそれらの混合物等があげられる。耐
熱性ポリマーの別の例としては、ゴム(架橋を有
するもの)、シリコン樹脂、フツ素樹脂、芳香族
ポリアミド、芳香族ポリエステル、芳香族ポリエ
ーテル、芳香族ポリサルホン、芳香族ポリサルフ
アイド、ポリイミド、ポリアミドイミド、及びそ
れらの混合物、共重合などがあげられる。
上記熱可塑性ポリマー及び/又は耐熱性ポリマ
ーは、絶縁層用にも好適に用いられる。しかし絶
縁層の成分としては伝熱性が高いことが好まし
く、熱伝導率を高めしかも絶縁性を損なわないよ
うな充填剤、例えば無機物質の粒子又は繊維を混
合したポリマーがより好ましい。この目的に沿う
充填剤の例としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸
化アルミニウム、酸化鉄、シリカなどの金属化合
物及びガラス等の繊維及び微粒子等があげられ
る。また金属粒子、金属繊維、カーボンブラツ
ク、炭素繊維も、絶縁性を損なわない範囲、例え
ば比抵抗1010Ω・cm以上の範囲で混用することが
出来る。上記絶縁性の無機化合物粒子や繊維の混
合、混合率は3%以上、特に5〜60%程度が効果
的である。伝熱性改善のための無機充填材として
は、材質の熱伝導率がポリマーより高いことが必
要であり、1×10-3cal/cm・sec(℃)以上、特
に2×10-3cal/cm・sec(℃)が好ましく、3×
10-3cal/cm・sec(℃)以上が最も好ましい。(ポ
リマーの熱伝導度は0.0005前後、多くの無機化合
物で0.001〜0.03程度、金属では0.1〜1程度であ
る。) 本発明の発熱体は、熱可塑性樹脂を用いる場合
極めて容易に溶融成型法によつて能率的に製造し
得る。例えば発熱層成分(導電性充填材と熱可塑
性ポリマーの混合物)と、必要に応じて絶縁層成
分(例えば融点200℃以上の熱可塑性ポリマー)
を別々に溶融し、導線(例えば銅線)と共に所定
の配置をとらせながら多層押出口金から押出し、
同時に成型することが出来る。第8図は押出成型
法の例を示す押出口金の断面図である。導線2は
位置決め金具9の孔から引出され、導電性ポリマ
ーは矢印Aの部分へ供給され、絶縁用ポリマーは
矢印Bの部分へ供給され、3者は例えば第2図の
ように複合されて、口金12より矢印方向へ押出
され、必要に応じ水等で冷却固化し巻取られる。
導線2の間隔は位置決め金具9の導線引出し用
の孔10の間隔によつて定められ、発熱層1及び
絶縁層3の形は口金11及び12の形及び各ポリ
マーの吐出速度等によつて定められる。押出口金
の部材9,11,12を種々の形とすることによ
り、多様な発熱体を製造し得る。勿論ポリマーは
導電(発熱)用、絶縁用の2種に限らず、3種以
上とすること、絶縁用を省くこと、及び保持体と
共に押出すことも出来る。また、導電ポリマーと
導線のみから第1図のようなものを製造し、紫外
線や電離放射線等の処理でポリマーを架橋して耐
熱性を向上させたものを第8図の部材11の孔か
ら引出し(9は省く)絶縁用ポリマーをB部に供
給して被覆することが出来る。
絶縁層としては、通常の繊維からなる編織物を
用いることも出来、又ポリマーの絶縁層の外側に
編織物をかぶせることも出来る。
熱硬化性樹脂の使用法としては塗布法があげら
れる。例えばガラス繊維などの耐熱性(軟化点
150℃以上)繊維の編織物の中に1定間隔(例え
ば0.5〜8mm)で導線を織込み又は編込み、この
編織物の片面又は両面に導電性充填材を含む熱硬
化性樹脂の原料(モノマー、プレポリマー、溶液
など)を塗布、含浸し、必要に応じて硬化(架
橋)させる方法が好適である。勿論この編織物は
熱硬化樹脂の塗布基体及び導線の間隔を正しく保
つ保持体として働き、例えば硬化後必要な大きさ
の線状に切断し、更に必要に応じその表面を保護
層(絶縁層)で被覆することが出来る。また切断
前のシート状物の片面又は両面に保護層(絶縁
層)を塗布その他の方法で付与することも出来
る。このような塗布・含浸法も能率的であり、適
切な塗布・含浸技術(コーテイング法、浸漬法な
ど)により品質のすぐれた製品が得られる。同様
にラミネート法、すなわちシート又は膜状の導電
層を平行な導電又は導線を含む編織物等に接着
(導電性接着剤又は加熱溶融による)する方法も
応用可能である。
本発明の発熱体は、極めて細いもの(例えば繊
維状のもの)、薄いもの、柔軟なものなどを容易
に製造することが出来、しかも本質的に均一にす
ることが出来、温度斑が少なく安全というすぐれ
た特長を有する。また、長さにかゝわらず、単位
長さ当りの発熱量は一定とすることが出来、従つ
て自由に切断して使用することが出来るという大
きな特長を有する。勿論電源、リード線との接続
が容易であること、柔軟で軽く使い易いなどの長
所はすでにのべた通りである。
本発明の発熱体の発熱層は、比抵抗が正の温度
係数をもつもの、すなわち温度上昇と共に比抵抗
が増大するものとすることが出来る。その結果放
熱効果(高温ほど放熱が大)と合せて温度上昇が
抑制され、過熱を防ぐことが出来極めて安全であ
る。更に適切なポリマーと導電性充填材との組合
せに及び混合状態の選択によつて、温度による抵
抗の変化が充分大きい場合、例えば10℃の温度上
昇で比抵抗1.1倍以上(変化率10%以上)、特に
1.3倍以上、最も好ましくは1.5倍以上になる場合
は、温度が自動的に平衡し一定となる。例えば発
熱層の比抵抗の温度依存性が40〜200℃、特に50
〜180℃の範囲でかなり著しく変化するものを用
いることにより、平衡温度40〜200℃、特に50〜
180℃のものが得られ、種々の用途に適する。こ
のような温度の自動平衡点は放熱とも関係するの
で、それをあらかじめ正確に予測することは困難
であるが、実測することは容易である。またポリ
マーのガラス転移点近傍(中心温度±50℃)及び
それ以上の温度領域で比抵抗の変化を生ぜしめる
ことが可能である。
前記比抵抗の温度による変化は、ポリマーの軟
化点乃至融点近傍では、一般に顕著に認められる
が、ガラス転移点近傍での変化は、あまり顕著で
はない。特にカーボンブラツクのような極微小な
(0.1μm以下)粒子を多量に混合した比抵抗が比
較的低いもの(例えば103Ω・cm以下、特に
102Ω・cm以下)では、この変化が小さいことが
多い。ガラス転移点近傍及びそれ以上の温度領域
での比抵抗の温度変化を顕著にするには、ポリマ
ーの結晶化度の低いもの(例えば50%以下、特に
30%以下)、導電粒子の粒度の比較的大きいもの、
片状、針状又は/及び繊維状の充填材を用い且
つ、混合率を低目として比抵抗を比較的大きく
(例えば102Ωcm以上、特に103〜107Ω・cm程度)
することなどが有効である。本発明の線状発熱体
は、平行な導線の間隔が比較的小さいから、従つ
て発熱層の比抵抗が比較的大きいものを使用可能
であり、前記比抵抗の温度変化を大きくする場合
に有利である。
比較的低温の領域、例えば40〜150℃での比抵
抗の温度変化を大きくする別の方法は、低融点の
第3成分をポリマーに混合又は共重合することで
ある。例えばポリエチレンオキシド、ポリブチレ
ンオキシドなどのポリアルキレンエーテル(融点
−40〜100℃)、ポリエチレンアジペート、ポリブ
チレンアジペート、ポリブチレンセバケートなど
の脂肪族ポリエステル(融点−40〜100℃)を、
ポルアミドやポリエステルに〜30%程度共重合し
たり混合したものが有用である。またジオクチル
フタレート、ジステアリルフタレートなどのよう
な所謂可塑剤を各種ポリマーに3〜30%程度混合
したものも有用である。
本発明の発熱体は、衣類、履物、防寒具、毛
皮、敷物、椅子その他の家具及び建物、乗物等の
暖房用、機械器具の温度調節用など、前記特長を
生かして種々の用途に使用出来る。
以下の実施例で部、%等は特記しない限り、重
量比率である。
実施例 1 分子量1500のポリブチレンオキシド(グリコー
ル)を7%共重合した、分子量14000のポリエチ
レンテレフタレート(融点260℃軟化点約240℃)
に酸化防止剤(ヒンダードフエノール)0.5%、
導電性カーボンブラツク18%を溶融混練した導電
性ポリマーをCP1とする。CP1の比抵抗は、3.0×
104Ω・cmである。分子量16000、伝熱性及び強度
改良材としてガラス繊維(径10μ×長0.5mm)25%
含有のポリブチレンテレフタレート(融点220℃、
軟化点200℃)をNP1とする。
CP1を発熱層とし、NP1を絶縁層とし、直径
0.18mmの銅線を導線として用い、第8図のような
押出口金(275℃)を用いて第2図のような断面
の発熱体H1を得た。H1の導線中心間隔は3.9mm、
発熱層1の断面は長径6mm短径0.8mmの長円形、
絶縁層の外径は長径8mm、短径1.6mmであり、1
m当りの導線の抵抗は0.8Ω、1m当りの発熱層
の抵抗(導線間抵抗、常温)は1.7KΩであつた。
常温の空気中で、H1の導線に100Vの交流電源を
接続する時平衡温度は約73℃であり、消費電力は
長さ1m当り約4.6Wで電気毛布等に適する。一
般にポリエチレンテレフタレートなどのホモポリ
マーに、融点100℃以下の第2成分(例えばポリ
アルキレンエーテル又は脂肪族ポリエステル)を
1〜50%共重合することにより、平衡温度を低下
させ、所望の比較的低い値とすることが出来る。
実施例 2 両末端にアミノ基をもつ分子量2000のポリブチ
レンオキシドのアジピン酸塩45部とε−カプロラ
クタム55部を溶融共重合したポリエーテルアミド
(セグメントエラストマー)で融点205℃、軟化点
170℃のものでSE1に導電性カーボンブラツク25
%、酸化防止剤として酸化ポリエチレン銅塩2%
(銅分として300ppm)、ヒンダードフエノール2
%を混合した導電性ポリマー(比抵抗3.3×
104Ω・cm)をCP2とする。直径0.08mmの銅線7本
を束にしたものにガラス繊維の粗い(孔径0.3mm
位)組織の組物のチユーブ(外径0.5mm、内径0.3
mm)を被せたものとを導線とし、CP2を発熱層と
し、SE1に酸化チタン粒子10%、上記酸化防止剤
を混合したものを絶縁層として第6図のような方
法で溶融押出成型して、第6図のような、但し導
線2が2本共に保持体チユーブ4を有する発熱体
H2を得た。
H2の導線中心間隔は0.6mm、導電層1の厚み0.7
mm、絶縁層の外径寸法は巾3mm、厚み1mm、長さ
1m当りの導電間抵抗常温は1.2KΩ、空気中で
100Vの電源に接続したときの平衡温度は63℃、
消費電力は1m当り11Wであり電気毛布等に適す
る。この発熱体は万一オーバーヒートや他の熱源
によつて加熱されてポリマーが溶融しても、ガラ
ス繊維の保持体(チユーブ)があるために導電間
に短絡を生じうることがなく、安全である。
実施例 3 ガラス繊維織物の緯糸に6mm間隔で、直径0.1
mmの銅線を12本撚つた導線を織込んだものを基布
とし、その両面に、熱硬化性エポキシ樹脂で、直
径0.8mm、厚み20μmのアルミニウム片粒子16%、
導電性カーボンブラツク20%を混合したものを厚
さ0.2mmで塗布した。導電性樹脂を150℃で6時間
熱処理して硬化させた後(硬化後の比抵抗3.6×
103Ω・cm)、切断して内部に平行な導線2本を含
む巾12mm、厚み0.6mmのテープ状物とし、これに
ガラス繊維20%を含むエポキシ樹脂を塗布硬化し
て第5図のような断面の発熱体H3を得た。発熱
体H3の巾は12.5mm、厚み0.9mmであり、長さ1m
当りの導線間抵抗(常温)は470Ωであつた。
100Vの交流電源に接続したとき空気中での平衡
温度は126℃、消費電力は1m当り18Wであつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は参考例、第2図〜第5図は本発明発熱
体の具体例を示す横断面図であり、第6図は本発
明発熱体の別の具体例を示す斜視図である。第7
図は本発明発熱体の電源への接続法を示す断面図
であり、第8図は本発明発熱体の製造法を示す断
面図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 導電性充填材を分散した熱可塑性ポリマー及
    び/又は耐熱性ポリマーからなり、且つ長さ方向
    に連続し10mm以下の間隔で並行する少なくとも2
    本の導線を埋設した発熱層と、無機物質の粒子又
    は繊維を分散した熱可塑性ポリマー及び/又は耐
    熱性ポリマーからなり、且つ体積抵抗率が
    1010Ω・cm以上で、熱伝導率が1×10-3cal/cm・
    秒(℃)以上である絶縁層とを有する線状発熱
    体。
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